先ほどじっくり時間をかけて読み直し、気になった点を。
妖夢の過去、士郎が見た夢のシーンなんですが。
まず、冥界には強力な結界が張られています。それを越えれるだけの力を持ち、白玉楼の存在を知っていて、さらに白玉楼に用がある。この３つの条件を満たしている者が妖夢と戦うわけですが、そんな物好きがはたして何人いるのか。さらに妖怪ではなく、人間だとあの３人を除けばほとんどいないでしょう。
結論から言えば妖夢の基本的な（というかほとんどの）相手は妖怪でも人間でもなく、自分の半身と同じ幽霊の類のものかと思います。その幽霊にしても、成仏せず、わざわざ白玉楼に留まっているものが、白玉楼の主とその従者と戦うのか。よほどたちの悪い悪霊ぐらいでしょうし、そんなものの数は大体にして数少ないものです。
紅魔館にしろ白玉楼にしろ、強力過ぎるほどの力を持つ主がいる場所に挑戦するのは阿呆か実力者かの二択です。そして力がある者ほど無駄な争いはしないもの。さらに、白玉楼は現世と冥界の境にあり、その存在を知る者は少なくとも、紅魔館を知る者よりは少ないはずです。
それらを考えると、妖夢が戦ってきた相手の数はたいしたものではないと思います。
次に妖忌が逝ってからのシーンですが、この部分を読んでいると、妖夢は妖忌に託された「から」幽々子に仕えているかのように思わされます。そうではなく、自身の意思で幽々子を主と認め仕えているはずです。妖忌との最後の誓いを強調しすぎではないでしょうか。仕える主が白玉楼の主であるから白玉楼を守っているに過ぎないわけですし。
そもそも妖夢の本当の職業は幽々子の剣の指南役です。庭師も白玉楼の門番も、あくまで兼任しているだけに過ぎません。生まれながらの立場や妖忌の言葉がきっかけだったにしろ、それはあくまできっかけに過ぎないはずです。あの夢はサーヴァントの過去を映すものですので、妖夢の幽々子への想いや忠誠が書かれていないのは、やはり不自然ではないかと思います。

返信する