siroさんの「人魔と歩む者たち」かな?
一部抜粋
「(このままじゃお兄ちゃんに一撃を浴びせる事も、右足を動かす事も出来ない。
だからと言って、アスナさん達の前に行こうとしてもお兄ちゃんが立ち塞がっている。
お兄ちゃんからは右足のハンデがあるから攻めて来られないのが、救いだけど・・・
あれ?
このハンデと僕の勝利条件って・・・)」
そこでネギはあることに気付く。
痛みと焦りに思考が鈍る中、必死に考える。
「(もしかして!!)」
そして、ようやく『答え』に辿り着く。
ネギは構えを解き兄に話しかける。
「お兄ちゃん、やっと分かったよ。
僕がお兄ちゃんに勝つためじゃなくて、試験を『クリアできる』唯一の方法を」
「・・・やっと気付いたかー
もう少し早く気付けよ。
俺もこんなんしたくなかったんだからよー」
弟の言葉に横島も構えを解き、笑いかける。
2人の場にあった緊迫な雰囲気は消え、古菲も胸を撫で下ろす。
「ごめんね、お兄ちゃん。
最初から気付いていたら・・・」
「それを言ったらお前も殴られ損だからお互い様さ。
これからはもっと周りや自分の置かれている状況を的確に判断し、行動しろよ?」
「うん!!」
兄の言葉に頷いて、ネギはふらつきながらも真っ直ぐ歩く。
目の前に兄がいるが、向こうの手足が届かない程度に距離を開けて進む。
そして・・・
「「「「ええっ!?」」」」
お互いに相手をスルーに明日菜達は驚きの声を上げる。
ネギはダメージがあるのでゆっくりと階段を上っていく。
そして、ついに明日菜とまき絵の前に立つ。
「これで試験はクリア・・・ですね?」
「ああ」
エヴァが頷くのを見届けて、力が抜けて気絶してしまったネギは倒れこむ。
咄嗟に明日菜が抱きとめ、まき絵が膝枕を申し出る。
アキラが持参していた救急箱を開き、治療する。
それぞれがネギに集まる中、横島が唯一離れていたエヴァと茶々丸の側に寄る。
「お疲れ様でした、横島先生」
「フン!
手加減しないと言っておきながら、ヒントを与えすぎだ」
それぞれの声に横島は苦笑する。
「そう言うなって。
エヴァちゃんも明日菜ちゃん達に言いまくっていたじゃないか?」