……あれ、ここはどこ?
――気がついたか、人の子よ。
ええと。誰ですか?
っていうかここどこですか?
――私は人の言うところ『神』だ。そしてここは……私の住んでる家みたいなものだ。
姿形すらみえないんだけど……
――人の理解を超えた存在であるからこそ人は『神』と呼ぶのではないか?
一理あるのかな?
というか俺は病院のベットで闘病生活してた筈なんだけど?
ひょっとして俺って死んだの?
――ああ、それで完全にこちらの都合でお前にとある世界に転生して欲しいのだ。
ひょっとしてこれってネットでよく見たテンプレな神様転生ものの主人公になったの俺?
いや、俺は別に神様のミスで死んだわけでも死因がトラックに轢かれた訳でもないんだが……
――神様のミスとかありえないし、トラックに轢かれるのが何故転生に繋がるのか理解に苦しむが……
あれ?ひょっとして貴方って常識人なのですか?
――そっちでいう常識とやらがこっちでいう常識と同じとは限らないが……
少なくとも私にこっちでいう常識はないと思う。
へぇ~。
――少し話が逸れたが転生するにあたってなにか欲しいものはあるか?
神様転生するならやっぱりチート能力が欲しい。
――チートとは確か人外の力を指すのだったな。
では、体から無数の触手を生やせるゴキブリに変身できる力を授けてやろう。
ちょっとまってーー!変身するにしてもそんな気持ち悪い生物イヤーーー!!
幾らチートと言っても別に怪物に変貌する必要ないでしょ。
『FFT』のあいつ並の力とかでもチートでしょう。
……変身するにしてもせめて石を使って変身するアレとか。
――よくわからぬが今お前がイメージしたとおりの力を授ければいいのだな。
え?今のイメージを本当に実現できるの?
――私は『神』だ。この世の全ては思いのままだ。
マジですか!!
あれ?でもそれにしては俺の生きてた世界のことしらないみたいですね。
――別にお前の生きてた世界に興味がなかっただけだ。
じゃあ早く見に行ったほうがいいですよー
最近RPGとかで魔王とか魔神がラスボスっていう展開になえて神がラスボスになっていたりしてますから。
――別にどうでもいい。
……神様って寛容なんだな。
誰だ?神は傲慢とか言い始めた奴。
――知らん。とりあえず行って来い。
?なんか周りが激しく輝き始めて……
――ああ、そうだ。私から一言二言、一応言っておこう。
「あるがままにあれ」「望むままを行え」
以上だ。第二の人生を楽しみたまえ。
……?
なんかその文句どこかで見た覚えがあるようなないような。
確か大人気ダークファンタジーの83話で……
あれ?なんか目の前が真っ暗に……