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[7126] 【習作】ウルトラでカオスなリリカル戦記(オリ主+なのは+多重クロス)最新話を投稿しました
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2010/01/10 19:18



 【はじめに】


初めましてhadukiと言います。

処女作となりますのでチラシの裏に投稿しました。

初めて書きますので変な文章になってるところが多々あると思いますが

生暖かい目で見てください。



*この作品は

"リリカルの世界でオレtueee!と叫びたいオリ主(現実→なのは+多重クロス)"から

タイトルを変更しましたので宜しくお願いします。





 【この作品について】


現実世界からやって来たオリ主の物語ですが

その世界はリリカルなのはを含めた

多重クロスオーバーしたものとなっております。

しかしメインは「魔法少女リリカルなのは」ですので

他の作品との絡みはあまり期待しないでください。

オリ主は強いですが最強ではありません。

キャラの性格が改変される場合があります。

「魔法少女リリカルなのは」の本編開始時はその6からになります。

不定期連載になります。

作者の独自設定が出てくる場合があります。

クロスオーバーした世界、オリ主の影響で原作の設定が変化している場合があります。





 【登場作品】


現在登場している作品一覧です。


・無印編

魔法少女リリカルなのは

コードギアス 反逆のルルーシュ

ウルトラシリーズ

クロノトリガー

スーパーロボット大戦シリーズ

Fate/stay night


・A's編

魔法少女リリカルなのはA's

DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

ジョジョの奇妙な冒険

コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー

ガメラ 大怪獣空中決戦

ゼノサーガ

モンスターハンターポータブル2


・A's to StS編

魔法少女リリカルなのはStrikerS THE COMICS

HELLSING

GetBackers-奪還屋-

機神飛翔デモンベイン

Dies irae ~Acta est Fabula~

モエかん

???




また他にもネタやゲストキャラとして登場している作品もあります。





拙作ですが、感想などいただけると嬉しいです。

また意見、疑問など一言だけでも構いませんのでお待ちしています。


それではどうか、このカオスな物語をお楽しみ下さい。







 【更新履歴】


1月1日  A's to StSの11を投稿しました。

1月10日 【登場作品】を追記しました。

     A's to StSの12を投稿しました。







[7126] その01 伝説の超人は今回だけのようです。
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/30 00:28


現実的に、常識的に考えて転生とか、

現実世界から他世界に行くみたいなトリップなんてものがある訳ないだろう。

…………なんて思っていた時期が俺にもありました。

















ウルトラでカオスなリリカル戦記


その01 伝説の超人は今回だけのようです。








俺は大学生で日々平穏に暮らしていたのだった。

なぜ過去形なのかと言うと、今日、たった今交通事故で死んでしまったからだ。

おお、オリ主よ。死んでしまうとは情けない。……いやオリ主って何だよ。

俺は所謂、一般人Aとかそういう脇役のような存在だし。

それで死んでしまってこのままあの世に逝って閻魔様に会うのかと思っていた。

まぁあの世というものがあればの話なんだけどね。

そう思っている内に、ふと気がついたら周りが金色に光輝く不思議空間にいた。

……Why? ここはどこ? まさかここがあの世なのか? じゃあ閻魔様も存在するのか?




「ここはあの世ではない」

誰だ? 俺の心を読んだのは!?

「お前の目の前に居るぞ」

「なに! ……な、なん……だと……」

なんと! 目の前をよーく見てみたら、身長40メートルぐらいある

髭のようなものをはやし、マントを羽織った体が紫色の光の巨人がいた。

どうみてもウルトラマンキングです。本当にありがとうございました。

「はっ? 待って、いやどういう状況ですかこれは!?」

やばい、メッチャ混乱してる。なんであなた様のような方がこんな所にいるんですか?

訳が分からないぞ。これはもしや夢なのか?

「これは夢などではない」

また俺の心を読み、夢で無いと否定されてしまった。

「おまえは本来いた世界から今新たな世界に生まれ変わろうとしている」

マジですか! なんてこった人生何がどうなるか分からんものだ。

「だがその世界はあらゆる因子がはびこむ極めて歪な世界なのだ」

それってつまりどういうことですか?

「つまりは、その先の世界では極めて危険な世界なのだ」

ヴォーーイ! それでは生き返る意味ないのではないか!

「案ずるな。だからこそ今ここにわしがおるのじゃ」

ということはこれは俺に新たな力が宿る、超人化フラグですか。

光の巨人化ですね、わかります。

できれば、ゾフィー兄さんかセブンと同化してみたいです。

ウルトラ兄妹の中ではその二人が好きなんです。

「残念だが、お前の考えているようなことではない」

ええ~、同化とか融合とかしないんですか。

「だが、その代わりにこれを授けよう」

そう言うとキングから俺に向けて光を放った。

すると、俺の左手首に何と! ウルトラブレスレットみたいなものが装着された。

「それは分かりやすく説明するならばデバイスと呼ばれるものだ」

デバイス? うん? それってまさかリリカルなのはのモノの事ですか?

え~っと、もしかしてこれから行く世界とはまさか……。

「うん? でもなんで俺に力を授けてくれたんですか?」

いくらこれから行く世界が危険なのだとはいえキング自らが

力を授けてくれるだなんて。俺はレオやヒカリと同等の存在なのかな~、と自己陶酔してみる。

「それはお前がただの人間ではなく、特異点だからだ」

は? 特異点!? 桂木桂ですか? グランゾンですか?

俺は何時の間にやらあいつらと同類になったんですか!

「では逝くがよい、若き勇士よ」

それはウルトラの父がウルトラマンメビウスに言った台詞じゃなかったか?

つうか逝くって字が間違ってるだろうが!

「第二の故郷となる、リリカルなのはの世界へ!」

リリカルでマジカルな魔砲少女がいる世界ですね、わかります。




……


…………


………………マジかよーーーー!























そして俺は辿り着いたらしい、リリカルな世界に。

だけどさ――




「目覚めた先がシリンダーの中ってどういうことだーー!!」

あ! 培養液の中なのに呼吸できる。LCLなのかな?























 キャラ紹介


・ウルトラマンキング

登場作品:ウルトラマンレオ

ウルトラマンたちから見ても神のような存在で、ウルトラの星の人工太陽の

プラズマスパーク建設に尽力したウルトラ長老の一人と言われている、ウルトラ族伝説の超人。

大抵の事は何でもできる全能的な存在。戦闘能力でもM78星雲の

ウルトラマンの中では最強の能力を持っているという。




*このキャラ紹介ではリリカルなのはのキャラクターは紹介しないのでここで紹介しないキャラクターは

魔法少女リリカルなのはシリーズに登場するキャラクターだと思ってください。





[7126] その02 ピンチに陥るのはやっぱり俺が特異点だからかな?
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/30 00:26

前回のあらすじ


以前の世界で交通事故死

死んだと思ったら、かの伝説の超人に出会う

キングは次の世界が危険だからといいデバイスらしきものを貰う

その世界はリリカルな世界で他にもなにかあるぞと言われる

あとお前は特異点だからと爆弾発言される

そんでリリカルな世界へ

で、着いた先がどこかの研究室

そして俺はそこの研究員という訳ではなく実験体でした。

リリカルの世界+怪しげな研究室=

ここから導かれる結論は一つ




ドクターの研究所ですね、わかります。








早速ピンチになりました。(´・ω・`)
























ウルトラでカオスなリリカル戦記


その02 ピンチに陥るのはやっぱり俺が特異点だからかな?


























とりあえずだが自分の状態と周りの状況などの整理を。

体は、お約束の幼児化。予想の範疇だからここは気にしな~い。

これが女体化だったら少し落ち込んでいたが、そうならなくてよかったぜ。

次は周りを見ると薄暗い部屋の中で何かの機械があるだけで、

部屋の中は狭く他に俺が入っているようなシリンダーが無いところを見ると

ここは専用の個室のみたいなところかな。じゃあ俺って特別なのかなと、

ちょっと嬉しくなった。だけどこの後に現れる人物に会ってテンションが一気に下降してしまったよ。

やっぱりご想像通りの人物でしたよ――。



「やあ、お目覚めの気分はどうかな?」

そんな挨拶をしてきた、マッドなドクター、ジェイル・スカリエッティです。

気分はだって? 鬱になりましたよ。まったく何となく分かってたけど、

ここまで気分が悪くなるとは思わなかったよ、ドクターよ。

「回収してから、今まで一度も目覚めなかった君がようやく目覚めたと報告が入ってね」

回収? ということはドクター製の戦闘機人か人造魔導師に憑依したわけでは無かったのか?

「眠りについてる状態では良いデータは取れなかったからねぇ、

ようやく君の研究を本格的に移すことができるよ」

あれ? 俺って普通の人間じゃなかったけ? そういえば特異点だとか言われたけど――。

「それに君が持っていたデバイスらしきモノも中々に興味深いよ」

デバイス? ……って! 手首に付いてたブレスレット(名称不明)が無い!

「けれど強固なプロテクト掛かっていて残念ながら解析がほとんど進まなかったよ」

はっ、ざまあ!

「君の脳を調べてもあのデバイスの情報を探ることはできなかったし、ますます興味を持ったよ」

デバイスのことについては貰ったばかりで何も知らないから当然だけど。それよりもだ――。



やっぱり体を弄くられてたーーー! くそう、そんな目で見るんじゃねえ! 怖いっつうの!

「フフフ、まあこれから調べれば分かることだがね。

あぁ~実に楽しみだ! 君は私に何をみせてくれるのだろうか。ククク――――」

気味が悪いことを言いながら部屋を出て行った。生で見ると本当にマッドだなあれは。

しかし、どうやら俺が目覚めたことで本格的に実験をするようだし、どうにかしないとなあ……。

『……マ……タ……』

けどこっちはここが何処なのか、

この体の状態も全然把握していないから何をどうすればいいやら……。

『……マス……』

何だ、この感覚は? これがニュータイプ? 脳量子波というやつか?

『……聞こえますか、マスター』

声が聞こえる、テレパシーか? 念話か?

(おう聞こえるぞ。で、あんた誰?)

『私は貴方のデバイスです』

おう! うまく通じたぞ。俺っていつの間にそんな真似ができるようになったんだ?

(あれ本当にデバイスだったんだ。しかもインテリジェンスか? アームドか?)

『いえ、厳密に言うと私はデバイスではありません』

そういえばキングやドクターもデバイスみたいなものと曖昧に言っていたな。

『私はデバイスというよりもロストロギアのようなものです』

ロストロギアって! めっちゃ危険物の塊じゃないですか!?

『では、別の言葉で表すと私はメテオールと呼ばれるものです』

メテオール……だと。はっ!?

『メテオールとは、Much Extreme Technology of Extraterrestrial ORigin

(地球外生物起源の超絶技術)の略です 』

(それってあのウルトラマンメビウスに出てきたメテオールのことですよね?)

『そうですね。しかし私はあくまで自分がそういったものであることでしか分かっていません』

(それってどういうことだ?)

『人間で言うところの記憶喪失です』

(記憶喪失!?)

『正確にはシステムにプロテクトが掛かっているか、記憶の一部が消去されているかの

どちらか、あるいは両方です』

(じゃあ自分の名前も分からないのか?)

『いえ名前は分かります。私の名前はブレイブハーツです』

ブレイブハーツ、勇気の心か。

『あなたの名前を聞いてもよろしいですか?』

(名前? え~っと、名前は……)

どうしようか本名名乗るか、それとも新しい名前を考えてそっちを名乗るか――。

(名前はちょっと待っててもらえるか。とりあえず今の状況を把握したいんだけど)

『分かりました。では状況を説明しましょうか?』

(あれ? もう分かっているのか?)

『はい、既に索敵完了していますので簡単に説明しますと、

要するにジェイル・スカリエッティに捕らわれています』

(――――いや、それくらいはもう理解しているから他の事について説明してくれ)

『冗談ですよ』

なんだこいつ、こんな性格なのか。

『現在は管理局風に言いますと、ある管理外世界のスカリエッティの研究施設にいます』

ミッドチルダでは無いのか。まったく何だよキング、リリカルの世界と言いながら

ドクターしか合ってないではないか!

『施設内ではマスターとスカリエッティ以外の生命反応は……

戦闘機人と思われる反応を確認しました。またガジェットと思われる反応も感知しています』

なるほど、完璧に敵地のど真ん中に捕らわれている訳なのか。

(ブレイブハーツ、ガジェットや戦闘機人の数は分かるか?)

『ガジェットはⅠ型が十機ほど、Ⅳ型は数十機。戦闘機人は3人です』

この場合、多いのか少ないのかどっちなんだろうか。

いやどっちにしたってまともに敵う相手じゃないな。

ガジェットⅠ型にだってタイマンでも負けるだろうし。

(うん? そういえば、なんでお前さんはガジェットだとか戦闘機人のことを知ってるんだ?)

こっちは原作知識というチートがあるからだが。

『あなたの持つ知識の大半はこちらにインストール済みだからです』

(いつそんなことを?)

『あなたが私を受け取った時に行いました』

知らない間にそんなことをしていたのか。何というご都合主義。

まあおかげでやりやすくはなったからいいか。

(状況は分かったけどどうする? こんなんじゃ脱出なんか無理だよな?)

『マスターは脱出したいのですか?』

(当たり前だ! 誰が好んでこんな所にいるか! このままじゃドクターの玩具確定だし)

こいつ本当に変な奴だな。マスターと呼んでいるけど俺の事からかってないか?

『それではマスター脱出しましょう』

(いや、だからこの状況じゃできないだろう)

『その為にこの私がいるのですよ、マスター』

やけに自信満々ですな、これは冗談じゃないよね?

(お前ならここから脱出することが可能なのか)

『戦闘を避ければ脱出することは余裕です』

(マジか! 何だよ、それならもっと早く言ってくれよ。軽く絶望して損したぜ)

あと疑って悪かったと心の中で謝罪。

『では、私の起動パスワードを唱えてください』

(起動パスワード?)

『初期起動の際に必要なのでお願いします』

まあ、お約束と言えばお約束か。

『では、続けて唱えてください』

了解した。



『我、使命を果たす者なり。秩序のもとに、その力を解き放たん。光は太陽に、星は宇宙に』

「我、使命を果たす者なり。秩序のもとに、その力を解き放たん。光は太陽に、星は宇宙に」

『勇気の心をこの胸に。この手に無限の未来を』

「勇気の心をこの胸に。この手に無限の未来を」



「ブレイブハーツ、セットアップ!」



『起動パスワード確認。ロック解除しました。起動開始』

ブレイブハーツがなんか言ってる間に俺の左手首が輝きだす。

そして戻ってきた我がデバイス。

そして俺の体全体が輝きだす。シュパーーーン!という感じで。そして直ぐに完成した。

バリアジャケットは黒いブーツと紺のズボン、白のシャツに黒いロングコートのような感じの構成だ。

そしてデバイスの形はブレスレットが大きく変化し金色を基調とし

中心に青色のクリスタルが付いたブレス。ぶっちゃけマックススパークとメビウスブレスを

足して割る2をしたものの色違いです、本当n(ry

「これって、お前がデザインしたのか?」

『いえ、元々設定されていたものです。それから今の変身で

こちらの動きが気づかれたと思います、直ちに撤退をしましょう』

「いや、だからそれはお前がどうにかするんじゃないのか?」

『起動したことで貴方にも私のデータが送られてきている筈です、意識を集中して下さい』

むう、どれどれどんな感じだ……。おお! 何か色々な情報が溢れてくるぞ。

『その中からこの状況下で有効な能力を探してください』

というと脱出用だろ、となると……お、これは――。

「フフフ、随分と面白いことになっているじゃないか」

げっ! もう来たのかよ。……しかも戦闘機人付きか。

それで面子はドクターのお付きのウーノと戦闘能力が高いチンクに……なんだ、メガネか」

「あら~どうして私だけ扱いがこんななのかしら~」

地の文にツッコミを……って、最後は口に出てしまったか。それでもメガネとしか言ってないのだが。

「ここから逃げるつもりかね?」

「あぁ世話になったようだけど、俺はもう出て行くぞ」

このままいたら酷い目遭うのは確定だからな。

「そうかい残念だなぁ、ようやく君と話ができるようになったのに」

「悪いけど、マッドなやつと話をするネタは俺には無いんでね。他当たってくれ」

「フフフ、ハハハ! この状況下でその立ち振る舞い、やはり君は興味深い存在だねぇ」

そんなことないからさ、だからこっち見んな!

「ねぇ、ドクター。この子に少しお仕置きをしてもいいですか?」

メガネがドクターに物騒なお願いしてるし、勘弁してくれ。

「反抗的なモルモットには躾が必要ですよねぇ」

だれがモルモットだコラ! メガネ割るぞ! ……Stsの時にでも。

今のままだと返り討ちになるのは明白なので今は自重する。感情的にはならない。

なったらそこでゲームオーバーだ。

「ふむ、あまり傷つけないでくれたまえ。貴重なサンプルなのだから」

「は~い勿論ですわ。そういうことだから良いわね、チンクちゃん」

「あぁ、分かっている」

メガネはノリノリだな、チンクはあまり分からんが。

「だから他当たれってーの。こっちはそんな趣味は無いんだよ」

(ブレイブハーツ、準備は?)

(もう少しです)

ふっふっふ、実は既に逃走の準備をしていたのだよ。

だから今はどうにか時間稼ぎをしてやり過ごす。

「逃げようとしても無駄だよ。今この一帯はAMFを展開し、魔法を使うことは困難だ」

「その上、私たち戦闘機人が相手の前ではあなたなんて簡単に取り押さえられるわよ」

確かにそれにドクターだって戦えるしなぁ、ここから出てもこの施設全体を覆うAMFの発生源である

ガジェットも相手にしなくちゃならない。けれどね、誰がそんなメンドクサイ真似なんかするか。

「まあ待て、お前らは1つ勘違いをしているぜ」

相手に主導権を持たせたままじゃやられるのでここからが俺のターン。

「何かな? その間違いとやらは」

「俺はただ脱出したいだけで、戦うつもりは鼻っから無いんだよ」

じゃあお前らを倒してここから出ていく、なんてそんなかっこいいこと言えないし、出来ないよ。

いくらブレイブハーツからある程度の能力と知識は得たとはいえ、

それをいきなし実戦で使うほど自惚れてはいない。

だいたいちょっと前まではただの大学生だったんだからそんな真似はできるかってーの。

というか基本的に俺はチキンだしな! ……えばって言える事ではないけどな。

「我々と戦わずにどうやってここから脱出するつもりだ?」

ふっふっふ、それはだね――――。

「こうやってだ!」

『テレポーテーション』

瞬間、俺の体が光り輝いて体が消えていく。チンクが動こうとしているが

もう遅い。発動した以上は俺を捕らえるのは無理だ。

テレポーテーション。それはウルトラ一族が使っていた超能力で

あらゆる場所に瞬間移動できるというとんでもない力だ。

今の俺でも一回だけならどこでも移動することが可能で

取り敢えず急いでたから地球には移動できるようにしたけど

地球のどこに移動するかまでは設定しなかったがここに居るよりかはマシだろう。

「じゃあな、戦闘機人にドクター。次に会った時にはちゃんと相手をしてやるよ」

「ほう、会いに来てくれるのかね?」

「会いには来ねえよ。だがいつか相見えるだろうさ。否が応でもな」

俺がなのはたちと関わっていればの話だが。

「フフフ、ならばその時を待ちわびるとしようか」

「そうなる前に捕まってろよ。犯罪者め」

そうして俺はこの場から脱出した。























「やれやれ、ようやく地球に着いたぜ」

『お疲れ様です』

まったくだ。二度目の人生のスタート地点がシリンダーの中からとかどんだけだよ。

「しかし、ここって地球のどこなんだ?」

どっかの建物の中みたいだが?

『現在の座標を確認しました。どうやらここはイギリスですね』

イギリスか。確か料理ってあんま美味しくないみたいなんだよな。

腹ペコ王とか赤いあくまが切れてたぐらいだし。

『どうやらこの建物は時計塔のようですね』

……ああ、時計塔はイギリスにあったんだったな。

つうか時計塔のどこだよ? どっかの部屋みたいだけどさ。

『地下です。地上からそれなりに離れていますね』

時計塔に地下っておまっ! どこぞの協会じゃあ在るまいし……。



えっと……ここってリリカルな世界なんだよな、非殺傷設定のクリーンな世界なんだろ!

命を掛けた戦いとかそんなのとは無縁な世界なんだろう! オイ!







「ほう、こんなところに奇妙な客が来るとは面白い」

ナンカキコエタヨウナ……。

「外の人間がしかもこんな小童がここまで来るとは、こっちを向いて顔を見せてくれんか」

と言われて振り向こうとする俺。だって、無視したらヤヴァイって警報が出てるんだもん!

それにこの声の感じは年寄りのような声なんだけどさあ、

あの人じゃないよね。あの翁じゃないよね。そして振り向きその声の主を見た。








その人物は黒いローブを羽織っており

銀色の髪と、顎鬚を生やし



その瞳は――赤に染まっていた。










はい、どうみても宝石翁です。本当n(ry











さて、ここでひとつ聞いたいんだが。

あっちにいるのとここに逃げたのとでは、どっちがマシであっただろうか?























 キャラ紹介


・キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ

登場作品:Fate/stay night

魔道元帥ゼルレッチ。本名キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ。「宝石のゼルレッチ」

「時の翁」「宝石翁」「万華鏡(カレイドスコープ)」など、多くの異名を持つ。

現存する5人(内存命4人)の魔法使いの一人。第二魔法〝並行世界の運営〟の使い手。

昔「気に入らない」という理由で朱い月(タイプ・ムーン)に喧嘩を売り勝利したが、

その際に相打ちで朱い月に血を吸われ、死徒となる。そのために死徒二十七祖の四位にも数えられる。

死徒になれば老化しないはずだが、なぜかその後めっきり老け込み、

現在は全盛期ほどの魔法行使は出来ない。死徒となった後も魔法使いとしての姿勢を崩さずに

様々な場面で活躍している。悪に義憤し善を笑う人物。

普段は並行世界を旅しており基本的に消息不明だが、たまに帰ってきては問題を起こして、

また旅にでることを繰り返している。並行世界に弟子を取り、破滅させることもしばしば。













[7126] その03 3話目でオリ主の名前が判明ってどんだけーー!
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/30 00:26

前回のあらすじ



あ……ありのまま、今、起こったことを話すぜ!

マッドなドクターから逃げることができたと思えば

宝石翁にエンカウントした。

な……何を言ってるのかわからねーと思うが

おれも何が起こったのかわからなかった……

頭がどうにかなりそうだった……

しかしまわりこまれてしまった! だとか大魔王からは逃げられないだとか

そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……























ウルトラでカオスなリリカル戦記


その03 3話目でオリ主の名前が判明ってどんだけーー!























「ほう、異世界の人間か」

とりあえず事情を説明することになりました。

話さないと無理矢理にでも吐かせるやるぞ、というオーラを感じたから

ガクブルしながら話しました。ほらこう言うじゃん、長いものには巻かれろと。

テレポーテーションで逃げようにもすでに使っててもう力がもう残ってないし、

無理に使おうとしたら命に関わるからね。本家本元だって寿命か命を削って使ってたわけで

え? 俺は平気なのかだって? 今のところは一回だけなら大丈夫みたい。

それ以上使うと最悪の場合は死ぬっぽいけど。

だからそんなことにならないよう大人しく話している訳ですよ。

「……という訳なんです」

ちなみに今はスカの奴から逃げ延びたところをお話中。次元世界での出来事だけど

宝石翁は既に管理局のことまで知っていたらしい。でもこの人の魔法って

”平行世界の運営”で次元世界のことは関知できないんじゃないかと思ったんだけど

昔の実験で偶然にも次元世界に干渉できたらしい。その上、あの管理局の三提督とも

知り合いだそうだ。この辺ことは機会があれば聞いてみることにしよう。

あと自分が現実世界から来たことは流石に話していない。これを話したら

いくら平行世界を行き来する魔法使い相手でもまずい事態になりそうだと思ったから

このことを知るのは俺とブレイブハーツで十分だと考えたのだ。あ、あとキングもか。

と、紅茶を飲みながら説明中。

ちなみにここはさっきの場所ではなく宝石翁の部屋でお茶しながら説明している。

しかしようやく転生してから一息つけることができたな~。

まだ一日しか経ってないけど長かったなぁと感じてしまっている。

「ほう、お前さんなかなか面白い体験をしているようだな」

俺の逃走劇をそんな一言で済ませちゃいましたよこの御仁は。

俺の体験した事が面白いで済む当たりやっぱこの人ってすごいよな~、色々な意味で。

まぁ長生きしてるとそんなんで済んじゃうほどすごい事をしてるんだろう。

魔法使いな上に死徒でもあるし、月落としを止めたりとかその辺の事で。

「ところでお前さんはこの後どうする予定なんじゃ?」

どうするって? そりゃあもういいかげん海鳴に行きたいよ。これはあくまでリリカルの話なんだぜ。

「行く場所はもう決めてはいるのですが……」

だけど少し問題があるんだよなぁ……。

「じゃが、お前さんはこの世界では身元不明な人間であろう」

宝石翁がこんな当たり前のことを言うのはものすごく意外なのだが

確かにその通りで今の俺には戸籍がなく、まだ小学生ぐらいに見える子供だ。

あ、でもそれは見た目だけで実際は中学生に通える年齢なのかもしれないけどね。

だけどそれじゃあどこかの小さな執務官みたいでやだなぁ。

「そこでだ、どうじゃワシがお主の身柄を預かろうか?」

へっ? ……な、なに!? 今何を言ったのか理解できなかったぞ。

「戸籍を用意すると言っている」

なっ!? 確かにそれはありがたいことだが……。

「それって、勿論条件付ですよね」

「当然じゃ。等価交換は魔術師にとって基本じゃろ」

俺は魔術師じゃないんだけどね……。

「なぁに簡単なことじゃ。ワシの助手を務めるだけでよい。期限はそうじゃな1年くらいで」

どうやら宝石翁は俺のテレポーテーションの能力に目を付けたそうだ。

確かにあれなら宝石翁の魔法みたいに世界を行き来できるからな。

最も今の俺じゃあ一日一回が限度だけど。

「ならばついでにワシが修行をつけてやるぞ」

そ、それは勘弁してほしいな……。この人の修行を受けた人間は高確率で廃人化だし。

俺はそんな死亡フラグは立てたくないぞ。

『マスター』

(うん? 相棒か久々だな)

『マスター。逆に考えるのです。廃人になってもいいじゃないかと考えるのです』

(成程。ってオイ! 駄目だろそれじゃあ!)

久々に出てきて一体何を言うんだお前は!

『ですがマスター。ここはその申し出を受けたほうが良いと判断します』

(そんなに廃人フラグを立てさせたいのかお前は!)

『いいえ、この話は一石二鳥になる話ですよ』

(何? どういうことだそれは?)

『いいですか、先ほど言った通りマスターには戸籍どころか無一文状態です』

うっ、そういえば金のこと考えて無かったな。

最悪、高町家に居候させてもらおうかとは考えたが。

『またあなたはまだテレポーテーションが使えるだけの子供です』

テレポーテーションしか今のところできないからな。

……いやでもそれはそれで凄いけどな。個人の力で世界を行き来出来るんだから。

『ですからゼルレッチ氏の下で色々なことを学んで、そして強くなってほしいのです』

(言っていることは理解できるけど、でも廃人はなあ~)

『あなたなら大丈夫ですよ、マスター』

(その根拠は?)

『あなたが私のマスターだからです』

なんて自信満々に言われてしまった。一瞬ポカーンとしちまったよ。

『あなたが私のマスターならこの程度の試練乗り越えて当然です』

時計塔の主席クラスの人間でさえ廃人化するといわれる修行をこの程度ってどんだけだよ。

……けどまあ、そこまで言われてはいつまでもウダウダ言ってられないか。

それに1年の期間だったら耐えられるだろう。あくまで助手で弟子になるのとは違うんだから。

うん、多分、きっと……大丈夫だよね? あぁもう! 仕方ない覚悟を決めますか。

「一つだけ確認したいんですが」

「なんじゃ?」

「魔術協会や聖堂教会には俺の存在や力を公にしませんよね?」

そうなったらなんか俺の命の危険が年中無休になってしまうような気がするから聞いてみた。

「無論じゃ。お主の存在は実に面白いと同時に面倒事になるからのう」

あなた自身もトラブルメイカーじゃないですか?

「じゃが、人の口に戸は立たないというからな、そこまでは知らんぞ」

そればかりは仕方ないと諦めよう。なんかどっちにしろ何かあるような気がするけど……。

「分かりました、では宜しくお願いします」

「うむ、ところでまだお主の名を聞いていなかったな?」

そういえばそうだった。

『ボケですね』

なんかさっきから酷くねえか? で、名前だがもう決めた。

これがこの世界での新しい俺の名前――――。









「俺の名は、迫水仁サコミズジンです」

こうして俺は期限付きの魔法使いの助手となった。







[7126] その03.5 助手という名のパシリがこの1年を軽く振り返ってみる
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/08/10 22:33

前回のあらすじ

俺の名前は迫水仁サコミズジンだ。

魔法使いであるキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグの助手をしていた。





うん? 何で過去形かって? それはもう期限である1年を過ぎたからだ。

いや~今思うと早いもんだねぇ~。というかよく生きてるな俺。いやホントに。

どんなだったか聞きたいのか? まあ結構長くなるから手短に話すと。

宝石翁の勝手気ままな旅であちこち連れ回されるとか

あれが欲しいこれが欲しいと散々こき使われるとかなど

本当に色々と遭ってだな――――。









ミスブルーとその姉の喧嘩に遭遇したり

埋葬機関や第13課に目を付けられたり

どっかの魔術師やら呪術師たちに狙われたり

ホムンクルスに喰われそうになったり

ヤバイ運び屋や護り屋なんかに追いかけられたり

ナチスの軍服着た賞金首に殺されそうになったり

悪霊とか妖怪とか吸血鬼などの異形に襲われたり

etc









もうね……リリカルとか型月だとかそれだけじゃないんだもん!

おかしすぎるよこの世界は! 人外魔境ってレベルじゃねえぞ!

なんであいつらが出て来るんだよ! っていうやつらに何度も遭遇して

その上、知り合いにまでなっちゃったよ……。

あ、あれ変だな、目から汗が溢れてくるぞ……。

あぁやばい、思い出してきたらだんだん鬱になってきた――――。








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ウルトラでカオスなリリカル戦記


その03.5 助手という名のパシリがこの1年を軽く振り返ってみる






















とまあ命がいくつあっても足りない目に遭いました。

まあ酷い目にあったけど怖いやつら以外にも一応は良い知り合いもできたからいいかな?

蒼崎姉妹は良いかどうかは判断に迷うがな……。

他にも承太郎さんたちと出会ってスピードワゴン財団との縁が持てたのはブラボーだった。

まさかスタンド使いでもないのにスタンドを視ることができたのは

俺も含めて皆でびっくりしたのもいい思い出だ。

あとは同い年位の奴だと蛮ぐらいだな。あいつも不幸の星の元に生まれたから

なんか親近感が持てたがそんなこと言ったらぶっ飛ばされてしまった。ヒドス。

そんなイベントを乗り切って色々な事を得て来ました。自分自身の力の使い方や

様々な知識を学び経験などをね。これなら来るリリカルイベントもやっていけるぜ!

それにこっちはなんたってクリーンな非殺傷設定の魔法だからな。殺し合いの無い世界サイコーー!

でもどうせそれだけじゃなく、どうせリリカルイベント以外にも巻き込まれるんだろうな……。

こっちは関わりたくないのに、それを無視してあっちからやって来るんだろうな……。

それはもうこの1年で否が応でも学んだことの一つなのだ。……んなもん学びたくなかったがな。

でだ、他に宝石翁との約束通りこの世界の戸籍を手に入れた。

宝石翁の力をもってすれば造作もないことです。みたいな感じだった。

それと、宝石翁から多額のお金を頂きました。これには正直ビックリした。

それとは別で俺は助手をしながらも訳ありの依頼とか受けたりしてお金を稼いでいたんだけどね。

後に一人で暮らすとなるとやっぱり先立つものがないと困るからで、

せめて普通にアルバイトができる歳までは持つくらいにはと稼いでいたんだけど

結局、自分で稼いだ分では足らなかったのだ。そこに宝石翁から、

今までの助手の仕事代だとお金を頂いた時はこの1年の中で初めてあなたに感謝しましたよ。

どうやら俺の仕事ぶりが割と評価が高かったらしい。

あの人に認められるとは俺ってけっこう優秀だったのかな?

でもあんなに色々な事をさせられたんだから当然といえば当然なのかな?

またお金を頂いたときの宝石翁の台詞が――。

「なあに孫に小遣いを与えたようなものじゃ。姫君にさえあげたことがないのじゃぞ」

自慢してもいいぞなどと言われた。あれ、あなたってこんなキャラでしたっけ?

姫君にもあげたことが無いのと言うのは彼女には特に必要のないものだしな……。

何せ彼女には黄金城があるんだから金に困ることなんてないし。

そのお姫様は今のところは死徒狩りの時にしか目覚めてないんだったっけ?

彼と出会うのはまだまだ先か。でも、一度だけでも見てみたかったな、姫君さんを。

でもやっぱり怖いからアーパーになった頃に会いに行ってみようかな……。

まぁそれは置いといてとりあえず資金が予想以上に手に入って先の問題は解消された。

これなら大分持つから無駄にお金が使えるぞ。……いやまあ無駄に使うようなことは無いと思うが。

他にも手はあるんだけどお金の問題で先生の手を借りたくないしな……。

先生とは? そのことについてはまた機会があれば話そう。

それで住居の方はマンションを一室購入済みな上に家具の方も一式揃っている。

これは戸籍の件で一緒に貰ったものだからノーマネー。

やっほーーぃ! 念願の一人暮らしだぜ。元の世界じゃあ家族と暮らしてたからなぁ……。

それも今では懐かしく思える。あれ、でもまだ1年ぐらいしか経ってなくねぇ?

『ジン、着きましたよ』

そう言われて電車から降りる。そしてついに着きましたよ、海鳴市に。

「はあ~、漸く辿り着いたな。すっごい遠回りな道のりだったぜ」

ほんと、リリカル世界に行ってすぐにここに来るのだと思えば

ドクターの研究所から始まり、そこから逃げたら今度は魔術師達の巣窟で、

その上に魔法使いと遭遇してそれから1年はあちこち関わりたくないドタバタに巻き込まれて……。

もうあれだ、某幻想殺しの少年みたいに叫びたい……。



不幸だあぁぁぁーーーーーー! って。でも本当に叫ぶのは恥ずかしいので心の中で叫んでおいた。

『色々ありましたからね。取り敢えず私たちの家に行きましょう、ジン』

こちらの心境を無視して急かせる我が相棒のブレイブであった。

あとそうだ、相棒のブレイブハーツについて話そう。

俺はコイツをブレイブと呼び、コイツは俺をジンと呼ぶ。

これは主従関係でなく、お互いを相棒として認めあってこう呼ぶようになった。

1年の間にお互い色々ありましたよ。先ほど述べたような体験もあって

お互いあっという間に信頼関係を築くようになった。

つうかもし喧嘩なんてしてたらあっという間に死んでただろうしな。

で、ブレイブは元々キングのところにいた訳でなく拾われたようだ。

ブレイブは自分の出自や能力に関してはメテオールと呼ばれるオーパーツ。

管理局風に言うとロストロギアと呼ばれる存在であることしか分からなかったようだ。

ただ自分の担い手が現れれば自分が何者なのか分かると思い

キングと一緒に探していたらしい。でもブレイブを扱えるものが

見つからなかったところに俺が現れた。なぜ俺がコイツの担い手に選ばれたのかは分からない。

ただ、起動して分かったことがどうやら俺と同じくブレイブも特異点だったらしい。

他にもまだブレイブには色々と秘密があるらしいのだがそのことについては

また追々調べることにしている。そしてその能力、テレポーテーション以外に

何ができるかというと…………。

所謂、光線技とか超能力だとか具体的にキャッチリングだとかウルトラサイコキネシスなどなど。

そして必殺技はスペシウムバスターである。どうみてもウルトラマンの技です。本当に(ry。

これがブレイブがメテオールと呼ばれる所以なのである。

その力はウルトラマンのような力の行使である。

最もその力はオリジナルに比べるまでもなくかなり劣っている。

あくまで同等ではなく同質な力なのだが。

それでもね、俺はウルトラマンが好きな人間だから声を大にして言いたい――











キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!


やっほーーい! 夢が叶ったぜぃ! ブレイブ最高ーー!












『落ち着きましたか、ジン?』

「あ、うん。取り乱して済まんかった」

そのように冷静に対処されるとへこむんですけど。











取り敢えずこの能力はそのまんまメテオールと呼称する。

この力は魔法じゃなくて超能力、或いは光の力なんだけど

消費するのは魔力か光エネルギーである。

ちなみに俺の魔力量は現在のところせいぜいAAランクぐらいで。

なのはやフェイト、はやてに劣る。

しかしそんな俺にブレイブとの契約によって得た能力、

【魔力変換資質・光】と【光吸収】

俺自身がすでに持っていた特異点以外の能力、魔力炉の【無限容量】という能力。

これらはそれぞれ個別ではそこまで凄い能力ではないが

お互いを組み合わせることによってとんでもない能力になる。

【魔力変換資質・光】はそのまんまで魔力を光エネルギーに変換。

【光吸収】は読んで字のごとく光エネルギーを吸収するという能力。

これはウルトラセブンなどにもあった能力だな。

また太陽が出ている環境下では、回復するだけではなく

自分の能力をパワーアップするという。

しかし逆に夜などの光が出てない暗闇の状況だとパワーダウンする上に

燃費も悪くなるという欠点もある。

人工の光でも多少だが効果はあるけど、夜だと暗闇の方が多いので

焼け石に水である。だから夜での戦闘はなるべく避けたいところです。

他にも寒いところや環境汚染が酷いところだと夜の状況よりも能力が激減する。

こうして並べてみると弱点が多いが元々ウルトラ一族ってそんな弱点もあって

その能力をほぼ忠実に再現して造られたものだからまあ仕方ない。

つまり俺は等身大のウルトラマンと化してしまったわけだ。

補足すると流石に戦闘時間がたった3分間というわけではないのであしからず。

次に俺自身がすでに持っていたいう魔力炉の【無限容量】という能力。

魔力炉は大雑把に説明するとリンカーコアや魔術回路などと似たようなもので

力を行使するために必要な機関のこと。

それでその魔力炉にある能力、【無限容量】は

よくある無限にエネルギーを生み出す永久機関とは違い、

無限のエネルギーを収めることができるというものだ。

つまり【魔力変換資質・光】と【光吸収】と【無限容量】の組み合わせで

彼女たち以上の魔力量を持つことが可能になるという。

だがそれはあくまで太陽がでている状況下で始めてその力を発揮できるものなので

色々と条件がある能力なので万能ではない。

でもそんな特異な能力のせいで色々と目を付けられるようになってしまった。ガクリ。











電車から降りて歩き、漸く我が城に到着。高級そうなマンションです。

「おおー! 思った以上にいいな。それにちゃんと家電製品まで一式揃ってるし」

しかもどれも最新型っぽいし、パソコンまで置いてある。

『そうですね。ここまでしてもらうと後々怖いですが』

後で面倒くさい要求を吹っかけてきたりとかか?

そんなこと言わないでくれよ、……十分有り得ることだから。

何だかそんな事を考えたら使いにくくなってきたじゃないか。

……でもどうせ使うなら思いっきり使わせてもらうけどね。

『あとは日用品と食材買い込むだけですね』

「じゃあ、散歩がてらに買いに行くか」

色々見て回ってみたいし。

『ジン』

「何だ? ブレイブ」

『これからも宜しくお願いしますよ、相棒』

「ああ、勿論だ。こちらこそよろしく、相棒よ」

こうして俺たちの新しい生活が始まった。






















 キャラ紹介


迫水仁サコミズジン

登場作品:オリジナル

「この世界に神などいない!」と思っていたのに

死んだ後に神のような存在に会ってしまったこの物語のオリジナル主人公。

現実世界で交通事故で死んだ後、ウルトラマンキングから

メテオール・ブレイブハーツを授かりリリカル世界(+α)にやって来た。

来て早々から厄介な出来事に巻き込まれことになるが

それは仁が【特異点】だというのが原因であらゆる因子を呼び寄せるという。

なのでこの先もずっと厄介ごとに巻き込まれるという運命にある。

ブレイブハーツと契約をしたことで【魔力変換資質・光】、【光吸収】などの

ウルトラマンのような力を得ることになる。

他にも契約する前から【無限容量】という能力を持っていた。

1年の助手生活でこの世界の表と裏の世界に関する知識を得て

助手という名のパシリや修行という名のイジメを受けて実戦経験を積んだ。

ブレイブハーツとの訓練で色々な能力を使えるようになった。

自称&通称「キング・オブ・チキン」

逃げ足には定評がある迫水仁だ! なんて裏の人間から呼ばれている。

でもトラブルからは逃げられない。

あとは時々血を吐いたりします。どんな時かは本編で確認してみてください。



【特異点】

特異点とは時間軸の真上に立つ存在である。人間であったり、モノであったり様々であるが、

基本的に時間からの干渉を受け難く、その反作用で時間外からの干渉を受けやすい。

とまあよく分からない能力だが確実に言えるのは

9:1の割合で良いことよりも悪い出来事に多く遭遇していまい

何処かへ行けばほぼ確実にトラブルに巻き込まれるというレアスキルである。

別名「迫水ゾーン」



【無限容量】

仁が元から持っていたという魔力炉とその能力だが

以前の世界は魔術とか魔法が無い世界だったのであまり意味がなかった能力である。

通常の魔力炉は魔力炉を持たない魔術師に比べて遥かに高い魔力を

持っているが、仁の場合は通常の魔術師より少し高い程度の量である。

しかし【無限容量】の能力で魔力炉持ち以上の魔力を得ることが出来る。

無限の魔力、エネルギーを収めるというこの能力は

自身の最大魔力量を超える魔力を収めるということなのだが

理論上はありえないことで自身の限界を超えた魔力を持つのは

風船に空気を送り続けてパンクさせるようなことで無限の魔力を持つことは出来ない。

あくまで無限の魔力を魔力炉に収めることができるだけでそのまま貯蔵することは不可能だった

こちらの世界に来るまでは。こちらの世界に来てからはその法則を無視して

無限の魔力を内に収めて維持することが可能になった。

これはブレイブハーツと契約したからなのか特異点による影響なのかは今のところは不明。

しかし長時間の貯蔵はできず、時間が経てば雲散してしまう。


【魔力変換資質・光】

ブレイブハーツと契約したことで得た力。

魔力を光エネルギーに変えてその力でウルトラマンの能力を行使する。


【光吸収】

ブレイブハーツと契約したことで得た力。

光エネルギーを吸収するというその力は魔力を回復するということでもあり

太陽などの光がある環境下ならすぐに回復ができる上に

自身の能力も上昇するという能力なのだが、自動回復は今のところはできない。

他に欠点も多く夜などの暗い環境下だと能力が低下し魔力の消費量が高くなる上に

南極などの寒いところや二酸化炭素が充満しているような空気が悪い

環境汚染が酷い環境下だとさらに能力が下がってしまう。

ちなみにこの能力はブレイブハーツが戦闘モードにならないと発動しないのだが

通常時でも若干だがこの能力の効果が表れる。主に気分的なもので

太陽が出ている時は気分がよく、夜になるとあまり元気が出ないなどの影響が出る。

それでも些細なレベルのことである。




 デバイス紹介


・ブレイブハーツ

登場作品:オリジナル

ブレスレット型のメテオール。メテオールとは

Much Extreme Technology of Extraterrestrial ORigin

(地球外生物起源の超絶技術)」の略。

過去に宇宙人(ウルトラマンを含む)が残した宇宙船や兵器、

技術などをGUYS総本部(ウルトラマンメビウスに登場するの防衛チーム)の

研究により手に入れたオーバーテクノロジーの総称。使用すれば驚異的な力を発揮するが、

不明な点も多くその使用は厳しく制限され、

緊急時を除いて上層部の許可の下に1分間しか使用できない。

というのがウルトラマンメビウスでの設定だが

ブレイブハーツは何時、何処で誰が製作したのかは不明である。

自身も何者かはあまり分かっておらず担い手が見つかるまではただのブレスレットであった。

ブレイブハーツには強固なプロテクトが施されておりそのプロテクトは

ジェイル・スカリエッティ、ウルトラマンキングでさえ解除することができなかったが

キングによって仁と出会い仁を担い手として漸く起動することができた。

起動したことで自分が仁と同じく特異点であることが分かった。

その力はウルトラマンと同質の能力を得られるということや

その制御に人間並みの思考が可能な人工知能も搭載されているなど

従来のメテオールを遥かに上回る性能を持つ。

管理局から見ればロストロギアに認定されるほどの力を秘めているが

仁にしか使うことはできず、仁から離れるとまたプロテクトが掛かるようになっている。

未だに解析不能なブラックボックスが存在する。

ブレスレットの状態のままでもある程度の能力が使える。

何かと相棒を苛めるが信頼も信用もしているらしい、あくまでスキンシップだという。

相棒の持つ知識を得たことで色々といらんことを学んでしまい

その結果こんな性格になってしまったのではないかと思われる。


【ライトモード】

ブレイブハーツの戦闘形態。

ブレスレットが大きく変化し金色を基調としたデザインに

中心には青色の丸いクリスタルが付いたブレスとなる。

ぶっちゃけマックススパークとメビウスブレスを足して割る2をしたようなもの。

この形態で色々なウルトラマンの技が使えるようになる。


【ファイティングフォーム】

ブレイブハーツを起動させた仁の戦闘状態。バリアジャケットみたいなものだが

名称がないので便宜上そう呼ぶことにしている。

見た目は黒いブーツと紺のズボン、白のシャツに、黒いロングコート。

この状態で【光吸収】が発動する。

ちなみに現段階で仁の魔導師ランクはAA。

太陽が出ている環境下だとAAA~Sの間で

曇りで太陽が出てない時は変化しないが、

夜になるとA~B、先に述べた劣悪な環境下だとC~Dに変動する。




[7126] その04 魔神 が 蘇えっちゃった日
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/30 00:24

前回のあらすじ


オリ主である迫水仁サコミズジンは、

メテオールと呼ばれるものでウルトラマンのような力を手に入れた。

そして、とうとう物語の舞台である海鳴市にやって来たのだった。

これから待ち受ける運命をどう乗り越えていくのか。

いくぜ! 俺たちの戦いはこれからだ!




















ウルトラでカオスなリリカル戦記


終わり


hadukiの次回作にご期待ください。





















『真面目に続けてください、ジン』

「はい申し訳ございませんでした。この話はまだまだ続きますからね」

相棒とはいえ、自分のデバイスに叱られてしまった今日この頃であった。























ウルトラでカオスなリリカル戦記


その04 魔神 が 蘇えっちゃった日
























海鳴市商店街で買い物を済まして今はブラブラと散歩中。

買ったものは相当な量になったから宅配してもらった。

流石に8歳児にあの荷物は多かろうと店員さんに気を使ってもらった。

たまたま宅配サービスのあるところで買い物をしたのはラッキーだったな。

『後先考えずに行動するのは馬鹿のすることですよ、ジン』

(悪かったな、どうせ俺は馬鹿ですよ)

まぁそれよりもとうとう念願というべき海鳴に来たんだ。

いやぁ~でもほんと長かった、まさかこんなに時間が掛かるとは思わなかったぜ。

『ジン、ひとつ聞きたいことがあるのですが』

(なんだ? 改まって)

『前々から疑問に思ってたのですが、どうしてここなんですか?』

(? 意味が分からないぞブレイブ)

『ここにいればジンが持つ情報の通りなら、ここに管理局が関わる事件が起きます』

(ああ、そうだが)

『そしてあなたのことだから当然巻き込まれるでしょう』

そうそれが俺の【特異点】の力。

【特異点】である俺は何もしなくても意識せずとも何らかのトラブルに巻き込まれる。

それはもうこの世界に来てからず~っと体験したことだし、その上宝石翁のお墨付きまである。

だからいずれここで起きるであろうPT事件や闇の書の事件を

俺が無視しても海鳴にいれば否応無く巻き込まれることになるだろう。

『ではなぜわざわざ自分から危険な目に遭おうとしているのですか?』

確かにここに居なければ少なくともそれらの事件に遭遇することはないだろうが……。

(でも結局は何処に行ってもトラブルに遭うんだから

予め何が起きるのが分かっているところにいたほうが対処できるだろ)

実際に自分のあずかり知らぬところに行ってみたら、何であんたがここにいるの!?

という人外なやつらに遭ってきたからな。何の予告も無しに出てくるのは

精神衛生上よろしくないことなんだよ。

一時期、胃薬に頼るほどまでやばかった頃があったしなぁ…………。

『つまり予測範囲内の事象ならば問題無いと?』

(簡単に言えばな、それにここだったら命がけの戦いなんて起きないだろう)

少なくともボスキャラ戦までは。プレシアや闇の書の暴走プログラム相手だと

流石に危ないだろうが。まあ型月関係にいるよりかは遥かに安心できるから

というのが一番の理由かな。俺ってそんなに強い訳でもないしね。

『ジン、本当にそれだけですか?』

(他にまだ理由があるとでも?)

『あなた前に言ってたでしょう、俺、海鳴に来たらフェイトのフラグを立てるんだ。って』

なにその死亡フラグなセリフは…………。













――――ちょっと待て!? そんなことお前に言った覚えないぞ!

『ジンが寝言で言ってましたよ。フェイトは俺の嫁! だとか』

…………さて、買い物の荷物がまだ届くまでまだ時間あるしもう少しぶらぶらしてみようかな。

『まあジンの趣味にとやかく言いませんが、犯罪はやめてくださいね』

お前は俺のことどう見てるんだよ。

『このロリコンが!』




HAHAHAイヤダナー、ボクハロリコンナンカデハナイデスヨ。




『じゃあ、このペドが!』





――――orz







それはいくらなんでもいいすぎなんじゃないか思うぞ、わが相棒よ…………。

断言するが俺はペドなんかじゃないからな!

『ロリは否定しないのですか?』

もう止めてっ、俺のライフはとっくに0なんだから!















ブレイブに罵られて落ち込んでいたが、何とか復活して散歩再開。

特に目的地もなく本当にブラブラしている。

『ジン、あそこに行ってみませんか?』

(何処さ?)

『あの魔砲少女のいる喫茶店に』

喫茶翠屋か……。というか字が間違って……いや、間違ってないのか?

『どうでしょうか?』

(行ってもいいけど、何か嫌な予感がするんだよなぁ)

嫌な予感というのは今までの経験で培った直感能力です。

今までとかまだこの世界では1年程度しかいないのに

そうなってしまったのはきっと才能だとかそれ以前に環境のせいだと俺は思う。

それにどうせ彼女とは来週から会えるから今じゃなくてもいいだろう。

そうそう来週から小学校に転校することになっています。

勿論、私立聖祥大学付属小学校でクラスはやっぱり彼女たちと一緒のクラス。

ちなみにまだ本編の1年前だから学年は二年生。

しかし狙ってやった訳でもないのに同じクラスだというのは

これが俺の特異点クオリティだぜ! みたいなことなんだろうな。

また身元引受人というか保護者は宝石翁ではなく先生のことである。

当然というか先生も一般人ではない曰くつきの人間だ。

『しかしあそこのお菓子は評判らしいじゃないですか』

彼女じゃなくてお菓子が目的って、お前は食べることが出来ないだろうが。本当に変わったやつだな。

(今日のところはもう帰ろう。思い出したら色々と準備することとかあるしな)

そういって帰路につこうとしたんだけど――――。

「キャーーーー!!」

これは、女の子の悲鳴か!

『ジン、こっちです!』

ブレイブの誘導に従って悲鳴の先に向かう。そういや今の声どっかで聞いたような……。





















現場に着いたらちょうど女の子が車に乗せられているところだった。

「ちょっと待てぇいーー!」

と言ってみたがどうやら待ってくれる馬鹿じゃなかったのか俺の声を無視して車が発進してしまった。

『誘拐事件ですね』

「ああ、しかも相手はあのテンプレ通りというべき彼女だったし」

やっぱ前世というか原作の因果なのだろうか? 彼女は彼女で不幸だなぁ。

『ジンは誘拐された人物を知っているのですか?』

「あれ? お前見えなかったのか、お前も知っている子だぞ」

俺の知識を得ているこいつなら俺が知っていることは当然こいつも知っているので。

「俺のクラスメイトになるあのツンデレ娘だよ」

だからどこかで聞いた声だったわけだ。

『ああ、あのくぎゅですか』

理解したようだ。……いやその表現はどうよ。いやまあ確かにくぎゅですが。

『それでどうしますか?』

考えるまでも無いな。

「とっとと追いかけるぞ、今ならまだ追える」

『了解。では行きましょう』

さて、結局トラブルが発生しましたよ。まったく退屈しない人生だよなぁ。


















追いかけてたらすっかり暗くなってしまった。

まずいなぁ、暗くなると俺のスペックがダウンしちゃうから勘弁してほしいのだが

相手がただの人間とはいえ何するか分からないし――。

『あそこが目的地です』

よし待っていろよ、アリサ・バニングスよ。お前をデレさせてやるぜ。くぎゅううーーー!

『フェイトが本命ではなかったのですか?』

相棒が何か言っているようだがキコエナーイ。






















この救出劇を機にアリサの好感度を上げてデレさせてやる。

そう思っていたときが俺にもありました……。

それがまさかこういう展開になるとは誰が予想できようか――。





















「どうした、撃たないのか? 相手は子供だぞ? それとも気づいたか? 」

俺と同じくらいの少年が誘拐犯に話している。

俺は知っている、本来は青年の姿だったがその少年の姿を、その声を……。



「撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるやつだけだと! 」

原作でも言い放ったその言葉をこの世界でも言い放った。















あの神聖ブリタニア帝国第99代皇帝

ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアがこの世界に蘇っていた。























 あとがき?


出してしまいました。

彼の登場で果たしてうまく物語が紡げるかどうかは

分かりませんが頑張りますので宜しくお願いします。

また感想を頂いて嬉しかったです。皆様方、本当に有難うございます。





[7126] その05 ルルーシュは頭が良いから色々と難しいわい
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/30 00:23


前回のあらすじ


海鳴市商店街で散歩している途中に

金髪のツンデレ娘、アリサ・バニングスが誘拐されるのを目撃

直ちに救出に向かう俺たち

そして辿り着いた犯人のアジト

いざ突入を試みようとしたら














かの第99代皇帝が子供の姿で二人組の誘拐犯と対峙していました。






















ウルトラでカオスなリリカル戦記


その05 ルルーシュは頭が良いから色々と難しいぜ























いや~まさか彼がこちらに来ているとは驚きを通り越してもう呆れるわ。一体全体何なんだこの世界は!

「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる――」

ギアスを使う気か! しかもこの流れだとあいつらに死ねって命令するつもりではまずい!

「間に合えウルトラショーーーット!」

瞬間的に光弾を撃ちまくる。当然非殺傷設定の攻撃だ。

「うわぁ!?」

「ぐわっ!」

「がっ!」

見事命中。ふう、またつまらぬものを倒してしまった、みたいな。









――あ、あれ? 何かやられ声が三人も聞こえたような?

誘拐犯は二人だろ…………はっ!?

『どうやらまとめて彼まで倒してしまったようですね』

…………間違えちゃった、テヘッ☆

『キモッ!』

マジでひでぇよなお前って……。























え~と、気を取り直して今は誘拐犯を取り敢えず縄で縛りあげたところで

肝心のアリサ嬢は奥でずっと気絶中。目を覚ます気配が無し。

ルルーシュの方も伸びているな、まあ彼は貧弱だからしょうがない。

これがスザクだったら避けられた上に反撃されていたかもしれないな。

さて、取り敢えず彼女は家の前にでも運んで誘拐犯は警察の前に捨てるか。

んで、ルルーシュは……。

「というわけだからテレポーテーションだ」

『海鳴市の範囲内ですからギリギリ回数は間に合いますね』

これがまだ昼間の内だったらまだ余裕ができるんだけどね。

この体になってからあまり夜が好きじゃなくなったよ。

「じゃっ、ぱっぱと終わらせますか」

テレポーテーション。






















「さて、お嬢様はここにと」

家の前に置いとけば家の人に見つけてもらえるだろう。

ちなみにどう運んだかというとアリサはお姫様だっこ、ルルーシュはおんぶして運んだ。

魔力で身体強化しないと流石に重くてきつかったが。

えっ? 誘拐犯はどうしたか? 俺と接触すれば一緒に転移できるので踏んづけながら

テレポーテーションしましたが何か問題でも? 

「う、……う~ん」

おっと! 起きてしまったか。

「あ、あれ? あいつらは? ここは外? ――アンタ誰よ!? あいつらの仲間!?」

起きたら一気に騒がしくなったな。

「ちょっと落ち着いて。あと質問は一個ずつでお願いしたいんだが」

取り敢えず深呼吸なんかさせてみる。少し落ち着いてくれたかな。

「で! あんたは誰?」

答えるから、その睨まないで欲しいんだけど、それに折角のかわいい顔が台無しだぞ。

とは口にしない。話が拗れそうだからとっとと済ませよう。

「君が誘拐されるところをたまたま目撃してそれを追いかけて彼と一緒に助けたんだ」

ちゃんとルルーシュのことも入れておいた。実際俺よりも早く助けに来てたし。

彼がどういう経緯であの場に居たのかは分からんが。

「助けたって言ったけど、あいつらは?」

「気絶させて逃げて来たけど今頃警察に捕まっているんじゃない?」

わざわざ警察署の前に捨てて置いたから大丈夫だろ。

「よくあんたたちのような子供がそんなことできたわね」

ただの子供じゃないからな俺らって。

「ああ、それはうまく罠に引っかかってくれてその隙にという感じだ」

罠でも何でもない人外の力だけどな。

「じゃあ俺たちはもう行くよ。彼を早く家に運びたいし」

未だ気絶中の彼を目を覚ます前に連れて帰りたい。

彼とはこれから話をしなければならないし。

「じゃあ、またね」

「えっ! ちょっと待ちなさいよ!」

そう言われても待てません。どうせまた会えるのだから話はまたその時でいいでしょ。

そして俺たちはその場から走り去った。

彼女から見えなくなった位置でテレポーテーションしてね。






















「――――うっ、ここは?」

「お! 目が覚めたか」

「! 誰だ!?」

驚きながらこちらを見るルルーシュ。その姿はだいたい日本に預けられた頃の感じかな?

「俺の名前は迫水仁。で、ここは俺の家」

「なぜ俺はここに居る?」

「俺が連れてきたからだよ。あとあの女の子は無事家に送ったから心配しなくていいよ」

「そうか! あの時俺を攻撃したのはお前の仕業か?」

「いやあれはわざとじゃないから、それに君だって何かしようとしたでしょうが」

「――!」

あっ、何か余計なこと言っちゃったかな。

「なぜ俺が何かすると思ったんだ?」

「さて、どう答えたらいいかな」

などと言ったら睨まれた。そして――。

「無駄だよ。そのコンタクトを取る前に君の動きを止める」

手を顔に近づけようとした動きが止まった。

ギアスを使われたら流石に面倒だから使わせないようにする。

「何者なんだお前は?」

「俺も君と同じこことは違う世界から来た人間だよ」

そう言ったら驚愕といった顔をするルルーシュ。

「なんだと! ……そんなまさか!」

信じられないといった感じで混乱するルルーシュ。

「お前もまさかCの世界からやって来たとでも言うのか?」

なるほどCの世界を通じてやって来たのか。

「こっちも質問していいかな? 君はいつこちら側に来たんだ?」

「……今日の昼ごろだ。気がついたらこの町にいた」

なんとまあ……丁度俺たちがここに来た日にとは、本当に何かしらのイベントに

遭遇する素敵な体質だな俺って。これが主人公補正という名の呪いなのかねぇ……。

まあ正確には【特異点】という名の呪いだけどな。

「俺からもいいか、お前は俺と同じ別の世界から来たと言ったが俺のことを知っているのか?」

ええ、知っていますよ。俺の好きなアニメの主人公としてだけどね。

だけどそんな説明じゃ信じてくれないだろうけど。

「一応知っているけど、でも俺は君とはまた別の世界から来た人間なんだ」

そう言ったらさらに驚いた顔をした。彼って本当にリアクションが大きいよな。主に顔芸的な意味で。

「どういうことだ! この世界とは別の世界の人間だが、しかし俺のいた世界でもないだと!」

「世界というのは無数に存在するんだよ。この世界、君がいた世界、そして俺がいた世界などね」

「エヴェレットの多世界解釈というやつか」

「俺もそれについては詳しくは知らないけどまあそういうことかな」

うん、多分そう。俺って馬鹿だからうまくは説明できないけどルルーシュは

俺と違って頭いいから自分で理解してくれるから助かるわ。

「ならばなぜお前は俺のことを知っている? お前は俺とは別の世界の人間なんだろう」

「それはだな、……俺が所謂、観測者だからだ」

「なに?」

「俺は自分がいた世界からこの世界に来る前に他の世界を観測することができたんだ」

俺の本当のことを言うわけにもいかないのでそれらしい言い訳を口にした。

「その観測していた世界の中にたまたま君の世界があったんだよ。

だから君の事を知っているんだよ、ルルーシュ・ランペルージ。

または神聖ブリタニア帝国第99代皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」

彼の名前を呼んだら相当ビックリしたようだ。

いい反応だけどそろそろ慣れないとこの後の展開もずっと驚きっぱなしだぞ。

「そこまで知っているのか、だがお前の言っていることが本当かまだ信じられん」

あれ? まだ信じられんのか。

「今の情報だけなら俺のいた世界で確認できることだ。

お前が本当に別の世界から来た人間であることを示してみろ」

どうやらあれでは信じて貰えないらしい。証明できることってえ、え~っと…………。

『ジンの言っていることは本当のことですよ、ルルーシュ』

「うん? どこからか声が聞こえたぞ?」

『ここですよ、ルルーシュ』

左手を上げてルルーシュに相棒を見せた。

『始めまして私は彼、迫水仁の相棒のブレイブハーツです』

「ほあぁ!? ……しゃ、しゃべったぞ!」

『私には人とほぼ同じくらいの思考ができるAIが搭載されていますので』

インテリジェンスデバイス並みか、それ以上の人工知能らしいからな

普段の言動からみてもそうだと言わざるを得ない。……性格に難があるのがネックだが。

『私という存在でジンの言っていることの証明になりませんか?』

こいつの存在なんてこの世界にもギアス世界にも存在しないからな。

もっともこの世界の場合は次元世界を入れれば同じようなものは存在するけどね。

「確かに、まだ一日だけだがこの世界を体験してみて、

こんなものがあるような世界には見えなかった」

ギアス世界よりも技術が発展してないからね。サクラダイトが無いから

KMFは開発できないし、核が抑止力という世界だからなぁ。……あくまで表の世界では。

そういえばこの一日でどう調べたんですかと聞いたら。

「ギアスを使って情報を集めていた」

ある意味予想通りだがまあ害は無いみたいだし、とやかく言うのはよそう。

『では信じていただけたでしょうか?』

「まあ、そんなものを目の前で見せられたらな。……なまじ機械な分、まだ理解がしやすい」

今までギアス、コードの不老不死の魔女やCの世界なんて

超常現象に遭遇していた反動なのかな? 彼も苦労していたからな~。

「じゃあ、信じてくれたようなので本題に入っていいかな?」

「本題?」

「この世界のことについてだ」

この世界はルルーシュのように世界を渡ってこちらに来てしまうことがあるという。

このことは宝石翁と一緒に居た時に得た情報の一つでどうやらこの世界は

すでにあらゆる因子を含んでいるのにも関わらず、

また新たな因子を呼び寄せるという現象が発生する。まさにカオスな世界だ。

誰かの言葉で言うのなら、実験室のフラスコという感じだろう。色々な意味で危険極まりない世界だ。

その結果この世界は魔術とか超能力などの異能が数多く存在する。

それをルルーシュのような異能に関わっていた人間にはちゃんと説明しないといけない

知らずに首を突っ込めば簡単に死ぬだろうから。……ホントによく生きてるよな俺って。

「……ということなんだ」

説明したら今まで一番驚いた顔をしていた。いやまあそうだろうけど

でも君も別の平行世界だと本物の魔王になっていたよ。

生身でランスロットとガチで戦ったり、ガウェインを召喚したりさぁ。

「で、提案なんだけど君さえ良ければ俺と一緒に行動しないか?」

「なぜだ?」

「どうせ君、この世界じゃ身元不明な人間だろ? 俺ならその辺のこと何とかできるし

それに君にはまだ話しておきたいことがあるし」

「お前にそんなことができるのか?」

「まあね、正確には俺じゃなくて俺のこの世界の身元引受人兼後ろ盾が一晩でやってくれるよ」

まさにジェバンニの如くね。

「そいつは信用できるのか?」

「信用できるよ。何せその人も俺や君と同じだからね」

この世界に来た順番も年齢も上な先輩というかむしろ先生です。

「ちなみに俺にとって初めて会った別世界の人」

「その人物とは一緒には居ないのか?」

「色々諸事情があって、その辺のことはまた話すよ」

話すとまた話が長くなるからね。この話は置いといて……。

「んで、どうする悪い話じゃないと思うんだけど」

「そうだな――――」


























「はい、皆さん。今日から新しいクラスメイトが加わりました」

「海外から転校しました、迫水仁です」

「同じく、ルルーシュ・ランペルージです。よろしく」

「アァーーーー! アンタたちは!」

「ど、どうしたのアリサちゃん!?」

「アリサちゃん、あの子たちと知り合いなの?」

結果はこうなりました。にぎやかな学園生活になりそうです。







[7126] その05.5 どうやら魔神が魔導師になるそうです。
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/30 00:23

前回のあらすじ


ルルーシュを仲間に入れた。

ルルーシュと一緒に暮らすことになった。

ルルーシュと学校に行くことになった。

あの三人娘と同じクラスとなった。

アリサに指差さされながら叫ばれた。

取り敢えず三人娘と仲良くなった。

ルルーシュとも色々話しました。

それで今の環境に大分慣れてきたので

ルルーシュにあることを告げてみた。

それは――――。






















「ルルーシュ、お前にはリンカーコアが宿っている」

「おや、そうかい?……うはははは、んはははははははは」

どうやら喜んでくれたようだ。……喜んでいるんだよな?






















ウルトラでカオスなリリカル戦記


その05.5 どうやら魔神が魔導師になるそうです。

(注:今回のルルーシュはちょっとだけ変ですのでご了承ください)





















「ミッドチルダ式は遠近取り揃えたオールラウンド系といえる」

ただ今、ルルーシュに管理局の魔法について説明中。

「他にもベルカ式という近接系の個人戦闘に特化しているのもあるが……」

「となると俺の場合はミッドチルダ式になるな」

「そうなるね」

「それで俺はどうすればいい?」

「俺とブレイブが知る限りのことは教えるよ」

取り敢えず知識はあるからね。

「他にもミッドチルダの訓練校が使っている教科書あるからそれで学ぶように」

「こんなものどうやって?」

「ジェバンニが一晩で やってくれました」

これってものすごく便利な言葉だよな~。

「あ~、あの人か」

ルルーシュは以前、先生と会わせたのだが「食えない人間だ」とコメントしていたな。

まあ確かにそういう人だからな。でも悪い人間じゃないんだけどな。

「あとはデバイスかぁ、これはどうしようか……」

「デバイスというのはブレイブハーツみたいなものか?」

「こいつはデバイスじゃないけどね。まあ似たようなもんだな」

デバイスとは比べ物にならない性能なんだけどね。

「ミッド式だと人工知能搭載のインテリジェンスデバイスに」

『一般的なデバイスであるストレージデバイスがあります』

「ベルカ式にもデバイスがあるけどここでは関係ないから飛ばして」

『インテリジェンスデバイスは意志を持つ為、その場の状況判断をして魔法を自動起動させたり、

主の性質によって自らを調整したりします』

「ストレージデバイスのほうは人工知能を搭載していない分、処理速度は速い。

魔法の発動を自己で決定しなければならないが、術者が優れていればより

高速かつ確実に魔法を発動できるが、あくまでこれは術者が優れていればの話だ」

説明を続けてあとルルーシュのデバイスはどうしようか話し合った。














「取り敢えず俺たちが教えられることはここまでだ」

『あなたなら独学でも直ぐに覚えるでしょう。誰かさんと違って出来がいいですので』

はいはい、出来が悪くてすみませんでした。

「教科書、他に必要だったら言ってくれよ。取り寄せるから」

ジェバンニが一晩(ry

こうしてルルーシュの為の魔法講義が終わった。














――それからしばらく経ってから。

「ルルーシュ、調子はどう?」

あれからどのくらい魔法を身につけただろうか。

「ああ、良い感じだ問題無い」

「そうか、ならこれをお前に渡そう」

「むっ、これは?」

「例のお前のデバイスはまだ完成するのに時間が掛かるから代わりのものを用意したんだ」

それもやっぱりジェバn(ry

「これはデバイスではないのか?」

ルルーシュに渡したそれはチェスの駒、黒のポーンだ。

「それは傀儡兵の収容カプセルだ」

傀儡兵は魔法によって作られた人形である。

主の命令に動くもので高ランクのものになると大型傀儡兵やバリアなどの

機能が付いていたりする。プレシアの時の庭園にあるのがまさにそうだ。

「この中に十機の3mぐらいの傀儡兵が収容されている」

「ほう、すごいじゃないか。どんなものなんだ」

「それはこれからのお楽しみだ」

「うん?」

訳分からんような顔しているがこれから始めてもらのさ

初の魔法戦を――――。























現在はどっかの管理外世界にいる。

ここなら好きなだけ暴れることができるからな。

まあそんなに被害は出ないだろうが、念の為にということで。

「準備はいい?」

ルルーシュに始めていいか確認する。

「ああ、問題ない」





「じゃあ、始め!」

「よし、無頼!」

そう言ったルルーシュは黒のポーンを天に掲げた。

そしてルルーシュの周りに十機の3mぐらいの傀儡兵・無頼が現れた。

無頼はルルーシュの世界で登場した黒の騎士団が初期に使っていたKMF。

その無頼を基にダウンジングして傀儡兵として開発したものだ。

武装はスラッシュハーケンとアサルトライフルだが

どちらも非殺傷設定の魔力刃と魔力弾だ。

動力源は魔力コンデンサーでルルーシュの魔力を使わずに活動が可能である。

その性能はBクラス魔導師とほぼ同等である。

そして対戦相手も無頼だがその数は倍の二十である。

ちなみに自動操縦で相手をさせる。

さて、見せてもらおうか、黒の騎士団のCEOの力とやらを――――。






















結果的にはルルーシュの圧勝となった。

簡単にその経緯を説明すると、開始の合図で敵軍はルルーシュ軍に向かい

ルルーシュ軍は散開して逃げた。それを追う敵軍。

しばらくは追い掛けっこになっている間に、ルルーシュが見当たらなくなった。

それでも牽制しながら逃げ続けるルルーシュ軍だったが

八方に逃げているのを敵軍はそれを追い、そこから一箇所に集まろうとするルルーシュ軍だが

ルルーシュ軍の無頼はそれぞれうまく交差してまた八方に逃げるが敵軍は一箇所に集う。

その瞬間――

「チェーンバインド」

その声が聞こえた時には敵軍の無頼全機が紫黒の鎖に拘束された。

それと同時にルルーシュ軍の無頼全機が

いつの間にか敵軍にアサルトライフルを向けていた。

さらにいつの間にか無頼の後ろに立っていたルルーシュ。

どうやらミラージュハイドで隠れながらこの機会を狙っていたらしい。

それだけでなく狙いながらあのチェーンバインドの術式を練っていたんだろう。

二十機の無頼を纏めて拘束するほどのものなんだから。

「これで……チェックだ」

ルルーシュ軍の無頼全機がアサルトライフルの一斉射で敵軍が撃破した。

相手が同じ傀儡兵とはいえ、倍の二十機を倒すとは、

戦局を左右するのは戦術でなく戦略だ。と豪語しただけのことはある。

さてルルーシュはどうしているかな――。














「初めての魔法戦はどうだった?」

「くっくっくっくっく……やれるじゃないか。はっははははははははは…………」

どうやらお気に召したようです。

こうしてルルーシュは魔導師となりました。






















 キャラ紹介


・ルルーシュ・ランペルージ

登場作品:コードギアス 反逆のルルーシュ

リリカル世界にやってきた人間の一人である。ゼロレクイエムを迎えた後、

Cの世界を通じてこちらの世界に辿り着いたが8歳頃の体に戻っていた。

頭脳は以前のままだが、子供の姿になったので貧弱な運動能力がさらに貧弱化してしまった。

とりあえずギアス能力は健在。コンタクトもそのケースも健在。

魔導師になれたのはルルーシュが持つR因子とこちらの世界に来た時の影響により

リンカーコアが生成されたのだと思われる。

しかし魔力量はあまり高くはなく、せいぜいBランクくらい。

しかし類まれな計算能力で高速かつ確実に魔法を発動できる上に

マルチタクスの能力は高レベルの魔導師をも遥かに凌駕するほどである。

なのはが直感的に魔法を構築する天才に対しルルーシュは論理的に基づき魔法を構築する天才である。

管理局の魔法技術は数学や物理といった理系的な知識が魔法の構築や制御には重要になることから

ルルーシュはその体系に則り魔法をうまく運用できるのではないかと思われる。

使用するのはミッドチルダ式魔法。魔力光の色は黒に近い紫の色、紫黒。

主に防御と補助魔法を扱う。攻撃魔法と飛行魔法は現在練習中。

前線には出ず指揮官として後方から戦局を把握し、前に出る仁に指示を出しつつ

サポートするのが理想的なパターンだがイレギュラーな事態に

なることが多いので(主に仁のせいで)中々うまくいかない。

時たま変な言動を発してしまうのは元の世界と同じような平行世界からの

因果がこちら側に流れ込むのが原因らしい。主にドラマCD的なものとか中の(ry。



・無頼

元ネタ:コードギアス 反逆のルルーシュ

ルルーシュの専用デバイスが届くまでの代用品として例の如くジェb(ry

に仁が頼んで開発した傀儡兵。見た目はそのままコードギアスに出てくる

KMFの無頼を3mくらいに小型化したもの。KMFとして搭乗は出来ないが

上に乗って移動手段として利用することはできる。

通常はチェスの駒である黒のポーンに十機収容されている。

ポーンを介しながら念話で命令を出して動かしている。

それぞれ同時に命令するときはマルチタスクを使うが

十機それぞれに別々の命令を同時に出すことが可能なのは

ルルーシュの驚異的な能力だからこそ可能な芸当と言えるだろう。

ルルーシュ曰くまだまだ余裕があるらしい。もうそれはレアスキル並みのものである。

武装は魔力刃式のスラッシュハーケンと魔力弾式のアサルトライフル。

魔力弾頭は開発者が原作で作ったものを応用して作り上げた。

動力源は魔力コンデンサー。これはベルカ式のカートリッジシステムを応用して

独自に試作開発されたもの。これを開発したのもジェ(ry

よって魔力が尽きればカートリッジのように補充を行うことができる。

その性能は魔導師ランクB程度のもので、また陸戦型であるので対空戦には弱く

接近戦用の武装が無いという欠点がある。

現在進行形で空戦型の傀儡兵を作っているとかいないとか…………。




・ジェバンニ(仮)

登場作品:???

仁とルルーシュの身元引受人兼後ろ盾。名前がジェバンニ(仮)なのは

無理難題なことでも大抵のことは一晩でやってくれるのが由来である。

本物とは何も関係ないのでご注意を。ちなみに仁は彼のことを先生と呼ぶ。

宝石翁とは知り合いでその縁で仁と出会い、仁の身元引受人となった。

宝石翁と知り合いなだけあって、他の人外とも交流があり本人も十分、

人外というか変人である。でも他の面子に比べれば常識人である。

原作では強いキャラだが最強ではない、けれどある意味では最強の男である。

仁より先にこちらの世界にやって来た。以前の世界とは

まったく異なる文明の世界なのにも関わらず普通に生活しているというやっぱりすごい人間である。

現在はルルーシュ用のデバイスを開発中。










 あとがき?

戦闘シーンは難しいお。


さてここまでの情報でジェ(ry の正体が分かったあなたは――




大した奴だ・・・








[7126] その06 覚醒 の 白き 悪魔 なの ……って悪魔じゃないよ!
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/30 00:21

今までのあらすじ


俺の名前は迫水仁サコミズジン

現実世界からリリカル世界にトリップして来た。

その途中で伝説の超人からメテオールと呼ばれるアイテム、ブレイブハーツを授かり

いざ、トリップして来てみれば、海鳴じゃないとこからスタートして、

1年掛けて漸く到着した。そこで、ルルーシュと出会い、一緒に暮らすこととなり、

なのはたちと同じ学校、クラスになってそれからまた一年経ちました。

そしてついに本編開始となりました。


リリカルマジカル頑張りますってね。






















ウルトラでカオスなリリカル戦記


その06 覚醒 の 白き 悪魔 なの ……って悪魔じゃないよ!























「……力を……力を貸して――」

今朝、化け物と少年が戦っている夢を見ました。

そうか今日なのかと考え、また眠りについた。

「おい! 起きろ仁! 学校に遅刻するぞ!」

――――うちの同居人は朝に強いようです。

あと聞いてみたらどうやらルルーシュもあの夢を見たようです。





















現在昼休み中、屋上で皆とお弁当を食べている。

今日の弁当の当番はルルーシュです。うちは食事などの家事を

当番制でやっている。一応俺も家事能力はあるのだが、でもルルーシュほどではない。

やはり原作で培った家事技能は伊達じゃなかったと言っておこう。うむ、美味いです。

「将来かぁ……あむ」

タコさんウインナーを頬張る我らが原作主人公の高町なのは。

さっきの授業で将来のことを考えているのだろうが小学生でこんなことを

真剣に考えるのは早すぎじゃないかと思うのだが。

「うちはお父さんもお母さんも会社経営だし、いっぱい勉強してちゃんと後を継がなきゃだけれど」

いずれは大会社の経営者か、まじすごいよ、我らの金髪ツンデレ少女、アリサ・バニングスよ。

「私は機械系が好きだから、工学系で専門職がいいなと思っているけれど」

さっきと違って身近な考えだけどやっぱりこの年でそこまで将来のことを考えているのは

違和感を感じずにはいられないのですが、我らが癒し系少女、月村すずか。

そもそもこの三人は他の子たちよりも大人びてんだよな。もう少し年相応にしないと

今からいらぬ苦労がかかると思うぞ。

「仁君とルルーシュ君は?」

「う~ん、俺は今のところは先生の手伝いかな」

「俺もそうなるかな」

「先生って、アンタたちの保護者のことよね。何やってる人なのよ?」

「学者だよ」

そう俺たちの身元引受人の先生は今は海外で学者をしている。また研究者でもある。

何の研究かと言うとまあ裏に関わることだと言っておく。

何でその研究を手伝うのかと言うとその研究はこの世界と俺たちのことについてで、

どうしてこのようなことになっているのかを先生は調べている。

だから俺たちもいずれはそうする予定である。でもあくまで予定だから

他に何かあればそっちを優先するかもしれない。

ちなみになのはたちには俺らの事情は少し話している。

俺たちは親がいないもの同士で二人で暮らしていて、

今の保護者が海外にいるとだけ説明している。

「そっか、皆すごいよね」

「でもなのはは喫茶翠屋の二代目じゃないの?」

「うん、それも将来のヴィジョンの一つではあると思うんだけど」

「だけど?」

「やりたいこと他にあると思うんだけど、まだそれがはっきりしないんだ」

それが普通なんですよなのはさん。でも翠屋二代目になるのいやなのかな?

ルルーシュは少し真剣にやってみたいなんて言ってたが。

どうやら翠屋、というか桃子さんのお菓子に感動したようで、

よくレシピを聞くために翠屋に通っていたりする。

それで高町家とは少し交流を持ったので家族ぐるみで仲良くなった。

こちらが二人暮らしなのでたまに夕食などに招待される時がある。

俺は俺で高町兄と高町父にたまにだけど稽古をつけてもらっている。

ルルーシュもせっかくだからどうだと言ってみたが、断わられた。

確かにあいつは貧弱キャラだけど、あの母親の息子なんだから潜在能力は高いと思うから

訓練すれば結構強くなれると思うんだけどな。

――そう考えている間に、騒がしいなと思いそちらを見たらアリサがなのはの頬を引っ張っていた。

「ア、アリサちゃん駄目だよ~」

どうにか止めようとしてるけどそんなんじゃアリサは止められんよ。

「二人とも見てないで止めるの手伝って!」

なんて言われたが、面白いので現状維持で観察中。

ルルーシュはいつものスキンシップだろうと我関せずとしている。

おおよく伸びるなあ~、アリサと変わってやってみようかな?

「ふにゃあああーーーーーー!」

昼休みの屋上、なのはの悲鳴が上がった。
















放課後になって、俺は夕食の買い物に直行。ルルーシュは直帰。

なのはたちは塾に直行。だから小学生で塾に行くなんておかしいよ!

そんなことを考えつつ商店街のスーパーで買い物中に何かが聞こえてきた。

(むっ! これは念話か、ということは……)

『今日確実に事態が動きますね』

(ならとっとと帰宅して早めの夕食にするか)

そう考え買い物を済まして家に帰った。


















「夕方に念話が聴こえたが、どうするんだ?」

「ああ、それは俺が調べるよ。ルルーシュは万が一の場合に備えてくれればいいよ」

夕食中に今回の念話について話をする。

ちなみにルルーシュにはこの先のことについては何も教えていない。

この先のこと、PT事件や闇の書事件と呼ばれる事件は起きるだろうが、俺の知っているその話は

あくまでこことは違う世界の出来事であり、この世界でも同じように起きるとは限らない。

だからルルーシュには下手にそんな情報を与えず状況整理をしてもらうと思っている。

「お前はあれを何だと思う?」

「予想するとあの念話の質からミッド式の魔導師がやったことかなあと思う」

本当のことをそのまま言えないのである程度のことを言ってみた。

「魔導師というと管理局か? しかしなぜこの世界に」

「なにかトラブルがあったんじゃないか? まあそれは調べなきゃ分からんことだが」

なんて言うと、ルルーシュが俺のことをじっと見る。あれ? 俺なんか変なこと言ったっけ?

「トラブルというと……まさかお前が原因じゃあないだろうな?」

いやいや、ルルーシュよ。それはいくらなんでも俺のせいじゃないでしょうが。

――あれ? でも、さっき俺が考えたことを当てはめてみると、

この世界でジュエルシードが海鳴市に散らばるのって

もしかして俺がここにいるのが原因だったりするのか? としたら…………

『まあ、もしかしたらこの世界では本来なら別の場所に散らばったかもしれないし

そもそも散らばらなかったかもしれないですね』

あるぇー? もしかしなくともやっぱり俺が原因になっちゃうのか?

『犯人は、ジン』

うぉーーい! やめてくれよ、そもそもそんな「もし」とか言ってたら全部俺のせいになっちゃうだろうが!

『いい加減自首してください。故郷のお袋さんが泣いていますよ』

「ううう~、ごめんよ母さん。親不孝な僕を許してください。ううーー(泣)」

「お、お前らは何を遊んでいるんだ……」

俺たちのコントを見て、呆れながら俺たちに問いかけるルルーシュであった。




















リビングでくつろぎモードになっていたら大きな力を感じた。

恐らくジュエルシードだろう、ついに動き出したか。

「行くのか?」

「ああ、ちょっと様子を見にね」

「だが、お前は夜だと……」

「心配するなって、あくまで様子を見に行くだけだから」

どうせトドメはなのはがしてくれるだろうし。……それはそれで情けないか。

「じゃあ行ってくる」

「無理はするなよ」

「アイアイサー。行くよブレイブ」

『了解、ジン』

戦闘モードになって家を出た。






















現在ジュエルシードの力の発生源に向かって移動中である。

すると見つけた、なのはがフェレットもどきと話をしている。――って!

「まずい!」

上空から化け物がなのはたちに襲いかかろうとしている。

「なのは!」

「えっ!」

「NUAAAAAANNNN!」

「くっ!」

なのはに向かって飛んで近づき、なのはを掴んでそこから緊急回避。

その瞬間、その場所に化け物が大きな音を立てて地面に激突した。

コンクリートの地面にちっちゃなクレーターができる威力。

間一髪、間に合ってよかった。

「仁君! どうしてここに? それにその姿は?」

「そんなことより、俺が時間を稼ぐからそいつの言われたとおりのことをするんだ!」

俺にはあいつを封印することができる能力は無いのだ。

「君は一体?」

「お前はなのはにやらせようとしていることがあるんだろ。だったら早くするんだ」

そう言ってる間に化け物はどうやら態勢を整えてしまったようだ。

「急いでくれよ、お前ら!」

そう言って化け物に向かうが、化け物もこっちに突撃してくる。

「ウルトラバリヤー」

光の壁で敵の突撃をを防ぐ。――が、俺は支えきれず少し吹っ飛ばされてしまった。

「ぐっ! だから夜は嫌なんだよ」

『愚痴を言ってもしょうがないですよ』

分かってるが言いたくもなる。相手は動物などに何も取り付いていない状態の化け物なのに

それに押されているようじゃ愚痴りたくもなるわ。

『! 来ます』

ブレイブが言った瞬間、また襲い掛かる化け物。

「クッソ! 調子に乗るな!」

そう言って腰を低く落として強烈な突きを放つ――。

「ライトニングカウンターー!」

エネルギーをブレイブによってプラズマ電撃に変えて、左拳から放つ電撃の光線。

「GUWAAAAAAANNN!」

クリーンヒット! 化け物を吹っ飛ばしてやった。

それなりに効いたのかその場で蠢いている。

――――とその時、桜色の巨大な魔力の柱が現れた。

「な、なんて魔力だ」

フェレットもどきが驚くのは当然の反応だな。この歳でここまでの魔力を宿しているのは

普通なら考えられないことなんだから。その光景に化け物も目を奪われているらしく動かない。


そしてなのはの変身は完了した。

「やった、成功だ」

「ああ、……白い悪魔の誕生だ」

「えっ! えーー! うそ!? ……って、悪魔じゃないよ!」

変身が完了してその自分の姿に驚きながらも俺の言葉にツッコミを入れるなのは。

意外と余裕があるんだな。







[7126] その07 弱いようで実は強いようなそんなノリでした
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/30 00:21

前回のあらすじ


私立聖祥大学付属小学校の三年生である

俺こと迫水仁は今朝、夢を見た。

その夢はルルーシュも見ていて

夕方には念話が聞こえ、夜になると何かの力を感知し

そこに向かえばなのはとフェレットもどきが化け物に襲われていた

そしてついになのはが魔導師となった。





















ウルトラでカオスなリリカル戦記


その07 弱いようで実は強いようなそんなノリでした























「来ます!」

「えっ!?」

化け物はなのはに襲い掛かろうとする

しかし――

『protection』

レイジングハートのプロテクションで化け物の攻撃を完全に防いだ……だと……

あるぇー、俺では完全には防げなかったのにあやつは防いだというのか。

ちょっとショックです…………。











現在また逃走中。なのはは魔法とあの化け物について説明を受けている。

あ~もう疲れたよう、やっぱり様子を見るだけにしとけばよかったかな。

まさかこんなに苦戦するとは思わなかったし、ごめんよフェレットもどき、いやユーノよ。

ユーノはこんな奴を一人で相手にしようとしていたなんて凄いよな~。

一人落ち込んでいると、また化け物が襲い掛かってきたが、

今度はなのはが自分でプロテクションを発動し化け物の攻撃はまた完全に防がれる。

そして――――

「封印すべきは忌まわしき器。ジュエルシード!」

「ジュエルシードを封印」

『sealing mode set up』

そして封印を開始し化け物に桜色の紐状の光が巻きついていく。

『stand by ready』

「リリカルマジカル。ジュエルシード、シリアル21。封印!」

『sealing』

にしても封印するだけなのに化け物がフルボッコされてるように見えるのは俺だけかな?

桜色の光が化け物の体に黒ひげ危機一髪の如く刺し込まれていく様を見るとそう思わざるを得ない。

「これが、ジュエルシードです」

砕かれた地面の破片の下敷きにジュエルシードがあった。

終わってしまうとあっという間だな。

『receipt number XXI』

そう言ってレイジングハートはジュエルシードを収め、なのはのバリアジャケットが

解除されレイジングハートも宝石に戻った。

「あ、あれ……終わったの?」

「はい、あなたたちのおかげで」

ユーノ、いやユーノ君。俺もカウントしてくれてありがとう。

まったく役に立ってなかったから、うれしいこと言ってくれるじゃないの。

「ありがとう……」

そう言ってユーノ君は倒れた。

「ちょ、ちょっと、大丈夫! ねえ!」

「安心しろ、ただ気を失っているだけだ。――それよりも」

「――?」

「とりあえずここから離れようぜ」

あたりを見ると中々派手にやったなと思う。地面に凸凹が一杯あって、電信柱も倒れている。

「も、もしかしたら、わたしたちここにいると大変あれやこれやなのでは」

「事情徴収で朝帰り、迎えに家族が来て、学校でも質問攻めか。よかったな有名人になれるかもよ」

「にゃああーーー! そんな有名人なんてやだよぉ!」

「じゃあとっとと行こうぜ。サイレンの音が近づいてきてるし」

「ま、待ってよーーー」

ユーノ君を持ってこの場から退散。やれやれだぜ。




















「はあ、はあ、はあ……」

「大丈夫か?」

「う、うん……平気だよ」

公園に来てベンチに座る俺たち。にしても本当に体力無いよな。あの高町家の人間にしては

体力が無さ過ぎる。――そういえばルルーシュも似たようなものだな。

こんなことで変な共通点を見つけてしまった。

「――すいません」

「あっ、起こしちゃった?」

ユーノ君が起きたのか。

「ごめんね、乱暴で。怪我痛くない?」

――今、衝撃的なことを聞いたような。乱暴でなんて。すでにこの頃から傾向が出ていたとは

いや、待てよ。小学校に入学したばかりの時に三人娘は喧嘩したんだから

もっと前の頃から傾向があったのか。これは御神の血なのか素でそうなのか、悩ましいな。

「――仁――仁君!」

「うん? 何、なのは?」

「聞いてなかったの? 自己紹介してたんだよぉ。ユーノ君に名前を教えてあげて」

考えに没頭している間に何時の間にかやっていたのかよ。

「仁君考えている間ぼーっとするの危ないよ」

「へいへい気をつけますよ、え~と、迫水仁だ。よろしくな、ユーノ君」

「ユーノ・スクライアです。あの、あなたが先ほど見せた力は魔法なのですか?」

やっぱり聞いてきました、当然だよね。なのはもそれを気にしてこっちを見る。

そんな顔で見るなよ、――――照れるじゃないか。

「その言い方だと俺の力が魔法じゃないと聞こえるが?」

「術式が違うというよりもあなたにも力を感じますが僕らとは何か違うような気がします」

へ~、その違いに気づくなんてやっぱりユーノ君って優秀だよな。

伊達にジュエルシードの発掘作業の指揮を任されてはいない。優秀だよ、ユーノ君は。

「確かに俺の力は魔法とは違うものだが、まあ似たようなものだと思えばいいよ」

今から説明したとしたら時間が掛かるし、大変なことになる。主に俺の命が……

「仁君、前からそんな力を持っていたの?」

「ああ、色々とあってな。詳しいこと帰りながら話をしよう。

いつまでもここにいると体に悪いから」

主に俺の気分的な意味で。夜はやっぱテンションが低くなります。

「そ、そうだね。ユーノ君怪我してるし、ここじゃ落ち着かないよね」

そういってここから離れた。さてどう話そうかな。























「……つまり、その力は科学的な力ということ?」

「大雑把にだけどな。でもそっちの魔法だってプログラムとか使うから

似たようなものじゃないか?」

歩きながら俺の力について軽く話す俺とユーノ君。なのははよく分からないようで

話についていけてないようだ。

今は高町家に向かっている。なのはを送るために、……本当は行きたくないんだよな~。

絶対なんかあると俺の勘が警報を鳴らしている。実は途中で別れようとしたんだけど

「行っちゃうの?」という上目遣いで悲しげに言われてしまった。

なのはの不意の行動に思わず「ぐはっ!」と吐いてしまった。――血を。

中々、高度な技を持つじゃないか、見くびっていたよ高町なのは。

と、なのはに対する評価を改めて家まで送っている最中である。

「確かに魔法陣を発生していないけどバリアジャケットみたいなものがあるし」

「名称は特に決めてないからそう呼んでるけどやっぱ同じ……おっと、着いたみたいだ」

話しているうちに到着した。――――さて、ここからが本当の地獄だ。

「送ってくれてありがとう。仁君」

あ~、癒されるなあ。この後の最悪な展開を考えると尚更に……

「ほう、仁まで居たのか」

…………なんというか素敵なヴォイスが聞こえた。グリリバ的な意味で。

「こんな夜中に何をしていたんだ。……二人で」

逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ。

逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ!

そう言い聞かせ、いざ振り向いたら……

















――――そこには鬼がいた。オワタ\(^o^)/

「話を聞かせてもらおうか」

なのはさん的な意味でですか、分かりません。分かりたくありません!

問答無用で高町兄に連れて行かれた。

「……仁君」

そんな顔をしないでくれ、なのは。俺は俺が思うとおりのことをしたまでなんだから。

そこに後悔は無いと……そう思っていた時期が俺にもありました。。

ユーノ君よ、後は任せたぞ…………

ジーーーーン!

ユーノ君が俺の名前を呼んでくれたような気がする。やっぱ彼っていい奴じゃないか。

高町兄に連れてかれて少し経ってから大きな悲鳴が上がったとさ。
































「……というわけで俺がコンビニから帰る途中にたまたまなのはに出くわして

ついでだから送ってあげたんですよ」

そう言い訳をしてどうにか高町兄から解放された。最近の中で一番堪えたな。

つうか、さっきの化け物より強いんじゃないかと思った。だが考えるのをやめた。

そんな想像は要りません。

それで皆がリビングに集まっているので行ってみたら

「可愛いわねぇーー!」

桃子さんが悶絶していて大騒ぎになっていた。

「仁君もありがとうね。なのはを送ってくれて」

嗚呼、桃子さんその優しさは今の俺には有難いですよ。だからもう少しこのシスコンを

どうにかしてください。

「何か行ったか?」

「イイエ、ナニモ」

頼みますから殺気を向けないでください。((;゚Д゚)ガクガクブルブル

そんなこんなで漸く帰ることが出来た。明日、学校サボりてぇーーー!

ちなみに帰ったらルルーシュは寝ていた。

もう少し心配して欲しいなと思った。――――ガクリ

『お疲れ様でした』

今日のブレイブはとても優しかったような気がした。























次の日、学校に着いて教室に入ったらなのはたちが昨日のことを話していた。

ユーノ君がいた病院の壁とかが壊されていたという話らしい、

というかその辺りの道路もえらいことになっていたけどな。

「おはよう、三人娘よ」

「あっ、仁君! ルルーシュ君もおはよう」

「おはようございます。二人とも」

「ああ、おはよう」

「おはよう。って! アンタ! その呼び方やめなさいよ! 」

「朝から怒鳴るなよ、今からそれじゃあ放課後まで持たんぞ」

「余計なお世話よ! って、それよりも聞いてよ、昨日ね……」

アリサがユーノ君のことについて話し出した。でも俺たちは昨日のこと

もう知っているんだけど、まあ黙って聞いていた。





















授業中にユーノ君から念話でジュエルシードについて話を聞いていた。

ジュエルシードは願いを叶える石だとか、でもそれは危険なものでもあるとか、

どうしてこの世界にあるのかを話した。ジュエルシードがこの世界に散らばったのは

自分のせいだと責任を感じ、その話を聞いてユーノ君の気持ちがなんとなく分かると言うなのは。

それでユーノ君は自分の魔力が回復したら一人で探しに行くと言う。

その言葉に反応するかのようになのはの結んだ髪がピクッと動いた。――新種のアンテナか?

そのことに反対して自分も手伝うという。ユーノ君はこの世界では一人ぼっちなのだからと。

その後、俺も協力することになった。ユーノ君は申し訳なさそうに感謝していた。

なのはも俺が手伝うと言ったら喜んでくれた。――――あれ? まさかフラグ立っちゃった?

その後もなのはは自分が立派な魔法使いになれるかなとユーノ君に聞いていた。

なれるよ。けど魔法使いじゃなくて魔導師ね。そこ間違えて言うと

言った人によっては酷い目に遭うぞ。主に青の人とかあかい人とか。

ユーノ君に立派な魔導師になれると言われたなのはは嬉しそうにしていたのが微笑ましかったけど

俺はそれよりもなのはが言った一人ぼっちは寂しいという言葉に少し思うことがあった――――。























学校が終わって皆と別れる。今日はルルーシュが当番なので買い物に出かけた。

丁度良かった。俺はこのまま神社に向かった。次のジュエルシードの場所に――――。








神社の階段を上ろうとしたら、丁度ジュエルシードが発動した。

どうやらなのはたちはまだ着かないようだ。……なら。

『昨日のヘタレ返上ですね』

「一言多いわ! 今は晴れているから調子がいいぜ。いくぞ、ブレイブ!」

『了解です、ジン』

戦闘モードになって階段を駆け上がった。

辿り着いたらそこには四つ目の化け犬がいた。

原作通り犬に取り付いたか。

「WAAAAAAAAANNN!!」

化け犬が襲い掛かってきた。――甘い!

「キャッチリング」

左手を掲げてそこから三つの光の輪を放ち、化け犬を縛った。

「WAAAAAAAAANNNNN!!」

「無駄だ。そんなんじゃ破れたりしないぞ」

昨日より強いはずの化け犬にまったく苦戦せずに捕縛した。

「はっ、はっ、あ、あれ? 仁君!?」

おっ、漸く来たか。

「遅かったな」

「仁君がやったの?」

「うん、たまたま近くを通ったらジュエルシードの反応に気づいて来たらこうなった」

まあ嘘だけど、最初から知ってて来たけど封印するまでの手間が省けたからいいということで

「そんな! 原住生物を取り込んで昨日のよりも手強くなっているのに」

昨日は夜で貧弱だったけど太陽が出ている今は凄いですよ。

とまあ驚いているところ悪いけど……

「なのは悪いけど封印してくれないか。俺は封印できないからさ」

「えっ! あ、うん分かったよ」

慌てながらやろうとするがデバイスを起動させようとしない。どうしたんだ?

「え、え~と、あの~どうやるんだったっけ?」

ユーノ君と一緒にズッコケタ。あやうく化け犬を放すところだったぞ。

気を取り直してユーノ君に教わろうとしたらレイジングハートが自分で起動した。

ユーノ君はまた驚いていた。起動キーなしで動くなんて信じられないという感じで。

なのはの力を持ってすればたやすいことです。って感じだけどな俺からすれば。

そんなこんなでジュエルシード、三つ目を封印した。








[7126] その07.25 合衆国ニッポンポン\(●)/放送 第一回
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/30 00:35




仁:ついに始まるな。

なのは:う~~~、緊張してきたよ。

仁:何事も経験というやつだな。

なのは:だけど急にラジオ番組をやらされるなんて……。

仁:まあまあ。

なのは:そう言えばこの番組のタイトルって何なの?

仁:うん? 何だ知らないのか。それは……

??:その名も……

















??:合衆国ニッポンポン\(●)/放送


なのは:にゃあああ!! だ、誰なの!? あの仮面の人は!?

仁:あー、彼もこの番組のパーソナリティー。

なのは:え?―――ええええええええ!!!!















ウルトラでカオスなリリカル戦記


その07.25 合衆国ニッポンポン\(●)/放送 第一回















仁:どうも~。この番組のパーソナリティーを務めさせてもらうオリ主の迫水仁です。

なのは:お、同じく高町なのは(以後な)です。

仁:そして……

??:我が名はゼロ(以後ゼ)。力ある者に対する反逆者である!

仁:以上の三人で行います。

な:あ、あの~、仁君。ゼロって何者なんですか?

仁:ご存知ないのですか!? 彼こそ日本解放を目指し、超合衆国連合を築き上げた

  超テロリスト、ゼロです!

な:テロリスト!

仁:まあ、それは昔の話なんだけどね。

な:あ、あとここってどこなの?

仁:あ~ここはね、時の最果てと呼ばれる、

  全ての時代に通じていてどの時代にも属さない時空を越えた謎の場所ってところかな。

な:え~っと、なんでわざわざこんな場所で?

仁:この場所はあらゆる時代に通じているだけでなくあらゆる世界にも通じていることになっている。

な:それで、どういうわけなの?

仁:この番組をよりカオスにする為にはどうするべきかと考え、ここなら何が起きても

  おかしくないからここになった。以上!

な:え! それだけーー!

仁:この場所を提供してくださったハッシュさん、ありがとうございます。

  あー、あと後ろにある部屋には入るなよ。

な:何の部屋なの?

ゼ:仁、なのはよ! いつまでおしゃべりをしている! 早くこの番組の趣旨を説明しろ。

仁:Yes, Your Highness.

な:えっ! えっと~? ごめんなさい!

仁:この番組はこの作品の裏側とかの話を暴露したりします。

ゼ:あくまで話せるのはネタばれにならないものに限るがな。

な:駄目な例としては仁君たちの保護者の人は誰か? とかかな。

ゼ:逆にOKなものは、仁の奴が宝石翁の助手生活に何があったか? とかか。

仁:一部ネタばれになりそうこともあるから全部は言えないけどね。

な:あとは作者が困っていることを感想で答えて欲しいなどあります。

仁:例えばこれは実際に今、困っていることがあるらしい。

ゼ:ほう、なんだそれは?

仁:ルルーシュのデバイス問題について。

な:えっ? ルルーシュ君のデバイス? ……ルルーシュ君って魔導師だったの!?

仁:――――あ! まずい。

ゼ:なのは!

な:は、はいーー!

ゼ:お前は寝ていろ。<カシャ、キュピーーン

な:え、あ……ふにゃ~~。<ガクッ

仁:ちょっ! そんなことでギアスを使うなよ!

ゼ:お前が余計なこと言うからこうなったのだろうが!

仁:でも寝てろって。このままじゃ一生起きないんじゃないのか?

ゼ:ふっ、問題ない。策はある。

仁:まあ、お前がそういうなら信じるとしようか。

ゼ:それでデバイスが何だ?

仁:ルルーシュのデバイスはちゃんと決めてあったんだけど。

ゼ:それは当然だろう。でなければこのままずっと無頼だけで戦うことになってしまう。

仁:で、その後にまた新しいデバイスの案を思いついちゃったらしく、

  どちらにしようか悩んでいるらしい。

ゼ:ここにきてそんなことを考えるとは、そんなもの最初の案で良いのではないか。

  でなければプロット通りにならなくなって色々不具合が出るだろうが。

仁:いんや、どっちにしても特に問題ないらしい。ただどちらかによってルルーシュの活躍頻度が

  大幅に変わるらしいぞ。

ゼ:……何? ちなみにどちらが活躍できるのだ?

仁:後者の方。

ゼ:それはどういうものなんだ?

仁:いや、そこまで言えるかよ。完璧ネタばれじゃないか。

ゼ:ならば少しヒントを言え!

仁:え、え~と、どこまで言っていいのかな。じゃあ、前者が皇帝、後者がゼロかな。

ゼ:なん……だと……? それはどういうことだ!

仁:これ以上は言えるか! もう十分ネタばれだわ!

ゼ:ええーい、ならば仕方ない……<カシャ、キュ

仁:オラ!

ゼ:ギャフン!

仁:俺にまでギアスを使おうとするな! はい、この話はここまで。と言うわけで

  ルルーシュのデバイス、どちらが良いかご意見が欲しいです。

ゼ:勿論、ゼロを選んでくれたまえ。

仁:皆さんのご意見をお待ちしています…………

  (ゼロになるとルルーシュの活躍が増えてしまう。それは即ち俺の出番が減るということ。

  まずい! 主人公としてはこれは由々しき事態だ!)

ゼ:仁、安心しろ。

仁:えっ?

ゼ:それは些細な問題だ。

仁:そうだよな! 主人公なんだから出番とか活躍が減るとかそんなわけないよな。

ゼ:違うな! 間違っているぞ仁!

仁:なに!?

ゼ:お前は読んでいないのか?

仁:な、何を?

ゼ:この作品の最初にある【この作品について】を読んでいないのか!

仁:へっ? どういうことだ?

ゼ:ならばこれを見ろ!




【この作品について】

現実→リリカル世界にトリップしたオリ主の物語ですが

トリップした世界は他の作品と多重クロスしたものとなっております。

あくまでもメインはリリカルなのはなので

他の作品との絡みはあまり期待しないでください。

オリ主は強いですが最強ではありません。

少なくとも無印は。しかしA's以降はどうなるかは分かりません。

オリ主はクロスキャラに食われる場合があります(出番的な意味で)

クロスキャラの性格がたまに壊れてしまう場合があります。

なのは本編開始はその6からになります。

不定期連載になることがあります。




ゼ:その文章の下から4つ目の文を読んでみろ。

仁:オリ主はクロスキャラに食われる場合があります(出番的な意味で)

  オリ主はクロスキャラに食われる場合があります(出番的な意味で)

  (出番的な意味で)…………はっ!!

ゼ:つまりお前は最初っから俺たちに出番を食われる運命だったのだよ!!

仁:な……なんだってー!! そ、そんな馬鹿な<OTL

ゼ:そして私がこの作品の真の主人公となる!

  さらに私は新たな国を、いや世界を創るその名も…………
















    /⌒\人/⌒ヽ バッ
    ノ  \(○)/  ヽ   合衆世界ミッドチルダ!
     Lノ⌒( ( ⌒\_」
        く \


  その果てには管理局をも上回る組織、新生・黒の騎士団を設立し、

  あらゆる次元世界を束ねた世界の構築、超合衆世界連合構想を推し進め、

  それを実現することをここに宣言する!

仁:いや、それはない!<キッパリと

ゼ:ですよね~。













仁:さてそろそろお別れの時間になりますので、ゼロ、なのはを起こしてくれないか。

ゼ:ふむ、そういえばすっかり忘れていた。

仁:お前……なのはのこと嫌いだったか?

ゼ:いや、そういうわけではないのだが。何か知らないがなのはの声を聞くと

  彼女に似た声の女に何かを突っ込まれたような気がして、……ゴールデン的なナニかを。

仁:なんだそりゃ? で、どうやって起こすんだ?

ゼ:うむ、ではお見せしよう……

  オレンジ、カムヒアーー!!

仁:何だと!

ジェレミア:とおああーーー!<ズドーーーン

ゼ:来たか、ジェレミアよ。

ジェレミア:はっ、お久しぶりです殿下。このジェレミア・ゴットバルト(以後オレンジのオ)、

      忠義の名の下に次元を超えて参上いたしました。

ゼ:うむ、ごくろう。それで用件だが、彼女に掛かっているギアスを解除してもらいたい。

オ:お任せください、殿下。

ゼ:では、頼む。

オ:Yes, Your Majesty.<カシャッ、キュピーン

仁:まさか忠義の力で世界を渡って来るなんて、流石ジェレミア卿!

  俺たちにできない事を平然とやってのけるッ、そこにシビれる! あこがれるゥ!

オ:任務完了しました。

ゼ:うむ、大儀であった。

オ:では、またお会いしましょう、殿下。そして仁よ、殿下を頼んだぞ。とおああ。<シュイーーン

仁:行っちゃった。てか何で俺の名前を知っていたんだ?

な:う、う~~~ん。

仁:お、起きたか。

な:あれ? 私……確か、ルルーシュ君が……何だったったけ?

ゼ:ギアスを使った前後のことは記憶に残らない。何も問題は無い。

仁:なるほどそこまでちゃんと考えていたのね。

な:何があったの~?

ゼ:気にするな、ところでもう時間だ。

仁:それでは皆様、デバイスの件よろしくお願いします。さようなら~。

ゼ:人々よ、我を求めよ。……人よ! 恐れ慄き見るがいい! 永遠の薄闇に一人立つ魔王の姿を!!

  うはははは、さらばだ諸君!

な:さ、さようなら。…………あれ? 私、何もしていないような……。








 キャラ紹介


・ゼロ

登場作品:コードギアス 反逆のルルーシュ

黒いマント、仮面をつけた反逆者。

その正体は謎に包まれている。




・ジェレミア・ゴットバルト

登場作品:コードギアス 反逆のルルーシュ

別名、オレンジ卿。

ルルーシュを主君と定め忠節を尽くす忠義の騎士。

ギアスを無効にするギアスキャンセラーの能力を持つ。

アニメ終了後はオレンジ農園を経営している。





[7126] その08 会いたかった、……会いたかったぞ! フェイトォーー!!
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/30 00:19

前回のあらすじ


なのはは魔導師となったばかりなのに

化け物を倒した。で、俺は特に何もしていなかったという現実に凹んだ。

その翌日に再びジュエルシードが発動し

今度は俺が暴走体を止めた。でも封印はなのはがやった。

あるぇー? それって結局なのはがいないと俺って駄目な子? 

――そんなことを思うこの頃でした。





















ウルトラでカオスなリリカル戦記


その08 会いたかった、……会いたかったぞ! フェイトォーー!!























それからしばらく経って、その間になのははジュエルシードを

全部で6つ集めた。最初の1個はユーノ君が

2個目はあの夜に、3個目はその翌日の神社、4個目はプールに行った時に、

5個目は夜の学校で、最後の6個目は町で暴走したので全部だ。

プールの時は俺は何もしていなかった、というかプールで溺れて

気を失っている間に終わっていた。そう、俺はかなづちだったのだ!

……なんだよ! 泳げないのが何が悪い! そのくらいいいじゃないか!

本当は行かないと言ったのに、アリサに無理矢理連れてこられて

こういう目に遭ってしまった。

くそう、いつかアリサをギャフンと言わせてやる。そう固く誓う俺でした。






夜の学校では特に問題なく封印できた。

町の時は、その日、俺は別の場所に出かけていた。だからその時は

なのはとユーノ君で対処することになる。町が酷い目になることを知りながら

俺はあえてその場から離れ、なのはを助けなかった。それはなのはがジュエルシードを集めているのは

あくまでユーノ君を手伝う為にやっている。それは自分の意思で集めようとしている

わけではない、だから自分の意思でジュエルシード集めをしようと決意してもらいたかった。

あと、なのはには失敗という経験をして欲しかった。俺はこれも必要なことだと思ったので

今回のことは何もしなかった。失敗というのは今後の財産になるものだからそこから何かを

なのはに学んで欲しかったからだ。

その後、もうこんなことにならないようにとなのははユーノ君と魔法の訓練を始めた。

「まさに原作どおり!」

『それだと私たちの存在って何ですか?』

必要ことだからあえて原作の展開をなぞっただけだ。

か、勘違いしないでよ。……べ、別にネタが無かったわけじゃないんだからね!

それからまたしばらく時間が経ち、現在――――。















「にゃぁぁぁぁぁぁああ!!」

デレてます。ここ最近の中で相当デレています。やばいです。凄すぎます。

ここはほんま天国だにゃーーーん。とデレまくっているのは他でもない












――――私だ。

コラ! 今キモイと思った人。ちょっと語ろうか、猫の愛しさについて!

「やれやれ、相変わらず猫が好きだな、お前は」

ルルーシュは呆れながら俺の悶絶っぷりを眺めている。

現在俺たちはすずかの家に遊びに来ている。すずかの家はまさに豪邸なところで

そんな大きな屋敷の中に数え切れないほどの猫が暮らしている。

すずかは猫好きでこうなってしまったようだ。

素晴らしい、さすがです、すずかさん! 俺はいつだって、アナタのような

おっとりして物静かで相手の心を汲むことが上手いと尊敬の念を抱いていました!

マーベラス! さすが、トマトジュースを血の代わりに飲む人は違う!

「だから結婚しよう、すずか!」

「えっ? え、えーーーー!?」

突然のプロポーズに顔が赤くなって混乱するすずか。

うん、猫もいいがあなたも相当可愛いですよ。

「アンタ! すずかをからかうんじゃないわよ!」

「ギャフン!」

おもいっきし叩かれて、アリサに言わせてやることを俺が言ってしまった。















そんなこんなで大きな庭でティータイムを満喫していたところを――――。

(ジュエルシードの反応!)

(なのは! 仁!)

(うん、でもどうしよう)

(――ユーノ君)

(――! うん、分かった)

俺の意図に気づいてくれてユーノ君が森の方に走っていった。

「ユーノ君? あっ!」

なのはも気づいたようだ。

「ユーノ、どうかしたの?」

「うん、何か見つけたのかも。ちょ、ちょっと探してくるね」

「一人で平気?」

「仁、なのはと一緒に行ってやったらどうだ」

ルルーシュがナイスフォローをしてくれた。

「じゃあ一緒に行こうか、なのは」

「うん、じゃあ行ってくるね。 すぐ戻ってくるから待っててね」

「アンタ、なのはに変なことするんじゃないわよ」

……お前が俺のことどう思っているのか戻ったらその辺詳しく話そうか。

「え、えーーー!?」

「するか! なのはも真に受けるな、とっとと行くぞ」

俺は先に行き、なのはは照れながら俺の後ろについて行きながらユーノ君の後を追った。


















ユーノ君と合流した後、結界を張っている間に俺は彼らと分かれた。

彼女……フェイトとの戦いに備えるために――――。















準備中、なのはとフェイトの戦いが始まったようだ。最初、なのはは自分以外の魔導師の登場に

驚いていたがすぐに気を引き締めていた。慣れたものだなと感心するが、

でも今のなのはでは彼女には勝てないだろう。

なのははまだ魔法に関わってからそこまで時間が経っていない。ユーノ君の訓練を

受けているとはいえ一人前と呼ぶにはまだまだ時間と修練が足らなさ過ぎる。

他にも実戦経験が足りないなど、穴を探せばいくらでもでてくる。

それに対しフェイトは魔法の技量も経験も全てなのはよりも上だ。

けれど俺はこの二人を戦わせた。なのはには失敗だけでなく敗北の

経験を与えたかったし、なによりこの二人の運命の出会いを邪魔したくなかった。

だから俺が出るのはこの戦いが終わった後だ。










なのはが気を失っていた猫が起きたのに反応して

フェイトがその隙を逃さず、フォトンランサーを撃った。

撃つ直前にホントに小さな声で「ごめんね」と言って。

一応読唇術が使えるので読み取ることができました。

そしてなのはは防御も回避もできず直撃し、宙に吹っ飛んだ。

落ちていくなのはを俺は無事キャッチして様子を見た。

「なのは!」

「安心しろ、気を失っているだけだ」

「仁! 今まで何をしていたんだ!」

「説教なら後だ。ブレイブ」

『ウルトラチャージ』

左手をなのはに向けて光を放つ、すると光はなのはを優しく包みこんだ。

「これで少しは回復しただろう。なのはを頼んだぞ、ユーノ君」

「えっ、どこに行くの?」

「勿論、ジュエルシードのところに――」

そう言い残し、テレポーテーションした。さあ、ご対面だぜ――――。

























「ジュエルシード、とったどぉーーー!」

一度は言ってみたかった言葉を叫んでみた。おお何か気持ちいいぞー。

「なっ!?」

突然、目の前に現れた俺にびっくりするフェイト。

ついにこの時が来たのだ――――。










会いたかった……。


会いたかったぞ!


フェイトォォォオオオーーーーーーー!!!!




「くっ! ……がはっ!」

「え、えぇ!?」

くっ、間近で見ただけで体が耐えられず、血を吐いてしまうとは……。

想像以上だよ、君という存在は!

「あ、あの……それを渡して貰えませんか?」

予期せぬダメージを受けている時、フェイトが恐る恐るジュエルシードを渡して欲しいと言ってきた。

「そうだな、君が封印したものを盗るのは良くないよな」

「なら、それを渡してください」

「だが断る!」

「なっ!」

「この俺の好きな事は、俺が可愛いと思った子を苛めたり困らせてオドオドさせてやる事だ!」

ドドドオオオーーーーン!! と言い放った。ちょっとだけJOJOっぽく。

『それはただの変態じゃないですか!』

ブレイブがまた俺に酷いことを言う。だが今日は負けん!

「ふっ、違うな! 間違っているぞブレイブ! 俺は変態ではない! 

俺は…………ドSなだけだぁーー!!」

大きな声でおもいっきり叫んでやった。

『だ、駄目だコイツ……早くなんとかしないと…… 』

などと俺が暴走している間にフェイトが何もしてこないというか、

こっちに反応していないけどどうしたんだ?

「……か、かわいいなんて……初めて言われた……男の子に」

なんて呟いたのを聴こえたが、可愛いのあとは聞いてなかったのか。ならば問題ない。

「トリップしてるとこ悪いけどもういいか?」

『ジン、人のことは言えないでしょうが』

そうだね、良かったね。とブレイブを軽くあしらって今度こそフェイトとちゃんと対峙する。

「実はさ、君がさっき倒した子は俺のダチなんだ」

「……ダチ?」

「友達、友人、フレンド、OK? 理解できたかい? ……だから次は俺が相手だ!」

戦意を向けそう言い放つとフェイトも臨戦態勢になった。

「悪いけどこのジュエルシードは俺が頂く。……ちなみになのはの仇はそのついでで」

『ダチと言った後にそれって、……友達甲斐がありませんね』

「仇ったって、生きてるから仇とは言わないから別に良いだろうが。つうわけで……いくぞ!」

先手必勝なり。

『ウルトラショット』

手先から発射される針状の光線を、掌を重ねることで連射させて撃つ。

「! バルディっシュ」

『yes sir』

俺の攻撃を飛んで避けるが俺も攻撃をやめて飛んだ。

『Scythe form Setup』

バルディッシュがサイズフォームに変形する。

それは先端に魔力のやいばを発生させたもので、その姿はまさしく鎌だな。

「やはり接近戦か。ならこちらも、ブレイブ!」

『ナイトビームブレード』

ブレイブハーツから現われる金色の光剣。

「はああーー!」

ナイトビームブレードを出して、俺からまた仕掛けた。

「くっ!」

俺の攻撃を正面から迎え撃つフェイト。お互いの武器がぶつかり、鍔迫り合いをする。

「くうぅぅ!」

鍔迫り合いした状態から俺はブレードをおもいっきり振ってフェイトを払った。

「はああ! はっ!」

「――!」

払い吹っ飛ばしたが、直ぐに態勢を整えるフェイト。

「やっぱり強い。確かに今のなのはじゃ勝てないな」

『何よりも戦闘に対する気構えが違いますしね』

まあそんなものをまだなりたての魔導師に望むのは酷だけどな。

そう考えている内にフェイトが反撃してくるようだ。

「フォトンランサー」

『Fire』

4発の金色の槍のような魔力弾が高速で襲い掛かかってくるが、

「はあああ!」

ブレードで全部切り払う。すると正面にいたフェイトが消えた。

『Blitz Action』

――――! 後ろか!

「はあーー!」

「うおーー!」

振り向きながらブレードを振るうとバルディッシュとまた激突する。

「くっ!」

「はっ!」

激突してから今度は同時に離れた。

まったく凄いよフェイトは。準備していなかったらやばかったかもしれない。

『光エネルギーを吸収しておいて正解でしたね』

そう、なのはたちと分かれた後に俺はすぐに【光吸収】の力で

エネルギーを吸収しパワーアップしていたのだ。

他にも準備しながらフェイトの戦闘をただ見ていたわけじゃなく分析していた。

けれどなのはとの戦いはすぐに終わってしまったのであまり乏しいデータは

取れなかったのだけど。

「どうした、それではジュエルシードは手に入らないぞ」

「――くっ!」

さてどうする? 次はどんな手で来る。

「バルディッシュ、いくよ」

『yes sir Device Form』

形態を変えた? とすると……

「サンダースマッシャー・セット!」

砲撃魔法か! ならばこちらも……

「ブレイブ!」

『了解』

そして俺は両腕に力を集中させる。

「撃ち抜け、轟雷」

『Thunder Smasher』

雷撃を伴う金色の砲撃が来る。そしてこっちも……

「スペシウムバスターー!」

腕を十字形に左右の手刀を交差させて右手から白い光線を発射して、

白と金の光が激突し拮抗する。

「はあーーー!!」

フェイトはさらに力を込めて押し返そうとするが、しかし――。

「悪いけど、これで……おしまいだぁーー!」

「なっ!?」

俺はさらに力を込めて拮抗していた光線がフェイトの砲撃を飲み込んで

そのままフェイトに直撃して――――おもいっきり吹っ飛んでいった。

『ちょっ! あなた鬼ですか! ここまでやるなんて』

「い……いや~、想像以上だったからそのノリで吹っ飛ばしてしまいました」

俺の光線でフェイトはユーノ君の結界の外、遠くまで吹っ飛ばしてしまった。

「やりすぎちゃったかな、やっぱり……」

『はあ~、これであなたは彼女から嫌われましたね』

「! なん……だと……」

『ジュエルシードを盗んだだけでなくあの仕打ち、きっと怒っているか、

怖がるかなどの、あなたに対して悪い印象を確実に与えたでしょうね』

「……し、しまった! そこまで考えてなかったぁーー!」

フラグ立てる前にブレイクしちゃったよ。

『ブレイクと言うよりバニッシュですね』

壊すじゃなく、消すのかよ! フラグブレイカーじゃなくて

フラグバニッシャーなんて初めて聞いたわ!

「あうあうあうううう……」

「……仁君?」

「へっ?」

落ち込んで泣いている時、声を掛けられたので振り向いたらなのはが立っていた。

「お~気がついたのか。怪我は平気か?」

「うん……ユーノ君と仁君のおかげで何ともないよ」

けれど元気が無いなのは、俺も今は元気が無いよ。

『ジン、なのはが聞きたいことがあるそうですよ』

は~、何でしょうかね~。

「あの子と戦ったんだよね」

「……何だ見てたのか?」

「うん、私は負けちゃったけど……」

「だから次は俺が相手したのさ」

「ジュエルシードは?」

「おう、ちゃんと手に入れたぞ」

「よかった。じゃあそれを――」

「ああ……悪いんだけどこれ、俺に預からせてもらえないか?」

「えっ! どうして?」

「念の為さ、なのはに全部そのまま預けておくより、

それぞれ持っていたほうがいいかなと思ったから」

「でも……」

「安心しろ、悪いようにはしないから。俺はこんなもの使うつもりなんてないし」

「……私が持っていると取られちゃうと思ったから?」

「随分ネガティブになったな。……そんなに負けたのが悔しかったのか」

「そ、そういうわけじゃ……」

「ふむ、さっきのなのはの戦い……はっきり言うとだな、あれは負けて当然だった」

「仁!」

「ユーノ君だって分かっているだろ、相手はちゃんと訓練を受けた魔導師だった。

まだなりたての魔導師なんかじゃ勝てる相手ではなかったよ」

「私は……」

「だから次は負けなければいいんだよ」

「――えっ!」

「負けないように努力すればいい。負けても負けても次は負けないと、勝てるようになるまで」

「……仁君」

「なのは、最初から強いとか失敗しない奴なんていないんだからさ。

そんな肩肘張るなよ。それにさ、何の為に俺らがいると思っているんだよ」

「ユーノ君がお前を頼ったように、お前も俺たちに頼れよ。――それに見ろよ」

「えっ?」

俺が目を向けた方になのはも向けると……。

「なのは~!」

「なのはちゃん!」

心配してきたのかアリサたちがこっちに駆けつけてきた。

「お前は一人じゃないんだから」


























『随分とまあ、それらしいことを言いましたね』

「間違ってはいないだろ?」

『……まあいいでしょう。それで、これはどうするんですか?』

ブレイブに収められたジュエルシードのことを指して言ってきた。

「一応言っときますけど、使わないからな」

『ええ、使わないでしょうね。……あなたは』

「……まあ悪いようには……ああ、ちょっと待て……」

『?』

『どうしましたか?』

「…………いや、これからのことでちょっとね。さあ、俺らも皆のところに行こうぜ」

などと話してから俺はなのはを真ん中にして仲良く歩いている三人娘の後を追った。









[7126] その09 温泉ですが、別にお約束の覗きなんてありませんよ
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/30 00:18

前回のあらすじ


フェイトを吹っ飛ばしてしまった俺は、

次に会うときはどうしようと悩んでいた。

きっと俺に対し怒っているか、怯えるかのマイナスイメージを

持たせてしまったと後悔中。世界はこんなはずじゃないことばかりだ

という言葉を身をもって知って少し大人になったような気がする。

あ~、どうしよう……。





















ウルトラでカオスなリリカル戦記


その09 温泉ですが、別にお約束の覗きなんてありませんよ























現在、俺は車の中で寝ようとしている。何で車に乗っているかというと

高町家と月村家に俺とルルーシュ、アリサと一緒に温泉旅行に向かっているからだ。

他の皆はおしゃべりをしているが俺だけは寝ている、というか寝ようとしている。

それはなぜかというと……

「ほら、仁も混ざりなさいよ!」

「アリサちゃん、仁君起こしちゃ駄目だよ」

「どうせまだ起きてるわよ。ほら……」

「お前……俺が車酔いするの知っててそんなことするんじゃない!」

そう俺は車酔いする人間で、前にアリサを迎えに来た車に乗ったことがあって

その時乗ったら気分が悪くなってしまい、それから車になるべく乗らないようにした。

以前は車に乗っても平気だったのになぜか駄目になってしまった。

だから今の気分はブルーなのです。だというのにこのツンデレは……

「まったく男の癖に情けないわね」

「車酔いに男も女も関係ないだろうが……」

「ルルーシュでさえ車酔いしないのにアンタときたら……」

「待て! なぜそこで俺の名前が出てくる?」

「だって仁に比べて貧弱なのに車酔いしないのよ」

「そんなもの関係あるか!」

「ただの冗談よ」

「にゃははは、もうその辺にしたほうがいいよアリサちゃん。仁君本当に気分悪そうだから」

ううう、すまんのう気を使ってくれて。なのにこの金髪は……

「な、何よ! 文句あるの」

少し睨んでみたらちょっと罪悪感が沸いたのかさっきより勢いが無くなった。

「別に……とにかく俺は寝るので目的地に着いたら起こしてくれ……」

そう言って俺は目を閉じた。

「じゃあ起こさないように静かにしてよ」

「うん、そうだね。ねっ、アリサちゃん」

「分かったわよ! 静かにしてるわよ」

「やれやれ……」

また気を使わせてしまったようだ。別に騒がしくても寝れるのだが……

まあこれなら直ぐに寝れそうだ……と、眠気が…………意識が薄れていく……

「……さっきは悪かったわね…………」

なんて声が聞こえたような気がしたがそのまま眠りについてしまった。

















そうして寝ている間に目的地に到着して、荷物を部屋に置いてから

各々自由行動になり俺たち子供組は温泉に入ろうということになった。

なのでさっそくユーノ君のあのイベントが始まろうとしたので俺は……

「え~~、ユーノ君、男湯に入るのー!」

「このナリだがユーノ君は男なんだぞ」

「でもフェレットだよ」

「私、ユーノと温泉入りたいのにー」

などと今、ユーノ君をどっちの湯に入れるか討論中。ちなみにルルーシュは

先に入っていった。友達甲斐が無いやつめ。現在は女性陣が有利な展開である。

物量作戦じゃあこっちが圧倒的に不利なのに。それにどうやら全員ユーノ君と

入りたがっているらしく一歩も譲ろうとしない。

(すげえよ、ユーノ君。それなんてエロゲ? 的なハーレム展開だぞ)

(意味が分からないけど、そんな展開やだよ!)

などと世の男のほとんどが喜んで行く展開を拒否するとは……

はっ! さては君は…………

(俺は男に興味無いからな襲ってきたら去勢手術するぞ)

ナイトビームブレードでばっさりとな。

(急に何言ってんのさ!)

などと無駄にマルチタスクを使用しながら同時に女性陣とユーノ君と話をしていた。

結果的にはユーノ君が嫌がっているということで男湯になった。

それでユーノ君に感謝された。これでこっちの勝手な借りが返せたなと思ったんだが、

次は女湯に連れて行くからと言われてしまった。さてどうしようか? ユーノ君。















けっこう長湯になってしまった。この世界に来て初めて温泉に入ったから

結構のんびりしてしまった。その結果……

「う~、のぼせてしまった……」

「あれだけ入っていればそうなるだろうが」

ルルーシュは先に出てマッサージ器を使いながら待っていてくれた。

「そんな正論はいらないわ。……てか随分まったりしていたな?」

「うん? ああ……こういう風にのんびりと旅行なんてした事無かったからな……」

と昔のことを思い出したのか、物思いに言った。

「……折角の旅行なんだからのんびりするに越したことは無いぞ!

そして楽しまなければ損だ!」

「ああ、そうだな……折角来たのだから楽しむとしよう」

少し元気になったかな? 過去を振り返るのは別にいいけど、

いつまでも過去のことに囚われてもしょうがないし。

……まあ……俺も人のこと言えないかもしれないが…………

「おい、仁。あれ」

ルルーシュが指したとこに先に出たのかなのはたちがいた。それと……

(うっ! あれは……)

(知ってる人、仁?)

ユーノ君が念話で聞いてくるがまあ知っているけどまだ会ったことは無いんだよね。

「もしかしてあれは絡まれているのか?」

「あ~、そうかもしれないね。……ちょっと行ってみるよ」

すっごく行きたくないけどどうせなのはに警告するのはついでで本命は俺なんだろうから

とっとと済まそうと思った。やだな~、絶対彼女のことだから怒ってそうだ……

「なのは!」

「あっ! 仁君」

後ろから来た俺を見て少し安心するなのは。でも俺が安心できんよ。

「どうした? この人と知り合いなのか?」

「う、うーうん」

「彼女はそう言っているのですが、誰かと間違えているのでは?」

当たり障り無いことを言ってみた。というか原作のアリサの台詞を言った。

「うん? ――! そうかあんたがあたしのご主人様を……」

俺が誰なのか分かったらしく俺に向けて殺気を向けてくる。ひーー! コワッ!

「あんたのせいでフェイトは……」

ちょっと待て! 本気でここでやる気か! まずいぞ、ここじゃあアリサたちが……

「失礼、俺たちはあなたのことを知らないのですが、どちら様でしょうか?」

「うん?」

ルルーシュ! お前どうする気だ。――! まさかお前!

「用が無いのでしたら、ここは温泉宿…………暫く温泉にでも入っていったらどうです」

そう言ったルルーシュの右手には両目に付けている筈のコンタクトがあった。

つまりそれは――

「ああ、分かったよ。そうするよ」

と言って彼女は温泉の方に向かっていった。

「大丈夫? なのはちゃん」

「う、うん」

「何なのよ! あれは! 昼間っから酔っ払ってんじゃないの!」

「まあまあ、くつろぎ空間だし色んな人がいるよ」

三人娘が今の人について話している間に……

(ギアスを使ったのか)

(ああ、あのままほっとけばここで騒ぎになっていてもおかしくなかったからな)

確かに、まさかあそこまで怒っているとは予想外だった。

(この場ではあれで対処したが次はどうなるか分からんぞ。

お前、今の女に本当に心当たりは無いのか?)

(一番最近のだと、やっぱりあれかな……)

実際そうなんだけどあまり考えたくない。きっと彼女のご主人様も怒っているのかと

考えると鬱になる。

『自業自得ですね』

誰か俺の味方になってくれる人はいませんか?















その後はお土産を見たり卓球などをした。

卓球では皆でトーナメントを開いてやってみたが……

「ちょっと! ルルーシュ、しっかりしなさいよね!」

「無茶を言うな! ……ぐっふ! ……こんなの……俺のジャンルじゃ……」

アリサ・ルルーシュチームは惨敗した。まあ相手が……

「はっ!」

「うおおりゃ!」

すずかと高町兄チームでは全てのスペックにおいて圧倒されているのだから無理はない。

俺はというと……

「はああ!」

「ふにゃあ!」

「よっと!」

「くっ!」

忍さんと組んで、なのはと美由紀さんチームに勝った。

美由紀さんはなかなか手強かったがなのはという穴を徹底的に狙い勝った。

「なのはのところにばっかり狙って、酷いよ!」

「勝負とは情けを捨てなければいけない世界なのだ」

そういう風に言っておいた。あと残ったチームは高町兄チームと対戦。

「むん!」

「とあっ!」

「はっ!」

「やあ!」

準決勝だけあって熱い戦いを繰り広げている高町兄チームと高町父とノエルさんチーム。

ちなみに桃子さんとファリンは審判をしている。

「すごいの!」

「流石は御神の剣士同士の戦い」

「いや、卓球に剣士は関係ないのでは……」

「ですよね~」

しかもパートナーがあのすずかとノエルさんだから足を引っ張らないだろうし。

「どっかの誰かさんも足を引っ張らなければねぇ」

「うるさい!」

「いや、この戦いをぶりを見るとそんなの些細な問題な気がする」

そのくらいレベルが高い。知らないうちに高町親子は二刀流になっているし

「小太刀二刀御神流ですね、わかります」

「やっぱり、剣士は関係あるのでは……」

「はははは……」

つうか本気になりすぎではないか……。
























結局、最後まで決着がつかず引き分けになって、明日また再戦することになった。

どっちにしろどちらかと戦うことになるのかと溜め息を吐いて部屋に戻った。

大人たちが飲んでいる間に子供たちは眠った。最も俺を含めて眠っていないやつもいるけど。

(ユーノ君、仁君、起きてる?)

(うん、はあ~)

(ご苦労さん、ユーノ君)

なのはが念話をしたのを機に起きた。ちなみにユーノ君はアリサにずっと遊ばれてて疲れていた。

(昼間の人、こないだの子の関係者かな?)

(多分ね)

(ということはあの子も近くに来てるということだな)

(そうなるだろうね)

(また前みたいになるのかな)

(彼女もまたジュエルシードを探しているからそうなるな)

(……)

(やっぱり戦うのは嫌か?)

(そうじゃないんだけど……)

(なのは、僕あれから考えたんだけど……)

(はい、ストーップ!)

(えっ!)

(ユーノ君、それ以上言うと私怒るよ……)

(ユーノ君のことだからどうせあとは自分がやるとか言うつもりだったんだろうが)

(そんなことさせないよ!)

(……なのは、仁)

(私、最初はただユーノ君が困っているから手伝いたいと思ってたけど、今は違うよ。

私は自分の意思でジュエルシードを集めているの。……それに)

(他に気になることでもできたか?)

俺にとっては分かりきっていることを聞いてみた。

(……うん!)

とりあえずこの話はここまでにし少しだけ眠った。次の戦いに備えるために――――

















皆が眠りについてから時間が経ち、ジュエルシードの反応を感じ取った。

なのはも感じ取って起き、俺たちはその場に向かった。

もうすぐ目的地に着きそうになったその時、ジュエルシードの光が天に向かって輝いた。

「あ、あれは!」

「急ごう」

「うん!」

そして辿り着いた。予想通り二人組みで。

「……」

あああーーー!! やっぱり怒ってるよ。睨んでるよ~。ワザとじゃないのに~。

と皆が見てないところで落ち込む、今は夜だから余計に気分がブルーだよ……。

「あぁ!」

「アラアラア~ラ、来ちゃったね」

おちゃらけた感じで喋る昼間の女の人。

「それをジュエルシードをどうする気だ!」

「さあ~ね、そんなことを言う理由なんて見当たらないし。それに……」

俺を睨んでくるフェイトの使い魔であるアルフ。

「さっきは何時の間にか温泉に入っていて逃げられたけど、今度は逃がさないよ!」

めっちゃやる気満々だな、勘弁してくれこっちはそんなに余裕が無いんだからさあ。

主に精神的に。そう考えている内にアルフは変身して自分が使い魔だと説明していた。

「先に帰ってて、直ぐに追いつくから」

「うん、無茶しないでね」

「オーーケーー!」

「なのは! あの子は任せたぞ! いくぞユーノ君!」

「うん!」

気分はブルーのままだがやらなくてはならない。

「させると思っているのぉ!」

「やってみるさ、ウルトラバリヤー!」

襲い掛かってくるアルフの攻撃を俺が防ぎ、そのままユーノ君が強制転送で

ここから俺らは移動した。

「ちぃっ! やってくれるじゃないのさ」

「あの二人の決着がつくまでここにいてもらう!」

「上等だよ!」

そう俺が宣告しアルフもそれに応え、俺とユーノ君のコンビ対アルフの戦いが始まった。













「待ちな!」

といって追いかけてくるアルフを俺たちは二手に分かれて逃げる。

アルフはやっぱり俺を追ってくる。

「ちょこまかと最初の威勢はどうしたんだい!」

「ただ戦うだけが能じゃないということさ」

「ただ単に逃げてるだけじゃないか!」

突っ込まれたが気にせず逃げまくる。正直に言うと今の俺ではアルフには勝てない。

この夜の状況では、流石にジュエルシードの化け物なんかよりも強いアルフには

馬鹿正直に突っ込んで戦おうとは思わない。

「あんたはあたしがガブリッとしてやるよ」

「お引取り願います」

牙と爪を使って襲い掛かるがひらりと避けまくる。

「くうー! なんで当たらないのさ!」

それは当然だ。俺は確かにお前には勝てないけど、負けるとも言っていない。

「残念だけど逃げ足の速さは超一級品でね。そんな攻撃じゃあ当たらないよ」

「このー!」

何度も攻撃を仕掛けてくるがそれでも当たらない。この程度の攻撃なんか当たっていたら

俺は今こうして生きてはいない。あの助手生活から多くのことを学んで、

一番に得たことがこの……逃げ足の速さだ! 伊達にキング・オブ・チキンの称号は頂いてないぜ!

そのおかげで人外のやつらから生き延びたのだからな。

そうして逃げているうちに上空でなのはの砲撃がフェイトに向かって放たれた。

「なのは……強い」

「でも……甘いね」

「ああ、確かにな」

なのはの砲撃は当たったと思いきやフェイトは余裕で回避し、バルディッシュをなのはの首筋に向けた。

「なのは!」

「うっ」

『put out』

レイジングハートはジュエルシードを一つ、フェイトに渡した。

フェイトも言ったが何て主想いのいいデバイスなんだ。それに引き換え……

『私ほど主想いのメテオール何ていませんよ』

「人格があるメテオールなんて、お前くらいしかいないだろうが!」

少なくとも俺の知る限りじゃあ無かったはずだぞ。

マケット怪獣とグロテスセルは人格とは違うし、あっ、でもミクラスはいいやつだよな。

『まさか私があれに負けるとでも言うのですか!?』

「少なくともお前と違って愛嬌があるぞ」

『馬鹿にしないでください。私にだって愛嬌ぐらいありますよ』

「なら少しは見せてみろよ」

『残念ながらあなたのレベルではまだまだその域に達していません。お引取りを』

「なんだそれは! 結局はできないということだろうが!」

などと言い争いになっている間になのははフェイトの名前を聞いていて

フェイトたちは帰っていたのだった。

















「お前はもう少し性格を何とかしろ! そんなんだから出番がたまにしか……」

『あなた! 私が少しだけ気にしていることをよくも言いましたね!

今日はトコトン罵ってやろうではありませんか! このロリ! フラグバニッシャー!』

「ちょっ、おまっ! ……ふふふ、いいだろう! 今日は主に対する礼儀ってやつをを教えたるわーー!」

『上等です! かかってきなさい!』

「ボッコボコにしてやんよ!」

「二人とも、喧嘩はやめてよー!」

「AIと喧嘩するって一体……」

喧嘩が収まったのは日が昇る頃だった。













あとがき?


・ギアスについて


今回、アルフにギアスを掛けましたがこれは、人間と同じ意思があるから

アルフにも通じるだろうという作者の独自解釈の設定です。

ですので、この作品でルルーシュのギアスが通用するのは


「人間と同じように心、意思を持っていてギアスを掛けるのに必要な目を持っている」ことです。


あくまでこれは作者の解釈なので、この設定に賛否が分かれるかもしれませんが

ご了承していただけたらなと思います。







[7126] その09.5 やはり実戦に勝る修行は無いな
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/30 00:17

前回のあらすじ


温泉旅行でフェイトに会ったらやっぱり怒ってました。

アルフも相当怒っていて殺す気で襲われましたが

難なく回避しましたがそれが気に食わなかったのか

余計怒らせてしまったかなと思うくらい苛立ってました。

あとブレイブと喧嘩もしたけど決着はつきませんでしたが

そのことでなのはに怒られて仲直りさせられました。





















ウルトラでカオスなリリカル戦記


その09.5 やはり実戦に勝る修行は無いな























「な……なんなんですか? ここ、どこですか? なんで私こんなところに居るんですか?」

なのはよ、それはキャラが違うぞ。

「じ、仁君説明してよ」

「お前さんが強くなりたいというからここに連れてきたんだぞ」

現在、時の最果てに来ている。ちなみにユーノ君はお留守番ということで

桃子さんと美由紀さんに預けてきた。ユーノ君には悪いがここの場所は

一応秘密の場所なので連れてこなかった。まあ何らかの機会があれば連れて来てもいいけどね。

あと管理局はこの場所を把握していないらしい。今の管理局の技術では

この場所に辿り着くのはまだまだ無理なようだ。

ちなみに俺がなぜここに来れるかというとまさしく主人公補正だから、

というかあの【特異点】の力とテレポーテーションで辿り着けたから。

いつだったかここの場所をふと思い浮かび、試しに行けるかとやってみたら

辿り着いてしまったというわけだ。

「ここにはお前の戦いを教えてくれる人? ……方がいる」

「えっ! 人じゃないの!?」

「大丈夫、無害というかこちらが害を与えなければ問題ないから」

「少し不安になってきたかも……」

「他にも修行プランはあるぞ」

「それは何なの?」

「えっと、高町父と兄の……「こっちでいいです」 そうかい」

どうやらなのはは御神流の修行はお気に召さないようだ。

「仁君が教えてくれるという選択肢はないの?」

「無い!」

「断言された!」

「俺もまだまだ修行中の身だ。ということにしてくれ」

『要するに面倒くさいからという理由ですね』

「そうなの、仁君?」

「うん、メンドイ」

「酷いよ!」

そう話しながら中央の広場に着いた。

「どうもハッシュさん、ご無沙汰です」

「ふむ、君か。他の者たちは元気かね?」

「ぼちぼちですね、先生はいつも通りです」

「そちらのお嬢さんは?」

「初めまして、高町なのはと言います」

「元気な子じゃな。ワシはハッシュという者じゃ」

「あの~、ハッシュさんはここに住んでいるんですか?」

「そうじゃな、ここにはワシが成すべき事があり、その時を待っているのじゃ」

「一人で寂しくないんですか?」

「そうじゃな、ここにはこうしてお前さんたちみたいにやって来る者たちがおるから特に寂しくは無いの」

「お~い、なのは。俺たちの目的を忘れるな~」

「そういえば今回は何をしに来たのじゃ?」

「コイツが強くなりたいと言うからこの奥の部屋に連れて来るためです」

そう言ってハッシュの後ろにある部屋を見る。

「ほう、確かにその子には凄まじい力を感じるの」

「というわけだから行ってきますね。行くぞ、なのは」

「あ、うん。あの失礼しました」

そして俺たちは扉を開いて部屋に入った。さて、今の姿はどう視えるかな?


















「おお、お前じゃないか。久しぶり」

「……え、え? えええーーー!? なんであなたがここにいるの!?」

「なのは、質問していいか? お前にはどう視えているんだ?」

「どう見えているって、あの子だよ! フェイトちゃんだよ!」

よし、思ったとおりだな。

「なのは、落ち着け。お前が視ているそいつはフェイトじゃないから」

「え、えでも……じゃあ、あなたは誰?」

「うん? 俺か? 俺は戦の神、スペッキオだ。お前は何て名だ? ツインテールのお嬢ちゃん」

「は、初めまして、高町なのはと言います」

「スペッキオとは鏡の意味で、強い者には恐ろしい姿、弱い者には弱そうな姿に視えるんだ」

「お前たちの能力によって俺の姿が変わる。お前が視ている俺の姿はお前にとって強い者を、

仁にとって強い者の姿と別々に視えているんだ」

「じゃあ、もしかして仁君がここに連れて来たのは……」

「彼女の姿に視えるかなと思ってここに連れて来た。

あと言っておくが見た目だけじゃなく能力も同じかそれ以上だからな」

「なんだ? ここに来たのはお嬢ちゃんの相手をさせるためか?」

「そういうこと。今回来たのはコイツの相手をしてもらいたかったから」

「成程、確かにお前強そうだ。楽しみだな」

バトルマニアじゃなくて真正のバトルマスターだからな。

案外シグナムをここに連れてきたら歓喜するかもしれないな。

「というわけでなのは、後は頑張れ」

「え!? 待ってよ!」

「じゃあ、いくぞ」

「えっ! は、はい!(やっぱりフェイトちゃんの姿でこの口調はすごく違和感が……)」

そして始まりました――――。













しかし戦ってみたのだが…………。


「サイズスラッシュ」

「にゃああ!」



「フォトンランサー・マルチショット」

「ふにゃああ!」




「サンダースマッシャー」

「にゃあーー!!」




「サンダーレイジ」

「にゃ(ry」



容赦ない攻撃でなのははボロボロにさせられてしまった。

フルボッコってレベルじゃねえぞ! まさかここまでこっ酷くやられるとは思わなかったわ。

「お~い、生きてるかぁ?」

「にゃ……にゃんとか……」

ボロボロだがどうにか無事のようだ。

「じゃあ、今日はここまでな。また時間がある時に連れて行くからそのつもりで」

「や……やっぱり、お父さんたちの訓練の方がよかったかも……」

そんなことを言うが俺からすればどっちもつらいのではないかと思った。

こうしてなのはは、たまに時間がある時はここでスペッキオにしごかれることになった。
























「ねえ、仁君」

「何だ?」

「前から気になってたんだけど、あのバケツって何なの?」

そう言って広場の端っこにあるバケツを指差す、なのは。

「あれに目をつけるなんて、流石と言うべきなのかな……」

「何なのあれって?」

「あれは……ある世界の終末の時の場へと導くものだ」

「えっ! どういうこと?」

「今は気にしなくてもいいよ。今は修行あるのみだ!」

「う、う~、頑張ります」

「じゃあ、今日も頑張れよ!」

世界が終わると言ってもこっちの世界とは関係無いんだし気にすることは無い。

まあ、でもアレってどんだけの化け物なのかは気にはなるから

機会があれば行って見るくらいはしてみようかな。








この時の俺は能天気にそう思っていたが、これがまさかあのような結末を

見ることになるとは俺は知る由も無かった。





















 キャラ・設定紹介


・スペッキオ

登場作品:クロノトリガー

戦の神。時の最果ての広場の奥の部屋にいる。

相手のレベルによって自分の姿が変化するが

それは相手によってそう視え、別の相手によってはまた別の姿で視える。

今回のなのはは、自分の力量以上の存在であるフェイトに視えた。



・ハッシュ

登場作品:クロノトリガー

時の最果てにいる老人。

誰かを待っているらしい。



・時の最果て

登場作品:クロノトリガー

あらゆる時空、次元の世界の果てとされる場所。

仁によって見つけられ、仁でなければ来れない場所である。

通常ではここに辿り着くのは不可能とされ、

宝石翁や管理局でもここの場所は把握していない。

全回復する水場やあのバケツがあったり、戦の神がいるなど

色々と謎がある場所である。










 あとがき?


なのはがどんどん強くなっていくのは

ユーノ君とだけでなく、こんなこともあったんだということを書いてみました。

またちょっとした伏線も書いてみましたがいつ披露されるかは今のところは未定です。







[7126] その10 原作を知っている分、イレギュラーなものほど怖いものは無いかな
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/08/10 22:36

前回のあらすじ


フェイトとの戦いで再び負けてしまった

なのははもっと強くなろうとしていた。

主にユーノ君とレイジングハートから新しい魔法を

学んで、時間があれば例の場所で実戦形式の訓練をしていた。






















ウルトラでカオスなリリカル戦記


その10 原作を知っている分、イレギュラーなものほど怖いものは無いかな























現在は七時を過ぎて暗くなった夜の町の中、

なのはたちと二手に分かれてジュエルシードを捜索している。

多分今日だと思うが正確な場所までは分からないのが悩ましいことである。

そんなことを思っていると…………。

「これは!? ジュエルシードの反応か!」

『私たちも急ぎましょう』

捜索中にジュエルシードの反応を確認しその場所に向かおうとする……

「……?」

『どうしました?』

「何か妙だ。これは……」

『ジン!? 来ます!』

「なっ!?」

俺たちの目の前の空間が歪みそしてそこから何かが現れようとしている。

「空間転移か!?」

『解析しました。数は二つ、無頼クラスの大きさの機動兵器です』

ブレイブの解析が済んだところで目の前に現れた謎の機動兵器。

「……こいつらは」

『該当データなし。アンノーンです』

つまり俺も知らない未知の存在なのか。まさか未知の存在まで呼び寄せちゃうなんて

なんという原作クラッシャーだ、俺って奴は……。

「今まで原作に合わせてきたのにここで終わりか……」

『しかもタイミングが悪いですね。よりにもよってここで起きるなんて』

今回のジュエルシードは次元震が起きるからそれをフェイトの代わりに止めようと

思った矢先にこれだもんな……。

「しかも今は夜だし、本当に良くない展開……ん?」

『どうしました?』

「いや、あいつら……何だから見覚えがあるような気がして」

現れた二体の機動兵器は灰色ボディに黄色い嘴を持つ鳥型で大きさは無頼と同じくらいだがその姿に

何となく見覚えがあるような……。

『ですが、あなたの持つデータを私が検索した結果はゼロでした』

なら俺の気のせいか、それとも俺が見覚えがあると思われるものに何か関係が……

『ジン、来ます!』

「考える時間は無いか!」

二体は鳥型兵器は低空飛行をしつつ襲い掛かってきた。すぐさま俺は戦闘モードになって

それを上空へ飛んで攻撃を避け、反撃をする。

「ウルトラスラッシュ」

誘導性のあるギザギザの光輪を投げてまず一体目を狙う。しかし、

「……」

鳥型は口からビームを発射して光輪を破壊した。

「げっ! まじかよ」

『ジン、後ろ!』

もう一体の鳥型がこちらにビームを撃ってくる。またさっきの鳥型も同じように攻撃してきた。

「くっ! 一体何なんだ!? こいつらは一体……」

攻撃を避けながらどうにか反撃できないかと考えていると……

『ジン!』

「ああ、始まっちまった」

鳥型と戦闘している間に次元震が起こってしまったみたいだ。

「ったく! ブレイブ! とっとと終わらせるぞ!」

『しかしどうするんですか?』

「やつらの動きにうまく合わせて一気に倒す。奴らの動きを予測計算してくれ」

そう指示をして動きまくって奴らの攻撃を避けつつ反撃の機会を狙う。

鳥型が弧を描きながらこちらに近づいてくる。その時――――

『今です!』

「スペシウムバスターー!」

ブレイブの合図でスペシウムバスターを放ち、

弧を描いて近づく二体の鳥型が互いに重なった瞬間、光線が鳥型を二体もろとも呑み込んだ。

『撃墜確認しました』

「よし急ぐぞ!」

そうして俺たちは次元震の発生地に向かった。

















辿り着いたら案の定、フェイトがジュエルシードを止めようとしていた。

「とまれ、とまれ!」

「フェイト!」

「くそ!」

俺はフェイトの元に行き、フェイトの手に重ねるようにしてジュエルシードを

止めようとした。

「! 何を!?」

「いいから集中しろ!」

こっちは予定外のことであまり力が残ってないのだが、でもここで何もしないわけには

いかないので残りの力で止めてみせる。

「いくぞ、ブレイブ!」

『了解です、ジン!』

「うおおおりゃああーー!!」

残り少ないがこれでどうにか止まるはずだ。そうしているうちに……

「フウ、ハア……ハア……」

「……とまった」

「はあ、……終わったか。ったく……」

何とか止まったことを確認して俺は倒れた。

「あ……あの」

「……とっとと行け」

「えっ」

「そいつが必要なんだろ。ならそれを持って早く行け。……あいつらが来るぞ」

そう言ったらフェイトたちはこの場から離脱しなのはたちがこちらに来た。

とりあえずこれでちょっとは評価が変わってくれたらいいなと思いながら俺は気を失った。






[7126] その11 どうやら事態はオリ主の予想とは違う展開になるみたいです
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/08/10 22:36

前回のあらすじ


ジュエルシードを探索中に謎の鳥型の機動兵器に襲われた。

その間に次元震が起こり急いで鳥型を撃退して現場に急行し

フェイトと一緒に封印作業をしてその後、俺は気を失ってしまった。





















ウルトラでカオスなリリカル戦記


その11 どうやら事態はオリ主の予想とは違う展開になるみたいです























「はい……それで送ってほしいですが、勿論悪用はしませんよ、はい」

ただ今、今後の展開を担うであろう重要な電話の真っ最中。

「――――はい、ではよろしくお願いします。それじゃあさよなら~」

「電話の相手は誰だ?」

「先生と話してた。ちょっと頼みたいことがあったから」

ルルーシュに説明するが頼みごとに関しては言わなかった。なぜなら……その方がかっこいいから!

「……という訳だからルルーシュ、今日は学校休むからよろしく」

「唐突すぎるぞ」

昨夜、俺が気を失ってからなのはがルルーシュを呼んで

家に運んでくれたようだ。体力が無いのにすまんかったと思っている。

「いや~、昨夜の件で体がだるいから休みたいと思って……」

「体調が優れないと担任には言っておこう。――それで本当の理由は何だ?」

「あ~……ばれてますか?」

「当然だ。たかがそれ程度のことで休むようなお前じゃないだろ」

「ハハハ、お前のようなヘタレとはちが……やめて! バインドで体を締めるのはやめて!

痛いから! 体が引きちぎれちゃうから! めっちゃ痛いから!!」

「……で、理由は?」

「いたた、……え~ちょっとした悪巧み……かな?」

「なんで疑問系なんだ?」

「とにかく多分今からじゃないといけないので頼むよ」

「……はぁ、好きにしろ」

「サンキュー、じゃあそういう訳だから行ってくる」

「ああ」

「…………ルルーシュ」

「何だ?」

「……万が一の時は頼んだからな」

「仁? ……分かっている」

「じゃあ行って来ます」



















『さて、今回は何をしようとしているのですか?』

「決まっている。そろそろハッピーエンドを目指して主人公らしくしようと思う」

この世界に来て、なのはたちに関わると決めてからやろうとしていたことがある。それは――――

「まずはテスタロッサ親子の救済だ」

無印編での問題である。…………初っ端から難易度が高いと思うのは俺だけか?

『ジンの情報ですと彼女を説得するというのは……』

「難しいよな……。だけどやるぞ俺は! そして――――」

『親子関係の修復ができたら俺、フェイトに告白するんだ。という流れですね、分かります』

「そうそうあの親子と仲良くして……って、オイ! 人の心の中を読むな!」

『やっぱりそう思ってたんですか、この変態は』

「変態じゃねえよ! この感情……まさしく愛だ! ってやつだよ!」

『その台詞だとやっぱり変態じゃないですか。

そしてその感情が憎しみに変わって宿命にでも変わるのですか?』

「そこまで深く考えてないわ! 深読みしすぎだぞ!」

最近、俺の知識のせいでおかしな性格になっているコイツをどうにかしなきゃと思うようになってきた。

「とにかく俺は彼女たちを助けるぞ」

『ですがどのように? ……そういえば、以前横取りしたジュエルシードはそれに関係するのですか?』

「フフフ……まずはアレを条件にしてフェイトに時の庭園へ連れて行ってもらうという作戦を考えていたのだ」

『わざわざそんなことしなくてもテレポーテーション使えば行けますけどね』

「一人で行ったら怪しまれてボコボコにされるだろうからフェイトと一緒に行くんだよ」

『そんな上手くいきますかね』

「フェイトなら上手く言えばきっと連れてってくれるさ」

『それでその後どうするのですか?』

「……とりあえず今は時の庭園に行くことに集中だ」

『……まさか何も考えてないというわけではないでしょうね』

「失礼な……一応……考えてますよ……うん、多分」

ハアと先行き不安そうなブレイブをよそにフェイトのマンションの屋上へ向かった。



























「よっ、昨夜はどうも」

フレンドリーに挨拶してみたら二人とも驚いた表情でこっちを見た。

「あなたは……」

「あんた! 何しに来たのさ!? まさかジュエルシードを奪いに来たんじゃないだろうね!?」

「違う、違う。むしろその逆だ」

「どういうこと?」

「その前にまず先に言っておきたいことがある」

「何さ!」

「いつぞやの吹っ飛ばしたことは……すみませんでしたーーーー!!」

そう言って俺は日本の伝統の謝り方、土下座を披露する。

「え!?」

「はあ!?」

「あの時は君がなかなか強かったものだからついついマジになってしまって……」

「そりゃあうちのご主人様は強いに決まってるだろ!」

「そう! だから俺も本気になってしまって、

本当はあそこまでやるつもりはなかったんだよ! この通りだ、許してくれ!」

頭を何度も地面にぶつけながら謝りまくった。

流石に頭を地面にぶつけているのを見てかそれを止めてようとする二人。

「じゃあ許してもらえるかな?」

「う、うん……もう気にしてないから」

「おお、ありがとう!」

流石は俺の嫁(未定)である。なんと心が広い。

『土下座はともかく、これはやり方が汚くないですか』

(黙れ、時にはこういうことも必要なんだよ)

「それでここからが本題だが、ブレイブ」

『……了解』

「それは!」

「これを君にと思って」

ブレイブの中から取り出したのはジュエルシード。

「ジュエルシード。……でもどうして?」

「元々はこれは君が手に入れていたものだろう。だから君に返すよ」

「いいの?」

「ああ、けど……こちらのお願いを聞いて欲しい」

「お願い?」

「どうしてジュエルシードを集めているのかを教えて欲しい」

本当はフェイトが集めている理由を知っているがまずは母親のプレシアのことを聞くために

こんなことを聞いた。

「それは……」

「君も昨夜のことで分かっていると思うがジュエルシードは危険な代物だ。

だからそれを集めている理由が知りたいんだ」

「私は……母さんに頼まれたから……」

「君のお母さんが?」

「うん、私は母さんに頼まれてジュエルシードを集めています」

「じゃあ、お母さんがなんで集めているかは分からない?」

「……ごめんなさい」

さてここからだ。

「謝らなくていいよ。……できればなんだけど…………君の母親に会わせて貰いたい」

「えっ! それは…………」

「無理を言っているのは分かっているけど、どうしても会わなくてはならないんだ」

「あんた! 私らの敵だろ! そこまでのことするはずないだろ!」

「敵って何だよ?」

「はあ?」

「俺は最初はなのはの敵討ちで仕掛けたけど、それ以降はそっちから襲ってきたから正当防衛だ」

「でもあんたたちはジュエルシードを集めているんだろ!」

「あの子、なのはは集めているが俺は友達として手伝っているだけだ。俺自身はジュエルシードに

興味は無い。だからそのジュエルシードを返したんだ」

「ううう、……でも!」

「それに昨夜の封印も手伝って渡したでしょ。こっちは気を失うまで力を使ったんだから」

「気を失ったの?」

「流石に力を使いすぎたみたいでね」

「そうだったんだ……」

「……じゃあこうしよう。俺をお母さんのところに連れて行ってくれるなら、

今後君たちのジュエルシード集めを邪魔しないと約束しよう」

「え!?」

「もし君たちの邪魔をしたらその時は俺を好きにしたらいい。約束しよう」

「本当にそんな約束をしていいの?」

「なのはのことなら気にしなくていい。俺からちゃんと言い訳しとくから」

「信用できるか! そんなこと」

「どうして? ジュエルシードを2つ渡したのに」

「あれは元々フェイトが手に入れたものなんだ!」

「でも結果的に俺によって手に入れたようなものだろ?

少しぐらいお願いを聞いてもらってもいいじゃないか」

「だけどそんなんじゃ!」

「ふむ、…………俺は暗いところだと能力が低下するんだ」

「?」

「逆に今のような太陽が出ているような明るいところだと能力が上昇する」

「あなたのレアスキル?」

「まあね、でも今言ったように一長一短の能力なんだ」

「何でそれを私たちに教えたの?」

「信用してもらえるように態度を示してみたんだけど、どう?」

どうせこの後の展開ではそれを知っていてもあまり意味が無いから教えた。……意味無かったよね?

「確かにあなたと最初に会った時と次に会った時とでは魔力の大きさが違っていた。

最初の時は昼で高い魔力だった、その次では夜で低かったから確かに説明はつく」

「信じてくれたかな?」

「……うん、分かった。いいよ」

「フェイト! いいのかい?」

「うん、この人は悪い人じゃないと思うし」

やっぱ良い子だな~フェイトは。でもあんまし人を信じすぎない方がいいと思うよ。

裏切られた時の気持ちは半端なく痛いからね……。

「じゃあ行こうか」

「あ、あと……もう一つだけお願いしても良いかな?」

「何?」

「フェイトと呼んでいいかな? いつまでも君と呼ぶのもあれだしね」

「うん、いいよ。じゃあ……」

「俺の名前は迫水仁だ。好きに呼んでいいよ」

「じゃあ、仁よろしく」

「う……ぐ、ぐはっ!」

「だ、大丈夫!?」

「問題無い。ただの持病だ」

そう……萌えという名の病気だ。ただ名前を呼んだだけでこの有様とは予想外だったぞ……。

「あんた、本当に大丈夫か」

「このくらい何とも無いさ。あとよろしくな、アルフ」

「うん? ああ、よろしく仁」

「じゃあフェイト、今度こそよろしく」

「うん、じゃあ行くよ」

そうしてフェイトに時の庭園へ連れて行ってもらった。






















時の庭園。次元間航行可能なその移動庭園の第一印象はぶっちゃけ不気味でした。

「ここがフェイトたちのアジト?」

「うん、私たちの家でもあるんだ。元々はミッドに停泊してたんだけどね」

まさにボスキャラの城に見えるこれがミッドの辺境とはいえあったと思うとなんだかな~。

「フェイトのお母さんってどんな人?」

「優しい人だよ」

「へえ、……そうなのかアルフ?」

フェイトならこう答えるだろうからアルフに振ってみた。

「……まあ確かにそうだね」

……妙だな、アルフがプレシアのことを優しいって思うなんてどういうことだ?

「変なこと聞くけど……いつも優しいのか? 怒ったりとかしないのか?」

「うん、ちょっと前まで部屋に篭っていて会っていなかったけど、今は昔と同じように優しくしてくれるよ」

やっぱりおかしい……これは原作と違う世界の影響なのか? 一体何があったんだ……。




















「初めまして、迫水仁と言います。フェイトに無理を言って連れてきてもらいました」

「母さん、仁のおかげでジュエルシードが手に入ったんだよ」

やっぱりおかしい、フェイトに対する態度が違う。確かにフェイトに優しく接しているけど、

でも何かがおかしい、何か違和感があるように見えるのは気のせいだろうか……。

「そう、それはごくろうだったわね。それで何しにここへ来たのかしら?」

「プレシアさん、あなたに話がしたくてここに来ました」

「何かしら?」

「できればあなたと二人で話をしたいのですが」

「そう分かったわ。……フェイト、あなたは地球に戻りジュエルシードの探索を続けなさい」

「でも……」

「話をするだけだから。あと帰りのことだったら、一人で帰れるから大丈夫」

「……分かった。じゃあ母さん、行ってきます」

「いってらっしゃい」

「頑張れよ」

フェイトはアルフと一緒に部屋を出て行った。さてとここからだな。

「……それで話とは何かしら?」

「あなたはなぜジュエルシードを集めているのか、その理由を聞きたくて……」

「私のある研究の為に必要なものなのよ」

「たった一つでも次元震を引き起こすほどの危険なものを使うのですか?」

「……あなた、本当はそんなことを聞きたいんじゃなく別のことが聞きたいのではないの?」

あれ、ばれてる? とはいえアリシアのことを聞いたらやっぱりボコボコにされそうなので……。

「本当のことを言いなさい」

「では……あなたは本当はフェイトのことをどう思っているのですか?」

「……なぜそんなことを聞くのかしら?」

「フェイトと接している時のあなたの顔を見て少し違和感を持ったので……」

その時の顔は何らかの感情のものだった。それは複雑なものに見えて違和感は持てても

それが何なのか分からなかった。

「あなたはフェイトのことを愛しているのですか?」

「……別にどうでもいいわ」

「なぜ? あなたの子でしょう?」

「あの子は私の本当の子じゃ無いわよ。そうあの子は結局……ではないのよ」

アリシアのことを言っているのか。というかまた違和感を感じた。何なんだ一体。

「本当の子では無いとはどういうことですか?」

「あなたには関係のないことよ。もういいかしら?

さっさとフェイトと共にジュエルシードを探しに行きなさい」

「まだジュエルシードを集めている理由を聞いていないのですが……」

「言ったでしょう、研究の為だって」

「つまりそれ以上のことを言うつもりはないと」

「分かっているなら、もう行きなさい。ここにはもう用はないでしょう」

「……分かりました。ありがとうございました」

これ以上は無理だろうから俺は大人しくプレシアの部屋から出ていった。

『いいのですか?』

「何かが変だ。プレシアのフェイトに対する態度が」

『あなたの感じた違和感ですか?』

「ああ、フェイトに対して虐待をせず、むしろ優しく接していた。けどそれは……」

『ジン?』

「でも……嫌悪しているようにも思えなかった。だから分からないんだ、

プレシアが何を考えているのか……」

プレシアが原作通りの人だったら説得する予定だった。説得しても最初は無駄であろうが

一応こちらの切り札を使って話せば何とかなると思っていたが、

そんな考えが見事に打ち消されてしまった。

「プレシアに何かがあったことは確かだろう」

『ですがそれが何なのか分からなければどうしようもないですよ』

「あの鳥型に関係あるとかは?」

昨夜に出没したあの鳥型の機動兵器を思い出して言ってみた。

『どうでしょう、アレに関しては情報不足ですから何とも言えませんね』

「……じゃああとはフェイトに聞いてみるかな。何か知っているかもしれないし」

『では、地球に戻りますか』

「ああ、それに今日はジュエルシードが現れる日だったはず…………あっ!」

『どうしました?』

「……アースラが来る日でもあったんじゃないか……」

すっかり忘れていた、フェイトに言うつもりだったんだが。

「こうしてはおけん、急いで戻るぞ」

『やれやれ、了解です』



























「……居るのでしょう、出てきたらどうなの」

「おや? 気づいていましたか」

「一体何の用かしら? まだジュエルシードの数は揃っていないのよ」

「いえ、プレシア女史に先ほどの少年のことで話をしたくて」

「あの子がどうかしたのかしら?」

「あの少年はあなたの願いを叶える力を持っているというお話です」

「!? ……詳しく話して頂戴」

「勿論ですとも。彼は…………」





























時の庭園からそのまま次のジュエルシードの場所に来たら

アルフとユーノ君を見つけたのでそっちに行くと

ジュエルシードを封印して対峙するなのはとフェイトがいた。

「ジュエルシードには衝撃を与えたら行けないみたいだ」

「うん、夕べみたいなことになったら私のレイジングハートも

フェイトちゃんのバルディッシュもかわいそうだもんね」

「だけど……譲れないから」

『Device Form』

「わたしは…、あの子やフェイトちゃんと話をしたいだけなんだけど」

『Device Mode』

「私が勝ったら……ただの甘ったれた子じゃないってわかってもらえたら、お話聞いてくれる?」

「……」

フェイトはなのはの言葉に頷き、そして二人が同時に前に向かい激突しようとした瞬間

「君たち動かないで貰おうか。こちらは時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。

詳しい事情を聞かせてもらいたい」






[7126] その12 管理世界にできない地球という存在
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/08/10 22:36

前回のあらすじ


時の庭園に連れてってもらい

フェイトの母親、プレシア・テスタロッサに会ったが

原作とは違い、フェイトに優しくしていた。

しかしそれは上辺だけのように見えたけど、何かが変だった。

そしていよいよクロノ執務官の登場






















ウルトラでカオスなリリカル戦記


その12 管理世界にできない地球という存在



























さて、この状況はどうしようか……と考えている間にも


「フェイト! 撤退するよ、離れて!」

「ジュエルシードは確保しなきゃ……」

「スティンガーレイ」

「きゃあーーー!!」

「フェイト!」

「逃がさな――君は!?」

アニメ通りになのはがフェイトたちを庇いその間にフェイトたちはこの場から脱出した。

























「クロノ、お疲れ様」

「すみません。抵抗に合い一人と使い魔一匹を逃がしてしまいました。追跡の方は?」

「見失ったそうよ。でも事情ぐらいはそこの三人から聞けそうだから、良しとしましょう」

「それでちょっとお話を聞きたいから、そっちの子たちをアースラに案内してあげてくれるかしら」

「君もついて来てくれ」

「へいへい」

リンディさんの指示で俺たちはアースラに連れて行かれた。































(ユーノ君、ユーノ君ここって一体)

(時空管理局の時空航行船の中だね。えっと、

簡単に言うといくつもある次元世界を自由に移動するそのための船)

(あんまり簡単じゃないかも……)

(もっと簡単に言えば……どこでもドアの機能を持つ船だよ。つまり色々な世界に行くことができるんだ)

(それってすごいね!)

(そんな説明で良いのかな……)

いいんじゃないか? ちなみにこの世界ではドラえもんのアニメが存在するのである。

他にもちびまるこちゃんやサザエさんにドラゴンボールまであった。

ドラゴンボールはやっぱりこの世界でも誰もが知っている圧倒的な人気を誇るアニメであった。

「君、元の姿に戻ってもいいんじゃないか」

「ああ、そう言えばそうですね。ずっとこの姿でいましたから忘れてました」

クロノに今の姿を指摘されたユーノ君はフェレットから元の人間に戻った。

「はあ、なのはと仁にこの姿を見せるのは久しぶりになるのかな?」

「ユーノ君て!? ユーノ君て!? えぇぇぇぇーーーーーッ?!!」

俺は知っていたけど、ユーノ君が人間だったことを知らなかった

なのははすごく驚いてパニック状態になっている。

「あ、あれ?」

「ユーノ君、その姿を見せるのはこれが初めてだぞ」

「えっ、嘘!?」

「君たちの間で何か見解の相違があるみたいだが。艦長を待たせているので手短に頼む」

取り合えずなのはを落ち着かせてから艦長の下に向かった。


























「艦長、連れてまいりました」

連れてこられた部屋はまさに和である。何で日本文化の代物を

この人が知っているのか不思議だ。グレアム提督に地球のことでも聞いたのであろうか?

そんなことを思いながらお互いに自己紹介をした。

「それらを総称してロストロギアと呼ぶ。使用法は不明だが、

使いようによっては次元空間さえ滅ぼす力を持つこともある、危険な技術」

「しかるべき手続きを持って、しかるべき場所に保管されていなければならない品物。

貴方達が探しているロストロギア、ジュエルシードは次元干渉型のエネルギーの結晶体。

いくつか集めて特定の方法で起動させれば、空間内に次元震を引き起こし、

最悪の場合次元断層さえ引き起こす危険物」

その後はユーノ君から今までの経緯を説明し、リンディ提督とクロノによる

ジュエルシードとロストロギアの説明を始めた。

だが俺はすでに知っていることなので話半分で聞いていたが

その俺の態度にクロノがムッとした顔をしていたが無視してあくびしてやったら

なのはに注意された上に、目の前の二人になのはが代わりに謝った。

実年齢が自分よりも下の子にそんなことをさせてしまって、

少し自分が情けないと反省してちゃんと聞くようにした。

「君とあの黒衣の魔導師がぶつかった時に発生した振動と爆発、あれが次元震だよ。

たった一つのジュエルシードで、全威力の何万分の一の発動でもあれだけの影響があるんだ。

複数個集まった時の影響は計り知れない」

「聞いたことあります。旧暦の四百六十二年、次元断層が起こった時のこと」

「ああ、あれは酷いものだった」

「隣接する平行世界がいくつも崩壊した。歴史に残る悲劇。繰り返しちゃいけないわ」

そう呟いたリンディが、自分のお茶に角砂糖を一粒落とした。

真面目な話をしている中、そんなことをしていることから本人とっては真面目なこと何だろうけど

俺となのはにとっては何の冗談だと言ってやりたかったが今は自重した。

「これよりロストロギア、ジュエルシードの回収については時空管理局が全権を持ちます」

「えっ!」

「君たちは今回の事は忘れて、それぞれの世界に戻って元通りに暮らすんだ」

「で、でも……そんな」

「次元干渉に関わる事件だ。これは民間人に介入してもらうレベルの話じゃない」

「でも!」

「まあ、急に言われても気持ちの整理もつかないでしょう。今夜一晩ゆっくり考えて

三人で話し合ってそれから改めてお話をしましょう」

「いいえ、話し合う必要はありません。俺たちはジュエルシードの探索の件から引きます」

「えっ!?」

「仁君!?」

「元々は俺となのはは手伝いでやっていたことだし、

そちらで片付けてくれるならそれでいいんじゃないか。ユーノ君も管理局が

捜索してくれるなら問題ないだろう」

「でも……」

「……それにあなたは話し合ってと言いましたがそれをあなたたちに話してどうするんですか?」

「えっ?」

「言いましたよね。この件は管理局が持つ、俺たち民間人の介入は必要無いと、

なら俺たちが話し合ってその結果、もしそちらに協力すると言っても却下される、

そうですよね執務官殿?」

「そうだ、これは僕たちの任務だ」

「でもそれは執務官の考えで、艦長の考えはそうじゃないんでしょう」

「!?」

「……」

「艦長はこの件は管理局が全権を持つとは言ったがそれ以外のことは執務官がいった言葉だ。

艦長はそれらのことに頷いていなかった」

「それってどういうこと?」

「本来なら執務官の言うとおり、次元干渉の事件にただの民間人の介入なんてさせはしないだろう。

そう……ただの民間人なら。けど俺たちはただの民間人じゃない、

その上にAAA相当の魔導師がいるなら話は別だ」

「つまり?」

「要するに優秀な魔導師なら協力して欲しい。でも管理局の立場上、

いくら優秀な魔導師でも民間人の協力を頼めない、

けど本人の志願ならば話しは変わる。どうです、俺の言ったことに間違いはありますか?」

「……いいえ、あなたの仰ったとおりです」

「艦長!」

「今回の事件では優秀な人材が必要です。あの黒衣の魔導師と戦闘になるなら

同じくらいの実力の魔導師が加わってもらえるなら願っても無いことです」

「それに戦力が増えればそちらの切り札の温存を温存できますもんね。まあ後はこれを機に

管理局にスカウトするとかもできますからね。管理局は慢性的な人材不足ですから」

「よくご存知なのね、管理局について」

「蛇の道は蛇と言いますか、ただ単に事情通なだけですよ」

俺とリンディ提督は視線を合うが、俺は直感的にこの人と腹の探り合いはしたくないと思った。

こういうのはやっぱルルーシュの得意分野だからあいつがここにいないのが悔やまれるな。

まああいつが魔導師であることを隠すように言ったのは俺だから自業自得なのだが。

「君はこの世界の出身だろ、なぜ管理局のことを知っている?」

「事情通なだけって言ってるしょう。それに君の中の常識で物事を決めるのは良くないことだ。

現にこうして俺は管理局を知っている。執務官、世の中には常識を覆す非常識が存在するのだから

あらゆる世界を渡っている君には分かることじゃないのか?」

だいたいあらゆる次元世界に関わっているんだからそんなミッドの常識が通じない事は

たくさんあると思うんだが。クロノもそれに思い当たったのか、

何だかすごく嫌な顔をして唸り始めたが一体何があったんだ……。

「それで話を戻しますが先ほど言ったとおり俺たちはジュエルシードの探索の件から引きますからね」

「その理由を聞かせてもらえるかしら?」

「そちらに協力するということは身柄をそちらに一時的に預けることになりますよね?」

「そうね……この事件が終わるまではこちらに身を預けてもらうことになります」

「なのでお断ります。こちらにはこちらの都合が生活がありますので、

なのはだって家に帰れず、学校にも行けないんじゃ嫌だろ?」

「う、うんそれはそうだけど」

「というわけでこの話はこれで終わりというわけで」

「ま、まだだ。君には聞きたいことが残っている」

何かを思い出して苦しんでいたクロノが俺に言うが……って、顔が青くなっているよ!

そんな状態になるなんてクロノの身に本当に何があったのさ。

「何ですか?」

「君のことについてだ」

「俺についてはもう話したじゃないですか」

名前くらいしか話してないけどさ。

「あなたもなのはさんと同じ魔導師じゃないの?」

「いえ、俺は魔導師じゃないですよ。最も俺を何と表して言えばいいか、強いて言うならこれかな」

「何かしら?」

「……ウルトラマン」

「ウルトラマン?」

「そのもどきですけどね。魔導師とは違うけど似たようなことはできると考えてください。

ついでに言うと魔術でもありませんから」

「魔術? 魔法ではなくて?」

「艦長なら……提督クラスの人なら知っていると思ったんですが」

「……どういうことかしら?」

「――キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグって知らないですか?」

そう言いながら俺はブレイブからある物を取り出した。

「何だ? その宝石の欠片は?」

「宝石の欠片にキシュア・ゼルレッチ…………!? まさか【第二外条約】のこと!」

「【第二外条約】?」

「というわけでこの件についてはこれ以上はお話することはありません」

「待ちなさい。なぜあなたがそれを知っていてそれを持っているの?」

「言ったでしょう、事情通なだけだと。それで色々とコネみたいなものがあるんですよ」

「……あなたは管理局が嫌いなのかしら?」

「なぜそんなことを?」

「あなたの言動からそう思ったのだけど、違うかしら?」

やっぱりこの人と腹の探り合いなんかしたくないな。

でもリンディさんの言ってることはすこし違うな。

「それは違いますよ。ではここで二つほどあなたに言っておきましょう」

「何かしら?」

「俺はただ単に組織というのが苦手なんですよ。誰かに命令されるのって嫌なんです。

俺に命令できるのは俺だけなんです。組織に縛られるのが嫌とも言いますが」

某シラカワ博士の名言をお借りしました。

「あとこれは助言になりますが、よく知りもしない癖に首を突っ込もうとするのは

あまり褒められることじゃないですよ。場合によっては愚かしいことです」

管理局って他の異文化世界に干渉する割にはその辺が無頓着すぎると思うのだが、

あと俺の助言にそうだな確かに、とクロノが呟いたのが聞こえたがもう無視しとこう。

「あと一つが…………緑茶に砂糖とか入れてんじゃねええーーー!! 緑茶好きの俺と他の人に謝れや!!」

「え!? そんな!」

「んな甘くするなら最初から甘いものでも飲んでなさい!」

「で、でも美味しいのよ」

「デモもストライキもあるか! そんな飲み方するのはあんただけだ!」

どこぞの湖の騎士の料理並みにおかしなモノだと思うぞ。シャマルの料理を食べたことは無いから

断言できないけど。

「だいたいその飲み物を他の人が美味しいと言ったことあるのか!?」

「……皆に勧めたことはあるけど……誰も飲もうとしないのよね」

リンディさんはクロノの方を向くがクロノは顔を逸らした。そりゃあ普通なら飲もうとは思わないから。

「当たり前だ! そんな緑茶を冒涜するような甘党なんかと協力するつもりは無い!

そんな訳で帰ります! さようなら。行くぞ、なのは、ユーノ君」

「あ、うん。失礼しました」

「え~っと、さようなら」

「あっ……ま、待ちなさい」

無視してとっとと帰った。あ~せいせいしたぜ。

「仁君」

「何、なのは?」

「緑茶のことを言ってくれてありがとう」

「俺にはもうツッコムしか選択肢なかったからね」

俺となのははどこか満足した気分で帰った。



























(――は、なのは)

(あっ、仁君。どうしたの?)

(いや、さっきのことでな。悪いな勝手にこっちで決めちゃって)

アースラから戻ってそのまま別れて帰っちゃったのでただ今、念話でさっきのことについて話す。

(ううん、それは別に……)

(思っているだろうが、バレバレだぞ)

(どうして協力しようとしなかったの)

(ユーノ君にも悪いと思ったんだけどね)

(……私たちこのまま中途半端で終わっていいのかな)

(なあ、なのは。俺は何もフェイトたちのことをほっとくとは言ってないぞ)

(えっ!?)

(あくまでジュエルシードの探索はあっちに任せるとは言ったがフェイトのことについては言ってないぞ)

(あっ!)

(だから俺たちは独自にフェイトたちを探そう)

(でもいいのかな、そんなことして……)

(別にいいだろ、そういう屁理屈みたいのはあっちからしたんだからいいんだよ)

(そういうものなの?)

(そういうものだ。だから大人は汚いんだよ)

(仁君は子供でしょ)

(見た目は子供、頭脳は大人ってやつだよ。探偵じゃないけど)

(ふふふ)

(なのは?)

(うんうん、何でもないよ。ありがとうね、仁君)

(何が?)

(ただお礼が言いたかったの)

(ユーノ君もいいかな?)

(ユーノ君、フェイトちゃんのことはユーノ君には関係ないことだけど私……)

(関係無いかもしれない。だけど僕はなのはがそうしたいなら力になりたい。

今までなのはたちが僕を助けてくれたように今度はなのはたちを手伝うよ)

(ユーノ君かっこいい! 流石、俺が認めた男だ)

(何時の間にそうなっていたんだ……ところで仁、君に聞きたいことがあるんだけど)

(何だい?)

(【第二外条約】って何なのかな?)

(あっ、私も気になったんだけど)

やっぱりそのことか、どうしようか教えても良いんだけど今はまだ必要ないだろうから

またの機会にしとこうかな。

(それについては今は関係ないだろ。今はフェイトに会うことが大事なことなんだから)

(え~、でも……)

(この件が終わった時にでも教えるよ)

(約束だよ)

(ああ、分かったよ。じゃあまたこれからも皆で頑張ろうぜ)

(うん、頑張る! ありがとう仁君)

(どういたしまして。じゃあ今日はこの辺でおやすみ)

(うん、おやすみなさい)

(おやすみ)

「…………というわけだ、お二方」

「つまりこれからはジュエルシードの件は管理局に任せて、フェイトという女の子を追うことになるのか」

今までの念話のやり取りは今居るルルーシュにも聞かせていた。

「そういうこと、彼女たちを追えばジュエルシードに辿り着くけど、あくまで俺たちの目的は彼女たちだから」

「だがぞれは、なのはの目的でなぜお前まで関わろうとする?」

「それは……」

『ルルーシュ、簡単なことですよ』

「どういうことだ?」

『ジンは……金髪ツインテール萌えなのです』

「――ああ、理解した」

「ちょっ!? そんなんで納得するなよ!」

『違いましたか?』

「……いえ、間違ってないです」

「変態だな」

『変態ですから』

「お……お前らな……お前らだって変態だろうが!」

「誰がだ」

『一緒にしないでください』

何で俺がこうも弄られなきゃいけないんだ! 別にいいじゃないか、金髪ツインテール萌えでもさ!























「それでブレイブ、お前に聞きたい事があるんだが」

『何でしょうか?』

「【第二外条約】のことだ」

『【第二外条約】のことですか?』

「あぁ、俺はまだこの世界の異能や管理局のことについて詳しくは知らない。

管理局が現れた今、これを機に詳しく聞きたいな」

『そうですね、いい機会ですから話しましょう。【第二外条約】とはこの世界と管理局が結んだ不可侵条約です。

これはお互いの世界の均衡を乱さないために考えられたものなのです』

「均衡を乱さない?」

『この世界と管理局の魔道の技術は違うと言うよりも真逆のモノで、相容れないモノであり

そのせいで戦争になろうとしていました』

「戦争だと!?」

『ですが戦争になる前に不可侵条約を結びました。それが【第二外条約】です。

実際に戦争になっていたらどうなっていたことか、管理局ではミッドやベルカの技術に

ロストロギアなどがありますがこちらの世界では……』

「魔術協会にアルマゲストなどの魔術結社や魔女といった魔術集団が存在する」

『法王庁のローマ正教、聖堂教会、禁書目録聖省、イスカリオテ機関に

イギリス清教やロシア成教といった他宗教勢力があります』

「吸血鬼や霊、妖怪といった異形も存在する」

『他にもヘルシング機関や錬金戦団、

ここ日本独自の退魔組織や学園都市といった勢力がありますからね。

それにこれは噂ですがナチスのいくつかの残党勢力が動き出していると聞きました』

「最近で調べたものだとあのACカンパニーの軍事力が上がっているらしく、

その軍事力というのがどうやら異能力によるものらしい。

こうやって挙げるときりがないくらいのいくつもの勢力が存在しているな」

(……まったく、この世界は以前いた同じ地球だというのにここまで違うとはな……)

「ただでさえここまで多くの勢力がいてその力関係が均衡に保っているのに、

ここで他世界の勢力が出てくれば厄介なことになるか」

「そういうことだ!」

























「そういうことだ!」

ここで俺 復活! 今まで寝ていたが話は一応は聞いていたので話に割り込んだ。

「実際に戦争になったらどっちが勝つにしろ大きな損害になる。

管理局は穏便に済ませたいし、地球側もその勢力は裏の世界のことだから

事を大きくはしたく無かったから戦争を回避し条約を結んだわけだ」

というか地球の全勢力を結集して戦争したら管理局はマジで涙目になると思う。

まあ結集すればの話だけど。というかこの世界にどれだけの因子を内包しているんだよ。

さっき二人が挙げた例の他にも俺が知る限りではまだあったぞ。シエルさんみたいに

また誰か海鳴にホイホイ来なければいいんだけど、それは無理な願いかな……。

「成程、そういうことなのか」

「まあでも不可侵とは言うけれど、管理局から管理外世界として認定されているだけの話なんだが」

「どういうことだ?」

「絶対に干渉してはいけないわけではないんだ。だからこの世界に管理局がやって来たわけだし

管理局の中にも地球出身の人もいます。でもそれはこの世界の裏側を知らない人が大半でしょうから

この世界の魔術師なら管理局に関わろうとしないはず」

たまたま素養があった一般人が管理局に入ったという人がいても、既に魔術などの

異能の力に詳しい人だったら管理局には入らないだろう。こことあそこは毛色が違うからな。

こちら側の世界の魔術は基本的に隠匿するものだからそれを公にしようとしたら

同業者に抹消されるみたいだし。

「そしてこの宝石の欠片を持っている者はそのどちらにも干渉することができる証」

先ほどアースラで出した宝石の欠片を出して見せた。

「それが……例の宝石剣なのか?」

「その試作品の欠片で、何の力も無いただの宝石だけどな」

「何でこれをお前が?」

「管理局の事を知っているならこれも持って行けと宝石翁に渡された」

これのおかげでリンディさんにあまり追求されずに済んだから貰えて良かったかな。

「それでこれを持っていると管理局に干渉できるというのは?」

「干渉というか、まあこれがあれば管理局に無駄に追求されず関与できる道具かな」

「何だか曖昧なモノだな」

「あの宝石翁が関わっているものだから、細かいことは気にしないほうがいいぞ」























 設定紹介


・第二外条約

登場作品:オリジナル

仁たちが住んでいる地球を含めた世界と管理局が結んだ不可侵条約。

別名、キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ。相変わらず宝石翁は何かに名前を付けるときは

第二魔法や宝石剣と同様にこれになるという。

お互いの世界は独自に進んだ魔道の技術で管理局は未来に進むことに対し、

この世界の魔術は過去に向かうもので両者は正反対に進んだ技術である。

そして管理局はお互いの技術を合わせて広めるべきだという考えに対し、魔術協会の方は魔術は隠匿すべき

神秘の力であるべきだと反論した。その議論からやがて互いの世界で戦争が起きようとしたところを

両者の代表が互いの世界に干渉すべきでないと結論を出し条約を結んだ。

【第二外条約】の第二とは宝石翁の第二魔法から取ったものである。

この時の代表は地球側は宝石翁と当時の青崎当主と、

管理局側は伝説の三提督であった。

これにより管理局は地球を管理外世界と認定することで

魔道の技術が存在しないと管理局内でもそう認識させ干渉させないようにした。

なのでよほどの事態が起きなければ干渉することはない。

(原作で言えばPT事件、闇の書事件など)

これは提督クラスの権限を持つごく一部の人間しか知らされていない。

地球側も管理局から干渉が無ければ宝石翁といった一部の例外を除けば干渉できない、

また管理局を知っているのは魔術協会や教会などの組織の上層部のごく一部の存在だけである。

例外として宝石剣の欠片を持っている者はどちらの陣営にも関与することができる。

そのせいで色々と面倒事に巻き込まれるオリ主である。

またそれを与えた宝石翁はたま~に管理局にちょっかいを出してトラブルを起こしているとかいないとか……。


















あとがき?


スパロボKをやっていて更新が遅くなってしまいました。すみません。

でも早くファフナー組を仲間にしたいです。

本編ですが、ここで地球と管理局の独自設定が出てきました。

地球には人間ロストロギアみたいな存在が色々いるので流石に

管理局もそれに気づいているだろうと考えこのようにしてみました。

また色々と勢力の名が出てきましたが、一応何かしらの形で出てきますが

物語に大きく絡むとは限らないのであまり過度な期待はなさらないでください。













あとがき?2


本日、ガンダム00の最終回を見終わって思ったこと

この話はイオリアの計画とか戦争を根絶するガンダムの話では無く、

AEUのエースから不死身のコーラサワーになって幸せのコーラサワーになる

コーラサワーのハッピーストーリーだったんだよ!





(最後にコーラサワーが出てきてキター! と思ったのは私だけじゃないはず)






[7126] その13 やっぱりこんな目に遭うのは運命なのだろうか……
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/08/10 22:35

前回のあらすじ

アースラに連れてかれて事情徴収を受けて

その後は管理局に協力せずに

独自にフェイトたちを追うことにした。

またルルーシュにこの世界と管理局の関係について話した。

その話でこの世界の人外率は異常だと再認識した。

























ウルトラでカオスなリリカル戦記


その13 やっぱりこんな目に遭うのは運命なのだろうか……























「なのはって、やっぱりすげえよな……」

「僕もここまで凄いとは思わなかったよ」

公園でなのはの特訓を見て思ったことだ。

「こういうのを見るとこれが天才なんだなと思ってしまうな」

「そうだね、本当に天才っているんだなと思っちゃうね」

今、なのはがやっているのはディバインシューターの特訓だが

短期間でここまで誘導弾を操れるようになるとは

ユーノの魔法の授業とスペッキオの実戦訓練の賜物なのかな?

「ところで話は変わるが……ユーノはそのままでいいのか?」

「急に何の話かな、仁?」

「いやお前ってまだフェレット状態で高町家にいるけど、

今みたいに元の人間で過ごしたくないかなと思って」

「いや、もう慣れたから別に大丈夫だけど」

「お前、そのままじゃあペットか使い魔扱いになるぞ」

実際それでクロノにはフェレット呼ばわりされて、フェイトとアルフに使い魔と間違われたしな。

「うっ、それは嫌かも……」

「だからさ、お前さえ良ければ俺んちに来ないか?」

「仁の家に?」

「ああ、俺んちなら別に問題ないぞ。フェイトの件が片付くまでの間だし」

「う~ん、でも仁の家には同居人が居るじゃないか」

「あいつのことなら問題ないぞ、というか既に言ってあるし」

「はい!?」

「もしかしたら、俺のダチか泊まりに来るかもという意味だよ。

で、あとは本人次第というわけだ。どうする?」

「急に言われても……」

「まあ、考えておいてよ」

「うん、ありがとう」

余談だけど今までユーノ君呼ばわりだったけどユーノと呼ぶことになった。

ユーノがそう呼んでと言われたので、でも今更何でそんなこと言ったのだろうと

聞いたら、何かこそばゆいと言われた。なんじゃそら。

「ねえ、仁君! ちょっといいかな?」

「ああ、いいけど。どうした?」

「仁君の【光吸収】って便利だよね」

「うん? 実はそうでもないぞ。明るいところだと強くはなるが、

暗い時は弱体化しちゃう一長一短な能力だし」

「でも何処にでもある光のエネルギーを集めて吸収するってすごいよね。どんな感じなの?」

「ん? う~んと……」

なのはに言われて【光吸収】の方法がどういう感じなのかをレクチャーした。

「……とまあ、こんな感じだけど参考になったか?」

「うん、何となくだけど何か掴めた気がするの」

嬉しそうに話すけど一体何でこんなことを聞いたんだろうか?

「なあ、なんでそんなことを聞いたんだ?」

「えっと、前から思いついてた魔法があるんだけどそれには仁君の力に似たことが必要だから

参考に聞いてみたんだけど、正解だったよ。おかげで前よりも上手くできそうな気がするの」

…………あるぇー? もしかして俺ってまさか星の光的なブレイカー習得フラグを立てちゃった?

「……確認したいんだけど、それってディバインバスターの発展系の集束魔法かな? かな?」

「えっ!? どうして分かっちゃったの? ユーノ君にも教えてないのに」

嗚呼……ゴメンよ、フェイト。どうやら俺のせいで原作以上の恐怖を味わうことになるみたいだ。


















「フェイトちゃん、見つからないね」

「ああ、そうだな。管理局に見つからないようにジャマーを掛けて行動しているようだから」

実は俺なら会おうと思えば会えるんだけどな。

「……」

「そんな顔をするな。そんなんじゃ見つけられるものも見つけられないぞ」

「そう……だよね」

「なあ、なのははフェイトに会ったらどうしたいんだ?」

「えっ?」

「フェイトと話をするとは聞いたけど、それだけなのか?」

「私はただ、フェイトちゃんがどうしてジュエルシードを集めているのか話をしたかったんだけど……」

「今は分からないか?」

「うん。もう私たちはジュエルシードを集めているわけではないから、

フェイトちゃんと会ってもどうしたいのか分からなくなって……」

「……それはさあ、もうなのはの中で決まっているんじゃないか?」

「えっ?」

「本当はお前はフェイトと会って何が言いたいのか、何がしたいのか、答えはもう出ていると思うぞ」

「そうかな?」

「次、会った時に分かるさ。だからな、なのは」

「うん」

「ちゃんと気持ちを伝えろよ」

きっと大丈夫だと思う。世界に絶対なんてものは無いけどこいつらなら……。

「はあ~、さてと……じゃあ俺、もう行くわ」

「うん、特訓に付き合ってくれてありがとうね」

「ああ、別に何もしてないけどな。ほどほどにしておけ」

なのはとユーノと別れて、今度は彼女たちの方に向かった。









































「悪い子はいねえがぁ?」

「きゃっ!?」

「うわっ!?」

「そんなに驚くなよ」

「えっ? ……仁!」

「あんたかい!」

「はいそうですが、何か?」

「驚かせないでくれよ。てっきり管理局かと思ったじゃないか」

「あ~、それは悪かった」

「どうしたの?」

「いや、様子を見に来た」

「どうやって!? こっちは感づかれないようにジャマーを掛けているのに」

「俺の空間転移は行きたい場所か会いたい人の事を思い浮かべれば辿り着いてしまうという能力なのだ」

ドラゴンボールの悟空の瞬間移動とドラクエのルーラを合わせた能力だ。ちょっとチートな能力だが

その分かなりの力を消費する。

「どんな魔法だよ、それ?」

「まあ、細かいことは気にしない、それで調子は?」

「うん、あれから二個集めて計六個になった。でも……」

「管理局の方でも三個集めていたな」

クロノが頑張っていたのを遠くから眺めてました。アースラの切り札なのに

それでいいのかな。あ~でも、もう一人何かいたな。管理局のエース様だ!

と叫んでいたけど墜落して顔は見えなかったが。

何処かで聞いたことのある声だったような……。

「それで何だい、手伝ってくれるのかい?」

「手伝ってもいいけど、管理局に捕まるのは面倒臭いので遠慮しておくよ」

「……」

「待て! そんな悲しい顔をしないでくれ!」

「あんたがそんなこと言うからじゃないか! フェイト悲しまないでおくれよ」

「あくまで俺は邪魔はしないという約束だったからな。手伝う約束はしてないぞ」

「そう……だったね」

「……いや、だからそんな悲しい顔をしないでくれ!」

「手伝ってくれないなら帰ってくれよ」

「手伝わないけど話をしに来たんだ」

「話?」

「なあアルフ、休みがてらにちょっとフェイトと話をさせてくれないかな?」

「うん、まあ丁度休ませてたいと思ってたからいいけど」

「でも、まだジュエルシードを探――」

「休むことも大事だぞ。いざジュエルシードを封印する時に疲れたらまずいだろ?

だから休めるうちに休んどくんだ」

「……じゃあ、少しだけ」

「うん、聞き分けのいい子だ。じゃあ、アルフよ、フェイトを借りてくぞ」

「言っとくけどね、フェイトに変なことをしたら承知しないからね」

お前もそういうことを言うのかよ! 俺って一体何なのさ……。

「変なことって何?」

「……フェイトって、本当にいい子だわ~」

そのまま純粋でいて欲しいな……。

「それで聞きたいことなんだけど……」

「何かな?」

「フェイトの母親のことなんだけど、あの人の周りで何か変わったことは無かったかな?」

「変わったこと? ……そういえば母さんのところにお客さんがたまにやって来るかな」

「お客さん? ……その人ってどんな人?」

「えーっと……黒い仮面をかぶった人」

「……黒い仮面」

えっ!? ゼロのこと?

「母さんと何か話をしに来るんだけどそれくらいしか分からないんだ。

でもその人のおかげで母さんが前みたいに優しくしてくれるようになったんだ」

「……そうだったのか…………」

今のプレシアの態度はそいつが原因となるのかな。

まだ断定はできないが関連性はあるだろうな。

「フェイトは母親のことが好きか?」

「うん、好きだよ。だって私の母さんだもん」

「母親だから好きって言うのはそれは違うと思うぞ」

「そうなのかな?」

「世の中には母親を憎む子供だっている。中にはその母親を殺す人だってな」

「信じられない、たった一人の母親を殺すなんて!」

「そう、世界はそういった酷いこともあるんだ。母親だけでなく、

父親などの家族、友達などが、人が傷ついていくんだ」

「それは悲しいことだよ」

「でもね、世界はそういった悲しみとか憎しみが存在するんだ。優しさや喜びとかがあるようにな

切っても切れないモノなんだよ」

そんな話をするとフェイトは悲しそうに俯いた。あれ? 何でこういう話になったんだっけ?

まずい、こんなことを言うつもりは無かったのに軌道修正せねば……。

「だ、だからフェイト! お前は優しさを失わないでくれ。弱い者をいたわり、互いに助け合い、

どこの国の人達とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。

例えその気持ちが何百回裏切られようと」

「それは?」

「俺の憧れのヒーローの言葉だ。たとえこの先に自分の信じる人に裏切られようとしても決して

その優しさを失ってはならないで、そして自分の友達の気持ちを裏切らないで欲しい」

「でも私には友達は……」

「俺とはもう友達だろう?」

「そうなのかな?」

今の言葉はちょっとグサッときたが置いといて……。

「誰かが言ってた、名前を呼び合うことは友達であることなんだって、

それにお前ならきっと他にも良い友達ができるよ」

「そう?」

「俺が言うのだから間違いない! 断言してやるよ!」

「うん、じゃあそうなんだろうね」

その時のフェイトの顔はこの世界で初めて見た笑顔だった。

「ようやく笑ったな。やっぱりフェイトは笑顔が一番可愛いな」

「えっ!?」

って! 何てキザッぽいこと言うんだ俺! 似合わないこと言ったから何か拒否反応があぁぁ!

「ど、どうしたの?」

「い、いや何でも無い。それじゃあ、ちゃんと休んで話を聞いたフェイトにご褒美をあげよう」

「ご褒美?」

「残るジュエルシードの在り処を教えよう」

「本当かい!」

「本当だよ。しかも残り六個が一箇所に集まっている」

「場所は何処?」

「海の下だ」




































「やっぱり、手伝うか、何かしとけばよかったかな?」

フェイトにジュエルシードの在り処を教えた。俺はしばらく時機を待ってから行動しろと言ったのに

直ぐに行動に移しやがってまったく。

『これなら最初から彼女たちと行動していればよかったですね』

「そうするとなのはたちに何て言われることやら」

『二股?』

「違うし! 俺はフェイト一筋だって」

『でもBカップ先輩とか……』

「そういうメタな発言は駄目だ!」

などとあいかわずのやり取りをしながら現場に向かう。

なのはたちにも知らせて今は先に到着しているみたいだ。

『管理局は動いてないですね』

「原作どおりに漁夫の利を狙っているんだろ。正義を振りかざしている割にやり方がせこいよなぁ」






















「遅くなった、皆大丈夫か?」

「仁君!」

「仁」

「さっさと終わらせるぞ。俺とユーノにアルフであれらを押さえる。

その間になのはとフェイトで一気に決めろ」

「うん、分かった」

「うん」

「ようし、やるぞ!」

「ユーノとアルフは竜巻を頼む」

「いいけど、仁は?」

「俺はあの雷雲をどうにかする」

でないと本調子になれないからな。

「さあいくぞ! ウルトラスピン」

体を高速スピンして突風を発生させて、それを雷雲にぶつけ、吹き飛ばす。

ユーノとアルフも竜巻を押さえて、その隙になのはとフェイトによる攻撃によって

ジュエルシード、全ての封印が完了した。

なのはとフェイトの前に海からジュエルシードが浮かび上がってきている時、

なのはは告げた。

「友達に……なりたいんだ」

突然の言葉にフェイトは驚いた顔をしてなぜか俺の方へ顔を向ける。

何でそこで俺を見るんだよ……! あぁ、そうだったな、友達ができるって言ったんだったな。

だから俺はそこは頷くところだという意味を込めてフェイトに微笑んだ……。

『次元干渉確認!』

「なっ!? まさか……!」

反応を確認した瞬間、直ぐ近くで紫の雷が落ちた。

「母さん!?」

『また来ます!』

「チッ! ブレイブ!」

『最大出力で対応します』

「なのは! フェイト! 下がれ!」

「えっ!?」

「ウルトラバリヤーー!」

プレシアの紫の雷撃からなのはとフェイトを守る。

「ぐっ!」

「仁!」

「仁君!」

「下がってろ! 前に出るとダメージを受けるぞ!」

数回の雷撃に襲われたがどうにか防ぐことができた。

「ハア、ハア、終わったか……」

『いえ、今度は空間転移反応を確認!』

「なっ!? 何だ! 何が来る!?」

そしてそこから現れたものは…………。

「はっ!? ……ドリル……だと!」

現れたのはまるでロボットが装備しているような巨大なドリルだった。

それが回転しながら俺に向かってくる。

『ウルトラバリヤー』

「グウゥゥゥ!」

ブレイブが瞬時にバリアを張ってくれたおかげで直撃は避けられたが、このままではバリアが破られる。

「仁君!」

「来るな! 巻き込まれるぞ!」

ここでなのはたちまでやられたらまずい。

『まずいです、バリアが破られ――――』

「ブレイブ! があああぁぁぁーーー!!」

「仁君ーーー!!」

巨大なドリルによってバリアが破られ、ブレイブが破損し、そして俺は海に落ちた。































「――――ここは」

「気が付きましたか?」

「っ!?」

なっ!? こいつは……!

「ここは時の庭園です。貴方をフェイト嬢に頼んで連れて来てもらいました」

「……俺をここに連れて来て、何が目的だ」

「あなたの持っているデバイスに興味を持ちまして、少々借りています」

「何!?」

「あれほどの技術は今まで見たことがありませんので少しばかり解析をさせてもらっています」

「ブレイブを解析だと! あんたにそれができるのか?」

「確かに私でもアレを解析することはできないでしょう。――――破損していなければの話ですが」

「!?」

「偶然にも私の攻撃で破損し、そのおかげで解析することができました。

最も中枢部分は手が出せない状態でしたが」

あのときの攻撃か。中枢部まで手が出すことができないのは不幸中の幸いだったな。

「そういうことですのであなたはここでくつろいでてください」

「くつろぐも何も囚われている状況でどうくつろげと……」

牢屋のようなところに入れられて、手足を拘束されているのでは何もできないぞ。

「すぐに解放しますよ。もうじき終わるでしょうから」

「……」

「それでは」

ブレイブとのリンクが完全に切れたわけではないが呼んでも反応しないということは本当に解析されていて

動くことができないんだろう。それにブレイブがいないからあいつとのリンクが途切れたし

今は時機を待つしかないか。にしてもまさかあいつがこの世界にいたなんて……

鳥型の機動兵器、先ほどの巨大ドリル、そしてあの仮面、奴は…………

けどなんで奴がこの世界にいて、しかもプレシアと一緒にいるんだ……。









[7126] その13.75 Interlude それぞれの思い
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/08/10 22:34








ウルトラでカオスなリリカル戦記


その13.75 Interlude それぞれの思い


























 ルルーシュ


「――――!? ……仁が……やられた」

それだけでなくあいつとのリンクも切れた。今回の件は今まであいつを通して見ていた。

なのはが魔導師になった瞬間もジュエルシード集めの最中に出会ったフェイトのことも

見ていた。あいつの後方支援として状況、情報整理などをしていたが、そのためのリンクが途切れた。

あいつがやられたぐらいでは切れるものではないはずなのだが、

おそらくブレイブにも何かがあったんだろう。

まったく本当に万が一のことが起きるとは。……あいつはこうなることを見越していたのか?

今回の件、あいつは俺に万が一の時を考えて待機していろと言った。それは自分がこうなることを

予測していたからなのか。あいつにそんなことを考えていたとは思えないが、まあいい……。

「こうなった以上は俺も動くしかないな」

まずは状況の再確認と情報収集のし直し、準備が整い次第、あいつを救出する。

そのためにはなのはと合流するのがいいだろう。

おそらくはなのはたちは管理局の方にいるだろうから後から合流することにしよう。

状況が混乱している中で合流すれば深く追求されずに済むだろうし。

























 なのは


仁君に言われたことは本当だった。

私、友達になりたいんだ。フェイトちゃんと会った時にそう確信した。

フェイトちゃんは戸惑った顔をしてなぜか仁君の方を向いていたけど

それに対して仁君はフェイトちゃんに微笑んでいたけど

二人って実は知り合いだったの? あとで仁君にちゃんとお話を聞かなきゃ…………。

そう思っていたら空から雷が降ってきて、それを仁君が私たちの前に出て防いでくれたけど

その次に出てきたのは最初は何が起きたのか分からなかった。

突然、大きなドリルが目の前に現れて

それを私たちに襲ってきた。仁君はバリアで受け止めたけど、

簡単にバリアが破られて仁君は海に落ちてしまった。

だけど直ぐにフェイトちゃんが仁君を海から引き上げてくれたけど

そのままどこかに行ってしまった。

その後、また管理局のクロノ君に呼ばれて、リンディさんに会って怒られちゃった。

ジュエルシードに関わらないと言った筈では、と言われたので私たちは

フェイトちゃんに会いに来たと答えたら、屁理屈です。と言われたので

仁君が言ったように先にそれを言ったのはそっちではと言ったら

渋い顔をされた。それから話をしてまたフェイトちゃんと会うために、仁君を助けるために

今後はアースラの人たちと一緒に行動することになった。

仁君はおそらくフェイトちゃんたちのアジトにいると聞かされた。

さっきの雷はそのアジトから放たれたみたいで今はその場所を探索中で

見つけたら連絡すると言われて家に戻り、

ルルーシュ君に仁君のことで連絡してみたら留守電に繋がっちゃって出てくれなかった。

ルルーシュ君どうしたんだろう……?

何でこんなことになっちゃたのか分からないけど私のやるべきことは

仁君が私を助けてくれたように私も仁君を助ける。

そしてフェイトちゃんから返事を聞くためにも私は――――。


























 フェイト


私はただ母さんの願いを叶えてあげたかった。ただそれだけのことだったけど

母さんに頼まれて仁を時の庭園に運んだけど、まさか捕らえるなんて思わなかった。

母さんにどうしてそんなことをするのか聞いたら、頬を叩かれた。

今まで母さんにここ最近は優しくしてもらっていたけど

生まれて初めて母さんに叩かれた。それはとても痛かった。叩かれた頬よりも胸が苦しくなって

とても痛かった。仁は母さんの研究に必要だから、協力してもらうために連れて来た。

彼の処遇に関しては協力者に任せていると言われた。

あの黒い仮面の人。あの人のおかげで私はまた母さんと過ごせるようになった。

それまでは母さんは部屋に篭ってずっと何かの研究をしていた。少し前までは

私とアルフ、今はいないリニスと過ごしていた。だけどあの人が来てから

母さんは部屋から出て私と過ごしてくれるようになった。

けれど私は正直、あの仮面の人が苦手だ。何かよく分からないけどすごく嫌な感じがする。

叩かれた後、母さんから最後のお願いで残りのジュエルシードを持ってきてほしいと言われた。

どうして最後なんだろうかと思ったけど。母さんに喜んでもらうためにも私はそれに頷いた。

こんなことになって仁は私のことを嫌いになったかな。初めてできた友達なのに……。

折角できた友達だけど、でも私は母さんも大事な人だから……。

でもきっとこれが終われば仁も解放してもらえるだろう。

だから私はそれを信じてジュエルシードを求め、あの子のところに行く。

彼の友達の女の子、高町なのはと言ったその子は私と友達になりたいと言った。

けれど仁を攫ってしまった私にまたその言葉を掛けてくれるのだろうか……。

いや、今はそれを考えるのはやめよう、

今はたとえ何があろうとも母さんの願いを叶えるためにも

私は母さんを信じて動こう……。





























 プレシア


こんなはずじゃなかった世界を変えるために私は今まで生きてきた。

全てはアリシアと一緒に過ごすはずだった世界を取り戻すために……。

そのために私は今はいないリニスからあの子に魔導師の訓練をさせていた。

今後あの子が何かの役に立つだろうと考えてだ。

そしてリニスがいなくなってしばらく経った時、彼がやって来た。

私の噂を聞き、訪れたようだ。どうやら彼は私の持っている知識が欲しいと言ってきた。

それを与える代わりに何か願いを叶えると、私は信じてなかったが駄目元で答えた。

すると彼はジュエルシードを使えば、アルハザードに辿り着き望みが叶うと答えた。

そして私は魔導師に仕上がったあの子にジュエルシード探索を命じた。

ただその前に彼、協力者はこんな提案を持ちかけた。

それはあの子と優しく接しろと。私は当然それを拒んだ。

協力者には既にあの子が何なのかを説明済みだ。

そもそも彼が欲しがった知識とはそのことだった。プロジェクトF。

それによって生み出したあの子は私のアリシアによく似ていた。そう……ただ似ていただけだった。

それは私の望んでいたものではなかった。だから優しくしろなどと無理な話だったが

協力者はそれによってあの子は必要以上に働いてくれるだろうと言った。

協力者の言うことも一理あると考え、私は嫌々ながらもあの子に接した。

最初は見せ掛けの演技だった。それに気づきもせずにあの子は私に微笑んだ。

そのアリシアと同じ顔の微笑みが私の今までの失敗を嘲笑っているように見えていた。

けどそれは違うと感じたのは何時のことだろうか……。

あの子はただ純粋に私に対して笑ってくれているということに気づいたのは……。

だから今は分からなくなってきた。あの子を、失敗作の人形だと思っていたあの子を……。

あの子と接している内に私の狂気が薄くなっていくことに気づいた。

だけどもうじき旅立つ。私とアリシアの二人で。

協力者によるとアルハザードに行けるのは二人までという結果が出ている。

元々、二人で行くつもりだったので特に問題は無かった。

そしてアルハザードへ旅立つのにより安定させて行く方法があると聞かされた。

それはいつだったかここに来たあの子の協力者だという少年が必要だと言った。

そしてあの子に命令し、ここへ連れて来た後、協力者に囚われた。

そのことにあの子は初めて私に対して言及してきた。どうして彼にそんなことをするのかと。

その言及に、あの子の初めての態度に我を忘れ、私は思わずあの子を叩いてしまった。

その時のあの子の顔はとても悲しい顔をしていた。

そうだ、私は今まで何のために生きてきた。今までのはただの人形遊びだ。

こんなところで未練を残すわけには行かない。

だから私はあの子に最後の命令を下した。残りのジュエルシードを手に入れろと。

あの子は頷き、再び地球へ向かった。そう、それでいい。あと少しで願いが叶う。

アリシアとまた過ごすことができる。

そう……あの子はアリシアではない。けれどあの子は私の…………。

























「フェイト嬢はどうしました?」

「足りない分のジュエルシードを手に入れに行かせたわ」

「休ませずに行かせるなんて、……やはりあなたにとって彼女は不要な存在ですか?」

「……それよりも解析の方はどうなっているの?」

「難儀しましたが、一応は必要なデータは手に入れました。あとはジュエルシードを揃えれば」

「アルハザードに行けるのね……」

「嬉しくないのですか? あなたにとって唯一の望みなのでしょう」

「……そうよ、もう後戻りはできないわ。私にはもう時間が無い」

「そう悲観する必要はありません。もうすぐ全ては上手くいきます」

「…………そう、そうね。……ところで、私はあなたを何と呼べばいいのかしら?」

「今さら、細かい事を気にされるのですね」

「まさか、ここまで長く付き合う事になるとは当初は思わなかったからよ。

その正体を問わないにしても、いつまでも名無しのままというわけにもいかないでしょう」

「……救世の戦士……太極への旅人……法の守護騎士……因果律の番人……呪われし放浪者……。

何でも構いませんが……そうですね……黒のカリスマとでも呼んでもらいましょうか」

「随分と芝居掛かった名前ね……。分かったわ」

「では、私は解析作業に戻りますね。次にあなたに会うのは願いが成就される時でしょう」
























 あとがき?


各キャラの視点による話でした。

主人公以外の視点で書くのは初めてだったので少し新鮮な感じでした。

そしてついに現れた黒幕?

無印編はいよいよ佳境に向かいますが、

どんな風に終わるかはもう決定しているので

あとはひたすら書くだけとなりますので頑張ります。














あとがき?2


ようやくヘルシング最終巻を読みましたが

ウォルターかっこよすぎだろう、常考。

あと、ペンウッド卿の英国無双は

ずっと語り継がれていくんだろうな……。

あと、平野先生の新連載やりますけど

その前に50年前のエピソードを完結させて

コミック出して欲しいなと思うこの頃です。






[7126] その14 第一次カオス大戦 カオスの王、いっきま~す
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/08/17 17:54

前回のあらすじ


管理局にジュエルシード探索を任せて

なのははフェイトと話をする為に

探しながらも、魔法の訓練をしていた。

そんな中、俺はフェイトに残りのジュエルシードの場所を教えたら

フェイトは直ぐに向かって行ってしまった。

なのはたちと協力してジュエルシードを封印したが

プレシアの雷撃と巨大ドリルの攻撃で

俺とブレイブは傷を受け、その後はフェイトによって

時の庭園に運ばれて囚われてしまう。

そしてこの事件の裏に潜んでいた人物に出会った。

――――黒のカリスマに。
























ウルトラでカオスなリリカル戦記


その14 第一次カオス大戦 カオスの王、いっきま~す


























翌日に動きがあった。早朝になのはとフェイトのジュエルシードを賭けた対決をしようとした時、

再度プレシアの攻撃にてなのはが負傷した。どうやらフェイトを庇って攻撃を受けたようだ。

そしてプレシアはジュエルシードを強制転移した。






アースラは時の庭園の座標を探知してプレシアを捕らえるため、武装局員が時の庭園に突入してきた。

「貴様ァ、俺が誰だかわかってんのか? アースラチームのパトリック・コーラサワーだ!

模擬戦でも負け知らずのスペシャル様なんだよ! 知らねぇとは言わせねぇぞ! えぇ? オイッ!」

武装局員はプレシアの間の奥の部屋でアリシアを発見した。

それにプレシアは逆上して武装局員に攻撃した。

「ハァ? テメェわかってねぇだろ! 俺は! スペシャルで! 2000回で! 模擬戦なんだよォ!」

プレシアの攻撃によって武装局員で重軽傷を負って撤退していった。





それからプレシアはフェイトとアリシアのことについて語った。

アリシアが本当の娘で事故によって死んでしまった。

フェイトはそのアリシアのクローンとして生み出された存在であると。

「だけどだめね。ちっともうまくいかなかった。作り物の命はしょせん作り物。

失ったものの代わりにはならないの。アリシアはもっと優しく笑ってくれたわ。

アリシアはときどきわがままも言ったけど、わたしの言うことをとてもよく聞いてくれた」

「やめて……」

「アリシアはいつでも、私に優しかった。フェイト、やっぱりあなたは、アリシアの偽者よ。

せっかくあげたアリシアの記憶も、あなたじゃだめだった」

「やめて……やめてよ!」

「……」

「アリシアをよみがえらせるまでの間に、私が慰みに使うだけのお人形。

だからあなたはもういらないの。どこへなりとも消えなさい!」

「お願い! もうやめて!」

「アッハハハハ! ハハハ……」

「…………」

「ちょっと待ってよ! じゃあ何でフェイトに優しくしてくれたのさ!」

「……ただの戯れよ。それに優しくしておけばジュエルシードの探索に尽力してくれると思ったからよ。

だけど大した成果は出なかった。本当に役立たずね」

「そんな……」

「フフフ……いいこと教えてあげるわフェイト。

あなたをつくりだしてからずっとね、わたしはあなたが……大嫌いだったのよ!」

「……っ!!」


























「……」

「そろそろ終幕ですね」

囚われた俺の前に黒のカリスマが再び来て今までのことを

黒のカリスマのモニターでフェイトが倒れたところまで見ていた。

「……お前は一体何を企んでいる?」

「私はプレシア女史の手伝いをしているだけですよ」

「いいや、貴様が手を貸すというからには何か裏があるということだ。お前はそういう奴だ」

「私の事をご存知なのですか?」

もう、構うもんか、言ってしまえ!

「知っている……黒のカリスマ……いや、ジ・エーデル・ベルナル!」

「!? ――――へぇ、ボクの名前を知っているなんて……流石は特異点と言うべきなのかな」

やっぱり俺が特異点であることは知っているわけか。

「お前は一体何の目的でプレシアに協力しているんだ」

「そうだね、君のおかげでボクの計画がかなり進んだのだからそのお礼代わりに教えてあげるよ。

どうしてボクが彼女に協力していたのかをさ。それはね―――ー」

そして聞いた、なぜ黒のカリスマがプレシアに協力していたのかを――――。














「……そん、な」

「ボクの計画、目的に必要だったからさ」

「プレシアがフェイトに優しく接していたのは」

「素敵な演出だろう?」

コイツは…………!

「…………さねえ」

「うん? 何だって?」

「……てめえは、絶対に、許さねえ!」

「別に君にそんなことを言われる覚えは無いよ」

「ふざけんな! てめえは俺がぶっ倒す」

「ぷぷぷ、ブレイブハーツが無いのを忘れてないかい? あれがなければ君は何もできないじゃないか」

「くっ、来い! ブレイブ!」

手足を拘束されている俺には後はブレイブの力でしかこの場を切り開けない。

「呼んでも無駄なのは分かっているだろう。解析中に妨害してくるから力を行使できないように

拘束してそのまんまなんだから。それにまだ破損したままだから

無理に起動させても暴走するのが目に見えてるよ」

ふざけるな、だからってこのまま黙っていられるかよ!

「ブレイブ! 来い、ブレイブ!」

「ハハハ、まぁ頑張ってね。ボクは最後の仕上げをしに行くから。グッバ~イ」

黒のカリスマ、いやジ・エーデルは俺を嘲笑いながら出て行った。奴の最後の仕上げをするために。

クソッ! このままあの野郎の思うようにしてたまるか。……今の俺にできることはこれくらいか……。

「俺の言葉、届いてくれ!」

俺の言葉を乗せた光はあいつの元へと飛んだ。あとは俺がここから出れれば……。

「来るんだブレイブ! このままあの野郎の好きにさせてたまるか!

だから力を! 力を貸してくれ! ブレーーイブーー!!」

『…………ジン』
























(生きていたいと思ったのは、また母さんと幸せに暮らしたいと思ったからだった。

それ以外、生きていく意味が無いと思っていた。それがなきゃいけないと思ってた。

だけど今まで、母さんが優しくしてくれたのは私を利用する為のものだった……。

私はどうすれば…………。――!? 何、この光は……?)

『優しさを失わないでくれ。弱い者をいたわり、互いに助け合い、

どこの国の人達とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。

例えその気持ちが何百回裏切られようと。それが、俺から望むことだ

お前の友達の迫水仁より』

「仁…………。捨てればいいって訳じゃない。逃げればいいって訳じゃもっとない。

私の、私たちの全てはまだ始まってもいない。そうなのかな……バルディッシュ。

私……、まだ始まってもいなかったのかな?」

『Get Set』

「そうだよね……バルディッシュも、ずっと私の側に居てくれたんだもんね……。

お前も……このまま終わるのなんて、嫌だよね」

『Yes Sir』

「私の、私たちの全てはまだ始まってもいない。

だから、ホントの自分を始めるために、今までの自分を、終わらせよう。

ありがとう、仁。私行くよ、もう一度、母さんに会いに」
























「新手!?」

「今までと違うね。鳥にライオン、へびのような機械だ」

「なのは、危ない!」

「えっ!?」

「サンダーレイジ!」

「フェイト! もう平気なのかい?」

「心配かけたね、アルフ」

「ううん、フェイトが無事ならあたしは……」

「フェイトちゃん……」

「……」

「全員伏せろ!」

「えっ!?」

「クッ、チェーンバインド」

「君は……!」

「嘘ッ!? ルルーシュ君!

「戦闘中に余所見している暇は無いぞ」

「ルルーシュ君も魔導師だったの?」

「ああ、そうだ。それよりも、とっとと先に進みたいんなら俺の指示に従え!」

「えっ!?」

「お前たちの事情はおおよそ知っている。この先に用があるのだろう? ならば手を貸してやるから

こちらの指示に従ってもらおう、そうすれば早く済ますことができるぞ」

「そ、そんなこと言われても……」

「俺も仁を救出せねばならない。だからこんなところでもたついている暇は無いんだ」

「仁を! ……分かった」

「!? フェイトちゃん!」

「信じていいんだよね?」

「ふん、当然だ。教えてやろう……戦略と戦術の違いを」

「来るよ!」

「フェイト、お前のスピードを生かし敵を錯乱させ、注意を引き付けろ」

「はい!」

「なのは、刀剣類を持った敵には足を狙い、動きを封じろ」

「うん!」

「ユーノ、アルフ、同じようにバインドで足を狙い引きちぎれ」

「はい!」

「分かったよ!」

「なのは、誘導弾を三時の方向へ撃て」

「えっと、三時の方向って……」

「フェイト、アークセイバー、撃て」

「はあぁ!」

「よし敵をこのまま誘導できたら。これで……チェックだ! 全員離れろ!」

「!?」

「なっ!? 落とし穴!」

「合流する前に用意した仕掛けだ。見事に嵌ったな」

「す、すごい……!」

「行動パターンさえ読めればこの程度の相手はただ数が多いだけの雑兵だ」

「これが、ルルーシュ君……」

「よし、大方片付いたな」

「ルルーシュ君、どこへ?」

「俺は仁のところだ」

「わ、私も……」

「お前たちには、お前たちのやるべきことがあるんだろ? ならばまずはそれを終わらせてからにしろ」

「……」

「心配するな、直ぐに後で合流するさ」

「待ってるからね。絶対だよ!」

「ああ、必ずあいつを連れて来るさ」

「うん!」

























「終わったよ、ユーノ君」

「じゃあ、このまま彼女たちのところへ……!? なのは危ない!」

「ッ!?」

『ビームウィップ』

ブレイブから現われるムチに電気エネルギーを流して敵に目掛けて飛ばし破壊した。

「きゃああ!」

「大丈夫か、なのは?」

敵の爆発に巻き込まれるとは隙が多すぎるな。今後はその辺でも鍛えてやるかな……。

「えっ、仁く――――!? そ、その姿は!?」

「ちょっとばかしな。それよりも行くぞ。このままだと皆が危ない」

今はそんなことよりも先を急がないとプレシアたちが危ない。

「えっ!?」
























「そうよ、私は取り戻す。アリシアとの過去と未来を。

取り戻すのよ……こんなはずじゃなかった……世界の全てを!」

「世界は、いつだって………こんなはずじゃないことばっかりだよ!

ずっと昔から、いつだって、誰だってそうなんだ!」

「母さん……」

(フェイト!? どうしてここに来たの……)

「こんなはずじゃない現実から逃げるか、それとも立ち向かうかは、個人の自由だ!

だけど、自分の勝手な悲しみに、無関係な人間を巻き込んでいい権利はどこの誰にもありはしない!」

「…………ウグッ! ゴホッ、ゴホッ!」

「母さん!」

「消えなさい、貴方にはもう……用は無いのよ」

「やれやれ、実に酷い言い草ですね」

「お前は!?」

「仮面の人……」

「貴方、今まで何をしていたの! さあ早く私とアリシアをアルハザードへ導いて頂戴!」

「どういうことだ!?」

「ええ、私は彼女たちをアルハザードに連れて行くという約束をしたのですよ」

「何だって!?」

「最もそれは嘘だったんだけどね」

「何ですって!?」

「お前は一体何者だ!?」

「クライマックスだからね……。今こそ仮面を外そうじゃない」

「何だ、あれは!?」

「あ、あれはまさか、昨日の!? あのドリルはこのロボットの腕だったのか!」

「その通り。名前はレムレース」

「あいつが仮面の正体?」

「……救世の戦士……太極への旅人……法の守護騎士……因果律の番人……呪われし放浪者……

そう……ボクこそが全て! その名もジ・エーデル・ベルナルだよ!」

「ジ・エーデル・ベルナルだって!?」

「真のエーデルって意味だ。イカしているにゃよ?」

「老人の姿に!?」

「なっ!? お前はジエー!?」

「見ての通りにゃよ! ほぉれ、もう一度!」

「なっ!?」

源理の力オリジン・ロー……君たちの言い方をすればアルハザードの力を使えば、ざっとこんなもんさ」

「変身魔法じゃないのか!?」

「違うよ。ジエー・ベイベルも、この姿もどちらも本当のボクさ。

源理の力を使えば、平行世界間の別の自分を一つの世界に集合させる事も可能なんだよ。

ルックスを変えるぐらいは朝飯前なのさ」

「ジエー! なぜあなたがここにいる!? それに嘘とは一体?」

「ぷ……ぷぷぷ……ハーッハッハッハッハ! アーッハッハッハッハッハ!

イヒヒヒヒヒヒヒヒ!」

「何がおかしい!?」

「あ~笑いすぎて腹痛い! なぜここにいる!? だってさ! カッコイー、プレシア女史!」

「貴様ーっ!!」

「ハハハハハハ、見なよ! アルハザードを目指したプレシア女史の姿を」

「黙れっ!」

「滑稽だねえ、無様だねえ……。かつては大魔導師と呼ばれたプレシア・テスタロッサの

こんな姿を知ったら、みんな、がっかりするだろうねえ」

「一体これはどういうこと!?」

「まだ気づかないかい、プレシア女史? 君はボクの操り人形だったのさ」

「!」

「君たちをアルハザードに行かせるなんて真っ赤な嘘だったのさ!

それを君ったら、ボクが言ったことを信じ込んじゃってさ!」

「私との約束は嘘だったというの!」

「ジ・エーデル語録その27!  約束は破るためにあるんだよ!」

「あ……ああ……」

「君に仕込んだ事は、それだけじゃないよ。あの26年前のヒュウドラの暴走事故、

それ……ぜ~んぶボクの仕込みなのさ」

「何ですって!?」

「それはどういうことだ!?」

「うん? 外野にも分かりやすく説明するとね。あの事件にボク、正確には先ほどのジエーも

研究者としてさらに依頼主として関わっていたのさ。ヒュウドラが暴走したのも

暴走した原因はプレシア女史によるものと言われているけど、ぜ~んぶボクなのさ」

「私のアリシア……。全ては……ジエーによるもの」

「プレシアがあのように変わってしまったのは彼によるもの」

「私は……ジエーによって……過去を……。いやああああああっ!!」

「ダメだよ。依頼主に逆らっちゃ。それともそれが分からないくらい壊れちゃったかい?」

「貴様はあぁぁぁ!」

「ボクはジ・エーデル・ベルナル! 創世の芸術家!

そろそろ飽きも来ていたからね。さよならだ、プレシア女史……レムレース!」

「!?」

「母さん!」

「ハハハハハハ! 親子まとめてバイバイだよ、プレシア・テスタロッサ!」

「いやあああああっ!!」

「グッバ~イ、プレシア女史! 君のお仕置きはサイコーだった…………おや?」

「どうにか間に合ったな」























「どうにか間に合ったな」

間一髪だった。レムレースのドリル攻撃がフェイトたちに直撃する前にどうにか避けられた。

ここで彼女たちが死んだら折角考えていたプランが台無しになっていた。

あのクソ野郎にそんなことさせてたまるか。

「仁! えっ、でもその姿は?」

なのはたちにも言われたがまあ確かにこの姿は驚くよな。

「やっぱり驚いちゃうよね」

「君たちも……」

「おい、そんなことよりもプレシアの方は無事か?」

「あっ、うん、大丈夫」

「ならいい。ちゃんと守ってろよ、お前はプレシアに言っておきたいことがあるんだろ」

「…………うん!」

「なのは、ユーノ、こいつらを頼むぞ。それとフェイトの姉も守っておけよ」

「あ、うん」

なのはとユーノにフェイトたちを任せて、俺はジ・エーデルに対峙した。

「何だよ、折角決めたと思ったのに邪魔しちゃってさ」

「うるせえよ、お前は少し黙ってろ」

「うん? 何だ、君か。随分と見た目が変わっちゃったね。イメチェンかい?」

「おかげ様でな」

ジ・エーデルにも俺だと気づかれないくらいに今のこの姿は以前とは一変している。

今の俺は黒い禍々しいトゲ付きの甲冑と長い尻尾を持った姿となっている。

俺の必死の叫びでどうにかブレイブを転送し、そのまま変身したら、このような姿になってしまった。

どうやらこの姿はブレイブにあったウルトラマン以外の宇宙人や怪獣のデータから生み出された力らしい。

これはブレイブが破損してバグッた影響で偶然にできた新モードだ。

単純な戦闘力ならライトモード以上だ。

「ジ・エーデル・ベルナル……てめえの目的は何だ?」

「言わなきゃわかんない、特異点? 決まってるじゃないか」

「あなたはプレシアに代わってアルハザードに行くつもりか!」

「プ……ハハハハハハハハ! ヒーッヒッヒッヒ!」

クロノの言葉に奴は馬鹿笑いをし出す。この隙に奴を殺れないか……。

「何がおかしい!?」

「いや、失敬失敬、執務官の少年。このボクも随分と買いかぶられたと思ってね。

アルハザード……? そんなの簡単に辿り着けるはず無いだろ」

「何!?」

「だって、そうだろ? そんなジュエルシードを使ったくらいで行けるなら、

もうとっくにボクが辿り着いちゃってるよ」

原作でもジュエルシードを使ってプレシアはアルハザードへ旅立ったが

けど確証も無く、あるとしても分の悪い賭けだと言っていたな。

「プレシアを陰から操ってたお前が今更何を!」

「誤解しないでもらいたいね、少年。ボクはプレシア女史にアルハザードの

事を教えたけど……それは面白そうだから、そうしたに過ぎないのさ」

「面白そうだと!?」

「こんなハチャメチャな世界だから誰もが野望に取り憑かれてチャンスを狙う。

虚々実々の駆け引きと。この世界も実に楽しませてもらったよ!」

「この男……遊びでプレシアを動かしていたのか!?」

「それの何が悪いんだい? 常識で、道徳で、倫理で、愛で? ちゃんと説明してくれよ」

「そ、それは……」

「つまんない説教は聞かないよ。ボクは楽しければ、どうでもいいんだよ、何もかもね!」

クロノのような真面目な人間だと奴の相手はきついだろうに。

まあ俺も、このふざけながら話をしているコイツは、やっぱり気に食わない野郎だ。

「それがあなたのやってきた事の意味なの!?」

「その行為でどれだけの血と涙が流されたと思っている!?」

「知らないよ、そんなの。ビーカーで量ったわけじゃないし。

それとも何? 血と涙の混合液が10リットルを超えると正義の味方は怒るのかい?」

「この人……! 私たちの常識が通じないの!?」

「こんなハチャメチャな世界で、ルールなんかに縛られる奴の方が馬鹿なんだよ。

君たちは怪物から逃げる時に赤信号を守るのかい?」

「それは……」

奴の問いになのはは言葉を詰まらすが極端な問いだぞ、それは。

「ボクは自由にやるよ! だからこそボクはこの世界から抜け出すんだ!」

「何なんだよ、あいつは……!?」

「悪意……? いや、違う……! 快楽を純粋に追求しているだけか!」

「世界から抜け出す?」

どういうことだ? 奴はこの世界から転移するつもりなのか?

「素敵だろ、ベイビー? ボクはこの囚われた世界から抜け出して

ボクは自由になる! ボクを止める事は誰にも出来ないんだよ!」

「一体、あなたは何を言っている!?」

「少年には理解できない話だろうね。管理局って、本当に馬鹿だよね。

世界を管理していると豪語している割に、その世界の真理を理解していないんだからさ」

「それは一体どういう意味だ!?」

その点については同意できる。だからクロノを無視し俺は奴に問う。

「……ジ・エーデル。なぜこの世界から抜け出そうとする?

この世界は、俺からすればまさに混沌とした世界だ。

お前ならそれを気に入ってそのような考えを持たないはずだと思っているんだが……」

そう、こんなカオスな世界は奴にとって格好の玩具だ。

なのにこの世界から抜け出すなんておかしい。

「うん、流石は特異点、話が分かるね。この中でボクを理解できているのはやっぱり君だけだね」

「理解したくもないし分かり合う気も決してないがな」

君が悪いこと言うんじゃねえってぇの。

「連れないねぇ。まあ確かに君の言うとおり、この世界はまさに混沌とした世界だよ。

ボクだってもっとエンジョイしたかったよ。けどね、この世界は囚われた世界なんだよ」

「囚われた世界?」

「そう、あらゆる因子が混ざり合った世界、ボクはこの世界を統合世界と呼んでいるんだけどね」

「統合世界!?」

確かにリリカルなのはの世界だけでなくTYPE-MOONやヘルシングなどの世界が混ざっているから

その呼び方は間違っていないが。

「でもね、それは誰かさんに手によって造り出され、改竄された世界なんだよ」

「そいつは一体誰のことだ?」

俺が知る限りでもそんなことをできる奴は…………多すぎて誰だか判断できんぞ。

「さてね、そこまでのことは知ってたとしても教える義理は無いよ。

でも君なら知っているんじゃないのかい?」

「何だと?」

「特異点である君なら知っているはずなんだよ、本当ならね。でも君のあのデバイスを見る限りだと

どうやら君はそのことを忘れている? いや、まだ目覚めてないみたいだけどね」

な、何を言っているんだ、こいつは。俺はただキングによって

この世界にトリップしただけの人間じゃなかったのか?

「まあボクには関係無いから別にいいけどね。それでそんな誰かの手の平で踊らされているような

世界が嫌だからここから出て行くのさ。ジュエルシードを使ってね」

「ジュエルシードを?」

「そうさ、ジュエルシードのエネルギーを使えば、アルハザードに辿り着くのは不可能でも

この世界から抜け出せるだけのエネルギーは得ることができるからね」

エネルギー結晶体だから単純にエネルギーだけを得られることは容易いか。

「その為にプレシアたちを利用したのか?」

「それが何か? 親子を仲良くなるよう手伝ってやった恩を忘れないでおくれよ」

「それだけじゃなく俺たちも利用したろうが!」

「本当ならブレイブハーツをパワーアップさせてあげようかと思ってたんだけどね。

デバイスに拒否られちゃったよ。ま……あれをいじれたおかげでレムレースも完成に近づけたんだけどね」

「てめえ……!」

ふざけるな、そのせいで俺の相棒がボロボロになったんだぞ。

「……教えてください」

俺と奴との会話にフェイトが前に出てジ・エーデルに問いかけた。

「うん? 何をだい、フェイトちゃん?」

「どうして貴方は母さんを私に優しくさせたのかを」

「ああ、それのことかい。それもね、面白そうだったからさ」

「!?」

「プレシア女史に君への愛情を持たせたのは面白くなるだろうと思ったからさ。

最初は駄目元でやってもらったんだけど、まさか本当に君に対して愛情を持つようになったのは

ちょっと予想外だったよ。だからさっきのプレシアはおかしかったよね。

君を裏切ってしまい、アリシアも取り戻せないと知って、

さらにあの事故の原因がボクだって教えてやったら

壊れちゃってさ。ボクの計画に踊らされてる事も知らないで女王気取りで

聞いた、あの女の悲鳴? おかしかったよね、あれ。もう完全に壊れちゃってさ。

いやああああっ……だってさ! 彼女を知っている他の人間にも聞かせてあげたかったよ」

その答えにフェイトは膝を地に落とし、それを見たなのはとアルフがフェイトに寄った。

「そのプレシアになぜお前は協力なんて真似をした?」

「決まってるさ。彼女にぶってもらうためだよ」

「なっ!?」

「ジエーの頃に彼女に罵倒の限りを尽くされ、暴力の嵐に翻弄されていたんだ……

よくも、このボクを! 嗚呼……だけど、ボクは無能で下劣で愚図な薄汚い老人……

その歯がゆさの中での痛みは想像を絶する快感だったのさ。

まあけど終始、黒のカリスマとしていたからそんなことされなかったけどね」

コイツ、この世界でもそんな真似をしていたのかよ。しかもアリシアは幼女だろ。

犯罪者じゃねえか、プレシアじゃなくても叩かれるに決まっているだろうが。

「暴力を受けた復讐ではなく、そんなことのために……」

「いや……! いやあああっ!」

「な、何なのよ、こいつは!?」

「わ、分かんないよ! とっくに理解の範疇を超えています!」

「こんな人の楽しみのためにプレシアの人生が狂うことになるなんて……」

奴の異常性癖に皆が混乱する。まあ無理ないよな、これは子供にはきつい内容だし。

「いいじゃないのさ! 己に忠実に生きる事こそ自由!

こんな壊れた世界だからこそ、欲望に素直になりなよ!」

「お前は自分の望みのためにこんなことをするのか! そのせいで何の罪も無い人たちを巻き込んで!」

「顔も知らない人間が何億人死のうと、ボクは痛くも痒くもないね!」

「貴様ってやつは……!」

「世界の裏側で飢え死にしている人がいるのを気にしたら、毎日のゴハンが美味しくなくなっちゃうよ!

もっとも、顔を知っていたって同じ事だけどね!」

「てめえは本当に自分さえ良ければ、他人の命さえ簡単に見捨てる奴なんだな!」

「当然の話さ。だって、ボクはボクが一番好きだから。

アイラブミー、フォーエバー! 誰かがが去ろうと、死のうとボクはボクだけだいればいいんだよ!」

「どこまで腐っているんだ、貴様は!」

「この世界は、あなただけのものじゃないんだ!」

「あんたの遊びのために好き勝手にさせてたまるか!」

「あ~あ~聞こえない~。君たちの言葉なんて、最初から聞く気無いから」

「こんなおかしな人に勝手なことはさせない!」

「ありがとう。最高の褒め言葉だ」

「誰も褒めてないよ!」

なのはの言うとおりだ。だが奴にとってはそれが褒め言葉で、嬉しそうに笑っていやがる。

「ハッハッハ! ま……一般大衆にとってはそうかもしれないね!」

「もう、いい。これ以上は時間の無駄だ」

これ以上、奴と話していても怒りが込み上げていくだけだ。

もういい加減に奴を潰す!

「そうだね、とりあえず、ゲーム再開だ! さあ……ボクを食い止めてみなよ!

でないともう二度と会うことはできなくなるからね」

「お前に言われるまでもない! いくぞ!」

「じゃあ、行こうか、レム――!」

「させるかよ! ルルーシュ!」

「行け、無頼!」

俺の合図で既に忍び込んでいたルルーシュの無頼による攻撃でレムレースの攻撃を封じた。

ここに来る前に合流して打ち合わせどおりに合図で奇襲を仕掛ける作戦だ。

レムレース相手に真正面から仕掛けるのはいくらなんでもきつすぎるからな。

「あらら、奇襲とは。こりゃあ、一本取られたかな」

その割には平然としているコイツを余計にぶっ倒したいと思った。

そこにルルーシュが無頼の上に乗って奴の前に出てきた。

「終わりだ、ジ・エーデル」

「来たね、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。あと、ギアスはくらわないよ」

「俺の名前を!? それにギアスも!」

ルルーシュのことも知っていたとは何でもありだな。当の本人は名前だけでなくギアスまで

知っていて、驚愕したが直ぐに平常心に戻った。この世界では二度目だから慣れたか。

「君もこの世界に迷い込むとはね。ところで黒のカリスマの姿って君のゼロの姿をモチーフにしたんだよ。

どうだいあれも中々素敵だったろう?」

「ふざけた男だ!」

「でも別の世界の君はKMFを生身で倒すようなふざけた存在だったよ?」

「別の世界の俺が何であろうが関係ない! 俺は俺だ!」

「かっこいいこというじゃないのさ! でもね……」

「なっ!? ぐああぁぁ!」

「最後まで締めなきゃカッコ悪いぞ」

レムレースがドリルを薙ぎ払っただけで無頼全機が破壊され、ルルーシュは吹き飛ばされた。

無頼では流石にレムレース相手に足止めにもならないか。やっぱりスペックの差が激しすぎるな。

「ルルーシュ君!」

「次は高町なのはかい」

「!?」

「君も別の世界じゃ魔導師になっていたよ。けど状況は違っていたけどね。

例えばそこにいる執務官と君との関係とか」

「クロノ君との……?」

レムレースの攻撃を避けながら会話する二人。

別の世界のなのはの話はやったことが無いから何とも言えないな。

「おっと、これ以上は大人の世界だから言えないよ。ただ君は、

この先で色々と大変なことが起きるだろうね」

「貴方が何を言おうと、私はただ突き進む、全力全開で!」

「流石は管理局の白い悪魔! いや、魔王様だねぇ」

「魔王じゃないってば!」

「いいや、君は正真正銘の魔王だよ」

そう言ってなのはを腕をなぎ払ってふっとばした。

「てめえ!」

「お次は君かい、特異点」

「言っただろ……てめえはぶっ倒す! ってなあ!」

俺がやるしかない。持ち堪えてくれよ、俺の体とブレイブ!

「そういえばそんなことも言ってたね。じゃあいくよ、いけ! レムレース」

ドリル攻撃が俺に迫ってくる。だが!

『ゼットンシャッター』

「効かねえよ」

ブレイブによる自動障壁がドリルを完全に防いだあと、レムレースのよりも高く飛び。

「何をするかは知らないけど隙だらけ……何!?」

「チェーンバインド。今だ、仁!」

ルルーシュのアシストで敵は動けなくなった。これで決める!

「ブレイブ、インペリアル・ソードを本来の大きさに」

『了解、ジン』

ブレイブに命令した後、直ぐに左腕を上げると左手とブレイブも覆った大剣ができ、更に……。

「なっ!? 何て大きさだ!」

驚くのは無理は無い。これは元々、巨大侵略ロボの武装なんだから。

その大きさはレムレースのドリルに比べると少し小さいがそれでも十分な大きさだ。

「ブッ潰れろ!」

そのまま左腕を振り下ろし、レムレースをブッタ斬り、破壊した。

「へえ、試験試作型とはいえ、レムレースを簡単に倒しちゃうなんて、やっぱその力はすごいね」

レムレースが大破し、その中からジ・エーデルが出てきた。

「これで終わりだ。ジ・エーデル」

「嗚呼、ボクハレムレースが無ければなんて無力なんだ……だからね、見せてあげるよ。

ボクのとっておきを……おいで、カオス・レムレース!」

まさか、カオスの方もあったのか! 目の前の空間が歪み、その中から両肩がドリルで

魔導師の杖を持った、レムレースが現れた。

「何だ、あれは!?」

「これはカオス・レムレース。先ほどのレムレース完成形さ。最もまだ完成とは言えないけどね」

「なに!?」

まずい、まだ完成してないとは言ってもアレを相手にするのはやばすぎる。

「ディメンジョン・フォール2000。まとめてバイバイだぁ~」

「広域殲滅攻撃!? 皆防ぐんだ!」

『ゼットンシャッター』

「ぐううう!」

「きゃああ!」

「うわああ!」

「くううう!」

「ぬううう!」

MAP兵器の攻撃に対し、俺たちはバリアを張ったが、いとも簡単に破られ、俺たちは吹き飛ばされた。

「どうだい、すごいだろ。まだ完成していないとはいえ、

まだまだ君たちの手に負える相手じゃないでしょ」

「クッ、ジ・エーデル!」

俺以外は皆は気を失っている。まずいシエルさんもまだ治ってないし、それに俺もこれ以上は持たない。

「このままトドメをさしちゃってもいいけど、それじゃあつまらないから生かしてあげるよ」

「どういう、つもりだ……?」

「このまま死ぬよりも、この先、生きていく方が苦しいというわけさ」

「お前は……何を、知っているんだ」

いくらコイツでも未来まで読めるわけではないはずだ。

「そうだね、ブレイブを貸してくれたお礼に一つだけ教えてあげるよ」

「何……だ」

「バケツ」

「何?」

「あのバケツの中に行ってみるといいよ。きっと驚くと思うから」

コイツ、時の最果てのことまで知っているのか! だけどあれはこの世界には関係ないんじゃ……。

「それじゃあ始めようか。ジュエルシード最大パワー」

ここにある全てのジュエルシードが解放される。そのエネルギー全てを

カオス・レムレースが制御している。

万全の状態なら俺の能力であのエネルギー全てを取り込めるが

今の状態じゃあ先にこっちが壊れるな。クソッ!

「さて、できたよ。見なよ、このゲートを」

ジュエルシードのエネルギーによって生み出されたのか

カオス・レムレースの後ろに構造物が現れた。

「クロス……ゲート……」

間違いないな。成程、あれを使えば確かに行くことができるかもな……。

「もうじき行くけど、何かお別れの言葉は無いのかい?」

こんなことしておいて何がお別れの言葉だ。相変わらずふざけやがって……。

「なあ、てめえがこれから行く世界ってどんなところだ?」

「う~ん、ちゃんと決めてないけど、今度の世界はこのカオス・レムレースみたいな

機動兵器が存在するところがいいなぁ」

カオス・レムレースはまだ完全じゃないと言った。次の世界は機動兵器のある世界。とすると……。

「ククク……」

「どうしたんだい?」

「いや、別に気にするな。道中気をつけて行けよ。てめえが望む世界に辿り着くことを祈ってやるよ」

「うん、そうかい。どういう風の吹き回しか知らないけど祈っててくれよ」

「ああ、勿論だ」

どうせその世界でお前は……。

「それじゃあ、グッバ~イ」

「ああ、さようならだ」

そう挨拶を交わし、奴によって開いたゲートの中に向かい旅立った。

あっちに行ってくたばるがいいさ。……頼んだぞ――――ZEUTH。

『だ、大丈夫ですか、ジン』

「そういうお前は、ブレイブ?」

『まだどうにか。それよりもよかったのですか逃がしてしまって?』

「問題無いとは言えないが、どうせあのまま戦っても負けていただろうし」

てっきり最初に現れたレムレースが切り札かと思ったのだが予想を超えて

アレが出てくるとは、だがアレが出てくると分かっていてもどうしようも無かっただろうな……。

それよりも奴との会話に熱中しすぎて周りの皆を置いてけぼりにしちゃったなぁ、

この後にそのことで追及されると思うと面倒だなぁ。

『……!?』

「ブレイブ、煙が!」

もう限界か、けど破損してからそのままだったからよく持った方だな。よく頑張った、ブレイブ。

「でも、まだだ、まだ終わらんよ! リンディさん聞こえるか?」

ブレイブが停止する前にこの状況をどうにかしないと、もう殆ど力が尽きてて何もできん。

『ええ、どうやら無事なようね』

「とりあえず迎えに来てくれ。それとプレシアとあのシリンダーの中のアリシアもだ。

絶対におかしな真似をしないでくれよ」

でないと、ここまで……頑張った意味が……無い。

『何をするつもり?』

やばい、意識が……もう……。

「今度、起きたときに話す……だからちゃんと……守ってろよ。……うう~、もう、駄目……だ……」

『仁君!?』



























 キャラ紹介


・パトリック・コーラサワー

登場作品:機動戦士ガンダム00

アースラチームの武装局員にしてエースで、スペシャルなパイロットである。

模擬戦で2000回以上負け知らず。しかしクロノとは戦ったことは無い。

ちなみに彼はこの世界の住人、つまり平行世界のコーラサワーである。

後に”不死身のコーラサワー”や”幸せのコーラサワー”になるかは不明。



・ジ・エーデル・ベルナル

登場作品:スーパーロボット大戦Z

「ジ・エーデル・ベルナル」は実は本名でない。本名は不明。一人称は「ボク」。

彼は極端な快楽主義者であり、他人の事を意に介さない自己中心・唯我独尊の性格であり、

また極度のマゾヒストである。正義や悪という観念的な意見は一切意に介さず、

また自身の行動に一切悪びれることのない、歴代のスパロボシリーズのラスボスの中でも相当に異色な存在。

ただ、次元力に手を出して複数の次元の彼の記憶が統合されているためか、思考や性格も様々に混在しており、

その深層心理についてはっきりとは断言できない。

科学者としての彼は天才的な素質を持っており、「次元力」(彼曰く「原理の力」)の解明と制御に成功している。

尤もそれにより得られた力は、基本的に彼が楽しみを得るためにのみ行使され、時にはジエー・ベイベルとして、

また時には黒のカリスマとして快楽を貪り、あらゆる世界を又に駆けて思うがまま楽しんでいた。

この物語ではまだスパロボZの世界に介入される前のジ・エーデルで、ジュエルシードを使い

旅立った先の世界がスパロボZという設定。

26年前、ジエー博士としてヒュウドラの開発に携わっていた。また開発の依頼主でもあった。

その時の彼はプレシアに叩かれてたり、アリシアにセクハラをして

プレシアにまた叩かれていたりしていた。本人曰く、セクハラしたら叩かれるなんて一石二鳥にゃよ。

ヒュウドラ暴走事故については、プレシアは魔導師としてヒュウドラに追加される機能に疑問視していたが、

それは機動兵器、レムレースの動力源に使えるかのテストケースとして魔導師には理解できない

様々な無理な注文によるものである。その無理な開発スケジュールやその追加機能などの全てが

ジエーによるものである。それによって起きた暴走事故もデータ取得のためでありジエーにとっては

満足いくデータは取れたが、それによってプレシアの人生は一変することになった。

好きなことは、他人に暴力を揮われ、罵倒されること。





 機体・デバイス紹介



・カオス・レムレース

登場作品:スーパーロボット大戦Z

ジ・エーデル・ベルナル自ら操縦するため開発した機体。

「次元力」、彼曰く「原理の力」を限定的に行使できる能力を持つ。

「ラテン語」で「混沌の幽霊」。頭部は山羊、胸部が獅子、尻尾が蛇となっており、

肩の突起にはレムレースの腕のドリルが飾ってある。尚、この形状は実用的なものではなく、

相手に威圧感を与えるためのもので、いわばジ・エーデルの趣味であるらしい。

まだ完成には至らず、偶然にも見つけたブレイブハーツの技術によって完成に一歩近づいた。

ジ・エーデル曰く、この機体は次元力を操るための「人の手による鍵」である。






・コルニクス レオー アングイス

それぞれ、鳥型(正確にはカラス型)、獅子型、蛇型の機動兵器。

特に秀でた能力は無く、片手暇に造ったものらしい。

無頼やプレシアの傀儡兵よりも戦闘能力は高いが、

ルルーシュ曰く、AIがプレシアの傀儡兵と大して変わらないので行動パターンが読めれば

大した脅威ではないという代物。










・ブレイブハーツ ダークネスモード

登場作品:オリジナル

レムレースの攻撃で破損し、ジ・エーデルに弄くられた状態で無理な変身を行った結果、

ブレイブに残されていたウルトラマン以外の宇宙人と怪獣のデータが発現した新モード

正式なモードでは無く、ブレイブがバグッたことによって偶然にも起きたもので

それ以外に仁の怒りに反応して暴走した状態でもあるらしい。

攻撃力、防御力はライトモード以上で宇宙人や怪獣の力を行使できるが、

ライトモードは光の力に対し、ダークネスモードは闇の力でこの状態になると

仁の体に大きな負担が掛かってしまう欠点がある。

このモードでのバリアジャケットの名前はモンスターズフォーム。

黒い禍々しいトゲ付きの甲冑と長い尻尾を持った姿である。

以前からブレイブハーツは謎のデバイスであったが、

それをジ・エーデルに興味を持たされ、カオス・レムレースを完成に近づけた、

その技術によってブレイブハーツについてまた深く謎が浮かび上がった。








[7126] その15 フラグをこの手に
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/08/10 22:33

前回のあらすじ


黒のカリスマに捕まってしまったがどうにかその場から離れ

決戦の場へと向かい、黒のカリスマ、ジ・エーデルと対峙し、奴の目的を問うが

それは俺にとっては色々と謎が深まる内容だった。

ジ・エーデルの切り札によって俺たちはやられ、奴を逃げられてしまった。

この戦いはこれから起きる本当の戦いへのほんの序章に過ぎないのかもしれない。

この頃の俺にはそれがまだ分からなかった。


























ウルトラでカオスなリリカル戦記


その15 フラグをこの手に


























「う、う~、……ここは?」

確か俺は時の庭園で奴と戦って、けど負けて取り逃がしてしまって

それで、リンディさんに助けを呼んでその後は……。

「気を失ったんだっけか……」

とするとここは、アースラの中か? どうりで……。

「知らない天井だ」

お約束を言ったことだし、動いてみますかな。

「気がついたか」

人が動こうとしたら急にドアが開いて出てきたクロノ。

まだ怪我が完治していないのか頭に包帯を巻いていた。

「もう怪我はいいのか?」

「まあだいたい平気かな。太陽の光でも浴びてたらもっと早く治ったろうけど」

「どういう体の仕組みをしているんだ?」

俺にも分からんよ、そんなことは。今回の件で色々と俺自身も分からないことが増えてしまったし。

「もう平気なら来てもらうか。艦長が君と話したいと」

やっぱ、そうなるよな。あぁどう話したらいいのやら……。

「その前に、一つ聞きたいんだけど」

「何だ?」

「テスタロッサ親子はどうしてる?」

「護送室だ。アリシア・テスタロッサは保管庫に管理中だ。

君に言われたとおり何もしてないから安心していい」

「やっぱりあいつらは罪に問われるのか?」

「今回は一歩間違えれば次元断層さえ引き起こす危険があったんだ。

利用されていたとは彼女たちは重要参考人として隔離している」

「まあ、仕方ないよな」

「問題は他にもある」

「何が?」

「プレシアの意識がまだ戻らないんだ」

「何だって!?」

























「ええ、彼女の意識はまだ目覚めていないわ」

リンディさんの部屋で先ほどの話を聞いている。

「やはり、アレが原因ですか?」

ジ・エーデルによって彼女の望みが絶たれそのショックで意識を失ったのか。

「おそらくは……。それに彼女はヒュウドラの暴走事故の影響で

病を患っていたのも原因の一つでしょう」

だからプレシアは自分の残りの時間が無く、焦り求めていたんだろう。

「そこを奴につけ込まれたんだろうな」

「ジ・エーデル・ベルナル……。あなたは彼のことをご存知なのかしら?」

「まあほんの少しですが、そちらの方では何か知らないんですか?」

「ジエー・ベイベル博士のことなら少しだけ情報があります」

「じゃあ、奴の言ったとおり、ヒュウドラに?」

「そうです。優秀な科学者のようですが、性格面に色々と問題があったみたいで……」

いや、もうそれは知っているから、次行こうか。

「こちらの調べではあの事故は彼女の独断による行動によって起きたと言われているわ。表向きは」

「つまり、真実は違うと」

「ええ、上層部から一方的な無理な注文とスケジュールで彼女と他の技術員たちは

それに悪戦苦闘していたらしいわ。そしてヒュウドラの実験が目前に控えたところで

実機への接触が禁止になったの。それに対し彼女が作成した安全マニュアルによって

彼女は安全基準責任者の任に着いていたのだけど」

「……」

「その後の実験の結果は知っての通り、暴走してしまったわ。そのことに彼女は

会社に告訴したのだけど、会社側は安全主任である彼女は実機を

管理しきれなかった事実から彼女は裁判に勝ち目が無かったそうよ」

「管理局は関与しなかったんですか?」

「その事故には管理局は立ち入りできなかったらしいわ」

「怪しいですね。その会社は今は?」

「もう存在しないは。その事故から暫く経って

無くなったらしいわ。そしてその会社の最高責任者が……」

「奴だったというわけか……」

奴の言うとおりこの事故は仕組まれていたことなのか。

「貴方はどう思う?」

「何をです?」

「彼は彼女を貶めるためにこんな事をしたのかどうか」

そのことか、それは多分……。

「恐らく、狙ってプレシアを貶めたわけでは無いと思います。

少なくともその事故に関しては。今回の事件に関してだったら

同僚であったことから利用できると考えてこうなったのかと思いますが……」

暴走事故に関して奴にとってはたまたま自分の周りにプレシアがいただけの話だろう。

けどあの事故に奴が関与してこうなってしまうなんて……。

「これも因果律のなせる宿命ということなのかな……」

「何か言ったかしら?」

「いえ、独り言です」

この世界はどうなっているのやら……。あっ! そういえば……。

「あの、俺の相棒知りませんか?」

目が覚めた時にいなかったんだよな。

「貴方のデバイスのこと? それならデバイスのメンテナンスルームにあるはずだわ」

「一応確認しますが、何もしてないですよね」

また弄られるのはもう御免だぞ。

「安心して。デバイス用調整槽の中に入れただけだから、今は自己修復中だそうよ」

ならいいけどあれって管理局からすればロストロギアみたいなモノだから

下手に弄られてそう判断されたらどうなることやら……。

「それでは、今度は貴方の話を聞かせてもらえるかしら。今度こそね」

そんな、力を込めて言わなくてもいいじゃないですか。若干、びびったぞ。

「 聞 か せ て も ら え る わ よ ね ! 」

「はい! 俺が話せることなら何なりと!」

どうしてこう女ってのは、怖い生き物なのだろうか……。

























「じゃあ、貴方はあの宝石翁の助手だったの!」

「まあ、一年だけですがね」

半ば脅されて話しました。話した内容はルルーシュに教えた程度のこと。

今回の事件や今後のことも考えて、地球のことについても少しだけ話した。

「でも貴方は魔導師でも魔術師でもないのね」

「そうですね。でもどちらかと言えば魔導師かな。一応は非殺傷設定なんてもののあるし」

「地球の方もそんな場所だったなんて……」

「だから地球に来て、もし魔術師に会っても変なことをしないでくださいよ。

例えば間違っても魔法使いなんて言わないほうがいいですよ。命の保障はできませんからね」

「そんなにまずいことなのかしら?」

リンディさんは少し怖気づきながら聞いてきた。

「実際に自分は魔法使いだなんて言った半人前未満の魔術師が殺された話を耳にしたことがありますよ」

宝石翁から聞いたんだけどね。しかも殺した張本人だし。魔法使いと自称したから相手をそのつもりで

攻撃したら一撃死だったらしい。まあ相手が悪かったとしか言えんがな。

「他にも地球には魔術師以外の同等かそれ以上の存在がいますから、

下手なことをすると本当にどうなるか分かりませんから気をつけてくださいね」

「そうするわね……」

一応理解を示してくれたけど、まあ完全には理解できてないだろうがこれは追々言えばいいかな……。

まあ、それよりもだ……。

「緑茶に砂糖入れるなと言いましたが、…………今度はミルクかよ!!」

ただ話していたわけでなくお茶を頂いていたのだが。

「これも駄目なの!?」

パンが無いならお菓子を食べればいいじゃない、みたいなノリでするなよ!

「何でそう甘くして飲もうとするんだ!?」

「それならなぜコーヒーと紅茶はよくて、緑茶はいけないのかしら!?」

「あんたのやってることは寿司に醤油じゃなくソースを付けて食うと言ってるようなものだぞ!

分かりますか、寿司? ジャパニーズフード!?」

「ええ、知っているわよ、お寿司は……」

お寿司のことを言ったら何だか目を背けた。ま さ か。

「あんた、もしかして……寿司も甘くして食べてないですよね?」

「そ……そんなこと、するはず……ないじゃない……」

「じ~~~」

俺は無言の視線を浴びせていたらそれに耐え切れなくなったのか……。

「……だって、辛いのよ! しょうがないじゃない!」

などとほざいた。だからって子供でもしないだろ、常考。

「サビ抜きで食えよ!!」

まさか緑茶以外でもやっているとは思わなかったぜ……。








食ということについて説教をしたらリンディさんは落ち込んでいた。

だけど相手が俺なだけまだマシだぞ。これがルルーシュだったらもっと濃密な説教だったぞ。

伊達に妹の為に家事をマスターしただけのこだわりぶりだぞ。主に食事については。

「ところでリンディさん、一つお願いがあるのですが……」

「何かしら?」

俺が改まった態度に重要なことを話すのか、もしくはまた叱られるのかとオドオドした顔をするが……。

「実は…………俺、腹減ったのでメシが食べたいんですが」

その言葉にズッコケテしまうリンディさんだった。























「あ、仁君!」

「もう平気なのか?」

リンディさんと食堂に行ったらなのは、ユーノ、ルルーシュがすでにいて食事をしていた。

ちなみにシエルさんは当然いつものアレだった。

「おう、だからこうしてメシを食いに来たんだ。ところで何を話していたんだ?」

「今、アースラは地球に向かっていて明日には着くようだが、

ミッドの世界だと時間が掛かかるからその間ユーノはどうするかと話していた」

ルルーシュが現状を説明してくれた。ルルーシュが魔導師であるとバレて

なのはたちとお互い色々話していたようだ。あと俺が眠っている間に

自分ことをリンディさんにある程度のことは話したそうだ。












「ユーノの件なら俺ん家でいいじゃないか?」

「えー! ユーノ君、今までどおり一緒にいようよ!」

俺の意見になのはが不満になって言ってきた、それも選択肢の一つだけど。

「あのな、なのは。それってまたフェレットになって暮らせということだろ?

ユーノは人間で、お前のペットじゃないんだぞ」

ずっとフェレットとして過ごしていたからそうなるのは

無理ないかもしれないが、それだとユーノが哀れだぞ。

「俺の家だったら人間の姿のままでいられるから問題無いぞ」

「でも、ルルーシュはいいの?」

「仁が家主だ。俺はそれに従うさ。それにユーノのスクライア一族の発掘や遺跡の話も

興味深いから一緒にいて教えてくれるとありがたいな」

ついでに魔法も教えてくれと言うルルーシュ。

俺が寝ている間にこの二人は親交が深まっていたらしい。

何だかA's編での彼らはずっと無限書庫にいて調べごとをしている場面が浮かんだぞ。

「じゃあ、二人がそう言ってくれるなら、お世話になります」

「その代わり、共同作業だから家事手伝ってくれよ。働かぬもの食うべからずと言うからな」

ミッドの人間だから意味が分からないようなので色々と地球の諺などを教えてあげた。






「全く、あんなに寝ているからだよ」

「だって、ずっと徹夜だったんだもん」

などと雑談している時に何だかお疲れで不恰好なエイミィとそれを注意するクロノが入ってきた。

「あの人が目指したアルハザードって場所、ユーノ君は知っているわよね?」

俺たちはアルハザードの話をしていた。なのはとルルーシュは

知らない話なのでここからクロノが説明した。遥か旧暦の時代に消えた、失われた都のことを。

そこに眠るアルハザードの秘術を使えば過去を書き換えたり、死者を蘇らせることができると、

けれど今は次元断層の底に沈み滅んだと言われている。

「彼、ジ・エーデルはアルハザードのことを源理の力と呼んでいたけど」

「聞いたこと無い言葉ですね」

「仁君はご存知ないかしら?」

やっぱ、そこで俺に聞きますか。皆も俺が答えると思っているのか、

全員の視線が俺に集まった。何なのこの無駄なプレッシャーはさ。

「一応、知ってますよ」

「聞かせてもらえるかしら?」

「これは別に隠すようなことではないですからいいですけど。

でも俺も詳しいことは分からないので、あまり深く聞こうとしないでくださいね」

「ええ、分かったわ」

「源理の力というのは、太極と呼ばれる多元宇宙の全てを司る意思に属する力だと言われるモノです」

「太極?」

「所謂、神様と呼ばれるような存在ですね。それで源理の力は世界を、

因果律を操る力ものだと俺は推測しています」

「因果律の操作だと!?」

「それってどういうことなの?」

「因果律を操作することは、己の思うままの世界を構築することができるということだ」

なのはの疑問にルルーシュが説明するがそれでもあまり理解出来ていないなのは。

「その力を使った簡単な例を挙げれば、あらゆる次元世界、

平行世界の転移、さらに時間移動することができる力だ」

「そんなことが!?」

流石にこれには皆が驚いた。

「恐らく、これは世界によっては色々な呼び名があってこの世界、

管理局からではアルハザードと呼ばれているのかもしれないな……」

「そんなことができる力があるだなんて……」

アルハザードと同じなのか分からないけどそれと同等以上のモノは存在するけどな。

最もそれは今の地球や管理局でもそれをどうこうできる代物じゃないですけど。

あの時、奴が転移する時に現れたアレはクロスゲートだった。

少なくともアカシックレコードは存在するということだ。

「そして、その力に魅せられてプレシアはジ・エーデルに乗せられ狂わされたのか……」

確か言っていたな、元々優しい人だったと、唯一の肉親であるアリシアが死んでしまって、

だから壊れるしか無かったって。だからこそ俺はプレシアを助けようと思った。世界を敵に回しても

自分が狂気に呑まれても、たった一人の娘を助けようとする彼女を。

「あの、フェイトちゃんのお母さんはどうなるんですか?」

「アースラの医療機器では彼女を治すことはできないからミッドに行って――」

「あ~、そのことなんですが」

ここで俺がその話を中断して言った。

「その前にやっておきたいことがあるのですがいいですか?」

フラグを回収するためにね……。

























「元気だったか、フェイトとアルフ?」

「……仁?」

ここはアースラの護送室。

リンディさんの許可を貰ってフェイトたちに会いに来た。本当なら会うのはいけないのだが

リンディさんの力で何とかしてもらった。こういう風に融通が利くからとても好意を持てるが

けれどアノ甘党がどうにかできればなぁ。

ちなみになのはも会いたがっていたが流石に何人も会わせるわけにはいかないので抑えてもらった。

「大丈夫か?」

「うん、平気だよ」

嘘つけ。おもいっきし大丈夫じゃないように見えるぞ。これじゃあアルフも大変だよな。

「そういう仁も平気なの?」

「そうだよ、ずっと眠っていたと聞いていたから心配したんだぞ」

「ああ、さっき起きてメシ食ったがお前らは?」

「あたしは食べたんだけどさ、フェイトは……」

「私は平気だよ」

だから平気そうに見えないぞ。何だか原作のジュエルシード探索中よりも酷い顔だ。

「そんな顔されて、あぁ平気なのか、なんて俺は言えないぞ」

まったくこれならぐっすりと眠ってんじゃなかった。

「はあ、ここに来たのは単刀直入に言うと、お前の母親を起こす方法があることを言いに来た」

「――!?」

「それ、本当かい!?」

「ああ、だからいつまでもそんな辛気臭い顔してないでちゃんと元気でいろよ」

「でも、どうやって起こすの?」

「それはあとのお楽しみだ。それよりもお前から何かあるか?」

「私?」

「そう、お前からは何か望むことは無いのか?」

これはリンディさんの代わりに頼まれたことだ。このまま本局の裁判へ行く前に

何かしてあげたいというリンディさんの計らいだ。

「あの子とはもう会えないのかな」

「さあ、どうだろ。ただあいつは地球に戻り、お前はこの事件の重要参考人として

ミッドに行かなくてはならないから会うのは難しいだろうな」

下手な嘘をついても仕方ないから本当のことを教える。

「――――会いたい」

フェイトがそうつぶやいたがそれは自問のようだ。

「まだ……終わってないから……あの子とは……」

終わってない? あの時の決着のことか?

「終わらせたいか? あいつとちゃんと」

「……」

「終わらせるには、どうしたらいい?」

俺の問いに、フェイトは視線を落とし考え、そして……。

「……約束だったから……あの勝負に、決着をつけたい」
























「だそうです」

「と急に言われても」

フェイトが言っていたことを伝えた。最も監視カメラで見ていただろうから

言う必要は無かったかもしれないが大切なことなので言ってみた。

あと無事にブレイブも返してもらった。調べないのかと聞いてみたら

条約に引っかかるから何もしなかっただそうだ。でもブレイブって地球の技術じゃないから

実は調べても条約に引っかからないんだけど都合がいいので言わなかった。

「それよりも、彼女を起こすってどうやって?」

「それは地球に戻らないとできないので今は秘密です」

「確認しますが、ロストロギアを使うというわけではないですよね?」

まあある意味それに該当するかな、効果だけならば。

「いいえ、でもあるアイテムを使います」

「アイテム?」

「そうです。けど俺的には先にフェイトの願いを叶えてからがいいと思うのですが」

「あら、どうして?」

「今のフェイトでは目覚めたプレシアに対して多分、後を引くような感じになると思うんです」

一度は決意してプレシアの前に来たがあの時に邪魔が入ってそれが果たせなかった。

それからプレシアは眠り、時間が経ったのでフェイトの決意が鈍くなっていると考えた。

「だからこれをきっかけに吹っ切れればと思うのですが」

「そうですね……いいでしょう。何とかしてみましょう」

おー、流石、話が分かる。

「素晴らしい、さすがです、リンディさん! 俺はいつだって、アナタのような

若く美しく仕事ができる人格者、と尊敬の念を抱いていました!

マーベラス! さすが、緑茶に甘いものを入れて飲む人は違う!」

「最初はいいとして最後のは、貴方否定してなかったかしら……」

などとやりとりがあって、数日後になのはとフェイトの決着が行われることになった。


























水平線の彼方から、朝日が昇ろうとしていた。そんな時間の空に二人の少女が対峙していた。

「ディバイン、シューター」

「フォトンランサー、ファイアー」

片方は桜色の誘導魔力弾、もう片方は金色の槍のような魔力弾がお互いに相手目掛けて発射した。

「ふむ、いい調子だな」

「あぁ、この決着を果たすためにちゃんとご飯も食べて体調は万全だからね」

二人の戦いを見ながら俺とアルフは話していた。

あと見物人にルルーシュとユーノ。

場所は以前と同じ公園にて見物、二人は海上でバトル中。

「やっぱり、あの二人が戦うと派手だな。まさにドラゴンボールだな……」

『その内、スーパーサイヤ人にでもなるのですか?』

「ユーノ君のことかああぁぁぁ! となるのか?」

『相手はフリーザですか。となると……私の戦闘力は53万ですよ的なことで

私の魔導師ランクはSSSですよ。(第一形態)みたいな感じですかね?』

「第一形態でそれじゃあ、管理局オワタだな。スーパーノヴァでミッドチルダ消滅。

綺麗な花火ですよ。え~っと誰だっけ?」

「ドドリアさん、ザーボンさんだね。

というか何でそこで僕の名前が出て来るんの! なのはに殺されちゃうの僕!?」

「でも、言われてみれば同じような感じだね」

俺とブレイブのドラゴンボールトークにユーノがツッコミを入れた。

ミッドでは地球のアニメを一部輸入しているらしくドラゴンボールを知っているミッド人である。

そんなわけでアルフとユーノも知っていて俺たちの話を理解している。

今では世界規模ではなく次元世界規模の知名度らしい。ドラゴンボールすげえぇぇ!

「というかなぜ戦闘を見ないでDBトークをしているんだお前たちは真面目に見ていられないのか?」

「いや~、最終決戦は自分的にシリアスモードが長かったので

こうしてボケていないとバランスが」

『ですね、出番の少ない私はさらに少なくなってしまいましたし』

「お、お前らな……」

ルルーシュに呆れられてしまった。

「と、雑談している間に何だかすごいことになっているな」

ルルーシュに言われて見るとなのはがバインドで捕らわれフェイトが次々とフォトンランサーの光球を

発生していく、その数は三十八個。その全てが連射型の大型光球だ。

「何て数だ!」

「あれが出た以上はフェイトの勝ちだよ」

「これは決まりましたかね」

なのは終了のお知らせムードになっているが、

「いや、勝負というのは最後までやらなきゃ分からないものだ」

俺は不敵にそう告げた瞬間、フェイトは発射した。フォトンランサー・ファランクスシフト。

轟音響く四秒が過ぎ、1064発の雷の槍がなのはに全て打ち込まれた。

光の爆発と濃密な魔力の霧でなのはが見えなくなっていた。

「ハア……ハア、やった?」

ほぼ魔力を使い切り空を飛ぶことぐらいしかできなくなったフェイトがそんな言葉を言う。

フェイト、その言葉はこの状況では言ってはいかんぞ。言っちゃうと、ほら……。

「そんな!」

霧が晴れてその中からなのははそこにいた。さすがに無傷とはいかず

バリアジャケットがボロボロだが本人は健在である。

「いくよ。今度はこっちの番!」

『Starlight Breaker』

「まさか…集束砲……ッ!」

フェイトがぞっとしている。ここにいる皆もそんな感じだろう。

今まで両者が使った魔力がなのはに集まっているのだ。

「にしても速くないか?」

いくらなんでもここまで大きくなるのにこの速さはおかしくないか……。

1メートルを超えてなお大きくなってるし。

「仁がなのはに教えたのが原因じゃないかな?」

あ! ……そういえばそんなフラグがあったんだった!

「見てて、フェイトちゃんッ!」

「わ、わたしの魔力まで……それ、ズルいっ!」

全くそのとおりだとここの見物人は皆、フェイトの言葉に同意する。

大きさはとうとう2メートルを超えた。

「ズルくないッ! これが私の全力全開ッ! スターライト…ッブレイカ━━━ッ!」

桜色の柱がフェイトを襲いフェイトは避けることも防御することもできずに直撃した。

「やり方が元気玉だが、見た目はファイナルフラッシュだな」

などとどうでもいいことを思いながら俺はフェイトの方へ駆け出した。























「う、うう……」

「大丈夫か、フェイト?」

「えっ、仁? ――!?」

「こら! 暴れるなよ」

ちょっとの間、気を失っていたが直ぐに目を覚ます、俺の腕の中で。

要するに俺はフェイトをお姫様だっこしているわけで、

まあ実を言えばフェイトがそんな風に恥ずかしくされると俺も恥ずかしくなってくるわけで。

「あ~、もう平気か?」

「うん、自分で飛べるよ」

「フェイトちゃん!」

なのはも漸くこっちに来た。流石にあんだけのモノを撃てばもう魔力は空だよな。

「君の……勝ちだね……」

なのはに笑みを浮かべるフェイト。

「う、うん、うんうん!」

それに驚きながらも嬉しそうに笑顔になるなのは。その瞬間、なのはが落下した。

「!」

飛行もできないほど消耗していたのか。間に合――!?

「…………危ないよ、気をつけて」

俺が助ける前にフェイトが俺の腕から離れ、なのはを助けて抱きかかえた。

さっきと逆となったな。今度はフェイトが抱えて、なのはが抱っこされている。

「あ……あ、ご、ごめん、ありがと……ありがとう、フェイトちゃん!」

そう謝罪したなのはを見て、どう思ったのか涙を流し始めたフェイト。

「フェイトちゃん……?」

「あの……ごめ――仁君?」

なのはがフェイトに謝ろうとするのを止めて、俺はフェイトに言った。

「泣きたいなら思いっきり泣いたほうがいいぞ。

それが悲しくてつらい時でも嬉しい時でも、それはきっと大切なことなんだから」

「う、う、うわああああああぁぁぁ」

「フェイトちゃん」

俺の言葉を機になのはを抱きしめながら泣き出した。

なのはも抱き返し名前を呼んで、そっと撫でた。

太陽が昇り、これから始まる長い一日が訪れようとしていた。






















「フェイトたちは?」

「今は眠っている。無理もない。あれだけの戦闘の後ではそうなっても仕方ない」

戦闘終了後、俺たちはアースラにいる。その後、なのはとフェイトは倒れてしまった。

「暫くは起きないだろう」

「そうか、じゃああいつらが起きてから始めるか」

今、俺とルルーシュは食堂で食事中。いや、朝早すぎて朝食抜いたから腹減ったんだよ。

「例のプレシアのことか? あの頼んだモノと何か関係あるのか?」

「いや、あれは別だ」

「?」

「俺は多少欲張りでね。もう少し綺麗に締めくくりたいんだ」

そのために先生から無理してアレを譲って貰ったんだからな。

などと適当に話して時間を潰しているうちになのはたちが起きたと連絡が入った。

『始めますか?』

「ああ、ハッピーエンドに向けてな」

























「本当に母さんは起きるの?」

「100%と断言はできない、けど信じてもらうしかないな」

世界に絶対なんて無いと俺は思っている。だからこれを使っても起きないかもしれないし、

この後に控えていることもそうであって100%成功する保障は無い。だけど……。

「何もしないよりかは、全然マシだろ?」

「……そうだね。私は仁を信じるよ」

「なら何としても起きてもらわないとな」

そして俺は懐から一つの瓶を取り出した。

「それが母さん起こすアイテム?」

「そうだ。とても希少なモノでな。むしろ効いてもらわないと困る」

凄く貴重だから本当なら使うのは躊躇うのだが、これでフェイトたちが喜ぶなら構わん。

「じゃあ、これを飲ませてあげてくれ」

「分かった」

フェイトにそれを渡してそれをプレシアに飲ませた。

「それは一体何なんだ……」

「これ? 幻の秘薬、エリクサー」

ルルーシュの問いに何でもないように答える。

エリクサー。それは万能の薬であらゆる傷や病魔を治すことができる幻の秘薬である。

幻と言われるとおりとても貴重なアイテムで俺の場合は助手時代に偶然に手に入れたモノだ。

そのエリクサーをフェイトはプレシアに全部飲ませていた。

「う、うう、……わ、私は……」

「か、母さん!」

するとプレシアは目覚めて、フェイトはプレシアに声を掛けて抱きしめた。

「フェ、フェイト……?」

「本当に……良かった……」

「フェイト……私は……」

「貴方に言いたいことがあります」

「……」

真剣なフェイトの眼差しにプレシアはフェイトを見つめる。

「私は、……私はアリシア・テスタロッサじゃありません。貴方が造った人形なのかもしれません。

だけど、私は……フェイト・テスタロッサは、

貴方に生み出してもらって育ててもらった……貴方の娘です!」

「今更……貴方を娘と思えと言うの……?」

「貴方が……それを望むなら。……それを望むなら私は世界中の誰からも、

どんな出来事からも貴方を守る」

「……」

「私は貴方の娘だからじゃない! 貴方が……私の母さんだから!」

「――!!」

そのフェイトの言葉にプレシアは

「フェイト、私は……私は、ごめんなさい」

プレシアはフェイトを抱き返し涙を流した。俺たちは部屋から出て行き二人だけにした。












「今まで本当にごめんなさい」

「いいよ、こうして私は母さん居られるのだから」

「私は今まで、アリシアが全てだった。アリシアがいなくなってから私の生きる意味が無くなった」

「……」

「でも今は違う。もう一人の、私の娘を育てるという意味ができたのだから……」

「母さん……」

「もう一人、育てる気は無いか?」

「えっ!?」

「仁?」

「貴方の娘……アリシアを」
























「本当にアリシアを生き返らせることができるの?」

「肉体があるなら蘇生できるはず。……理論上はだけど」

俺とフェイトとアルフ、プレシアはアリシアを保管している部屋に来ている。

最もこれはリンディさんには何も言わず、無許可で連れて来ている。

「どういうこと?」

「流石に26年という長い年月が過ぎている場合だと、

正直に言えば本当に生き返えるかどうか分からない」

肉体は生前と変わらず維持できているが魂の方はどうなのか分からない。

ただこれを使って三途の川を渡りきる前に使ったら生き返った例があるが、

この場合はどうなるか未知数だ。

「それでどんな方法を?」

「再びアイテムを使う。今度はもっとすごいのを」

また懐からあるモノを取り出す。

「これが、勝利の鍵だ!」

某勇者王チックに声高々にして言ってみた。

「それは……?」

「何かの葉っぱかしら?」

俺が取り出したのは見た目は何の変哲も無い葉っぱである。

「さて、この葉の雫をアリシアに飲ませてと……」

「君たち、何をしている!?」

そこへ空気を読まず、クロノたちがやってきた。

「迫水君、何をしているの。彼女たちをこの場所に連れて行くなんて聞いていないわよ」

「罰ならあとで受けます。それよりも……どうやら上手くいったようだな」

「えっ!?」

「――――ん……」

「ア、アリシア!」

「……か……母さま」

どうやら成功したみたいだ。正直、分の悪い賭けだと思っていたがよかった。

「なっ!? 生き返ったというの……!」

「そんな……死者を生き返らせることができるなんて……」

「まさかこんなことが……」

「違うぞ、クロノ」

「何?」

「アリシアはこの26年間仮死状態だった、その状態から目を覚ました。

……そうですよね、リンディさん?」

俺はリンディさんを見る

「…………はぁ、貴方って人は……。ええ、そうね。そのとおりです」

「母さん!?」

「この件はそのように対処します。他の局員にもそう指示しておきます。エイミィ、お願いね」

「了解です、艦長」

エイミィさんはそう言って部屋から出ていった。他の局員たちにそう伝令するのだろう。

「……これでいいわね、仁君」

「ありがとうございます」

「はぁ、今まで作った報告書を書き直さないといけないじゃない」

そう悪態をつくリンディさん。大きな貸しを作ってしまったが、まあいいかなと今は思う。

「本当に良かった、アリシア……」

「ねえ、母さま。この子は……」

「私は……」

「アリシアの、貴方の妹のフェイトよ」

「そっか、よろしくね、フェイト」

「……うん!」

この幸せの親子の姿を見られて良かったと思った。







「ねえ、お兄さんが私を生き返らせてくれたの?」

親子の抱擁に浸り終わったのか、アリシアが俺を見て話してきた。

「まあね」

「あの人の言うとおりだ」

「誰のこと?」

「私はこことは違う世界にいて、目の前の川を渡ろうとしたの。

そうしたら、とても大きな人に止められたの」

三途の川のことだな。渡らなかったから成功できたのか。

それにしてもそれを止めた大きな人って? 

「それってどんな人だった?」

「お髭を生やしているような感じの顔でマントの人」

「ような顔? 人じゃないのか?」

「うん。人間じゃなかったよ。それで何時の日か、ある男の人が私を

元の世界に帰してくれるからその川を渡らず待っているといいって言われたの」

その人って、あの超人のことじゃあ……ま、まさかね……。

「お兄さんは私にとって王子様だね」

はい? 今何と?

「お兄さん、ありがとうね。チュッ」

「なっ!?」

「アリシア!?」

「!?」

「あらあら」

などと三者三様の反応だ返ってきたが。えっ! えええええーーーーー!!!!

「これはほんのお礼だよ。あはは、お兄さん顔真っ赤にして面白~い」

などと笑われているが俺はそれどころではない。

『ジン、よかったですね。まさか思わぬところでフラグが立ちましたよ』

だ、だからそれどころでは――――。

「きゅうううううううううう」

「仁君!?」

「あらあら、頬にキスされたぐらいで倒れるなんて意外と純情なのね」

『ジンはキング・オブ・チキンですから』

「基本的にコイツはへたれだからな」

などと気を失っている間に言われ放題だった。あとルルーシュ、お前が言うな!

「仁……」























そんなフラグの回収を終わらせてから時間は昼を過ぎて

とうとうフェイトたちとのお別れの時間になり海鳴公園で別れの挨拶をしていた。

「返事をしたかった」

「?」

「君が言ってくれた言葉。友達になりたいって」

「うん、うん!」

「私に出来るなら、私でいいなら、って。だからもう一度、教えて欲しい、君の名前を」

「え?」

「友達になるのは、名前を呼ぶことだって教えてもらったから」

そう言って俺の顔を見るフェイト。でもそれって元はなのはが言ったことなんだけどね。

「だから、今度は私も名前を言う、私はフェイト・テスタロッサ」

「私、高町なのは。なのはだよ」

「……なのは」

「うん、フェイトちゃん」

「な、の、は……」

「うん」

「なのは……」

「うん……」

「ありがとう、なのは……」

「うん……」

「なのは……」

「……うんっ!」

「君の手は暖かいね、なのは……」

「っく……う……っ」

なのはと握手するフェイト、漸く友達になることができたなのはは涙を流した。

「少し分かったことがある。友達が泣いていると、同じように 自分も悲しいんだ」

「……フェイトちゃんっ!」

「ありがとう、なのは。今は離れてしまうけど、きっとまた会える。

そうしたら、また、君の名前を呼んでもいい?」

「うん……うんっ」

「会いたくなったら、きっと名前を呼ぶ。

だから、なのはも私を呼んで。

なのはに困ったことがあったら、今度はきっと、私がなのはを助けるから」

二人はお互い抱き合い、暫くそのままだった。

二人は記念にお互いのリボンを交換してフェイトは俺の方を向いた。

「仁もありがとう。仁がいなかったら私は……」

「俺は何もして無いよ」

「でも仁のおかげで母さんは目覚めて、アリシアも蘇ったんだよ」

「プレシアはともかく、アリシアに関してはたまたま救う手段があったからだよ」

偶然にも先生が持っていたアレのおかげだ。俺の力ではない。

「今度、仁の先生にもお礼を言わないと」

「ああ、今度会った時にでも紹介するよ。だから俺とも約束だ。また会おう、フェイト」

「うん、絶対に会いに行くよ」

「フェイト、俺は……絶対というのは、神様がいないと思っているくらいに無いと思っているんだ……」

まあ神様のような存在はいて、それに遭ったことあるけどね……。

「……」

「でも、今回は…………絶対に会いに来いよ!」

「うん!」

その時のフェイトの顔を満面の笑みだった。

「あとアリシアのことだけど」

何さ? いかんまた思い出してきた……。い、いかん落ち着け、俺!

こういう時はアレだ、素数を数えるんだ!

「123456789……」

『ただ数字を数えているだけじゃないですか』

まったく落ち着けなかったです。

「だ、大丈夫?」

「アア、モンダイナイ、スベテハケイカクドオリダ」

『フェイト、きりが無いのでそのまま続けてください』

「う、うん、分かった。あのね、私、アリシアに負けないから……」

「え?」

今何と仰いました?

「じゃあ!」

と言ってフェイトは行ってしまった。

…………こ、これはまさかの逆転ホームラン級のフラグが……。

「……………ィ……ヤッタァァァァァァアアアアア!!! 」

アズラエル氏の如く叫んだ! もう思いっきり叫んだぞ!

今の俺なら死徒二十七祖が束になって掛かってきてもけちらせるぞい!

「仁君、落ち着いてよ!」

『(…………おめでとうございます、ジン)』
























「行っちゃったな」

「うん」

漸く落ち着いて行ってしまった余韻に浸る俺たち。

「でもまた会える。そう約束したんだから」

「そうだよね」

「ああ、きっと」

それがたとえその時が戦いの中でもな……。まあそうなる前にどうするかと考えてみるかな、

まだ半年は時間があるんだし。でもはやての誕生日まで確かもう一月も無かったような……。

まあそれも後で考えてみますか。

「じゃあ、再会できるその時まで元気に待っていようか」

そう言って主人公みたいな感じで締めてみた…………のだが。

「……それよりも仁君」

「何?」

「フェイトちゃんが言ってたんだけど……仁君、フェイトちゃんとお友達だったんだってね」

確かになのはよりも友達になったけど……。

「私よりも先に、……最初の友達になったんだってね……」

あの~、なのはさん、何か俯いて顔がよく見えないんですけど……。

「ねえ、仁君……。どういうことなのかな……?」

すっごい満面の笑顔のはずなのに顔が笑ってないように見えるのは気のせいだよね。

あるぇー? 何か知らない間に死亡フラグが立っているのは気のせいだよね……。

ルルーシュとユーノが冷や汗かきながらすごく震えているけど、それも気のせいだよね……。

何時の間にかバリアジャケットを着込んでレイジングハートを持っているのも目の錯覚だよね……。

嘘だと言ってよ、バーニィ!

「ちょっと……お話……聞かせてくれるよね……?」

嗚呼、全国の何人いるか分からないオリ主よ、死亡フラグは知らずに立つみたいだから

最後まで気を抜かずにいけよ。これが今の俺からのたった一つの願いです……。

『最後、締まりませんでしたね』

もういいよ。こんちくしょう!!






















終わり







































リリカルの世界でオレtueee!と叫びたいオリ主(現実→なのは+多重クロス)は

最終回じゃないぞ。もうちっとだけ続くんじゃ。






















 魔法紹介


・スターライトブレイカーVer.2


なのは曰く、「ディバインバスターの発射形態バリエーション」。

しかし既に通常の砲撃魔法とは異なる集束砲撃魔法になっている。

術者がそれまでに使用した魔力に加えて、周囲の魔導師が使用した魔力をも

ある程度集積することで得た強大な魔力を、一気に放出する攻撃魔法なのだが

Ver.2では仁のアドバイスからより効率よく魔力を集束させることができるようになり

その結果、発射時間が通常よりも短縮し、さらに元から存在している

周辺の魔力(マナ)までも集束して威力を増加させた。

まるで流星のごとく周囲の魔力が集束していく様が「星の光(スターライト)」と呼ばれる所以。

その威力は、食らえば防御の上からでも落とすほど。

ただし、魔力の集束中は術者は全く動けないという欠点がある。



 アイテム紹介


・エリクサー

登場作品:風の聖痕

錬金術の粋を集めた奇跡の霊薬。別名『生命の水』。製法はおろか、

実在さえ確認されていない伝説級の秘薬。死者さえも蘇えらせるとされる。




・世界樹の葉

登場作品:ドラゴンクエスト

死者を生き返らせることができる葉っぱ。






あとがき?


というわけで無印編はこれで終わりです。

初めて書いた小説ですが無印編までとはいえ

どうにか終わらすことができてよかったです。

今後の予定ですがA's編はすぐに始めず、

A's開始前までの話を書くかと思います。

というかまだ話が決まってないだけなのですが……。

まあその辺の詳しいことは次に投稿する話で説明しますね。

その時に皆様から頂いた感想の中からの疑問などにも少しだけ深く

語ってみようと思います。ですのでちょっとした疑問や質問などがあれば

感想の中に書いて頂ければ現段階でお答えできるものは回答しますので

何かあれば気楽にお書きください。

ではこれで無印編は最後になりますので取り合えずのところ

ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

ですが、これからまだまだ物語は続いていくのでこれからもどうかよろしくお願いします。







[7126] その15.25  合衆国ニッポンポン\(●)/放送 第二回・特別編
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/30 00:29





仁:どうもこんにちは、初めまして、StrikerS(以後Sts)時の迫水仁です。

な:同じく初めまして、Sts時の機動六課、スターズ所属の高町なのは一等空尉です。(以後な)

仁:あともう一人のパーソナリティーのゼロなのですが。

な:都合により今回はお休みです。なので……。

仁:臨時パーソナリティーをお呼びしています。

な:仁君、私誰が来るのか知らないのだけど? あとここってどこなの?

仁:ここはあるコロニーの中だよ。

な:えっ、コロニー!?

仁:そう今日はこのコロニーでやることになっている。

な:何でコロニーなの?

仁:それは今回のメンバーがここにいるからだ。

な:それって誰なの?

??:このボクだ!

















レオパルド:このボク、レオパルド様だ!(以後レ)

な:にゃあああ!! 何なの、この……何かは!?

レ:何かと何だ、貴様!

仁:まあまあ落ち着けよ、ルルパルド。

レ:レオパルドだ! 何だその名前は!?

な:(何だかルルーシュ君の声に似ているかな?)























ウルトラでカオスなリリカル戦記


その15.25  合衆国ニッポンポン\(●)/放送 第二回・特別編























仁:どうも~。改めまして、この番組のパーソナリティーを務めさせてもらうオリ主の迫水仁です。

な:同じく高町なのはです。

仁:そして……。

レ:ボクの名前はレオパルドだ! このブレインコロニーのキングだ!

仁:以上の三人で行います。

な:あ、あの~、仁君。ブレインコロニーって何かな?

仁:ググレカス!

な:ええぇぇぇ!!

仁:それよりも他に説明することがあるだろうが。

な:あ、え~っと、どうして今回はSts時の私たちで行うかと言いますと……。

仁:今回は俺たちが無印編時に知らなかった事を話したり今後のことも少し話したりするので。

な:今回は私たちがパーソナリティーを勤めることになりました。

レ:そしてボクが第三者役としてここにいると言うわけだ!

仁:まあ今回は色々と暴露したりするのでオフレコとしてどうかよろしく。

な:それでは今回の内容はこうなります。


1.この作品について

2.本編で実現しなかった没ネタの披露

3.この作品に送られた疑問、質問に答える。ふつおたコーナー

4.今後について


仁:で、お送りします。

な:ではさっそく始めたいと思います。まずは1.この作品についてです。これは一体?

仁:なぜこの作品を作ったかという経緯を語ります。作者から頂いた台本から話します。

レ:というか貴様が作者じゃないのか?

仁:何を言っている! 俺はオリ主であって作者ではない。そこ間違えないように!

レ:す、すみません……。

な:それでどうしてこの作品を作ったの?

仁:元々、クロスオーバーの作品の設定を考えていたらしく、設定だけ考えていて楽しかったが

  それだけでは満足できず、ここの小説をいくつか読んでいて自分も小説を書き始めようとしたらしい。

レ:もともとネタとして考えていたものだから小説用に元々考えていたので色々と変更したようだ。

  主にオリジナルキャラについてだ。

な:それって、主人公は仁君じゃなかったということ?

仁:らしいな。しかも中々のアレだったらしい。

な:アレって?

仁:所謂、邪気眼持ちの厨二病な主人公だったらしい。何らかの魔眼を持っていて自分の出自は

  曰く付きだったり、能力も色々とやばかったらしいぞ。

レ:だからこれは流石に出すのは躊躇ったらしくオリキャラとその周りの相関図を大分変更したそうだ。

な:それで仁君が主人公になったと。

仁:うむ。それで俺の能力がウルトラマンなのは作者の主観でウルトラマン関係の二次小説って

  少なくないかと考え、このような形になったという。

な:ウルトラマンキングが出てきたのは?

仁:トリップモノで死んだ後に神様みたいな存在によってトリップを行うが

  その役は大抵、その謎の存在やら宝石翁などが出てくるから、他の配役を探していたら

  あの人になった。まあ今となってはあの人にしたのは色々と正解だったけどな。

レ:それって後付――な、何でも無いデス。

な:では次にルルーシュ君について。

仁:ルルーシュが出たのは、実はルルーシュが主役のなのは小説を考えていたからなんだ。

レ:何!? これ以外の話も考えていたのか。

仁:先にネタを考えたのはクロスオーバーの方だけど、先に書いたのはルルーシュの方だ。

な:一度も書いたことも無いのに二つも書こうとしてたの?

仁:いや、最初はルルの話を2話くらい書いていたけどクロスの話が書きたくなって

  でも折角書いたルルーシュの話もやりたいと考えた結果。

な:こっちに出しちゃったと。

仁:そういうことみたいだな。ちなみにルルーシュの話ではここと同じようにゼロレクイエム後に

  なのはの世界に来て高町家に拾われて、なのはの兄になっているという設定だった。

な:えっ!? ルルーシュ君、私のお兄ちゃんになってたの!?

仁:なのはよりも歳が一、二歳上という設定で見事なシスコンで、それでよく高町兄とどちらが

  なのはの兄に相応しいかシスコン対決を日頃行われていたという。

な:ううう、何だか恥ずかしい……。

レ:そういえばあの男はシスコンであったな。こっちではその設定はどうなるんだ?

仁:なのは、これ読んで。

な:え、え~と、禁則事項です。

レ:あっそ。

な:次は……。う~ん。

仁:どうした? あー、コイツか……。

レ:何だ? ボクにも教えろ!

仁:無印編のラスボスについてだ。

レ:あの男か。見せてもらったがこのボクから言わせて貰えばただのわがままな子供だな。

  このボクのような大人の風格があるのとは雲泥の差だな。

仁:(お前さんも十分わがままな子供だよ)その子供と言われたジ・エーデル・ベルナルについてだ。

な:本来ならこの作品には暗黙のルールがあって、機動兵器関連の作品は出さないようにしているの。

レ:思いっきり出ているではないか! ルルーシュもそうではないのか!?

仁:ただ元々この世界にいるのではなく後からこの世界に来た場合はありのようだ。

な:ルルーシュ君は確かにこの世界にやって来た人だもんね。

レ:ジ・エーデルもそうなるのか。

仁:で、そのジ・エーデルは物語が始まってしばらく話が進んでから登場するのが決まったキャラらしい。

レ:そうだったのか。

仁:出すのに悩んだらしいぞ。ちなみにStsに出る予定だったらしいし。

な:えっ!?

仁:地上本部所属の特殊部隊カイメラの技術顧問として出る予定だったらしい。

レ:つまりカイメラの人間も出る予定だったと?

仁:変態共集合ってわけ。

な:それでジ・エー博士も出てきて……。

仁:女性陣にセクハラする予定だったらしい。耳に息を吹きかけるなど。

な:そうならなくてよかった。誰も被害に遭わなくてよかったよ。

仁:忘れてないか? アリシアはセクハラ受けたぞ。

な:…………アリシアちゃん、ごめんなさい。

仁:次は……ラストのことか……。

な:ラストで色々と仁君、フラグっていうのがたくさん立っていたね。

仁:(お前の魔王フラグも立っていたよな)ああ、何か予想外なのがたくさんな。

レ:にしても幼女にキスされたくらいで倒れるとはな。

仁:ううう、言うな。今でもそれを言われると恥ずかしいんだから。

な:でもアリシアちゃんのこれは予想外だったよね。

仁:あ~、実はこのことなんだけど。

レ:?

仁:本当ならそういう恋愛フラグはやるつもりはまったく無かったんだって。

な:そうだったの?

仁:うん。だけどアリシアのシーンを書いていたら何時の間にかあのような展開になったらしく

  作者もビックリしたらしい。

レ:自分で書いててそれは無いだろうが。

仁:ちなみになのはの魔王フラグも当初は予定しなかったんだ。

レ:だが連載してから先日行われたなのはイベントでなのはは魔王と公式設定(?)されたことから

  魔王にすることになったらしいな。

な:魔王じゃないもん! 酷いよ皆……。ねえ、その辺ことやっぱりちゃんと話し合うか……。

仁:そういうところが魔王といわれる所以だとなぜ分かんないんだよ!!





な:続きましては2.本編で実現しなかった。没ネタ披露会。

仁:これは本編では出すことができなかったネタをここで披露するコーナーです。

レ:色々な事情で出すことが出来なかった。そのネタを紹介しよう。第一回目の没ネタはこれだ!


没ネタ披露会・エントリー№1


その15 さらば、迫水仁


「仁! 死んでは駄目!」

ラストバトルで仁はカオス・レムレースに勝つために禁断の技、ウルトラダイナマイトで

見事倒すことができた。しかし、その代償はあまりにも大きかった。

「息をしていない。もう彼は……」

「そ、そんな……」

誰もが仁の死に絶望しているその時……。

「何だ!? あの赤い球は?」

上空より大きな赤い球が現れた。

「こっちに来るぞ!」

赤い球はなのはたちの前に降り、

「仁君が!」

仁の体が浮き、赤い球の中に入っていった。

「起きろ……起きるんだ、迫水仁!」

「――――この声は?」

俺は確か死んだはずでは、それにこの赤い空間は……

「私はM78星雲宇宙警備隊ゾフィー。迫水、私とM78星雲に行こう」

俺の目の前に現れた銀色の巨人はまさしく彼が言ったとおり俺の知るゾフィー兄さんだった。

ゾフィー兄さんは俺をM78星雲に連れて行ってくれると言うが。

「だが俺はもう命が……」

「安心するがいい、私の持ってきた命でお前は救われる」

「――――ならば、その命をあの子に授けてくれ」

「!?」

俺の言葉にゾフィー兄さんは驚いていた。

「お前は死んでもいいのか?」

「構わない、俺は彼女たちを助けるために戦ってきたんだ。どうせならその命をアリシアに授けて欲しい」

「君も弟たちと同じだな。分かった、だが私は命を二つ持って来た。

それをお前とアリシアに与えよう!」

こうしてアリシアは蘇り、俺はゾフィー兄さんによってM78星雲に旅立った。



それから半年後、魔導師襲撃事件が起こっていた。

そして今、地球ではその襲撃者がなのはを狙っていた。

なのははその襲撃者と戦ったが未知の魔法によって敗北した。

そしてリンカーコアを奪われるその時。

「仲間がいたのか……」

「……友達だ」

「仁君が……帰ってきた!」


A'sの01 帰ってきた迫水仁



仁:というネタがあったらしい。

レ:思いっきりウルトラマンの最終回では無いか!

仁:しかもウルトラマンまで出てきちゃうしね。

な:それで説明があるんだけどこの展開になると帰ってきた仁君は

  本当にウルトラマンと同じくらいの力を得ているの。

仁:そうなるとヴォルケンリッター涙目なことになって

  強さのインフレが起きてしまうので没となったらしい。

レ:ふむ、というかなぜ貴様はゾフィーをゾフィー兄さんと呼んでいるのだ?

仁:ゾフィー兄さんはゾフィー兄さんだからだよ!

  フリーザ様をフリーザ様と呼ぶのと同じようなことだ!

レ:おお! 成程、納得した。

な:それで納得しちゃうの!

仁:ゾフィー兄さんは俺の中では一番好きなウルトラマンだしな。敬意を表する意味でもそう呼んでいる。

な:な、なるほど……。

仁:世間では捏造だとか言われているが、兄さんはそんなことはしてない! とそう思っていた……。

な:何かあったの?

仁:ゾフィー兄さんのブログがあるんだけどそれを見たら、

  ゾフィー兄さんの最強の必殺技、M87光線には108式まであると言ったんだ。

な:!?

仁:ある時、冥王星のパトロール中に宇宙人の円盤群に襲われていた人間を助けるのに使った

  M87光線は108式まであるスタイルのうち、零式と呼ばれるスタイルで、最も出力が弱い光線だとか。

レ:ブッ!?

仁:20%出力の23式でさえ、玄人でもまともに受けたら地球からノーザンクロスまで吹き飛びます!

  これがM87光線が最強と謳われる所以!

レ:ちょ!!

な:にゃ、にゃははは……。

仁:これはもうね凄いよと思ったよ、うん。

レ:つまり?

仁:ねーよ!!

レ:作者はこれを見たときは何ともいえないものを感じたらしいな。

仁:お気持ち察するぜ、作者よ。でも、それでも俺のゾフィー兄さんへの敬意は変わらないぜ!

な:そんな仁君のゾフィーさんへの愛が分かったことでこのコーナーはこれで終了です。

レ:また次の機会で紹介してやろう。或いはここから独立してネタ話として

  投稿する場合があるかもしれん。その時はよろしく頼むぞ。




な:続きまして3.ふつおたコーナーです。これは今まで皆様から送られた感想の中から

  選んだ疑問や質問にお答えします。

仁:回答するのは本来ならゼロが回答するコーナーで

  ふつおたをゼロが裁くというコーナー名にする予定だったのだが

な:今回ゼロがいないので代わりに……。

レ:このボクが裁く!

仁:というわけでとっとと言ってみようか!



な:暴走三輪車さんからの感想です。

>ウルトラマンキングに吹いたw
>貴方いったい何やってるんですかって聞いてみたい!

レ:これは疑問というか純粋な感想では?

仁:聞いてみたいと書いてあるので。むしろこれは初の感想である。

な:作者はこの初の感想をもらえてとても歓喜したらしいです。

レ:やれやれ、それでキングだが、実はこれには意味のある行動だとか、違うとかだそうだ。

仁:だそうです。次。



な:(こんな答え方でいいのかな)靴下臭さんからです。

>じゅ、十三課だと・・・っ!?
>ということはアンデルセン神父やアーカードと戦って生き残っているのか。

レ:この時点ではまだインテグラによってアーカードは目覚めていないので

  アーカードとは会っていないようだ。

仁:というか神父みたいな化け物と戦っているわけ無いでしょうが!

  その当時まだ7歳くらいだったんだから逃げるだけで精一杯だったぞ。

レ:それでも生き延びたんだから十分すごいような……。



な:暴走三輪車さんから

>ジェバンニ……奴は何者なんだ。

レ:そのうち本編に出てくるとか聞いたぞ。

な:あの人ってすごいよね。

仁:世界樹の葉とか持っていたりある意味チートな存在だもんな。



な:ナックルさんから

>確か皇帝に即位した時点でギアスの切り替えは任意になっていたはず。
>コンタクトを外しているのではなく、手をかざしているだけのようですし。
>まあ公式設定ではなく本編を見る限りは、ですが。

レ:小説版の設定によるものだ。またルルーシュのキャラ設定であった。

  R因子とやらも小説の設定だ。

仁:これが後付の設定なのか元々あった設定なのかは知らないがルルーシュも

  普通の人間じゃなかったんだな。それにしてもそのR因子が出る場面での

  マリアンヌの性格は本当に酷い。こんな人にジェレミアたちが憧れていたなんて……。



な:Tanukiさんから

>幼zyごっほごっほしゅーべると・・・・・・ななこは出てくるのでしょうか?
>リリカルは皆精神的に大人だったり、歪んでたりして、癒しもとい、幼女分がたりない。

レ:ぶっちゃけ、ななこの存在は素で忘れていたらしい。

仁:ひでえ! で、幼女分だが今はともかく、A's編では幼女分はホントどうしようらしい……。

な:今はともかくって、それってヴィヴィオのことかな……?

  ねえ、仁君、ヴィヴィオに何するつもりなの……。そのことについてちょっと話そうよ……。

仁:お、落ち着いて、話し合おう、魔法では無く本当の話し合いだけで……。



レ:あっちが慌しいので代わってボクが紹介しよう。蒼夜さんから

>どれくらいの作品がクロスしているのか

レ:ふむ、無印本編に実際に出てきたキャラについては以下のとおりだ。

 参戦作品・キャラ


・ウルトラマンシリーズ
ウルトラマンキング

・機動戦士ガンダム00
パトリック・コーラサワー

・コードギアス
ルルーシュ・ランペルージ

・スーパーロボット大戦Z
ジ・エーデル・ベルナル

・月姫
シエル
ナルバレック

・Fate/stay night
キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ


仁:そ、組織の名前やキャラの名前だけ描写されているものだと

  さらに増えるぞ。その一部が以下の通りだ。


ジョジョの奇妙な冒険

武装錬金

Get BackerS

ヘルシング

風の聖痕


仁:他にもまだまだいるけど今回はここまでということで。

な:だけど実際に出てきている人ってあまり多くないね。

レ:ふん、キャラを増やしてしまえばその分作者が会話描写で大変苦労するから避けているのだろ。

仁:また今回からなのはキャラ以外が出てきたらそのキャラクターの紹介をするようになりました。

な:この話って色々な人たちが出てくるからそれは便利だよね。

レ:うん? しかし今までしていなかったか?

仁:いやシエルさんの時はしていなかった。一部のキャラにしかしていなかったので

  これからはちゃんとやるようにします。無印編の方もいずれやるようです。

な:今はしないの?

仁:それをやるならネタを考えたいそうだ。余裕が出来たら無印の方にも追記するらしいが。



な:あと多数の皆様から

>ヘルシングの吸血鬼軍団がイギリスを襲うという展開

レ:少なくともやるとしたらSts以降の時期だな。だが本当にやるのかは未定。

仁:むしろそこまで続けられるかが問題だな。

な:ちょっと待って! 以降ということは、まさか四期も考えているの!?

仁:余裕があればらしいけど。どうなるかは四期の内容しだいだな。

レ:というか四期が完結する前にこの物語のStsの話まで終わるんじゃないか?

仁:これから月一で投稿すれば間に合うんじゃないか?

な:それはちょっと……。

レ:駄目だろ、常考。



な:さらに多数の皆様から

>シュウ・シラカワの出番は?

レ:知るかぁ! 何でこんなに多いのだ!? むしろなぜボクの出番は無いのですか?

  というのが一つも無いのだ!!

な:いくら何でもコロニーを出すのはちょっと……。

仁:ちなみにStsではシュウが出てきて仲間になっても敵との戦力比に問題無いとだけ言っておこう。

レ:お前ら、一体どんなやつらと戦っているんだ……。



な:最後の質問です。hadukiさんから――

仁:ちょっと待て! それ作者じゃん! 何て書いてあるんだよ?

>この物語のタイトルを変えてみようかなと思うのですがどうでしょうか?

な:ちなみに候補がウルトラカオス大戦。

レ:ほうこれは――。

仁:センスねぇな、オイ!

レ:ソ、ソウダヨナ。(ふ~む、いいと思うのだが)

な:作者がふと思いついたことなので、もしこの件について何かあったあればコメントくださいだそうです。

仁:コメントが無ければ?

な:今のタイトルのままだな。

レ:そのままでいいんじゃないのか? むしろ何でこんな名前にしたのだ?

な:電波を受けてそれをそのまま今のタイトルにしたらしいよ。

仁:まあ、ちっとだけ気にはなるタイトルだよな。けど少し長いよな。

な:以上でふつおたコーナーは終わりです。

仁:また何かあれば答えられる限りの疑問などにお答えしますのでよろしく。

レ:要望もあれば出来る限りのことはやるそうだから何かあれば感想の中に書くといい。



な:それでは最後になりました。4.今後について

仁:今後はA's本編はまだ暫くは開始せずに日常的な話をちょっとだけ書く予定です。

レ:要するにまだ本編の内容が決まってないのか?

な:どうやらA'sのアニメを見直してそれからまた考えるみたいだよ。

レ:さらにA's編で出す予定の作品を観ているようだ。

な:ちゃんとできるのかな……。

仁:いや出来ないとまずいだろ。A'sの話が出来なかったら今の俺たち、

  存在しないからちゃんと書いてもらわないと困るぞ。

な:た、確かに……。

仁:それと現在いくつか考えられているA's本編の展開で共通することがある。

な:何だったかな?

仁:とりあえず皆涙目な展開だった。

な:あーー、……そうだったね。皆、あの時大変だったよね。

仁:色々とねぇ、まぁ今の構想通りになるか分からないけど、作者的には無印は堅実に原作と

  同じような展開にしてA'sは原作とは少し違う展開にしてカオスにしたいそうだ。

な:今私たちが追っている事件は相当カオスだよね……。

レ:先にやるA'sの話よりもStsの方が話ができているなんて作者はアホなのか?

仁:アホだな。

な:にゃ、にゃははは……。

仁:とまあこんな感じですかね。

な:そうだね。それにもうお別れの時間だね。

レ:何ッ!? もうそんな時間か。

な:あっという間だったね。

仁:というわけで今度はSts本編で会いましょう。さようなら。

な:さようなら~。

レ:また会おう。そして、え~、ここからは、

  ボクだけによるボクのためのひとりラジオの時間を――。

仁:じゃあ、帰ろうぜ。

な:うん、そうだね。

レ:コラァ! ボクのラジオを聴いていけぇ!

























 キャラ紹介


・レオパルド


登場作品:宇宙をかける少女

コロニー内に設置された人工知能。プライドが高く、少しでも傷つくと自暴自棄に陥る。

我が強いという面では優れた人工知能と言える。自称、紅茶マイスター。

声がルルーシュに似ている。中の人なんていません!

趣味はひとりラジオ、自分褒めしりとり。

取り合えずそれだけ、これ以降登場する予定は無い。

初登場時はルルーシュの生まれ変わりなどと言われていた。








あとがき?


これを書き終わった頃に少しだけA's編の内容が纏まりました。

その内容ですとA's編はそんなに長くはやらないかなと思います。

むしろ早くSts書きたいこの頃です。Stsは書けずに色々と

ネタが溜まってきているので早くそれを書ければなと思います。

A's編は遅くても今月中にはスタートしたいと思いますので

よろしくお願いします。

タイトル名も何かネタがありましたらお願いします。





[7126] その15.5 ラヴォスの日
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/07/22 22:20

*注意

この話はA's編終了後に投稿した話です。

A's編のネタバレはありませんが

A's編を読み終えてから読んだ方がいいかもしれません。























古き石と高度な魔法科学が交わる地


全てを凍てつかせる時を壊す災害により


中つ大地の法の塔は虚しく焼け落ち


そして監査者の使いが現れ


その両者が邂逅した時


世界は光に包まれて消えていく























ウルトラでカオスなリリカル戦記


その15.5 ラヴォスの日






















この話はジュエルシード事件が終わってから暫く経ってからの出来事だ。

あの事件で出会ったジ・エーデルの言葉。それが気になり俺は時の最果てにある

このバケツの中の未来が一体何なのかを。

俺はそれを確かめるべくバケツの中へ飛び込みその先の未来へと向かった。





















たどり着いた先はまずそこが地球では無かった事に驚いた。俺はてっきり地球なのだとばかり思っていた。

だからここが何処なのかブレイブにネットワークを経由してここが何処なのか調べさせながら辺りを歩き回ってみた。

しばらく歩いていて漸くブレイブがここが何処なのか分かったと伝えようとしたその時事態が動き始めた。

「な、何だ、地震か!」

『地下から高エネルギー反応を確認。なお上昇中です』

「ま、まさか……!?」

近くの高台へと場所を移してそこから地震の震源地の方へと目を向けると

そこには大地が裂けそこから這い出てくるモノがあった。

それは巨大で多くのトゲを生やしたように見える鉱物、圧倒的な存在感と不気味さを持ったモノ。




「間違いない――――ラヴォスだ!」

『あれが……ラヴォス』

完全に地上へと姿を現したその姿は俺の知っているラヴォスだった。

だがその大きさは俺の知るものよりも遥かに大きかった。ゲーム版での大きさは数十メートル位だった筈だが

このラヴォスは数百メートル位のでかさだ。

そしてその見た目の大きさだけでなく凄まじいほどのエネルギーを感じた。

「地上本部の魔導師たちか」

『どうやらラヴォスと交戦するようですね』

空戦魔導師達とラヴォスが交戦し始めた。

『どうしますか?』

「……帰るぞ」

ブレイブの問いに俺は迷い無くそう答えた。

「今の俺たちでは奴には勝てない。ダークネスモードを使ったとしても奴にはまったく歯が立たない」

それは今目の前で繰り広げている戦いを見た率直な感想だった。

ラヴォスを迎撃しに出て来た魔導師達がまったく歯が立たずに次々と落ちていっている。

少なくとも今ラヴォスと戦っている全員の魔導師と戦えば俺が当然負ける。中には俺以上の使い手も居るが

ラヴォスは全くの無傷で魔導師と交戦、いやあれは周りで飛び回っている邪魔な虫を落としているように見える。

あれを見る限りでは今の俺では手も足もでないな。

しかもラヴォスは俺の見立てではその魔導師達に使っている魔法がクロトリのではなく

ミッドやベルカなどの魔法を使っている。ラヴォスの生態から考えればそれは当然の事かもしれないが

それによってかなり厄介な存在となっている。

単純な強さだったらあのカオス・レムレースといい勝負しそう――――!?

「何だこのでかい魔力は!?」

ラヴォスの戦力を考えている時、別の方からラヴォスとは別の大きな力の反応を感じた。

そしてそれがラヴォスの方へと向かって来ている。

「あ、あれは!?」

その反応の元がラヴォスの前に現れた。それは魔導師ようだ。

ここからだと人サイズの大きさだとよく見えないのでウルトラサイコキネシスの能力である透視能力を使って

その姿を確かめると――――その正体はとても意外な人物だった。

「――――あれは、なのは……なのか?」

『ええ、恐らくはこの世界の、未来のなのはでしょう』

確かにデザインが少し違っているが白いバリアジャケットにレイジングハートらしき杖を持っている。

「――――!? あいつ、たった一人で戦う気か!?」

なのはが現れたら途端に他の魔導師が一目散に離れていった。いくらラヴォスに通じないとはいえ

援護しないのかと思った。だが俺のその考えは今繰り出したなのはの攻撃で打ち砕かれた。








「う、嘘だろ! 何だ、あの力は!?」

『魔導師ランク推定SSS以上!? いいえもはや測定不能です!』

なのはの今の一撃で今まで攻撃してもまったくの無傷だったラヴォスの外殻を破壊した。

それでも破壊された外殻は全体の1割程度な上に破壊された箇所は再生を始めていた。

どっちも化け物だとしか思えなかった。

『――――ジン、なのはが何か喋っているようですよ』

ブレイブに言われてなのはの口に注目すると確かに何か喋っているようだ。

今度は聴覚を研ぎ澄ませなのはが何を喋っているのか耳を傾けた。



「破壊する……憎み合う……世界を……広げる者達……

私は創らなければならない……世界を……静寂でなければならない……

貴方達は……望まれていない……世界を創る……だから……撃ち抜く……のみ

貴方は…純粋な生命体には成り得ん私が……そう、私こそが……

創造……する……望まぬ世界を…破壊……ククク……フフ、フフフフ……

創造と破壊、破壊と創造……創造は破壊……破壊の創造……」



「そ、そんな……まさか! あれはアインストの!?」

あの言葉は確かアインスト化したキョウスケの言葉だった筈。

何であいつがアインストに!? 一体なのはの身に何が起きたんだ!?

そう俺が驚いている間にもなのはとラヴォスは激しい攻防戦を繰り広げていた。

どちらも一撃一撃が強大なエネルギーで攻撃している。

ラヴォスはあの図体なので攻撃を全て受けているが高い防御力と再生能力で地名的なダメージになっていない。

一方なのはは外を高速で飛んで攻撃を避けつつ砲撃を放っている。

だが流石に避けきれずダメージを受けるがアインストの力で再生をしている。アインストの力だと言うのは

再生した部分はアインスト特有の緑の触手なようなものと赤い球体によって補っているからだ。

お互いそれではきりが無いと判断したのか攻撃が中断された。

するとなのはは自分の上空に魔力を集束し始めた。だがそのm力の量がとても半端なく大きかった。

「なのはの奴、あんな馬鹿でかい魔力を!」

『なお増大中!』

まだ大きくなっていく、まるで超元気玉としか言いようが無い程の魔力の塊を作り出していた。

『ジン、あれを!』

「今度はなん――なっ!?」

ラヴォスも自身の上空になのはと同様の大きなエネルギーの塊を作り出していた。

あんなのを撃てばこのミッドが大変な事になるぞ!

『まずいです。このままあれらが激突したらそのエネルギーだけでミッドが滅びます』

星破壊って本気でドラゴンボールじゃないか!?

ってそんな事を考えている暇は無い。ブレイブの言うとおりなら一刻も早くここから逃げるぞ。

「ブレイブ! ゲートへ戻るぞ!」

『了解です』










テレポーテーションでゲートの前に転移してすぐにそのままブレイブによってゲートを開いて飛び込んだ

その瞬間に両者が作り出したエネルギーの塊がぶつかり合った。

ゲートが閉じる瞬間に見た光景が光に包まれたミッドの姿だった。

なのはとラヴォスがあの後どうなったかは知る由も無い。























これが俺が見た未来のミッドである。

元の世界に戻った後ブレイブがギリギリまで収集してくれたデータ、

あの状況からでは大した量では無かったがどうしてこうなったか調べる事にした。

それでまず分かった事がなのはがアインストになったのはある事故によるだろうと分かった。

その事故の詳細までは分からなかったが恐らくはあの

ガジェットⅣ型によって瀕死の重傷を負ったあの事故によるものだと推測した。

あれを防げば少なくともなのはは事故に遭うことも無いしアインスト化する事も無いだろうと思い

俺はその事故を防ごうと決意した。

そしてあのラヴォスの脅威に立ち向かわなくてはならないだろうと思い

俺はアレに対抗する為の様々な手段を考えるのであった。























 キャラ・デバイス紹介


・高町なのは

ある事故によって瀕死の重傷を負うがその事故の原因はアインストとの衝突によるもので

その事故でなのははアインストの手で復活することになりアインストに取り憑かれた存在となる。

それによってなのはの肉体は80%以上が未知の細胞となり

以前とは比べ物にならないほどの身体能力と魔力を得る事となった。




・レイジングハート・アインスト

レイジングハートが未知の技術で変貌しパワーアップしたもの。

全体の60%が解析不能のものに変質している。

フルドライブの際はアインスト特有の赤い球体や緑の触手が現れるのが特徴。

アインスト化したレイジングハート、なのはを自ら自己再生及び進化させるなど、

その力はもはや常軌を逸しており本当の意味で魔王、或いは冥王という存在になってしまった。





・アインスト

登場作品:スーパーロボット大戦シリーズ

生命が誕生するより遥か昔、地球をルーツとする生命を監視するために『思念体』によって

生み出された人造生命体。戦いに明け暮れる人類を見て現在の宇宙には不要と判断し、

全ての生命を抹殺した後に新たな生命を生み出そうとする。

なのはに憑依したこのアインストは何らかのトラブルで転移してきて

その時の転移でなのはと衝突事故を招いた。




・ラヴォス

登場作品:クロノトリガー

星に寄生する宇宙生命体。

『クロノ・トリガー』で語られるラヴォスの生態をまとめると、

宇宙から飛来し星へ衝突すると同時に星の内部へ地下深く潜り、星に寄生する。

寄生した星そのものを食らって力を蓄える一方、星のあらゆる生物の遺伝子を絶え間なく集める。

力を充分に蓄えると地表に現れ、地表に光の雨を降らせて世界を滅ぼす。

地表を自分のテリトリーにしてから、子供を産み落とす。この子供達は、

やがて新たな星に寄生する為に宇宙へ旅立つ。

その生態能力により衝突した星が後に時空管理局地上本部としてあらゆる世界に関わることになる

ミッドチルダに落ちたことで、その星の遺伝子だけでなくミッドに関わる世界の遺伝子も集め、

ゲーム原作のラヴォスよりも遥かに強力なラヴォスが誕生してしまった。

集めた遺伝子の情報からミッド式、古代、近代ベルカ式の魔法などの他に、

アレフガルド式の魔法や地球の魔術や魔法なども少しだけ使える存在となった。

また星間航行能力を有している上に次元間航行技術を持つミッドに落ちた事から

さらに次元間航行能力を有している可能性があったと推測される。





[7126] その16 無印編をクリアしたので次のイベントへ強制的に移ったようです
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/30 00:06

前回のあらすじ


ジュエルシード事件が終わってから

しばらく経ち、俺たちは穏やかな日々を過ぎしていた。

今回はその中のとある一日を話します。


























ウルトラでカオスなリリカル戦記


その16 無印編をクリアしたので次のイベントへ強制的に移ったようです
























「闇の書か……」

本来の名は「夜天の魔導書」、主と共に旅をして、各地の偉大な魔導師の技術を収集し、

研究するために作られた収集蓄積型の巨大ストレージデバイス。しかし、歴代の持ち主の何人かが

プログラムを改変したために破壊の力を使う「闇の書」へと変化した。

その改変により、旅をする機能が転生機能に、復元機能が無限再生機能へと変化してしまった。

これらの機能があるため、闇の書の完全破壊は不可能とされる。

『古代の魔法を蒐集しているならその位できて当然なのですかね?』

「元々は資料本だったというのに凄い変化だよなぁ」

また、真の持ち主以外によるシステムへのアクセスを認めない。

それでも無理に外部から操作をしようとすると、持ち主を呑み込んで転生してしまうという

念の入りようだ。ゆえにプログラムの停止や改変ができないので完成前の封印も不可能。

転生直後は、全頁が空白になっている。この頁は、魔力の源であるリンカーコアを

蒐集することで埋まるが、完成前に闇の書を用いて魔法を使用すると、

使用した魔力の分だけ再び空白に戻ってしまう。

頁は全部で666頁、一人の魔導師や生物のリンカーコアを蒐集できるのは一度きり。

このリンカーコアを蒐集することで、その術者の使う魔法をコピーする機能があり、

実際に原作でなのはのリンカーコアを吸収した闇の書の意志はスターライトブレイカーを放った。

ただし、コピーした魔法でも、元々の術者との魔法資質の違いで別の効果となったり、

術式を組み直す必要があったりする。

頁が全く埋まっていない状態でも自力で空中を浮遊して移動することができ、

ある程度頁が埋まった状態では自力で次元転移までしていたな。

一定期間、頁の蒐集がないと持ち主自身の資質(リンカーコア)を侵食する。

はやての身体の麻痺の原因がこのリンカーコアへの浸食が原因だった。

完成後は、持ち主が闇の書の意志(管制人格(マスタープログラム))と融合することで、

巨大ストレージ「闇の書」に蓄えられた膨大な魔力データの魔力を行使できる。

当然蒐集した対象の魔法も使え、莫大な魔力がある分オリジナルを上回る威力を生み出す可能性もある。

おまけにサポートも闇の書の意志が行ってくれる。なんつうチートっぷりだ。

ただし、所有者に選ばれても、蒐集によって魔導書を完成させた後に管制プログラム・防御プログラム

双方の認証を受けなければ管理者権限を得られず、機能の全てを使用することはできない。

そして、自律思考を持たない防御プログラムの破損によりこの認証が正常になされず幾度も暴走を起こした。

「とまあ、俺が覚えている情報はこんなもんかな……」

これからの戦いに備えて俺は自分の覚えている闇の書についての情報を整理していた。

『随分とまあ、物騒極まりない代物ですね』

「だな。改めてみるとホント恐ろしいものだな。まさにロストロギアと呼ばれるに相応しいモノだよ」

改変されたことでここまでやばい代物になるなんて、一体どんなことをすればこうなるんだが……。

『対策はあるのですか?』

「ぶっちゃけて言うとお手上げ。何も案が浮かばなかったら、原作通りにするしか無いな」

『その原作通りにうまくいくと思いますか?』

「……いかないだろうな。それは前の事件で学んだし」

ジュエルシード事件。原作ではPT事件と呼ばれたがこの世界ではジュエルシード事件という名になった。

それでその事件では原作に無いイレギュラーが続出だった。シエルさんの乱入に、ジ・エーデルの

26年前からの介入で歴史が少し変わっていた。だからこの先も原作通りには行かない。

現に俺たちはその例を見てしまったんだから……。

『ジン、今は目の前のことに目を向けましょう。アレについてはその後に考えることです』

「……ああ、そうだな」

ブレイブに言われ、もう一度闇の書の対策を検討した。












と言って再度検討してしばらく時間が経ったが

「外部からのアクセスは不可能というのが厄介すぎるよな」

グリッドマンやウルトラマンメビウスのように身体のデータ化ができれば中へと

アクセスできるかもしれないが、今の俺にはミクロ化することすらできないしな。

まあ所詮はウルトラマンもどきの力だからな……。

でもその方法も外部からのアクセスと見なされるのかな……?

『ジンの知識にあった、あれが使えれば便利ですよね』

「何かあったっけ?」

「モンスターズフォームに似た、というかパクッた……」

ああ、.hackね。けどパクッたなんて心外だな、こういうのはオマージュと言うんだ。

つうか俺が決めた格好じゃないしね。

まぁ確かにデータドレインが使えれば便利だよな。というかその力あったら

プログラムによって発動する管理局の魔法に対して最強ではないか?

例えばデバイスにデータドレインすれば無力化できると思うんだけど。

闇の書だってもしかしたら……いや流石のデータドレインでも外部からでは

無理かなと考える。というか無いものを考えても意味が無いと思った。

「あーー、どうしよ……」

『気分転換に外に出ますか?』

ブレイブがそんなことを提案してきた。

まあ確かにずっと家で引き篭もって考えてもいい案が浮かびそうに無いし、悪くないか。

ここの世界に来る前は今日のような休日はずっと家にいたけどな。

環境や状況が変わると人も変わるもんなのかなぁ~。そうと決まったら

ルルーシュに出かけることを言って俺は外に出かけたみた。

この何気ない行動で新たなフラグが立つことになるとはこの時は思いもしなかった。























「お、おーきにな……」

疲れた様子で関西弁、正確には京都風らしいのだが、そんな話し方をするのは、

次のボスキャラである八神はやてでございまする。

何で今まで一度も見かけたことが無かったのにこう唐突に出てくるのかと詳しく聞きたい。

あれか? 出かける前に闇の書のことについて考えてたからフラグが立ってしまったのか?

それとも無印の話が終わったから次の話に備えて会って来いという

強制イベントでも発動したとでもいうのか? などと何でこうなったのか考えたが

俺が特異点だからだろという結論に達して考えるのをやめた。

それで何でこうなったかと言うと外に出かけて気ままに歩いて公園まで来たら

公園の中で……何と言うか時代錯誤の不良三人組が何かを囲むかのようにいて

その囲まれている何かがはやてだったのだ。







「ンにするんだ。ンの野郎ぉぉおおお!!」

「ンのボケッぺらっぼァーーーー!!」

「でらッうェアー」

「あ、あのぅ、ごめんなさい」

不良語と言うのか? 何だかもう日本語でOKと言いたくなるほどの訳の分からん言葉を発している。

その不良に対して謝っているはやてだが聞く耳を持たないのか一方的に怒鳴り散らしている。

まったく子供に対してやることじゃないだろうと思いながら俺は近づいていった。

「しゃアッすぞおらぁッ!!」

「はい、待った!」

そんな訳で助けてしまった。はやての方は知らないだろうが、俺の方は知っているから

流石に見てみぬ振りができずこの紛争に介入してしまった。

まあこの状況ではいくら何でもほうって置けなかったし仕方ない。

「何をしたのかは知らんけどここまでしておくんだな」

「んだてめ~!!」

俺なら生身でもこいつらには勝つことは余裕だが騒ぎを起こしたくないしな。

……ならばこの方法だ。承太郎さん、貴方から教わった戦いの発想法を使わせてもらいます!

「いくぞ! うおおおりゃぁぁぁぁあああ!!」

俺ははやての車椅子を全力で押して公園から出ていった。これこそ空条家、いやジョースター家の

伝統的な戦いの発想法。それは…………「逃げる」ことだ!

「は? …………逃げよっただと!!」

「待ちやがれや、ボケぇぇええ!!」

まったく、こんな時にルルーシュがいれば奴らに「全力で見逃せ」とできるのに

何でこういう時に限ってあいつはいないんだよ!

「ちょ、ちょっと、はやっ! きゃーーーー!!」

はやてが何か言ってるがそんなことおかまいなしに全速力で逃走した。























そして今に至る。どうにか不良共から逃げ切って休憩している。

流石に生身で全速力で走ったから疲れたぜ。

「随分と荒っぽい運転やったけどホンマ助かったわ。

あっ、うちの名前は八神はやてと言います。君の名前は?」

「迫水仁だ」

「仁君って言うんか」

自己紹介ついでにどうして不良共に絡まれていたのか聞いてみたら

どうやらよそ見していた不良共がはやてとぶつかりイチャモンをつけていたそうだ。

やれやれどの世界にもああいった希少種がいるものだなとくだらないことに感心した。

「じゃあうちはここでおいとまするな」

「いや、これも何かの縁だし折角だからこのまま送っていくよ。またあいつらに見つかったら面倒だし」

「ホンマか? う~ん、ほんならお言葉に甘えてよろしゅうな」

というわけで家まで送って送ることになった。ついでに闇の書も見ておきたいしね。

























「今、お茶を用意するから適当にくつろいでてな」

「悪いな」

家に着いて、はやてはお茶を用意すると言ってくれた。

体が不自由だというのそんな気遣いをしてくれるなんてええ子だなぁ。

なのに10年経つとちび狸と言われるようになるなんて月日は人を変えるんだなとしみじみに思った。

それでくつろぐ前にリビングの方を見渡しているとお目当てのモノを見つけた。

「この本は?」

「それな、昔から家にある本なんや」

「ちょっと見てもいいか?」

「ええよ」

「これが闇の書か」

その本を手に取って俺は透視能力でスキャンを試みたが――――。

「…………うん、まったく分からんな」

『無理に続けて外部からのアクセスと見なされてしまいますからこれ以上はできませんね』

ホント厄介なこと極まりない。

「お茶が入ったで」

「あっ、サンキュー」

ひとまずははやてとの話でも楽しむか。







お茶をしながらお互いのことを話した。例えば自分たちの身寄りのこととか

お互い両親がいないという共通点があってはやては少し親近感を持ったようだ。

他に日ごろ何をしているとか近所の喫茶店のケーキが上手いだとか

色んなことを話して時間が過ぎていった。

「おっと、もうこんな時間か。そろそろ家に帰るわ」

「そっか。ほんま、今日はありがとうな」

「いいよ。別に気にするな」

最初は会っていいのか迷っていたが、まぁ助けて良かったと思える。

俺が帰る用意をしているとはやては寂しそうな顔をしているように見えた。

そんな顔を見て、俺ははやてにこう言った。

「また遊びに来るよ」

「ほんまに?」

「ああ、まぁ暇だったらな」

ぶっきらぼうに言って見せたがはやては嬉しそうな顔をしていた。

「楽しみに待っとるよ」

「じゃあまたな」

これが俺とはやての初めての出会いだった。








はやてと別れ、帰りの途中でさきほどはやてと話していたことで疑問に思ったことがあった。

「……なあ、ブレイブ」

『何か?』

「今まで疑問を持たなかったことなんだが……俺に親はいたのか?」

『どういう意味ですか?』

「俺はこの世界にやってきて、気づいた時はドクターの研究所だった。俺の魂というか精神は

現実世界からの元のままだが、この肉体はどうなんだろうかってことだ」

『その疑問に私は答えることができません。私もこの世界に来て目覚めた時は、

あの研究所でジンが目覚めた時と同じなのです』

「俺と同じ?」

「そうです。ですからこの世界での前の事は分かりません」

今更だが、俺の過去って一体どうなっているんだろうか?

「となると手がかりになるのはドクターだけなのか?」

『そうなるのでしょうね』

ドクターによって造られた存在じゃなければいいが。でも戦闘機人では無いのは確かだが。

或いは誰かのクローンという可能性もあるんだよな……。

『その件も重要ですが今は闇の書のことでは?』

「そうだな。今はそっちが先決だ。よし、とっとと家に帰ってもう一度対策を練るぞ!」

『了解です』























家に帰り夕食を済ませて、自室でまた対策を練る俺とブレイブ。

「やはり内部からのアプローチしかないのかな」

『ですがどのように行うと言うのですか?』

そうなんだよな。内部からと言ってもどうすればいいのやら

う~ん? そのことで何か忘れているような……。

『それにあれほどのプログラムを改変するのはジンでは無理でしょう?』

「えっ? そこはお前の出番では無いのか?」

俺はお前の力を頼りにしていたんだけど。

『無理ですよ。私ではあんなものをどうにかするなんて』

マジかよ。そうなるとどうするよ……。俺たち以外の人の力を頼りにするしかないか。

「先生に話してみるか? いやでもなぁ……」

もしくはルルーシュにか……。う~む、どう説明したらいいのやら

『そういえば、その二人で思い出したんですが、アレはどうなったんですか?』

「何、アレって?」

『ルルーシュのデバイスですよ。あれから音沙汰が無いですから』

そういえば忘れていたな。ルルーシュのデバイスか……。

その件もあるから色々とやることがあるなぁ……。うん? 待てよ…………。

「そうか、一応……手はある」

『何か思いついたんですか?』

一応だが、けどそれは条件が難しいというかホント出たとこ勝負な話だ。

「そうなると……やることが増えたな……」

これからのことを考えてゲンナリする俺だが他にいい方法が思いつかないので

取り合えずそれを実行できるようにやってみますか。しかしやっぱり他に協力者がいた方がいいかなぁ……。

『それで一体どんな方法を思いついたんですか?』

「ああ、実はな――――」

俺が思い浮かんだことを話したらブレイブに「それは博打というか何と言う出たとこ勝負ですか」

とコメントされてしまった。まぁ確かにその通りなわけで他の案を考えることになった。

はやての誕生日まであと2週間ぐらい?























 あとがき?


お久しぶりです。A'sを観ていたり、今後のネタを調べて観たり、

読んだりしていたら遅れてしまいました。

にしても久しぶりにA'sを観てたらはやての性格ってこんなだったっけ?

という印象で違和感を持ちました。






[7126] その17 そういえばヴィータって幼女だったな
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/30 00:06

前回のあらすじ


はやてと出会って仲良くなった。

闇の書対策で一つ方法を発見した。




























ウルトラでカオスなリリカル戦記


その17 そういえばヴィータって幼女だったな





















少し前からなのはとフェイトはビデオレターのやり取りをしていて

それをアリサとすずかにも見せてフェイトのことを知っている。

それで今回送られてきたビデオレターを観るのに俺も呼ばれ観に来たのだが、

俺は今とても居心地が悪い状況にいる。俺の隣にはなのはとアリサ、すずかがいて

そして俺たちの目の前に写されているテレビの内容で俺は身を縮ませている。

「アンタ、何時の間にこんな可愛い子と知り合ったのよ?」

アリサがとても怒っていらっしゃるのだ。

その原因がこれだ。ワン、ツー、スリー!





「お兄ちゃん、元気~!」

アリシアやめて! ほら、アリサがすごく冷たい視線を送ってくるんだけど!

「アンタ、背が小さいからって同い年の子にお兄ちゃんなんて呼ばせているなんて……」

「誤解だし! アリシアが勝手にそう呼んでいるんだよ!」

「じゃあこれは――」

アリサはリモコンを操作して早送りし、最後のシーンのところで止めると。

「じゃあね、お兄ちゃん。私の王子様」

「ア、アリシア!」

余計なことを言ったアリシアにフェイトが突っ込んだところで今回のビデオレターは終わった。

「ア、アリシアちゃんってフェイトちゃんのお姉さんなんだ」

「う、うん、双子のお姉さんなんだよ」

なのはとすずかがこの流れを変えようとして話すが、

でもそういう時はその原因のことを話すのは駄目だと思うんだ。

それからフェイトとアリシアの関係だが双子の姉妹ということになったらしい。

本当はアリシアはもっと歳が上なのだが事故からずっと肉体はそのまま変化していないし、

精神年齢も大して変化してなかった上、アリシアは見た目はフェイトよりも小さいが

自分はフェイトのお姉さんだと強く主張しこういう形になったそうだ。

ただそういった身分に関する問題があるのだがその辺のことは

リンディさんが何とかしてくれたようだ。あれ? リンディさんもジェパンニだったのか?

「王子様……ねぇ」

今度はすごく冷めた目で見てくる。なのはとすずかに助けを求めようと視線を送るが

(ごめんなさい)

と返ってきた。退路は絶たれてしまったようだ。

「そ、それも勝手に言ってることだ」

「うるさい! この……変態がぁぁぁ!!」

「チョバムッ!」

「じ、仁君!」

問答無用で殴られた。何だこの理不尽さは……。
























「モテモテやな、仁君は」

「どこがだ。まったく酷い目にあった」

場所が変わって今度は八神家にいる。アリサにブッ飛ばされた後はビデオも見終わって

次にこっちにやって来た。はやてと初めて会ってからは

何度かこうして遊びに来てこういった話をしている。

「うちも皆に会いたいなぁ」

「都合が良ければな」

アリサとすずかは習い事があるし、なのはは翠屋や魔法の練習があるしルルーシュも魔法の練習に

最近何やら調べごとをしているみたいだし。中々皆、忙しいのである。あれ? 俺って暇人なのか?

「そうやな仁君は暇人ってことやなぁ。……ニート?」

「小学生でニート呼ばわりは無いだろうが!」

こうして会いに来ているのに何て言い草だ。










「そういや、明日だよな、はやての誕生日」

「そうやで。なんや誕生日プレゼントでも用意してくるんか?」

そう実はついに明日となるはやての誕生日。つまりは守護騎士が登場する。

「いや、何も無いけど。おっ丁度飴を持っていたからこれでよければどうぞ」

「これはおーきに……って、いらんわ!」

「ナイスノリ突っ込み」

「そやろ、関西人なめたらあかんで。って違う!」

今日のはやてはテンション高いなぁ。

「なんや、無いなら期待させるようなこと言わんでくれるか」

「すいません。ではお詫びに俺の秘密を言おう」

「なんやそれ?」

「俺は実はな…………何だろう?」

「こっちが聞きたいわ!」

ずっこけたあとにすぐさまツッコミを入れるとはアリサ以上のツッコミ師だな。

「すまんすまん。こういう時は魔法使いなんだ。と言うところなんだろうけど

実際のところ俺は魔法使いでも魔術師でも魔導師のように魔法とか使わないからな~っと思って」

「なんやそれ。仁君は何か特別な力を持っているとかそう言いたいのか?」

「エレスコレクート!」

「?」

「スペイン語で君は正解だという意味だ」

「おお、スペイン語を喋れるなんて仁君、実は頭いいんやなぁ」

「実はってどういう意味だ。その辺のことについて話そうじゃないか」

でもスペイン語はそれしか知らないけどな。はい、勿論これって漫画の知識ですよ。

そんなわけではやてに俺が特殊な力を持っていることを説明し、

更にはやてが持つ闇の書について少し教えた。

「ほんまに明日の零時に守護騎士っていう人たちが現れるん?」

「エレスコレクート!」

「それはもうええわ」

「さいですか。ほんとほんと、嘘だったら針千本飲むから」

「針千本よりももっときつい条件にしたいわ」

例えばシャマルの料理を平らげろですか、わかりません。

「まあ、ええわ。そん時になったら考えるわ」

「あぁいいぞ、どうせそんな時は来ないからな」

自信満々に言ってやった。けどこの世界って色々変わっているからまさか守護騎士が出てこないって

事態にはならないよな……? ちょっとだけ心配になってきたぞ…………。























それで次の日、学校が終わって来てみた。

「おーい、はやているかぁ?」

「何だ、てめえは!?」

いきなしここにやって来た俺に驚いたのか有無を言わずに襲いかかってきた。

ふう良かった。ちゃんと出てきたかぁと安著しながらヴィータを……。

「フン」

「うわッ!」

相手の力を利用して投げ飛ばした。ふはは、油断している守護騎士など俺の敵ではないわ!

って、安心して何も考えずにノリで倒してしまった。

「ヴィータ!」

「はやてちゃん、下がっててください。ザフィーラ」

「心得ている」

ヴィータを倒してしまったので他の守護騎士が臨戦態勢になってしまった。ここはどう切り崩そうか……。

「何だ、貴様は?」

「ただのニートやで」

「そう、ニートだ!」

某主婦のように自分の方に親指を立てて答えた。でもその人みたいに迫力は出なかった。

修行が足りないせいか? 荒熊を倒すくらいにならないと無理なのか?

「って違うし! 俺ははやての友人だ」

シグナムの問いにはやてが答えたことをそのまま肯定してしまったがすぐに言い直した。

しかしナイスだ、はやて。お前が俺にネタをふったことで

お互い知り合いだと守護騎士たちは認識しただろう。

「お~、ノリ突っ込み。やるやないか」

「やってやるさ。はやてに出来て俺に出来ないはずが無い」

「何だかその発言に異議を唱えたいけどそれよりも、

仁君の言ったとおり、ホンマに現れたんよ!」

「ははは、俺の言ったとおりだろ」

「主はやて、お知り合いですか?」

俺とはやてで話が進んでいるところにシグナムが話しかけてきたところで

はやてに俺のことを紹介してもらった。取り敢えずは武器を下ろして警戒は一応解いてくれたが

それとは別にさっき投げてしまったヴィータに叩かれた。

「先に仕掛けてきたのはそっちだろうにこっちは正当防衛なのに……」

「まあまあ、というわけで仁君も買い物に手伝ってや」

ぶつぶつと文句を言っているとはやてにそんなことを言われた。守護騎士たちに合う服が家に無いので

買いに行くのに手伝ってほしいらしい。まあ確かにその格好では外に出れないからな。

「それは分かるが何で俺まで行かないといけないのだ」

「うち一人だと大変やし」

「ならば我々と行きましょう」

いや、それでは意味無いだろうが。

「仕方ない、分かったよ」

「迫水と言ったな。もしも主はやてに何かあれば……」

そう言いながら殺気を放ちやがった。おっかねえよ!

「じゃあ、そこのワンコロも一緒に来ればいいんじゃないか?」

「…………狼だ」

訂正するザフィーラ。彼なら犬……じゃなく狼形態になれば問題無いだろう。

でも俺からすればその姿でも変だと思うのだがよく近所の人たちは普通に接しているものだなと思う。

「ほんなら行ってくるから留守番よろしくな」

これが守護騎士たちとの邂逅であった。























そんなこんなで八神家に新しい家族ができたことでにぎやかになってからしばらく経ち。

「ザフィーラが一番まともだよな」

そんな結論を述べた。

「何だ、藪から棒に」

「だってさぁ、聞いてくれよ。他の守護騎士たち何だけど」

八神家の庭でくつろぎながら俺はザフィーラに最近の守護騎士たちとの交流について語った。







シグナムの場合


「迫水よ、私と手合わせしないか?」

そのやらないか的なノリで言うのは辞めてもらいたいのだが。

「いやだ。お前とは戦いたくないぞ」

どうやら先日、油断していたとはいえヴィータを投げたことで俺に目を付けたらしい。

だが誰がバトルマニアの相手なんかするか。

「騎士の申し入れを聞かないとは、迫水、それでも戦士か?」

「いや、戦士じゃないし、ただの小学生だし。むしろ小学生相手に本気で

戦おうとするなんてどうかと思うし」

「強者に年齢など関係無い。さあ果たしあ……逃げる気か!」

「だから戦わないって言ってるだろうが! つうか会うたびにそんなことを言ってんじゃねえ!」

シグナムに会う時はいつも逃げるところから始まる。







シャマルの場合


「あっ、仁君。ちょっと味見してもらえませんか?」

「味見ではなく毒見だろ。シャマル的に考えて」

「ひ、酷いです! これでも練習しているんですよ」

とは言ってもなぁ。まあ見た目は悪くない。というか美味しそうには見える。

だけどなぁ……そう思いながらも味見をしてみる。

「ど、どうですか?」

「…………すごく……微妙です……」

「そ、そんなぁ~」

「何を入れたんだ?」

「ココアパウダーと味噌です。これが隠し味になると聞いたので……」

そっか、ボルシチだからそれは入れちゃうよね、お約束だよね。……って!

「一から修行して来いやぁぁぁ!」

「ひぃ~~~!」

いつかルルーシュに料理の先生やってもらおう。そう固く決意した。







ヴィータの場合


「ヴィータ、俺のアイスは?」

「食った」

「うおい! 一人一個ずつで買ってきたんだぞ!」

「へへ~ん。こういうのは早い者勝ちだぜ!」

「食い意地ばかり張りやがって、それでも騎士か!」

「んだよ、やるか?」

「上等だ」

「「よし勝負だ!」」





「これで、終わりだ!」

「そこでメテオスマッシュかよ!」

ケンカになると勝負はゲーム対決になる。守護騎士もはまる。それがドラゴンボールクオリティ。







「とまあこういう感じでだ。あいつら俗世に対する適応能力が高すぎじゃねえ?」

「……お前の言いたいことは分かったが、しかしシグナムはそれに該当しないのでは……」

ザフィーラが最後に何か言ったが無視して他の事も話す。シグナムは近くの剣道場で非常勤の講師、

ヴィータは老人会のゲートボールチームに入る、シャマルは奥様方との交流をしていているなど。

ここまで日常に溶け込めるものなのかなぁと思った。

「お前の言いたいことは分かる。現に我ら守護騎士は闇の書の完成だけを目指して生きていた。

だからなのだろう。今のような穏やかな日常というのは縁が無かった故に

新鮮に感じ受け入れているのだろう。それにそれが今の主の望みでもあるからな」

今と昔との自分たちを比べているのかしみじみと語るザフィーラ。

「要するに守護騎士がこうなったのははやての影響ということ?」

「そうだ、今の主だからこそこうなったと言えるだろう。それはいい意味なのだと我は思う」

かつては闇の書の完成のためにあらゆる敵と戦って多くの血を流してきたんだよな。

だけど今じゃ…………。






「オイ! 仁。てめえ、あたしのアイス食っただろう!」

「この間のお返しだ。自分で言っただろう。こういうのは早い者勝ちだとな」

「てめえ……あたしのアイスを奪って……覚悟はできているんだろうな」

「ちょっ! 何でグラーフアイゼンを構える! こういう時はゲームでケリをつけるのが

暗黙のルールだったろうが!」

「うっせえ! 食い物の恨みを舐めんな!」

「うおッ!」

問答無用で襲い掛かってきたがヴィータの攻撃を避けていくこの程度の攻撃、

逃げに徹すればどうということではない。などとヴィータとじゃれている時に。

「何だ、迫水来ていたのか。今日こそ勝負を……」

「仁君、丁度良かった。新しいメニューの味見を……」

シグナムとシャマルが現れた。

「こんな時にお前らと遊んでいられるか!」

流石に三人相手は面倒だ。というわけでここは逃走するのみ――。

「今日こそは逃がさんぞ」

しかしまわりこまれてしまった。何だと!

「ヴィータの相手ばかりでなく私とも相手をしてもらおうか」

「じゃあ、それが終わったら私の料理の味見をしてくださいね」

何でやねん! というか決定事項かよ。

「さあ、いくぞ」

「アイス~!」

何でこんな目に遭わなくてはならんのだ。









「なんや、仁君は人気者やなぁ」

「……」

「どうしたんザフィーラ?」

「いえ、迫水とは何だか以前にどこかで会ったような気がして……」

「? 気のせいやろ」

「……えぇ、ただの思い過ごしでしょう」

「待ちやがれ! コラァ!」

「敵前逃亡とはそれでも男か!」

「こういうのは戦略的撤退と言うんだよ!」

八神家から出て数時間ばかり逃げ回っていた。

こんな騒ぎがありしばらくは八神家には行かないようにした。

















余談

『ところでジン』

「何だい?」

『どうして先にはやてに闇の書のことを話したんですか?』

「ただ単にトラブルを避けるためだよ。だってあいつ守護騎士たちが現れたときに気を失ったから」

『成程。確かに何も知らずに目の当たりすれば驚きますよね。はやての心身に気を遣ったわけですね』

「いや、違うけど」

『えっ?』

「気を失ったはやてを守護騎士が最初の格好のまま外に出るのを止めるためだったんだが」

それで病院に行って石田医師に警戒されていたしな。

『はやてのためでは……』

「というかその周りの人たちへの無用なトラブルを回避するため」

原作ではよくあの格好で外に出て怪しまれないというか噂にならなかったよな。

『そうなんですか』

「そうだが」

『……変なところで気を遣いますね』

「そんな……褒めるなよ」

『褒めてない褒めてない』
























 あとがき?


日常会話がうまく書けないというか

長く書くことができないことに気づいたこの頃。

あとはやての関西弁も上手く書けているのか気になる。

そしてキャラが増えていく。悩みの種がいっぱいです。

もっと深みがあるように書けるようになりたいです。

……あぁ、でも……ゴロゴロしたい。






[7126] その18 なのははわしが育てた。ということになってしまったようだ
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/05/17 20:32

前回のあらすじ




守護騎士がついに登場。

守護騎士と仲良くなっていった。

ふとアリサとアリシアって名前似てないか?

とそんなどうでもいいことを思った。


























ウルトラでカオスなリリカル戦記


その17 なのははわしが育てた。ということになってしまったようだ























「え~っと、つまりここが……こうで……」

『違いますよ、ここはそっちですよ』

「あれ? そうだっけ?」

『それでは上手く機能せず、最悪爆発しますよ』

「あっ、あぶな!」

「相変わらずのようだな」

勉強中のところにルルーシュが話しかけてきた。

「その調子だとあまり成果は挙がって無さそうだな」

「仕方ないだろ。俺はどちらかといえばお前と同じソフト派なんだから。

ハードウェアのことはホントによく分からん」

愚痴をこぼしながらもブレイブと一緒に本を読みながら再開する。

今やっている勉強というのはデバイスのことだ。近いうちにルルーシュのデバイスが完成して

こっちに届くことになるのだが、そのメンテナンスをする人間がいないのでその勉強だ。

自分のデバイスなのだから本当ならルルーシュがやるべきことなのだが、

そのデバイスはかなり複雑なプログラムで作られ、その量がかなりあるので

さすがのルルーシュでもソフト面までしか面倒が見れないので

ハード面の方はなぜか俺が担当することになった。

そう指示したのは製作者である先生なのだが先生曰く、これを機にデバイスの技術を学び

ブレイブの技術を理解できるようにしなさいと言われた。そんな無茶なと思ったのだが

もし勉強してデバイスを作れるようになれば皆のデバイス改造できるんじゃねえか?

と考えた俺は頑張って勉強している。けれど現実は残酷である……。

















わかんねえぇぇぇぇよぉぉぉ!! 俺は情報系で機械系じゃないんだよぉぉぉ!!

……まあ情報系と言っても、ルルーシュみたいに高度なプログラムは打てないし

そこまでプログラムが分かるわけでもないのだけどね。

それを考えるとティアナとスバルはすごいよね。自作のデバイスなんて、

俺も今までいくつか作っているけど全然上手くいかない。

しかもティアナの場合はカートリッジまで搭載しているし

たまたま上手くできたデバイスに搭載して

試しにルルーシュがテスト機動して使ってもらったら暴発して

部屋が大変なことになった。その後ルルーシュに怒られてしまい、

説教後はちゃんと掃除して部屋を戻したけど、夕飯は抜きにされてしまった。

あんた、鬼か! と涙を流し抗議したら「明日から飯はいらな「私めが悪うございました!」そうか」

ということがあった。もはや家の中でルルーシュに逆らうことが出来なくなってしまったよ……。

にしてもルルーシュはまじで主夫だなぁと思った。

この世界にいると思われる正義の味方に憧れることになる予定の少年といい勝負かもしれない。

実際どっちが上だろうか? 一度勝負させてみたいなと思ってみた。

いや、そんなことよりも、このままではデバイスマイスターになって

皆のデバイスを魔改造するという俺の計画が……道のりは険しいのぅ…………。

あ、あとそうだ、カートリッジシステムと言えば今度のフェイト宛のビデオレターに

そのデータを入れておかないと、フェイトの嘱託魔導師合格祝いも兼ねて。

この前来たフェイトからのビデオレターで嘱託魔導師試験に受かったと言っていた。

それでその試験官はやっぱりクロノだったんだけどそのクロノの魔導師ランクがSランクらしい。

原作だとクロノって確かAAA+だったがこの世界では原作よりも強いということだ。

しかも接近戦でフェイトを圧倒したという驚くべき話だった。

あれ? ここでも何だか変化が起きているぞ。そういえば以前、アースラでリンディさんと

話していた時も何だか様子がおかしかったような。一体全体クロノに何があったのだろうか。

まぁ所詮クロノだから別にいいが、それでアリシアもフェイトがそういったことをやっているから

自分はデバイスマイスターになると言って勉強しているようだ。しかもすでに俺よりも

勉強が進んでいるようだ。流石はプレシアの娘と言うべきか。そのプレシアは裁判の真っ最中。

けれど裁判の判定は無罪になるらしいので。取り敢えずは一安心だ。

フェイトとアリシアがアースラの手伝いなどの管理局への貢献で何ステップか

進んで早く裁判は終わると言っていた。

俺も二人に負けないよう頑張っているのだがこのペースでは

A's本編までになのはのレイジングハートを強化できそうにないな。

まあレイジングハートは最悪アースラに任せるとしても、Stsの時までには間に合わせたいな。

けどあと10年あるとはいえ、こんなペースで果たして間に合うのかなぁ……。

『ところでジン、そろそろ約束の時間ですよ』

「あっ? もうそんな時間か」

勉強に集中していて分からなかったな。

「何かあるのか?」

「ああ、これからなのはの訓練に付き合うことになっているんだ」























約束通りに、俺はなのは、ユーノが既に待っていた公園へとやって来た。

今日はなのはと俺の模擬戦形式の訓練を始めることになっている。

「やれやれ、なのはと戦うことになるとはな」

すごく、嫌なんですけど。

「よろしくね。仁君」

こうなったきっかけは今までユーノに魔法を教わり、スペッキオの元で実戦訓練をして、

俺からはほんのちょっとのアドバイスをしていただけで今まで一度も模擬戦をしていなかったことを

なのはに言われてこうなった。というのも先生からちゃんと訓練しときなさいと注意された時に

言われたのでこうして実戦形式の訓練をやることに断れなかったのだ。

俺が訓練をサボっていたことがばれたのはルルーシュがチクッたのだが原因だ。

ユーノが家に来てからはユーノから魔法を学んでいて毎日訓練しているからな何も言い返せなかった。

こういうのを日頃の行いというやつと言うのであろうか……。









「じゃあ、はじめ」

ユーノの合図でお互い空を飛ぶ。

「ディバインシューター」

いきなし仕掛けてきたなのはだがその攻撃をひらりと避けてすぐさまなのはに接近する。

「ナイトビームブレード」

光剣を出してなのはに斬りかかるが。

『Protection』

すかさず防御魔法で防がれるが、更に攻撃を仕掛ける。

「ハンドスライサー」

エネルギーを集中させた右手のチョップを光剣で斬りつけている箇所に攻撃する。

「わっ!?」

流石に集中して攻撃しているのでバリアにヒビが入った。このまま攻撃を緩めずに破壊しようとする。

「ううぅぅぅぅ」

目の前のなのははバリアが破られないよう力を込めているが、

こちらを見ずにどこかを見ている。何か狙っているのか?

『ジン!』

ブレイブから警告を受けた時、さきほど避けて飛んで行ったディバインシューターが

戻って来てまた俺に襲い掛かってきていた。

「ちっ!」

それを避けて、なのはから離れる。

「仕切りなおしか」





俺が接近戦で攻撃してもなのはの強固なバリアによって防がれる。

なのはは誘導弾で巧みに仕掛けてくるが避けたり切り払いをして防ぐ。

勝負は互角といったところだ。昼間で太陽の光が降り注いでいる中でも

なのはは俺と五分五分にやり合っている。あれ? つうかホントに強くなってないか?

「もう一度、ディバインシューター」

二つの桜色の誘導弾が襲い掛かる。空を翔けながら避けているが速い。

「この、ウルトラスラッシュ」

二つの光輪を撃ち誘導弾を相殺した。

「ディバイィィン、バスターー」

するとその隙にすかさずバスターを撃ってきた。

「やっば! ウルトラバリヤー!」

即座にバリアを張って防ぐが即行で張ったバリアでは完全に防ぐのは難しい。

「ぐううぅぅぅ! ハアァ!」

どうにか防いだが、結構エネルギーを消費してしまった。と気を抜いている間に。

『ジン!』

「!? ちぃ」

今度はまたディバインシューターで攻撃してきた。ブレイブに言われてすぐに避ける。

そのまま避けながらディバインシューターを打ち落としていった。

「惜しかったな。けど中々良い攻撃だったぞ」

実際のところは危なかったけどな。だけどそれを表に出さずに言う。相手にそういう

弱いところを見せればそこを付け込んでくるからだ。たとえなのはが相手でも

気を付けなくてはならない。そう思っていると――――。

「なっ!? バインドだと!」

バインドに縛られてしまった。しかもこれは設置型の。何時の間に仕掛けていたんだ!

『どうやらこれが狙いだったようですね』

「見ていない間にここまで強くなるとは」

流石は高町家の人間と言うべきなのだろうか、血は争えんな。

などとなのはの成長に感心していると、当の本人はとんでもないことをしようとしていた。

「えっ!? ちょ、ちょっと、待て! まさかそんなもんを撃つ気か!」

「ちょっと試してみたかったの。丁度いいから受けてみて、新しいスターライトブレイカーを!」

何が丁度いいだ! そんなもん食らったら死ぬぞ。精神的にも肉体的にも。

「大丈夫、ちゃんと非殺傷設定だから!」

そういう問題じゃねえ! いじめか! そんあ俺を苛めて楽しいか!?

それにしても新しいスターライトブレイカーだと? ……って、まさか!

「ユーノ! お前も防御しておけ! 巻き添え食うぞ!」

「えっ!?」

『3,2,1』

などと言ってる間にカウントダウンが。

「いくよぉ! スターライトぉ……」

嗚呼、どうか五体満足でいられますように……。

「ブレイカーっ!」

『Stralight Breaker』

「ぎゃああああああああああああ!!」

俺なんかのバリアじゃあ当然防げるはずも無く直撃した。しかもバリアジャケットまでも

破壊されてしまった。そして周囲の結界も破壊し、撃ったなのはとユーノにも余波を受けて

ダメージを受けることになった。








「な、なのは……大丈夫……?」

「な……何とかー……」

『sorry my master』

ユーノがなのはの安否を心配するがむしろ先に心配するのは撃たれた俺の方だろうが!

などとまだ回復しきれず倒れているとなのはとユーノが俺の方に近づいてきた。

二人も俺ほどではないがボロボロであった。

「あ、あの~……仁君、大丈夫?」

心配しながら声を掛けてきたなのは。だけどこうなったのはお前のせいだからな。

だから俺は言ってやった。

「お前、なんかとは……もう二度と……戦わねぇ……」

そう心に固く誓った出来事だった。


























 余談


「なのはに負けたのか?」

「いや……あれは、引き分け――」

「お前の方が年季が上、しかもなのはは少し前に魔法を身に付けたというのに負けるとはな。

少し情けないんじゃないか? 訓練をサボっているいい証拠だ」

などとルルーシュに言われ放題だった俺は――――。









「頼もう! スペッキオ! 勝負だ、コラ!」

「ど、どうした? そんな気合いれて?」

と勉強の合間を縫っては訓練するすることになったというどうでもいいプライドの話だった。

打倒、悪魔……いや……魔王、高町なのは! やってやんよ!
























 魔法紹介


・スターライトブレイカー++

これまでの特訓からスターライトブレイカーVer.2を改良したバージョン。++はプラス2と読む。

チャージ時間を長くする事で威力を高めただけでなく

「結界機能の完全破壊」と「防御魔法の貫通」の効果が付加した。

最短でも10秒間のチャージが必要でその間は動く事ができない欠点がある。

この事について

クロノ曰く、「理論でなくて感覚で魔法を組む子はなんとも恐ろしい」。

仁曰く、「何だか着実に魔王へとレベルアップしているな……」。

フェイト曰く、「凄いよね。私も負けてらんないなー」。














 あとがき?


「無効化」はやりすぎと指摘を受けましたので「貫通効果」に変更しました。

それでも十分強いですけどね……。





[7126] 迫水仁の技一覧・無印編
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/04/26 19:54





通常時でも使用可能な技


・キャッチリング

相手の動きを封じるための光線。発射した光の鎖で敵を締めつける。

オリジナルと違って自分は回らなくてもいい。

元ネタ:ウルトラマン


・テレパシー

遠くの人物と会話ができる。

元ネタ:ウルトラマングレート


・透視能力

姿を消した敵を探し出したり、厚い壁の向こう側を透視する。

元ネタ:ウルトラセブン


・ウルトラサイン

光のサインを打ち出し、遠くの人物にメッセージを送る。日本語やミッドの言語でも可能。

元ネタ:ウルトラ兄弟


・テレポーテーション

通常空間から異次元空間へ瞬時に移動が可能。

場所をイメージしたり、相手の気配や魔力を感じることができればそこに移動することができる。

しかしかなりのエネルギーを消費し、多用すると最悪、自身の寿命を著しく縮めることがある。

仁は夜でも二、三回くらいまでなら使用できる。それ以上の複数回使用する場合は

太陽エネルギーをチャージする必要がある。

しかし移動する距離によって消費するエネルギー量は変化する。

元ネタ:ウルトラマン、DBの孫悟空、DQのルーラ


・ウルトラチャージ

自分のエネルギーを与える。

元ネタ:ゾフィー


・ウルトラショット

手先から発射される針状の光線。掌を重ねて撃つと連射が可能。威力は弱いので威嚇用の技。

元ネタ:ウルトラセブン






ライトモードで使用可能な技


・ウルトラサイコキネシス

別名、ウルトラ念力。強力な念力で敵の動きを止めたり、投げ飛ばす事はもちろん、

雲を動かして気象を変化させる事も可能。他にも透視能力や感知能力などもこの力の応用である。

通常時でもある程度のことはできるが、ウルトラセブンのように人間のままで

怪獣の動きを止めるような大きな力は使えない。

元ネタ:ウルトラセブン


・ウルトラバリヤー

光の壁で敵の攻撃を防ぐ。状況に応じて、大きさと形を変化させる。

元ネタ:ウルトラセブン


・ウルトラシャワー(未使用)

水や消火液を噴射する。

元ネタ:ウルトラマンタロウ


・ウルトラスピン

高速スピンして突風を発生させ、雷雲を吹き飛ばした。糸を振り払うために使用している。

元ネタ:帰ってきたウルトラマン


・ハンドスライサー

エネルギーを集中させた必殺チョップ。

元ネタ:ウルトラマンレオ


・ライトニングカウンター

エネルギーをプラズマ電撃に変えて、左拳から放つ電撃光線。

元ネタ:ウルトラマンメビウス


・ナイトビームブレード

ブレイブハーツから現われる光の剣。

元ネタ:ウルトラマンヒカリ


・ウルトラスラッシュ

別名、八つ裂き光輪。エネルギーをリング状に丸めたもので、外周にのこぎり状態の突起がある。

相手の体を切断するために用いられる。まず両手を胸の前に水平に構えた後、

挙げた右手を振り下ろす動作で投げるように発射される。

最大、三つまで同時に出せて、自在に操作できるが、その分エネルギーを多く消費する。

元ネタ:ウルトラマン


・スペシウムバスター

腕を十字形に左右の手刀を交差させて右手から発射する破壊光線。右腕にマイナス、

左腕にプラスのエネルギーが蓄えられ、それをスパークさせて発射する。

仁の必殺技。威力はディバインバスター級だがチャージ無しで撃てるのが利点。

元ネタ:ウルトラマン









・仁の能力について(ライトモード)


仁の能力は全ての能力値が平均的の器用貧乏でその点においてなのはやフェイトよりも

優れているが砲撃や防御ではなのはが、近接戦、スピードではフェイトが一枚も二枚も上である。

その二人よりも秀でているのが生身での身体能力と実戦での場数ぐらい。

あとは【光吸収】による能力アップによって二人を圧倒することができる魔力量である。

光の力無しでも常人相手なら圧倒できるくらいには鍛えてはいるが

シエルやアンデルセンといった強者とガチで戦った場合、数分もてばマシな程度の強さである。

しかし最初から逃げに徹すればナルバレックや宝石翁などの相手からでも逃げきることができるという。

よく魔術サイドの人間から宝石翁の弟子と言われているがあくまで助手である。

仁曰く、「助手ではなく弟子だったら俺は今ここに存在していないだろう。

弟子入りだったら間違いなく廃人になっていただろうな……」としみじみと語っている。

現在、ある目標に備えてデバイスマイスターの勉強と戦闘訓練中。








 おまけ


・各キャラの強さ


味方キャラの強さの順番は以下の通り。


シエル(本気)>>>超えられない壁>>>仁(ダークネスモード)≧シエル>>>クロノ>>なのは

≧仁(ライトモード)≧フェイト>>コーラサワー>アルフ≧ユーノ≧ルルーシュ


*シエル(本気)は第七聖典装備に魔術行使する状態です。

*コーラサワーはエース級には敵わないという仕様です。


とまあこんな感じです。またなのはとクロノは原作に比べて強くなっています。





[7126] A'sの01 闇の胎動(改訂版)
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/05/17 20:36


夢を見た。

とある世界にて4人の騎士たちと守護獣が

戦場であらゆる敵を打ち倒していた。

その5人と一緒に戦っている一人の男。

そんな夢を――――。





















 ???


暗い薄気味悪い空間に私がいる。これは恐らく夢なんやとは理解しているのに

とても現実感がある怖さがある。体を動かす事ができず、声も出せない。

ただこの光景を見て、何かを考える事しかできへん。

こんな夢をここ最近になってよう見るようになっている。

そしてこの夢が終わる頃になると――――。

『――――フハハハハハ!』

不気味な何かが嗤うのを最後に私は夢から覚める。












「う、う~ん……」

目を開けて最初に映ったのはヴィータの寝顔だった。すやすやと眠っている顔を見るのが

ここ最近の朝の日課になってきているなぁと思った。

何だか怖い夢を見たような気がするが直ぐにそれを忘れて

私は今日も皆との平穏な一日を過ごす。























ウルトラでカオスなリリカル戦記


A'sの01 闇の胎動
























「やっぱり無理だ~~。できねぇよぉ~」

『諦めたらそこで試合終了ですよ』

「安西先生、デバイスマイスターになりたいです」

クーラーは人類の至宝。そう思いたくなる暑い夏のこの頃、俺は夏休みの宿題をしている訳ではなく

デバイスマイスターに向けて勉強中なのです。でもさっき言ったように――――。

『まるで成長していない』

「言わないで~。自分でもここまでヘッポコだとは思わなかったんだから~」

ブレイブの言うとおりあれから成果が上がらないという。某金髪に染めた博士に「無様ね」

とか言われるくらい駄目駄目なわたくしであります。

「くそう、学校の図工の成績は「だいたいよい」だったのに……」

『そこは「よい」と言うところでしょうが』

工作はともかく絵がヘタだから「よい」はもらえなかったんだよ!

『まったくルルーシュは既に目標達成しているというのに、貴方ときたら……』

今さらだがあいつは本当に天才だなぁと思ってしまう。デバイスのハード面は分からんが

ソフト面に関しては優秀である。伊達に絶対守護領域とか拡散型構造相転移砲の

計算を瞬時に打っていただけの事はあるよ。

「……そう言えばルルーシュはどうした?」

『ルルーシュでしたら買い物に出かけましたよ』























 ルルーシュ side


今日は図書館へ本を返しに行った。まだこの世界の事をよく知らないので歴史や産業などといった

情報を得る為に本を借りている。パソコンでもそういった情報を収集できるが本の方が

詳しい事が書かれているのもあるのでこうしてたまに来て借りている。

「ルルーシュ君ってそういった本をよく読むの?」

「まあな。社会に出た時にこういった事を知っておくと色々と便利だからな」

今日は図書館で偶々すずかと会って一緒に帰っている。

すずかもよく図書館を利用しているらしくこうして本を借りている。

「すずかは何を借りたんだ?」

「私はグリム童話を」

どうやら最近はそういった童話を読んでいるらしく夢中で話してくれた。





話しながら歩いて公園まで来ると――――。

「今日は逃がさんぞ、ワレェ!」

物騒な声が公園から聞こえた。どうやら不良共が車椅子の少女を囲って恐喝紛いな事をしているようだ。

まったくあのような輩はどこにでもいるのだな。

それにしても車椅子の少女か…………。

「どうしよう、ルルーシュ君」

彼女が心配なのかあの状況を見て動揺している。

「あの子話した事は無いけどよく図書館で見かける子なんだ」

そういえば俺も何度か見かけた事があるような気がする。だがなるべく見ないようにしていた。

車椅子の少女というのは俺の最愛の妹を思い出してしまうから……。

「――――ここで待っててくれ」

すずかにそう言い俺は絡まれている少女の所に行った。

「おい」

「あぁん、何やワレ!」

頭の悪そうな不良達に話しかけてコンタクトを外しこう言った。

「こんなところで油を売っていないで家に帰って勉強でもしていたらどうだ」

「――――あぁ、そうする」

俺の持つ特殊能力、管理局風に言うとレアスキルだったか。

その力、「絶対遵守」の【ギアス】を使い不良共を家に帰した。

「大丈夫か?」

「お、おおきに」

助けた車椅子の少女は関西弁を話す子だった。その女の子は俺の顔をじろじろと見ていた。

「……もしかして、ルルーシュ君か?」

「は? 確かにそうだが」

「やっぱそうかぁ。仁君から聞いていた通りや」

仁の知り合いなのか。

「ルルーシュ君、大丈夫だった?」

待っていたすずかがこっちにやって来た。そのすずかを俺と同じように見て。

「ひょっとして、すずかちゃん?」

「えっ! 私の事知っているの?」

「仁君から聞いたで」

どうやら俺たちの事を話すくらい仁とは親交があるようだな。これは話を聞かせてもらわないとな。


 side out























久々にはやてからお誘いの連絡が来たのでやって来たのだが……。




「どうなっているんだ……これは?」

はやての家に上がって見た光景は俺の予想を上回る事であった。

「だから何度も言わせるな! 余計な物は入れるなと言っているだろ! 料理を舐めるな!」

「ご、ごめんなさい!」

「いいか、シャマル。料理を美味しいと言わせるのは不味いと言われる覚悟のある奴だけだ!

誰だって最初は上手く美味しくは出来ない。俺だってそうだった。

だから不味いと言われてもそれを恐れずに料理を作り続けるのが

美味しい料理を作る道だと知れ!分かったか!」

「は、はい!」

「そして! 素人風情が自分勝手な味付けなど百年早いと知れ!」

「ご、ごめんなさい!」

はやての台所でうちの同居人がシャマルに料理を教えていた。

「あ、仁君、いらっしゃい」

はやてが俺に気づいて声を掛けてくれる。

「なあ、これってどういう状況なんだ?」

俺ははやてに問いかける。台所もそうだがリビングでも――――。

「ルルーシュの料理ってギガうめえんだぞ! な、な、なにょは?」

「なのはだよ! な・の・は!」

「だぁぁぁ! 呼びづれぇ!」

「逆ギレ!?」

台所ではルルーシュが、リビングではヴィータとなのはが話をしていて

案の定、名前を言いづらそうにしていた。

他にもアリサとすずかがシグナムとザフィーラと一緒にいた。

犬好きのアリサはザフィーラの事をえらく気に入ったのか抱きついている。

「それにしても何時の間にか、知り合いになってたんだ?」

「つい最近やけどな」

どうやら先日俺と出会った時のように不良共に襲われていたところをルルーシュが助けたらしい。

そこにすずかもいてそれから友達になったそうだ。

それからよく家に遊びに来ていたらしい。成程な、最近家を出ることが多かったのはこの事だったのか。

「それで以前、うちに遊びに来た時に料理を作ってくれてな。

その時にルルーシュ君の料理がめっぽう上手くてな」

「それでシャマルが料理を教えてくれとでも言ったのか?」

「そういう事や」

はやての話を聞き、もう一度ルルーシュ達の方を見ると。

「塩が薄いよ! 何やってんの!」

「す、すみません!」

ルルーシュよ、それではブライト艦長みたいだぞ。にしても中々のスパルタぶりである。


でもルルーシュがシャマルを叱るのは性格的にもキャラ的にも別におかしくは無いのだが、

う~ん、でも違和感があるな。――――武装錬金的な意味で。

「あっ、仁君」

ヴィータと話していて騒いでいたなのはが俺が来た事に気づいてこっちに近づいてきた。

――――何故か物凄くいい笑顔で。すごく、嫌な予感です……。

「ねぇ、仁君」

ビクッ! なのはに声を掛けられただけなのにビビッてしまった。

「仁君大分前からはやてちゃんと友達になったみたいだけど……。

どうしてはやてちゃんの事、黙っていたのかな……」

俯きながら話さないでくれるかな。とても怖いんですけど……。

「そうよ! どうして言わなかったのよ!」

そこにアリサが出てきて俺に文句を言ってくる。いや俺としてはこの後に控えるイベントを消化してから

会わせようとしていたんですよ。なのに俺のその思惑からどんどん離れてしまってですね……。

「うちの事を独占したかったんちゃうかな?」

はやてさーん! 面白がって爆弾を投下しないでくれませんかぁ!

「えぇ! 仁君、はやてちゃんの事が……」

「違うわ!」

真に受けるなよすずか! って、アリサさん。目が据わってますよ…………。

「――――ちょっと、そこんとこじっくり話そうかぁ」

鬼の形相で睨まれて俺は蛇に睨まれた蛙の如く萎縮してしまい

問答無用でアリサに何処かに引きずられていく。その姿に守護騎士達までびびっていた。

つうか騎士の癖に何一般人にビビッているんだよ! 助けてくれよ! と念話を送ってみたら。

(すまん。生き残ってくれ)

(アリサ、ギガこえぇ……)

(生き残れよ)

なんて念話が返ってきた。お前ら騎士を名乗っているくせに……。

ちなみにシャマルはまだルルーシュにコーチされていたりする。――――万事休すという事なのか。

「さあ、話し合いましょうか。――――なのは流でね」

「そ、それは――――いやだぁぁぁぁぁ!!」

なのは流って、浸透していたのかよ! ――――何で来て早々にこんな目に……。

こんあ事になるならさっさと教えて置けばよかった。――――世界はいつだってこんな事ばかりだ!

それが気を失う前に思った事だった――――。























「まぁ、災難だったな」

「そう思うなら助けてくれてもいいんじゃないかな?」

「わざわざ自分から怪我をしに行く馬鹿が何処にいる」

仰るとおりですね、ルルーシュ君。正論だからこれ以上何も言えないよ!

それで俺が復活した後でもまだ遊んで、結局夜になるまで遊んだ。

先にななのは達を帰して俺達ははやて達と後片付けをしてから帰宅した。

最初ははやてが手伝うのを断り、

アリサが車を呼んでなのはとすずかに俺達も乗っけてくれると言ってくれたが

辞退してルルーシュと一緒に後片付けをして今はのんびりと歩いて帰っている。

「まぁ何だかんだで楽しかったな」

「あぁ、たまに羽を伸ばすのもいいな」

そうだねぇ。だからとっとと闇の書の事を終わらして平穏な日常を送りたいねぇ。――――ん?

『――――ジン、ルルーシュ』

「――あぁ、分かってる」

「? どうした」

「誰かが俺達を尾けてる」

「――何」

はやての家から出てからずっと後をついてくる奴等がいる。

対象は二人。多分俺よりも強いかな。というより今は夜だから戦いたくないな。

『どうしますか?』

「敵意が無い感じ何だよな。罠かもしれないが接触してみようかと」

いざとなったらテレポーテーションすればいいしね。つうことで――――。

「誰だ?」

後ろへ振り向いて見ると、そこに居たのは――――。

「迫水仁とルルーシュ・ランペルージだよね? 一緒に来てもらえないか」



何でここでリーゼ姉妹が登場するんだ?























 ???


『――――時は満ちた。今こそ復活の時』

またこの夢や。ここ最近に掛けてよう見る夢。暗い不気味な世界で誰かが喋っている。

『だが今代の主は守護騎士に蒐集を命じようとしない』

そう、私はシグナム達に蒐集を命じなかった。

新しい家族を得た私には皆が居るだけで幸せでそんなものは必要無いから。

『ならば守護騎士に代わる新たなシステムを作り出すか。今の我ならばそれも容易であろう』

何でそんな事を? そう言おうとしても何も出来ない。ただ見て、聞く事しか出来ない。

『我が復活したその時、この世界は――――フハハハハ!!』

いつものその嗤い声を聞きながら私の意識は現実に戻る。

私は怖い。この先に何か良くない事が起きるような気がして、

今の日常が崩れ落ちてしまう気がして不安で仕方があらへん。

だから、どうかいつまでも平穏な毎日を過ごせますように私はそう願った。



けれどその願いは叶わないのだと今の私には知る由も無かった。






















 設定紹介


・ギアス

登場作品:コードギアス

「王の力」と呼ばれる特殊能力。

コードと呼ばれるギアスの対となる力を持つ者の手によって発現する。

その本質は個々の能力者が持つ素質や願望そのものであり、それらがコードを持つ者によって

特殊能力として発現したもの。そのため能力の詳細は人によってそれぞれ異なる。

能力発動の際は能力者の片目に、「赤い鳥のような紋様」が浮かび上がる。命令型の場合、

かけた本人が能力を失った状態でも効果は続く。命令系などのギアスの有効期間は極めて長い。

同じギアス能力者でも使用は可能だが、コード所有者には不可能。能力を使用し続けるに従って

その力は増大していき、能力者がその力に負けてしまった場合は増大したギアスを

制御しきれなくなっていく。しかしギアスを一定以上に増幅させた者はギアスを失うかわりに、

不老不死のコードを持つ者からコードを奪い取ることが可能となる。





・「絶対遵守」のギアス

登場作品:コードギアス 反逆のルルーシュ

ルルーシュのギアスは「絶対遵守の力」。発動の際には両目に紋様が浮かび上がる。

特殊な光情報により、いかなる命令にも従わせることができる。成功すればたとえ相手の身に

どんなリスクがあろうと命令に沿った行動を強制できるが、

一方で使用条件や性質に基づく幾つかの制限もある。

原作でギアスの使いすぎで暴走し、常に発動状態になっていたが、

特殊なコンタクトレンズでギアスを遮断し、使用の際はこれを外すことなる。














 あとがき?(改訂版)


以前のとは序盤の内容が大分変わりました。次回は先生登場です。






[7126] A'sの02 大勇者の帰還(改訂版)
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/05/17 20:37


夢を見た。

こことは違う世界、紅い世界の住人達。

その中でも大きな力を持つ王。

その存在と契約した炎髪と灼眼の女丈夫に

貴族風のドレスを着用した女性の二人の契約者。

その彼女たちの共に幾多の戦場を駆け巡った。

というそんな夢を――――。























 ???


「久しぶりだな」

「ええ、お久しぶりですね、グレアム提督。今は顧問官でしたか?」

懐かしい友人、かつての上司からの通信だった。

「あぁそうだ。と、すまないがのんびりと話をしていられない」

「只事ではなさそうですね。どうしましたか?」

「単刀直入に言おう、闇の書が復活しようとしている」

「!? 闇の書が……」

クライド君を失う事になった、あの闇の書が再び……。

「11年前のあの悲劇を繰り返さないためにも君に協力して欲しい」

「しかし、私はもう管理局の人間では無いのですよ」

「今回の件には君が身元を引き受けている彼らもこの事件に関わっている」

「仁君達がですか?」

仁君はともかくルルーシュ君まで関わっているなんて。はて? 彼の災難体質が移ったのしょうか?

「力を貸して欲しい、かつて「管理局の勇者」と呼ばれた君の力を。頼む――――アバン」





















ウルトラでカオスなリリカル戦記


A'sの02 大勇者の帰還























「いきなり連れて来てしまってすまない」

「いえ、まぁそれはいいんですが」

目の前に居る人物はギル・グレアム提督。

(仁はあの男を知っているのか?)

(まあ一応は……)

念話でルルーシュと話して説明中。最も本人から自己紹介されたのだが、

それよりも気になるのがグレアムの隣にいるもう一人の方。

「久しぶりですね、仁、ルルーシュ」

「先生……」

そこには俺達の身元保証人の先生、アバン先生がいた。

「え~と、二人は知り合いなんですか?」

「かつての上司と部下という関係ですね」

「そうだな」

「ということは、先生は管理局に所属していたんですか?」

「ええ、11年前までは局員でした」

先生が局員だったとは知らなかったな。少し意外である。

「あれ? そういえば俺達をここに連れて来た姉妹は?」

「彼女達は別任務があるのでもう居ないよ」

「彼女達が動くなんて珍しいですね。どんな任務を?」

「ここ最近になって多発している魔導師・魔法生物失踪事件の調査だ」

「失踪事件?」

「管理世界、管理外世界問わずで魔法生物の数が減少していると報告があった。

その調査に魔導師達を向かわせたのだが……」

「失踪したと」

「あぁ、連絡が無く、その後の痕跡が見つからなかった」

「それでこの件には優秀な魔導師に調査を任せる事になりリーゼ達に白羽の矢が届いたわけだ」

「成程。確かに彼女達は優秀ですからね」

あの二人は何せあのクロノの師匠だからな。というか失踪事件か……。

次元世界は色々と事件が起きて大変だなぁ。

「そういえばアバンがリーゼ達と会うのはクロノを師事していた時以来か」

「彼女達と一緒にクロノを鍛えたのも懐かしいですね」

何ですと!?

「え!? 先生、クロノを鍛えていたんですか?」

「えぇ、彼がまだ魔導師になる前の話ですよ」

「どんな特訓コースを受けさせたんですか?」

「魔導師育成コースですが」

じゃあ何でフェイトに勝る程の近接戦闘能力を得ているんですか?

一体どんな訓練コースを受けさせたんだろうか……。

「知りたいですか? では仁も――――」

「いえ、俺は結構ですので」

「おや、そうですか。残念ですね~」

そのコースがあのスペシャルハードコースよりも危険であるという匂いがプンプンするぜ。







「それで俺達をここに連れて来たのは?」

「君達の友人である八神はやての事だ」

まあそうだよね。でも何でその事で先生まで居るんだろうか。

「それって闇の書の事ですか?」

先生も居る事だし危険は無いだろうと単刀直入に聞いてみた。

「……うむ、その通りだ。やはり知っていたか」

「なぁ、闇の書とは何だ?」

闇の書の事を知らないルルーシュが説明を求めてきた。

「闇の書と言うのはですね――――」

そこに先生が詳しく説明した。どうやら先生は前回の闇の書事件に関わっていたようだ。

その事からクロノとその両親であるリンディとクライドの友人だったらしい。







説明を終えてルルーシュが理解したところで俺はグレアムに聞いて見たい事を口にした。

「ところでグレアムさんに聞きたい事があるんですが?」

「何かね?」

「貴方ははやての身元保証人なんですよね?」

「――――どうしてそれを?」

「はやてが言っていました。身元保証人の名前はグレアムおじさんと言っていました。貴方と同じ名前。

これって偶然では無いですよね」

本当ははやてから聞いていないけどね。全部原作知識というチートです。サーセン。

「それで貴方にもう一つ聞きます。貴方は保証人になった闇の書の主であるはやてを

どうしようとしましたか?」

俺のその問いにグレアムは少し考え答えた。

「闇の書を破壊する為にあの子を犠牲にしようと考えたよ。身寄りの無い子だ。悲しむ人も少なくて済む」

グレアムは俺の問いに淡々と語る。原作の通りに闇の書とその主ごと凍結魔法で凍らして

誰の手に渡らないようにそのような次元世界に送ろうと考えたと。

「だがアバンに言われたよ。たとえ悲しむ人が少なくとも悲しむ人はいるのだと……」

先生に自分の計画の事を話したら先生に諭されて一緒に別の方法を模索する事になったらしい。

「他に別の方法で闇の書を破壊しようと考えていた」

別の方法って何かあったのか。

「君は知っているかな? ――――聖杯戦争を」

「――――!?」

この人から聖杯戦争という単語が出るとは予想外だったな。

「えぇ、知っています」

「私はその聖杯戦争に参加し、聖杯を手に入れ闇の書の完全破壊を願おうと思った」

何とまあ……無茶な事を考えたものだ。それだけ切羽詰っていたという事か。

「けれど参加者に選ばれなかったがね」

不幸中の幸いだな。きっと選ばれ参加していたら生きて戻って来れなかっただろう。

第四次はデンジャラスすぎるからなぁ。

「それで今はアバンと闇の書対策を模索していてね。今のところは方法が見つからないのだが……」

まだ方法が見つかっていないのか。……だったら俺の案を言ってみようかな。

「方法なら、考えならありますよ」

皆に俺が考えた闇の書対策を話した。









「成程、敢えて闇の書を完成させて」

「闇の書が使う夢の魔法で内部に侵入しその中から」

「進入した者が自滅プログラムを流して再生プログラムを破壊すると」

原作でははやてが何とか管理者権限を使い暴走プログラムと切り離したが、

この世界でも上手く原作通りに行くとは思っていない。ジュエルシード事件でそれを学んで

確実に成功するために念押しにその策を使う。

しかもこれなら簡単に暴走プログラムを倒せる。

「まずは闇の書を完成させる為の魔力を――――」

「それは俺が引き受けます」

俺の【無限容量】の能力ならば闇の書を完成させる為の魔力量を一度の蒐集で確保できる。

「次の問題は夢の魔法に掛かり、尚且つその内部でプログラムに

アクセスしなくてはならない。一体誰がそれを?」

「適任者がいます。高速で高度なプログラムを打てる奴が」

そう言って俺はその人物の方に目を向ける。

「俺の事か?」

「その通り。そしてそのプログラムを打つのに必要なデバイスもお前は持っている」

そうルルーシュならば。それが可能だ。夢の中に入ってちゃんと帰れるのか

とブツブツ言っているがスルーした。

「成程、その為に私にあのデバイスの製作を頼んだのですね」

「いえ、それは違います。その方法を思いついたのはたまたまですよ」

まさかここでドルイドシステム(未完成)が役に立つとは流石に思わなかった。

「問題はそのプログラムなんですが」

今俺が必死に製作しているが全然進んでいない。

「では私はそのプログラムの製作をしましょう」

何……だと……。

「その位の事でしたら私なら直ぐにできるでしょう」

そうだよな、先生なら簡単にできるだろうさ! 先生のその天才さに俺が泣いた!

俺の今までの苦労は何だったのさ! どうせまた一晩でやりましたって事だろ! このジェパンニめ!

「では無限書庫に行って闇の書に関する情報を集めましょう。提督、閲覧許可の申請お願いしますね」

「あぁ、任せてくれ」

「その無限書庫というのは?」

「管理局の巨大データベースと考えればよろしいかと」

あらゆる次元世界の情報が在ると言われている場所であると説明した。

「興味深いですね。俺もそこには行けませんか?」

「いや、問題無いよ。なら君の分も申請しておこう」

うぉーい、俺を無視して話を進めないでくれぇ!

「そうと決まれば色々と準備を済ませましょうか」

「そうですね。俺も用意をしなくては」

などと言ってルルーシュと先生は帰り支度を始めた。

「終わらせよう。長きに渡る闇の書事件を……」

ちょっと、グレアムさん何締めくくっているのさ!





















それから暑い夏も過ぎて今はもう肌寒くなってきた冬の時期のこの頃。

えっ? なのは達とのウキウキ海水浴イベントは? だって?

そんなものは無いですよ。だって俺は――――。






泳げないから…………。



とはいえ海には行った、正確には連れて行かれたけど、俺は大して面白くなかったから

そんな話をするつもりは無いですよ。と言うよりも俺は海なんか行きたくなかったのに

アリサによって強引に、強制的に、無理矢理に連れて行かれてしまったのだ。

海での俺の無様な姿を見て笑っているアリサとルルーシュにはやて、ヴィータの顔を

今でもこの目に焼きついている。

くそ~、泳げないからって馬鹿にしおって、何時かギャフンと言わせてやる……。





あれ? 以前にもそんな事を言って逆にギャフンと言わされたような……。


『今のでやられフラグが立ちましたね』

いやいや、そんなフラグいらないから。

俺達がそんなアホなやり取りをしている間にルルーシュ達はと言うと――――。





 ルルーシュ side


「どうですか?」

「ええ、色々とデータが見つかりましたよ。流石はあらゆる世界の情報が来る

場所と言われるだけの事はありますね」

無限書庫と言う名は伊達ではないな。先生と一緒に闇の書に関するデータを探している。

探索は俺が担当し、先生はその集まったデータを整理するという役割分担をしている。

「ですがこれだけの膨大な情報の中から闇の書に関する情報だけを

取り出す事ができるのは貴方の能力によるものですよ」

「それはこのガウェインのおかげですよ」

これが無かったらここまで早く進まなかっただろう。

「ですがそのデバイスのスペックを十分に発揮できるのは貴方ぐらいでしょう。

しかも闇の書以外の事も調べる位余裕がある」

「気づいていましたか」

そう俺は闇の書以外に別の事を調べていた。ここに来たのもそれを調べる事ができるかと思ってだ。

勿論、闇の書の方を優先して調べていた。

「ええ。それで一体何を調べたいいるんですか?」

「ちょっとした私事ですよ。以前から調べていたんですが、

ここならより詳しく調べられるかもと思いまして――――むっ?」

「どうしましたか?」

「…………どうやら俺が探していたものが見つかったようです」

まさか本当に在ったとはな――――。


 side out




















それでまた暫く経ったある日、ある人からの電話が来た。

「もしもしどちら様ですか? えっ、承太郎さん! どうかしたんですか?」

今朝早くからの電話に出てみれば、あの空条承太郎さんからの電話だった。

ホント久しぶりですなぁ、エジプトの時以来だ。…………碌な目に遭わなかったけどな。

「君に頼みたいことがあるんだ」

頼みたい事と言うのはスピードワゴン財団からの依頼である島で大きな鳥を発見したという。

それでその調査隊からの連絡が来なくてその調査に向かいその鳥を発見したという。

それで見たことも無いそれを俺に見てもらえないかと言う事だった。

何で俺に見てもらうかと言うと以前のエジプトでの事で色々と博識だった俺の事を評価していて

だから今回の件でも俺にその事を見せようとしたらしい。

「分かりました。ではその資料を送ってもらえませんか」

「分かった。今メールで送ろう」

直ぐにメールが届き、添付されている画像を見た。

「これは!?」

「知っているのか?」

まったくこの世界は何度、俺を驚かせたら気が済むんだ。まさかこんなものまでいるなんて。

「…………ギャオス」

何で怪獣までいるんだが、ギャオスがいると言う事はガメラもいるって事じゃないのか?

これじゃあもしかしなくてもゴジラまでいるんじゃないのか?

後でゴジラについて調べるみるか。――――調べたくないな~。

もしゴジラが存在しているとしても絶対に戦わないからな! 現れても無視して逃げてやるからな!

あんなのと戦うぐらいならアンデルセン神父やナルバレックと戦う方がまだマシだ!

……いやでもあの二人とは戦いたくは無いけど…………。

「話を続けてもいいか?」

「あ、はい。どうぞ」

「その君の言うギャオスの調査をしていたら奇妙な事を発見した」

「奇妙な事?」

「そのギャオスと何度か交戦したがその交戦後、死骸をそのまま放置して離れてその後

その場所に戻ってみたら血痕が残っているというのにその死骸が見当たらないんだ」

「こいつらは共食いする生物ですから他の奴らに食われたのでは?」

「だが肉片が全く残っていない。その血痕も倒した時に地面に付いたものだ」

それは確かに妙だな。

「これは俺の勘だが、このギャオスは他の何者かに連れ去られたか、

食った奴がいるのではないかと考えた」

「他にもギャオス以外の何かが居ると言うんですか?」

「ただの勘だがな」

連れ出した奴はともかく幼生体とはいえこのサイズの生物を食べる奴なんているのか?

というかそんな奴がこの世界に存在するというのか?

「このまま調査を続行するが、また何かあれば連絡する」

「その何かが無い事を祈りますよ」

承太郎さんとの通信を済ませた。まさかギャオスなんて怪獣がいるとはな。こっちに来なければいいが。

『ジン、通信です』

「今度は誰から?」

『ルルーシュからです』

と言う事は何か進展があったのかな。そう思いルルーシュの通信を受けた。

「仁、いいか?」

「あぁ、どうした?」

「これから少し出かける。既にに先生と学校には連絡済みだから問題無い」

何時の間にやら。相変わらずそういった事には手際がいいな。

「それって先生から聞いたけど今まで何か調べてた事か?」

「察しがいいな、その通りだ」

家でも何か調べていた事は知っていたが一体何を調べていたんだろうか。

「それで、一体どこへ行くんだ?」

「神根島だ」

「えっ!?」

あの島って実際には無い島だったよな。この世界にもあったというのか。

「お前も知っている通りその場所にはギアスに関する遺跡がある。

この世界にもそれらしいものがあると調べ、それを確かめる為に行くことにした」

「そうだったのか。だが一人で大丈夫か」

「この間届いた俺のデバイスもある、問題無い」

それならまあ大丈夫だろう。だが試作機なのであまり無茶ができないのだが、

使う人間が無茶するような奴ではないので大丈夫だろう。

「分かった。気をつけて行けよ」

「あぁ、分かっている。行ってくるよ」

「行ってらっしゃい」

しかし神根島か。何かまた起きそうな気がするなぁ……。


















 ルルーシュ side


式根島から離れたところにある神根島。

「一目見ての印象だが、やはり似ているな」

以前いた世界の神根島と比べてそう感じた。俺は例の場所へと目指して歩き出した。

なぜここを調べに来たのかと言えば、俺はどうしてこの世界にやって来たのか疑問に思っていた。

色々と推測を立ててその一つの可能性として遺跡の影響で俺はやって来たのかと考えた。

以前の世界とここの世界の遺跡がリンクしてここへ送られたのかと考えた。

(子供の姿になったのは深く考えていない。推測しようにも不確定要素がありすぎるので後回しにしている)

最もそれは遺跡があればと言う仮定の話だったが先日それを発見して可能性が上がった。

そしてその遺跡を調べて何か手がかりは無いかと思いここにやって来た。

「確かこの辺りだったな」

俺の目の前には大きな壁がある。しかし以前の世界の座標を比較すると

この先に行かないと目的地に辿り着けないな。

「ここを崩さないとあの場所には行けないか」

かなり頑丈な壁だ。今回の持ち物には爆薬は持って来ていないがアレがある。

よってそれを使う事を決め、ギアスの紋章を象ったペンダントを握り、起動パスワードを唱える。

「――――ガウェイン、セットアップ!」

俺のデバイス、ガウェインを起動しバリアジャケットを身に纏う。

その姿はかつてまだ幼いころに着ていた皇族の服に似たものである。

そしてその手に握っているのはかつてゼロとして行動していた時に使っていたスイッチである。

「ハドロンキャノン発射!」

スイッチの先端から砲撃魔法を射ち、目の前の壁を撃ち抜いた。

「やはりな。おそらくこの先に……」

壁を破壊すると目の前には通路ができた。俺は警戒を怠らず先へと進んだ。




しばらく進むと行き止まりとなったがその壁はただの壁ではなかった。

「間違いない。これは……Cの世界への扉」

目の前にある壁、扉はかつての世界で見たものと同じ、ギアスの刻印が刻まれた扉だった。























 はやて side


「それじゃあまたね、はやてちゃん」

「うん、またなぁ」

今日もなのはちゃんとすずかちゃん、アリサちゃんが遊びに来てくれた。

でも最近やと仁君とルルーシュ君は忙しいらしく中々家に遊びに来てくれへん。

まあそれでも以前に比べたらとても賑やかで楽しいけどな。

夏の海水浴も楽しかったしなぁ。泳ぐ事はできへんけどそれでも言って良かったと思った。

「いつまでもこんな穏やかな日々を暮らしていけたらええなぁ」


――――ドクン。


「え!?」


――――ドクン。


「あ! あぐ、うぅぅ……」

急に胸が苦しくなった。その上、声が上手く出せず、身体も動かせない。

「どうしましたか主!」

「はやてちゃん!?」

「はやて!?」

皆が私の異変に気づいて私を呼ぶけど私の意識は遠のいていった。
















『なぜ闇の書を完成しようとしない』

「私には必要無いからや」

今までの夢とは違って声を出す事ができたので、私は言い返した。

『それが己の死という結果になってもか?』

「えっ?」

『闇の書を完成せねば死んでしまうのだぞ。それでもいいのか?』

「――――私が死ぬ事になっても……だからって他の人達を巻き込んだりせえへん!」

『――――ふん、つくづく愚かな生き物だな、人間というのは』

「あんた、一体誰なんや?」

『我は闇の書の闇。仕方あるまい、ならば強引にでも――――』

「か、身体が! な、何をしたんや!?」

急に身体が動かせなくなった。

『蒐集し得た力でもはや主である貴様を逆に支配できる程の力を得る事ができた』

「蒐集やって!? でもシグナム達は――――」

『代わりを作ったのだ。守護騎士達等とは違う、ただ蒐集する為の存在をな』

そんな!?

『何もできない小娘が。黙って見ているがいい。さあ恐怖のショーの始まりだ』

それを最後に私の意識は今度こそ遠のいていった。









 シグナム side


「主はやて! 大丈夫ですか?」

「――――う、うぅ」

「あっ、はやて! 気が付いた?」

「――――守護騎士達よ、蒐集を始めろ」

「はやてちゃん?」

「待て、様子がおかしい!」

ザフィーラが主はやての様子が変だと言う。だが確かにおかしい、

「貴様、主では無いな」

「鼻がいいな」

「はやてじゃないのか?」

「貴様らの主は深い闇の中に閉じ込めた」

「何ですって!?」

「さあ、守護騎士達よ。今こそ蒐集を始めるのだ」

「断る! 主ではない貴様の命令など! それに私は主はやてと蒐集をしないと約束したのだ」

「そう言うであろうと思った。ならばこうするまでだ」

「ぐっ、何をした!」

「貴様達は我のシステムの一部なのだぞ。強制的に従わせるなど造作もない事だ」

「ならば、お前は……」

「さあ、今度こそ始めよう。我が復活の為に」


 side out





















 キャラ紹介


・アバン=デ=ジニュアール3世

登場作品:DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

仁やルルーシュ、クロノからは「先生」と呼ばれている。地球では学者、実業家として暮らしている。

原作の世界で行方不明となった自分の弟子である「ダイ」を捜索する旅の中で

「破邪の洞窟」に潜っていたら何時の間にか地下世界アレフガルドの世界に迷い込んでしまい

そのままその世界を足や船で一周してしまう。

その時の旅で地上世界にも足を運び「世界樹の葉」を一枚手に入れる。

その後、旅の扉の存在を知りそれを使用したら今度はミッドチルダに来てしまう。

その時の転移のトラブルでうっかり「時の砂」を使ってしまい年齢が若返ってしまった。

ミッドではグレアムに出会い、管理局に入ったあとは家庭教師事業をやっていたことや

古代ベルカよりも希少なアレフガルド式の魔法が使えることなどから

戦技教導隊に所属することになった。それからグレアム提督の紹介で

クロノの両親、クライドとリンディと知り合う。そのツテで後にクロノの先生になる。

学者の家系の出で、趣味は料理。武術面では剣・槍・斧・弓・鎖・牙(徒手)の六種に精通し、

それぞれの奥義を極めるに至っている。本人曰く武芸百般。

魔法においても本来勇者には習得できない魔法使いや僧侶の呪文などを多数習得しており、

その呪法知識は相当なもの。ミッドとベルカの魔法知識も相当勉強らしい。

更に科学・技術にも能力を見せ、噂と書物をもとにした程度で火薬を射ち出すのではなく魔法を射ち出す

魔弾銃まだんガンを作り出した経験から

ミッドではデバイスマイスターのA級ライセンスを取得しあらゆるデバイスを製作するなどの

あらゆる方面において万能の天才である。

普段はつまらないギャグなど、常に周りを和ませるようなひょうきんな行動が多いが、

「能ある鷹は爪隠す」の言葉どおり、それは自身の秀でた能力を隠すためのものである。

「管理局の勇者」と呼ばれるほどの数々の功績を得てきた。

目下の者が相手でも丁寧語で話す。眼鏡をかけているが、実は伊達眼鏡。

現在の年齢は本人曰く20代後半ぐらいらしい。





・空条承太郎

登場作品:ジョジョの奇妙な冒険

第3部の主人公のJOJO。第2部の主人公、ジョセフの孫である。

登場初期は空条の「条」と承太郎の「承」を合わせた

「ジョジョ」というニックネームで呼ばれていた。

頭脳明晰で常に寡黙かつ沈着冷静だが、根は激情的な性格で正義感も強く、

肉親に危機が及ぶと冷徹になりきれないことが多い。

威圧的な外見と気性の激しい性格のため暴力事件を頻繁に引き起こしており、

周囲から不良のレッテルを貼られている。幼少期は素直で大人しい子供だったらしいが、

実は当時から既に「やる時はやる」性格を持っていたようである。

高身長で顔立ちが整っているため女性にモテることが多いが、本人は鬱陶しい女を嫌っており、

騒がれることをあまり歓迎していない様子だった。

1、2年前に宝石翁のパシリでエジプトに向かっていた仁と出会い、

そのまま成り行きでDIOを倒す冒険に同行していた。

最強と名高いスタンド、星の白金スタープラチナを持つ。

豊富な知識や実戦経験、冷静な判断力と強靭な精神力を持ち、最強のスタンド能力を持つことから

第4部以降では「最強のスタンド使い」と多くのスタンド使いから呼ばれ恐れられることになる。

余談だが、そのエジプトの旅で仁は「魂を賭けよう!」、「グッド!」の掛け合いを二回して二回とも

魂を取られてしまった。けど満足そうな顔をしていたらしい。

そのことについて仁曰く「やってみたかった。後悔はしていない」。

「やれやれだぜ」。これは承太郎の口癖。





・超遺伝子獣ギャオス

登場作品:ガメラ 大怪獣空中決戦

コウモリのような羽根を持つ飛行生物。

ギャオスは超古代文明による遺伝子操作の結果の産物

(兵器にしてはリスクが大きく目的は不明)である。

様々な生物の遺伝子情報が入っており、単為生殖(ギャオスの場合は単独で産卵、繁殖すること)

が可能である。長崎県五島列島・姫神島にて出現、嵐の夜に姫神島の小さな集落を全滅させた。

この時点での体長は数メートル、翼長は10メートル。






 デバイス紹介


・ガウェイン

元ネタ:コードギアス 反逆のルルーシュ

ルルーシュの注文で製作された試作型ストレージデバイス。製作者は先生。

かつていた世界のKMF・ガウェインをイメージしたもの。

通常のストレージやインテリジェンスデバイスを超える超演算能力を持つ。

これはKMF・ガウェインに搭載されていたドルイドシステムを再現したものだが

これはまだ試作段階の代物なのでドルイドシステムと名前は付けていない。

このデバイスはそのシステムを完成させるためのデータ取得用の試作試験機である。

システムが完成した暁にはドルイドシステムと名付ける予定である。

またこの超演算能力は情報収集・解析能力だけでなくルルーシュの魔法消費量を減らす役割を担っている。

ルルーシュの魔力量は決して高くないのでガウェインをうまく使いこなせば

長期戦での戦闘や消費量が高い魔法を複数回使用することが可能となる。

また魔力殺しや気配遮断のステルス機能も搭載している。

待機状態はギアスの紋章を象ったペンダント。

基本状態は前にいた世界で使っていたゼロのリモコンスイッチ(第一期仕様)。通称、ゼロスイッチ。






 魔法紹介


・ハドロンキャノン

ルルーシュが使用する数少ない攻撃用魔法。

砲撃魔法で威力と魔力消費はそれなりだが。

ガウェインとルルーシュによって省エネで使う事ができる。




 設定紹介


・スピードワゴン財団

登場作品:ジョジョの奇妙な冒険

ジョジョ第1部に登場するロバート・E・O・スピードワゴンが

アメリカに渡り石油王となり巨万の富を得て設立した財団。

主に医療などに力を入れている。その中に超常現象を扱う部門があるが、

これはジョースター家との付き合いと「石仮面」の研究のためによるもので、

「過酷な運命を背負う彼等の手助けをしてほしい」というスピードワゴンの遺言に基づいたもの。

石仮面や柱の男の脅威が去った後も、第3部以降、原因不明の病気で苦しむ者の治療・介護の傍ら、

新たなスタンド使いの情報をジョースター家に提供し、強力なバックアップをしている。

スタンド以外の世界各地の超常現象の調査もしている事から今回の事件に参加し、

ジョースター家の人間、空条承太郎に協力を求めた。





・聖杯戦争

登場作品:Fate/stay night、Fate/zero

冬木市で行われる魔術師による戦争。

勝者にはどんな望みでも叶えられる事ができる聖杯が手に入ると言われている。

参加する魔術師はサーヴァントと呼ばれる英霊を召喚して戦わせる。

参加人数は七人の魔術師と召喚した七騎のサーヴァントである。





















 あとがき?(改訂版)


改訂した結果、承太郎の出番が減ってしまいましたが、

今後活躍の場がある筈なので(多分)それまで待っていてください。

グレアムについてはアバン先生の影響で原作とは違う考え方になっています。

流石は勇者。人の生き方に影響を与えるとは。

そしてその先生登場です。その正体はアバン先生でした。

デバイスを作るなどしていますが原作でも魔弾銃やアバンのしるしを作ったりするなどしていたので

これくらいアリだろと考えこうなりました。まぁアバン先生ならこの位できても不思議じゃないな、

と思ってくださるとありがたいです。




それにしてもここで無限書庫で情報収集してしまったからユーノの見せ場が消えてしまったな……。







[7126] A'sの02.5 クロノ君の修行日記
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/05/17 20:38

久しぶりに夢を見た。

まだ僕が管理局員になる前の頃の修行時代の事を。

ある事件で父さんが亡くなり、

僕と母さんは悲しんだ。

だから僕は強くなりたかった。

この先、こんなはずじゃない世界にしない為に。

だから僕はリーゼ達に師事してもらった。

それだけでなく先生からも教えてもらった――――。























ウルトラでカオスなリリカル戦記


A'sの02.5 クロノ君の修行日記





















 ○月○日


修行をつけてほしいと先生にお願いした。先生はそれを了承してくれて、

修行の場所として連れて行かれた世界は管理外世界で魔法文明が無い世界だった。

ここでは魔法を使わずにある課題をクリアしたら合格というものだった。

それはこの村の依頼を受けて、最終的にはあるモンスターを狩るという事だった。

この訓練を終わるまでこの村で暮らす事になるが、先生は既にこの村に

家と武器防具を用意しておいてくれた。相変わらず用意が早いと思った。

あらかたの説明が終わったら最後に先生は


「諦めたらそこで試合終了ですよ」


と言葉を残して帰って行った。


僕は仕度を済ませ、早速モンスターを狩りに出かけた。

内容は雪原にいる鳥竜種のボスの退治で早速向かった。

しかし攻撃が上手く当たらず、敵の攻撃はくらってばかり

気が付いたら猫のような動物に最初の地点のキャンプまで運ばれていた。

どうやら三回運ばれてしまうと任務失敗とされてしまうようだ。

初心者用のクエストでこのレベルとは……。どうやらこの修行は一筋縄ではないようだ。





 ○月#日


拠点となる家は以前に先生が使っていたという家を使わせてもらっている。

どうやら村長の話によると先生もここで修行をしていたようだ。

あとは食事だがここでは自給自足の生活をしなくてはならないので

先生から装備だけでなく肉焼きセットも頂いたのでそれを使って食事にしようと考えた。

さっそく食べ物を調達しに狩りに出かけることにした。

雪原の最初の地点にいる大きなマンモスようなモンスターを狩り、

そこから剥ぎ取り生肉を焼いたがうまく肉を焼くことが出来ず

こげた肉ばかり出来上がってその度にマンモスを狩っていた。

攻撃性の無い無抵抗なモンスターを狩るのは心が痛んだが

こっちも生きていくためにと心を鬼にして狩って行った。

こげた肉でもありがたく残さず頂いた。少し食べ物のありがたみというものを知った。





 ○月$日


今日はアイテムを収集するだけのクエストであまり苦戦しなかったが、

恐竜に似た巨大モンスターが出現した、いかにもボスのような感じで警戒しながら

向かって行ったらわずか2発くらっただけでやられた。一瞬の出来事に

何がどうなったのか分からなかった。これは本当に倒せるのだろうか?

結局その恐竜からは逃げてクエストをクリアした……。

あと、村長から猫を雇えば料理を作ってくれる事を教えてもらった。

さっそく雇って料理を作ってもらったが、すごく……微妙だった……。





 ○月☆日


大怪鳥の異名を持つ飛竜。新人ハンターの登竜門的存在のようで、それを狩れて

ようやく一人前のハンターと認められるらしい。なかなか愛嬌のある顔をしてる癖に、

なかなか強敵で倒せなくて詰まってしまう新人ハンター続出と聞いていたので、

正直に言えば戦う前から少し緊張していた。

相手から見て左斜め後ろから翼のあたりを狙って2、3回斬って、

尻尾攻撃がくる前に逃げるというのの繰り替えしで倒す事ができた。

それにしても、敵がいちいち空飛んで逃げて、またその度に探し回るのが大変なので、

対峙した瞬間にまず最初にペイントボールをぶつけた。それによって追跡が可能となって

それを追い繰り返し攻撃して勝てた。思ったよりかは苦戦しなかったが手強い事に

違いないモンスターだった。またそのモンスターの亜種が存在するらしく

いずれその亜種とも対峙する事になるのだろう。





 ○月%日


今回のモンスターの討伐は洞窟に出現する白い飛竜だ。

電撃のブレスを吐いたり、全身を放電したりと厄介な攻撃を仕掛けてくる。

初戦は敗退してしまった。もう負ける事には慣れてしまった。

重要なのはその負けの経験を次に生かすことなのだと学んだ。

相手の情報を収集し、行動を読み取る事が重要であると、

今回は敵の弱点に火属性があるので、また最近知った罠アイテムを使って挑んだ。

結果は以前と比べてたやすく倒せた。アイテムを使うだけでもここまで勝手が違うとは

思わなかった。今後もこういったアイテムを持って行き、有効活用しようと思った。

今日の料理はまあまあだった。






(~中略~)






 ×月★日


今回は以前遭遇した恐竜が相手だ。大きな咆哮とありえない俊敏性に

凄まじい破壊力とすぐに怒る短気さを併せ持つ轟竜の異名を持つモンスター。

最初の頃のクエストに出会って一瞬でキャンプ送りにされた僕だが、

とりあえずその経験をいかして、普段使わないシビレ罠と落とし穴、

さらにはむこうで調合して回復アイテムを作る準備と調合書。

そして閃光玉を持てるだけ持って、クエストに挑んだ。

普段大して準備もしない状態でモンスター狩っているので、普段よりも準備を整え、

あれから成長した今の僕なら勝つ事ができるだろうと思い挑んだ。






早速キャンプ送りにされてしまった。orz

閃光玉を投げる暇も無かったよ。あまりにのあっけなさで呆然としてしまった。

あの猛ダッシュは何なんだ!?

速攻で奴の猛ダッシュ喰らう→まずい、避けろ→避けられずにまた喰らう→

くっ、もう瀕死か→ティガにかぶられる→終了。

また今日の料理で腹を壊してしまった。どうして僕の周りの猫は僕に優しく無いのであろうか……

その日の夜はあまりの悔しさに枕を濡らした。





 ×月□日


あれからあの恐竜に何度も挑み、そして何度も負けていった。

勝つためにシビレ罠や、閃光弾、大タル爆弾、シビレ生肉などの使えるものを

装備も最高の物を用意、ありとあらゆる方法を全て使った。




そしてついに奴を倒すことができた。ここまで苦戦したのは初めてだったが、

今までには無い達成感を味わい、僕も少しは成長したかなと思った。

方法は、まずシビレ罠をありったけ使って、その後は反時計回りで立ち回って攻撃。

瀕死になって、眠ったら足元に落とし穴を仕掛けて、捕獲用麻酔玉で捕獲。

捕獲すればその分、良いアイテムが手に入るし、直ぐに闘いを終わらせる事ができるので

効率的な狩猟法だと思った。

あと猫の料理が美味しかった。ただそれだけで感動してしまった。






(~中略~)






 ×月▼日


覇竜の名を冠す巨大な飛竜。火山のごく限られたエリアでしか目撃されていない

幻のモンスター。”黒き神”、”火山の暴君”の異名を持ち、

その巨体から繰り出される重厚な攻撃は脅威。

ついにここまで来た。長かったこの訓練もあとはこのモンスターを倒す事で終わる。

しかしこの訓練コースの最後のモンスターだけあって手強い。

叩いても叩いても、斬っても斬っても死なない。一体どれだけの体力を持っているのだろうか。

長期戦の闘いで僕の集中力は持たずその隙にやられてしまう。もしくは時間切れになる事もあった。

本当にに長い戦いになるなと思い、明日に備え眠りについた。





 ×月×日


何度も何度も戦った。その回数分負けた。もう諦めようかと何度も考えた。

けれどその度に先生に言われた言葉を思い出す。



「諦めたらそこで試合終了ですよ」



その言葉を思い出すと諦めようとした心がもう一度立ち上がろうとする気になってくる。

だから僕は立ち上がる。強くなる。そう誓った決意を思い出し、

僕は断固たる決意でまた挑んだ。



そしてついに倒した。とても長い長い戦いだった。

ボロボロになりながらも村に戻ったら、村の皆が迎えてくれた。

その中に先生もいた。どうして分かったのかと尋ねたら、ご都合主義ですと言われた。

僕はこの村のこと、この修行の日々を決して忘れはしないだろう。

ありがとう、ポッケ村。



ちなみにこの特訓コースの名前はモンスターハンターコースという名前なのは言うまでも無い。























 キャラ紹介


・クロノ・ハラオウン

モンハンコースの訓練によって近接戦闘能力が大幅に成長した。

特に相手の動きを見切り、攻撃を紙一重で回避するその能力は神業である。






 デバイス紹介


・S2U改

クロノのストレージデバイス。剣、大剣、太刀、双剣、ランス、ハンマーなどに変形する事ができる

(ボウガン、弓の射撃武器は無い)。














 あとがき?


最初で最後(?)のクロノ主役回でした。

クロノはこの訓練で魔法戦よりも格闘戦の方が強くなってしまいました。

でもこの物語でその実力を発揮する機会があるのだろうか……。

リリカルなのは勢の中では上位に位置する程の能力になったのに、実に勿体無い……。








[7126] A'sの03 秩序の降臨
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/05/19 23:05


夢を見た。

月の王と宝石の名を冠する魔法使いが

壮絶な戦いを繰り広げている。

その戦いを静観している

というそんな夢を――――。
























 ???


ジャンプアウトし、どうやらここは宇宙空間のようだ。

現在の状態は身体は大破していて身動きが取る事はできない。

むしろ今こうして意識があるのは奇跡に等しいでしょう。

それよりもここから見える、あの美しい星は――――。

「あれは――――ロス――サレム。――――地球」

私の中のデータを照合すると確かにあの青き星はまさしくそうだ。

「――!?」

どうやら地球の重力に引かれてしまい私は地球に落下してしまうようだ。

この身体では大気圏に突入する際の摩擦熱で燃え尽きてしまう。

折角、母なる星に来る事ができたというのに。

何も出来ない私は流れに身を任せ目を閉じた――――。






















ウルトラでカオスなリリカル戦記


A'sの03 秩序の降臨























 なのは side


突然、現れた魔力反応がこっちに向かって来ているとレイジングハートが教えてくれて、

その魔力の元へ向かったらその正体はヴィータちゃんだった。

そして有無言わさずに攻撃してきた。

「どうしてこんな事をするの、ヴィータちゃん!」

「うるせえ! 大人しく蒐集されやがれ!」

「何で、どうして! 話を聞かせて!」

「何べんも言わすな! 大人しく蒐集されろって言っているだろうが!」

ヴィータちゃんの容赦ない攻撃を何とか避けながら反撃したけど

避けられてしまい、ヴィータちゃんのハンマーが迫ってきてプロテクションで防いだけど

プロテクションは簡単に破壊されてビルの屋上に叩き込まれてしまった。

「う、うぅ……」

「手間掛けさせやがって。だが終わりだ」

ヴィータちゃんの攻撃で私とレイジングハートはボロボロにされてしまった。

とどめを刺すつもりなのかヴィータちゃんが近づいてくる。

やだ、何も分からないままやられるなんて嫌だ!

助けて、仁君、ユーノ君、フェイトちゃん! 私は目を閉じて心の中で皆の名前を叫んだ。






いつまで経っても攻撃が来ない。目を開けて見るとそこには――――。

「てめえは……」

「――――仁君」

私の目の前に仁君がヴィータちゃんと対峙していた。


 side out


















この世界は原作知識なんてものはあまりあてにならないと先の事件で理解していた。している筈だった。

だけどやはりその知識で何とかなると甘い考えがあったのは確かだ。

まったくクロノの「世界はいつだってこんな筈じゃない」だな。

一体どうしてこんな事になってしまったんだろうか…………。



「一体、どういうつもりだ。――――ヴィータ」



魔力反応を感知し、もしやと思いその現場に向かったら、ビルの屋上になのはとヴィータがいた。

この状況を察するにヴィータがなのはを攻撃したと考えられる。

現に今、ヴィータがなのはに向けてハンマーを振り下ろそうとしていた。

俺はそれを止める為になのはとヴィータの間に入った。

「お前、何をしているのか分かっているのか!」

「邪魔すんじゃねえ!」

ヴィータは俺の問いに答えず、俺の後ろで倒れているなのはに目を向ける。

なのははヴィータにやられてレイジングハートとバリアジャケットがボロボロだった。

「なぜなのはを傷つけた。――――どうして蒐集行為をしているんだ、答えろ!」

この訳の分からない状況に俺はヴィータに怒鳴った。





「全ては闇の書の完成の為だ」

ふと上から聞こえた声に反応し俺は直ぐに後ろへと避けると上から誰かが落ちてきた。

誰かと言ってもその声から察するにシグナムだった。

「これは主はやての意思なのだ」

「なっ!? 嘘だ! はやてがそんな事を言う筈が無い!」

「お前がそれを信じようが信じまいが関係無い。我らは使命を全うするのみ。お前も蒐集してやろう」

「本気かよ!」

まずい、夜の状況下じゃこいつらに敵わないぞ。それに時間が経てば他の守護騎士達まで

やってくるだろうし。どうする――――。

「お前も蒐集されやがれぇ!」

問答無用で襲い掛かるヴィータ。

「ちぇい!」

そのヴィータの攻撃を避けまくった。








「…………何て逃げ足の速い奴だ……」

ヴィータが驚きと呆れながら言った。逃げ足の速さには定評があるからな。

「だけど逃げてばかりじゃあたし達は倒せねえぞ!

確かにその通りだ。だがまともにやればこっちがやられる。

『ジン、このままでは防戦一方ですよ』

そうなんだが夜の俺は戦闘能力が低下していてまともに戦えない。

まあ攻めるとしたら手は無い事も無いのだが……。

「けれどダークネスモードは使いたくないしな」

光の力を持つ俺は闇の力を使えばそれによって身体に大きな負担が掛かってしまう。

最悪の場合は寿命が縮むどころか死んでしまう。なのでできればあまり使いたくない。

『ではどうしますか?』

「救援が来るまで粘るしかないな」

先生が或いは管理局がこの事態を察知してくれるだろう。それまでは持たせてみよう。

「けれどあの二人相手じゃあなぁ」

『私の指示通りに動いてください』

「分かった。サポート頼む」

『では……上、右、左斜め後ろ』

ブレイブの指示通りに避ける。

『次、右下45度、左サイン60度、北北東』

「へっ? え? え?」

『上、X、下、B、L、Y、R、A』

「そんなの分かるかぁぁーー!!」

どう避けろと! つうか一体何のコマンドだよ!

















 シグナム side


「……妙だな」

攻撃を一旦止めて思った事を口にした。

「一体何が?」

「奴の回避能力は中々だが。だが我ら二人がかりの攻撃をこうも簡単に避けられるのはおかしい」

「と言う事は何だ、あたしらの動きが読まれているとでも言うのか?」

「かもしれん。奴との戦闘は初めての筈だ、だがこうも動きが読まれているのは腑に落ちない」

そうまるで我らの動きを見切っていると言うよりも知っているという感じだ。

「だが、それも終わりだ」

「ザフィーラ、来たか」

「シャマルも来ている」

と言う事は高町の方か。取り合えずの目標は達成か。

「――シャマルも来ている。はっ、なのは!」

迫水はシャマルが来ていると聞いた瞬間、高町の方へ目を向けるがもう遅い。

「余所見をしていていいのか」

「ぐっ!」

不意を付いて攻撃をすると流石に避けきれずに迫水は吹っ飛んだ。

「ちっ!」

『――――ジン、上空から何かが降って来ます!』

「はぁ!? 一体何が!?」

迫水が何やら驚いて上を向いた。一体何がと思い見ると。

「何を見てるんだ?」

「二入共、あれを見ろ。何かが降って来ている」

上空から何かが降りて来ていた。しかもそれは今ここ一帯に張られている結界に接触した。

「結界に衝突しただと!」

という事はあれは魔法の類のなのか? そう疑問を持ち考えていると。

「なっ!? 結界を破って落下したぞ」

「馬鹿な! この結界を破るとは!」

「何てことだ、むっ――――分かった。シャマルからの連絡だ。

結界が破られた以上、長居は出来ない、撤退するぞ」

「分かった」

「おう」

今回の蒐集は果たしていたので直ぐに撤退した。全ては闇の書の完成の為に――――。


 side out






















「撤退したか」

恐らく結界が破られたからだろうな。

『ラッキーでしたね』

「まあな。それよりも一体何が落ちて来たんだ」

そう思い落下地点に向かった。









「あれか?」

落下地点にはクレーターができていた。その中心に落ちて来た何かがいてその近くまで行ってみると――――。

「えっ!? ど、どうして……」

『ジン、彼女はまさか……』

「間違いない――――KOS-MOSだ」

この青い髪と機械の身体は間違いない。

「おい、大丈夫か?」

「――――あ、貴方は……?」

「俺は仁、迫水仁だ」

「じ、仁ですか。私は――――」

体の損傷は激しいが反応してくれたが直ぐに気を失った。

『まさか彼女が現れるなんて……』

「……」

『ジン、どうしましたか?』

「…………偶然ではなく必然なんだろうな」

『ジン?』

「何となくそんな気がするんだ」

けど彼女がこの世界に来たというのはどういう事なんだろうか……。

『――――ところで、なのはを置いてきたまんまでいいのですか?』

「あっ」

すっかり忘れてた。

『放置されてきっと怒ってますよ』

うう、このまま放置して帰ろうかなと思ってしまった。























「なのは」

「フェイトちゃん」

管理局本局の医務室での再会。どうしてこういった事は原作再現なのだろうかと思う。

あの後に先生に連絡すると先生が来てくれてKOS-MOSを先生に預けた後、

アースラがやって来てなのはをアースラに運びそのまま本局へ。

取り敢えずはリンカーコアから魔力を抜き取られただけで命の心配は無いと言われた。

それでそのなのはのお見舞いにフェイトがやって来た。

「久しぶりだな、フェイト」

「うん、仁も」

ビデオレターでは会っていたがこうして直に会うのは半年振りだ。

何を話せばいいのか分からなくて、フェイトの方もそんな感じだった。とそこへ――――。

「お兄ちゃ~ん!」

「ぶほっ!」

突如やって来たアリシアに体当たりされた。そしてそのまま抱きつかれた。

「すごく久しぶりだね! 元気だった? 私は元気一杯だよ!」

分かった、元気なのは分かったから頼むから振り回さないでくれ。こっちは疲れているんだから。

このままでは俺までベッド行きになってしまう。

「ア、アリシア、仁が困ってるよ」

「だ、大丈夫?」

「激しいスキンシップだった……」

その小さな体にどれだけパワーがあるんだが……。



















 クロノ side


「今は私達は別の任務でそっちに顔が出せないんだ」

「別の任務?」

今回僕達、アースラが闇の書の事件を担当する事になったのをグレアム提督へ報告しに来た。

その時に運悪くリーゼ達が、正確にはロッテと遭ってしまった。

案の定、ロッテは僕に襲い掛かってきたがひらりと避けてスルーした。

まったく無駄な事を、昔はよく襲われ遊ばれていたが

今の僕はその時とは違うんだ。こうした僕が在るのはリーゼ達とは別のもう一人の先生のお陰だ。

「そう、ここ最近で多発している魔導師・魔法生物失踪事件」

「そう言えばレティ提督から聞いた事があるな」

「最初はある世界の魔法生物の極端に数が減っているという報告があってその調査に向かった

魔導師がいたんだけど、ある日突然連絡が途切れてしまった」

レティ提督からの話もそのような内容だった。

「それでその調査に向かった魔導師の探索する部隊を立てて向かったんだけど……」

「その部隊もまさか」

「そう、同じようにね。それで今後はその事件を私達が担当する事になったの」

「グレアム提督もですか?」

「あぁ、奇怪な事件だからね」

「魔導師襲撃事件に魔導師・魔法生物失踪事件か……その二つの事件は何か関係があるのでしょうか?」

「私としてはこれは偶然では無いと考えている。最もこれは私の推測にすぎないがね」

「父さまは「時空管理局歴戦の勇士」という通り名が付けられているんだからね。

その父さまが言うんだから間違いないよ!」

ロッテがはしゃぎながら言う。

「昔の話だ。それにその勇士と言われていても一人の部下を救えなかったのだから」

「……」

「済まなかった。これはクロノの前で言う事では無かったな」

「いえ。それで今回の事件には僕達が担当する事になりました」

「そうか私達はその事件を解決しだいそちらへバックアップに回ろう」

「いいのですか?」

「闇の書が関わる事だからな。それに……」

「何ですか?」

「いや、何でも無い。あと、君達の方に援軍を呼んだ」

「援軍?」

「そうだ、クロノも良く知っている人物だ」

一体誰だろうか。


 side out




















「先生」

「どうしましたか?」

なのはの医務室から出て、先生のところにやって来た。彼女の事について聞きたかったからだ。

「彼女の事ですが、どうですか?」

「えぇ、ひどい損傷ですし、高度な技術で造られていますから修復は難しいですね」

まあそれは当然だろうな。遥か未来の技術で作られたアンドロイドなんだから。

「それであのフィールドについては?」

落下している時に彼女の周りにフィールドが発生していた。恐らくその力で結界を破壊したのだろう。

「確認されたエネルギーフィールド事なんですが、あの損傷状態であのフィールドを

発生するのは不可能なんですよ。と言いますか既にエネルギーが殆ど無い状態なのですから」

「だけど俺は見ましたよ。しかも大気圏を突破して無事な程の強力なフィールドを張ってです」

そうブレイブや先生の調べでどうやら彼女は大気圏外から落下してきたようだ。

「…………恐らく外部からのエネルギー供給でフィールドを発生したのではないかと考えられますね」

外部から? KOS-MOSにエネルギーを供給するものなんて一体何だ。

「詳しい事はこれから調べてみないと分からないですね」

「分かりました。では先生、彼女の事を頼みますね」

「えぇ、何とかしてみますが」

「ではあと、これを」

俺はメモリーカードを渡した。

「これは?」

「俺が知る限りの彼女のデータです」

とは言っても詳しい事は分からないが無いよりはマシだと思い用意した。

「――――彼女の事も知っていたのですか。またいつもの博識だからという事ですか?」

「……そういう事です」

「いつか聞きたいですね。貴方がどうしてこんなにも様々な事を知っているのかという本当の理由を」

本当の事か……。それについてはホントどうなんだろうね……。

「あー、それと先生に頼みがあるのですが」

「何ですか?」

「実は守護騎士対策で用意してもらいたいものが……かくかくしかじか……なんですが」

「ほう、成程。分かりました、それなら直ぐに用意できますよ」

「ではお願いしますね。その間に俺は家に戻ってますね」

色々と準備を済ませる為に俺は一度家に戻った。



















 フェイト side


「えっ!? レイジングハートが!」

「そうなんだよ、さっきからずっと」

仁が出て行った後、エイミィがやって来てレイジングハートの事を聞かされた。

あの赤い子、ヴィータによって大破されてその修理からレイジングハートがある要求をし続けていた。

「カートリッジシステムか……」

よほどやられたのが悔しかったのか、いや、きっとなのはを守りきれなかったのが悔しいんだろう。

レイジングハートはとても主人想いなデバイスだから。

「そう言えばフェイトちゃんのバルディッシュもカートリッジがあるよね?」

「仁から教えてもらって改良したんだ」

「はーい。改良は私がやったんだよ」

そうアリシアは今はデバイスマスターの勉強をしていて今ではエイミィの友人である

マリーさんにも褒められる程である。その事をビデオレターで仁に教えたら仁はカートリッジシステムに

関するデータを送ってくれた。それをアリシアがカートリッジシステムの事を勉強して、

私のバルディッシュにカートリッジシステムを搭載して、

私の相棒はバルディッシュ・アサルトにパワーアップした。

「と言う事なんだよ。なのは?」

「……ふーん、そうなんだ。仁君、フェイトちゃんには教えたのに……

私には教えてくれなかったんだ……」

「あ、あの、なのは?」

「後でお話を聞かないといけないの……」

何やら独り言を言っているみたい。それに何だか今は話しかけてはいけないと

私の勘が告げている。今はそっとしておこう。

「でも改良するには時間が掛かっちゃうよ」

「また私がやるよ~」

「アリシアだってフェイトちゃんのバルディッシュを改良するのに時間が掛かったでしょ?」

エイミィの言うとおり改良するのに時間が掛かった。ミッドの技術とは違って

まだ完全に解明されていない技術である古代ベルカの技術のものだかららしい。

「それにパーツも受注しなくちゃいけないからやっぱり時間が掛かっちゃうよ」

私の時もリンディさん達にに頼んでパーツを手配してもらった。

その時は嘱託魔導師の合格祝いとして用意してもらったんだ。

「じゃあどうしようか……」





「よろしければお手伝いしましょうか?」

「え!?」

突然声を掛けられて驚いた。声のする方へ振り向いてみると

ドアの前に巻き毛でメガネをかけた男の人が立っていた。何時の間に!?

「えっと、貴方は?」

「エイミィ、なのはの具合――うん?」

そこにクロノが部屋にやって来た。クロノはメガネの人を一見していると突然驚いた顔をした。

「えっ!? ま、まさか……せ、先生!?」

「クロノ君、この人の事、知っているの?」

「あぁ、やはりクロノでしたか。お久しぶりですね。それにしても大きくなりましたね」

「あ、あれからどのくらい経ったと思っているんですか。大きくもなりますよ」

エイミィの方に目を向けるが顔を横に振った。どうやらエイミィはあの人の事を知らないようだ。

でも今の話だと二人は以前からの知り合いみたいだ。

「いや~、それもそうですね~」

「相変わらずね、貴方は」

今度はリンディ提督もやって来た。どうやらリンディ提督もこの人を知っているみたい。

「おや、貴方もお久しぶりですね、リンディ。元気そうですね」

「貴方もね、アバン」


 side out































『ジンがこの世界に来た理由ですか?』

唐突に俺が話す内容にブレイブは驚いていた。

「俺は奴に、ジ・エーデルに言われるまで特に疑問も抱かずこの世界に生きてきた。

でも、今は違う。俺は……自分が何者なのか知りたいんだ」

奴に言われてからただ意味も無くこの世界に来た訳では無い、何か意味があるのだと

そう思うようになってきた。この世界が様々な因子を取り込んでいる事や

その世界、奴が言う統合世界にやって来た俺やルルーシュに先生。

なぜこの世界にやって来たのだろうかと。そして今回のKOS-MOSの登場でますますそう思ってきた。

「他にも俺にしかブレイブを使えないこととか、【特異点】だとか元からある【無限容量】の能力だとか、

俺はどうしてそんなことに今まで気づかなかったんだろうか……」

『――――ジン、それを言ったら私も同じです』

「ブレイブ?」

『私も自分の記憶が無く、何のために造られ、どうしてジンにしか使う事ができないのか

今まで大した疑問を持ちませんでした。それは漸く私の使い手とのめぐり会いに歓喜し、

考えなかったんでしょう』

ブレイブもブレイブなりに自身の事を疑問に思っていたのか。

『先程の戦闘でもそうです。私はなぜだか守護騎士の動きが分かっていました』

「えっ?」

確かにブレイブの指示通りに動いていたら全く攻撃が当たらなかった。

あれは計算したものではなく分かっていたものなのか。

『ですから私も知りたいです。私自身の事を、そしてジンの事も。だから一緒に探しましょう。

きっと見つかる筈ですよ、私達が求める答えが』

「……そう、だな」

何だかんだで色んな事を乗り越えてきた俺達ならきっとその答えに辿り着けるだろう。

たとえそれがどんな答えだろうと――――。




そう話しているうちに家に到着した。

「ふう~、おっ、ルルーシュの靴がある」

ルルーシュの奴、戻ってたんだ。

「おーい、ルルーシュ戻ってたん……だ……な」

「えっ!? あ、あの……貴方は?」

そこに居たのはルルーシュでは無く、長い緑色の髪の女の子が居た。

「な……なんで、あんたがここに?」

「ひっ!? ご、ごめんなさい! ご主人様に連れて来られて……あの、ごめんなさい!」

「……え、え~と。待ってくれ……状況が上手く整理できないんだが……」

いやホント待ってくれ、唐突でしょうが。このタイミングで誰が君の登場を予期するか。

どういう訳だが小動物のような挙動のC.C.が居た。要するになぜか知らないが記憶喪失版仕様だった。

その愛らしさに血を吐いてしまったのは余談である。

だってこのC.C.は可愛いすぎだろ――――。






















 キャラ紹介


・KOS-MOS

登場作品:ゼノサーガ

KOS-MOSの名称は「Kosmos Obey Strategical Multiple Operation Systems

(秩序に従属する戦略的多目的制御体系)」の略称である。

見た目は18歳前後、身長167cm、体重92kg。表面的には人間とほぼ同様の外観に、

青色の長髪と赤色の瞳を持つ女性型のアンドロイドである。

KOS-MOSには人脳を模した動的ネットワークを用いた高度な情報処理システムが組み込まれており、

これを利用してシステム内部の論理空間に「エンセフェロン」と呼ばれる仮想現実空間を

電子的に構築することができる。この中ではKOS-MOSおよびその他の被験者が戦闘演習などを

非稼動状態でも実戦さながらにシミュレーションできる他、

KOS-MOS自身の稼動時の記憶に基づいてその内容を追体験することもできる。

ただし、エンセフェロンの構築状態はKOS-MOSのネットワークシステムの状態に依存するため、

何らかの原因でネットワーク状態が不安定になるとエンセフェロンも不安定となる可能性があり、

人間がその中に侵入している場合は時として危険を伴うとされる。

原作のラストでロストエルサレム、地球へと転移したと思われたが

その転移先がこちらの世界の地球だった。

体の状態はラストのままなので酷い損傷を受けている。修理しようにもこの世界から

遥か未来の技術で造られているので管理局の技術でも修理は非常に困難であり

今のところは活動できずに眠っている。




















 あとがき?


ちょっと急いで書いたので変な部分があるかもしれません。

でも今日中に出したかったので頑張ってみました。余裕があれば明日も投稿したいです。

そしてA's編のレギュラーのクロスキャラ、KOS-MOS登場回です。

無印編ではルルーシュ、じゃあアバン先生は?

と言われれば、先生は全編通しての準レギュラーのクロスキャラです。

折角登場したKOS-MOSですが起動不能状態という。実に勿体無い。

果たして彼女の出番、活躍はあるのだろうか……。

C.C.に関しては次回に説明します。





[7126] A'sの04 魔の目覚める日
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/06/09 21:04
夢を見た。

闇の一族と呼ばれる最強の男と

その男に付き従う二人の男。

その三人が人類の前に姿を現れ

蹂躙していく。


というそんな夢を――――。










 ロッテ side


本局からの依頼で失踪事件の調査を進めていた。この案件を済ませて早いところクロスケの方の

闇の書の案件へと移りたかった。

アリアに落ち着きなさいと注意されながら調査し、そしてついにその犯人と思わしきものに出くわした。

でもまさかその犯人がこんな化け物だとは思いもしなかった。

「――――化け物が、魔法生物を食べてる」

怪物が怪物を食べるのは別におかしい訳ではない。野生の生物が生きる為に

他の生物を食らう事は当たり前の事だ。

けれど今回のそれは度が越えている。何せ捕食する側よりもされる側のほうが何倍も大きいのにも関わらず

それを苦にせず食べている。しかも捕食側はそれだけの量を食べているにも関わらず

身体にまったく変化が見られない。これは異常な事だ。



「ロッテ、あれ」

見ると空間に穴を開けてそこに入ろうとしている。おそらくはあの方法で各世界へと移動しているんだろう。

「ま、待て!」

やばい逃げられる! 怪獣が開けた穴の中へ入ろうとする。そう思ったその時。

黒い仮面の男が突然現れて、羽織っている黒いマントを伸縮自在に操って攻撃し化け物共は次々と倒していった。

時には怪獣に向けて鳥が羽ばたくような形の光を当てて動きを止めたりした。



そして全ての怪獣を倒してしまった。



「あ、あんたは一体?」

「我が名は――――ゼロ」

そう名乗ったあと、今度はマントを自分にかぶせると黒い球状となって、どんどん小さくなって消えてしまった。

「何だったんだ、一体」




















ウルトラでカオスなリリカル戦記


A'sの04 魔の目覚める日






















「――――と言う訳だ」

「はぁ」

まさか遺跡に行ってそんな事になるとはな。

ルルーシュが神根島の遺跡の調査をしていたら突然2m位の怪獣が現れてそいつらに襲われたようだが。

『ありました、ドキュメントGuysに記録を確認。レジストコードは――』

ブレイブはルルーシュの撮ったデータから自分の持つデータ(正確には俺が持っていた知識)

に該当するものを検索してそれをモニターを表示した。

「高次元捕食獣、レッサーボガール…………だよな、確か」

というか今のは某怪獣博士みたいなやり取りだったな、オイ。

「しかしまた怪獣とはねぇ……もういやだ、この世界…………」

カオスすぎていい加減頭がどうにかなりそうだよ。

だけど今回は現実逃避をしている暇は無いので話を進める事にした。

「それで…………彼女は?」

まずは彼女について。小動物のようにビクビクしながらルルーシュの後ろに張り付いている。

時々顔を出してこちらを見るが目が合うとビクッと反応して隠れる。……う~ん、萌へ~~。

「神根島である物を見つけた。それと接触したらゼロとなり、怪獣を撃退したら

変身を解いたらなぜか彼女が現れた」

しかもどうやらそのゼロはアニメ版のではなく「ナナナ」(ナイトメア・オブ・ナナリーの略)のようだ。

さらに現れたC.C.は記憶喪失時バージョンと説明された。

「う~ん、ユニゾンデバイスのようなものなのかな?」

「何だ、それは?」

「古代ベルカに存在したデバイスの一種だ。デバイスとそのマスターが融合する事で大きな力を得ると言う」

「ほう、そんなものが……だが存在したとは?」

「古代ベルカの技術だから今は無き失われたものなんだよ」

まあ俺の知る限りでは夜天の書の管制人格と烈火の剣精などがいるが。

とまあ説明してルルーシュの後ろに隠れている彼女の横へと移動し話しかけた。

「そう言えば自己紹介がまだだったな。俺は迫水仁。ここの家主だ」

「あっ、そ、そうだったのですか。ふ……ふつつかものですが、よろしくお願いします! 旦那様」

礼儀正しくお辞儀してくれたが、それよりも――――。

「だ……旦那様……だと」

「あ……あの、できるのは、料理の下ごしらえと掃除。水汲みと牛と羊の世話……。

裁縫と文字は少しなら読めます。数は20まで、あっ、死体の片付けもやっていましたから……」

死体の片付けって、物騒な……じゃなくて。

「何で旦那様?」

「ここの家主様なのでしたら旦那様なのだと……」

私、間違えましたかと困ったそうな顔をする。ついでに涙目にもなっている。

さらに付け加えると、どうしましょう、ご主人様とルルーシュに助けを求めている。

――――もうやめてこれ以上萌えさせないで! らめー! 血ィ一杯吐いちゃう~!







――――ガハッ! …………もう無理ぽ。






『ジン! ちょっと貴方は何してんですか!』

「くっ、ここまで俺を追い詰めるとは恐るべし、流石は魔女と言うだけの事はある」

『いやいや、魔女は関係無いでしょう』

「――おい、それよりも俺が居ない間に何が起きたんだ?」

俺とC.C.を無視し話を進めようとする。帰って来ていきなし専属メイドを連れて来た本人が――――メイド?

――――後で忍さんに電話しよう。あそこには本物のメイドさんが居るからきっと用意してくれるだろう。

『ジン……貴方……キャラが変わってないですか?』

俺は何時もこんな感じですよ!

それよりもC.C.(幼女Ver)のメイド服か…………。ついでに輸血パックも貰っておこうかな……。

そんなの見たら血が足りなくなりそうだしな。

「駄目だ、コイツ……早く何とかしないと……」

「でも俺はメイドよりも巫女さん萌えだからなぁ……」

『早くこっちに戻ってきてくださいよ~』

「メイド? 巫女さん?」

「気にしなくていいから……」












閑話休題













「大分暴走していたようで、ホントすみません」

俺がC.C.について考えている間に(メイドにするかなどの勝手な暴走)

その間にブレイブがルルーシュに大まかな事を説明してくれたようだ。

「それでお前はこの事態をどう思う?」

今回起きた闇の書に関わるこの事態についてだが……。

「今回はホント分からん。なぜこうなったのか見当がつかない」

シグナム達が言うにははやてが蒐集を望んだと言うがそんな事を望む奴では無い事は

思っている。それはルルーシュやなのはだってそう思っている。ではこれはどういう事なのか。

もしかしたらこの世界の闇の書は俺の知るものとは違うかもしれないし。

ならばこの世界での闇の書に関する情報と比べれば何か分かるかもしれない。

「取り敢えずのところは先生の所に行って情報を貰うか」

だからそのルルーシュの意見に俺は賛成し出かける準備をする。

というか元々ここに戻ったのはそれが目的だったし。

それがまさか魔王の力を手に入れてしかもC.C.というおまけまで連れて帰ってくるとは。

……ゼロねぇ。ルルーシュにとってどこの世界に行こうが切っても切れない存在なのかなぁと思った。

しかもこの小動物とユニゾンというか融合すると魔王になるなんて誰が想像つくだろうか。



「やれやれ、無知とは幸せだな」


「どういう事?」

「その内分かるさ」

ルルーシュが意味深な事を言うがその話はこれで終わりだと示す。

「とりあえず行くか」

「いや、ルルーシュ達はボガールと守護騎士達の調査をしてくれないか」

「なぜだ?」

「闇の書の完成を防ぐ為に捕えるか妨害をしてもらいたい」

「だが、ボガールについては?」

「何か怪しい気がする、だから調べてもらいたい」

「いいだろう、何かあれば連絡するが」

「こっちも何かあったら教えるよ」

という事になってルルーシュはゼロとなって飛び立った。

――――融合する際のC.C.の顔がエロっぽく見えたのはここだけの話だ。

そして俺はアースラへと向かった。























「そうなんだ、はやてって子が……」

俺がアースラに来たらフェイトが出迎えてくれた。

他の皆は、なのはは検査でアリシアはマリーとレイジングハートの改良中。

ユーノとアルフにクロノ、エイミィは闇の書のグレアムさんから提供されたデータを解析中。

リンディさんはグレアムさんのところへ行っているらしい。

それならと久しぶりに二人で話をする事にした。話題はは八神家の事についてだ。

「フェイトはシグナムと気が合うかもしれないな」

「そうなの?」

「いや、何となくだけど」

原作ではそうだったから思っただけだが、まぁでもこの世界ではどうなる事やら。

などと他愛の無い話をした。








「そう言えば、お前の母さんはどうなったんだ?」

「うん、今年中には裁判も終わって、もうじき一緒に暮らせるようになるんだ。それでね」

プレシアの話題を出してみたらフェイトは嬉しそうな顔をして話し出した。

色々とあったがやっぱプレシアの事が好きなんだなぁと思った。

「私達、家族三人でここに海鳴に住もうかなって考えているんだ」

「へえ」

原作でもそうだったし別におかしな事では無いよな。

「あれ、あんまり驚いていないね」

「そんな事は無いよ。ただもしかしたらそうなるんじゃないかと思ってたから」

「そうなんだ。やっぱ仁はすごいね」

自分の考えていた事を予測されたのがすごいと思ったのか俺を見る目がキラキラと輝いて見える。

そ、そんな純粋な瞳で見ないでくれ。憎い、今だけは俺の持つこの原作知識が憎い。

まさかこんな気持ちになるなんて…………。

「これから一緒に暮らせる事ができるようになったのは仁のおかげなんだよ」

「俺何かしたっけ?」

もう今の状況にテンパッてあまり覚えていないのだが……。

「優しさを失わないでくれ……」

「それは確か……」

「仁が教えてくれた言葉、この言葉のおかげで私は母さんに一度は捨てられて絶望したけど、

その言葉を思い出して私は母さんに向き合う事ができた。

そしてそのおかげで親子三人一緒に居られるようになった」

そういえば、あの時ウルトラサインを送ったんだっけ。あれが無くてもフェイトは前に進んだと思うが、

一応念押しのつもりでやった事なんだけどな。

「だから、ありがとう仁」

「そんなに感謝するならその分、幸せになれよ」

「うん、私頑張るよ」

そう言った時の顔はとてもいい笑顔だったと素直にそう思った。




「それでね、引越ししたら、仁達が通っている学校に通いたいなと思ってね」

それをアリシアとプレシアに話したら快く了承したらしい。

「それでね、私学校に行くのって初めてだから」

「そういえばリニスに教えてもらっていたんだっけ? 所謂、家庭教師みたいな感じで」

「うん、だからよく分からない事があるかもしれないから……」

「そん時は勿論サポートするさ。俺だけじゃない、なのはやアリサとすずかも、あとルルーシュもな」

「ありがとう、約束だよ」

「ああ、約束だ」

約束ついでに指きりを教えた。嘘ついたら針千本飲ますと言ったら怖がっていたが、

それに萌えたのはご愛嬌という事で。

そんな事を思っている間に、フェイトはクロノからの通信を受けていた。

「――――うん、分かった。仁、クロノがこれから作戦会議だって」

「分かった。じゃあ行こうか」















作戦会議中。俺となのは、フェイト、アリシアにユーノとアルフ、そしてアースラのメンバーが揃っている。

ただその一角俺の出番はまだか! とか、ギッタギッタにしてやるからよぉぉぉ!

ヒャアアアアッホォォォゥゥーーーー! と騒がしい声が聞こえたがクロノは何も言わなかった。

多分いつもあんな調子なのだろうとスルーしておいた。

「問題は彼女達が今どこにいるかが不明だと言う事だ」

「家は既にもぬけの殻だったからねぇ」

「早いところ捜索して見つけないと被害とその分の蒐集が溜まってしまうわ」

クロノとエイミィ、リンディさんがどうやってはやてのところへ向かうか悩んでいるけど

だけどそんな悩む事は無いんだけどな。

「なあ」

「何だ?」

「俺のテレポーテーション使えば直ぐに会えるぞ」

「は!?」

俺のテレポーテーションは、「行った事のある場所」「見た場所」が移動できる、

また知っている者の気配や魔力等の力を感じとる事ができれば、その場所まで移動する事も可能なのだ。

「あ、そう言えばそう教えてもらったね」

「……全く君は出鱈目だな」

一応褒め言葉として受け取って置くよ。

結局、準備が整い次第、俺のテレポーテーションではやてのところに向かう事となった。

ただ、はやてのところに向かう時は守護騎士達が活動している時にしようと提案が出た。

蒐集活動をしている時ははやてまで参加していないだろうから

守護騎士達が居ない間なら楽にはやてを捕える事ができる。

守護騎士達はクロノやユーノ、アルフとアースラの武装局員達に足止めをしてもらって

その間にはやてと接触するという事になった。











「ありがとう、アリシアちゃん」

「どういたしまして」

修理というか改修したレイジングハート・エクセリオンを受け取ったなのは。

アリシアやマリー、それに先生の協力で意外と早く完成したみたいだ。

「それから、お兄ちゃん」

「何?」

「先生さんから預かり物だよ」

「おっ、ありがとう」

「それって何なの?」

「効果があるかは分からないが、守護騎士対策用のマル秘アイテムだ」

効果があればラッキー程度に思っておこう。そんなアイテム、とある銃の弾を手に入れた。












「さてと、準備もできたし行きますか」

俺となのは、フェイトが全員出揃い準備が整ったところでいざ行こうとするが―――ー。

「そう言えばルルーシュ君は?」

「あぁ、あいつなら連絡が無いし、できないんだよな」

しかもあいつの魔力も探知できないしホントどうしたんだ。まさかボガールに食われたんじゃないよな。

でもあのチートスペックであの程度の怪獣に負けるとは思えないし。

「――ルルーシュの事なら大丈夫だろう。それよりも俺達は俺達のやるべき事をやろう」

心配ではあるけどここで闇の書の復活を止めないとまずい。

以前は復活させてからはやてと暴走プログラムを切り離そうと考えていたが

それも危険な事になりそうだからここでせめてはやてを止めないと――――。

『――――ジン』

「なんだ?」

『――――それはそうと…………ジンだけが貧相ですね』

いきなり何を言っているんだお前は、と周りの皆を見てみると、




なのは、フェイトはカートリッジシステムでパワーアップ。

ここに居ないルルーシュはガウェイン持ちでC.C.と融合して魔王ゼロ化。






――――はっ!? 俺だけパワーアップしてねぇぇぇぇえ!!

俺、一応主人公の筈なのに…………orz



「何を落ち込んでいるの?」

『アイデンティティについて少々。あまり気にしないでください』

話を振ったのはそっちじゃないか。これから戦いに出るというのに人の戦意を落とすなんて何て奴だ。

『緊張をほぐそうとしただけですよ』

「緊張なんかしてないし」

『本当ですか? ジン、貴方は恐れているのではないですか?

今回の件は今まで以上に厄介な事になっています。もしかしたら最悪の事態になってしまうかもしれません』

「そうならないよう最善を尽くすだけだ」

『ですからあまり考え込まないでください。他のみんなにもそれが伝わりますよ』

……確かにこの状況で不安がってもしょうがないか……。やるしかない。

「…………ありがとよ」

『どういたしまして』

「はぁ、気を取り直して行くぞ、テレポーテーション!」

はやての気配を感じ取って、その場所へとテレポーテーションした。























テレポーテーションで辿り着いたのは海鳴のとあるビルの屋上だった。

「まさかこんな近くに居たとはな」

まさしく灯台下暗しってやつだな。

「――――はやて」

俺の目の前に闇の書を抱えて持つ車椅子の女の子、八神はやてがそこに居た。

「どないしたん、仁君? それになのはちゃんやフェイトちゃんも」

「えっ、どうして私の事を?」

「仁君やなのはちゃんから聞いたで。フェイトちゃんと会うのを楽しみにしていたんや」

普段通りに話をしてくるはやて。でもこの状況で何時も通りに話すのはおかしい。

それに何か違和感があるようにも見える。だから単刀直入に言った。

「お前が命じたのか?」

「何をや?」

「守護騎士達に蒐集を命じたのはお前なのか?」

「そうやったら?」

俺の問いにはやては笑顔でそうだとあっさりと答えた。

「そんな……嘘でしょ、はやてちゃん!」

「嘘や無いで、これは私が望んだ事や。私は力が欲しいんや。強大な力をや。

そんな力があれば足も治るし、たまに絡んでくる不良達も撃退できる。その力が思いのままに――――」

「――――いい加減にしろ」

楽しそうに話すはやての言葉を俺は遮った。

「てめえは一体誰だ?」

違う、こいつははやてじゃない。こんな奴をはやてと認める訳にはいかない。

「何を言ってるん、私は私やよ」

「じゃあ言い換えよう。はやてを操っているお前は何者、いやお前は闇の書の意思か?」

俺の言葉に驚き、皆の視線がはやてを見つめる。

「――――フハハハハハ! よくぞ見破った」

俺の問いに返ってきたのははやての不気味な笑い声だった。

「当たり前だ。はやてがそんな事を望む筈が無い」

「はやてはあの闇の書に操られている」

「そんな」

「お願い、はやてちゃんを返して!」

「それはできんな。我をこの小娘から解放したくばこの小娘を殺すしかない」

「何だと……。そんな事できる訳無いだろうが!」

「でなければ蒐集活動は止まらず、そして闇の書は完成を迎えるぞ」

「そんな」

「ふん、一人の人間と世界どちらかを選択するのに悩む。どの時代、世界でも人間は愚かだな」

そう言うとはやては腕を上げ、指を鳴らすとはやての周りに魔方陣が展開し守護騎士達が姿を現した。

なっ、足止めはどうなっているんだ。クロノやコーラサワー等のアースラの武装局員は何しているんだと

悪態をつきたくなったが、エイミィからの通信によると突然、ボガールが現れて

局員達に攻撃を仕掛けてきたようだ。守護騎士達はその隙にこちらへと転移して来たようだ。

やっぱりボガールと闇の書は関係していたのか。

「さあ、のこのこと現れたこやつらの力を蒐集してやれ」

「どうして、止めてよ!」

なのはの言葉を聞かず、守護騎士達は構える。シグナムとヴィータは前に出て、

シャマルとザフィーラははやてを守るようにしていた。やはりこうなるか、ならば――――。

「皆、俺はある作業に移るからその間、守護騎士達を頼む」

「何をするつもりなの?」

「上手くいけば守護騎士達を止められるかもしれないし、はやてを正気に戻せるかもしれない」

効果があるかは五分五分だがやってみる。

「分かった」

「あとできるだけお互い離れないように戦ってくれ」

俺の言葉に頷いてなのはとフェイトはバリアジャケットを纏い構える。

「では行くぞ。ちぇぇーい!」

皆に守護騎士達の事を頼み、俺はビルから降りた。




「ヴィータちゃん! もうやめて」

「うるせい!」


「この人、強い!」

「やるな。だが!」





皆が守護騎士達の相手をしている間に俺はナイトブレードで

ある陣を描くように地面を削りながら辺りを走り回っていた。




「よし、できた。後は……」

出発する前に受け取った弾を走り回って描いた陣の中心に向けて投げてそれを破壊した。




「邪なる威力よ、退けたまえ! マホカトール!」

破壊した瞬間に俺が描いた陣が輝きだした。

「な、何だこの結界は!」


光の魔法陣「五芒星」の結界によってはやては苦しそうにしている。

どうやら効いているみたいだ。同じように守護騎士達も苦しんで、そして――――。



「うう、我々は一体?」

「あっ、なのは? あたしら、何してたんだ?」

守護騎士達は正気に戻ったようだ。どうやら上手く行ったようだな。

「これって、仁は何をしたの?」

「マホカトール。破邪呪文、退魔の呪文と呼ばれるこの呪文は、魔を拒む光の魔法陣を作り出す。

要は守護騎士達に掛かっていた呪縛を払ったんだ」

「という事は…………はやてちゃん!」

なのはとフェイトははやての元に駆け寄り、目を覚ますように声を掛ける。

「うぅ、なのはちゃん? それにフェイトちゃんまで……わ、私は……」

はやてもどうやら正気が戻ったみたいだ。



『随分と味な真似をしてくれたな』

はやての手から離れた闇の書が宙に浮いて言葉を発した。

「これでお前の思惑は終わりだ」

『ふん、ならばこうするまでの事だ』

闇の書が光を放った瞬間――――。

「がはっ!」

「があ!」

「きゃあ!」

「なっ!」

闇の書の攻撃によって守護騎士達が倒れてしまった。

「シグナム! ヴィータ! シャマル! ザフィーラ!!」

「最後の頁は貴様らを蒐集する事で完成を迎える。これまでもずっとそうしてきた筈だ」

何も抵抗できないまま守護騎士達の姿は消えてしまった。そして闇の書は最後の項まで埋まってしまった。

だけどいくら何でもこの短期間で集めたなんて早すぎないか。

「そんな、嘘やろ、皆……」

「さあ、絶望しろ! 目の前で自分の愛すべき者達が倒れるのを見て

そして悲しめ! 憎むがいい。 そうすれば…………」

「駄目だ! はやて、奴の言葉を聞くな!」

そうなったら闇の書が――――。

「うう、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

はやての絶叫によって闇の書が発動してしまった。その影響なのか闇がはやての周りに集っている。

「フハハハハ! そうだいいぞ。人間の負の感情、マイナスエネルギー。それは我らの力の糧となる」

闇によって見えなくなったはやての元から不気味な嗤い声が上がる。

それと同時に海鳴の空を不気味な暗雲が覆い包んだ。

「ついにこの時が来た。この時をどれだけ待ち望んでいたか」

今度はマホカトールにひびが入り、そして破られてしまった。

「なっ!? マホカトールが破られるなんて!」

それだけ奴の力が強力だというのか。そして現れた闇の書の意思の姿。それは――――。






それは黒い女性の姿ではなく、赤紫色のゆがんでうごめく、とんがり帽子を被ったような姿だった。

「ま、まさか……お前が闇の書の正体……」



















「我が名は――――ヤプール。異次元からの来訪者にして、暗黒から生まれた闇の化身である」

俺の知る最も最凶最悪の悪魔がここに姿を現した。






















 キャラ紹介


・ゼロ

元ネタ:コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー

黒いマント、その下にブレストアーマーを、そして黒い仮面をかぶった謎の男。

その正体はルルーシュランペルージ。C.C.と融合する事でその姿となる。

ゼロになったルルーシュは上記のような姿でさらに以前の世界と同じ身長に戻っている。

そしてその身体能力はルルーシュの時とは雲泥の差と言っていい程で、

守護騎士やクロノといった強者を圧倒してしまう程の力の持ち主である。

さらに対象の力をゼロにする「ザ・ゼロ」のギアスを持つ。

ゼロの状態ではガウェインと「絶対遵守」の【ギアス】は使用不可になる。




・C.C.

元ネタ:コードギアス

神根島の遺跡で発見した魔導器がルルーシュと接触して誕生した。

今の姿と性格はルルーシュの記憶にあるC.C.の情報で構成されているからである。

誕生したばかりなのか記憶喪失時の性格となっている。

ルルーシュが魔王ゼロとなる為に必要な存在。

ちなみに好きな食べ物はピザ。












 魔法・スキル紹介


破邪呪文マホカトール

登場作品:DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

アバンが得意とする呪文。あらかじめ光の魔法陣「五芒星」を描いてから呪文を唱えることによって、

魔法陣内の邪悪な力を消し去る。魔法円の中に入れば外からの邪悪な力を防ぐことができる。

また外側からの侵入もかなりのパワーがないと不可能

その効果と範囲は術者のレベルに左右される。





・ブラックリベリオン

元ネタ:コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー

ゼロの魔法。羽織っているマントを伸縮自在に操作し攻撃、防御に使う。

他にも飛行や転移するのにも使用する。



・ザ・ゼロ

登場作品:コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー

ゼロのギアス。手の平に鳥が羽ばたくような形をしたギアスの紋様、D.O.M.と

描かれた光を対象に当てる事で対象の力をゼロにするというギアス。

「絶対遵守」の【ギアス】とは違い対象が人間でなくても無機物でも効果がある。

原作ではその光を照射するやり方だったが、こちらでは直接対象に光を当てないと効果を発揮しない。

しかし意思の無い物(銃撃や魔法など)に対しては光を当てなくても同じ効果の事ができる。

逆に意思が強い者に対しては通じない場合がある。







 アイテム紹介


・魔弾銃の弾(改)

元ネタ:DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

アバンが作った弾に魔法を込めて打ち出す銃の弾。

攻撃魔法だけでなく回復・補助系魔法等も充填し離れた相手に効果を打ち込むことができる。

原作では弾を銃から打ち出す以外に誘爆させて強制的に効果を発揮した。

(敵の指先の炎にギラを込めた弾だった為)

それをヒントに弾を破壊する事で呪文が発動するように改良したものを用意してもらった。










 あとがき?


余裕があれば投稿すると言って頑張ったけど間に合わなかったよ。

待っていた皆様、すみません。

まさかこんなに時間が掛かるとは思わなかった……。





さてここから本編の話。

夜天の書ではなく闇の書の意思でありA's編のラスボス、ヤプール登場。

C.C.に関してですが色々と悩みました。同じ作品でそのまま二人以上出すのはどうかなと考えて

魔導器という形にしてみました。これは「ナナナ」のとは違う魔導器なので。

性格設定ですが誕生したばかりなので記憶喪失時の性格設定にしてみました。

最も某動画を見るまでは普通のC.C.を出す予定だったのですが

ちなみに最初はこうする予定でした。



没ネタ披露会・エントリー№2 

C.C.登場シーン


「ただい……お、ルルーシュの靴がある」

ルルーシュの奴、戻ってたんだ。

「おーい、ルルーシュ戻ってたん……だ……な」

「誰だ、お前は?」

そこに居たのはルルーシュでは無く、長い緑色の髪の女の子が居た。

「…………は? え? ハア!?」

「何だ、その鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして」

いや待ってくれ、唐突でしょうが。このタイミングで誰があんたの登場を予期するか。

「ところで……ピザを食べたいのだがこの家にはピザは無いのか?」

ねえーよ! 不老不死の魔女、C.C.が我が物顔でくつろいでピザを要求してきたのだった。





やっぱC.C.にピザは欠かせませんよね。



次回以降の話は色々と調整して書かないといけないのでまた更新は遅くなると思います。

一応構想はできているのですがまとめるのに時間が掛かると思うので何分遅筆なので。

でも文章量はそんなに多くないかも…………。

更新は早ければ今週から来週の間に、遅ければそれ以降になるかなと思いますが

なるべく早く更新できるようにします。









[7126] A'sの05 怒りの咆哮
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/06/09 21:05


夢を見た。

光の巨人達と邪悪なる存在達と

繰り広げられる戦い

それを地球から見守る

というそんな夢を――――。














 ??? side


「う、うう……私……どないしたんやっけ……」

「――――申し訳ありません、我が主。私のせいでこのような目に遭わせてしまって」

目を覚ますといつもの夢のような暗いところに居た。

そして目の前にはいつもの幽霊のような存在ではなく銀髪の女性が立っていた。

その顔はとても悲しそうにして私を見ていた。























ウルトラでカオスなリリカル戦記


A'sの05 怒りの咆哮























 クロノ side


「状況はどうなっている?」

「それが分からないんだよ。あの雲が海鳴一帯を覆ってから

通信が妨害されてるみたいで中の状況が家訓できないんだ」

闇の書が復活したと報告があって、直ぐに現地に向かったらそこには海鳴を覆い隠す暗雲があった。

しかもその暗雲は結界効果があって中に入る事ができず状況も確認できない事になっていた。

「くそ、一体中で何が起きているんだ」

「クロスケ!」

この状況をどうするかと考えている時、彼女達がやって来た。

「リーゼ! 君達までここに」

「話は後だ、クロスケ。この結界に穴を開けるのを手伝って。あんたたちも」

「分かったよ」

ロッテに従いアルフとユーノは結界に入れるようアリアをサポートする。

「……僕達が来るまで無事でいてくれ」

そう祈る事しかできない今の自分が情けないと思った。


 side out


























「テレポーテーションが使えないな……」

『恐らくあの暗雲の影響でしょう』

その上、あの暗雲の影響なのか能力までダウンしているし最悪の状況だな。

まさかここまで想定外な事になるとは。そう思いながら俺はその元凶へと目を向ける。

「はやてはどうした?」

「我が内で眠っている。元々存在した管制人格と共にな」

「管制人格?」

「闇の、いや夜天の書の本来の意思の事だろう」

二人が一緒ならまだ助かる希望はあるのか。けどヤプールが闇の書を乗っ取っている場合はどうなる?

「……ヤプール、一つ聞きたい。あんたはどういった経緯で闇の書に?

あれは元は夜天の書と呼ばれるものだった。それが闇の書へと変わった事に関係があるのか?」

「――――いいだろう教えてやろう。我は元々はこの世界の存在ではないのだ。

かつていた世界で我はある者達と戦いを繰り広げていた。その戦いで我はで因果地平の彼方に追放される筈だった。

しかし我は難を逃れある世界へと辿り着いた。それがベルカ。

先の戦いで激しいダメージを受けて大半の力を失った我は力を取り戻す為に

そこに目を付けたのが夜天の書だ。そして我は夜天の書に寄生しその結果、闇の書へと変質したのだ」

ヤプールの話を推測するとある者達というのはウルトラマンの事だろうな。

それでその戦いでその世界から追放されて古代ベルカの時代に辿り着き、

しかも失った力を取り戻す為に夜天の書に乗り移ったと。

またとんでもない事があったんだなぁと呆れ果てるしかないぞ。

「後は貴様らが知るとおりだ。その後は闇の書として幾たびの転生の繰り返しをしてきた。

全ては我が復活の為にな。だが666の項を全て埋まったとしても我が復活するにはエネルギーが足り無さ過ぎる。

よって転生を繰り返し数百年の年月を掛けてついにその悲願が果たされたのだ」

ヤプールのスペックを考えれば一回の完成では確かに復活するのは難しそうだが数百年も掛けるとは……。

「あと一つ聞きたい。最近各地で出現するあの怪獣はお前と何か関係があるんじゃないか?」

「ほう、気がついていたか。そうだ、あれこそが新たに生み出された蒐集システムだ」

「蒐集システム?」

「そう、守護騎士システムが存在するがあれは蒐集をすると同時に主を守る役目もある。

だが今回は主を守るだけで蒐集という目的を果たそうとしなかった」

それははやてがそれを望まなかったからだろうな。

「そこで我は蒐集のみを目的とする新たなシステムを生み出した。その結果が――――」

「あの怪獣だと」

「そういう事だ。奴らが獲物を捕食して得たエネルギーは我が力となり闇の書の項は埋まっていったのだ」

成程。だから闇の書の完成がこんなにも早かった訳だ。

「さあ話を終わりだ。復活した記念にまずは貴様等とこの町を破壊尽くしてくれるわ」

「ま、まずい、取り合えずここは……」

「ここは?」

「逃げるが勝ちだ!」

「やっぱりー!」

「逃がしはせんぞ!」


二人の手をつないで全速力でここから逃げ出した。















「むう、どこへ隠れた?」

「そこだ、キャッチリング」

「むっ!」

建物に隠れてヤプールがこちらに近づいた瞬間に拘束した。

「今だ、二人共!」

「ディバイィィン、バスターー!」

「プラズマスマッシャー、ファイア!」

その隙になのは、フェイトのダブル砲撃。一応の不意打ちな成功した。

「やったの?」

「……いや、まだだ」

だけど流石にいくらかのダメージは受けた筈……。

「うははは、どうした、それで終わりか?」

と思っていたがダメージは無いようでピンピンしていた。

「まずいな、これは本当にまずいかもしれない……」

「まだ本調子ではないが、貴様ら虫けら共を一掃する事など容易いわ」

まさかここまで力の差があるとは、しかもまだ本来の力を取り戻していないと言うんだから性質が悪い話だ。

「どうしよう、仁君……」

逃げようとしても結界で逃げられない。戦うとしても例えダークネスモードを使ったとしても勝てるとは思えない。

打つ手が無いと言わざるを得ないな。何かこの状況を打開する手は無いのか……。

「ねえ、仁、あれを見て」

フェイトが何かを見つけたのか俺達はフェイトが指を指す方へ空を見上げると一筋の光が指していた。

その光はよくある神々しい光では無く黒に限りなく近い光だった。

その光と共に黒い男が降りて来た。

「まさか新たな敵なの!?」

「いや、あれは――――ゼロ!」

「遅くなった。この結界を抜けるのに手こずっていた」

敵だと思われたその男は黒いマントを羽ばたせながらこちらにやって来た。

「仁君、この人知り合い?」

「最強の助っ人だ。ゼロ、お前一人なのか? クロノ達はどうした?」

「何? 一緒じゃないのか?」

と言う事は一人だけ助っ人が入っただけなのか。

にしても実物を見るのは初めてだが、すごく……マッチョです。

「それで融合している間はC.C.はどうなっているんだ?」

「あぁ、あいつなら――――」

「何だ小僧?」

――――――え?

「自分から振ってきたくせに何を黙り込んでいるんだ」

間違いねえ、この辛辣な言い方はC.C.だ。じゃああの萌えなC.C.はどこに消えたんだ?

「え~と、どうなっているの?」

「融合中のC.C.は戦闘時という事でこのように性格が変化するんだ」

た、確かにあの性格では戦闘は不向きだと理解はできるが、でも何か納得できない……。

「おい、お前確か、好き勝手に私で妄想していたようだが程ほどにしておけよ。童貞坊や」

「どどどどどどど童貞ちゃうわ!」

お決まりの返しをするが今の年齢って9歳なんだから童貞で当たり前なんだよな……。すごくどうでもいいか……。

「それよりも奴がどんな力の持ち主なのか知りたいのだが」

そう聞いてきたので簡潔に教えると。

「よし、フェイトは持ち前のスピードで奴をかく乱させろ。

仁となのはは遠距離サポートをそして私が直接奴と対峙する」

直ぐに役割分担を伝えた。

「お前一人で大丈夫なのか?」

「ふん、心配は無用だ。我が魔王の力を存分に見せてやろう」

そう自信満々に言い放つ。

さて奴は俺ら三人が束で掛かっても敵わなかったがゼロが加入してどこまでやれるだろうか。

確かに魔王ゼロの強さは漫画で知ってはいる。だが果たしてそれがヤプール相手にどこまで通じるか…………。

『ここで悩んでいたって仕方ありません。早速向かいましょう』

「そうだな、四人掛かりならいけるかもしれない」

「ふん、何人来ようが同じ事だ。蹴散らしてやる!」

第二ラウンド、スタートだ!
















ヤプールの繰り出す光線技を避けて徒手空拳で攻める。攻撃が当たりそうになっても

黒いマントで防御しすぐさま攻撃に移る。そしてそのマントも伸縮自在に伸ばして攻撃している。

「すげえ、まさかここまでの力だとは……」

本人から話と漫画での知識だけで実際にどれだけの力なのか分からなかったが確かにすごい。

俺達三人がサポートがあるとはいえヤプールを押していた。

「貴様、厄介な力を持っているな」

「我がギアスはあらゆる力をゼロと化す」

ここまでヤプールに対抗できるのはゼロとなって新たに手に入れたギアス、

【ザ・ゼロ】の力も大きいだろう。流石に一度にヤプールのエネルギーを

ゼロにはできないが徐々に力を削っているのが分かる。このままいけば勝てるか?

「貴様が悪魔だと言うのなら、私は魔王だ!」

「おのれぃ、小癪な!」

ゼロが一気に勝負を仕掛けようとヤプールに突撃し俺達もそれに続く。

「ならば、これはどうだ!」

「な、何だ!?」

ヤプールが何かしたのかゼロの体が徐々に消えていく。あれは例の夢の魔法か。

「フハハハハ、残念だったな。我が内で眠るがいい魔王よ」

「ゼロさん!」

「なのは、行くな!」

俺の制止の言葉を聞かずに今消えようとするゼロのところへ翔けていく。

「うん? ついでに貴様もだ!」

「あっ――――」

「なのは!」

そしてなのはもゼロと同じように身体が消えようとする。――――そして二人とも消えてしまった。

「これで残るは貴様らだけになったな」

「二人に一体何をした!?」

「ふん、我が主だった者同様に、覚めること無い眠りのうちにつかせたのだ。

生と死の狭間の夢、それは永遠の眠りだ」

「永遠なんて、ない。みんな変わってく、変わっていかなきゃいけないんだ。私がそうだったように!」

「フェイト……」

「仁……頑張ろう」

「そうだな、たった二人だけだがやるしかないか」

そんな強い眼差しをされてはこっちも覚悟を決めてやるしかないな。

それに当初の計画だったルルーシュを闇の書の内へと入ったのは果たしてこれが幸と出るかそれとも……。

「とは言え時間を稼ぐ位しかできんな」

その間に外の皆が何とかしてくれると有難いが。だけどそれで果たして勝てるだろうか……。

「バルディッシュ、ザンバーフォームいけるよね?」

『Yes, sir. Zamber form』

「いい子だ」

フェイトは現段階で最強のザンバーフォームへと姿を変えた。

「仁、私が前に出るから援護して」

「なっ、待てフェイト!」

「ジェットザンバー!」

俺の静止の言葉を聞かずヤプールに斬りかかる。無茶するなよ思いながら直ぐに援護に向かうが。

「ふん」

「か、体が……! きゃあああああ!!」

ヤプールの超能力なのか斬りかかるフェイトの動きを止めてビルに叩きつけられた。

大分離れたところまで吹っ飛んでいってしまったフェイト。

「フェイトーー!」

「さて後は貴様だけだな。どうする?」

「く、本当にどうするか……」

『ジン……』

心配するなブレイブ。俺のしぶとさはG並みだ。どうにかしてみせる。

というか本当に何とかしないとやられる。その位今のこの状況はまずい。






















「がっ!」

ヤプールの超能力によってビルに叩きつけられた。さっきからこんな調子で遊ばれている。

「ほら、どうした。ほれ」

そう言ってまた俺の体を宙に浮かして今度は地面に叩きつけられた。

「ぐあああぁぁぁぁ!」

どうにかしてみせると言ったが手も足も出せずやられっぱなしで

おかげ様でかなりのダメージを負ってしまい体があまり速く動けなくなっている。

これ以上ダメージを受けたらやばい……。

「ふん、つまらんな。もういい。終わらせてやろう」

つまらなさそうに言いながらヤプールが俺に向けて極大の光線を放った。

今からでは防御も回避もできない、それにこれだけのエネルギーの攻撃、非殺傷設定ならともかく

ヤプールがそんなものを持っている訳無いからくらえば致命傷か或いは死ぬ。

そう直感し目を瞑ってしまった――――。






















 クロノ side


「駄目だ、ほんの隙間ですら開かない」

「くそ、一体どうやったら穴を開けられるんだ!」

ミッドでもベルカでもないこの特殊な結界はどうやっても穴を開けることですらできずにいた。

「フェイト。――――!?」

「あ、危ない!」

突然アルフが人型から犬型に変わってしまった。

「ア、アルフ、急にどうして犬型に」

「ワン、ワン!」

「何で犬語なんだい? まるで本当にただの犬になったみたいじゃないか」

ユーノの言うとおり、飛べなくなっただけでなく人語を話さなくなったのではただの犬になってしまった。

――――ただの犬? それは使い魔から犬に戻ったという事ではないか……。それを意味するのは――――。

「ま、まさか!」


 side out























死んだと思ったのに衝撃が痛みが無い、なぜ? と思い前を見ると俺の目に写ったのは――――。






血で赤く染まりながらも俺を守るように立っていたフェイトの姿だった。







その光景を目の当たりにして俺は動くことができなかった。

そして俺の前に立っていたフェイトは力なく倒れた。

「フェイト、フェイト! 大丈夫か、フェイト!」

俺はフェイトを抱き起こして何度も体を揺すり話しかけた。

「……じ、仁……良かった、無事だね」

「フェイト! もう喋るな。今すぐにアースラに連れて行く。だから!」

「仁、私は……」

「ど、どうして俺を庇った。庇わなければこんな事にはならなかったのに」

「……私は一度、仁に助けられた……だからかな……」

フェイトが話している間にフェイトの体は少しずつその温もりを失っていっていく。

その間、俺はフェイトの手を握り締めていた。

「それに私は元々はアリシアの代わりとして生まれてきた。だから――――」

「何言ってやがる。お前はお前だろうが! お前が死んだらアリシアもプレシアも悲しむ!

それだけじゃない俺もなのはも他の皆も! アリサやすずかだってお前に会うのを楽しみにしてんだぞ!」

「そっか……学校……約束したんだった……」

「そうだよ、約束しただろうが! だから死ぬな! 死ぬんじゃない!」

「ごめん、仁……あ、と――――」

――――今までありがとう。

「――――あ、あ、ああ、あああぁぁぁぁ!! フェイトーーーーーー!!」

俺の手を握り締めていたフェイトの手は力が無くなり抜け落ちた。










――――フェイトが死んだ。











「そ、そうだ……世界樹の葉で……或いはエリクサーで……」

『ジン、分かっている筈です。葉もエリクサーも以前に使ったので最後だと』

「――――待て、まだだ! まだ何か手は……」

『ジン! しっかりして下さい!』

「だって! こんな事ってあるかよ! 何か方法は無いのか!?」

『ジン、私達は神では無いのですよ』

分かってる、けど……こんな事、こんな現実を認めたくない!

俺はフェイトの体に顔を埋め涙を零してしまった。

「気にすることはない。貴様も同じところへと連れて行って――」

「黙れ!」

涙を流しながら肩をふるわせながら奴の言葉を遮った。

「漸く親子三人で幸せに暮らす事が出来るようになったのに……フェイトと約束をしたのに……」

フェイトが俺に楽しそうに話してくれたことを思い返す。これから本当の家族として暮らしていける事を

皆と学校に行く事を心の底から嬉しそうにしていたのに……。

「――――お前が、貴様が……それを壊した!!」

フェイトはその幸せを掴む前に死んでしまった。

もう俺には取り戻すことはできない。二度と死者を生き返らせることが出来ない。

「よくも……フェイトを…………許せねえ。――――絶対に許さねえ!!」

俺は奴を怒りを込めて思いっきり叫んだ。

何がいけなかった? どうしてこうなった? 分からない、もう何も考えられない。

ただ理解できている事は、目の前のあの野郎がただ憎かった。








「殺 し て や る !!」




俺のこの怒りに反応するかのようにブレイブはダークネスモードになり

俺はモンスターフォームへと姿を変えた。しかし以前の姿とは違い――――















尾の数が――――三本に増えていた。

そしてその変化に伴い大きなエネルギーを放出し、奴を、敵を睨んだ。




「何だ! この力は! 先程の奴とはまるで別人ではないか!」

「ビームウィップ」

奴の驚きを無視し電気を帯びたムチで攻撃する。

だがヤプールはその攻撃を避けるがそれはフェイント。本命は――――。

「エレキテイル」

「何! ぐわあああ!」

3本の尻尾が奴を捕縛しそのまま電気を放った。


「なめるなぁ!」

ヤプールが力ずくで尻尾を引き千切り拘束を解き光線を放つ。だが俺はバリアを使わずにその光線を吸収した。

「なっ!」

そしてその光線の威力を増幅して跳ね返す。

「ゼットンファイナルビーム」

「がぁぁぁ! ぐっ、ぐううう。おのれぇ……」

先程とは状況が一変してヤプールと互角以上に渡り合っていた。このまま押し切って奴を――――滅ぼす。

『ジン、いけません! これ以上その姿でいればジンの体がもちません!』

ブレイブの言うとおり俺の体は現在欠け始めていた。

これは光の力を持つ俺が反属性の闇の力を使っているからだろう。

以前の時以上に闇の力を酷使しているので体がそれに耐え切れず崩壊しているのだろう。

『それにこのままヤプールを倒してしまえばまだ中にいるルルーシュやなのはたちが!』

分かっている、このまま奴を倒せば奴に囚われた皆を助ける事ができないだろうと。

だけど、そんな事知ったことか! 皆! 俺も! こんな世界も滅びてしまえばいいんだ!!

『ジン!』

インペリアル・ソードを形成し構え、憎むべき敵に斬りかかる。

「これで、終わりだあぁぁぁ!!」

ダメージを負って動けないヤプールを前に剣を振り下ろす。

「殺った」斬る直前にそう思ったその刹那の瞬間――――。





”――――優しさを失わないで”





「!?」

その言葉に俺は攻撃を寸止めしてしまった。

「フェ、フェイト……」

確かにそう聞こえた声に一瞬動きを止めてしまったその時。

「馬鹿め、貴様も我が内で眠るがいい!」

「し、しまっ――」

隙を突かれ、俺もまた闇へと囚われてしまった。























「俺は……」

気がつき目を開けるが何も見えなかった。視力を失ったわけではない。

恐らくこの空間には光が無い暗闇の空間なのだろう。

「仇が討てなかったな。――――けどあいつならそんなことを望まなかったろうな……」

フェイトの死という現実にキレてしまい自分が死ぬかもしれない力まで使ってヤプールを滅ぼそうとし

その結果なのは達まで殺してしまうところだった。まあ結局負けてしまったけど。

「はっ……何て、無様なんだ……」

だけどあの時、あの言葉が聞こえなければヤプールを倒してなのは達も殺してしまうところだったんだから

そうならずに済んで良かったのかな……。あのままヤプールを倒しても奴はまた復活するだろう。

そうなったらなのは達の死は無駄になってしまう。

「けど、これからどうするか……」

依然とヤプールは存在している。そのままにしておけばやがて地球、

ヘタしたら他の次元世界も奴に支配されてしまうかもしれない。

少なくとも管理局では対処しきれないだろうな。

地球だったら協会やら教会といった勢力があるが奴が本気で侵略を始めたらどうなるか分からない。

「やっぱ……このままじっとしている訳にはいかないか……」

きっかけはどうあれ、首を突っ込んだ以上、自分のケツは自分で拭く。他人任せにはしておけない。

「勝算は殆ど無い、既に負けてしまった……けど」

絶対ではない、僅かな希望が残されているなら勝利を信じて戦う、それが――――。

「俺が憧れるウルトラマンなんだからな!」






”よくぞ言った”






「何だ!?」

声が聞こえた瞬間、辺りが眩しい光に包まれていった。

「久しぶりだな、いや始めましてか、迫水仁よ」

「お、お前は!?」

「フフフ、そう驚くな」

俺の目の前に現れたのは仮面の男、ユーゼス・ゴッツォだった。

その上、ギリアム、ウルトラマンヒカリまでもが姿を現した。

「今こそ語ろう、お前の事を」

「ど、どういうことだ!?」

「お前がこの世界に来たこと、特異点であること、なぜブレイブを使えるのかを全てを」

突如現れたユーゼスは俺の今まで知りたかった事を話すという。

「まず始めに言っておこう。お前は――――元々はこの世界の人間だったのだ」

「――――――――は?」

ヤプールに敗れて眠ろうとしたら起こされて、目を覚ますとそこにはすごい人達が居て、

さらにとんでもない爆弾発言を受けてしまった。























 キャラ紹介


・高次元捕食獣 レッサーボガール

登場作品:ウルトラマンメビウス

体長二メートルの人間サイズの怪獣。

怪獣を主な食料としており、自分の餌となる怪獣を宇宙から呼び寄せたり、

地球で眠っていた怪獣を起こし、それらを食べる。

その能力でギャオスを孵化させた。通常は人間大で群れを成して行動している。

知性は低いが次元を跳躍する能力を持っているので各世界へ行き、

魔導師や魔法生物を食らう魔導師・魔法生物失踪事件の原因である。

他にも高い知能と凶悪な心を持つ同族が存在する。

そしてその正体は闇の書の意思によって生み出された蒐集システムの蒐集用端末生命体だった。

また自身を超える体積のものを捕食しても体に変化が無かったのは

その捕食したものをエネルギーに変換しそれを闇の書に送っていたからである。




・異次元人 ヤプール

登場作品:ウルトラマンシリーズ

異次元に生息している意識集合体でもある知的生命体。その性格及び手段は極めて卑劣かつ陰湿。

人間の憎悪や猜疑心を利用して狡猾な作戦を立て、相手を精神的に追い詰める、まさに悪魔のような存在

(ウルトラマンAからも「本物の悪魔」と呼ばれている)である。

その一方で真っ向から力押しで攻撃をかけてくることも少なくない。

光の戦士であるウルトラマンに対して、自らを暗黒から生まれた闇の化身と豪語する。

ヤプール自身も人間の負の心を好んでマイナスエネルギーに変え、

自らのエネルギー源としている故に、その存在を完全に消し去る事は不可能。

バルタン星人と並ぶウルトラシリーズ屈指の宿敵や、ウルトラシリーズ最凶の悪魔とまで言われている。

ウルトラマンメビウスの世界で暗黒四天王として戦って破られた後でも幾度とウルトラ兄弟と戦い

その結果、その世界から追放されてこの世界の過去に辿り着いたが実体化を維持できない位に

力を失っていてその力を取り戻す為にこの辿り着いた世界であるベルカの

収集蓄積型の巨大ストレージデバイス、夜天の魔導書に寄生した。

その影響で夜天の魔導書は改竄されて闇の書へと変質した。

その後は主と守護騎士達に蒐集させて何百年と時間を掛けて力を蓄えていた。

(その中には蒐集を拒んだ主もいたがその主は暴走を引き起こしてしまい

その代で蒐集した力は失い復活するのに時間が掛かった。

歴代の主全員が蒐集を積極的に取り組んでいればもっと早く復活していたと思われる)

そして今回で実体化出来るほどの力を取り戻す事になるが今代の主、はやては

闇の書の完成を望まなかったので守護騎士システムに代わる蒐集システムを作り出した。

それがレッサーボガールである。ボガールが獲物を食べて力を得てそのエネルギーを本体の闇の書に送り

密かに完成を目指していた。(蒐集すると項が書かれるが原作と同様の偽装スキンを施していた)

その蒐集で項が一定値に達して主であるはやてを逆に支配し、守護騎士までも支配して

本格的に闇の書の完成、自身の復活を始めた。





 技紹介(ダークネスモード編)


・ゼットンシャッター

元ネタ:ゼットン(ウルトラマンマックス)

全身を包み込む強力なバリアであらゆる攻撃を防ぐ。自動防御機能のバリア。





・エレキ・テイル

元ネタ:エレキング(ウルトラセブン)

尻尾を相手に巻き付けての電気ショック攻撃。

その際に尻尾を伸ばす事が可能。



・ビームウィップ

元ネタ:テンペラー星人(ウルトラマンタロウ)

ブレイブハーツから現われる電気エネルギーをムチのように飛ばす。





・インペリアル・ソード

元ネタ:インペライザー(ウルトラマンメビウス)

ブレイブハーツから現われる再生可能な大剣。

元ネタのサイズに変える事もできるがその場合はあまりに重いので振り下ろす事でしか攻撃できない。




・ゼットンファイナルビーム

元ネタ:ゼットン(ウルトラマン)

光線を吸収し、波状光線で射ちかえす。

ディバインバスターやプラズマスマッシャーなどの光線系なら大抵は吸収可能だが

アクセルシューターやプラズマランサーなどは吸収不可。






















 あとがき?


お久しぶりです。更新しました。

本当ならA's編を全部書き上げてから更新するつもりだったのですが

あまりにも遅くなるだろうと思い投稿する事にしました。


ヤプールの設定が少し強引かと思うでしょうがあまり気にしないで頂きたい。

一応ではありますがこうなった理由はあるので……。でも気休め程度ですけどね……。


戦闘シーンについて。まだまだ上手く書けませんね、もう少し長く書く事ができたなら暴走前で

終わらせるつもりでしたがそうすると尺が短くなるので次の話の分まで入れてしまいました。


そしてついに登場(?)のあの人達。彼らから仁の出生について語られる予定です。

あと統合世界と呼ばれるこの世界の事についても一応は。

という事なので次の話は説明回となりますのでよろしく。





*アルフについてですが死病で死ぬ直前に使い魔になったので契約が切れても犬に戻るだけに留めましたが

この設定がおかしいと思いましたらご指摘ください。そのように修正致します。










[7126] A'sの06 目覚めの時
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/07/15 23:06

夢を見た。

遥か宇宙の彼方から

地球に落ちて来ようとしている

それは地球の災いとなる存在

その大いなる炎と対峙する

というそんな夢を――――。























 ルルーシュ side


「お――――起きてください」

誰かが呼んでいる、とても懐かしく、もう聞く事が無いであろうその声を。

「お兄様、目を覚ましましたか?」

「――――ナ、ナナリー!?」

俺を呼んでいたのはかつての世界で別れた妹のナナリーだった。

「本当にナナリーなのか? それにここは!?」

俺が寝ていた場所はかつての学び舎であるアッシュフォード学園だった。

「もうお兄様、まだ寝ぼけているのですか? 早くしないと始まっちゃいますよ」

「な、何が?」

「もう、発案者のお兄様がそれでは皆さんが怒りますよ。さあ行きましょう」

そう言って俺に手を差し出してくるナナリー。

その手を俺は握り締めた。その手はとても温かい俺の知るナナリーの手だった。























ウルトラでカオスなリリカル戦記


A'sの06 目覚めの時























「どういう事だ。俺が元々はこの世界の人間だというのは?」

キングと会った時と同じような金色に輝く空間の中で

俺はユーゼス、ギリアム、ウルトラマンヒカリと話をしていた。

お題は俺の事やブレイブについてとこの世界の事などだ。

「そのままの意味だ。お前はこの世界の出身であり、我々の同士だったのだ」

ユーゼスが言うには俺はかつてこの世界でユーゼス達の仲間だと言う。

他の二人はともかくあのユーゼスが仲間だったなんて信じられない話なのだが

他の二人がそれが事実だと言うのでそれが本当なのだと信じるしかなかった。

「じゃあ、俺がこの世界の人間だと言ったがではなぜ俺はあの世界に居たんだ?」

「それには理由がある。まずお前が居た世界は我々は観測世界と呼ぶ世界だ。

その世界でお前はあらゆる情報を得るのが目的だった」

「ユーゼスのクロスゲート・パラダイム・システムとギリアムのシステムXNで

どうにかその世界へと送り込んだ。そしてその世界で死んだ時はこちらの世界に戻る手筈になっていた」

「こちらの世界にはお前の半身が存在するのでそれに引かれて戻って――――」

「ちょっと待った! 半身というのは何の事だ?」

「ブレイブハーツの事だ。あれはただの武器ではなく、お前の半身だったのだ」

「ブレイブが俺の半身……?」

俺の疑問にウルトラマンヒカリが一歩前に出てその問いに答える。

「私が研究した「命の固定化」の応用でお前の命は二つに分かれていたのだ。

一つがお前。もう一つが――――」

「ブレイブだったと。じゃあブレイブはもう一人の俺だったと言うのか?」

「そう言う事だ。そしてお前がこちらに戻って来た時にブレイブハーツを受け取ることになっていた」

「は!? 待ってくれ。それじゃあキングは最初から知っていたという事か?」

「そうだ。キングはお前をより確実にこちらの世界に戻す為の案内役をしたのだ」


じゃあキングは最初から知っていたという事か。あの爺さんいけしゃあしゃあと……。

「じゃあこの体は?」

こちらの世界に来てから疑問に思っていた事だ。この体は誰か体を憑依したものなのか、

それとも普通に転生して生まれた体なのか……。

「こちらに戻って来たお前の為に用意したお前専用の肉体だ」

「用意した? それって造ったという事なのか? ――――まさかこの体を造ったのって……」

「そうだ、私だ」

何と! この身体はユーゼスが作製した身体だったのか。

「私の持つハイブリッド・ヒューマンやバルシェムといった人造人間の技術とヒカリからもたらされた

ウルトラマンの身体データを基に造り出したウルトラマンの力を行使できる身体だ。

簡単に言ってしまえば私が造り出した超神ゼストの等身大サイズと言っても過言ではない」

成程、だから身体能力が普通の子供に比べて遥かに高かったのか。

――――しかしそれって、ジュデッカ・ゴッツォや人造サイコドライバー、

イングラムのクローン、さらには超神という事になるのか……何つうチートなボディだったんだ……。

「でも何で子供の身体なんだ?」

これではいくらチートな身体とはいえ戦うのに不便なのだと思うが?

「成長期前の体から戦闘をこなし経験を積ませる事でその戦闘スタイルに合わせた体に成長していく……

そういう計画の筈だったのだが……」

そう話すユーゼスは何だか妙に覇気が無いように見えた。仮面被っているのであくまでそんな気がしただけだが。

「お前は戦闘になると大半が逃げ回っていたのでその結果、折角の身体能力が逃げ足の速さの方に

能力が伸びてしまった。…………これは誤算だったよ」

「はぁ……その、何だかすみません」

どうやら俺の戦闘の成長具合に関して残念そうにしていた。

そりゃあ折角自分の技術を結集させて造ったこのチートボディが

逃げるのにしか使っていないとなると気落ちするだろうな。

けど対峙する相手がどれも規格外の化け物だったんだから逃げるしか無かったんだと反論しておく。

「他にもまだある。例えばお前のテレポーテーション能力もそうだ」

「確かにやけに便利な能力だったけど、やっぱ何かあるのか?」

「そう、それはシステムXNだ。お前とブレイブハーツにはそのシステムの力を組み込まれていて

その結果、空間転移、次元間転移、平行世界間転移などの高度なテレポーテーションが使えるようになった。

…………時空間転移は通常では使えないがな」

「通常では? という事は出来ない事は無いのか?」

「理論上では可能だ。その為にはいくつかの条件が揃わないと使えない」

身体だけでもチートだというのに時空間転移までやろうと思えば可能という。

何らか
妙なフラグを立ててしまった気がしないでもないぞ。









「本来ならばお前が一定の成長を遂げてから覚醒させる予定だったのだがそうも言えなくなった」

「ジ・エーデルとの会話でお前が自分自身の事に疑問を抱いたのを機に目覚めの時期が早められた。

その上に闇の書との接触にさらにはヤプールとの邂逅で拍車が掛かってしまった」

「何で闇の書とヤプールがきっかけに?」

「お前は生前に闇の書、いや夜天の書とヤプールに会っているからだ」

……俺って一体どんだけ波乱万丈な人生を送っていたんだろうか……。

「そういった事情や今回お前の命の危機に瀕した事で覚醒を早める事になったのだ」

「それで俺って一体何者なんだ?」

「それについては後だ。次はこの世界の事について説明しよう」

ギリアムが仕切りこの世界の事についての説明が始まった。




この世界は本来ならばある世界の頭脳集団によって作り出された世界だった。

だがある者によってこの世界はあらゆる因子を内包した混沌の世界となってしまった。

この世界はその者によって作られた実験室のフラスコであり、その実験は今も続いている。

そしてその者とは――――。

「外宇宙から現れた邪神だ。お前ならもうそれが誰なのか分かるだろう?」

まあ、邪神と言ったらあの人しか浮かばないよね。あの人がラスボスなのか……。

だったら「魔を断つ剣」を連れて来いと思うのは俺だけじゃない筈……。





その邪神は以前の世界で自分の目的が失敗に終わってしまい今度は別のアプローチで目的を遂行しようとした。

あらゆる因子が内包した混沌の世界となったのはその目的に必要な過程だと思われる。

そしてその異変に気づいたウルトラ一族が並行世界からやって来て邪神とその軍勢と戦争になった。

その戦いは想像を絶する戦いだった。

邪神の軍勢の中には宇宙怪獣のギドラ族やラヴォスなどの恐ろしい敵がいたが

後にウルトラマンの他にユーゼス達に地球の守護者達と共に力を合わせて邪神の野望を阻止する為に戦った。

多くの同胞が命を落として結果は相打ちという形となった。

ウルトラ一族はこの世界から完全に追放されギリアムはまた並行世界を漂い

ユーゼスは因果地平の彼方に追放された。――――ユーゼスよ、また駄目だったのか…………。

ちなみに今居る彼らはブレイブハーツに残された記憶データだという。

「待てよ、じゃあ何で負けたのにも関わらず」

「説明しましょう。――――イネスさん風に」

突然、床に穴が開いてそこから男が現れた。

「お、お前は――――ブレイブ、なのか?」

「こうして顔を見せるのは初めてだな、仁。もう一人の私よ」

「それがお前の本当の姿なのか?」

「そうだ。最もこの姿は仮初の姿に過ぎないけどな」

その姿はまぁ……すごく……イングラムに似た姿だった。正確に言うとイングラムとクォヴレーの間のような

まあようはクォヴレーを少し成長した姿な感じだった。

「この姿はお前の成長した姿でもある。どうだカッコいいだろう?」

「何ていうか……そう言う風に言うのとかっこ悪いぞ」

「そうか?」

「はぁ、こんなのが俺の元なのかよ」

「この性格の事なら今と昔は違うぞ」

「は?」

「今の私はお前のオタ知識の影響でこうなったんだ」

「俺のせいかよ!」

「さてあまり時間も無いだろうから簡単に説明しよう。俺は元々は人間では無かったのだ」

俺のツッコミを無視してまた爆弾発言が出た。もう驚かんぞ。

「それで?」

「もう少しリアクションが欲しいのう」

「時間が無いんだろうが、それにもうこれ以上何言われても驚かないぞ。散々驚いてばっかだったからな」

「つまらん奴……。つまりそれで特異点になったのだ」

「キンクリかよ! 略さずにちゃんと説明しろよ!」

「ナイスツッコミだ――って、分かった、ちゃんと説明するから睨むな」

くそう、こんなのがもう一人の俺とは。というか俺の知っているブレイブとは全然違うし……。

「俺は元々この世界の地球で最初に生まれた肉体を持たない意識生命体の一人だった」

ウルトラマンガイアの設定みたいだなと思いました。で、それで?

「巨大隕石が地球に落下して来ようとしていた。

その正体はお前の言葉で言うならラヴォスと呼ばれるものだろう」

「なっ!?」

ここでまた奴のが出てくるとはやっぱりこの世界というか地球にも来たのか。

「地球に降りて来るその存在に我々一族は立ち向かった。結果的には相打ちだったがな。

だがここで問題が起きた。そいつは死ぬ間際に我々一族に呪いを掛けたんだ」

「一体どんな呪いを?」

「不老不死の呪い。それは地球が滅びるまで生き続けるというものだったのだ。

たとえ肉体が滅んでも命はそのままで次の肉体を得るために転生する」

何かそれってロアじゃん。俺、あんなのと同類なのか……。

「その呪いで私は幾度と生を受けてあらゆる世界、時代を生きてきた。

そしてその度にトラブルに巻き込まれ死んでいった」

は? それって、まさか――――。

「その呪いの名は――――【特異点】だ」



ま た お 前 か。




「カーズ達、闇の一族やヤプールに殺されたりした」

殺されたのかよ……いやでも相手が悪すぎたか。つうかカーズか……今宇宙に漂っているのだろうか……。

「夜天の意思と守護騎士達や宝石翁に初代炎髪灼眼の討ち手に会って一緒に戦ったりもしたが」

うわ~もう何でもアリだね~。驚きを通り越して頭がパーになってきたよ~。

――――はぁ疲れた。

「お前が見ていた夢はその私の記憶が流れたものだろう」

「え、夢? 何の事だ?」

「……夢を見なかったか?」

「あ~、そう言えば何かの夢を見たような気がするけど直ぐに忘れちゃうからあんまし気にしてなかった」

「お前、そう言うのは何かのフラグだろうがなぜ気にしなかったのだ!」

「いや、そう言われても……」

「だからお前は阿呆なのだぁ!」

「…………誰かこのオタかぶれを止めてくれ」

疲れたように言いながら先程の三人に振るが誰も聞いてなかったというか見事に無視された。

こいつらあとでボコ――逆にボコられてしまうか……。

「そして邪神との戦いでは私も参戦した。結果はさっきも言ったように相打ちでその戦い時に

ユーゼス達の協力で命を二つに分けてお前を観測世界へと送り私はブレイブハーツの中に封印した。

これはその戦いの最中で計画していた事だったのだ」

「それってその戦いで相打ちか負けると考えていたのか?」

「十中八九負けると予想、いやそうなると分かっていた。だからこの計画を進めていた」

「それで何で俺はその観測世界に送り込まれたんだ?」

「私達のの敵を倒す為の因子を集める為だ。

簡単に言えば観測世界で敵に対抗できる方法を捜してもらう為だったのだ」

その方法を探すと言っても俺はあの世界では普段、漫画やアニメを見たりしてるぐらいで……。

「まさか――――」

「お前がオタクなのはそういう事なのだ」

何……だと……。

「つまり俺のオタ知識で世界を救えと言うのですね。分かります。って、オイ! なんだそれは!!」

「そのままの意味だ。現にこの世界にやって来て役には立っていただろうが」

まあ確かにおかげで危ない奴らにを一目見ただけで直ぐに逃げ出したりしたしな。

それにさっき邪神を倒すなら「魔を断つ剣」の事を思い浮かんだがそういう事なのか。

そういう知識を得る為に観測世界に送られた訳だ。少し納得。




だけど――――。




「……だけどそんな知識があっても守れない命はあった」

「――――フェイトの事か?」

そう俺はフェイトを守れなかった。ヤプールというイレギュラーが出て来たとはいえ。

ホント、世界はこんな筈じゃないばかりだな…………。

そんな気持ちの俺にウルトラマンヒカリが声を掛けてきた。

「仁、我々ウルトラマンは決して神ではない。

どんなに頑張ろうと、救えない命もあれば、届かない思いもある。

それは人間にも他の者達にも言える事だ。どんなに力があっても決して全てが上手く行く訳ではない」

分かってはいる。だが俺の場合は甘えがあったのだと思う。その得た知識やブレイブの力があれば

こんな事にはならないだろうと。その結果がこれだ。

「落ち込む気持ちは分かる。だがお前にはまだやるべき事がある。

それにお前を必要とする者達が居る。残された者達が成し遂げなければならない」

「仁、諦めてはいけない。大切なのは最後まで諦めない事だ」

「え?」

「どんなに辛い状況でも未来を信じる心の強さが、奇跡を呼び起こし、不可能を可能にする」

「信じる力が、勇気になる」

「皆……」

「後はお前次第だ、迫水仁。お前はここからどうする?」


「二つ聞きたい。さっき言っていった覚醒とやらはウルトラマンのような、ヤプールに負けない力があるのか?」

「お前次第だ、それを成せるかは全てお前の意志による」

「二つ目、その力でフェイトを生き返らせる事は?」

「残念だがそれはできない。ウルトラの母やキングのような蘇生能力は無いのだ」

「そうか――――」

だよな。だったらちゃんと教えてくれる筈だ。中々思うようにいかないものだな。

「だが――――」

俺がやはり無理なのかと思ったその時ブレイブが声を掛けた。それは――――。














「決まったか」

ユーゼスが答えを求めてきた。それに大して俺は。

「行くよ、皆の託されたこの力と思いを受け継いで。

それに、ここに居た時にも言ったがこのまま負けたまんま終わるつもりは無いからな」

「そうか。ならば我らはここでお別れだ」

「我らが成し遂げられなかった事を、この世界を救ってくれ」

「けど、どうすれば――!? これは?」

突然俺の左手が輝きその手に握っていたのはスティックだった。

「ブレイブハーツの真の姿、ブレイブアークだ。これを使う事で私達はまた一つとなる。

そしてその時が我らの覚醒の時」

「後は頼んだぞ」

「我らの想いを願いを成就してくれ」

「因果地平の彼方で見守っているぞ」

三人はそれぞれ想いを告げ消えてしまった。残っているのは俺とブレイブのみ。

「本当によかったのか?」

「何を今更言っている。私はお前だ。お前の望む事は私の望む事でもあるんだ」

そう答えながらブレイブは俺に背中を向けてこう言った。

「だから付いて来れるか?」

「それ、アーチャーの台詞だ」

「ふ、行くぞジン!」

「ああ、行くぜ!」

ブレス型からスティック型へと変化し、真のブレイブハーツへと進化したブレイブアークを頭上に掲げた。

「ブレイブーー!!」

頭上に掲げたブレイブアークが輝きだし俺達は光に包まれた。






















 なのは side


「行ってきまーす」

「行ってらっしゃい、なのは」

「行っててらっしゃーい」

「行ってらっしゃい」

家族皆から挨拶を受けて私は学校へと向けて歩みだした。




















 キャラ紹介


・ギリアム・イェーガー

登場作品:ヒーロー戦記 プロジェクト・オリュンポスなど

通り名は「漆黒の堕天使」。予知能力を持っている。

頭に血が上ると突撃してしまう悪い癖がある。

過去に犯したある重大な罪を背負い、贖罪のために並行世界を彷徨い続ける宿命を背負う。

自分の持つ知識、主にシステムXNの技術を使いブレイブアークの開発に携わった。

UCWでの戦いで再び並行世界を彷徨う事になった。その後は第4次(またはF)の世界へ辿り着く。





・ユーゼス・ゴッツォ

登場作品:スーパーヒーロー作戦など

常に仮面を被っている男。その素顔を見たものは誰もいない。

ウルトラ一族の力、自ら開発した「クロスゲート・パラダイム・システム」で、

世界の因果律を操作し、すべての時間と空間を自分の思うがまま支配できる

「超人ゼスト」を開発した。

スーパーヒーロー作戦やスパロボの世界とは違う並行世界のユーゼスである。

自分の愛すべき地球を、世界を守る為にブレイブアークの開発に携わる。

しかしこの世界でも因果の鎖から解放されずUCWで因果地平の彼方に追放された。





・ウルトラマンヒカリ

登場作品:ウルトラマンメビウス

M78星雲の宇宙科学技術局に所属する研究者だったが

後にゾフィーからのスカウトで宇宙警備隊員となる。

M78星雲出身の青いウルトラマンは別名「ブルー族」と言われている。

また彼は「命を固形化」する技術を発明している。

その研究の功績でゾフィーと同じくスターマークを与えられる。

ウルトラマン側の科学者としてブレイブアークの開発に携わる。

他のウルトラマン達と同様にUCWでこの世界から追放される。







 設定紹介


・クロスゲート・パラダイム・システム

登場作品:スーパーヒーロー作戦など

ユーゼス・ゴッツォが開発した時を超える装置、または時空因果律変動装置。

ユーゼスが野望を果たすために作り上げたもので、限定された空間の因果律を

自在にコントロールすることで、その中で己の思うままの世界を構築する装置である

(限定空間内の神に等しい存在になれる)。その応用で未来予知が可能である。

またスーパーヒーロー作戦に登場したゾフィーはユーゼス以上の因果律操作をしている。




・システムXN

登場作品:ヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポスなど

ギリアムの『かつての半身』であった禁断の機動兵器、XNガイストのコアである空間・次元転移装置。

この世界に来た時にはその装置は無く。ギリアムの頭に残されているそのシステムの知識を用いた技術で

仁は大きな負担を掛けずに高度なテレポーテーションを使う事ができた。





・プラズマスパーク

元ネタ:ウルトラマン、ガメラ

正式名称、光エネルギー変換炉。光の国にある人工太陽プラズマスパークとは別物である。

ウルトラマンヒカリが作り出したエネルギー機関であり、

仁が全身で吸収した炎、電気などや魔力、霊力などといったあらゆるエネルギーを

光エネルギーに変換・貯蔵しておく。(闇のエネルギーは吸収不可)

もちろん光エネルギーをそのまま吸収する事もできる。

【魔力変換資質・光】と【光吸収】に【無限容量】は この機関の分かれた力のものである。






・特異点

光族が元々何らかの持っていた能力とラヴォスの呪いによって得た能力。

この能力であらゆる因子を呼び寄せ仁の周りでトラブルが起きていたが

それと同時にこの世界とは違う別の世界の者を呼び寄せる事が出来る。

ルルーシュやKOS-MOSがこの世界にやって来たのもそれが原因である。

また地球が消滅するまで行き続ける不老不死の呪いがあり

肉体が滅んでも転生して新たな生を受ける宿命となる。

ブレイブ達と会って完全に覚醒した事で世界の修正力、抑止力などの干渉や

因果律を操る攻撃を受け付けない反全能能力を得るが

その代償にクロスゲート・パラダイム・システムといった因果律を操るような真似はできない。

しかしクロスゲート・パラダイム・システムといった人工的、後天的な能力では無く

先天能力の場合では使用可能だという。

 



・ウルティメイトカオスウォーズ(UCW)

かつて銀河の果てで大きな戦いがあった。世界を混沌へと誘う邪神や

ギドラ族(キングギドラやカイザーギドラなど)、ラヴォス軍団などなど。

それを阻止する為に並行世界からやって来たウルトラマンたち。

地球側もモスラやガメラなどといった地球の守護者達が加勢する。

他にもブレイブやユーゼス、ギリアムなども現れ、かつてない戦いとなった。

結果的には相打ちという形になったがウルトラマン達はこの世界から居なくなり

地球の守護者たるモスラやガメラもやられてしまった。





・統合世界

ある頭脳集団によって創られた世界だったが邪神によって本来目指していた世界とは異なった世界となる。

邪神の目的はこの世界を基点に混沌の世界を創り出そうとしたらしいが詳細は不明。

この世界が邪神によって歪められた世界となっている事を察知し

邪神から解放する為に並行世界からウルトラマン達がやって来て戦った。

それが後のウルティメイトカオスウォーズ。

UCW後、この世界にウルトラマンは干渉できなくなる(キング、ゾフィーはある程度なら干渉できる)

ウルトラマン達はこの世界を隔離世界と呼んでいる。





・光族

元ネタ:ウルトラマンガイア

地球で最初に生まれた意識生命体。

後に呪いで一族全員が特異点の能力を得る。

その一族の中で強大な力と特殊な能力を持つ王族が存在していて

その王族の中には特異点の能力を改竄した者達がいるらしい。

ちなみにブレイブは王族ではない。




・ユーゼス作製チートボディ

ユーゼスとウルトラマンヒカリの持つ技術を結集して作製した仁専用の身体。

ラオデキヤなどのジュデッカ・ゴッツォやハザル・ゴッツォなどの人造サイコドライバーなどの

ハイブリッド・ヒューマン技術とイングラム・プリスケンのデータを基に作製された人造人間達の

バルシェム技術にウルトラマン(光の巨人の一族)の身体データを組み合わせた肉体。

人間の姿でウルトラマンと同等の能力を使える事をコンセプトにしているので

ウルトラマンの姿には変身しないが力を行使する時はブレイブアークで銀髪と金色の瞳に変化し

あらゆるウルトラマンの能力が使用できる。しかしまだ完全ではなく特にノアの力は使用出来ない。

身体がまだ成長していないのとブレイブアークが未完成である為である。

特異点の力の影響で因果律を操る事やアカシック・レコードにアクセスする事はできないが

念動力、精神感応能力、透視能力、予知能力をそれぞれある程度は使用できるらしい

(クロスゲート・パラダイム・システムにウルトラマンの力が備わっている為)。

ちなみに髪の色が青色には変化しないし青い髪の人が背後に立つ事も無い。





















 あとがき?


説明を纏めるのに大変疲れました。

今まで張ったつもりの伏線もそれなりに回収できたし今後は少しラクになるかな。

さて色々とつっこみどころ満載なオリ主の設定ですがどうだったでしょうか?

以前から頭の中にあった設定なのですが、いざ今回書いてみて

――――うん、すごくチートな仕様だ。と思いましたがあまり気にしないでください。

当の本人達は真剣にやった事なので。でもこれはやりすぎだろ……。

それにしてもこの話は本来ならギャグ気味の話にする筈だったのが

なぜかシリアス気味な話になるなんて……どうしてこうなったんだろうか……。

嗚呼、ギャグというかコメディというかそういったものを書いてみたいかも…………。







[7126] A'sの07 夢の終わり、現実の始まり
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/07/15 23:06


夢を見た。

あらゆる時代、世界を生きて

多くの人と出会い

多くの人と別れ

多くのものを知り

多くのものを失い

それをまた繰り返すというそんな夢を

けどそれは夢ではなくて本当にあった現実。























ウルトラでカオスなリリカル戦記


A'sの07 夢の終わり、現実の始まり























 ルルーシュ side


「綺麗ですね、花火」

「あぁ、そうだな……」

ナナリーに連れて来られた場所は学園のクラブハウス。かつて俺が居た世界で暮らしていた。

場所でその屋上で花火を見ていた。あの世界で「ここでまた花火をしよう」といった約束が今

目の前で果たされている。下の方へと目を移すと生徒会の皆が同じように花火を見ていた。

これは俺が望んでいた光景だった。優しい世界。皆とまた楽しく過ごす事ができる日常。

そう、これは――――。

「…………ナナリー、これは夢なんだろ」

「やはり気づいていましたか?」

「まぁな」

事前に仁から聞いていたのもあるが流石にこの状況はそうだと理解できる。

「俺は行かなくてはならない」

「夢でもいいじゃないですか! ずっとここに居ましょう! ずっと一緒に!」

「……いや、駄目だ。これは夢だ、夢なんだ。

いつまでも変わる事の無い明日が無い世界。そんな世界を俺は認めない」

この世界はかつて俺が否定した皇帝と母上が望んだ世界と同じだ。

「だから、俺は行く。今ではなく明日を向かえる為に」

「…………そうですか。――――ですがここからでる事は出来ませんよ」

「ナナリー? ――――なっ!?」

先程まで明るかった空が急に薄暗くなり、ナナリーたちの姿が不気味な幽霊のようなすがたとなっていた。

その姿と雰囲気はまさしく奴のものだった。

――――そうか、それが貴様の手口かヤプール!

「ココデエイエンニスゴシマショウ、オニイサマ」

ナナリーの姿をした何かが喋っている。その姿を見て俺はとてつもなく怒りに満ちた顔をしているだろう。

だからこれ以上ナナリーたちを汚す事を許せなかった俺は両目のコンタクトを取り命じた。

「消えろ!」

【絶対遵守のギアス】を使いナナリーたちの姿をした意識体を排除した。






















 なのは side


私の名前は高町なのは。私立聖祥大学付属小学校に通う、ごく普通の小学3年生で

今は魔法少女もやっています。魔法との出会いから新しく出来た友達であるフェイトちゃん

皆私にとても優しくしてくれて私はとても幸せな毎日を過ごしています。

今は学校が終わった帰り道です。

あれ? 何時の間に空が暗くなってきてる。早く家に帰ろう。








「ただいまー」

家に入ると皆まだ帰ってきていないのかなぁ?


”――――”


にゃ? どうやらお父さんやお兄ちゃん達の声が聞こえた気がしてリビングに行こうとすると

何か話し合いをしているみたい。一体何を話しているんだろう?


”御神の血を引いているというのになのはは……”


”なのはに期待するだけ無駄だよ父さん”


”そうだな、やはり恭也と美由紀には期待しているぞ”


な、何なの? 一体何を話しているの……。


”翠屋はどうするの?”


”なのははあまり気乗りじゃないですし、翠屋は美由紀が引き継いでくれるわよね”


”剣はできない、家業も引き継がないとは、まったくなのはには失望したな”


”皆で可愛がってやっているというのに期待に応えないとは……”



”――――期待はずれだな”



そのお父さんの言葉を最後に私は家を出て行った。とても胸が心が痛くて泣きそうになりながら。

私は当ても無く走り続けた。



そうだ、アースラなら。きっと魔導師である私を必要としてくれる。

そう思った私はアースラへと向かっていった。



けれどそんな私の甘い考えは通用しなかった。










”確かになのはちゃんは優秀だけど、フェイトちゃんやクロノ君の方が優れていますよね”


嫌だ、嫌だこんなの……。


”そうねぇ砲撃と防御の高さだけではちょっとね。”


”その点、クロノ君とフェイトちゃんはオールラウンドで戦えてとても優秀ですよね”


”他にも優秀なサポート役のユーノ君やアルフがいれば十分よね”


やめて! 聞きたくない! 聞きたくないよ!!


”なのはちゃんはやっぱり――――いらない子ね”


今度はリンディさんとエイミィさんから逃げた。

フェイトちゃんなら……。フェイトちゃんなら私の事を助けてくれる。私の事を大切に思ってくれてる筈。

だって、フェイトちゃんは――――私の友達なんだから。だから――――。


「フェ、フェイトちゃん、どこにいるの!」


ねぇお願いだから出て来て、私を助けて! 私を見て! ねえ!


けれどどこにもフェイトちゃんは現れることは無かった。



嫌だ……こんなの嫌だよぉ…………。


お願いだから――――。


「私を――――私を一人にしないで!!」


そう叫ぶと私は光に包み込まれた。






















 はやて side


「貴方はそんなんでええのか! このままあの悪魔の思い通りにされるのを」

「どうしようもありません。あのヤプールと呼ばれる悪魔の前に私の力では抗う事が出来ません」

「そしてこのまま私も守護騎士もそして貴方もこのまま喰らい尽くしてしまう事を止められない」

「もう貴方を闇の書とか呪いの魔導書などとそう呼ばせへん。私が呼ばせへん!」

「私は管理者や。私にはそれができる」

「それは無理です。管理者権限を使ったとしても復活したヤプールを止める事は――――」





「ならばその願い、俺が叶えよう!」

その声を聞いた瞬間、私達は光に包みこまれた。


 side out























「ならばその願い、俺が叶えよう!」

「仁、なのか?」

「誰だそいつは。我が名はブレイブ。この星の始祖なり」

「は?」

「なーんちって。ニョホホホ」

と某宇宙人のような姿をしながら変な笑い声を出した。

「なんや、やっぱ仁君やないか」

はやてに呆れられながら言われてしまった、あと何か言いたげな顔をしているルルーシュだが無視して話を続けた。

「久しぶりだな、はやてにルルーシュ」

「久しぶりってまだそんなに時間は経ってないやろ」

あれ? そうだっけ。でも何か本当に久々に会った気がするんだが何でだろうか?

「ところであとは……うん? なのは?」

はやてやルルーシュは勿論、ここに封じ込められたなのはもここに呼び寄せたのだが

そのなのはがいきなし俺に体当たり、いや抱きついてきた。どうしたんだ一体?

「う、ううう……一人はもう嫌…………」

どうしたんだ一体? 夢の世界で何かあったのだろうか……。

「なのはちゃん!」

「うぅ、は、はやてちゃん? それに……ルルーシュ君も」

なのはがはやて達を確認すると今度はそっちの方に行った。まあ取り合えずこっちの方にも挨拶しておくかな。

「さてと久しぶりだな、俺のことは覚えているかな?」

「本当に久しぶりだな……今は仁という名前だったか」

「そうだな、まさか本当にまた会えるとは思わなかったがな」

「久しぶりって、どういう事や?」

「そうだ、一体どういう事だC.C.」

「かつての夜天の主です」

「私の生みの親だ」

「は?」

「へ?」

「「な、なにぃぃぃぃぃぃ!!?」」

夜天の意思とC.C.の発言にルルーシュとはやてが驚きのあまりに叫んだ。

カカカ、いいリアクションありがとよ。

「ど、どういう事なの、仁君?」

「ふうむ、話すと時間が長くなるからまたの機会に。でないとほら――――」

そういって宙にモニターを表示すると不気味に嗤っているヤプールが映りだす。

「このまま俺の回想に入ったらその間に海鳴どころか地球が大変な事になってしまうから」

しかもここからではよく分からないが何かをしようとしているみたいだしやはり早くここから出るべきだろう。

「で、でもどうやってここから脱出するの?」

「任せるがよい、新生迫水仁の力をとくと見よ、テレポーテーション!」

そう言って俺はこの空間から脱出した。

「――――って! 何で仁君だけ!」

「ルルーシュ君も居ないよ」

「……」

「……」

「大丈夫なんやろうな」

「……多分」





















テレポーテーションでルルーシュと一緒にようやく現実世界に帰還を果たした。

う~む、ほんのちょっとの時間だった筈なのに何だか久しぶりに思えてくるのはなぜだろうか……。

あれ? これはさっきも言ったか。

「ところで仁。フェイトはどうした?」

「……」

「まさか……!? そうなのか?」

俺は無言でいるとそれに察したルルーシュは何ともいえない顔をした。察しが良くて助かるよ。

俺も自分の口からその事実を言いたくは無かったから…………。

「それでだがルルーシュ、早速だが頼みがある」

「何だ?」

「フェイトと共に先にアースラへ戻っててくれ」

「なんだと?」

ちなみにC.C.はデフォルメ化している状態でルルーシュの肩に乗っかっていて

おっかなびっくりな状態で泣いている。

「ここでルルーシュがゼロだと正体がバレルのは避けておきたいんだ」

ヤプールと戦う時はゼロにならないと太刀打ちできないがここでゼロに変身すると正体がばれてしまう。

今は幸いなのは達はルルーシュがゼロだと気づいていないからこのまま隠していた方が何かと都合がいい。

「一体どういう事だ?」

それはこの戦いが終わってから話すと告げてなんとか了承してもらった。

「じゃあ頼んだぞ」

ルルーシュとフェイトに向けて両手をかざす。

「ウルトラトゥインクルウェイ」

ルルーシュとフェイトは光に包まれここから消えた。

行き先はアースラ。取り合えずアースラに現状を報告することも含めてルルーシュに向かってもらった。

次のステップに進むために通信を始めた。

「聞こえるか? なのは、はやて?」

”えっ? 仁君?”

うむ、感度良好だな。

「いいか今からヤプールに攻撃を仕掛ける。それと同時にそしらの方でも攻撃をして欲しい」

内と外からの攻撃でヤプールの支配が弱まるからその隙にはやては管理者権限で闇の書の部分を切り離し

夜天の意思を解放し守護騎士を復活させる。そしてなのはと共に脱出するようにと伝える。

「だから上手く合わせて攻撃するんだぞなのは」

”うん! 私やるよ! 必ず成功させるから!!”

とても気合の入った返事が返ってきた。さっきのか弱そうだった雰囲気とは違って安心した。

けどどこか危うげな感じに思えたが今はなのはを信じよう。






















「フハハハハ、今頃奴らは我が悪夢によって恐怖と絶望を味わっているだろう」

「そうでもないぞ」

「な、何!?」

ヤプールが驚いたその瞬間に奴の目の前にテレポーテーションでやって来た。

「馬鹿な!? あの夢の迷宮から自力で脱出するとは、貴様は一体……?」

「私の特異点やプラズマスパークなどなどの力をもってすればこのくらい造作も無い事ですよ」

実際に今の俺は先程とは比べ物にならないくらいの力が溢れている。

これなら例えヤプールが相手だろうが互角以上に戦うことが出来る!

「――――さあ、覚悟はできているんだろうな。さっきのリベンジを果たしてやるぜ」

さらにかつてお前にやられて夜天の書が闇の書へと変えられた分と

そして――――フェイトの分も取らせてもらうぞ!

そう宣言し俺は早速仕掛けた。

「ぬっ!」

慌てて俺を迎撃しようとするがさっきとは違うんだよ!

「なっ!? 消え「こっちだ」があ!」

瞬時に移動し攻撃を繰り返す。

奴は俺が超高速で移動して攻撃しているように見えるだろうが実際はテレポーテーションを連続で行いながら

攻撃しているのだ。連続転送による攻撃、それが――――。

「オーバーライド」

覚醒した事で以前の俺では出来なかった連続テレポーテーションだが今の俺なら一定範囲の距離ならば

そんなに苦も無く使用する事ができる。俺の攻撃に反応しきれず大分ヤプールは弱ってきていた。今だ!

「なのは、準備はいいな。行くぞ!」

”うん!”

手を十字に組んで光線を撃つ。

「ソルジェントバスターーー!」

そしてなのはの方も。

”エクセリオンバスターーー!”

エクセリオンモードによる砲撃。ヤプールの内と外による同時攻撃。

「な!? があぁぁぁぁ!!」

ヤプールの悲鳴と同時に大きな爆発が起こった。




















 はやて Side


「夜天の主の名において、汝に新たな名前を与える。


強く支える者

幸運の追い風

祝福のエール


――──リインフォース」

その瞬間、私達は光に包まれた。後は守護騎士システムの復元をしてなのはちゃんとここから脱出するだけやな。


 Side out




















ヤプールの上空に守護騎士達とその中心にはやてが現れた。その近くになのはも出て来た。

どうやら上手く行ったようだ。取り合えずこれで第一段階は終了だ。

「やったの?」

「いや、まだだ」

あの程度でやられるような奴では決してない。

『ジン、気を付けろ。何か来る』

ブレイブの警告を受けたその時ヤプールの周辺に空間の歪みが起きた。

「――――あれは、レッサーボガールか!」

生き残っていたであろうレッサーボガールが急に現れ、ヤプールの方へと向かって行った。

「何だ? レッサーボガールが集まっていってヤプールが!?」

「いささか数が減っているが……見せてやろう我が力を!」

ヤプールの怨念と切り離された闇の書とレッサーボガールの群れが一箇所に集まり、

そして――――。




「究極超獣、Uキラーザウルス・ダークネス。この力で貴様らを消し去ってくれる!」

その巨大で異形の姿をあらわにした。












 技紹介


・ウルトラトゥインクルウェイ

元ネタ:ゾフィー

宇宙空間を越えて物体を転送する光の道。

この能力でゾフィーはバードンにやられたタロウを光の国に送った。





・オーバーライド

元ネタ:鉄のラインバレル

テレポーテーションを応用した連続転送による攻撃。

予め転移する空間座標と時間を設定して一秒間に数度に渡る転送を行いその瞬間に攻撃する技。

オリジナルとは違って地球上どこにでも連続転送できる訳ではなく一定範囲でしか連続転送できない。

以前の仁では連続転送する事ができなかったが覚醒した事で使う事ができるようになった。





・ソルジェントバスター

元ネタ:ウルトラマンダイナ

十字に組んだ手から放つ光線。























 あとがき?


Arcadiaの諸君! 私は帰って来た!!

私は悲しい。書きたくても課題やら就活やらバイトなどと忙しく

まったく書く暇が無くモチベーションを上げるどころか下がる一方だったのを。

だがそれでもこの作品を見ていてくださり、感想を頂いてもらえる私は

復活を果たす事ができた! よって私はここに(ry


とそんなこんなありましたがようやく更新する事が出来ました。

作者もまさか一ヶ月以上も更新できなくなるとは思いませんでした。

待っていた方々大変お待たせしました。


ルルーシュの夢についてはルルーシュが思い描いた世界をベースにしました。

なのはは「なのちゃん」の世界ですね。皆から愛されている世界。

最も作者は「とらは3」と「おもちゃ箱」も未プレイなのであまり多くの事を書けなかったのですが。

当初はそのまんまの夢心地がいい世界にしようと思ったのですが

だがしかしヤプールがそんな粋な事する訳が無いと思い急遽変更する事にしました。

ヤプールは設定上、人間の恐怖や絶望といったマイナスエネルギーを好むので

ヤプールの内に封じ込められた人間に恐怖を与えてエネルギーを得るという事になります。


ギアスについて意識集合体のヤプールになら目が無くても本体はともかく

その他大勢の意識体になら効くと思い使用させてみました。








[7126] A'sの08 勇気の光
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/07/20 23:31


突然レッサーボガールが現れてヤプールへと集まって何らかの動きをしている間に俺達は作戦を考えていた。

「気を引き締めていけよ。あいつは非傷殺設定なんて優しい攻撃なんかするはずないからな」

最悪の場合は再び誰かが死んでしまうかもしれない……。

いや、絶対にそんな事にさせない! もう誰も殺させはしない!

「ではどうする?」

シグナムの疑問に俺は一つの案を提示した。

「……作戦は実にシンプルだ。俺が奴を引き付けるからその間に――――なのは」

「はい!」

急に呼ばれて驚いているが気にせずに続ける。

「お前のスターライトブレイカーで奴の障壁を破壊するんだ」

奴にはA's原作の暴走プログラム同様に物理と魔法の障壁が2重ずつ、計4重層の障壁が張られている。

それをどうにかしないと中枢部分にまでダメージを与えられない。

「なのはの攻撃が決まったら後は各個集中攻撃で決める」

「けど闇の書の本体であるヤプールを倒すには足りないんじゃ」

「とどめは俺が刺す」

俺の最大の一撃を食らわせれば倒すことはできるだろう。最も倒すことはできても滅ぼすことはできないけどな……。

「と、どうやら準備ができたようだぞ」

「――――究極超獣、Uキラーザウルス・ダークネス。この力で貴様らを消し去ってくれる!」

作戦内容を伝え終わったと同時にその巨大で異形の姿をあらわにし動き始めた。























ウルトラでカオスなリリカル戦記


A'sの08 勇気の光























「夜天の魔導書。呪われた闇の書と言わせたもの。闇の書の闇――――ヤプール」

その姿はUキラーザウルス・ネオを彷彿させる姿であり闇の書の暴走体でもある。

上半身はUキラーザウルスのものだが下半身は闇の書の暴走体だった。

海中からはUキラーザウルスの触手が確認される。

「じゃあ行くか!」

Uキラーザウルスに向かうと俺を迎撃する為にか触手が襲い掛かってきた。

確かこの触手は超獣一匹に相当する強さだった筈。流石にそんな相手では守護騎士達でも対処しきれないだろう。

だから一気に潰していく。

「だったら超獣にはこの技だ! ウルトラギロチン」

三つのギザギザの光輪を放ちそれを自在に操って触手を次々と切り裂いていく。

「ならばこれでどうだ!」

するとUキラーザウルスの体内から何かが高速で飛んできた。

「これは――ギャオス!」

無数のギャオスがUキラーザウルスから出て来て襲いかかってきた。

蒐集した生物の力が使えるとはいえギャオスをそのまま大量に出すとはかなりメンドイな。

高周波によるメス攻撃をかいくぐりながら反撃して落としていくがきりが無い。

そう考えていると別の方で次々にギャオスが落とされていた。

「こいつらは我々が相手をする。お前は奴に専念しろ!」

守護騎士達がギャオスを落としていた。

やっぱ味方だと頼もしいな。今回ははやても居るからやる気満々みたいだし。


「――むっ!」

そちらに気を取られていたら残っていた触手に捕まってしまった。

「フハハハハ! その触手はそう簡単には解けまい。それでは手も足も出せまい」

確かに手も足もしっかりと縛られて身動きが出来ない。

「フハハ! ひねり潰してやる……」

「……確かに手も足も出せないが――――それがどうした!」

「何ぃ?」

「手と足が使えなくても他にまだ使えるところはあるんだよ!」

そう言って額にエネルギーを集中させる。そのエネルギーは鞭のようにしなるような動きをする光。

「フォトンエッジ!」

その鞭のような光の刃を触手に目掛けて発射し破壊した。

「ちぃ、小賢しい真似を――――む?」

ヤプールが何かに気づいてそちらに振り向くとそこにはなのはが集束した巨大な桜色の魔力の塊があった。

どうやら準備できたようだ。

「撃たせるか!」

そう言ってヤプールは身体中に生えているトゲミサイルを俺達目掛けて全弾発射してきた。

「ウルトラアローショット」

それを迎撃するために連続発射する事が可能な矢尻型の光弾でミサイルを打ち落とす。

シグナムは飛竜一閃、ヴィータはシュワルベフリーゲンで撃ち落している。

撃ち漏らしたミサイルはザフィーラによって防いだ。

「なのは今だ!」

あらかた撃ち落としてミサイルの攻撃が止んだ隙になのはに発射のタイミングを伝えた。

「全力全開! スターライトォォブレイカーーーー!!」

極大の砲撃が発射された。まだ残っていた触手やギャオスにミサイルが桃色の砲撃に飲み込んで

Uキラーザウルスのバリアに激突するが次々と貫通していきそしてUキラーザウルスに命中した。

「なっ!? ガアァァァァァ!!」

流石のUキラーザウルスでもあの巨大な砲撃によってダメージを負う。

「続けてはやてちゃん、シグナム、ヴィータちゃん!」

シャマルの合図に今かと出番を待っていた騎士達が次々とカートリッジをロードして最大の攻撃を始めた。

「轟天爆砕! ギガントシュラーク!」

「翔けよ、隼! シュツルムファルケン!」

「響け終焉の笛、ラグナロク!」

ヴィータ、シグナム、そしてはやての最強の攻撃によってUキラーザウルスの身体が大分削られていった。

上半身は今の攻撃で吹き飛んで無くなりA's原作の暴走プログラムの姿に顔部分がUキラーザウルスのものとなっていた。

「終わりだな、ヤプール。これでとどめだ――」

次の一撃で決めようと構える。

「おのれぃ! まだだ! これならどうだ!!」

するとまだ何かあるのかヤプールはまた何かを呼び寄せた。それは――――。

「あれはボガールモンスか!?」

今までに現れたレッサーボガールの上位種と言えるボガール、その第二形態。

しかも今回はオリジナルと同サイズのものだ。まだあんなものまでいたなんて。

「何だあいつは? あいつもまとめてブッ飛ばしてやる!」

「待て!」

ヴィータがボガールモンスに攻撃するのを止める。

「あれは爆薬庫のような怪獣だ。ダメージを与えればそれを引き金にこの辺一帯が焦土と化す」

爆発すればアルカンシェルクラスの被害になる筈だ、うかつに手は出せない。

「じゃあどないする?」

ここは宇宙空間にでも転移させてその転移先で爆発してもらうか、そう対策を考えていると。

「一人残らず、消し去ってくれる!」

「!? まさかこのまま爆発させるつもりか!」

あろうことかヤプールはそのボガールに攻撃を加えた。それによってやはりボガールは爆発を起こし始める。

俺はその前にドーム状のバリア、ディフェンスドームでなんとか皆とその後ろにある海鳴を守っているが

――――しかし。

「その状態ではまともに戦うことすら出来まい……フハハハハ!!」

そう嗤いながら爆発に巻き込まれながらもUキラーザウルスは口からエネルギーを集束し始めている。

まさかこのタイミングで攻撃を! しかもあの技は!?

「嘘!? あれって私の……」

そういえば蒐集されていたんだったな。迂闊、よりによってアレを撃つのか……。

「さあ、滅びるがいい――――スターライトブレイカー!」

そして放った。なのはから蒐集した集束魔法、スターライトブレイカーを。

まだ爆発の余波を防いでいるのにさらにそこを畳み掛けてくるなんてと悪態をつきながらも

さらに円形の光の壁、ウルトラシールドを張って防ぐがパワーが強すぎる上にバリア貫通効果があるので

これ以上は押さえきれない……やられる!

「このまま死ぬがいい!!」

ふざけるな! 死んでたまるか! 俺がここで死んでしまったら今までの事が全て無駄になってしまうだろうが!

「仁君!」

「仁!」

「う、うおおおぉぉぉぉぉ!!」

そしてバリアは耐え切れず破られ俺は光に包まれていった。























 ヤプール side


「ハハハハハッ! 恐れ入ったか、ざまあみろ!!」

ボガールモンスの爆発でUキラーザウルスはボロボロの姿となってしまったが

直ぐに修復できるので問題は無い。これで邪魔者は居なくなった。

たとえ管理局など来たところで烏合の衆、我が敵ではない。

今度こそこの地球を支配してくれる。そうあの邪魔なウルトラ兄弟が居ないこの星など容易くできる。

そしてこの地球を支配した後に今度はあの邪神を――――。

「――――み、皆大丈夫?」

「な、何とか……」

うん? まだ生きていたのか。しぶとい奴らよ。ならば我がとどめを刺してくれる。

――――待て、なぜ奴らは生きている。あの爆発で奴ごと死んだのではないのか?

よく見れば奴らの後ろにある町も無事だ。おかしい、どういう事だ……。

「マグナムシュート」

「!!?」

気づいた時には巨大なエネルギーが直撃していた。それに気づいた時にすぐさまUキラーザウルスの肉体から離れた。

その瞬間にUキラーザウルスはそのエネルギーによって消滅してしまった。

「――――なっ、なんだ!? この巨大なエネルギーは……!」

するとそのエネルギーを放ったであろう方へと向くとそこには――――。

『グリッターバージョン完了。ぎりぎりだったな』

「全くだ。あとちょっと遅かったら海鳴ごと消えていた」

金色の光を発した姿となった奴の姿がそこに居た。


 side out
















「マグナムシュート」


奴のスターライトブレイカーと爆発のエネルギーを凝縮させて撃ち返した。

「!!?」

直撃した瞬間にはUキラーザウルスから幽霊のようなもの、ヤプールの本体が現れた。

あのままやられていたらいいものを。

『グリッターバージョン完了。ぎりぎりだったな』

「全くだ。あとちょっと遅かったら海鳴ごと消えていた」

そうブレイブと話しながら金色の光を発した姿となっている。これが俺の今の切り札、グリッターバージョン。

本来はある条件をクリアしないと使用できないのだが制限付きならばこの状態になることができる。

二つのバリアが破られた瞬間に俺はグリッター化しウルトラ最強の防御力を誇るグリタリングシールドを使用しつつ

奴の砲撃と爆発エネルギーを受け止め凝縮していたのだ。最もホントにぎりぎりだったので

あやうく海鳴と心中するところだった。

「まあうまくいったからいいけどね」

そう呟きつつヤプールを見据えた。

「馬鹿な……なぜ貴様にそれだけの力があるのだ……」

だがそのヤプールは驚きと戸惑いを隠しきれずにたじろいでいる。

ならばその隙に一気に決める。そう思い俺は構えた。

「グリッターー」

両腕を前方で交差させ、

「ゼベリオン……」

左右に大きく広げてエネルギーを集約し、

「ブレイカーーー!!」

L字型に腕を組んで放つ金色の光線をヤプールにあびせた。

「うううっ!? ううっ、ううううう……うわぁぁぁぁぁっ!!!」

ヤプールが断末魔を上げ、そしてその姿は完全に消えて無くなった。

「――――ふう、終わった、な……」

『ああ、終わった』

ヤプールを倒した影響か海鳴全域を覆っていた暗雲が無くなり始めた。

「――――勝ったぞ、フェイト」

暗雲が無くなって見えるようになった大空に向けてそう言った。























「ねえ、どうしてフェイトちゃん、目を覚まさないの?」

「……」

「仁君、フェイトちゃんは?」

「フェイトは…………死んだんだ」

「――――えっ?」

今はアースラの医務室に居る。そこには主要メンバーとベッドで眠ったように見えるフェイトが居る。

ヤプールとの戦闘後、クロノ達が迎えに来て俺達はアースラに移動した。

そこへリンディやルルーシュたちが出迎えてくれて皆に祝福されたが、

だけど待っていたのはそれだけでなくつらい現実だった。

「嘘、でしょ……」

「そんな……」

はやてたちもその事実にショックを受けていた。漸くヤプールとの戦いが終わったというのに

自分達がヤプールに囚われている間にそんな事があったと聞かされてとても大きく沈んでいた。

「あっ! でも前みたいにアリシアちゃんを生き返らせたあの葉っぱがあれば……」

「――――無い」

なのはの出した案を即答した。

「!?」

「あれは一つきりしか無かった。アリシアに使ったのが最後、もう無いんだ」

もう一度手に入れようとしてもあの世界に行くことができない。

あの世界はこの隔離世界の外の世界だから今の段階ではそれは不可能に近い。

「フェイトを生き返らせる手段は無いんだよ……」

「嘘……嘘でしょ! 嘘だって言ってよ! 仁君!」

なのはが俺の服を掴みながらすがるように訴えかける。

泣きながら何度も何度も何度も――――。その行為を受け続けて俺は感情を爆発してしまった。

「――――俺だって! 俺だってどうにかしたい!! でも方法が無いんだよ!!」

俺の力はウルトラの母やキングのように人を生き返らせる力を持っていない。

ただ戦うためだけの力しか無いんだ。それがとても歯がゆかった。

「――――フェイトは、楽しみにしていたんだ……」

俺の呟いた言葉に皆が耳を傾けた。

「漸く家族三人で暮らせるようになって住居を地球に移してそして俺達と一緒に学校に行くって言ったんだ。

学校で分かんない事があったら助けてやるって約束したんだ」

でもその約束を果たす事が出来なくなった。

「俺があの時の攻撃を避けられていたらあいつは俺を庇わずに済んだんだ……」

「仁君は悪くないよ! 私が闇の書に支配されなければ――」

「辞めなさい! 誰の所為でもないわ……そんな事を言い争っても仕方が無いわ。

それに――――そんな事で争ったらフェイトさんが悲しむと思うわ」

リンディさんの言葉で部屋が静まり返る。皆がフェイトの死に絶望していたその時――――。

『――――方法ならある』

「えっ!?」

俺にとって最も馴染み深い声が聞こえた。その声が誰の者かと気づいた時に俺の意識は飛んだ。























目を開けるとそこはもやは馴染み深いと言っていい程のいつもの赤い空間で目の前にブレイブが居た。

「ブレイブ……。さっき言った事は……」

『方法ならある。たった一つだけな』

「一体その方法って何だ?」

「お前ならそれがどんな方法か分かっている筈だ。

それは――――私の命を与えてフェイトは生き返らせる事だと」

「――――!」

「かつてのウルトラマン達と同様に私の命を与えればフェイトを甦らせる事ができる」

「だがそんな事をすればお前は! それはお前の意識が消えるという事だ!」

俺達は完全に同化した訳ではない。俺達は既に独立した命となっている。

だからブレイブの命を与えるという事は俺の命は消えないがブレイブは消える。つまり死を意味する。

ウルトラマンとは違って俺達光族には同化能力は無い。正確には普通の人間に対してはそれができない。

同化は同じ一族同士ではないと使えないのだ。

「だがお前はフェイトを失いたくない筈だ。そうだろ?」

「しかし、そうなったら邪神に対抗できなくなってしまう」

ブレイブが消えればそれだけで俺の力は失われてしまう。それは邪神に対抗する為の力を失ってしまう事だ。

邪神を倒すという俺達の目的が叶わなくなる。

「邪神に対抗する方法はまだ存在する。私が居なくなっても許容範囲内だ」

――――確かに邪神に対抗する手はまだ存在する。ブレイブアークの真の完成や

ブレイブアークと対となるアレもある。だけど、確かにそうだけど…………。

「決断するんだ。他に方法は無い」

「待てよ! 行くな! お前が居なければ俺は! 今までこうして俺がいられたのはお前のおかげなんだ。

――――何も訳も分からずにこの世界にやって来て本当は……とても不安だった。

でもお前がいたから俺は俺でいられた。真実を知った今の俺にとってもお前は大切な相棒なんだ。

そのお前が居なくなるなんて…………そんなの俺には……考えられない……」

俺が今まで胸の底に秘めていた想いをブレイブに語った。

ブレイブは俺のその独白をちゃんと聞いてくれていた。そして俺が話終わった後に語った。

「ジン、私は――――光だ。二度と会えない訳ではない。誰の心の中にも光があるのだ。

目を開いて周りを見ればきっと私が見える」

「ブレイブ……」

「聞け仁。これからお前は過酷な未来を歩んで行くだろう。

だがお前とその仲間たちならそれを乗り越えて行けるだろう」

「……」

「今はまだ彼女達は小さな光だろう。だがきっと彼女達はお前にとって心強い光になると私は信じている。

そしてその中にはフェイトも含まれている。だからもう私に頼るのは辞めるんだ」

ブレイブが俺に優しく諭す。そのブレイブの言葉に俺は――――。

「――――分かった。フェイトを……頼む」

「あぁ任せてもらおう」

「――――さようなら、とは言わない。そうお前が教えてくれたように俺たちは何時だって一緒なんだ。

今までのように、これからも、ずっと!」

「ああそうだ。――――ありがとう、お前で良かった。お前ならきっと大丈夫だ、なぜならお前は――――」






















「仁、大丈夫か?」

ルルーシュに声を掛けられたのだと分かるとここが現実世界なのだと認識した。

「ああ……それよりも――――」

「皆! フェイトちゃんが!!」

俺がフェイトの方へと寄ろうとする前にエイミィが大きな声で叫んだ。

フェイトの方を見るとフェイトの身体が赤く光り始めた。

「これは一体!?」

やがて光は収まった。するとフェイトの身体がピクリと動いた。

「フェイト!」

「あ、あれ? 私は――――」

俺達の声に反応しフェイトはゆっくりと目を覚ましたのだ。

「奇跡だ……」

「フェイトちゃん!!」

なのはにはやて、アリシアがフェイトに抱きついて大泣きした。

「よかった、よかったよぅ」

「ホントによかったぁ、フェイトォォ」

「皆……」

この状況にフェイトは戸惑っていておろおろとしていると俺と目が合った。

俺は何て声を掛ければいいか考えてこう言った。

「――――お帰り、フェイト」

「――――えっと、ただいま……仁」




”――――お前は一人では無いのだから”





こうして後に闇の書事件またはヤプール事件と呼ばれる事件は終わった。

























 キャラ紹介


・Uキラーザウルス・ダークネス

元ネタ:Uキラーザウルス・ネオ(ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟)

究極超獣Uキラーザウルスの亜種。闇の書の暴走プログラムとヤプールの怨念が一つとなった真の姿。

その姿はUキラーザウルス・ネオの下半身パーツがA's原作の暴走体となっている。

触手あり、トゲミサイルあり、蒐集してギャオスビットとなった武装に蒐集した魔法などと

単騎で世界を滅ぼす事ができる程の圧倒的な力を持っている。




・高次元捕食体 ボガールモンス

登場作品:ウルトラマンメビウス

高い知能と凶悪な心を持つ生命体で、怪獣の天敵ともいえる存在。怪獣を主な食料としており、

自分の餌となる怪獣を宇宙から呼び寄せたり、地球で眠っていた怪獣を復活させていた。

そのボガールの第二形態。(レッサーボガールはボガールのような高い知性を持っていない)

他の怪獣を食べる度に体内のエネルギーを増幅させており、エネルギーに引火した瞬間、

半径100キロ以内が壊滅するほどの大爆発を起こすため、下手な攻撃はできない。




・ブレイブ

登場作品:オリジナル

地球に人類が誕生する前から存在していたという光族の末裔。

統合世界を邪神から解放する為にウルトラ一族や他の戦士たちと共に戦ってきた。

元々は戦闘者ではなく科学者でウルトラマンヒカリ、ギリアム、ユーゼスとはその縁で知り合いとなった。

優秀な科学者で理論と材料があれば大抵なものは作ることができる。

ブレイブハーツ(ブレイブアーク)の基礎理論を組み上げたのはブレイブである。

ウルティメイトカオスウォーズではこの戦いでウルトラ側が負ける事を予期したブレイブはある計画を始める。

この世界を救うためにヒカリ達三人の協力により自らの命を分割し一つを観測世界に送り、

もう一つをブレイブハーツに収める事になった。

その後、その観測世界で新たな人格で生き(後の迫水仁)オタ知識を得ていたが

それは観測者としてあらゆる世界の知識を無意識に得ていたことだった。

ルルーシュたちに対して言った観測者というのは実は間違いでは無かったのである。

そして観測世界で事故によって死亡した後にキングの導きもあってこの世界に戻ってきた。





 アイテム紹介


・ブレイブアーク

登場作品:オリジナル

ブレイブハーツの真の姿。ブラックボックスの封印が解けて本来の能力が使用できるようになった。

プラズマスパークを搭載しておりこれによってウルトラマンと同等の能力が使える。

開発したのがブレイブとユーゼス・ゴッツォ、ギリアム・イェーカーにウルトラマンヒカリである。

それぞれのメンバーの独自の技術を取り入れたまさにEOTの集大成のようなものだが

現段階ではまだ未完成の状態である。





 設定紹介


・ブレイブフェニックスモード

ブレイブと一つとなった仁の本来の戦闘状態。

この状態では一部を除いたウルトラマンの能力の殆どが使えるようになる。

その能力もウルトラ一族(宇宙警備隊の戦士)と遜色ない。

バリアジャケットは銀色を基調としたジャケットにウルトラマントに身を包んだエボリューションフォーム。

左腕にはブレイブハーツに酷似したブレスがありその中心にある青い宝玉はカラータイマーの役割を持つ。




・グリッターバージョン

元ネタ:ウルトラマンティガ(大決戦!超ウルトラ8兄弟)

全身が黄金色に輝き、エネルギー全開になった、迫水仁最強の姿。

この姿になるには希望を捨てない人々の想い、光を貰い受けることでパワーアップする姿だが

今回はなのは達の想いだけでなく能力と時間制限付きという条件で仮変身を果たした。

本来の能力となると黄金に輝く光の巨人の姿になることができる。





 技紹介


・ウルトラギロチン

元ネタ:ウルトラマンA

エネルギーをギザギザの円形にして投げ、3つに拡散させて敵を切り裂く強力な切断技。





・フォトンエッジ

元ネタ:ウルトラマンガイア

頭にエネルギーを集中してだす光のやいばの直射攻撃。




・ウルトラアローショット

元ネタ:ウルトラマン80

手先から発射する矢尻型光弾。威力は低いが連射可能。




・ディフェンスドーム

元ネタ:ウルトラマンメビウス

ドーム状のバリア。同時に他の技も繰り出すことができる。




・ウルトラシールド

元ネタ:ウルトラマンティガ

両手のひらで作る円形の光の壁。




・グリタリングシールド

元ネタ:ウルトラマンティガ

敵のあらゆる攻撃を跳ね返す。 全ウルトラシリーズ中で最強の防御力を誇るとされている。




・マグナムシュート

元ネタ:ウルトラマングレート

敵の放つ炎、冷気、光線等を受け止め、凝縮して撃ち返す。




・グリッターゼベリオンブレイカー

元ネタ:ウルトラマンティガ(大決戦!超ウルトラ8兄弟)

両腕を前方で交差させた後、左右に大きく広げてエネルギーを集約し、L字型に腕を組んで放つ金色の光線。

オリジナルでは邪神に大ダメージを与えた技である。






















 あとがき?


ラストバトル終わったぁぁぁぁ!!

A's最後の戦いなんで色々とやってみました。

とそんな感じでラストバトル終了とフェイト復活です。

次回でA's編の最終回となります。





[7126] A'sの09 新しい一日の始まり
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/07/22 22:16



 フェイト side


私は走る。最高のスピードで今アースラの廊下を翔けている。

途中でアースラのスタッフとぶつかりそうになるも何とか避けて謝りながら進んでいく。









「仁!」

目的地であるアースラの医務室に入るとそこにはベッドの上に横たわってうなされている仁の姿だった。

「仁!? 一体どうしたの!?」

「フェ、フェイ――痛ッ!」

私の名前を呼ぶだけでも辛そうにしている。

私が生き返ったその翌日、つまり今日の事なんですが朝食を済ませる為に食堂に行ったらエイミィから

医務室で仁が寝込んでいると聞いて私は我を忘れてここにやってきた。

「仁! 一体何があったの!?」

私は仁と名前を呼びながら仁の手を強く握り締めた。

「ぎゃあああーーー!!」

すると仁は大きな悲鳴を上げた。

「仁!」

私はまた名前を呼びながら手を強く握った。そうしたらまた仁は大きく叫んだ。

とても痛そうにしている仁のこんな姿を初めて見た私は何をしていたらいいかわからなくて

ただ仁の手を握り締めていた。

「先生! 仁は死んでしまうんですか!」

「フェイト落ち着いてください」

「だけど仁が!」

「とりあえずフェイト、その手を離した方がいいと思いますよ」

そう言われながら先生によってゆっくりと握っていた仁の温かな手を離された。

少し名残惜しい気がしたけど先生の言うとおりにした。

「先生、一体仁は?」

「それはですね――――ただの筋肉痛です」

「重い病気に――――え、筋肉痛?」

「どうやら全力で戦ったせいで身体のあらゆる箇所が悲鳴をあげているそうです」

後で仁にその時の私はとても間抜けな顔だったと言われてとても恥ずかしかったです。






















ウルトラでカオスなリリカル戦記


A'sの09 新しい一日の始まり
























まさかここまで酷い筋肉痛になるとは思わなかったんだよ。

幽白の幽助と桑原の気持ちが十二分に理解できた。いや理解したくは無かったしあいつらの比じゃない痛みだし。

しかし手を握られただけで痛むなんて何という情けない身体なんだ。

いくら知らなかったとはいえ酷い目にあった。よし後で仕返しにあのポカーンとした顔の事を言ってやる。

などとあくどい事を考えた。

それでしばらくは体を動かせずベッドでの生活を余儀なくされている間に

色々とあの時の戦いで何があったのかクロノ達から事情徴収を受けていた。

実は前世の記憶を持っていてそれでかつての夜天の書の主でリインフォースと面識があったとかなどを話した。

守護騎士達はあまり覚えていないようだがかろうじてザフィーラだけは覚えていたみたいだ。

後に何となくだが思い出してくるのだがまあそれはいい。

ヤプールに乗っ取られてプログラムを改竄されていたんだから覚えていないのは無理もない話だ。

ヤプールを倒した時の力についてはヤプールに囚われていた時に怒りで隠されていた力が覚醒したと説明したら

「それなんてドラゴンボールや」

とはやてにツッコまれた。でも怒りでパワーアップしたのは事実だし(そのパターンでは負けたけど)。

フェイトを生き返らせた事に関しては俺も知らなかったブレイブアークに封じられた

一つきりの命を使ったものだと言っておいた。

ブレイブの事を話すと俺の事についてもちゃんと話さなくてはならないのでその事は言わなかった。

本当の事は話していないけど嘘は言っていないということである。

それともう一つ重要な事を――――。


「能力が使えない!?」

「そうそう、使えない」

「どうして?」

「フェイトに与えた命ってブレイブアークの動力源でもあって俺の力の元でもあるんだ。

だからそれが無くなったから今の俺には戦う力は残されていない」

「じゃあもう戦えないという事か?」

「いや、そういう訳ではない。今はその力を失っているだけだからまた修行すれば力は取り戻す事はできる」

まあ大雑把に言えば今の俺はダーマ神殿に行って転職して高レベルからレベル1に戻って

また一から鍛え直す事になるという事だ。

「だから別に気にする事は無いからな、フェイト」

「でも!」

「俺の力はまた取り戻せるが、命は取り戻す事ができるものじゃないんだ」

実際これは本当の事だ。けどそれでブレイブはいなくなっ――――。

「だからそんなに気にするな」

フェイトにそう言いながら布団にうずくまりながら反対の方へと向いた。

「仁どうしたの?」

「……何が?」

「今泣いているよう――」

「泣くわけないだろう、何で泣かなきゃならないの。ほら俺はもう休むからとっとと部屋から出ていけぃ!」

そう言って無理矢理皆を部屋から追い出した。やれやれ、まだしばらくは引きずりそうだなぁ……。

――――とりあえず俺がすべきことはこの筋肉痛を治す事だ。という訳で寝よう。























それから一週間くらい経ってようやくベッド暮らしから解放された。

その間に闇の書事件またはヤプール事件と呼ばれるあの戦いから

ずっとアースラの方は報告書を作るなどでドタバタと急がしそうにしていた。

何せ数百年前から続いていた闇の書事件を終わらす事ができたので本局の方でも大騒ぎになっていたようだが

グレアム提督が色々と動いていて落ち着いてきているようだ。

一段落ついたら今度近い内にはやての家に行くそうだ。

フェイトの方は無事にアルフと再契約して以前と変わらない――――いや一つだけ変わった事があったな。

それは俺が本当なら筋肉痛の痛みから解放されて動けるようになった

あの日に行われた模擬戦での話に戻る。




「もう動けるの?」

「一応平気」

でもまだ動くだけでもズキンズキンして痛いけど今回は見学だけだから来てみた。

今回は復活して初めてになるフェイトとシグナムとの戦い――――なのだが

これから戦うというのにフェイトの様子がおかしい。

「テスタロッサどうした?」

「あの、よく分からないけど気をつけてください」

「ん?」

「多分上手く……加減できないと思うから」

「何を言っている、全力で来るがいい」

「でも……」

「テスタロッサ。それは私に対する侮辱だ。遠慮はいらん、来い!」

「……分かりました、行きます!」

そう言って戦いが始まった。

開始同時にフェイトの魔力が上がっていく。

どんどん、まだまだ、さらに増え続けている。

もっともっと、もっともっと、Motto! Motto! とSKILL的テンションな勢いで上昇していっている。

あれ? フェイトってこんなに魔力が高かったっけ? いやこれは高すぎるどころじゃないぞ!

などと考えていると他の皆も似た反応をして混乱していた。

いくら何でもおかしすぎる上がり具合だ。フェイトの魔力光が金色だから余計何か強くなっているように見えるし

それにほら対峙しているシグナムも唖然とした顔をしているし。

「いきます! プラズマザンバー……ブレイカー!!」

その上がりまくった魔力によるフェイト最大の攻撃が放たれた瞬間――――訓練室がぶっ壊れました。







た、確かこの訓練室ってコミックだとなのは&フェイトとはやての魔法で中までが

ボロボロになるんじゃなかったっけ? 今回フェイト一人で――――訓練室の外にまで被害が出ているぞ!!

「ふう、非傷殺設定じゃ無かったら死んでいたところだったぜ」

などと外まで吹き飛ばされた俺は――――あれ? 何だかふらふらするぞ?

「じ、仁君!?」

「う~ん、どうしたはやて?」

「あ、頭!」

「うん? ってな……なんじゃこりゃあ!!?」

頭に何かの破片がぶっ刺さっていて血がドクドク……ギャアーーーー!!

ふう、チートボディじゃなかったら死んでいたところ……だぜ――――ガク。























「ど、どうしてこうなっちゃんだろう?」

現在皆で医務室にてフェイトがなぜ急に魔力が増大しまくったのか考えている。

「あ~、もしかして原因ってアレかな……」

エイミィが器用に俺の頭に包帯を巻きつつリボンを作っているが俺は気にせず推測を言ってみた。

「アレ?」

「多分ブレイブによって生き返った影響じゃないだろうか」

ブレイブの命は普通の人間の魂とは違って転生を繰り返して何百年どころか何千、何万年以上

生きてきた命で高エネルギーの塊でもある。

だからその命の影響でフェイトは蘇らせただけでなくスペックが大幅に上がったんだろうな。

多分使い魔として契約しているアルフもパワーアップしているんじゃないだろうか。

などとちょっとした騒ぎがあって本当ならもっと早くベッド暮らしから解放されたのに戻ったという。

ちなみにあの場に居たフェイト以外の全員もベッド送りになった。

その事でフェイトがまた皆に迷惑掛けちゃったとかバルディッシュを壊しちゃったとか若干凹んでいたのを

皆で慰めたのは言うまでも無い。

まぁでもフェイトのスペックが既にStS時よりも遥かにパワーアップしていたという事だ。これは嬉しい誤算だ。

あと壊れたバルディッシュの改修もしなくてはな。








デバイスといえば新たな八神家の一員になった彼女についてだが――――。

「闇の書と完全に分かれたから再生プログラムが作動することは無いよ」

リインフォースはその事について懸念を抱いていたがその問題はあの時に解消していた事を告げた。

「ただこのままだと消えてしまうのは変わらないが」

「そうか……」

「諦めるなよ。このままだとと言っただろ。修復すれば消えることは無いよ」

「できるのか?」

「修復はできる。ただ元には戻れないけどね」

「元に戻れない?」

「そう。ヤプールに侵食されて夜天の書のリインフォースと闇の書のヤプールを切り離した時に

奴に中枢部の構成要素をちょっと持っていかれて欠損してしまっている」

何で俺がそんな事を理解できているのかと言うと、俺は正確にはブレイブは元々は科学書で

そしてかつての俺は夜天の書のマスターでもあったので一応夜天の書の構造を把握しているのだ。

ブレイブを失ったとはいえあいつの持っていた知識や技術などを受け継いでいるので

以前とは違ってデバイスなどの製作、改造などができるようになったのだ。

これで念願のアイs(ryじゃなくてデバイス開発ができるようになったぞ。という訳だ。

「だからユニゾンはできなくなり他の守護騎士達と同様にプログラム体として生きる事になるのだが」

「それで構わない」

「そうか。じゃあ始めるか」

てなやりとりがあって先生にも協力してもらってリインフォースの改修作業を行って無事に改修完了しました。

その事にはやてに感謝されたのだが他の八神家は――――勿論喜んだのだが。

ヴィータにはそんな事ができるのか人は見かけによらねえなとか

シグナムには戦う事はできなくても役に立てるのだなとか言われた。

何かお前ら酷くねえか? 俺一応元マスターなんだけど。

そんな俺の扱いについてシャマルとザフィーラに愚痴ったら

「確か我の記憶だと今も昔も変わらずそんなもんではなかったか?」

「確かにそうよね……」

と言われた。そんな悲しい過去は忘れたと言い返してやった。何だろう目から汗が流れてきたよ。

後でリインフォースに慰めてもらったのはここだけの話だ。























「初めまして、転校して来ました、フェイト・テスタロッサです」

「同じく、アリシア・テスタロッサです」

「八神はやてです。よろしゅうな」

それと俺がベッドにいる間にフェイトたちは小学校に転校していた。

フェイトとアリシアはその前に母親のプレシアと共に海鳴に引っ越している。

早く学校に通りたいという希望だったからこうなったのだけど

でも冬休みの直前に転校はやはりおかしいだろうとツッコミたかったが

空気を読んで気にしないことにした。

「でもまさか俺達と同じマンションでその隣の部屋だとはな」

「そうだね、私も驚いたよ」

テスタロッサ家の家は俺達と同じマンションで隣の部屋だというのは

後に知った事なのだが狙ったとしか思えないのだが……。

住居をそこに決めたのはどうやらプレシアらしいのだがはてさて――――。

「それにしても仁はまだ治らないの?」

「あぁ、もうしばらく掛かるらしい」

学校には風邪だとルルーシュに連絡してもらった。

流石に筋肉痛で来られませんなんて馬鹿正直に言う事は無い。というか馬鹿にされるよな……。

「心配してるんだよね、アリサちゃん」

「べ、別にそんなんじゃないわよ。ようやくフェイトが来たっていうのにアイツったら来ないんだもん!」

とかなんとか言っていたらしいが事実は分からない。



あとアリサとすずかがこんな事を言っていたらしい。

「そういえば少し前に海鳴一帯で異常気象があったでしょう」

「海鳴だけ暗い雲に包まれたあの日だよね」

「そうそうそれで少し経ったら海の上で金色の光が輝いてそれから雲が無くなったアレよ。

アレって結局何だったのかしら……」

などと話されてどう言えばいいかルルーシュ達は混乱したらしい。

あの時って雲が出た後に結界を張ったから雲の存在はともかく金色の光が見えたとはこれ如何に?























そしてようやく完全回復して久々に学校に行った。

約束通りにフェイトを学校で助けるその一環で学校案内した。最も他の皆も一緒に回る事になったのだが

フェイトとアリシアというか主にアリシアに色々と引っ張りまわされてクタクタになった。

他に疲れた理由が久々に学校にやって来た始めの授業が体育だったからなんだが。




「ほあぁ!」

案の定ルルーシュが即行でボールに当たって外野に出て行くのはもやはお約束的展開なのか

誰もかもがルルーシュじゃ仕方ない的な目で見られていたのが何だか涙が零れそうになった。

「ホント、ルルーシュは役に立たないわね」

アリサはそう言うがルルーシュに当てたのがあのすずかなので

すずかが相手じゃもっと仕方ない的な雰囲気が漂ったのはどうなのよと思った。





――――まあでも仕方ないかとその次に当てられた俺はそう思わずにはいられなかった。


orz







「すずかは相変わらず凄いな……」

「でもフェイトも凄かったわよね」

最後に残っていたのはフェイトとすずかだった。

元々の能力の上にブレイブの影響でさらに身体能力まで上がっちゃったからな。

魔法無しでまさかすずかとガチで互角にやりあうとはな……。

一騎打ちになった時はエネルギー弾の投げ合いみたいな激しい戦いぶりだったが

少しは自重しろと注意はしておいた。





















「じゃあまた後でね」

「待ってるよ~」

「遅れるんじゃないわよ」

「へいへい」

その日はそんな事があってあっという間に学校が終わってアリサ達と別れた。

しかしなぜまた後でなのかと言うと――――。























「メリークリスマス!!」

クラッカーを鳴らして乾杯した。そう今日はクリスマスだったのだ。

闇の書事件が原作よりも早く終わったのでこうしてクリスマスパーティーを満喫する事ができた。

主催地は。料理ははやてと先生にルルーシュ、さらにデザートのケーキは当然翠屋という豪華ラインナップである。

こうあれだなスパロボでもこういったイベントだあったがまさにそういったノリだ。

まさかそれを味わう日が来るとはいや~長生き(?)するもんだな~。

メンバーは俺とルルーシュ、C.C.になのは、テスタロッサ親子、八神家、

アリサ、すずかにクロノ、リンディ、エイミィだ。

途中でグレアム提督と先生がサンタ姿で現れるというサプライズには軽く吹いたが。






皆が盛り上がっている中、俺はクールダウンする為に夜風にでも当たろうかと庭に出たら先客が居た。

「あら、どうしたの?」

先客はプレシアだった。プレシアはジュエルシード事件の事で裁判に掛けられていたが

それは無事に終了してここに来ている。リンディ達はその監視役で決して遊びに来ただけではない。

他の人よりも多くケーキを食べて思いっきり楽しんでいたリンディは別かもしれないが……。

「夜風に当たりに」

そう言いながらプレシアの隣に並んだ。

「――――また貴方に助けられたわね」

「何が?」

「フェイトの事よ。聞いたわよフェイトが一度死んだというのを。そしてそれを助けたのが貴方だという事も」

感謝しているわなどと言われて少し反応に困ってしまったがプレシアは気にせず話を続けた。

「ふふ、私は病で死に掛け、アリシアとフェイトも一度命を落として……

よほど私達には死というのに縁があるのかしらね」

軽く笑いながら自虐ネタを吐くが確かに呪われているんじゃないだろうかと疑ってしまうテスタロッサ家である。

「ところで仁」

「はい?」

「貴方はどっちを選ぶのかしら?」

どっちとはどういう意味でしょうか? と考えながら手に持ったジュースを飲んでいると。

「アリシアとフェイト、どっちと付き合うのかしら?」

ブーーーー!!? またジュース吹いちまった!!

「汚いわね」

「ゴッゴホッ……あ、あんたが変な事を言うからだろうが!」

プレシアの口からそんな事を言われるとは予想外にも程があるぞ!

「――――貴方にだったら任せてもいいかしらと思ったのよ」

「は、はあ……」

まさかフェイトどころかアリシアまで了承するなんて……。この親馬鹿がそんな事を言うとは

俺って意外と信用されているという事なのだろうか?

――――そう言えば俺の事を名前で呼んでるし認められているのか?

……あ~でもアリシアやフェイトも普通に名前で呼ばれているしな~。

名前で呼ぶのがテスタロッサ家の習わしなら大した意味は無いのか?

「でもね、仁……」

そんな事を考えていると突然辺りにピリピリと電気が流れていた。

「二人を泣かせるような真似をしたらどうなるか――――分かっているわよね?」

ヒィィィィイイイイ!! 一期の時の酷い顔より怖ぇぇーー!

なんちゅうプレッシャーだ、大魔導師の異名はやはり伊達じゃないようだ……。

「まぁ貴方はそんな真似をしないと思いたいけど」

「はぁ、どうも……」

しないと思いたいって微妙な言い方だな……。

うん? てか待てよ、もしもどっちかを選んだとしたらプレシアは俺の義理の母親になるのか?

――――。

――――――――。

――――何だろう、この言い表せない何かは…………。

「――――それにしてもあの子はもう少し大人しい子だと思ったのだけど、

貴方の事になると積極的になるのかしらね」

そう言って家の中に入って行った。何だったんだ一体……。

「――――仁」

「うん? ――――フェイト?」

すると今度はフェイトがやって来た。――――さっきのってそういう事?

「隣いいかな?」

「どうぞ、というか許可取る必要ないから」

隣に立つだけなんだからそう畏まらなくてもいいのにと思う。

そうして俺の隣に来たフェイトだがしばらく無言で居た。

無言のまま時間が過ぎているとようやくフェイトが話し出した。

「仁にはまた助けてもらったね」

「大切な事なので親子二人で言いました。ってか?」

「どういう事?」

「お前の母さんにも同じ事言われたんだよ」

そうなんだと言ってまた黙ってしまうフェイト。

こんな時何を話したらいいか分からないの。

笑えばいいと思うよ。

笑うだけかよ! 

この無言の間をどうにかする為に考えるがくだらない事しか浮かばなかった。

「どうしよう……」

この間をですか?

「色々と話したい事があったんだけど、何から言えばいいか分からなくなっちゃった……」

などと恥ずかしそうに笑う。

「仁とは一杯色んな事を話したかったんだ。でもこの間までドタバタしちゃったからあまり話せなかったから……」

「別に焦る事は無いだろ」

え? と不思議そうにこっちを見た。

「時間はいくらでもあるんだから全部纏めて言う事は無いだろ。少しずつ話していけばいいんじゃないか」

前のように別れる訳ではなくこれからは一緒に居られる時間があるんだから無理して一編に話す事はない。

そういう風に言ったらその通りだね、とフェイトは頷いた。

「じゃあ一言だけ――――仁、ありがとう」

「どういたしまして」

それで会話は終わった。そうこれから時間を掛けて話していけばいいんだ。

そして俺もいつか俺自身の本当の事も――――。

「あぁ! また二人で居るぅ! 私も混ぜてよー!」

アリシアがぷんぷんと怒ってこっちを睨んできた。やれやれと思いつつ俺達は家の中に戻って行った。

この後ビンゴ大会があったりプレゼント交換があったりなど

色々とあったクリスマスパーティーはこれでお開きとなりました。























「さて改まってどうしたんだ?」

今俺の家には同居人のルルーシュに先生が来ている。

「なのは達を呼ばずにこのメンバーだけで話しておきたい事があるんだ」

「このメンバーだけで、と言いますと……」

「次元漂流者繋がりだな」

「これから話す事は誰にも言わないで欲しいんだ」

そして俺は皆に俺自身の本当の事とこの世界の事について語った。

そしてこれから起こりうるであろう未来の事についても――――。



















ウルトラでカオスなリリカル戦記


A's編 終わり

















その15.5が解禁されました。





















 なのは side


「どうしたんだなのは? 改まってお父さん達にお願いしたいことって?」

今私の目の前にお父さんとお兄ちゃんが居ます。それはあるお願いをするためにです。

私がとても真剣だということを察したのかお父さん達は真剣な表情をしたのところで私は言いました。

「私に――――剣を教えてください!」






to be contuned A's to StrikerS







































 あとがき


A's編終了です。

無印に比べて話が短かった割には時間が掛かってしまいましたが

どうにか終わらす事ができました。

ずっとバトル展開だったので久々に日常場面を書けて楽しかったです。



ここからはA's編の事について述べたいと思います。


まずはA's編のコンセプトみたいなものがありまして

それは良く言えば王道。悪く言うとありきたりな話というを

目指して書いてみましたがどうだったでしょう?

一応それらしくは書けたと思います。ただありきたりと言ったように

話の流れが読まれてしまうというのが問題だったかなぁと思いました。

まぁそれも覚悟して書いていたのである意味狙い通りだったのかなぁと思いました。


内容について

冒頭の夢の内容はブレイブの過去の話です。色んな人達と会っています。

ブレイブの過去の話に関しては今後公開する事は無いでしょう。

そんな事があったなというだけで特に重要視はしないと思います。


フェイトが死ぬというのは前から考えていた事でこれは変わらずにやりました。

さらに仁は守護騎士達に戦って大怪我をしてその際に記憶喪失になって戦線離脱するなんて案もありました。

それでフェイトの死によって記憶が蘇るというコレなんて「ごめんよポ○プゥゥゥゥ!!」な展開でした。

ただこれをやるとそのまんまな内容だし思った以上に話が長くなるので変更することにしました。


他にも初期のプロットでは劣勢となったUキラーザウルスの場面でボガールが現れるところまでは同じですが

ボガールがザウルスを食べてモンス化。その後爆発するところを宇宙に転移させて

先生によって復活したKOS-MOSが相転移砲で倒すという構想だったのですが

流石にオーバーテクノロジーすぎるKOS-MOSを一晩でやってくれました的な展開は

流石にご都合展開すぎるかなと辞めました。そうしたらKOS-MOSの出番が最初に出て来ただけで

終了となってしまいました。KOS-MOSマジすまんかった。



今後の予定について。

A's編とStrikerS編の空白期(以降A's to StS)の話をやる予定です。

作者としては一応ここからが本当に書きたかった事なので頑張りたいです。

仁達は今後の世界の為に色々と動き回る予定です。

現段階の構想だとA's編よりも話が長くなるかなと思います。

最もまだ纏め切れていないのでどのように話を持っていくかは

まだちゃんと決めていないのですが序盤の展開は一応考えているので

中盤以降をどのように話を持っていくかが悩みどころですかね。

他のクロス作品も絡ませるつもりですがどうなるかはまだ分からないですね。



ではこれでA's編は終了となります。

ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

ここまで書けたのは皆様から頂いた感想がやはり大きな励みとなり執筆の力となりました。

これからもどうかお付き合いよろしくお願いします。








[7126] A's to StSの01 心機一転? これからもよろしくお願いします
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/08/05 02:34


 フェイト side


今日はいつもと違う日。

それは今日は特別な日だから

それだけでなく今日、正確には昨日の夜から私達の家には家族以外の人が居る。

私にとって大切な人であってアリシアと母さんにとっても大切な人が――――迫水仁。

私の最初の友達であり

アリシアを生き返らせた人であり

母さんを救ってくれた人であり

そして私の命も救ってくれた人だ。

仁が眠っている部屋に入って起こそうと体を揺らしながら声を掛けてみるが起きる気配がしない。

それで私はここに来る前にアルフに教わった方法で再び起こそうとした。

その方法とは――――布団を剥ぎ取ることである。

中々目を覚まさない人には効果的だとテレビで見たとアルフに教わってそれを実践した――――のだけど。

「えっ!!?」

布団を剥ぎ取った目の前の光景を見て私は混乱し頭が真っ白になった。


 side out























まだ半分以上寝ている意識の中、何か声が聞こえたようなような気がした。

そう思ったら誰かが居るような気配がするなと思い次の瞬間に布団が剥ぎ取られた。さむっ!

誰だこんなことをする奴はと思い目を開けたらフェイトが立っていた。

何でフェイトがいるんだろうと考えそう言えば昨日はフェイトの家に泊まったんだなと思い出した。

「う~、フェイト? どうしたんだそんなとこに突っ立ってて?」

ってあれ? なんか体が重いな。まだ寝ぼけて――というか背中になにか張り付いている?

そう思って背中の方へと目を向けるとアリシアが俺の背中にくっついていた。

あぁそれじゃあ重いわけ――――。

「はっ! アリシア!?」

もう一度確認すると布団の中で俺の背中に張り付いたアリシアが眠っていた。

いつの間にもぐりこんでいたんだ。

「あ、じ、仁……アリシアと一緒に寝て…………よ、夜這い?」

フェイトもそれに驚いていたらしくというかというか俺以上にビックリしていたみたいだ。

って! 何か誤解してるし! というかどっからそんな言葉を知ったんだ!

「ち、違う、誤解だ! 俺は何も知らんし何もしていない!」

「そ、その……ごめん!」

「フェイト、待っ――!?」

誤解して去っていくフェイトを止めようとした時。

「朝から騒がしいわね、仁」

後ろから胸の奥底から凍りつくような声が聞こえてきた。――――いやいやこれは幻聴だ、

俺はまだ寝ぼけている、というかこれは夢だ、てかそうであってくれ!

そう思いたかった、けどその後ろから発する威圧感によってまだ寝ぼけ気味だった

俺の意識は完全に覚醒されていきそれが幻聴でも幻覚ではなくそれが現実なのだと感じていった。

やがてその威圧感の持ち主が俺にこう聞いてきた。

「それで――――何か最後に言いたい事はあるかしら?」

死刑台に立たされた死刑囚のような気分を味わっている俺はこうただ事実を言った。

「お、俺は無罪d「有罪よ」ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ!!」

今日はいつもと違う日。それは新年あけおめの元旦の朝。

テスタロッサ家に紫色の雷が発生し断末魔が聞こえたとさ。























ウルトラでカオスなリリカル戦記


A's to StSの01 心機一転? これからもよろしくお願いします





























「新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。はい」

「「「「新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします」」」」

俺に続いてフェイト、アリシア、プレシア、アルフが元旦の挨拶を交えた。

どうして俺がテスタロッサ家に泊まっていたかと言うと

今日は元旦、昨日は当然大晦日だったわけだがテスタロッサ家は最近地球に移住してきたわけで

地球での大晦日と正月の過ごし方が分からないということで俺はテスタロッサ家にお邪魔することになったのだ。

年越しそばを食べて零時まで起きようとしたがフェイトとアルフは途中で寝て、

俺とアリシア、プレシアは起きていた。アリシアは零時過ぎてから直ぐに眠ってしまったけどね。

その後はプレシアとまぁ色々話し込んでいた。だけど真面目な話をしていたのに

何時の間にかアリシアとフェイトの可愛さについて熱く語っていた。

――――これからはプレシアのお酒に付き合うのは辞めようと思った出来事である。

あと本当ならフェイトはなのはも誘ったのだがなのはは用事があるからと断られたそうだ。

用事って一体何をするんだと思ったが。まぁ高町家の家族団欒の邪魔してはいけないだろうと追及はしなかったが。

ちなみに俺の同居人は八神家の方に行っている。何でもはやてたちにお呼ばれされたそうだ。

俺も呼ばれていたがもうフェイトに呼ばれていると言ったら

「ほんならお邪魔になるといけないからルルーシュ君は借りるな」と言って

ルルーシュとそれにC.C.は八神家で行く事になった。お邪魔ってなんだよとツッコミたかったが

ツッコムと負けかなぁと思いやめた。何やら守護騎士達が大晦日の夜から管理局に行かなくては

ならないようではやてを一人置いて行きたくないから来てくれないかということらしい。

はやても一緒に行こうとしたそうだが皆に止められたそうだ。

昼には戻るそうだからそれまではやてを頼むといわれてルルーシュは了承したらしい。








お雑煮を食べてプレシアがお年玉をフェイトたちにあげて俺はコタツにゆったりしている間、

フェイトたちはこれから皆と待ち合わせしている神社に初詣に出かける支度をしていた。

アルフはもちろん子犬形態でのお出かけだ。

俺はだって? 俺はこのままコタツにひきこも――――わ、分かった! 今すぐ支度するから!
























神社に向かうと先に来ていたなのはとアリサ、すずか、はやて、ルルーシュと合流した。

C.C.は小人サイズになってルルーシュのコートのポケットの中に待機中である。

守護騎士達はさっき言ったように今は管理局に行っている。先の事件で守護騎士達は

ヤプールに操られていたとはいえ多くの人たちを傷つけてしまった。その償いで管理局に従事するという。

その守護騎士の主であるはやても一時とはいえ操られて蒐集をしていたから

管理局で罪を償うため管理局に従事している。

「あけましておめでとう」

「おめでとう。これからもよろしゅうな」

「あぁ、あけましておめでとう」

「おめ」

「コラ! 正月ぐらいちゃんと挨拶しなさいよ!」

「寒い~、早く家に帰ってコタツに潜りたい」

俺のやる気の無い挨拶にアリサが抗議してきた。仲が良いからこそこういうあえて挨拶をしたのだが

アリサは「親しい中にも礼儀あり」だと説教をされてしまった。

まったくアリサは俺に厳しいよな。そして今現在とても寒い。

今の俺の格好はセーター着てその上にダッフルコート、マフラー、手袋に耳当て付き帽子と

さらに両手にカイロ2つ常備した重装備特化型冬季限定仕様の装備だがそれでも寒かった。

俺は寒がりなのだ。なぜならウルトラマンの特性を持つ俺は彼らの弱点である寒さにとても弱いのだ。

だから早く温かいコタツに潜りたい。本当は外に出たくなかった、出たくなかったでござる!

そんな俺だがテスタロッサ姉妹とアルフによる説得で俺は結局神社にやって来たのだった。






べ、別に行かないとプレシアの雷が落ちてくるのが怖かったわけじゃないんだからね!














皆と合流し、お参りするために長い行列に並んで待つこと30分、俺とフェイトの出番になった。

俺の願い事は既に決めてある。というか去年と同じ事をお願いする。それは――――。

どうか少しでもトラブルが減りますように。いやホントマジでお願いします。

きっとその願いは叶う事ないかもしれないけど少し、いやほんのちょっとでも静かに暮らしたいので

何卒お願いします。と念を込めてお願いした。

それが済んで俺の隣にいるフェイトをちらっと見ると真剣にお願いをしていた。

フェイトも終わり次のなのはたちに譲って場所を移動した。

「何をお願いしたんだ?」

「執務官になれますようにって」











大晦日の夜にフェイトたちと話していた時フェイトは執務官になりたいと言っていた。

「何でお前は執務官になりたいと思ったんだ?」

はやてたちが管理局に従事しそのまま局員になるようにフェイトとなのはも局員になるそうだ。

まぁまだ少し先の話になるのだが今のところは皆アニメと同じ進路らしい。

だけどアニメ原作ではフェイトが執務官になろうとしたのは義兄のクロノの影響だった筈。

でもこの世界ではフェイトはハラオウン家に引き取られず執務官になろうとあまり思っていないと思った。

そう疑問に思いフェイトに尋ねた。

「私考えたんだ。この力は何の為にあるのかなって」

そう自分の胸に手を当てて話し出した。

ブレイブの命によって得た強大な力は何の為に使うべきか考えた。

ヤプールのような強大な敵と戦う為のもあるだろう。けどきっとそれだけじゃないと今まで考えた。

――――そして見つけた。

「一人でも多くの人を救うこと。守るべき何かのために力を使うこと。そう思って私は――――」

「それで執務官になりたいと?」

「うん、執務官は色々と次元世界を飛び回る仕事だからその時事件に巻き込まれる人たちを

多く助けたいって――――変かな?」

「いや、それはとても難しいことだろうが、いいと思うよ」

「難しいよ。だからこそ私はそうしたいんだ。……だけどもし私だけじゃそれが無理な場合があると思うんだ。

その時は仁、手伝ってくれないかな?」

「……それは他に管理局員になるなのはやはやてたちに言えよ。俺は局員じゃないしなるつもりもないからな」

他人に頼ることは悪いわけじゃない。けど頼りすぎるのは良い事ではないと思い俺はそう答えた。

つうか今の俺ではフェイトの足手まといになるだけだろうがな。

「…………そうだよね、私の仕事を局員でもない仁に手伝わせるわけにいかないもんね……」

ごめんと俺に謝るフェイトなんだが、そう落胆した顔で言うなよ。

――――何だよアリシア、むっとした顔で見るなよ。――――ったく。

「……あ~、フェイト。別に俺は嫌だとは言っていない。

だから本当に自分の力だけじゃどうしようもなくて力を貸して欲しいと思った時は俺に言え。その時は――――」

「その時は?」

「――――暇だったら助けてやるよ」

そう暇だったら手伝うくらいはしても……だからアリシア、なにニヤニヤと見てんだよ。

「ありがとう。やっぱ仁は優しいよね」

優しいねぇ……ってだからさぁ、何なのアリシアは今度はぶすーっとした顔して、何が言いたいんだよ。

「私は執務官になるって夢があるけど、仁にはそういうの無いの?」

「俺は特には……。アリシアは何か無いのか?」

さっきから百面相のような顔をしていたアリシアに振ってみたら

意外にもアリシアにもやりたいことがあったようだ。

「私はデバイスマイスターになろうかなと思っているんだ!」

どうやらフェイトのデバイスを強化したことがきっかけにデバイスのことについてはまってしまったようだ。

「……」

「どうしたの母さん?」

フェイトとアリシアが話している間、プレシアはただ黙っていた。その様子がおかしいと気づき話しかけてみると。

「――――わ、私は嬉しいわ! 二人共ちゃんと将来のことを考えて、本当に立派に……私は、私はぁぁぁぁぁぁ!」

プレシア、まだ時間はあるんだからお酒のペースを押さえてくれよ……。

実は泣き上戸なのだと判明したプレシアを皆でなだめた大晦日の夜の一幕であった。










「それで仁は何をお願いしたの?」

「ずっとぐーたらできますようにと」

「アカン、その歳でそんな思考じゃ大人になった時が大変や!」

結構切実な願いだったりするんだけどな……。

「嗚呼……ホント、ニートになりたいなぁ」

「アンタって駄目人間ね……」

ニートにはなれるだろうがきっとぐーたらはできないだろうな……。

そんな将来のことを思い浮かべてみたら少し悲しくなった。

「それでお前らは何てお願いしたんだ?」

「守護騎士の皆といつまでも元気で暮らせますように」

はやてらしいお願いである。仲睦ましいよなお前らってホントに。

「なのはは?」

「私は…………内緒なの」

「……なぁ、なのは」

「な、何かな……」

「何か最近元気が無いんじゃないか?」

「そ、そんなことないよ。私は元気だよ!」

とてもそうには見えない。どう見ても疲れているように見えるし。

昨日の用事のことと関係があるのだろうか? 一体何をしていることやら。

「あっ、ほらあそこにおみくじが売ってる、買いに行こう」

「おい、なのは!」

俺の指摘から逃げるかのようになのははおみくじ売り場のところへ翔けて行った。

何なんだあいつ。何か危なっかしいぞと思いながらも皆と一緒におみくじ売り場に向かった。












「私は小吉か。皆はおみくじ何やった?」

「中吉」

「大吉」

「吉」

「吉」

上から順にアリサ、すずか、なのは、ルルーシュである。

「仁君は?」

「――――大凶」

一瞬周りの時が止まったように感じた。まぁそりゃあ凶がでずに大凶なんて出しちゃったからね。

書いてある内容だが要約すると、


危険を察知して回避しようとしても回付不可能です。素直にその脅威を受け入れましょう。

黒服や教会の関係者などには注意しましょう。気がつくとブスリとなるかもよ。

最近心機一転した貴方は早いうちに知り合いに挨拶参りをすると今後の災いが福と転じるかもしれないよ。



などと書かれていた。なんだかやけに具体的に書かれてあるのは気にしてはいけないのだろうか。

「じ、仁君、おみくじなんてそんな気にする必要ないよ」

「う~ん、別にそこまで気にしてはいないけど、でもたかがおみくじと馬鹿にするものではないぞ。

そもそもおみくじとは昔の国の政に関する重要な事や後継者を選ぶ際に神の意志を占うためにすることがあって、

これが現在のおみくじの起源とされていると言われているんだ」

「よく知っているはね、そんな事」

「実は何を隠そう俺は占いの達人だ! ――――とまぁそんなわけで占いに関しての知識があるからな」

「ふぅん、アンタにそんな特技があったんだ」

うさんくさそうな顔で見ているアリサだが俺は話を続ける。

「そもそも俺が占いをしようと思ったのは俺の尊敬する人が占いができるからであってだな」

「仁の尊敬する人って?」

「古代中国に登場する有名人だよ」

「誰の事?」

「太公望」

古代中国の封神演義に登場する仙界の道士でもあり周の軍師でもあった人ことだ。

「へぇ、アンタがそんな人を尊敬していたなんて意外ね」

アリサは少し見直したわと本当に感心したそうに言う。

――――最も俺が尊敬する太公望は太公望じゃなくて太公望(藤崎竜版)だけどな。カカカ……。

「じゃあちょっと占って見せてよ」

「私もいいかな!」

「どれだけの腕前か見てみたいなぁ」

「いいぞ、少しだけ見せてやろうぞ」

そんな俺の占い話から急遽迫水仁式占いが開催された。






















「仁君、凄いよ、当たってるよ!」

「結構当たっているわね。仁にこんな特技を持っていたなんて」

すずかとアリサを先に占ったら好評だった。それを機に他の皆も占ってと言ってきた。

にしても女の子ってホントこういうのが好きなんだなと思った。

「将来ニートじゃなくて占い師にでもなればいいんじゃない」

「占い師にか? ふむ、それは考えた事無かったなぁ」

占い師かぁ、うん? 占い、占い…………おお、そうだ!

「な、何よ?」

「アリサナイスだ! そうだ占いだよ!」

「へ?」

訳分からない顔をしているアリサをよそに俺はある考え、企みを思いついた。フフフ……。






それとは別になのはを占った結果が少し気になった。おみくじで吉と出るだけあって

あまり良くない兆しがあった。これが意味するのは…………。

















「初詣も終わったから次ははやての家か」

昼は八神家でご飯を食べる予定になっている。

「きっと仁君びっくりするで」

意味深にはやてがそんなことを言ったが何にビックリするんだと疑問に思いながら

俺達は八神家に向かった。そしてはやての言うとおり俺は驚愕してしまったのだった。










「ば、馬鹿な……」

「お前の気持ちは分かる。だがこれは現実だ」

「嘘だ嘘だ! こんなの嘘だ!!」

「事実や、だから受け止めるんや」

俺が否定したい現実に管理局から帰ってきた守護騎士のリインフォースとはやてに

それは現実なのだと認めるんだと言う。

「いや、だって、そんな! ――――シャマルの料理がこんなに美味しいなんて嘘だ!!」

美味い! 美味すぎるんだよ! ――――けどシャマルが作ったんだよ。そんなの在り得ない!!

「認めたくないのはよーく分かるけどな」

「あぁ、私も初めは理解できなかった。だからその気持ちは痛いほど分かる」

「努力というのは報われるものなのだということを私達に教えてくれた出来事だったな」

「まさかシャマルの料理でギガうめえなんて言う日が来るなんて思わなかったもんな」

「み、みんな酷すぎます!」

他の守護騎士達に言われてシャマルがかなり落ち込んでいた。

「ねぇ、シャマルさんの料理ってそんなに……」

シャマルの料理についてアリサが疑問を抱く。アリサはシャマルの料理を食べた事が無いからしょうがないが

あえて言わせて貰おう、この現象を!

「かつてのシャマルの料理は料理を冒涜している。という感じだったな。例えるならこの料理を作ったのは誰だ!

な感じだった。だが今は美食倶楽部の料理人というレベルに達している」

「それすごすぎでしょ!」

「まぁ実際のところシャマルの料理の腕がここまで上がったのはルルーシュのおかげだよな」

「ここまでに辿る道のりはとても困難だったよ」

ルルーシュのその目はとてもやりきった目をしていた。お前もとても苦労したんだなと

その目を見て理解してしまった。ご苦労様だったなと心の中で労った。









「しかし何度も言うが美味しくなったな」

シャマル製のおせちを堪能している。少し前ならありえないことであった。

「ルルーシュ君には本当に感謝しています」

とてもテンションが高いシャマルである。とても活き活きしていた。

「じゃあ、これで万が一にもはやてが料理を作れなくなった時でも大丈夫だな」

そう言ったらシャマルを除いた守護騎士たちが黙った。何か問題でもあるのか?

「いや、でもたまに以前と同じ味が……」

「ハズレな時があるんだよな……」

皆の視線がシャマルの方に向くと注目されている本人は慌てて弁解しだした。

「ちょ、ちょっと試してみたい味付けを――――」

「試すな!」

まだそのシャマル流の妙な味付け癖は改善されていないようだった。

活き活きしていたシャマルはそれを指摘されて大人しくなってしまったが

まぁそれはともかくこのシャマル製おせちは美味しいので見事完食された。

その後は正月定番の羽根突きやすごろくなどの遊びをして楽しく過ごしたのだった。























元旦が明けて次の日、

「じゃ、ルルーシュよ、俺は出かけてくるぞ」

「それで今回は一体どこに?」

「イギリス旅行へと洒落込んで来るぜ」

本来なら4日の夜から高町家、テスタロッサ家、月村家、はやて、アリサ、俺らによる合同の旅行があったのだが

俺だけはそれを断った。以前からイギリスに行こうと考えていたので学校が冬休みの間に行こうと決めて

合同旅行は泣く泣く断ったのだ。テレポーテーションが使えていたら合同旅行終わったら後でも

元旦の前にでも済ませたかったが今の俺にはテレポーテーションが使えないので

時間に余裕がある時でないと行けないのでこうなったのだ。

「いってらっしゃいませ、旦那様」

「お土産はピザでも買ってくるわ」

「イギリス行ってピザはおかしいだろ」

メイド服C.C.に温かく見送られ、ルルーシュの冷たいツッコミを受けながら俺はイギリスへと旅立った。

それで俺が何をしにイギリスへ行ったかと言うとおみくじの書かれていたことである。

























「お久しぶりですね、宝石翁」

「うむ、久し――いや懐かしいな、ブレイブよ」

「今の俺は迫水仁ですよ。前と変わらず坊主でいいですよ」

「ではそうしよう。それにしてもようやく目覚めたのか」

「本来ならばようやくではないですよ。計画ではまだ先の予定でしたから」

宝石翁が俺を懐かしいと言い、そしてブレイブと呼ぶのは

かつて俺がブレイブだった時宝石翁とは知り合いだったからだ。

実は宝石翁が俺を助手にしたのも俺がブレイブの半身であることを見抜いていたからだ。

いくら特殊な力があるからとはいえ赤の他人を自分の助手にしようとはしないだろう。

「それで俺がここに来たのは――――」

「分かっておる、かつての約束どおりお前さんに力を貸そうじゃないか」

「頼りにしていますよ。なので改めてどうぞこれからもよろしくお願いします」

宝石翁が俺に力を貸すのは昔知り合った時からの約束である。

それは当然奴を、邪神を倒すためのことである。

















宝石翁と話が終わってこの後はSW財団のところに行く予定だったんだが

予定よりも早く用事が済んだので時間的にまだ余裕があるし折角イギリスまで来たから

あちらの方にも行ってみるかなと思い俺はあるところに電話をした。

「もしもし、こんにちは。すみませんがゾフィーさんはいらっしゃいますか?」























 おまけ?


「ところで今のお前さんがどのくらい腕を上げたか見てやろう」

「――――え? いや、あの、実は今の俺は力を失ってて――」

「最近運動不足だったんでな、な~に軽い準備運動だ」

「話を聞いてくれよ! てか準備運動というわりにはすごいやる気満々じゃないか!?」

「そんなことはない。単なる暇潰しみたいなものだ」

「暇潰し……だと……? ――――だったらその手に持ってる宝石剣は何だ!?」

「さて少しは楽しませてもらうぞ」

「えっ、ちょっ、ま、待って――――待てぇぇぇぇぇぇぇ!!」

その日の時計塔の訓練所から宝石のように輝く光が見えたという。























 あとがき?


予定よりも投稿が遅くなってしまいましたが空白期編の第1話目でした。

日常生活を過ごしながらも非日常の世界へと行き来して何かをしようとする仁です。

久々の宝石翁登場ですがこれからも出番はたまにしか出ないだろうしあまり活躍しないと思います――――多分。

でもあの人が本気で動くとチートすぎますので。






[7126] A's to StSの02 鬼札(ジョーカー)を出すならさらに奥の手を
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/08/13 18:17



気づけば小学4年生になっていたが何事も無く過ぎて、今は夏休みの真っ最中。

その休みの中、俺はまた海外に出かけていて今日久しぶりに日本に戻って来たのだった。

俺は長期間の休みになるとこうして海外に出かける。

と、ズボンのポケットに入れてある携帯電話が振動しだした。

「もしもし」

「仁、私です」

「先生? どうかしたんですか? あぁ、もしかしてバニングス社の件ですか?」

「え、えぇ、その件に関しましては無事に済みましたよ。これでバニングス社の協力が受けられるようになります」

先生がアリサの父親と知り合いだったとはまさに世間は狭いということだな。

宝石翁を始めSW財団と外界宿アウトローからの支援を受けられるようになった。

あと他にもヘルシング機関や錬金戦団の方にも協力してもらえれば――――。

「それよりも仁、今は日本に着いたのですよね?」

「そうですけど、――――何かあったんですか?」

「実は今、日本に吸血鬼が現れたらしいです」

先生の情報によるとイギリスやドイツ、ヴァチカンなどで吸血鬼たちが暴れていたらしく

それを撃退するために各組織の吸血鬼狩りが出動したそうだ。

しかしその中からうまく逃げ出した吸血鬼がいて日本に逃亡したようだ。

にしてもどうやって日本に来たんだ? 吸血鬼って船や飛行機は乗れないんじゃなかったっけ?

ネロ・カオスみたいなやり方か? それともDIO様のような石仮面の吸血鬼なのか?

あるいは――流石、棺桶。船旅でもどうってことないぜ! な婦警セラスみたいな方法?

「どういった方法で日本に逃げたのは不明ですが、その吸血鬼はどうやら海鳴に逃げ込んだようです」

「――――はい?」

よりにもよってそこに行ったのか。その吸血鬼ご愁傷様しか言えないぞ。なぜならあそこには、

人外相手でも問題ないぜ! な御神の剣士の高町家や、吸血鬼? 私もそうですが何か?

の月村家がいるんだからザコ吸血鬼なら問題ないでしょ。

――――最もその吸血鬼が死徒二十七祖や真祖クラスの吸血鬼が相手なら話は別だけど。

「確かに今回逃亡した吸血鬼は低級のものらしいですから吸血鬼自体は問題ないでしょうが、

問題なのはその吸血鬼を始末するために派遣された人物です。その者の名は――――」

先生から聞かされたその吸血鬼狩りの名前を聞いて一瞬唖然としてしまった。

――――まずい、奴が海鳴に来たら被害がその吸血鬼だけでは済まなくなる。

しかも既に日本に来ているという。早く何とかしないと大変な事になる。

「先生、こっちに来れないんですか?」

今の俺では奴を止める事はできない。

というか以前の助手時代に会った時も逃げるのが精一杯だったんだし、

誰かの手を借りないと止める事はできないだろう。

先生やルルーシュは別件で来られない。そうなると俺が何とかしないといけないのだが……。

そうだ! 恭也、士郎、美由希の御神の剣士トリオなら奴が相手でも――――。

そう思い高町家に電話をするが、

「三人とも山篭りで当分帰ってこないわよ」

と桃子さんから返事が返ってきた。何の為の御神の剣だ、コラー!

特に恭也、自分の妹たちと恋人の危機なんだぞ。

そう、桃子さんからの情報によるとなのはたちがすずかの家に行っているという。

そうなると被害が続出するような気がしてならない。

まさか日本に帰ってきて早々にこんな事になるとは――――少しは思ってたかも……。

旅行中何もトラブルが起こらなかったから、あとで何かあるんじゃないかなと予想していたが……。

とにかく高町家という手が使えなくなって他にこの事態にどう対処するかを考えるが

相手が相手なので中々浮かばない。かくなる上は――――!?

「――――あった……」

最後の手段を使おうと思った瞬間、ある方法を思いついた。

しかしこの方法はとても気が進まないのだが……。だけど他にいい方法が思い浮かばないし…………。






















 なのはside


小学4年生になってクラス替えがありました。フェイトちゃんとはやてちゃんに

アリサちゃん、すずかちゃんとは一緒のクラスになりましたが仁君とルルーシュ君、アリシアちゃんとは

別々のクラスになってしまったのが少し残念でした。

今日は皆と一緒にすずかちゃんのおうちにお泊りに行きました。仁君とルルーシュ君は海外旅行中で

今は日本に居ません。アリシアちゃんも今日はお母さんのプレシアさんとお出かけのようです。

私も今日は稽古が無いというよりもお父さんたちにたまには友達と遊びなさいと言われました。

確かにここ最近、管理局の仕事や稽古の方を優先して皆と遊んでいませんでした。

そのことにアリアちゃんが不満を持っていてすずかちゃんたちも心配してくれていました。

魔法のことについては管理局に入る前にアリサちゃんとすずかちゃんに家族の皆に話をしましたが

私が剣の稽古をしていることについてはまだ他の皆には言っていません。

こんなことで皆にされたくなかったからです。強くならないと。

――――でも私は、今日この日、その想いにヒビが生えるようなことに遭遇するとは夢にも思いませんでした。












「えっ?」

すずかちゃんのおうちで遊んでもう夜になった時に、外から魔力の反応を感知して

私はフェイトちゃんとはやてちゃんに念話で様子を見てくると言って、

アリサちゃんとすずかちゃんにはトイレに行くと言って外に出て行くと庭に誰かが倒れていました。

それを見た私は助けようとその人のところへ駆け寄ろうとしたら

「なのはちゃん離れて! そいつは吸血鬼よ!」

忍さんがそう叫んだ瞬間、その人は私に襲い掛かってきました。

突然のことなので私は何もできずそのままただ立ち尽くしていました。

牙が見えて本当に吸血鬼なんだなと思いながら刻一刻とその牙が私に近づいて――――。











「我らは神の代理人。神罰の地上代行者。

我らが使命は、我が神に逆らう愚者をその肉の最後の一片までも絶滅すること―――

Amenエイメン


私に襲い掛かってきた吸血鬼は私に触れる前に灰のようになってだんだん消えていき、

ふと見るとその吸血鬼から剣のようなものが刺さっていました。

そして気が付けば何時の間にか少し離れたところに神父さんが立っていました。

吸血鬼が完全に消えたのを確認するとその神父さんは今度は私達の方へと振り向きました。

「ほう、化物バケモノを追ってここまで辿りついてみれば、まだ他にもいたのか……」

わらっていました。でもそれは私のよく知る「笑って」いるのではなく、

以前一度だけ見たあの悪魔と同じ「嗤って」いるように見えました。


 side out






















「気がすごく進まないが……仕方ない」

しばらく考えてようやく決断した俺は携帯電話に登録はしてあっても、

一度も、いや一生掛ける事は無かったんじゃないかと思われる電話番号に掛けた。

「はい、――――ですが」

日が落ちて暗くなった夜でも暑いこの夏の時期、その声を聞いただけで寒気がしたのは

多分気のせいではなかったのだと思う。























ウルトラでカオスなリリカル戦記


A's to StSの02 鬼札ジョーカーを出すならさらに奥の手を






















 なのはside


「月村。【夜の一族】と呼ばれる吸血鬼の一族がまさかこんな極東の地に生き残っていたとは……。

その夜族ミディアンに出会う事になるとは、これも神の導きであろうか?」

その神父さんの威圧感――――ううんそんな生易しいものじゃない。

その威圧感は初めて人に向けられた。初めて人からの――――これが殺気。

人が人を殺そうとする殺意。私はその殺気に当てられて萎縮してしまった。

怖い。ただ怖かった。気がつけば体が震えてその場から動けなかった。

騒ぎに気づいた皆もここにやって来たけど、あの神父さんの殺気に当てられてその場で立ち止まった。

あのいつも気丈なアリサちゃんでさえあの殺気に当てられて腰を抜かして座り込んでしまったぐらいだ。

フェイトちゃんとはやてちゃんは私と同じように何とか今の状態を維持していた。

意外にも魔導師でないすずかちゃんが私達と同じように耐えていた。

けど私達と同じようにただその場に立っているだけで動くことはできなかった。

――――少しでも動けば……どうなるか。考えたくないその想像だけど、私は直感的にそう思ってしまった。

それでも、今戦えるのは私だけ。フェイトちゃんはまだバルディッシュの修理が終わってないし、

はやてちゃんも専用のデバイスを製作中。まともに戦えるのは私だけ。

私がやらなきゃ。皆を守らなきゃ!

「お嬢ちゃん、そこをどきなさい。用があるのはその後ろに居る化物たちなのですから」

その神父さんはすずかちゃんと忍さんに指を差して告げる。

すずかちゃんと忍さんが狙い? 化物って一体どういうことなの?

「すずかちゃんたちは化物じゃないの! 私達の友達なの!」

「化物が友達? ――――クッククッ、クカカカカッ! 相変わらずこの国の奴らの考えは理解できん。

なぜ我々が化物と仲良くせねばならない!? 化物は! 吸血鬼は! 異端は狩るものだ!」

そう告げて剣を構える神父さん。話が全然見えてこないけど、

この神父さんが二人を――――殺そうとしているのが分かる。

「させない!」

そんなことをさせないと私はレイジングハートを起動しようと身構える。

「邪魔をするなら、お嬢ちゃん――――まずは貴様から始末してやろう!」

「待ちなさい! 神父さん、ここは退いてもらえないかしら?」

忍さんは私の前に立って神父さんに説得するが

「無駄だ。私に暗示など通用はしない。――――大人しく塵となれ!」

剣を構え、こちらに向かってきた。

「くっ、ノエル!?」

「はい、お嬢様」

忍さんがノエルさんを呼ぶと後ろからノエルさんが神父さんに向かって駆けた。

「確か、月村に仕える自動人形か。面白い! どれほどの性能か、試してやろう!」

そして二人は激突する。剣を持ったノエルさんはとても強かった。けど神父さんはそれ以上に強かった。

押され始めたノエルさんだが、そしてノエルさんの剣が飛ばされてしまって丸腰の状態になってしまった。

「終わりだぁぁぁああ!」

襲い掛かる神父さんの前にノエルさんは剣を持っていないのに腕を前に出すと

――――腕が飛んだ。

「なっ!?」

流石にこれには神父さんも驚いて額にクリーンヒットして後ろに吹っ飛んで倒れました。

「ロ、ロケットパンチ!?」

吸血鬼が出てきたり怖い神父さんが現れたり、すずかちゃんたちを化物と呼んだり

ノエルさんはロケットパンチをしたりともうわけが分からなくなりました。

「い、一体……何だったのよ……」

アリサちゃんの言うとおりもう滅茶苦茶です。仁君が前に言っていた、

超スピードとか催眠術とかなんとかです。

「お姉ちゃん、ノエルさん、大丈夫?」

すずかちゃんが忍さんに駆け寄りました。それにしてもどうしてこうなったのか

私達にちゃんと説明してもらえるのでしょうか。

「えぇ、私はね。ノエル、やったの?」

「直撃でしたのでしばらくは動けな――――!?」

話している途中で急に離しが止まって何だろうと思ったら、

ノエルさんの背中に剣が、神父さんの剣が刺さっていました。

「シィィィィィィィィ。Amen」

神父さんの方を見るとそこにはは起き上がっていた神父さんが。

直撃だったはずなのに、あの神父さんの体はそれだけ頑丈だったのかと思いましたが

「ア、アイツ……体を!」

よく見ると神父さんが受けた傷がみるみると治っていきます。

何かの魔法かと思ったけど魔力の反応がありません。

一体どうなっているのかと考えていると神父さんは剣をが放ちました。狙いは――――。

「お嬢様!?」

「ノエル!?」

忍さんを庇ってノエルさんが神父さんの攻撃を受けましたが今の攻撃で

どうにか立とうとしていますが立ち上がることができません。

「頑丈にできているな。流石は化物の人形なだけある。だがこれで邪魔することはできまい」

「なんとかしないと……」

「そやな、なんとかしないと……」

「駄目だよ、フェイトちゃんたちは今はデバイスを持っていないんだよ!」

「でも私たちしかいないんだよ。――――せめて仁がいれば……」

――――まただ、またそこで仁君が出てくる。でも今いるのは私達だけ。

そして今まともに戦えるのは私だけ。

「だから私が――――」

そう思い私は勇気を振り絞って前に出ようとすると、私の手を握るすずかちゃんが。

「すずかちゃん?」

「行っては駄目! 殺されちゃうよ!」

それでも今戦えるのは私だけなんだ。今ここで皆を守らなきゃ私がここに居る意味が無い。

――――そう戦わなきゃ、戦わないと、皆を守らないと、仁君じゃなく私が。

だから私は――――。

「なのはちゃん!?」

私は駆け出した。レイジングハートをエクセリオンモードで起動してエクセリオンバスターA.C.Sを

さらにまだ未完成の神速を使った超高速突撃攻撃を神父さんに目掛けて放った。

けれど――――。

「中々のスピードだ、お嬢ちゃん。だが――――それだけだ」

あっさりと簡単に見切られて避けられてしまった上に隙だらけの背後に攻撃を受け私は地面に倒れてしまった。

幸いバリアジャケットのおかげで怪我は無かった。

でも、バリアジャケットが無かったら私も忍さんやノエルさんみたいになっていたかも…………。

そんな怖い想像をしている間に私に近づき見下ろす神父さんが……。

「死ね」

たった一言そう告げた神父さんは私に向かって剣を振り下ろした。

――――あぁ、私死ぬんだ。怖くは無かった。ただ私は自然とこれから訪れる自分の死を受け入れていた。






バリン!




「――――!?」

「子供相手に大人気ないんじゃないですか、アンデルセン神父?」

「貴様か――――小僧」

そこには私達を助けにきたヒーローのように現れた仁君が立っていた。

――――助かったのに、助けてくれたのに、でも、私はそれよりも――――ただ、とても悔しかった……。


 side out























俺が月村家に到着した時には既に戦いが始まっててそこにはアンデルセンしか立っていなかった。

戦いの中心地では忍さんにノエルさんが傷を負って倒れていた。その離れたところに

フェイトとはやて、アリサ、すずか、ファリンが立っていた。

そしてすぐに俺は自作デバイスのGN-001のライフルモードで今まさになのはの命を

奪おうとしていた銃剣を狙い撃ち、その銃剣を折った。どうにか間に合ったか。

もしあとちょっとでも遅かったらなのははアンデルセンの凶刃によって命を奪われていただろう。

――――にしてもこのデバイスは元々は対なのは戦を想定して製作したものなのに、

そのなのはを助けることになるとは人生どうなるかなんて分からないものだ。

アンデルセンは俺によって折られた銃剣を放り投げていた。

「本来の任務を終えたのならすぐにここから退いてもらおうか、アンデルセン神父。

ここは日本。ヴァチカンの管轄ではないんだ。ここでアンタがむやみに暴れると

色々と面倒なことになる。だからここは大人しく退いてもらいたいんだが」

別に俺にそういった政治での権限はあるわけでは無いのだが実際にここで騒ぎを起こせば

日本とヴァチカンとの間で色々といざこざが生じてしまうのは事実であって

それはアンデルセンにも分かっているのことなのだろうが――――。

「退く!? 退くだと!? 我々が!? 我々神罰の地上代行イスカリオテの第13課が!?」

逆にやる気満々にさせてしまった。

「ナメるなよ、小僧。我々が貴様ら汚らわしい異教徒共に引くとでも思うか!?」

俺は祈りを捧げたい神なんていないのだが、逆に滅ぼしたい邪神ならいるけど……。

そんな俺の事情などお構い無しにこちらに一歩一歩近づいてくるアンデルセン。

「一撃で何もかも一切合切決着する。眼前に敵を放置して何が十三課イスカリオテか!? 何が法皇庁ヴァチカンか!?」

ということでアンデルセンはこれっぽっちも引く気は無いと。

まぁアンデルセンがこのまま大人しく退くとは微塵も期待していなかったわけだが。

さて、俺がこのままアンデルセンと戦ったら――――まず負けるだろう。

一応デバイスはあるが無駄なあがき、すぐに負けるだろうな。

それに以前会った時に俺を殺そうとしたが取り逃がしてしまった経緯から

今度こそ俺を殺そうと本気で掛かってくるだろうな。

あの時はテレポーテーションで難を逃れたたわけだが今回はなぁ……。

などと考えているうちにアンデルセンは俺との距離がだんだんと近づいて、

そして10メートルにも満たない距離になった時、襲い掛かってきた。

「死ねぃぃぃ!こぞぉぉ――――!?」

俺に一気に近づいて俺の脳天に銃剣を振り下ろそうとしたその瞬間――――

アンデルセンは銃剣を振り下ろさないまま後ろへと飛んだ。







「ほう、今の攻撃を避けましたか」

俺とアンデルセンの間に、正確には俺を串刺しにしようとアンデルセンが先程立っていたところに

いくつものメスが飛んできたからだ。そして俺の後ろには何時の間にか黒いスーツと着た男の人が立っていた。

どうせ戦いは回避できないだろうと予測した俺はここに来る前にある人物を呼んだ。

そう、今現れたこの男こそアンデルセンを止めるために呼んだ最強の鬼札ジョーカー



最凶最悪の運び屋、赤屍蔵人あかばね くろうどである。

「来るのが遅いぞ。あと少しで死んでいたぞ」

ついでに目の前で降ってきたメスといきなし後ろに現れたのにはびびったぞ。

「失礼、これでも早く来たつもりでしたが」

あまり反省していないように見える。まぁ赤屍相手にこんなことで

いちいち文句を言うのは時間の無駄なので黙っておく。

「しかし貴方から私に仕事の依頼を頼んでくるとは」

「意外だった?」

「いえ、私としては貴方はクライアントしてではなく、仕事で戦うことの方が良かったのですがね」

「……今の俺は力を失っているからお前と戦う事はできないよ」

戦ったら何時の間にかJと斬られていたという瞬殺コースだ。

というか力を失って無くてもあんたと戦うのは願い下げだし。

「ほう、そうなのですか? でしたら先程見せた銃の腕前については?」

「……最近になって習い始めたものだよ。まだまだ修行中でね。

それに銃の腕前だけではお前と戦っても勝負にならないだろ」

「クス。まあいいでしょう、今回は貴方に依頼された仕事に専念しておきましょう。

――――今回の依頼は、とても楽しめそうですしね」

赤屍は俺からアンデルセンへと向き合った。

「神父、お会いできて光栄ですよ。貴方の噂は私の耳にも届いています」

「貴様、何者だ?」

「私の名前は運び屋、赤屍蔵人と申します」

その挨拶している赤屍の顔はとても笑顔だった。とても嬉しそうだった。

「法王庁第13課「イスカリオテ機関」所属の「聖堂騎士パラディン」の称号を持ち、

他にも「殺し屋」、「銃剣バヨネット」、「首切り判事」、「天使の塵エンジェルダスト」と様々な異名を持つ

対化物専門の戦闘屋、アレクサンド・アンデルセン」

でもその笑っている顔というのは何に対して笑っているのか。

「迫水君からの依頼で貴方を国外へと運ぶようにと依頼されました」

おそらく、いや間違いなく、きっとこれから繰り広げられる戦いへ向けての期待だろう。

「実に面白そうですね。実に……ね?」

瞬間、赤屍の殺気が増し、手には何時の間にかメスを握っていた。

それに反応するかのようにアンデルセンもまた殺気が膨れ上がり銃剣を放った。

同時に赤屍もメスを放って自分に向かってくる銃剣を撃ち落とす。

メスによって銃剣が撃ち落された瞬間、それが合図かのように二人は激突していた。

メスと銃剣による鍔迫り合い。知らない人間が見ればたかがメスで吸血鬼用の銃剣で戦っているなんて

馬鹿げているとは思うかもしれないが赤屍が使えば恐ろしい武器となる。

俺の見た感じではパワーはアンデルセン、スピードでは赤屍に分があるように見える。

が、真の実力者同士の戦いにはそんな能力の競い合いには大した意味は無いであろう。

これはただ単純な、純粋なエナジーエナジーのぶつかり合い。

幾たびの攻防でアンデルセンは赤屍の攻撃で傷を負うがアンデルセンの能力の再生能力で傷は回復し、

赤屍もアンデルセンの攻撃を受けても動じず笑い、楽しんでいた。

しかしそれはアンデルセンも同じなのか赤屍と同じように笑っていた。

そして二人の戦いがこれからさらに白熱していきそうなところで俺は赤屍に叫んだ。

「赤屍! ここにはまだ一般人がいるんだ。もっと離れたところで戦ってくれ!」

でないとお前らが激突するたびに生じる衝撃波で俺らどころか屋敷にまで被害が出る。

それにこれ以上、二人の殺気に当てられていたら皆気を失っちゃうし。

「分かりました。そういう訳ですので場所を移させてもらいますよ」

赤屍はメスを仕舞うと今度は手の平から血のように赤い剣が出てきた。

赤い剣ブラッディ・ソード

その剣を掴んだ瞬間、さっきまでよりもスピードが上がりアンデルセンに斬りかかった。

不意を突かれて防御するのに遅れたアンデルセンは後ろに飛ばされ赤屍はそれを追っていく。

態勢を整えるために仕方なしに舌打ちしながらこの場から離れていく。

そして赤屍もそのまま追って行った。二人はここからでは見えないくらいに離れたところへと移動していった。



後日、月村家の大きな庭にある木々がバッサバッサと切られていたり

地面に大きなクレーターがいくつもできていた大騒ぎになったと報せを聞いた。

しかしその程度なだけ大分マシだったろうと思ったのは俺だけだろうか?

























「忍さん、ノエルさん、傷は平気ですか?」

「え、えぇ、私なら。ノエルの方は見た目ほど大きなダメージは無いみたいだし」

「それはよかった。なのは、立てるか?」

「う、うん……」

まだ倒れているなのはを立たせる。するとフェイトたちが駆けつけた。

「なのは大丈夫だった!?」

皆なのはに怪我がないかどうか心配するがなのはは大丈夫だと言う。

「仁は大丈夫?」

なのはのあと、フェイトが俺のことを心配しにきた。

「怪我は無いよ。ただ……」

「ただ?」

「ふぅ…………あ~、死ぬかと思ったぁ~」

「じ、仁!?」

二人の化物がどこかに行った事で一気に緊張が解けた。

もうこれ以上ってないほどにダレたわぁ。もう体がとろけちゃうくらいにやばかったわぁ。

まさにタレ銀次の如くたれた。タレ仁? いや、タレ迫水? 響きが悪いな、もうタレミズでいいや。

などとアホなことを考えるほど、あぁもうなんかどうでもよくなっちゃった。

俺が一番間近であいつらの戦いを見ていたから二人の殺気に当てられて胃が痛かったよ。

ファリン、あとで胃薬頂戴ね。胃だけでなく心臓にも悪かったけどな…………。























 おまけ?


「もしもし、迫水君ですか。仕事は無事に終わりましたよ」

「ごくろうさん、それでどうだった?」

「実に楽しませてもらいましたよ。えぇ、実に……ね」

「そ、そう……」

「それから神父から貴方宛にメッセージが」

「うん?」

「「次は殺す。必ず殺す。絶対殺す。何としても殺す。間違いなく殺す」だそうです」

「……」

「それでは確かにお伝えしましたので私はこれで――――」

「……」

「いい忘れていました、もう一つあります。これは私事ですが、できれば貴方は私以外の手で殺されて欲しくない。

――――ですのでどうか私と戦うまで死なないで下さいね。それではまた――――」


…………



………………




……………………





…………………………あばばばばばばばばば!? ど、どどどどどどどうしよう!!?























 キャラ紹介


・アレクサンド・アンデルセン

登場作品:HELLSING

法王庁第13課「イスカリオテ機関」所属の「聖堂騎士パラディン」の称号を持つ、対化物専門の戦闘屋。

他にも「殺し屋」、「銃剣バヨネット」、「首切り判事」、「天使の塵エンジェルダスト」等々、数多くのアダ名を持つ。

普段は温和で優しげな神父で、孤児院に勤めている。子供達に慕われているがその実の顔は狂信者。

生身の人間でありながら生物工学の粋を凝らした自己再生能力リジェネレーション回復法術ヒーリングにより、

例えば頭を銃で撃たれても致命打とならない。

武器は大量の銃剣(銃に装着はせず、そのまま手に握る)であり単純に刀剣としての格闘以外にも

もっぱら投擲武器としても使用し、鎖に爆薬と共に括りつけて攻撃する「爆導鎖」などバリエーションがある。

また聖書のページを護符のように利用し、結界を張ったり突然の出現・撤収を行ったりもする。

出身・人種・年齢全てが不明とのことであるが、年齢は60歳(外見上は31歳)であることが判明している。





赤屍蔵人あかばね くろうど

登場作品:GetBackers-奪還屋-

通称「Dr.ジャッカル」。史上最低・最悪の「運び屋」。常に黒衣を纏った男。

人を切り刻むのが趣味としている。

体の中にメスを隠し持っており、赤屍が望むと瞬時に彼の手の中に現れる。

放出したメスを回収する能力も併せ持ち、自分の血が混じればどんな物でも武器になるという、特異体質。

弱い相手は相手が気付かない内に殺してしまうが、

強敵に出会うと己の限界を知る為にも興味を示しバトルを挑む。

己の死をイメージできず、それ故に不死身に近いとされる。

意志の力によって生死を越えた「超越者」となった一人。この世界の秘密について知っていると思われる人物。

ただし彼自身は物語の中枢には積極的には介入せずあくまで運び屋としてのスタンスで動いている。







 デバイス紹介


・GN-001

元ネタ:ガンダムエクシア(機動戦士ガンダム00)

仁が製作した試作型デバイス。

シールドと折り畳み式の刀剣、光エネルギー式ライフルで構成される右腕の複合武装。

近接戦は折り畳み式の実体剣。射撃戦は刀身を畳み銃口を露出させたライフルモードへと変形する。

その大きさゆえやや取り回しに難がある。見た目はどう見てもエクシアのGNソードである。

刀身にGN粒子の代わりに光エネルギーを定着させることで優れた切れ味を発揮する事が可能で

さらに相手の防御障壁を切り裂く事が理論上可能とされている。

また盾の表面に光エネルギーの防護幕を形成することで防御力を上昇する事ができる。

元々はなのはとの訓練などで強固な防御力に苦戦した経験から、

それに対抗するため思いついた対なのは戦を想定したデバイスであった。







 設定紹介


・イスカリオテ機関(法王庁特務局第13課)

登場作品:HELLSING

ヴァチカンの法王庁特務局第13課、通称「特務機関イスカリオテ」。

原作でヴァチカンには十二使徒の名を冠した12の課が置かれていることになっており、

イスカリオテはその活動内容から秘匿されている表向き存在しない13番目の課である。

カトリックの地上における神罰代行者として悪魔、化物、異教、異端の殲滅を存在目的とする。























 あとがき?


ふぅ~、地球の異能者についての話を書こうとしたら何でこんなインフレバトルが始まったんだろうか……。

というわけでアンデルセンVS赤屍という超バトル勃発。

赤屍さんはアンデルセンと戦ってとても満足したようです。

*この時期に赤屍さんを出してしまいましたがこの人って年齢不詳ですし超越者ですから大丈夫ですよね?

(赤屍さんの古い知り合いである蝉丸が84歳だということを考えればきっと大丈夫に違いない……と思う)


また本来ならこの後に色々と話し合うところも書いていたのですが思っていたよりも

話が長くなったので分割してしまいました。よって次回の話は今回よりも短めの話になるかと思います。

なるべく早く投稿できるように頑張ります。


そして仁はアンデルセンと赤屍に目を付けられまくる。

良かったな、仁。モテモテだぞ。


仁「いいわけあるかぁぁぁぁぁああああ!!!」






[7126] A's to StSの03 覚悟としばしの別れ
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/08/13 18:15



その後は月村の屋敷で色々と話す事になった。

なのはとフェイト、はやてが違う世界の魔導師だというのは既に説明されていたが、

月村家が「夜の一族」と呼ばれる吸血種の一族なのだというのを忍さんから初めて語られた。

そしてノエルさんとファリンも自動人形、いわゆるアンドロイドのような存在だと教えられた。

それを聞いた皆はその事実に初めは驚いていたが、

でも生まれはどうあれ、すずかはずすか、忍さんは忍さん、ノエルさんもファリンも

今までと変わらず友達だと言ってこの事については特に大きな問題に発展する事は無かった。

他にもアンデルセンや赤屍の存在を知ったという事でいい機会だと思い

この世界の魔法、魔術や超能力、吸血鬼、霊などといった異能が存在する事を大まかに教えた。

唯一の一般人であるアリサはこの事実に大きく衝撃を受けていたが、

さっきのゴタゴタを見た直後なので理解してしてしまった。

月村の人たちは吸血種の一族だけあってそういった裏世界のことを知っていたようだったが。

それで問題なのは、なのはたち、管理局の魔導師組だった。























ウルトラでカオスなリリカル戦記


A's to StSの03 覚悟としばしの別れ























「とまあ、この世界の裏ではあのような戦い、殺し合いなんて日常茶飯事なことだけどな」

最も今回のようなバトルがいつも行われている訳ではないが、あのレベルの戦いはそうあるものではない、

つうかあれがこの世界の異能者の能力の基準になったら俺って相当ザコキャラになってしまうし、

管理局は絶対に地球と争っちゃ敗北してしまうぞ。

「そんな! 魔法が人の命を奪うなんて……」

俺の説明になのはが大きく反応した。

説明の中に魔法や魔術の研究の過程でたくさんの人が犠牲になる事を教えていた。

そのことには他の皆もあまりよくない印象抱いていたように見えた――まぁ普通はそう思うのが当然だ。

「そうだな、魔法や魔術なんて非人道的なものだな」

「そうだよ、魔法は人を傷つけるためのものじゃないよ!」

「でもな、魔法の魔とは魔性の魔。古来より魔法は便利な力と言われているのと

同時に忌み嫌われていたものだ。それはどの世界でも変わらない。――それが管理局であってもだ」

「どうして? 少なくても管理局の魔法は非殺傷設定のおかげで傷つくことはないんだよ」

「今の管理局ではな。だけどかつて、管理局がまだ無かった時代ではそんなものは無かったんだ。

同じなんだよ。管理局の魔法もかつては人を傷つけていた力なんだ」

「でもそれは昔の話なんやろ。今はさっきもなのはちゃんが言ったように非殺傷設定が――」

「非殺傷設定か……。あれって確かにすごい技術だと思うよ。

でも俺からすれば恐ろしいものなんだと思っている」

「どうして?」

「それがあれば魔法を人に撃っても傷つかないし命を奪う事も無い。

まさにクリーンな力だ。――だからこそ恐ろしいんだよ」

「――確かに怖いわね」

「アリサちゃん?」

「それって怖いわよ。要するにそれって躊躇する事無く人を攻撃することができるってことでしょ」

「!?」

そうアリサの言うとおりだ。

「例えばフェイト、お前が人に向けて魔法を撃ったあとに

その相手が怪我してないか、死んでないかと気を遣うか?」

「しないよ。だって非殺傷――っ!?」

そう、魔法を撃っても誰かが傷つかない、死なない。

そんな便利なシステムによって当たり前のことが当たり前じゃなくなった。

管理局は非殺傷設定というものにに慣れすぎてしまってるんだ。

「魔法を平気で相手に攻撃することもそうだが、それ以上に撃てば相手が傷つくという

当たり前のことを考えなくなっている。それが怖いんだよ」

相手を攻撃すれば怪我をする。子供でも分かることが子供でも分からなくなってきてしまっている。

相手を攻撃しても怪我をしない。当たり前じゃない事が、それが管理局では常識になってきてしまっている。

「なのは、お前は相手が傷つかない魔法なら躊躇わずに撃つ、傷つかないなら何をしたって構わないか?」

「そ、それは……」

「これって非人道的とは言わないが果たしてこれを人道的と言えるか?」

俺のその問いに誰も答えなかった。答える事はできなかった。

「最も管理局自体が人道的と言えるかどうかってのもあるけどな」

「それってどういうことや?」

「目に見えてることだけが全てじゃないということだ。どの世界でも綺麗な表と汚れた裏があるものなんだよ」

結局、世界が何百、何千とあってもどの世界も似たようなことが行われているんだ。

これも人の業というものなのか……。

「いいか、戦えば、争えば傷つくのは当たり前なんだ。その事実を忘れてはいけない。

それがまず戦う者として最初の心構えだ。それができないのなら戦うべきじゃない」

そう言い残して俺はこの場から出て行こうとして立ち上がる。

「戦いの場に出た以上、その覚悟が無ければ、戦う事ができないなら――魔導師なんてやめてしまえ」

そう最後に言い残して俺は出て行った。

「あ、仁君!」

「待ちなさい、ファリン。仁君は私が玄関まで見送ってくるわ」

「えっ、ですが……」

「すずかと一緒にここをお願いね」










「今日は本当にありがとう、仁君」

「別に俺は特に何かしたわけじゃないですけどね」

「でも君が来なければ私達は皆あの神父に殺されていたかもしれないわ」

「――というか何でこんな肝心な時に貴方の恋人は居ないんでしょうね」

「そうよね、恭也ったら悪いタイミングで修行しに行っちゃったからね。帰ってきたらちゃんと話をしないと」

――久々に私の発明の実験台になってもらおうかしらなどと

物騒なことが聞こえたような気がしたが――――恭也乙。

「それにしても君にしては随分と辛辣な事を言っていたわよね」

「そうですか?」

「そうよ。いつもと違って珍しく熱くなっていたわよ」

さっきの状況を思い返すと確かにそうかも。らしくなかったかもな、それに少し言い過ぎたかも……。

「でも、あいつらが魔法なんて力を身につけ、しかもこの世界の異能に携わった以上は

あのくらいは言っておかないと思ったんで……」

「まぁそうかもしれないわね……。でも今のあの子達には少し酷じゃない?」

「だけど戦う者としてまず始めに受け入れなければならない事を

あいつらは非殺傷設定なんてものでその順番を飛ばした。

だから順番を戻すために教えただけですよ」

こういうことは早いうちに知っておかないといけないだろう。

戦う道を選ぶ以上はその覚悟をもっていなければならないのだと。

そして――管理局の存在が決して正しいものでは無いというのも含めて……。

「何だかんだで仁君って優しいよね」

「そうですかね? まぁそうだとしても甘くはないつもりですけど」

「あんな風に言っておいて甘いなんて言ったら、少し君の認識を改め直す必要があるわよね」

「――それはそうと忍さん、前に話した件ですけど……」

「? ――あぁ、あの件のことでしょ。いいわよ。こちらにもメリットがあるし、何より――面白そうだし!」

「じゃあ詳しいことはまた日を改めて、――それに忍さんに手伝ってもらいたいことがありますしね」

「何かしら?」

「ノエルさんを治すついでに、別の子もお願いしたいなって」

いい加減何とかしないと彼女が不遇すぎるし。

――――それにしてもなのはだ。あの時、不完全だとはいえ神速を使っていた。

知らない間に御神の剣を習っていたのか。最近少し様子がおかしいと感じたのはそれが原因なのか?

それにあいつの顔、あれは気のせいだろうか。俺を見るあいつの顔が――――。























 フェイトside


「はぁ……」

「ねぇ、アルフ。フェイトったらあんな溜め息ついちゃってどうしたの?」

「それがさぁ分からないんだよ。すずかのおうちから帰ってきてからずっとあんな感じなのさ」

「ふぅん。ねぇ、どうしたのフェイト?」

「う、うん、ちょっとね……」

「何か悩みがあるなら聞くよ。これでも私はフェイトのお姉ちゃんなんだよ!」

アリシアに言われて今の私はよほど悩んでいるように見えたんだなと反省する。

「でも大丈夫だから――」

「どうせ、仁のことでしょ」

鋭い、流石は姉であると感心した。それともただ単に私が分かりやすいだけなのだろうか……。

――できれば前者であってほしい。

「一人で悩んでいるよりも話した方がすっきりするよ、ね」

たまにアリシアは今のように大人のような雰囲気で私を助けてくれる時がある。

見た目は私と同じくらいにしか見えないのだけど、それでもやっぱりアリシアは

私のお姉さんだなと改めて思い、私は今回の事を話したのだった。










「なんだい、魔導師をやめろって!」

「でも仁が言った事は間違っていないと思うんだ」

だから私は分からなくなった。当たり前に使っているこの魔法の力は

人を傷つけるものなんだなと自覚してしまい――

「そう考えたら魔法を使うのに躊躇って……私はどうしたらいいのか分からなくなっちゃって……」

「それなんだけど……仁って、皆の為を想ってそんな事を言ったんじゃないかな?」

「それってどういうこと?」

「う~んと、これは私の予想だけど、フェイトはこの先、執務官として働くわけだよね」

「そうだね。でもまだ執務官になったわけじゃないけどね」

「それで色々な事件に関わるわけだよね。それってきっと悲しい事ばかりだと思うんだ。

犯罪者を、事件を追っていけば酷い事をしている場に出くわしたりすると思うんだ」

確かに執務官となったら事件捜査の追跡などをしてそういった場面に遭遇することがあるだろう。

「だから今のうちにその覚悟をしておけっていう仁からの言葉だと思うんだよね」

そうなのかな……。

「フェイトに限らずなのはとはやてだってそれぞれ管理局に勤めるわけで

そういった事件に関わる事になると思うんだ。だからこそ皆の為を想って言ったんじゃないかな」

仁が私達を想って――

「どこの世界にでもね、そういった悲しい事、辛い事があると思うんだよ。

――――私達のお母さんがそうだったようにね」

そうだ、アリシアは命を落としてしまい、そのアリシアを蘇らせるために

母さんはジ・エーデルに利用されてしまった。そして私自身の出自だって――

「私達の家族って色々と辛い事はあったけど、でも今は幸せだよ。一時はバラバラだった皆が

こうして一緒に暮らせるようになったんだから」

「アリシア……」

「ねぇ、フェイトはどうして執務官になろうとしたの?」

「えっ? それは前にも――」

「そうじゃなくてどうして執務官になって誰かを助けていきたいと思ったの?」

「それは……」

「それがフェイトの本当の気持ち、戦う理由なんじゃないか」

私が誰かを助けたいと思ったのは、それは――。

「――私、本当は仁のようになりたかったのかもしれない。

私を、アリシアを、母さんを、はやてたちを助けた仁のように、私も仁のようになりたいと、

仁と同じように困っている誰かを助けられるようになりたいと思ったんだ」

かつての仁やなのはのように争わなくてはならない時があるかもしれない。

それでも優しさを忘れずに誰かを助けていく。たとえその気持ちが何度でも裏切られようとも――。

きっとそれが仁のいう、ウルトラマンのような存在のようになれると信じて――――。

「仁が言っていたように魔法は人を傷つける力かもしれないけど、同じように誰かを守る為の力でもある。

その力をどのように使うかはその人次第なんだよ。もちろんフェイトは後者だよ」

「そうだといいな……」

「大丈夫だよ。フェイトだったら困っている誰かを助けられるよ。きっとね」

「――アリシア、ありがとう」

私は幸せだ。私をこんなに想ってくれる人たちがいるのを。それはとても大切なものなんだと知りました。










「それにしても――フェイトは本当に仁のことが好きだよね?」

「えっ!? いや、私は、その……そ、それよりもバルディッシュはどうなっているの!?」

「うん? あぁ、そうだった忘れてたよ。はいこれ」

「ありが――あれ? これって?」

「それはインテリジェンス機能が無いバルディッシュを模して作ったデバイスだよ」

「えっ、じゃあ本物のバルディッシュは?」

「今は仁に預けているよ」

「仁に?」

「色々やってみたけど管理局の技術だけじゃ強化するのは無理だと思ったしね。

だから仁とアバン先生に預けてみた。それに仁が何だか新システムを搭載したいからって言ってたしね」

「新システム?」


 side out























 はやて side out


「魔法は人を傷つける力、ですか」

すずかちゃんのおうちから帰って来たあと、守護騎士の皆に仁君が言っていたことを話してみた。

「魔法、いえ魔法に限らずとも戦いになればやはり誰かが傷つき、命を落とすというのは事実です」

「我々、守護騎士は歴代の主たちの為に魔力を蒐集してきました。

今の私達のデバイスは新式となって非殺傷設定が可能ですが、

それ以前は非殺傷設定なんてものはありませんでした。

それを言い訳にするつもりはありませんが、私達、守護騎士は多くの血を流してきました」

仁君が言ってたように古代ベルカでは非殺傷設定なんて無かった。リインフォースたちは古代ベルカ時代に

生み出されたから非殺傷設定なんて無くて当たり前だったんやな。

「そしてこれから先の未来ではそういったことが起こり得るかも知れません」

「えっ?」

「戦いで犠牲が出るのは不思議ではありません。当然ことなのです。

先のヤプール事件でも我々によって少なからず人を傷つけてしまいました」

確かにそうや。ヤプールに操られていたとはいえ、私達の手で蒐集をして魔導師たちを襲った。

「今後、貴方が傷ついたり、人を傷つけたりするかもしれません。

それはまだ幼い貴方にはそれは酷なことでしょう。

ですので主はやてが覚悟できなくてもそれは仕方ありません。

貴方が背負うものは我々が背負います。その為の我々守護騎士――」

「それは駄目や! 皆だけに任せたくない! 私にもその重荷を背負わせて!」

「はやてちゃん……」

「……まだ私にはその覚悟ができへんかもしれへん、けど皆が私を想ってくれているように、

私も皆の事を思っとるんや!」

私一人だけ除け者扱いされたくない。私は皆のマスターなんだから。私だって皆を守りたい。

だから――

「今はまだ無理かもしれない。でも私も皆で分かち合いたいんや。皆の喜びや楽しいのも

痛みも悲しみも――全てを。だって私達は家族なんやから」

「はやて……」

「――――そう、ですね。貴方の言うとおりでしょう。貴方の意思は尊重します。

ですが、貴方がその現実に耐え切れず、倒れそうになったその時は――」

「見くびったらあかんよ。私は夜天の主。皆の、八神家の大黒柱なんやから!」

そや、私一人では無理だとしても皆が居れば私はどんな困難でも乗り込えてみせる。

一人だった私に希望を持たせてくれた、救ってくれた皆のためにも私は前に進んでみせる。










「ところで主。前に言っていたあの件はどうするつもりですか?」

「う~ん、そのこと何やけど、マリーさんにお願いしようかなと思ったんやけど、

仁君やアバン先生に任せようかなと思っとるんや」

何でもフェイトちゃんのバルディッシュを仁君が改良することになったみたいやし。

管理局のマリーさんやアリシアちゃんでも駄目だったのに仁君なら直せるらしいから

仁君にやってもらおうかなっと思ったんや。

「新たなる、二代目祝福の風ですね」

「そや、私達の新しい家族や」

「なぁ、はやて。お願いがあるんだけど」

「なんや、ヴィータ?」

「その二代目をさ、あたしよりも年下の妹みたいなのにして欲しいんだけど」

「そうだな、お前はこの中では末っ子だからな」

「何だよ、わりぃかよ」

シグナムの指摘にムッとするヴィータ。この何気ない当たり前の日常をいつまでも過ごしたい。

それを守りたい。それは私の本心で、切なる願いだった。


 side out






















 なのはside


怖かった、あんなに怖かったのは初めてのことだった。

人ってあんな簡単に人を殺そうと思えるんだと、人の命を奪う事ができるんだと初めて知った。

そして世界にはそういった恐ろしい事がたくさんあるのだと仁君は教えてくれた。

「仁君か……」

結局、何も出来なかった。また仁君が助けてくれた。助けてくれた仁君にはとても感謝している。

だけど、でも私は――――

「悔しい……」

そう思わずにはいられなかった。


 side out




















言いたいことだけ言ってそのまま帰っちゃったからなぁ。

次に皆に会うのが少し気まずいな。

だけどこの程度の覚悟はしてもらわないとこの先に待ち構えるであろう戦いにはついていけないだろうし。

最もこれは俺の我侭なのかもしれな――!?

「ぶふぉぉぉぉおおお!?」

突然頬に殴られたような衝撃、というかマジで殴られた俺は盛大に吹っ飛ばされてしまった。

「何をよそ見してるんだ、お前?」

「痛たた……すまん、ちょっと考え事をしていたもんだから」

俺は時の最果てのスペッキオの元に居るんだった。

今の俺は時の最果てに行く方法としてテレポーテーションではなくゲートホルダーという

アイテムを使って来ている。時の最果てに繋がるゲートを自宅に設置してそのゲートから

このアイテムを使って行き来しているわけだ。よってゲートとこのアイテムがあれば

誰でも時の最果てに行けるわけだが現在これを所持しているのは俺とルルーシュと先生のみ。

けれどこのゲートホルダーを使う際には本人認証機能を搭載しているので

例外を除けば今挙げた三人しかこの場所に来る事ができない。

そして今俺は日課の訓練に来ていて訓練中だというのに今日の事を考えていて

訓練の方に集中しておらずその隙にスペッキオに殴り飛ばされたわけだ。

「今日はこの辺にしとくか?」

「いや、まだ続けたいからもう少し頼む」

「オーケー。じゃあいつもどおりいくぞ」

いかんいかんと顔を横に振って気を引き締め直し武器を構えた。

今は訓練に集中しないと、当分はスペッキオの元で修行できないだろうから

ここで色々と学べる事は学んでおかないとな。

――――にしても結局言わないままなっちゃったな……。

皆に伝えなかったこと、それは――――。






















俺は、ルルーシュとC.C.と共に夏休みが終わる前にこの町から、海鳴から離れる事。

今度は旅行ではなく転校。遠い国に引越し。

ルルーシュたちは既に飛び立った後で俺が後から追うので時間に余裕があったので

学校のクラスメイトにはお別れの挨拶は言わなかったが、なのはたちには直前に伝えた。

見送りにも来てくれた。その時のフェイトの悲しい顔を、涙まで流している姿を見てすごく罪悪感を持った。

やはりもっと早く伝えとくべきだと思った。唐突の別れ。けれどこれは最後ではない。また会う事はできる。

海外に引っ越す目的はあっちの大学に入るためであった。他にも当然あるのだけど

大学を卒業したら海鳴に帰ってくるので必ず戻ると約束した。どうせほんの数年のこと。

そう言って皆に見送られながら俺は飛び立った。だけどその前にフェイトたちは俺に言った。

「次に会う時は執務官になってる」、「立派な特別捜査官になる」

と、月村家で見た時とは違う眼をしていた。何かを決意したような顔だった。

「まぁ、ほどほどにな」

あとからもう少しマシなことが言えなかったのかと思ったがそのように言い、

そして今度こそ俺は皆と別れた。




――――ただいつまでも気がかりだったのは、なのはからの返事が無く、見送りにも来なかったことだった。

あの時、なのはが俺に向けたあの顔は――――睨んでいるように、怒りをもった眼に見えたあれは……。

そして俺を乗せた飛行機は発進した。いくつかの不安を残したまま、

このことがこの先の展開にどう影響するかは分からないまま――――。

























 おまけ?


「そういえばバルディッシュってどうなるの?」

「――あ」

「二代目祝福の風は?」

「えーっと……」

――――再会は思った以上に早くなりそうだった。























 デバイス、アイテム紹介


・バルディッシュ・マーク2(仮)

フェイト専用のデバイス、バルディッシュを模して作られたストレージデバイス。

本物のバルディッシュは以前の模擬戦でフェイトの魔力に耐え切れずに損傷したことから

フェイトの魔力量に合わせて管理局の方で何度も試行錯誤して改良を重ねたがいずれも失敗し続けていた。

本局技術局のマリーとフェイトの姉であるアリシアがバルディッシュの改良に携わっていたが

幾度の失敗したことからアリシアの提案で仁とアバン先生の元に送られる事となった。

このデバイスはフェイトの魔力に耐えられるようにと仁の発案で、

インテリジェンス機能とカートリッジシステムを持たずに耐久度を追求して強化されたものである。

またフェイトの魔力に耐えられるかのデータ取得の目的も兼ねている。

同じ問題を抱えているはやてもデバイスを何度も壊しているがフェイトはそれ以上の回数である。

そしてバルディッシュは仁によって魔改造される時が来たのであった。


もうやめて、バルディッシュのライフはもうゼロよ!






・ゲートホルダー

登場作品:クロノ・トリガー

ゲートで空間移動をするための媒介

(ゲーム本編とは違い時空間移動できない、もしくは時空間移動用のゲートが発生していない)。

クロス・ゲート・パラダイムシステムの技術の応用で製作した。

また仁の自宅にゲートを設置したのもクロス・ゲートパラダイムシステムの応用だ。

自宅のどこに設置するかと考え、タンスの中と決めたのは仁だ。

(ゲーム本編で魔物の村の民家のタンスにゲートが設置されていたことから)

その為にわざわざタンスを買ったのも仁だ。







 設定紹介


・非殺傷設定

管理局の魔法はこのシステムによって任意で物理的なダメージが無い純粋魔力攻撃設定が可能となった。

この場合、魔法がダメージを与えるのは攻撃対象の魔力値に対してであり、基本的には身体的な損傷を伴わない。

ただ、酷く外傷を負うという事を避けられるだけで、実際にはそれなりの衝撃や痛みがある。

質量兵器を廃止し、管理局が設立した時にこのシステムが生み出し普及される事になった

(このシステムの登場が大きく影響されて質量兵器はより危険視、必要無しと判断された)。

それ以前の古代ベルカ、先史時代は質量兵器と非殺傷設定が無い魔法が飛び交う争いが行われていた。



























 あとがき?


今までに無い説教臭い仁だった。


仁が非殺傷設定について話しましたが魔法の出力次第では

ショック死してもおかしくないと思うんですよね。

特にスターライトブレイカーなんて直撃したら死ねると思うのですよ。

なのはさんにはそれがわからんとです!


リインフォースたちが話した非殺傷設定のことですがアニメや漫画の描写から

初期の守護騎士たちは非殺傷設定は無く、

デバイスを新式にしてからシステムを追加されたということにしています。


そろそろStSのキャラを書きたい、出したいところなので

次回では誰かを出す予定(とは未定)です。誰が出てくるかはお楽しみということで……。





[7126] A's to StSの04 占い師、始めました
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/08/17 17:09



海外へと引越ししてからフェイトから時折、お互いの近況を連絡を取り合っている。

管理局の研修の上に執務官試験の勉強もあって忙しい毎日を送っているようだ。

八神家の方はルルーシュと連絡を取り合っている。

はやてたちもアニメ本編と大して変わらない状況のようだ。

――そして問題のなのはの方はだが、フェイトとはやては研修が無い時は学校でたまに会えるようだが、

管理局の方だと中々会えないという。

なるべくなのはに気に掛けておいてくれとフェイトたちに言っておいているが

果たしてそれで何とかなるかどうか……。

ちなみに俺の方は大学ではそこそこ上手くやっている。あくまで俺とルルーシュが大学に入ったのは

大卒の証明を早く欲しかっただけなので、とっとと済まして日本に戻るつもりだ。

そんな俺は今何をしているかと言うと――――























ウルトラでカオスなリリカル戦記


A's to StSの04 占い師、始めました























占い師をやっています。しかもミッドで。

なぜ占いをやっているかと言うと折角使えるスキルなんだからこれで小遣い稼ぎしようかなと思ったのだ。

――というのは半分そうだが、一応他にも理由がある。その理由はまぁ後ほどで……。

ちなみにミッドに行く方法はというと管理局の転送ポートを勝手に作って

それで人気の無い場所に転移して来ているというわけだ。違法行為じゃないかって? ばれなきゃいいのさ!

そして儲かっているかというと商売繁盛! 商売繁盛! な状態である。

「あっ、仁さん」

「おぉ、ギンガじゃないか」

そして今、声を掛けてきたのはStS本編前の幼きギンガだった。

占い師をやっていたら偶然出会い、そしてこの占い屋の最初のお客でもあったのだ。

あれはまだ今とはまったく違って繁盛していない時の話である――――























「客が来ない……」

ここではあまり占いは流行っていないのか客が全然寄って来ない。

ミッドでは占いはマイナーなのだろうか……。

よくある占い屋のようにビルとビルの隙間のところに占い屋を構えたが全くお客が来なかった。

そんな厳しい現実を垣間見て、果たして上手くいくのだろうかと思いつつ

今日はもう店じまいにしようかなと準備をしようと思ったその時――

「あ、あの」

そう思っていたところに声を掛けて来た小さな女の子。

「はい、いらっしゃい。何を占いましょうか?」

「占いとは少し違うのですが探し物と言いますか、人を探しているのですが……」

「成程、人ね。――それって君の妹かな?」

「えっ!? 分かるんですか?」

「これでも占い師だからね」

と言うか君を見てそう思ったんだけどやっぱそうなのか。君の妹さんは迷子癖でもあるのではないか。

本編でも空港で迷っていたことあったし……。

「では早速占ってあげよう」

「あの、私、あまりお金が無いのですけど……」

「今日は特別タダにしておこう」

「いいんですか?」

「大事な妹を探しているんだろ、お客様第一号ってことでサービスだ」

「あ、ありがとうございます」

じゃあ早速占いもとい予知ってみますか…………。








結果的に俺の占いで初のお客であるギンガの探し人である妹、スバルは無事に見つかった。

それから二人とは知り合いになりちょくちょく俺の元へ見に来るようになった。

また二人の口コミからお客が入るようになった。

そのお客の中でギンガたちの他にも知り合いができた。























 ??? side


「では今日は新ネタのサバ占いをしてしんぜよう」

サバ? サバというのは確か魚の名前のはずでは? それでどうやって占いをするのでしょう。

興味を持ったのでそのまま見てみる事にしてみました。

「――――サバァァァァ!! サバ~~」

フラッフラッと逝っちゃってる踊りを舞っている。これのどこが占いなのだろうか……。

「あ、あの」

「何スか?」

「今踊っている人って今ミッドで噂になっている占い師さんなんですか?」

「そうッスよ、今逝っちゃってはいるが占いの的中率は100%」

「そ、そうなんですか……」

「なんなら、お嬢さんも占ってもらったらどうだい?

俺、あいつとは知り合いだからすぐにやってくれると思うぜ」

「いいんですか?」

その人に付いて行き私は彼のそばまでやってきた。


 side out























「おーい」

「うん? 何だヴァイスか。仕事はどうした?」

聞き覚えのある声の方へと見るとヴァイスがやって来た。

ヴァイス・グランセニック。航空武装隊の魔導師でシグナムの部下……だったっけ?

ヴァイスも俺の占いから知り合う。正確にはヴァイスの妹であるラグナが初めにやって来て

その後に兄を連れて来てから知り合うこととなった。

「何だぁ、折角様子を見に来たというのに」

「お前さんが来る時は大抵冷やかしだろうが。ティーダはどうした?」

「あいつは妹と遊びに出かけてるんじゃないか」

「今度妹をを紹介すると言っていたんだがな」

「ティーダってシスコンだしな」

「それでお前さんはロリコンだもんな」

「HAHAHA、あんま調子乗ってると――鬱病にすんぞ」

「ど、どんな方法でだよ。と、それよりもお客さん連れて来たぞ」

ヴァイスの後ろに居た女性が顔を出した。――ふむ。

「ヴァイスの知り合い?」

「今さっき知り合った。どうだ美人さんだろ」

「ラグナに言っておこう。ヴァイスがまたナンパしてたって」

「オイ! ちょっと待て」

「あ、あの……」

「失礼、馬鹿がご無礼を。お詫びとしてタダで占いましょう」

「いいんですか?」

「構いません。馬鹿が迷惑したようなので」

「なぁ馬鹿って俺のことか?」

「ではお手を、まずは手相を見ましょうか」

「で、ではお願いしますね」

「無視か、コラー!」

外野が騒がしいが気にせずに美人さんの手を取り占いを始めた。























 ???side


「ふむ、姉妹はいますか?」

「……はい」

いくつかの質問を受けて仕事に支障が無い程度に答えた。

「家族サービスするのが吉と出てます。特に歳が離れた妹たちと仲良くするのがベストだと」

姉妹がいるとは言ったが、年下の複数の妹がいることまで分かるとは

これが占いなのかと少し驚き感心した。――まさかその占いでばれていないだろうかと考えたが

彼は特に私の事を気にせず占いに集中していただけだった。

「あと最後にと仕事の帰り道には気をつけてください。特に後ろじゃなく歩いていた前の方を」

「はぁ」

最後にそう言われたのには首を傾げたが今までのがよく当たっていたので気をつけるようにしようと思った。

「まぁこんなものです。いかがだったでしょうか?」

「占いは初めてのことだったのですが楽しかったです。ありがとうございました」

「よければまたお越しくださいね」

そう言われて不覚にも今度妹たちを連れて行きたいなと思った。


 side out























「次のお客さん、どうぞ」

「は~い」

「――ん? ア、アリシア!」

「このお嬢ちゃん、仁の知り合いかい。何だよ、お前さんも隅に置けないな」

うんうんと一人で納得しているヴァイスを見てウザッと思った。

「で、なぜお前がここに?」

「噂の占い師を見に来たんだけど、まさか仁だったんだね」

噂になっていることは分かっていたが、というかそうなるつもりでやっていたことなんだけど。

「もしかして……地球の方でも有名になってるの?」

「ううん、私はたまたま聞いただけだから」

「もしかして、なのはたちにも知れ渡っている?」

「どうだろう、それにフェイトたち殆ど本局にいるから、こっちには来れないと思うし」

フェイトとの連絡のやり取りでは占いのことを話していないしフェイトも聞いてこなかったから

知らないとは思うが、まあ知っても別にまずい訳ではないけどさ。

有名になってきているのならそろそろ本命が釣れて欲しいところだ。

「それで仁に用があるの」

「何だよ用って?」

あれ? でもさっきは噂の占い師を見に来たって言ったのに何で俺に用事があるっておかしくね?

「ゴホン、――――デートしよう」

「――――は?」

ヴァイスがやっぱそういう関係じゃねえかと言った瞬間、一発殴っておいた。

























ミッドチルダ東部12区内のパークロード。テーマパーク的な娯楽施設なことから

デートスポットには最適と言えるだろう――って。

「普通にデートしてるし……」

「ん? 何か言った?」

「いや、俺って流されやすいタイプの人間だったんだなぁと思って」

気がつけばここに来ていた。超スピードだとか催眠術だと(ry

「自分の新たな一面を知る事ができてよかったね」

か、返しずれぇ……。アリシアってこういうキャラだったっけ?






「何に乗ろうかな~?」

ガイドブックを見ながらどのアトラクションにしようかと考え中なアリシア。

「――よし決めた。あれに乗ろう」

アリシアが指を指すそのアトラクションとは――ジェットコースターだった。

「よし俺は折角だからあの観覧車を選ぶぜ」

「……もしかして怖いの?」

「――ベ、ベツニソンナコトナイデスヨ」

「う~ん、ジェットコースター以上に速く空を飛べるくせに何で怖がるのかなぁ」

「怖いもんは怖いんだよ! だいたい今の俺は空飛べないし」

「じーー」

「な、何だよ?」

「仁ってさぁ――」

アリシアが不満げな顔をしながら何か言おうとする――ところがその時。

「あっ、仁じゃないか」

「うん?」

俺の名を呼ぶ声が聞こえてそちらの方に振り向いた。確かこの声は――

「やはり仁だった。その隣の子は彼女?」

「はい、そうです」

「いやいや、違うから。そういうティーダは何してんの?」

「今日は久々のオフだから妹と遊びに出かけていたんだ」

「ということはその隣の子が?」

ティーダの隣にいるオレンジ色の髪の女の子。俺はその子が誰か知っているが、

俺が一方的に知っているだけで実際に会うのは初めてなので知らないフリをする。

「そう、僕の妹だよ。ほら、彼が前に教えた占い師だよ」

「は、初めまして、ティアナ・ランスターです」

「こちらこそ、迫水仁だ」

「私はアリシア・テスタロッサだよ。よろしくね、ティアナ」

「は、はい」














ティーダたちと会って少し話をすることになった。要するにデートは一旦中断した。

それでアリシアは会ったばかりのティアナを連れまわしていた。

歳が上だからなのかティアナはアリシアに逆らわずされるがままに振り回されていた。

その二人はアイス屋の車に並んでいて、俺らはベンチで待ちながら雑談をしていた。

「どう、射撃の訓練は?」

「まぁ、ぼちぼち」

実を言うと俺の射撃はティーダから教わったもの。

――ついでに言うならヴァイスにも教わった。二人共優秀なガンナーとスナイパーなので。

「そっちは執務官試験はどうなの? そろそろ近いんだろ」

フェイトも猛勉強していると言っていたし。

「うん、正直に言えば難しいかな。でも頑張っているよ」

ティーダ・ランスターは真面目な好青年である。ヴァイスとは違って(一応)年下の俺にでも丁寧に話す。

ティーダもヴァイスと同様に占いで出会った。さっきも言ったがその時に妹を連れて来るよと言ったのだ。

「大変だよなぁ」

「何がだい?」

「たった二人だけで生活しているんだろ。妹の面倒も見つつ仕事をしてるなんて中々できることじゃないよな」

「最初の頃は大変だったけど、今はもう大分慣れたよ。こうして休日はティアナと過ごせるしね。

あとは僕が執務官になればもう少し楽な生活を、ティアナに窮屈な思いをさせずにすむ」

「……ティアナのためとか言ってあまり無理するなよ。きっとそんな風にしていたらあの子悲しむぞ。

あとは仕事でもあまり無茶はしないこと。お前に何かあったら悲しむ人がいるんだからな。

これは友人として占い師としての忠告と助言だ」

「肝に銘じておくよ」

あと数年したら違法魔導師によってティーダは命を落とす。そんな結果にならないようにしないとな。





「ねぇ……仁、アレ」

ティーダとの雑談中に並んでいたはずのアリシアが駆け寄って何かを見つけたのかある方へ指を指した。

その指した方向を見ると――

「……メイドだな」

「メイドだよね」

そこにいたのはどう見てもメイド服を着た女の子です。本当に(ry

しかし何でメイドがミッドに? ミッドでも恐らく珍しいその格好をしている女の子が

一人テーマパークにいてその姿はとても目立っていた。

「ここにはメイド喫茶なんてないのに――仁?」

「ふむ……やはりメイド服より巫女服のがいいな」

「また何か言った?」

「何でもない。ん? 何だかあのメイド、苦しそうにしていないか?」

よーく見たら何だか苦しそうに胸を押さえているように見える。

そしたらその苦しんでいるメイドさんに数人の男が寄っていた。善意で助けようとしているのか、

それとも――

「あのメイドさん、ナンパされてない?」

そのメイドは嫌がっているのにも関わらずしつこく付きまとっている。

どうやら善意ではなく悪意の類のもののようだ。

見た目からしてもナンパのテンプレ的な奴らで、この後誰かに返り討ちされてナンパ失敗の図が目に浮かんだ。

「仁、あの人助けてあげようよ」

「俺はトラブルに巻き込まれるのは……」

「この位ならトラブルの内に入らないでしょうが!」

まぁ日頃のトラブルに比べれば確かにそうだ。いつもは普通じゃない奴らばかりだしな。

「まぁ見て見ぬフリはできないか。つうわけでティーダ、頼む――?」

一般人の俺よりも局員であるティーダに任せようとしたら隣に居たはずのティーダが居なかった。

「君達、彼女が迷惑しているじゃな――」

何時の間にかもうそっちへ移動していた。はやっ!

俺もとりあえずはとそっちへ近づこうとすると――――

「えっ?」

「な、何……アレ?」

俺とアリシアが次に彼女達を見たのは――血が吹き出ていた男たちだった。

「きゃ、きゃあぁぁぁぁぁぁ!!?」

今の光景を見たのかティアナが叫んていた。その声に反応して周りの人たちも

この状況に気づいて騒ぎ始めここから逃げ出すように動き出した。

「何だあの力は!?」

一瞬の間にナンパしていた男たちがやられていた。やったのは――あのメイドなのか? だがどうやって?

「あれ? これは――水?」

アリシアの声に反応してふと足元を見ると何時の間にか地面が濡れていた。

赤い血ではなく水だ。どこかで水漏れでも起きたのだろうか。

「仁!」

メイドは先程とは違って強烈な威圧感を出していた。一言で表すと「冷たい」。

背が凍えるようなそんな感じがした。

そして彼女の周りに水が集まっていった。

「アアァァァァ!」

そのメイドの雄たけびを合図に集めた水が槍状となって無差別に周りを破壊していった。

「ティアナ!?」

先程叫んだ後、そのまま気絶して倒れたんだろうがそのティアナに向かって水の槍が襲い掛かっていく。

「やばい!」

ティアナに向かって走りティアナを抱き寄せてこの場から離脱し、間一髪攻撃を避けるのに成功した。

「仁、また!」

「!?」

またこちらに向かって攻撃が飛んでくる。防御手段無し、回避も不可能。デバイスを取り出す暇も無い。

だが――

「スナイプショット」

水の槍は横からの魔力弾によって撃ち落された。

「ヴァイス!」

「まだやっこさんの攻撃は止んでないぞ!」

水の槍を狙い撃ったのはヴァイスだった。――あいつ、尾けてたな。

メイドの大量の水が今度は氷となった。そのコブシぐらいの大きさの無数の氷を辺り一面に飛ばした。

「くっ」

まずはティアナを安全な場所に置くために攻撃から身を守る為にアイス屋の車の影に隠れティアナをそこに置く。

「水の魔法と氷の魔法。けど魔法陣が展開されていなかった。とするとレアスキルの類か」

ティーダがこちらにやって来てティアナの容態を確かめながら今の状況を分析しつつも

銃型のデバイスで迎撃する。ヴァイスもそれに合わせて攻撃をするが

彼女の前に氷の壁が現れ、二人の攻撃を防いでいた。

「――アリシアはどうした?」

他の皆は確認できているがアリシアを見ていないと思い、辺りを見渡す――見つけた。

さっきまで座っていたベンチを壁にして隠れていた。

「アリシア、避けろ!」

ベンチの物陰に隠れていたがその壁は砕かれてアリシアの姿が丸見えとなった。

無防備の状態の時に氷の刃が襲い掛かった。

やられる――そう思ったその時、その氷の刃が砕かれた。

アリシアの目の前に槍を構えた男が立っていた。

「あ、貴方は……?」

「俺の名はゼスト。ゼスト・グランガイツ。時空管理局・首都防衛隊の魔導師だ」

武人、いや彼の場合は騎士と言うべきだろうが、その男が助けに入ってくれた。

ゼストの他にも局員が駆けつけていて他の人たちの避難誘導をしていた。

「下がっていろ」

再び襲い掛かってくる氷の刃。

ゼストは自分の槍型デバイスのカートリッジをロードする。

「うおぉぉぉぉぉ!」

薙ぎ払いだけでこちらに襲い掛かってきた氷の刃は全て打ち落とされた。

「はあぁぁぁぁぁ!」

彼女に向かって突撃するが鉄壁の氷の壁がまだある。だがゼストは気にせずそのまま斬りかかった。

ヴァイスたちの攻撃では傷一つ付かなかった鉄壁が見事なまでに砕かれ、さらにその奥にいる

彼女にまで攻撃が届いていた。

「アアアァァァァァァァァ!!」

その攻撃を受けて彼女は悲鳴を上げる。そしてさらに威圧感が増した。

そして彼女の周りの水や氷が消えたかと思えば今度は彼女の周りが暗くなっていた。

「何だ、これは……?」

水が氷へと変化しその氷は黒いものへと変わっていった。その黒いモノの正体は――闇。

その闇はどんどん規模が大きくなっていき俺達の方にまで広がっていこうとする。

「――これってまさか、暴走!?」

「伏せろ!」

ゼストがそう叫ぶ前に俺は既に移動してアリシアを連れて近くの物陰へと伏せると

その瞬間、メイドの彼女は――爆発した。














「大丈夫か?」

「何とか……」

彼女が爆発した周りには何も残っていた無かった。そして彼女の姿もどこにも残っていなかった。

――ただその爆心地は異様に冷たかった。

「死ぬかと思った……」

「だらしがねえな」

「生憎俺はしがない占い師なんでね」

にしてもあの暴れていたメイドのあの力は……水から冷気にそして黒き闇にした力は……。

「水気の力――漆黒」

「どうしたの?」

「いや、何でもない。……多分気のせいだ」

そうだ、俺の思い過ごしだろう。奴らがこの世界にいるはずがないのだから……。

だけどもしホントにそうだとしたら――。

「貴方が迫水仁ね。娘達から話を聞いているわよ」

思考に没頭していると横から誰かが声を掛けてきた。

「初めまして、私はクイント・ナカジマ。ギンガとスバルの母親よ」

実際に見るとホントに二人によく似ているのが分かる。

「へぇ、この子が。私の名前はメガーヌ・アルビーノ。クイントの同僚よ。よろしくね、占い師さん」

ゼスト隊のコンビが揃っていた。そうかまだこの頃はまだ彼女達は――

「クイント、メガーヌ戻るぞ」

「了解、隊長。じゃあね、仁君」

「さようなら。今度占いを見に行くから」

ゼストに呼ばれて俺に別れの挨拶を告げてゼスト隊は行ってしまった。























その後は事後処理などの仕事でティーダたちとも別れた。俺とアリシア面倒事になるのが嫌だったので

そそくさとその場から逃げてきた。

それでそのまま帰ろうとしたら「デートなんだから帰りまでエスコートしなさい」と言われて、

もとい命令されてアリシアが帰りに使う転送ゲートまで送っていく帰り道。

「仁はさぁ――――フェイトのことが好き?」

「ぶぅっ!?」

アリシアの不意打ちにマジで吹いてしまった。

「汚いなぁ、お母さんにだけでなく私にも吹いたね」

「い、いやすまん――ん?」

母さんにも吹いたってどういうことだ?



「あの時、私じゃなくフェイトだったら助けた?」

「何だその問いかけは? どっちだろうと助けようと――」

「――私さぁ、聞いちゃったんだ。仁とお母さんが話していた事」

「何の事だ?」

「大晦日の夜、と言っても年越したから元旦だね。その真夜中に話していたでしょ」

あの時はプレシアと話をしていた。

その話の内容は――ルルーシュや先生たちに話した内容とほぼ同じ。

「盗み聞きするつもりは無かったんだけど、聞いちゃった。仁のこととか、これからのこととかね」

俺自身のことと、今後起こりえる事象について、そして――ミッドに襲い掛かる災い。

「……」

「私さ、仁の事が好き――だと思ってたんだ。でもそれって違うんだなって思ったんだ」

突然のアリシアの告白――かと思えばどうやら違ったらしい。……一瞬、心臓がドキドキしてしまった。

「私はただ仁に恩返ししたかっただけ。私はフェイトみたいに

仁に対してそこまで感情を抱いていなかった。今日のデートでそれが分かったんだ」

アリシアが言うには俺によって生き返らせてもらった、

その恩から来る感情でそれは恋愛感情じゃないと気づいたと言う。

「だからさ、フェイトのこと、お願いね。もしフェイトを悲しませるようなことしたら許さないからね」

「アリシア、お前なら……俺のことを聞いたなら分かるだろ。俺には――」

「仁はどうして戦うの?」

フェイトのことから突然話が変わった。

「? それは、世界を――」

「それは仁じゃなくてブレイブの遺志でしょ。そうじゃなくて仁自身はどうなの?」

俺自身? 俺だって世界を邪神から解放したいと思っている。それは本心だ。

「ブレイブはブレイブ、仁は仁でしょ。使命も大事だと思うけど、

仁は仁で自分自身の戦う意味を持たないと。世界のためにだけでなく自分自身のために

本当の気持ちを出してもいいんじゃないかな? ううん、出すべきだと思うよ」

俺の本当の気持ち? 俺の本当の意志? それは――――

「――――はぁ」

「仁?」

「――まさか、アリシアなんかにここまで論されるとは思いもしなかった……」

突然のことだったから精神的にすごいショックを受けてるんだけど……。

「私なんかにって失礼じゃない!」

「いや、お前ってもう少しというか結構アホな子と言うイメージだったから。

何と言うかフェイトがしっかり者のお姉さんで、アリシアは頭が少しかわいそうないもう――!?」

「それ以上言うと――殴るよ」

「もう殴られました」

しかも顔面にだ。――――はぁ……やれやれ。

「その、まぁなんだ……ありがとうな」

まさかアリシアがこんなことを考えていたなんて思いもしなかった。

「じゃあお礼にキスして」

「寝言は寝て言えや、マセガキ」

「ガキだなんてレディに向かって!」

「あぁ、そういえば実年齢で言えばロリばb――!?」

「それ以上言ったらブッ飛ばすよ?」

「すみませんでした」

笑顔なのに眼がマジだった。本気でやられると思った。――二、三発殴られたけど。

「はぁ~」

「知ってる? 溜め息一つで幸せが逃げて来るんだよ」

「幸せが逃げるだけならまだマシだな。不幸が寄って来るなら話は別だが」

「そういえばトラブル人生まっしぐらと言うのを聞いたんだけど、それってホント?」

「ホント、ホント。引越し先で昔会ったナチの戦争屋を見かけて目が会う前にそこから離れたんだけど

結局見つかってその日はずっと命がけで鬼ごっこをしていた。他にも――」

「不幸自慢の話はもういいよ」

「話振って来たのお前じゃん!」

「そう言えば前世の話も足したら相当増える?」

「……死んだ回数だけでも不幸自慢ベスト賞取れる自信があるかも」

「それってどれだけ死んだの?」

「実は死んだ回数はそこまでではないかもしれないが、死因が全部戦いに負けたとか巻き込まれたとかだな。

他にも――」

「もうお腹一杯なので勘弁してください、許してください」

「何なの! 人に嫌な過去を思い出させておいて言わせないってとてつもなく消化不良なんだけど!」

「辛かったんだね、同情するよ」

「一言で済ますな!」

でも実際、デッドエンドばっかりだったからなぁ……。

「――で、どう、少しは地が出てきたんじゃない?」

「……」

今のやり取りって、もしかしてわざとやったとでも言うのか?

「やっぱり仁はもう少し好き勝手にやって人生楽しんだ方がいいよ。

仁にだってそれは当たり前のことなんだから、それにその方が仁らしいよ」

後に今日のアリシアをすごいと思った日は無かったと俺は思ったのだった。












そう話しているうちに転送ゲートの前に到着した。

「……お前もしかして俺にあんな話をするためにここまで来たのか?」

「デートしたかったのはホントだよ」

「デートったって結局お流れだったけどな」

「デートを再開するにしてもあの後だったし。

デートの続きをしたかったら――私じゃなくてフェイトとしてあげて」

ここは妹想いなお姉さんと評価すればいいのだろうか……。

「それからフェイトなら仁がお願いすれば巫女服着てくれると思うよ」

「聞いてたんかい!?」

「アハハ、じゃあね、仁!」

そう言ってアリシアは手を振りながら転送ゲートを使いミッドから海鳴へと帰って行った。

「……はぁ、何か疲れたな」

自分の為か……。この世界に来た時は自分やこの世界のことを知りたいと思ってた。

そしてブレイブと一つとなった時からは本来の使命を遂げようとしている。

でもそれはブレイブの遺志を受け継いだもので俺自身、ブレイブではなく迫水仁は何をしたいか、

何を望んでいるかと言われれば――やっぱり

「平穏無事に過ごしたい」

だろうな。でもそれには色々と邪魔な奴らがいっぱいいるという話で結局そいつらと戦わなければいけない

さだめ、運命、宿命なのだった。――ぶっちゃけメンド臭いものを背負ったなと改めて思い直した。

――取り合えず帰ったら気晴らしにバルディッシュでも魔改造してやる。

「好き勝手に、か……。――――だったらやっちゃいますかな」

そう思い俺はルルーシュに電話を掛け始めた。

「まず始めに――ストーカー対策からだよな」

――いい加減、ストーカー行為を受け続けるの迷惑で限界だったし。




こうして俺はこの日のアリシアとのデートを機にだんだんと自重しなくなっていった。























 ???side


「報告は以上ですがどうしましょうか」

『君から見て彼はどう思う』

「少なくとも脅威とはいえるような存在ではないと思います。先の事件でも何もできませんでしたし」

メイドが謎の暴走を引き起こした現場に私もいて一部始終を見ていたが彼は何もしなかった。

というよりできなかったのかもしれない。だがあのくらいの危機を自力で乗り越えることが

できないのであれば私達の脅威ではない。やはりヤプール事件後に力を失ったというのは

間違いないようだと私は判断しドクターに告げた。

『ふむ、分かった。そうだね、彼の監視任務は一旦中断だ』

「分かりました。私も残りの作業が終了次第、そちらに戻ります」

『あぁ、待っているよ。ウーノや妹たちが早く会いたがっている。特にクアットロがね』

「あの子は私によく懐いていましたからね。会えるのを楽しみにしています。では」

ドクターとの通信を終えた。久々に妹達に会えるのが楽しみだ―――

「今、気配が……ッ!?」

後ろを振り向くとそこには――監視対象の迫水仁がいた。

「占い師さん、どうしたのこんなところで?」

「いえ、ちょっと貴方に用事があったもので」

「何かしら?」

「えぇ、ですがいいんですか、前の方は?」

「前? ――っ!?」

彼に言われて後ろを振り向けば――黒い仮面の男が私の顔の前に手をかざした。

その瞬間、全身の力が抜けていると感じ、地面に膝を付いていた。

「言ったでしょう、帰り道は気をつけてと。特に後ろじゃなくて前をと」

などと何事も無いように言う彼。

何か言い返そうとしてももう言葉を発する事すらもできず完全に倒れこんでしまった。

「さて、色々とOHANASHIしましょうか、俺流でね――ドゥーエ」

どうして私の名前を、と言うよりも正体がばれていたのか……?

そう疑問を抱きながら私の意識はそこで落ちた。


 side out























「やれやれ、今日はもう店じまいかなぁ」

デートの翌日、今日もミッドで占いをしていい感じに儲かっていた。

いつも冷やかしに来るヴァイスとかティーダも来ないようだしそろそろ帰る支度でもするかな……。

「占ってもらってもいいいかい?」

「はい、いらっ――!?」

「何をそんなに驚いているんだい。まるでハトが豆鉄砲でもくらったような顔をしているよ」

そりゃあ……そんな顔をしてもおかしくないだろうとツッコミたかったが

ツッコムと相手が喜びそうだから辞めておいた。

「それで占って欲しいんだけど、いいかい?」

「――――どうぞ」

突然現れたその女性を占うこととなった。







「で、どうだい?」

「死相が出ています。しかも抗う事ができない強い意思によるものなので

そのまま死を受け入れてください。以上」

「……え、え~と、仮にも占い師なら助言などしてもいいんじゃないかな?」

「いいえこればかりはどうしようもありません。

――というか早く死んでくだされば皆が幸せになりますので是非そうしてください。つうか今死ね!」

「ホントにひどくないかい!? よくそんな接客で繁盛しているね」

「安心してください。他のお客さんには礼儀を弁えつつ親しく接していますので

このような態度で接しているのは貴方だけですから貴方が心配する必要は無いですよ。

――ていうかてめえに心配される謂われはまったく無いのですよ」

「敬語で話してくれているのにまったく敬れていない!?」

「うっせえよ、つうか何でてめえさまがここに居るんですか。帰れよ、シッシッ」

「酷く嫌われたものだね。流石に僕でも落ち込むよ……」

ざまぁ。それでそのまま投身自殺でもしてくれたら俺は大いに喜ぶぞ。

「――にしても少し変わったね」

「何が?」

「少し前の君はそんな毒を吐かなかったというのに、

いや本来の君に戻って来たと言うべきかな。――やっぱり昨日のデートの影響かな?」

「――――――――ぶっ!」

「ツバ汚ッ!? って、今の間は何なの!? 本当は驚いてなかったんじゃないの?」

「イイエ、プライバシーガバレバレデオドロキマシタヨ」

「カタコトだよね! 絶対わざと吹いてツバ飛ばしたよね!」

「……」

「な、何かな、じっと見て?」

「いや、ツッコミが中々のもんだなぁと思って」

「……はぁ、もういいや。何だか疲れたよ。――ところでどうしてヘタな芝居をしているんだい?」

「カタコト?」

「それはもういいよ。どうして弱い者のフリをしているのかなっと思って」

「う~ん? 何の事?」

「僕の目は節穴じゃないよ。そうやって僕を油断させようという魂胆だったのかもしれないけど

――それでは僕の目は誤魔化せないよ」

「メガネ掛けているんじゃ、イマイチ説得力が無いような……」

「これは伊達だよ。――だったらメガネを掛けてない神父の姿になろうか。若本的な意味で」

「ごめんなさい」

それは流石に勘弁を。最近別の若本神父を見たばっかだし。

「やれやれ、どうやら後が控えているみたいだから帰ろうかな」

そう言い立ち上がった。若干疲れたようにも見える。結構貴重な姿ではないかとふと思った。

「じゃあ刻が来たらまた会おうか、迫水仁君」

「――あぁ、その時がお前の最後の刻だろうけどね」

「ふふふ、期待して待っているよ」

先程とは違った余裕の笑みを浮かべながらその女性は行ってしまった。

確かに今はまだ鍵が揃っていない状態だけど、約束の時が来るまでまだ猶予はある。

その間に何としても――――

「貴様の思うようにはさせないぞ――――這い寄る混沌ナイアルラトホテップ」

我が障害。我が宿敵。我が怨敵。我が、俺達の――世界の敵。















「あのう」

「はい?」

「占ってもらえないでしょうか?」

「かまいま――――」

その女性を見るとほんのちょっとだけ驚いた。その横には単発のシスターが控えていた。

「どう致しましたか?」

「いえ、やれやれようやく本命が釣れたなって」

「えっ?」

「いやこっちの話です。占いですか、どうぞ。――それとお会いできて光栄ですよ、聖王教会の騎士殿」

「私の事をご存知なのですか?」

「えぇそれなりに。初めまして――カリム・グラシア。貴方にお会いしたかったです」























 おまけ?


「カカカ、さ~て、どう魔改造してやろうかな? かな?」

『NO! NO!』

「日本語でおk」

『止めて下さい仁! 目が据わってます』

「大丈夫、ただ単に今の俺は最高にハイッ! てやつになりかけているだけだからまだ大丈夫」

『意味が分かりませんが今の貴方が正常で無いことは分かります。

なので今日のところは止めた方がいいと判断します』

「さぁて、今日はまだ試してなかったデスサイズ・ヘルカスタム仕様とか斬艦刀仕様にしてみますか。

こいつは、やりがいのある仕事だぜ――――いくぞ!」

『アッーーーーー!!』























 人物紹介


・ナイアルラトホテップ

登場作品:斬魔大聖デモンベイン

無貌の神・這い寄る混沌。元凶。黒幕。

人前に現れるときは妖艶な雰囲気と蠱惑的な体躯の女性、ナイアとして登場する。

遠い昔(もしくは未来)に旧神によって【輝くトラペゾへドロン】に封印された

アザトースの庭(邪神はびこる宇宙)を解放するために【輝くトラペゾへドロン】を破壊し、

アザトースの庭を開放させようと暗躍するがウルトラマンたちに阻止され

ウルティメイトカオスウォーズが起きた。

その能力は多元宇宙全てに及ぶ世界改変や時間操作の力や

無数の多元宇宙が存在する無限に連なる平行世界全てに偏在するため、

それらを一度に消滅させられない限り不滅とされていた。

本人が言うには「空間も時間も私にとっては意味を成さなかった」。 

ナイアは『ナイアルラトホテップ』の側面であり、

ナイアの他に「黒いファラオ」「ナイ神父」などの側面が存在する。

また統合世界の外の平行世界にはニャルラトホテプ、通称「ニャル子」という別個体が存在するらしい。





 設定紹介


・サバ占い

元ネタ:封神演戯(藤崎竜)

仁の尊敬する太公望(藤崎竜)の占い、イワシ占いに倣って自作した占い。

水晶玉のようにサバを媒介にして占いをする。新鮮なサバだと的中率が高くなるらしい。

それで実際の的中率は…………。























 あとがき?


StSキャラ色々登場、ついでにボスキャラも登場。

色々と詰め込みすぎたかなと思いましたが今後の事も兼ねてこうなりました。


ゼストの旦那登場。出したかったキャラの一人です。

この物語での出番は果たして……。


この作品のアリシアは色々とすごすぎると思うこの頃。

当初はユーノやアルフのような準レギュラー的なキャラだったのだが……。


そして自重することをやめた仁は何をするというのか……。

とりあえずバルディッシュ乙





[7126] A's to StSの05 さようなら、ジェイル・スカリエッティ
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/08/18 22:57



「今日で間違いないのか?」

「あぁ、地上本部のデータベースをハッキングして得た情報だ。間違いない」

毎日欠かさずチェックしておいて正解だった。まぁでも一日でも遅かったらアウトだから当然の行動だけど。

「ならば始めるとするか」

「あぁ。今日がお前の命日となるのだ――ジェイル・スカリエッティ」

「――ところで後ろのそれは大丈夫なのか?」

俺が背中に背負っている大きな箱のことだろう。

「問題無い。何かあるはずがない。動く時はまたアレが――」

「アレか……」

アレを思い出したのかゼロは嫌な顔を俺に向けてきた。

「何ならお前もやってみる?」

「全力で断る!」

さいですか。























ウルトラでカオスなリリカル戦記


A's to StSの05 さようなら、ジェイル・スカリエッティ























 クイントside


「クイント、隊長は?」

「一人で奥に行っちゃったって、その後は通信妨害されて分からないわ」

AMFの環境下だというのに全く苦にせず突き進んで行った。そう考えるとうちの隊長って中々非常識よね。

「まぁ隊長なら心配ないでしょ。何と言ったって私達の隊長なんだし。それに――」

「かつてはあの特殊戦技教導隊のメンバーだったんだしね」

メガーヌと頷き合い、とりあえずは隊長の後を追うためにまずはここにいる機械兵器を倒そう。


 side out























「――どうやらゼスト隊は既にガジェットと交戦中のようだ。

隊長のゼストは単独で奥まで進もうとしている」

「思ったよりも展開が速いな」

ゼストが予想以上にアニメより凄くなっていた。――先生の言っていた通りだな。

「じゃあとっとと始めようか」

「あぁ、ガウェイン起動」

さぁパーティーのはじまりはじまり。























 ???side


「侵入してきた彼らはどうなっているかね?」

「中々手こずっているようですわぁ。ですが隊員たち相手なら玩具だけで対応可能ですぅ。ですが――」

「隊長のゼスト・グランガイツかい。なら、彼の相手にはトーレとチンクに頼むとしよう」

確か騎士ゼストはオーバーSランクだったはず、トーレとチンクの相手にはもってこいだろう。

「――これは!?」

「どうかしたかね?」

「この施設のメインコンピュータがハッキングを受けています!」

「侵入者は不明ですわ!」

「クアットロ」

「は~い、防壁を展開しますわぁ。――そんな!? 防壁を破られました!」

「逆探までもう少し」

「くっ、そんな、速い!」

ここのコンピュータをハッキングするとは、しかもウーノとクアットロによる防壁を突破するとは

中々どうして――興味深いね。

「こ、これは!?」

「今度は何事かね?」

「B棟のプラントが自爆しました!」

「ナンバーズの方は?」

「そちらには何も被害はありません。自爆したのは玩具の生産プラントのみです」

それは不幸中の幸いということだね。しかしなぜナンバーズではなくガジェットの方を……

「逆探に成功しましたわぁ。――この施設のすぐ外です!」

ふむ、敵はゼスト隊の別働隊か、或いは……


 side out























「逆探されたか。だがあの施設のコンピュータは一応使えなくなった。

ガジェットのプラントも一部を破壊できたから予定通りだな」

「そういうこと。じゃあ俺達も行きますか!」























 クイントside


「こいつらさっきまでの機械兵器とは違うわね」

長細い機械を倒したかと思えば今度は多足歩行型でカマキリのような鎌を持った機械兵器が出てきた。

しかも私達に気づかれずに接近するほどのステルス機能を持っている。

それらは私達を数十機で囲んでいる。――撤退は困難ね。

何とか戦線を維持しているけど、それも時間の問題。このままでは――

「クイント!」

「あっ!?」

メガーヌに言われた時には既に接近を許していて鎌が私に振り下ろされようとしている。

それを見た瞬間、やられると思い目を瞑った。

――――アナタ、ギンガ、スバル、ごめん。

……。

…………。

………………?

いつまで経っても痛みがこなかった。

おかしいと思い目を開けると目の前の機械兵器は倒れていた。そしてその後ろに誰かが立っていた。

「あ、貴方は……?」

「我が名は――ゼロ」

そう名乗ったのは黒い仮面の人だった。

「下がっていろ。ここは私が――やる」

ゼロと名乗ったその人は単身であの機械兵器に突っ込んだ。それはあまりにも無謀だ。

私とメガーヌは止めようと、援護しようとするが、私達はその光景を見て足を止めてしまった。

それは機械兵器が機能を停止しているのだ。ゼロが手をかざすだけで機械兵器は動きを停止していく。

恐らくはゼロが手をかざして現れるあの紋様によるものだと推測した。

あれは魔法ではないだろう。だとするとレアスキルの類だろうか。








「さて……」

そしてこのフロアにいる全ての機械兵器を停止させたゼロはこちらに近づいてきた。

「助けてくださりありがとうござい――!?」

「メガーヌ!? 貴方、なに――!?」

ゼロは助けた私達に向けて手をかざしていた。すると力が抜けていくような感覚に陥った。

私と同じように力が抜けていったメガーヌは気を失い倒れてしまった。

「しばらく眠っててもらおう。次に目を覚ます時はもう終わっている」

そして私も力が完全に抜けてしまい意識を失ってしまった。


 side out























 ???side


「新たな侵入者が何者か分かったかね?」

「メインコンピュータがやられましたが今はサブの方で何とか通信システムの回復を急がせてます」

「ふむ、状況が芳しくなければここを放棄して撤収も考えなければならないな」

「ドクター、通信システムが何とか回復しましたわぁ。あと侵入者が何者か分かりましたぁ」

「それで誰だか分かるかい」

「はぁい、それがどうやらこの子たちだったようですわぁ」

「……ほう、まさか彼らからやって来るとは、これは意外だったよ」

「どうしますぅ?」

「折角来てくれたのだ。もてなしてあげようではないか。

ウーノ、至急でチンクとトーレに連絡を。

クアットロ、無事な玩具たちの起動をさせておいてくれたまえ」

「分かりました」

「了解ですわぁ」

「フフハハハハ! これは中々楽しくなってきたじゃないか!」


 side out























「よ、ようやくたどり着いた。こんなところまで一人だけで進むなんて何てアホな人なんだ……」

俺がたどり着いた時にはゼストとトーレとチンクが既に交戦していてゼストのデバイスが折られていた。

――とすると念の為に持ってきたコイツの見せ場ができるな。

「お前は……確か迫水仁」

「来たか、迫水仁」

「パース!」

「むっ!」

ゼストにカード型のデバイスを投げつけた。

「ゼスト、その槍を使え!」

「槍、だと――ぬぅっ! ――こ、これは?」

ゼストがカード型のデバイスを受け取った瞬間、デバイスが起動しスタンバイモードから

デバイスモードに切り替わりその姿が現れた。それは――とても大きな槍だった。

「名は――零式突艦槍。カートリッジシステムは無いが、馬力に関しては保障する」

「しかし……」

「慣らしにあの玩具で試してみろ」

ゼスト用に作ってみたが一体だれだけの力が出るか見てみたい。ワクワク気分だぜ。

「……四の五は言っていられんか。いくぞ、ぬおぉぉぉぉぉ!!」

その槍を豪快に振り回して遠心力を乗せた一撃を襲い掛かかってくるガジェットⅣ型にくらわした。

その一撃だけで襲い掛かってきた10機のガジェットⅣ型を一撃で破壊した。

「確かに、中々ピーキーなデバイスだ。――だが悪くない」

どうやらゼストは気に入ったようだ。気に入ってくれたなら幸いである。

「ではそこにいる戦闘機人も頼んだぞ。あっ、でも戦闘機人は生け捕りにしてくれよ」

デバイスは試作試験機で実働データを取っておきたいし、戦闘機人は倒す事が目的ではないし。

「お前は一体――」

「ん、――どうやらここの主が出てきたようだ」

「何!?」

俺の指す方を見るとそこから堂々とジェイル・スカリエッティが現れた。

「お前が、ジェイル・スカリエッティか?」

「そのとおり、私がジェイル・スカリエッティだ」

「そうか、貴様が……。うおぉぉぉぉぉ!」

ゼストはそう確認したら一気に間合いを詰めてジェイル・スカリエッティを切り裂いた――と思いきや。

「これは――幻影か?」

そう今のは幻影だった。幻影を作り出す能力を持っているのは――

「そのとおりですわぁ。私の作り出した幻影で踊ってくださいなぁ」

幻影を生み出した張本人であるクアットロが現れ、自分やジェイル・スカリエッティや

他のナンバーズの幻影を作り出した。

「――幻影だろうが、全て切り伏せるのみ!」

そう言い、幻影に切りかかった。だがどれも全て幻影でそんなゼストをクアットロは嘲笑っていた。

――うん、お前、あまり調子に乗るな。

「……オラ!」

「ぶぅっ!?」

足元に落ちていた床か壁の欠片を適当にメガネにおもいっきり投げたら見事本体に当たった。

そして幻影が消えていった。いやぁ適当に投げたのに――偶然って怖いよねぇ。

「クアットロ!? おのれぇ!」

クアットロがやられたのを見てトーレが俺に襲い掛かってきた――がしかし。

「甘い!」

「なっ!? お前は――ゼロ!」

「如何にも、我はゼロ也」

ゼロは横の壁を突き破って現れた――ってお前はスザクか!

だがそのおかげでトーレは攻撃を中止し一旦後ろへと下がった。

「くっ、スティンガー!」

チンクが複数のナイフを取り出し、そのナイフをゼロに目掛けて放った。

ゼロは避けようとはせず、腕を組んで無防備に佇んでいる。

「下衆め。ナイフなどで我をとらえられるというか」





ビタ。





全てのナイフがゼロに当たる直前に停止して地面に落ちていった。

「そ、そんな馬鹿な!?」

「我が魔王の力を知れ!」

「ならば、これはどうだ――ランブルデトネイター!」

チンクが手をかざし叫んだ――しかし何も起こらなかった。

「……ア、アレ?」

「……何の真似だ?」

「チンクちゃん?」

「何をしているんだ?」

「い、いや、わ、私は……」

「チンクったら恥ずかしい。プププ」

「ううぅぅ……」

皆に「何してるの?」と呆れた目で見られてチンクは赤面していた。――可愛いな、オイ。

だが最後の台詞が余計だったか俺を睨んでた。とまあ、役者が取り合えず揃ったので――

「ホント久々だな、ジェイル・スカリエッティ。あの時言ったとおり、決着をつけようか。

本来ならもっと先の予定のつもりだったんだがこっちの都合上で今、ここでケリをつける」

ホントならアニメ本編通りの時間軸で戦おうかなと考えていたんだけど気が変わってしまったのだ。

「早かったのか、遅かったのかは分からないが、久々ではあるね、迫水仁君。

ところでどうしてこの場所が分かったのかね?」

「フフフ、それはこのVTRを見れば分かる。――それではVTRどうぞ」

そう決まり文句を言ってから宙に映像を流した。その内容は――ワン、ツー、スリー






『あーーあひゃひゃひゃひゃ……!!』

「!?」

「なっ!?」

「ドゥーエ!?」

最初に映った映像はナンバーズの№2のドゥーエが爆笑しているシーンだった。

あまりにも意外すぎるその姿に皆、主にジェイル・スカリエッティと

ナンバーズはポカーンとして見ていた。

『どうだい、俺の発明の【笑えよ、○○】のお味は?

さあ、いい加減にドクターのアジトを吐いたらどうだ』

『い、言ったはずです。何をされても貴方には何も言わないと……』

『そうか、じゃあ仕方ない。今の痴態を公表するぞ。と言ったらどうする?』

『!?』

『今の君の痴態は録画されている。この映像を姉妹たちに見せると言ったら……』

などと脅す俺であった。我ながら中々の鬼畜ぶりだなと思った。

――反省はまったくしていないけどな!

『なっ!? そんな!』

『さぁ、答えを聞こう』

某大佐とは違って3秒しか待たずに答えを聞く俺。

『……そ、それでも私はドクターと姉妹を裏切らないわ!』

『あっそ、じゃあゼロ』

ゼロと呼ぶとゼロの衣装を着たルルーシュがしぶしぶと出てきた。

仮面で顔は見えなくてもいかにもやる気がなかった。

『――スカリエッティのアジトの場所を言え。ついでに他の情報も教えろ』

ルルーシュの絶対遵守のギアスでドゥーエに命令を下した。――ちなみに棒読みだった。

『なっ!? ――はい、ドクターのアジトは管理外世界の……』

こうしてドゥーエはジェイル・スカリエッティに関する情報をネタバレしたのだった。

その中の情報でドゥーエは以前から俺を監視していたと言っていた。

俺が最初にジェイル・スカリエッティに遭ったのきっかけに俺の行方を追い、

俺が海鳴に来てジュエルシード事件の最中から監視をしていたという。

――最もそのことに関しては俺は最初から気づいていたんだけどね。

まぁ流石に誰かが監視しているくらいしか分からなかったけど

ブレイブと融合中だった時は誰が監視していたのか把握できたいた。










『はっ!? 私は……』

話し終わるとドぅーエは正気に戻ったようだ。

『情報提供感謝するぞ』

『ま、まさか私、喋ってしまったの……』

『そのとおり、ほら証拠の映像だ』

『そ、そんな……』

『ゼロの前では君の抵抗など無意味なのだよ』

『だ、だったら最初からこうすればよかったじゃない!』

確かに彼女の言うとおりである。そうすれば時間を掛けずに済むし、

ドゥーエだってこんな醜態を晒さずに済んだのだ。――だけどね。

『うん、それ無理。だって……あんたってSッ気な人だからついつい苛めたくなったから』

『そ、そんな理由で!?』

『そう、俺ってSな奴をより凶悪なSでいじるのが趣味なんだぁ』

『あ、悪魔め……』

そんな俺に対しドゥーエは一言そう言った。うん、悪魔か……。

この世界のなのはには言われてないその単語を俺が言われてしまったよ。HAHAHA――――クス。

『――うん、じゃあもう一回逝ってみようか、だって俺――悪魔みたいだし』

『ウソウソ! 今のはウソだからやめ――イヤァァァァァァアアアアーーーッハハハハハハ!!』

こうしてドゥーエは声が出なくなるまでくすぐり地獄は続いたのであった。おしまい。ちゃんちゃん。






「――と言う訳だ」

「な、成程。……ところでこの映像が流れ始めた時から君の後ろに動いているそれは……」

「あぁ、コレのことか。お目が高い。これは貴方達へのお土産だ」

ジェイル・スカリエッティが気づいたもの。俺の背負っている大きな箱を前に置き、

そして――それを開けた。

「ジャーン! ラッピングしてお届けでーす!」

サンタクロースが持っていそうな大きな白い袋に入った――ドゥーエだった。

頭だけは袋から出ていてその頭には赤いリボンが結ばれている。

「……」

「ドゥーエ……」

「ドゥーエお姉さま……」

「そ、そんな目で私を見ないで!」

「……えーっと、その……リボン似合ってるわよ」

ウーノのフォローが入った。しかしまったくもってフォローになっていなかった。

「殺して! いっそ殺して頂戴!!」

自分の情けない姿を姉妹に見られた屈辱かドゥーエが泣き叫んだが

ジェイル・スカリエッティたちは何とも言えない顔をしていた。だが、ただ一人だけ

あのドゥーエお姉さまがいたぶられるなんて……と恍惚な顔で見ているメガネがいた。

――まぁあれはスルーしようか。

ちなみに袋の中のドゥーエは拘束されておらず、逃げようと思えば逃げられたのだ。

――ただし拘束はしてないけど【笑えよ、○○】を中に入れて

ドゥーエをロックオンした状態で入れておき何か動きがあればすぐに起動するようにしていたのだ。

なので【笑えよ、○○】でトラウマ状態にまで使用されたドゥーエは

それを起動しないよう動かないよう頑張っていたのだった。

――――最もそれはウソだったんだけどな。中に入れていたのはただの箱だったのだ。

ドゥーエ、ご苦労様でした。








それから解放されたドゥーエはウーノに「辛かったわよね。貴方は頑張ったわ」と慰められ、

ドゥーエは「ウーノ姉さま……」と他の妹たちの前にも関わらずウーノの胸に抱かれて泣いていた。

「うう、いい話だなぁ……」

「ドゥーエをあのような目に遭わせたのは君だろうが」

ジェイル・スカリエッティにツッコまれてしまった。

「――しかし愚かだね。あのままドゥーエを人質にすればよかったものの」

「人質なんて酷い真似なんてするか!」

「……彼女にあんなことをしておいて人質は酷くないのか?」

ゼロのそのツッコミに他のナンバーズがうんうんと頷く。

「ふ、問題無い」

そう、全てはシナリオ通りだ。

「――その余裕、いつまで続くかな」

ジェイル・スカリエッティがそんな意味深なことを言った直後、大量のガジェットが現れた。

Ⅰ型、Ⅳ型合わせて数十機、フロアの外のも考えると100機位はいそうだ。

「へぇ、まだこんなにガジェットがいたのか」

ガジェットが大量に現れたことでAMFがとても強くなっていく。

これはもうなのはとかでも魔法使えないんじゃないかという位のだ。

「これだけのガジェットに囲まれ、君達はこの状況をどうするかね?」

「決まっている。ジェイル・スカリエッティを抹消することだ」

AMFで魔法が使えないが、俺は魔法なんか使わないし。

――だけどゼロの場合は魔力を消費してザ・ゼロのギアスを使うからこれはあまりよくない状況ではある。

「フフフハハハハ!! この状況でまだ言うかね。中々面白いが見たまえ、

君達だけで何ができるというのかね? 迫水仁君、君は力を失っている。

ゼロ、君の力は確かに脅威だ。しかしこの大量のガジェットとナンバーズを全て相手にするのは不可能だろう。

そこにいる騎士ゼストもこのAMFの中ではほぼ力を発揮できない。

戦術だけではどうにもならないさ。大人しく諦めたまえ」

ジェイル・スカリエッティの高笑いと解説。確かにその通り、その通りだ。

だから――

「その通りだ。戦局を左右するのは戦術でなく戦略だ」

ゼロが腕をあげて指パッチンをする。するとそれを合図に、大きな爆発音が聞こえ建物が揺れ始めた。

「これは?」

「いやいやドクター、貴方は運がいい。今日は特別でね、実はもう一人来ているんだ」

今度は俺が指パッチンをした。すると――

『ヒルベルト・エフェクト起動します』

女性の声が聞こえたと同時に何らかのフィールドが発生する。それはこの施設全域を覆う大きさのものだ。

「これは!?」

「なっ! か、体が動かない……」

今のフィールドが発生した後、戦闘機人たちが倒れていく。

天井が崩れそこから落下して俺達の目の前に現れたのは――KOS-MOSであった。

「仁、この施設内の機械類、ガジェット並びにナンバーズの機能を停止させました」

「おつかれ、KOS-MOS」

「な、そんなことが!?」

流石のジェイル・スカリエッティもこれには驚愕したようだ。

「ドゥーエから戦闘機人のデータは取らせてもらった。それにガジェットの方もここに来るまでに

データを解析しKOS-MOSにデータを送っていたのさ」

「そんなことを!?」

「ついでに言うと俺とゼロはお前達を誘き出す為の餌に過ぎなかったということさ」

「何だと――ま、まさか!」

「そう、俺達が出ればあんた達は逃げずに俺達を追い込むと予測していた」

「けど最初からKOS-MOSも出せば俺とゼロと違ってデータが殆ど無い

KOS-MOSに警戒し俺らを迎撃すると同時に撤退のプランも考えていただろう」

「我々の行動を読んでいたというのか……」

「ルルーシュの策と俺の知識と技術、そしてKOS-MOSの力。少しばかり相手が悪すぎたな」

最もこれでも加減したんだけどね。これでさらに先生も加入したらもっと悲惨な結果になっていただろう。

「――いやまだだね!」

諦めたかと思いきやジェイル・スカリエッティは手をかざすと俺達全員を赤い糸で拘束した。

――無駄な足掻きを。

「私はここで終わるわけにはいかないのだよ!」

「KOS-MOS!」

「R・BLADE」

KOS-MOSは右腕に格闘戦用の電磁ナイフを展開し自分を縛っている赤い糸を切り裂いた。

「くっ!」

そしてすかさず右手を戻して専用ブラスターを取り出し、ジェイル・スカリエッティを撃った。

「がぁっ」

グローブ型のデバイスが撃たれて機能が停止し俺達を拘束していた糸が消える。

さらに胸も撃たれて膝をつくジェイル・スカリエッティ。

非殺傷設定のエーテル攻撃なので死んでいないし、傷も無い。

「チェックメイトだ」

「――ふふふ、まさかここまで簡単にやられるとは思いもしなかったよ。

例えナンバーズが全て揃っていても勝てたかどうか……」

「さぁ? 今はそんなIfの話なんて必要ない」

俺は倒れているジェイル・スカリエッティに近づきGN-001を取り出す。

「終わりだ、ジェイル・スカリエッティ。さようなら」

GN-001をライフルモードで展開してその銃口をジェイル・スカリエッティに向け、

そして引き金を引いた。
























 ???side


「ジェイル・スカリエッティが死亡したというのは本当ですか?」

「今朝方、ジェイルのアジトが爆破されているのが確認された」

「左様、それによってジェイルが製作していた戦闘機人も全て失ってしまった」

「そして昨晩、戦闘機人事件を追ってそのアジトに潜入していたゼスト隊も

その爆破に巻き込まれわずか数名しか残らず全滅した」

評議会から緊急召集が入った。驚くべき事だった。あの広域次元犯罪者であり

我々の技術提供者でもあったジェイル・スカリエッティがアジトごと爆発し死亡したという。

個人的にはアジトだけが爆破してスカリエッティ自身はどこかへと行方を眩ましたのかと考えたが

評議会はスカリエッティが死んだと確信するものがあるらしいので

評議会がそう言うのであればそうなのだろうと結論付けた。

「ジェイルを失った事で我らの計画スケジュールを修正せねばなるまい。だがこれは容易ではないぞ」

「だが地上防衛兵器生産計画【アインヘリアル】については問題無かろう」

「しかしだ、あの男がいなくては戦闘機人計画、人造魔導師計画を実現できまい」

「左様、そして我らの希望、【聖王のゆりかご】の復活もな」

評議会は今後の計画のスケジュールについて話し出した。

ジェイル・スカリエッティを失った事で今まで進められていた計画が遅延するどころか

ほぼ中止になってしまう事態に評議会は動揺していた。

「レジアス、今後の事については追って通達する。以上だ」

「レジアス君、ご苦労だったね」

こうして慌しい評議会からの通信が終わった。評議会にとってあのジェイル・スカリエッティが

死んだことは衝撃的だったらしく儂も驚いたが、だがそれ以上に儂が気になったのは――

「ゼスト、お前は……」

昨晩にゼスト隊がそのスカリエッティのアジトに強行したということだった。

それによってお前はスカリエッティのアジトごと――

「ゼスト、お前はどこかで生きているのか……?」

「彼のことが気になりますか?」

「だ、誰だ!?」

「初めましてレジアス・ゲイズ中将。私の名はジュデッカ・ゴッツォ。隣の者はゼロという」

目の前には白い仮面と黒い仮面の二人がいた。

その二人は何かの仮装大会に出てくるようなふざけた格好をしていた。

それよりもセキュリティシステムが作動しなかった。一体どうやってここまで来たというのだ。

「ゼスト・グランガイツは生きている。彼は私が保護していますよ」

「何だと!」

ゼストが生きていた。その事実を聞いただけで儂は安心した。

――だがそれよりもなぜこいつらがゼストを……

「まさか、スカリエッティのアジトを爆破したのは――」

「そうだ、私だ」

儂の予想通り、スカリエッティのアジトを爆破したのはこいつららしい。

「ではスカリエッティを殺したというのは――」

「それも私だ」

やはりスカリエッティは殺されたようだ。評議会の言っていたことは正しかったようだ。

しかしまさかスカリエッティを殺した首謀者たちが現れるとは……。

これは一刻も早く評議会に報せなくては……

「取引しませんか、中将」

「取引……だと?」

「評議会の傀儡となったまま次元世界を支配し続け、その果てに滅び時を迎えるか。

それとも私達と手を組みこの混沌とした世界の新たな秩序の守護者となるか」























 キャラ紹介


・KOS-MOS Ver.1.1

登場作品:ゼノサーガ

ヤプール事件で突如海鳴に落下してきたKOS-MOSを

先生の管理局の技術と仁のユーゼスやギリアム、光の国の技術に

バニングス社と月村重工からの援助で改修した。

未来の技術なだけあってブラックボックス部分は解明しきれず、時間も無かったので

元に修復するのではなくVer.1にダウングレードする形となった。

しかし様々な技術によって改修されたので

以前のバージョンよりも性能が高くなっていることからこの状態をVer.1.1としている。

また時間を掛ければVer.4へと修復するのは可能である。

見た目はVer.1と変わりないが中身は大分変わっている。

全ての武装、エーテル兵器と質量兵器も含めて非殺傷設定が可能とされている。

(これは今後の兵器問題の為の試験を兼ねている)

ヒルベクト・エフェクトも健在で対機動兵器に有効な武装である。

さらに第三種兵装を用いれば相転移砲も使用可能

(本来はVer.2以降の実戦筐体に換装する必要がある兵装だが

Ver.1.1の筐体はVer.4の筐体なので装備できる)。

戦闘機人とは違って完全なアンドロイドであるが人と同じ人格を持っている。







 魔法、技紹介


・ヒルベルト・エフェクト

登場作品:ゼノサーガ

KOS-MOSに搭載されている武装。

機動兵器などの機械を停止させることができる。

またプログラムを組み直せば特定の機械だけを停止させることも可能。

本来の用途は、通常世界とは異なる位相空間に存在するグノーシスに対しての武装で

この効果により通常空間に固着されたグノーシスに対しては、通常兵器による直接攻撃が可能となる。

またKOS-MOSは単機で効果半径数百天文単位以上にも及ぶ

広域にヒルベルトエフェクトを瞬時に展開できる能力を持っている。






 デバイス、アイテム紹介


・零式突艦槍

元ネタ:零式斬艦刀(スパロボシリーズ)

大型の槍にいくつものブースターが取り付けられている。

試作デバイスなのでカートリッジシステム等のシステムは搭載されていない。

理論上では戦艦すらも一撃で落とす事が可能。

一応はゼスト用に製作されているので他の魔導師や騎士では

使いこなすのは困難なピーキーなデバイスである。

零式の名の通り突艦槍シリーズを製作中で現在は壱式を設計中である。






・笑えよ、○○

仁が発明した尋問用のアイテム。

一見唯の箱に見えるが目標をロックオンすると中から

マジックハンドが出てきて相手をくすぐり地獄へと誘う。

相手がどれだけくすぐりに耐性があろうとこのマジックハンドの指使いテクの前には無意味と言える。

最大モードだと感覚が麻痺したり脳内麻薬が分泌したりと色々とヤバイ状態に陥ってしまう。

まさに最終地獄である。

名前のネタはDBのセルがべジータに言った台詞から。






 設定紹介


・特殊戦技教導隊

元ネタ:スパロボOGシリーズ

戦技教導隊の前身に当たる部隊。

本局、地上本部問わず、優れた魔導師や騎士たちによって構成されたエリート部隊である。

メンバーにはアバン=デ=ジニュアール3世やゼスト・グランガイツに

ファーン・コラードなどが在籍していた。

後にアバンが除隊してからしばらくして解体されて今の特殊戦技教導隊が新たに発足された。














 あとがき?


KOS-MOS復活&無双。

ようやく再登場を果しましたKOS-MOS。

――でも登場シーンが少なかったような……。

まぁ復活したので今後出番があるでしょう。


ジェイル・スカリエッティ抹消。

これによりJ・S事件は発生しなくなりました。

無印編を書いてた頃では普通にJ・S事件をやるつもりだったんですけどね。


仁の変装姿はまんまユーゼスです。

ルルーシュのゼロ姿に対抗して着たようですが……。

ファッションセンスがおかしいだろう。常識的に(ry






[7126] A's to StSの06 最大の敵 前編
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/08/27 21:25



「この書類は中将に回して、これはルルーシュに、それで……」

「――仁」

デスクワークをしていたところにKOS-MOSから通信が入った。

「どうした、KOS-MOS?」

「キャリコ・O・ゴルドランがいらっしゃいました」

キャリコ・O・ゴルドラン? ――誰だっけ?

何だその黄金勇者的な名前は。――少しかっこいいではないか。

「貴方の部屋に通しますので宜しくお願いします」

そう言ってKOS-MOSは通信を切った。と同時に俺の部屋のドアがノックされた。

「どうぞ」

俺の許可を出すとその黄金勇者が部屋に入ってきた。

その部屋に入ってきた人物を見て――そう言えばそんな名前にしたなと思い出したのだった。












「君が送ってくれたデータからその座標を集中して探索したところ比較的早く見つけることができたよ。

そしてそれが――これだ」

ここへ持って来てくれたアタッシュケースを今まで仕事していた俺のデスクに置いた。

それは頑強な作りになって厳重にロックされているものだ。

それが音を立てながら開かれた。そしてその厳封されていた中身は――小さな勾玉だった。

「”真のブレイブアーク”を完成させる為の欠片だね」

「そうだ。超古代守護器の最後の希望――――【オリハルコンの勾玉】だ」

とりあえずこれで一つ目のピースを手に入れることができた。

「届け物が済んだ事だし私はこのまま地球を観光してこよう。――噂の翠屋も行ってみたかったしね」

「翠屋に?」

「娘達に頼まれててね。君達から聞かされた翠屋について大変興味を持ったようでね。

かく言う私もその店のシュークリームに興味を抱いていてね。なのでここで失礼させてもらうよ」

「――待て」

「何かね?」

お前さんが翠屋に行くというのであれば――みすみすそのまま行かせるわけにはいかない。

「翠屋に行くのなら――――俺らの分も買って来て」

実は最近、頭脳労働のしすぎで頭が上手く回らないのだ。こういう時は甘いものを食べるのに限る。

「成程、それならお安い御用だ。任せておきたまえ」

「では案内人兼護衛にKOS-MOSを付ける。くれぐれも騒ぎになるような真似はするなよ」

「もちろん分かっているさ。では行って来るよ」

「いってらっしゃい。――――ドクター」























ウルトラでカオスなリリカル戦記


A's to StSの06 最大の敵 前編



















ヤプール事件から2年経過した。その間にこちらはお仕事で大忙しな日々を送っていた。

だが今日から久々にのんびりできるようになったので久々に海鳴にやって来たのだった。

逆にルルーシュの方は忙しくて俺だけこちらにやって来たのだった。


「開かずの間?」

「うん。本局のどこかにその場所があってそこには大昔の質量兵器が保管されているって噂されているんだ」

「ふうん、でも別にそれがあっても不思議じゃないだろ」

「でも禁忌とされているものだったら解体したり処分されているんじゃないかな」

「まぁ確かにそうだが、逆にうかつに手を出せないから保管、封印しているんじゃないか」

解体するとドッカーンはものだってあるかもしれないし。大体、訳分からないものを弄くろうとは思わないし。

「つうかそんなアホな噂を喋っている暇があるなら勉強に集中しろよ」

こうして雑談しているが本当はフェイトの勉強を見ているのだ。

もうすぐ執務官試験が始まるのでフェイトは最後の追い込みをかけていたのだ。

だが俺がこっちに帰ってきたので折角帰ってきたんだから勉強はあとにすると言ったが

俺のことはいいから勉強しろと言って説得し、今こうしてフェイトの勉強に付き合っているのだ。

「うぅ、そんなこと言わないでよ」

「こっちは勉強に付き合ってるんだからちゃんと勉強しろと」

「だ、だから勉強以外のことで何か話そうと――」

「だから俺のことはいいって。お前、人を気遣うほど余裕があるのか?」

「正直……余り余裕無いかも」

「は~、まったくそんなんだと試験落ち――」

「落ちるって言わないで!」

「ご、ごめん……」

気にしていたのか。いやでもフェイトよ、その言葉を自分で言ってるぞ……。









フェイトが勉強に集中してしばらく経過経った時――ピンポーン、とベルが鳴った。

「アリシアたちかな」

アリシアとアルフは勉強の邪魔にならないようにと散歩に出かけていたのだ。

ただアリシアは散歩に出かける前に――


「二人っきりにしてあげるからあとは頑張ってね~」

「マセガキが!」


なんてやりとりをしていたが俺は何もしていない。何故なら俺は紳士だからだ。

――べ、別にチキンだからといって何もできなかったわけじゃないんだからね!



「あっ、私が出――」

「お前はそこから離れずに居ろ!」

「うぅぅ、仁が意地悪だよぅ」

フェイトが何か言っているがそれを無視して玄関に開けに向かった。ドアを開けると予想通りに

散歩から戻ったアリシアにアルフ――だけではなく。

「やっほー、仁君。久しぶりやな」

「久しぶりだな」

はやてとザフィーラまで来ていた。

「はやてにザフィーラ。どうしたんだ?」

「いやな、私らが散歩中に偶然アリシアちゃんたちに会ってな。

今日仁君が帰って来てる言うからお邪魔しに来たんやけど」

「へぇ、そうだったのか」

「それにしても仁君は薄情やなぁ。帰ってきてるなら連絡ぐらいしてくれてもいいんやないか?」

「悪い悪い。急な帰国だったからさ。それにお前ら忙しいみたいだし

一応気を遣ったんだが。まぁ悪かったな」

「まぁええけど。ほんで二人してナニしてたんや?」

「……今の発音おかしくないか?」

お前まだ小学生だろ? そういうネタはまだ早いだろうが。

「何って勉強だよ」

「……フェイトちゃんのこういうとこを見ると自分が汚れた人間だって実感して悲しくなるわぁ」

「まぁ実際、お前はそういう汚れキャラだろ」

「失礼な! 私は――」

「でも勉強って言ってもその勉強をするまでが長かったけどな」

「無視された!? ……ふふふ、仁君見ない間に腕を上げよったな」

「勉強するまでって何してたのさ?」

「無駄話していた」

「無駄話って……。それで何の話をしたの?」

「本局というか管理局の噂話について」

「そ、それなら私も聞いたことあるで!」

スルーしていたはやてがハイハイ! と挙手しながら話に入ってきた。

そんなにこちらの話しに入りたかったのかよ。

「それで例えば?」

「ふふん、私の知っているネタは凄いで。なんと、あの管理局本局が変形したり合体したりするんやと!」

「変形? 合体?」

「え~」

「ないわ~」

「胡散臭そうな顔で見んな!」

いくらなんでもそれはデマだろ。いやだってあれが変形合体って想像できないし。

「じゃあ、一応聞くがあれが何に変形・合体するんだよ?」

「う~んと、確かお城だとか鳥だとかって話やったような……」

城や鳥って、ロボットではないのか……いやでもそんなものになってどうするんだ一体……。

他にもはやては聞いてもいないのに色々な噂話を話し出した。――別に俺はいいんだけどさ。

フェイト、興味津々に聞いているがお前は試験勉強はいいのかよと思った。























「なぁ仁君。例の件なんやけど」

ようやく本局にまつわる噂話が終わってフェイトの勉強を再開している中、はやてが話しかけてきた。

「ん? アレか?」

はやてから例の件と言うとアレだよな。

「何の話だい?」

俺とはやての話にアルフが絡んできた。

「ユニゾンデバイスの件だ」

以前からはやて頼まれていた話である。

「ユニゾンデバイスって、あのリインフォースみたいな?」

「そう、リインフォースのデータをベースにしてユニゾン機能を持った

デバイスの製作をはやてから頼まれていたんだ」

「それで調子の方はどうや?」

「順調だよ」

何せ俺とドクターによる合作なのだからな。アニメ本編以上の出来になることは確定的に明らかな事だ。

そのリインの製作はこんな感じである。












「おぉ、ドクター早速やっているのか」

リインを製作している研究室に入るとドクターが既にスタンバッていた。

「いやなに、古代ベルカの遺産であるユニゾンデバイスの製作に携われるのだからねぇ。

久々に研究意欲がわいているのさ」

そのドクターの顔はとても楽しそうに笑っていた。

「それでこのようにしてみたのだが、どうかね?」

そう言って設計図を見せてきた。ふむふむ成程。

「うむ、あとこれをこうしてみたらどうだ」

「ふむふむ」

「それでここをこうして……」

「ほう、成程いいねぇ」

「カカカ……」

「ふふふ……」

「貴方達なにをしているの……」

俺とドクターがハイになりかけてきたところを後から研究室に入ってきたプレシアに冷たい目で見られた。
























「ところで……なのははどうしてる?」

今ここにはなのはが居ない。まあなのはだけじゃなくシグナムやヴィータとかも居ないんだけど。

「今は任務中だって」

あの月村家での騒動以来あいつとは一度も会っていないし連絡も取っていない。

あれから何か変化は特に無いとフェイトからの連絡では聞いているが気になっている。

「そう言えばその任務ってヴィータも一緒に向かったんだよね」

「そうやで。あの二人が一緒なら問題無いやろ」

ん? ヴィータと一緒の任務。――ヤプール事件から2年後、StS本編の8年前……。

まさかその任務って――

「……その任務って一体どんな内容なんだ?」

「確か、ある座標におかしな重力反応が確認されてその調査だってヴィータが言っとったよ」

「おかしな重力反応?」























 ヴィータside


はやてたちに言われていた。もちろんなのはの様子がおかしい事はあたしにも分かっていた。

あいつ何だか焦っているようなそんな感じだ。

管理局からの仕事を一生懸命励み、実家での訓練などであたしら以上に働いていて

どう見てもハードワークだった。あたしは何度か休めと言ったが

あいつは――私なら大丈夫。全然平気だよ。としか言わなかった。

いつもの笑顔でそう言われてあたしはそれ以上何も言えなかった。










管理局からの任務で、ある座標でおかしな反応を感知してその場所を調査しになのはと向かったのだが

その場所に転送して来たあたしたちが見たものはとても驚くところだった。





闇の書の闇みたいな化け物というか、いわゆる怪獣のような奴らががわんさかいる光景だった。

だがそいつらは幽霊みたいに透き通って見えてただ宙を彷徨っていただけだった。

そんな不気味な光景を目の当たりにしたがそれ以外は何も無かった。

いやそれだけじゃなく他に一番の問題があった。

この場所に来てから管理局の方に連絡できずここから出る事が出来ずにいた。

とりあえず辺りを探索していたが宙にいる怪獣以外は何も見つからなかった。






「どこに行っても何も無いね」

「あぁ、どの場所で通信を試しても繋がんねえし」

この状況をどうしようかと考えてふと空を見上げたら――――

「なのは、あれ!」

あたしが真っ暗な空を見上げているとその空が青く光っているものを見つけた。

それはだんだん大きくなってそのままその青い玉のようなものは地面に落ちた。


「何……アレ?」











落ちてきたそれは――青い玉から2m位の大きさの黒い怪獣となってあたしらの前に立った。

「――――ゼットオォォォン……ピポポポポポポポ……」






















「何なんだ、コイツは?」

急に空から降ってきたそれはとても異質な感じがした。

敵なのか、何なのか分からないそいつになのはと警戒していたその時――突然そいつが消えた。

「消え――ガァッ!?」

突然目の前の怪獣が消えたと思ったら後ろから焼けるような熱い痛みが襲ってきた。

後ろを振り向いたらさっきの奴がそこに居た。どうやら奴の攻撃を受けたみたいだ。

「ヴィータちゃん!」

それにしても今の動き、フェイトみたいな高速移動か? いや空間転移か?

「レイジングハート」

『Accel Shooter』

なのはがあたしを担ぎな奴から距離を取りながら奴に攻撃を仕掛けるが奴はシールドを展開した。

アクセルシューターはそのシールドで防がれた上に粉々に砕け散った。

「シールド! でも魔力弾を砕くシールドだなんて」

奴のシールド能力に驚くが奴の動きを注意しながら

奴から一定の距離から離れたところで地面に降りてなのははあたしを降ろした。

「ヴィータちゃん、大丈夫?」

「あ、あたしは大丈夫だ。それより……あいつ相当やばいぞ」

油断していたとはいえ、あたしらの背後を取って攻撃してきた。

その上、あたしの騎士甲冑を破るほどの威力の攻撃。

「なのは、ここはひとまず退こうぜ。今の状況であんな得体の知れない奴を相手にするのは得策じゃねえよ」

実のところさっきの攻撃で大分ダメージを受けちまった。

戦えない事は無いが悔しいが今のあたしだとなのはの足手まといになっちまう。

ここは一旦退いて体制を整えたほうがいい。

「でもヴィータちゃん。ここを退いても状況は変わらないよ。

今の私達、管理局に連絡できないし応援も呼べないんだよ」

「それは分かってる。けど――」

嫌な予感がするんだよ。このまま戦ったら何か良くない事が起きそうな――そんな不安が過ぎるんだよ。

「……ヴィータちゃん、そのままじっとしてて。私一人でもアレを倒して見せるから!」

奴はさっきあたしらの背後に移動したような転移はせずに一歩一歩こちらに近づいてくる。

その動きとあの外見だけでなぜかとても不気味み思えた。

「お、おい、なのは!」

「もう私は二度と負けてられないの! だから!」

『Divine Buster』

なのははこちらに近づいてくる奴に向かって飛び、ディバインバスターを撃った。――だが

「今度はバリア!」

ディバインバスターが直撃する前に奴はバリアを展開してディバインバスターを完全に防いだ。

あのディバインバスターでもヒビ一つつかないなんて何て出鱈目な防御力だ。

「だったら……レイジングハート、エクセリオンドライブ!」

『Ignition』

「魔力弾はシールド、砲撃はバリアで防がれるなら……」

『A.C.S standby』

「エクセリオンバスターA.C.S……ドライブ!」

レイジングハート・エクセリオンの瞬間突撃システム「A.C.S」を展開しなのは突撃した。

だが奴は再びバリアを展開しその攻撃を防いだ。

「ピポポポポポポポ……」

あの攻撃でもバリアを貫通できない。この攻撃が駄目ならあとはスターライトブレイカーで

バリアごと破壊するしかねえが、けどそれにはチャージするための時間が必要だ。

だが奴が律儀にそれを待ってくれるとは思えねえし。だとするとこの攻撃が通用しなかったら

「くっ、レイジングハート……カートリッジ、ロード!」

カートリッジロード、今装備しているマガジンを破棄し新しいマガジンを装備し直しさらにロードする。

そんなことをすれば多大な負荷が掛かるというにも関わらずなのはは躊躇することなくそれを為した。

その成果か、やっと奴のバリアにヒビが入った。

「あ、あと……少し……」

そのヒビを中心にヒビが広がっていき――そしてついにバリアを破った。

「ブレイク……シューーート!」

バリアを突破し、なのははそのままゼロ距離射撃をぶちかました。










「やった……?」

エクセリオンバスターをもろに直撃し倒した、或いはそれなりのダメージを与えた――と思っていた。

「そ、そんな馬鹿な!?」

だけど奴はエクセリオンバスターを胸で受け止め吸収していた。

あの強固なバリアをようやく突破したと思ったら今度は砲撃を吸収する能力があるなんて

いやそれだけじゃない、吸収したエネルギーがそのまま増幅されて――

「なのは避けろ!」

あたしがそう叫んだと同時にそいつはその光線を撃ち返し、なのはがその光線に直撃した。

「なのはぁぁぁーーーー!!」























 キャラ紹介


・キャリコ・O・ゴルドラン

通称、ドクターと呼ばれている科学者。

仁達が進めているいくつかの計画に携わっている重要人物。

その正体はジェイルスカリエッティ。つまりこの名前は表に出る際の偽名である。

戦闘機人事件で評議会から死亡と断定されていたが実は生きていた。

ドクターの体内には誕生する際に評議会によって刷り込みや発信機を

植え付けられていたが仁によってその呪縛から解放された。

仁側についたのは大まかに言えばナンバーズ全員を誕生できたり

技術提供し合ったり色々と面白いイベントを見せてやるからなどと

言われてホイホイと付いてきたらしい。

なのでギアスで従わせているわけではない。

ドクターの偽名は仁が中の人から考えて付けた。Oはオレンジの略である。

名前を変えたが身内の者からはドクターと呼ばれている。





・宇宙恐竜オメガゼットン

元ネタ:ウルトラシリーズ

過去に登場した全てのゼットンの能力を持った。最強のゼットン。

「ゼットン」という名には、ラテン文字の最後の文字「Z(ゼット)」と

50音順表記で最後に記載されるカナ「ン」に

さらにギリシャ文字の最後の文字「Ω(オメガ)」を組み合わせた。

初代の能力をベースにパワード版の技巧、マックス版の圧倒的なパワーと防御能力、

さらに大怪獣バトルNEOに登場するEXゼットンの必殺技と

ウルトラシリーズに登場したゼットンのほぼ全ての能力を有する

文字通り最終・最強の怪獣という意味が込められている。

余談ではあるがオメガはFFシリーズに登場する最強クラスのモンスターの名前でもある。


以下、ゼットンの能力である。


・テレポート

登場作品:ウルトラマン、ウルトラマンメビウス

瞬時に空間を移動できる。平行世界は無理だが次元間転移は可能。



・電磁バリヤー

登場作品:ウルトラマン、ウルトラマンメビウス

ウルトラマンの”八つ裂き光輪”を防いだ前面バリア。切断系や光弾系の攻撃に対して使用する。



・光線吸収板

登場作品:ウルトラマンパワード

胸の吸収板で光線を取り入れる。また強化して射ちかえすことも可能。



・ゼットンシャッター

登場作品:ウルトラマンマックス

オートで作動する全身を包み込む強力なバリア。

ウルトラマンマックスの必殺光線である”マクシウムカノン”でさえ

ひびをつけるだけで破壊することができなかった。



・ゼットンスパーク

登場作品:帰ってきたウルトラマン

体への直接攻撃をはじき返す電撃。

ウルトラマンジャックとの格闘戦で使用しジャックを苦しめた。



・ゼットンナパーム

登場作品:帰ってきたウルトラマン

手先から発するミサイル。



・エネルギー弾

登場作品:ウルトラマンパワード

両腕からエネルギー弾を発射する。ウルトラマンパワードを吹っ飛ばすほどの威力。



・ゼットン火球

登場作品:ウルトラマンシリーズ

口から火球を放つ。連続で発射可能。通称”一兆度の火球”。

実際に一兆度というわけではない。



・ゼットンファイナルビーム

登場作品:ウルトラマン、ウルトラマンメビウス

両腕で光線を吸収、何倍にも強化して反撃する波状光線で射ちかえす。

ウルトラギャラクシー大怪獣バトルに登場したゼットンは吸収しなくても波状光線を撃つことができる。



・トリリオンメテオ

登場作品:大怪獣バトルNEO

ゼットン火球を超える強力な火球。本来はEXゼットンの技。

最上級技に”100トリリオンメテオ”という一兆度を超える100兆度の火球という技がある。






 アイテム紹介


・オリハルコンの勾玉

元ネタ:平成ガメラ

太平洋のある座標の海底から発見した勾玉。

材質はオリハルコン。または”ヒヒイロカネ”。

”未知の金属”や”神の金属”と呼ばれている世界最硬を誇る金属である。

この勾玉はウルティメイトカオスウォーズで消滅したガメラの遺産で

仁曰く、”真のブレイブアーク”を完成させるのに必要な欠片の一つらしい。























 あとがき?


やあ (´・ω・`)

ようこそ、「ウルトラでカオスなリリカル戦記」へ。

この翠屋のシュークリームはサービスだから、まず食べて落ち着いて欲しい。



うん、またウルトラマンネタなんだ。済まない。

仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。



でも、この話のラストを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない

絶望感みたいなものを感じてくれたと思う。

平和に見えたこの日常の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい

そう思って、このゼットンを出したんだ。



じゃあ、注文を聞こうか。




というわけで宇宙恐竜ゼットン登場。

またウルトラマンネタで申し訳ないです。(とは言ってもまだまだそのネタはやる予(ry )

ゼットンの他に何か無いかと考え、4話に出たメイド関連で「最強の土方」を出そうかと考えましたが

あれって最悪、赤屍さん並みに化物なので却下し、結局他に思い浮かばなかったのでこうなりました

(ホントは某動画サイトで見た歴代のゼットン集動画を見たのが原因ですけどね……。

ゼットンの能力を詳しく知りたい方は探して見てみるといいかも)。

とは言えこのゼットンもめちゃくちゃチートすぎですが、ぶっちゃけどうやって勝てと……。


そしてやっぱり生きてた我らがドクターの登場。

評議会や管理局の目から死亡したと思わせるために

仁はジェイル・スカリエッティを抹消したというわけです。

だってこんな素晴らしいキャラを退場させるなんて勿体無い!

今後のドクターは色々と活躍してくれると思います。









[7126] A's to StSの07 最大の敵 中編
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/08/29 20:41



「なのはたちと連絡がつかないって本当?」

「そうなんや、一体何でなんやろう」

「……」

アインストの反応は無い。俺は今までアインストの空間転移を探知するレーダーを作って

それを常時作動しているのだがまったく反応が無い。つまりアインストは現れていないということだが。

だが今現在、なのはとヴィータの二人で任務を受けてその二人とは音信不通。

しかもその座標へと転送できないという事態になっていた。

「なのはたちが向かったところってどこか分かるか?」

「えっと、ヴィータに教えてもらって――確かここや」

「これは――ウルトラゾーン」

この反応はまさしくそうだ。俺の持つ知識に該当する。

「もしも二人に何かあったら……」

二人の安否を心配しているフェイトとはやて。

――現状でその場所へ行けるのは俺とロールアウトしたばかりの{ディナ}だけだろうな。

だが今直ぐに出られるのは――

「……仕方ない。迎えに行って来る」

「へっ?」

「座標さえ分かれば問題無い」

「え、でも仁。どうやって?」

「心配するな。すぐに戻る」

そう簡潔に告げて俺はそそくさと部屋から出てからテレポーテーションでその場所へと向かった。























ウルトラでカオスなリリカル戦記


A's to StSの07 最大の敵 中篇























「――――ゼットオォォォン……ピポポポポポポポ……」

「何なんだ、コイツは?」

ヴィータちゃんが見つけた空から降ってきたそれはとても異様な感じがした。

敵なのか、何なのか分からないあの黒い怪獣のようなものを警戒していたその時――突然その怪獣が消えた。

「消え――ガァッ!?」

横に居るヴィータちゃんを見ると背中に炎の玉を受けていた。

後ろを振り向けばそこにはさっきの怪獣が立っていた。

「ヴィータちゃん!」

私はヴィータちゃんを担いでここから離れる。

「レイジングハート」

『Accel Shooter』

同時にあの怪獣にアクセルシューターを放つ。けれど怪獣はシールドを展開して

アクセルシューターを防いだ上にシューターが粉々に砕かれてしまった。

「シールド! でも魔力弾を砕くシールドだなんて」

あのシールド能力に驚きながらも怪獣の動きを注意しつつ

一定の距離から離れたところで地面に降りヴィータちゃんを降ろした。

「ヴィータちゃん、大丈夫?」

「あ、あたしは大丈夫だ。それより……あいつ相当やばいぞ」

大丈夫って言うけど、ヴィータちゃんの騎士甲冑が損傷しているんだから大丈夫なわけないよ。

「なのは、ここはひとまず退こうぜ。今の状況であんな得体の知れない奴を相手にするのは得策じゃねえよ」

「でもヴィータちゃん。ここを退いても状況は変わらないよ。

今の私達、管理局に連絡できないし応援も呼べないんだよ」

現状私達はここから出られない。逃げても多分さっきの転移で追ってくるに違いないよ。

「それは分かってる。けど――」

ヴィータちゃんは苦々しい顔をしていた。

多分さっきの攻撃を受けてまともに戦える状態じゃないんだろう。

でもヴィータちゃん大丈夫だから。

「……ヴィータちゃん、そのままじっとしてて。私一人でもアレを倒して見せるから!」

転移せずに一歩一歩こちらに近づいてくる怪獣。まるでいつでも私達を倒せるぞと余裕に見えた。

けれど私は負けない。ヴィータちゃんは私が守る。

「お、おい、なのは!」

あの時のような惨めな思いをしたくない。だからあの怪獣は私が倒してみせる。

「もう私は二度と負けてられないの! だから!」

『Divine Buster』

こっちに近づいてくる怪獣に向かって飛び、ディバインバスターを撃った。――けれど

「今度はバリア!」

ディバインバスターが直撃する前にバリアを展開してディバインバスターを完全に防いだ。

私のディバインバスターでもヒビ一つつかないなんて何て防御力なんだろう。

「だったら……レイジングハート、エクセリオンドライブ!」

『Ignition』

あの怪獣には生半可な攻撃は通用しない。だとすれば全力全開で戦うのみ!

「魔力弾はシールド、砲撃はバリアで防がれるなら……」

『A.C.S standby』

「エクセリオンバスターA.C.S……ドライブ!」

レイジングハート・エクセリオンの瞬間突撃システム「A.C.S」を展開して突撃した。

だけど再びバリアを展開して防がれる。

「ピポポポポポポポ……」

この攻撃でもバリアを貫通することができない。――けど諦めない!

「くっ、レイジングハート……カートリッジ、ロード!」

カートリッジロード、今装備しているマガジンを破棄し新しいマガジンを装備し直しさらにロードする。

そんなことをすれば多大な負荷が掛かるけど私は躊躇わずロードする。

そしてついにバリアにヒビが入った。

「あ、あと……少し……」

そのヒビを中心にヒビが広がっていき――そしてついにバリアを破った。

「ブレイク……シューーート!」

バリアを突破し、そのままゼロ距離射撃を放った。










「やった……?」

エクセリオンバスターは確実に直撃した。それなりのダメージを与えた――と思った。

「そ、そんな馬鹿な!?」

だけどエクセリオンバスターはあの怪獣に吸収されていた。

ようやくバリアを突破できたと思ったにまさか今度は砲撃を吸収する能力があるなんて

いやそれだけじゃない、吸収したエネルギーがそのまま増幅されている。これって――

「なのは避けろ!」

ヴィータちゃんが叫ぶ。けど今の私はこの状況からあの時と同じ恐怖を思い出してしまった。





死んじゃう。





あの時、神父さんと対峙した時と同じ死の恐怖が襲い掛かってきた。

――嫌だ。死にたくない。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。

それをこっちに向けないで! こっちに来ないで! 私を殺さないで!

死ぬのは――――いやぁぁぁぁーーーー!!




「なのはぁぁぁーーーー!!」





ドクン




ヴィータちゃんが叫んだと同時に何かが胎動するような音が聞こえた。

そして私は撃ち返された光線に直撃した。





















気がつくと体が痛みを訴えかけた。私……生きてるの……?

「おい――大丈夫か――なのは?」

私を呼ぶ声が聞こえた。目を開けるとそこには――

「仁……君……」

あぁ、そうか。またなんだ。また仁君が助けてくれたんだ。

死なずに済んでよかったと安著したと同時に私は――




――余計な真似を




と暗く妬ましい感情を抱いてそのまま意識を手放した。


 side out























「な、なのは!」

「大丈夫、気を失っているだけだ。直前で防御して直撃は避けられたみたいだ」

「そうか……よかった」

確かにその程度で済んでよかった。――けどあの攻撃でその程度で済んだことに俺は違和感を覚えた。

まぁ今は深く考えるのはよそう。今は――

「――ゼットンか」

アインストではなくまさかコイツが出てくるのはどういうことなんだろうか。

だが相手がどうであれ結果的になのはが墜落されたという事象が成り立ってしまった。

歴史を変えることは出来なかった。なのはの墜落を止める事ができなかった。――くそっ。

「……仁。お前どうやってここに?」

思考している最中にヴィータから疑問を投げ掛けられた。

「詮索するのは後にしてくれ。まずはアレをどうにかしないと」

ゼットン。今はこちらを見ているだけで何もしてこない。――それがとても不気味だった。

「しかしよりにもよってゼットン相手によく持ち堪えたな」

正直アレが相手ならまだアインストの方がマシだと思うよ。

「お前、アレを知っているのか?」

「まあな。アレは俺からすればまだ最悪ではない。――けどあれは俺の中では最強の存在の一つだ」

何せあのウルトラマンを圧倒するほどの能力なんだから。

「……となると馬鹿正直に戦う事も無いだろう。退くぞ」

「なに?」

そう結論して、早々にここから脱出するためなのはたちと共にテレポーテーションを使用した。





















「――な、に?」

テレポーテーションが使えない、というか発動しない。

「ど、どうしたんだ?」

来た時は何も問題無かったのにどういうことだ?

「ピポポポポポポポ……」

――まさかゼットンを倒さないとここから脱出できないということなのか。

ゼットンは先程からと変わらずに動かずこちらを見ているだけだった。

まるでこちらの準備が済むまで待っててやると言わんばかりだ。

あのゼットン、恐らくは何者かによって送り込まれたゼットンだろう。

俺は最初はあの悪魔が復活して復讐するために送り込んだと推測していたんだがそうでは無さそうだ。

奴ならば極めて卑劣かつ人間の憎悪や猜疑心を利用して狡猾な作戦を立ててくるはずだ。

だが今のこの状況が俺が推測したとおりならばこれはゲーム、遊びだ。

――ふぅん、成程。この程度の脅威も乗り越えられないようなら自分を打倒することはできないという

奴からのメッセージか。だとするとあのゼットンはメッセンジャーでありボスキャラというわけだ。

ゼットンをメッセンジャー、中ボス扱いにするとは、全く。

だが今の状況などから分かった事がある。それは――

奴はどうあっても過程はともかく結果的に世界を記された歴史の通りに辿ろうとしているのだと。

例えば戦闘機人事件が発生した。だが俺たちによって本来の歴史とは違い、

ゼスト隊は一部を除いて全滅。或いはMIA扱いとなっている。

またジェイル・スカリエッティは死亡となった。

実際のところはゼスト隊は全員生存していてドクターも生きている。これは本来の歴史とは若干違っている。

けどそれについて揶揄は何もアクションを起こしてこない。

それは奴にとっては取るに足らないことなのだろう。戦闘機人事件は起きたという結果があるからだ。

その結果がある以上は他の事など些細な事なんだろう。

となると奴が記された歴史を辿るとするとドクターがいなくてもJS事件は別の形で起きる。

――ラヴォスが目覚めるのとは別にだ。

なぜそう断言できるかと言うと以前カリムの預言を見せてもらったが

それは未完成だったが既によくない兆しのような事が記されていた。

その内容は戦闘機人事件後、ドクターをこちら側の陣営に移ってから再び見ても記述に変化は無かった。

となるとStSで地上本部襲撃事件はジェイル・スカリエッティに代わる

新たな役者が舞台に登場することになるのだろう。

ついでに言えば今回のなのは墜落の件もドクターがこちら側の人間になって

アニメ本編みたいにガジェットⅣ型が襲撃することは無くなった。

あとはアインストの問題だと思っていたのだが――ここでゼットンを送り込んでくるとはな。

ただ少し疑問なのがアインストをゼットンに変更したのはどういった意図なのかということだが――

いや今は考えるのはよそう。今は目の前の奴を倒してここから出ることを考えないと。

だが奴と戦うと言っても今ここにいるのは俺となのは、ヴィータの三人だ。

なのははさっきの攻撃で気を失っている。ヴィータは既にダメージを受けて戦えない状態、だとすると――

「はぁ……俺がやるしかないか」

「お前、まさかアレと戦う気か!?」

「ここから出るにはアレを倒さないといけないみたいだからな」

ヴィータと話しながらGN-001を起動。折りたたんでいた剣を展開する。

「はぁ? 何言ってんだよ。アレを倒したら出れるって……そんなゲームじゃねえんだから」

「いいや、今お前が言ったとおりそのまんまなんだよ。これはゲームだよ」

「はっ?」

そう、奴にとってこれはゲームに過ぎない。――相変わらず舐めた真似をしやがる。

ホント、あの野郎はヒトを嘲笑って、見下ろして――――俺の仲間をこんな目に遭わせやがって!

「何時までも舞台の監督を気取ってんじゃねえよ――混沌がぁ!」

「――――ゼットン……ピポポポポポポポ……」

俺がゼットンに向かって行くと同時にゼットンも動き出し得意の火球を撃ってきた。

「はぁぁっ!」

俺を目掛けて飛んでくる火球を全て切り払いながら前へと進む。

「うおぉぉりゃぁぁぁ!!」

奴に飛び掛って剣を振り下ろす。

だが直前に奴はバリアを展開する。けどそのバリアごと切り裂くつもりでそのまま剣を振り下ろした。






バリアを切り裂こうと触れたら剣は折れてしまった。

今のバリアは電磁バリアー。とするとこいつは初代版。そう分析しつつその場から後退した。

ふと折れた剣を見てみると――なんと刀身が溶けかかっていた。

火球を数度切り払っただけでこの様になるとは流石”一兆度の火球”と言われているだけのことはある。

「ちぃっ」

再びゼットンが火球を撃ってくる。後退しつつ盾で火球を受け続けるが

やがてその盾もまた溶け出し使い物にならなくなってきた。

「もうやめろよ。お前戦う力を失ってんだろ!」

武器を待機状態に戻して

「そうだ。――――けどそのヘタな芝居もここまでだ」

あの野郎どころか赤屍にもバレてたし、それにこの状況で出し惜しみなんてそんな余裕も無い。

俺は懐から――ブレイブアークを取り出した。

「ブレイブーー!」

そう叫び変身すると以前とは違い赤いマント、ウルトラマントは身に着けておらず。

銀色を基調としたジャケットは変わらず、しかしその胸には――青い宝石のようなものが付いた姿となった。























 はやてside


「仁は力を失っているんだよ!」

「とりあえず落ち着いて、フェイトちゃん」

「落ち着いてなんて居られないよ! 私もその場所に行く」

仁君が一人でなのはちゃんたちの下に行ってからフェイトちゃんはずっとこんな調子や。

私が落ち着くよう必死に止めているんやけど止まらない。

アリシアちゃんはアリシアちゃんで何か考えとるし。それよりもこっちを手伝ってほしいんやけど。

するとアリシアちゃんは考えが終わったのかこちらを向いた。

「はぁ~。ねぇ、フェイト。実は仁は皆に嘘をついていることがあるんだよ」

「……嘘?」

「そう。嘘なんだよ。仁が力を失っていたというのは」

「――――えっ?」

「そ、それホンマなの、アリシアちゃん?」

「そうだよ。ブレイブの命を失っただけで全ての力を失うはずが無いんだよ。

仁が元々持っていた力まで無くなるなんてそんな事あるわけないんだよ」

た、確かに仁君は元々力を持っていたもんな。

じゃあどうしてそんな嘘をついていたんや……?

「……ねぇ、アリシア」

「なぁに?」

「どうしてアリシアはそのことを知っていたの?」

どうしてアリシアちゃんはそのことを知っていたんや。

「うん? あ~」

アリシアちゃんの顔が一瞬腹黒く見えたような気がしたんやけど、気のせい?

「実は先日ね。仁と――デートした時に聞いたんだ」

「!? デート……」

それを聞いてフェイトちゃんはまさに驚愕していた。いや私も勿論驚いたけど。

アリシアちゃん、私らが知らない間にそんなことしてたなんてやるやないかぁ――――って!?

「ふぅん……そうなんだ……」

フェイトちゃんの周りに電気がビリビリと出てんやけど。

「仁には帰ってきたら……OHANASHIしないと……ね」

ちょっ、フェイトちゃん。ちょっとO☆TI☆TU☆KE

ほらアリシアちゃん、陰で笑って「計画通り」なんて言ってないで自分の妹を止めてって。

それからフェイトちゃんを止めるのに私は四苦八苦していた。

止めたことは止めたんやけど――――仁君帰ってきたら修羅場やで。覚悟しときいや。


 side out























「デアァ!」

懐に入り正拳突きを当てる――――か、硬い……

ゼットンの体はとても頑強で殴った俺の拳がダメージを負う。

だが俺は負けじとチョップ、膝蹴りを繰り出すがゼットンには全く微動だにしない。

するとゼットンは腕を振り回して攻撃してくるがそれを避けつつ裏拳を放つがガードされる。

間髪入れず回し蹴りを放つもそれも簡単に受け止められてしまう。

「ガッ!」

俺の攻撃は完封されそこにゼットンが俺の胸に手を突き出した。

それを受けただけで俺は吹き飛ばされ倒されてしまった。

「なろう、メガスペシウムバスター!」

すぐさま立ち上がって光線技をゼットンに向けて撃つ。

初代のファイナルビームは増幅して撃ち返すのに時間が掛かる。だからその隙に――って!?

俺の光線を増幅せずにそのまま反射してきやがった。――今のはパワード版の吸収能力。

その撃ち返された光線を紙一重で何とか避けた。

「何だよ! この厨スペックなゼットンは!」

初代の能力どころか別個体の能力も有しているなんて、何てインチキなんだ。

そう思いながらももう一度ゼットンに接近して

懐に入りゼットンを持ち上げる。そのまま高速回転させながら空中へほうり投げた。

「ウルトラハリケーン」

そしてすかさずメガスペシウムバスターを放った。一応この技はかつてのゼットンを倒した技だ。

宙に投げ飛ばされたゼットンはその状態だと反射能力が使えない。

なのでその隙に光線を撃った。











――しかし光線が当たる瞬間、ゼットンが消えた。

「!? くっ」

直感で振り向かずに横へと緊急回避を取るとその直後に今居た位置に火球が通り過ぎていった。

その火球が放たれた方へ目を向けるとゼットンが立っていた。

「ウルトラハリケーンも通用しない……か」

打撃はあの頑丈な体には通用しない上に見切られているし、切断系やらは電磁バリアー、

光線技は反射能力、空に飛ばして反射能力を無効にしても今度はテレポーテーションで回避する。

「パーフェクトだ。――とゼットンが味方側だったら育成した奴に言ってやりたいな」

きっとバット星人ではこうはいかないだろうな。

「さて、どうするか」

――残りの時間があまり無い。援軍も来ないだろう。

こんなことになるならフェイトやリインフォースたちも一緒に連れて来るべきだったな。

まあ今さらそんなことを言ってもしょうがない。

――ここは勝負に出るしかないな。

「……まだ試作段階のものだけど、使わなきゃ勝てないよな」

見せてやるぜ。今の俺の最大の力をな。

「――メテオール解禁! パーミッション・トゥ・シフト・マニューバ!」

俺の全力モード、マニューバモードに移行するための起動パスワードを唱えた瞬間、

まるで体が金色に光っているように見えるだろう。だがこれは以前のグリッターバージョンとは別物。

あれはそのまま体が発光しているのに対してこれは俺の体全体に金色の粒子をまとっていてそう見えるのだ。

そしてその効果は言ってみればStSのブラスターモードのようなものだが

それとは違い大きな負荷がかかるわけでもない上に

ウルトラマンと同等以上の力を発揮することができるというものである。

だがそれは人の力を遥かに超えた力なのでブレイブ無き

今の俺にはその力を上手くコントロールできるわけではないので暴走しないように集中しなくてはならない。

その上――

「メテオールの……制限時間は……ジャスト、一分。くぅ……一気に……片を、つける!」

ゼットンへ駆け出した。先程までとは比べ物にならないほどのスピードで。

「ファンタム・アビエイション」

残像が発生する高速機動を用いて俺の残像に囲まれたゼットンはどれが本物か分からないのか

それぞれの残像に火球を放つ。つまりゼットンがこちらの動きについてきていない。ならその隙に仕掛ける。

「ブリンガーファン」

怪獣すら巻き上げる強力な竜巻をゼットンの背後から放つ。

――しかしその不意打ちは全身を包み込むバリアによって無効化された。

「今度はゼットンシャッターかよ。――だったら」

ブリンガーファンを止めて手を銃の形にしてゼットンに向ける。

「ゼットンシャッターだろうが、これで――キャプチャーキューブ照射」

キャプチャーキューブのエネルギーをビーム状にしてゼットンシャッターに照射する。

本来はバリアを生成するためのものだがそれをビーム状にしてバリアに向けて撃つと

「バリアが剥がされてるのか!?」

ヴィータの言うとおり照射されたバリアの部分からそのビームによって

中和されていく。そのまま照射し続けるとバリアを消す事ができる。

「あと、ちょっと、いっけぇぇぇ!」

そしてついにゼットンシャッターを消すことができた。

「これで終わりだ! スペシウムトライデント」

ゼットンシャッターが消えた直後にスペシウムエネルギーの光弾を左右に展開する。

「マキシマム……シュート!」

計6発の光弾を放った。全弾命中すれば本家本元のスペシウム光線と同じ威力になる。

バリアの無い今のゼットンならそれをまともに受ければ流石に倒せなくても

かなりのダメージを与えられるはずだ。









――だが俺は驚愕した。

「なっ!?」

スペシウムトライデントはゼットンの火球によって全て撃ち落されてしまった。

バリアを剥がされて隙ができたと思ったのにまさか全弾撃ち落されるとは

ここまでこちらの行動に対応してくるなんてあのゼットンどこまで隙が無いんだ。

「だったら、今度は――!?」

別の方法を用いようとした瞬間――マニューバモードが突然解除された。

制限時間はまだ経っていない。まだ30秒程度しか時間が経っていないのに。

「……試験運用前のシステムなんてやっぱ信用できない……か」

次からはちゃんと完成してから使おうとそう反省していると、

ピコーン、ピコーン、ピコーンと胸の青い宝石――カラータイマーが赤く点滅を始めた。

「や、やばい……カラータイマーも鳴り始めたし、これはまず――」

今のブレイブアークの力は不完全なものでその力は以前とは違って制限時間付きとなっている。

それにエネルギーの消耗度も高くなっているので直ぐにエネルギー切れとなる。

俺があまり先立って戦わなくなったのはそういった理由もあったからだ。

そんな今の俺に無情にもゼットンが火球を撃ってくる。

「ウルトラクロスガー――ガハッ」

両手を交差させて敵の攻撃を防ぐウルトラクロスガードが破られ後ろへと倒れた。

「がぁぁ!」

起き上がろうとするが背後に火球を撃ち込まれ倒れ伏してしまう。

「ぐぅ……がぁ……」

今の攻撃を受けて立ち上がることが出来ない。

さらに――ピコン、ピコン、ピコン、とカラータイマーの点滅が速くなっている。

「ゼットン……ピポポポポポポポ……」

「……な、何だ。あのでかい火球は!?」

ゼットンが自身と同じ位のサイズの火球を作り出している。

俺はゼットンにあんな技が使えるなんて知らないぞ。

「ピポポポポポポポ……」

そしてその巨大な火球を俺目掛けて撃ってきた。俺は動く事が出来ずその大きな火球の赤い光に包まれた。

「ぐ、ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」























 技紹介


・メガスペシウムバスター

元ネタ:ウルトラマンパワード

両腕を十字に組み、エネルギーを集中させて、腕全体から放つ必殺光線。

その威力はスペシウムバスターの5倍だがオリジナルのスペシウム光線にはまだ及ばない。





・ウルトラハリケーン

元ネタ:帰ってきたウルトラマン

敵を担ぎ上げ、高速回転させながら空中へ投げる。

この直後、相手に対しスペシウム光線でとどめをさしている。





・ファンタム・アビエイション

元ネタ:ウルトラマンメビウス

分身のような機動で相手を翻弄する。





・ブリンガーファン

元ネタ:ウルトラマンメビウス

怪獣すら巻き上げる竜巻を生み出す。





・キャプチャーキューブ

元ネタ:ウルトラマンメビウス

本来はドーム状のバリアを発生させるものだが

今回は相手にビームとして照射しバリアを中和して無効化させようとした。






・スペシウムトライデント

元ネタ:ウルトラマンメビウス

3発のスペシウムエネルギーの光弾を左右から同時に発射する。

理論上では計6発の光弾を全弾命中させればスペシウム光線と同等の威力になる。





・ウルトラクロスガード

元ネタ:ウルトラセブンなど

両手を交差させて敵の攻撃を防ぐ。別名”ウルトラVバリヤー”。







 設定紹介


・ウルトラゾーン

登場作品:ウルトラマンなど

宇宙に存在する無重力地帯。詳細は不明。

そのウルトラゾーンにはウルトラマンたちによって倒された怪獣たちが

彷徨っているという怪獣墓場が存在する。

宇宙を航行している間に何時の間に進入していたり、ワームホールから進入しなければ入れないなど

ウルトラゾーンの発見や進入の方法はよく分かっていない。







・ブレイブモード

ブレイブを失ったことから力も失ったと言っていたが実際にはその力は健在だった。

しかしブレイブの命が無いことやかつての地球環境と違う事などの理由から

たった3分間しか活動することができなくなっていた。






・マニューバモード

元ネタ:ウルトラマンメビウス

1分間しか使用できない切り札。使用時は体全体を金色の粒子をまとう。

ブレイブアークの真の力が使えないことからその力に代わるものとして開発した。

オリジナルのマニューバモードと違ってこのモードでは

理論上、ウルトラ戦士と同等の能力を有するようになる。

まだ試作段階の未完成のもので今回の戦いでは30秒しかその状態を維持できなかった。

これが完成すればバルディッシュにも搭載される予定である。

他にもレイジングハートや他のデバイスにも搭載するつもりである。













 あとがき?


ゼットン無双回。

これがゼットンの絶対防御だ! と言わんばかりの実力でした。


仁について補足説明

仁は現実世界の3月6日に死亡してこちらの世界に戻ってきたのでその日付以降の情報は持ち得ていません。

なのでEXゼットンの能力を知らないわけです。(さらに言うと大怪獣バトル自体もあまり知りません)

他に例を挙げると新劇場版:破も当時はまだやっていないので知りません。

もし万が一、新劇場版の使徒が現れたら仁は涙目になるでしょうね。








[7126] A's to StSの08 最大の敵 後編
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/09/21 22:20



 ルルーシュside


「もうじき夕飯ができるから用意をしてくれないか」

「わーい、ご飯だー」

「ほらスバル、お皿並べるの手伝って」

戦闘機人事件後、俺はナカジマ家に行き来していた。

あの事件の生き残りであるクイントは足を負傷して前線に出る事が出来なくなり

管理局を辞めて専業主婦になった。――という筋書きになっている。

実際には足は確かに負傷したがKOS-MOSからもたされたナノマシンの治療技術で完治していて

元気である……というか元気すぎる。

とても二児の母親とは思えないほどでまだまだ現役バリバリだとは本人の弁だ。

とは言っても俺の母親のマリアンヌもこんな感じだったというかこれ以上だったので

別に驚く事でもなかったなと後で思い直した。

それで俺がここに居るのは事件の生き残りであるクイントに対し

評議会から何らかのアクションを起こすのではないかと警戒しクイントの身辺警護と

評議会の動きを監視を目的としてここにいる訳だ。

その事はクイントの夫であるゲンヤ・ナカジマにも事情を話している。

妻の命を救ってくれた上に負傷した足を治してくれたことから信用してくれたようで

この事は他言無用にして貰っている。

当初クイントはゼストやメガーヌなどの他のゼスト隊同様にMIA扱いにしようとしていた。

先程述べた評議会などの面倒事が無くなるからだ。

ただでさえ人手不足なのに余計な手間を増やしたくなかったのだが

クイントの娘、ギンガとスバルを悲しませたくないと仁が反対したのだ。

……まあ結果は見ての通りこうなった訳なのだが。




「ねえ、ルル兄。仁さんって本当に強いの?」

食事中、スバルからそんな疑問が飛んできた。

「どうしてそんなことを聞くんだ?」

「お母さんがそう言ってたんだけどあんまし強そうには見えなくて本当に強いのかなって」

どちらかと言えばお母さんの方が強そうだけどとスバルが言うがそれに異議を申し立てる奴がいた。

「そんな事無いわよ! 仁さんは占いができるし、その占いだってスバルを見つけてくれたのよ。

よく知らないけど任務中のお母さんを助けてくれたんだし、それに――」

スバルに反論して熱くなるギンガ。

しかしここまで熱くなるギンガは珍しいな。

――しかし仁か。

「スバルの問いだが……まあ強いかと言われればあいつは強いよ」

何せ神殺しを為そうとしてる男なんだからな。

「それにあいつは強く在ろうとする意志の持ち主だ」

そうスバル達に話し俺はある事を思い出した。



少し前のこと、仁が時の最果てで訓練していてそれを俺が呼びに行ってみると

「はぁ……はぁ……スペッキオ、もう一度だ」

「まだ続ける気か、これ以上はもう無理だろ」

ボロボロの姿の仁だった。変身しておらず訓練用の丈夫な道着を着ていたが

それは例えるならドラゴンボールの孫悟空のようにボロボロになっていた。

仁は息を荒くしていて随分と消耗しているようだ。

確か仁がここに行ったのは早朝、そして今は夕時。つまりあいつ半日近くも訓練をしていたのか……。

「ブレイブが抜けた穴を埋めなくちゃいけないんだよ。時間は有限。

俺達の場合はタイムリミットがあるんだ。」

結局あいつが倒れるまで訓練は続いた。倒れたのはそれから三時間後だった。

それにあいつは訓練だけでなくデバイスの製作も同時に行っている。

大した奴だよ、あいつは……。

むっそう言えば例のはやてに頼まれたというユニゾンデバイスの件はちゃんと進んでいるのだろうか。

それからユニゾンデバイス製作の為にC.C.を預けていたが果たしてどうなることやら。

あと俺の新たなデバイスも……。

「ルルーシュ兄さんどうかしましたか?」

「いや、何でもない」

ギンガに言われて食事を再開したと同時にスバルがこう言った。

「やっぱりルル兄のご飯が一番だ!」

「スバル! だから本当の事だからって言っちゃ駄目って――あっ」

……この頃の子供は純粋で正直者だ。だからその言葉には悪意が無く故に恐ろしい。

ようするに今のスバルの言葉で反応する人がいる。

「うぅぅ……お母さんだって、頑張ってルルーシュ君に負けじと美味しい料理作っているのにぃぃぃぃ!!」

「クイントォォ! 俺はお前の料理の方が好きだぁぁぁ!!」

泣きながらクイントは外へ出て行った。そしてその後を追うゲンヤ。

最早恒例行事と化しているので俺はもうスルーするようにしている。

クイント、あんたは世間では足が負傷している事になっているんだからそんなに速く走っていくな。

あとゲンヤ、あんたのクイントへの愛は分かったから叫んで追いかけるなよ。近所迷惑だろう。

と心の中でツッコミは入れておいた。この状況に慣れた俺もどうかしているなと少し思ったが……。





















ウルトラでカオスなリリカル戦記


A's to StSの08 最大の敵 後編




















「ピポポポポポポポ……」

ゼットンが作り出した巨大な火球が俺へと目掛けて撃ってきた。

俺はその場から動く事が出来ずその大きな火球の赤い光に包まれた。

「ぐ、ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」

これほどの炎ならあと十秒も経たずに燃え尽きてしまうだろうな。

あぁ、俺はこの炎によって燃やされて消えるのか……。

――炎? 炎……熱……光…………!?

炎に包まれてあと少しで燃え尽きてしまいそうなこの状況の中から

俺はこの状況を打開する方法を思いついた。

だけどそれは――

「……でも仕方ねえな、皆が助かるなら……たかが腕の一本ぐらい……くれて……やるよ!」

こうなったのも結局のところ俺の詰めの甘さが原因なんだからな。

そう決断し俺は利き手である左手を頭上にかざし、そして俺はこの炎を左腕に収束し始めた。



プラズマスパーク。

俺の特殊能力である光エネルギー変換炉は炎や熱といったエネルギーを吸収することができる。

その力を使ってこの炎を左腕に収束させている。

だがこの強力な炎を収束するのは今の俺では体が耐え切れずにオーバーヒートしてしまう。

だがオーバーヒートするだけで出来ないわけではない。

ほんの僅かの時間だけならこの巨大な炎を全て左腕に収束させて

それを自身のエネルギーにすることができる。

「うああああ"あ"あ"ーーー!! う"ー!!」

けどこれだけのエネルギー量は今の俺ではまだ制御し切れない。

熱い。とてつもない熱さで燃えている。

肉が焼ける匂いがするし腕は燃えているというより溶け出している。

時間が経つにつれて腕の感覚が無くなってきている。

――だからこの左腕の機能が完全に失う前に決める。

「これで……ホントに最後だ」

そう言ってゼットンの背後に移動した。

「――!?」

テレポーテーションでゼットンの背後に移動しさらに右手でゼットンの肩を掴んだ。

こうすればテレポーテーションで逃げる事はできない上に、

至近距離に居ればゼットンシャッターに妨害されずに済む。

また正面では胸の吸収板によってエネルギーを吸収される恐れがあるからだ。

だからゼットンがこちらに向く前に終わらす。

「今度こそくたばれ……爆熱拳バニシング・フィストぉぉぉぉぉぉ!!」

大きく叫びながらその炎の拳をゼットンの背中にブチかました。

「ゼッ……トォォォン!」

爆熱拳はゼットンの背中を貫きそのまま左腕のエネルギーをゼットンの体内で開放すると

ゼットンはそのエネルギーに耐え切れずに爆発し跡形もなく消滅した。

また俺はその爆発の余波で吹き飛ばされた。今の一撃で全ての力を使い果たしたので

このまま地面に落ちてしまうが受身を取ることさえできないのでそのまま地面に落下した。

「ぐっ!……はぁ……はぁ……はぁ……あぁ……」

左腕は肩から下が無くなって左腕の感覚は当然無くその失った部分の傷みすらも無い。

そうした精神的にも肉体的にも疲れ切っているところにようやく回復したのかヴィータがこちらに走ってきた。

「じ、仁大丈夫なのか!?」

「――痛かった」

「あ?」

「死ぬほど痛かったぞ……」

頭が回らなくなってきていたので

まあ変なことを言うのはいつもの事だし、まあいいかと思いながら目を閉じた。

あぁでも、帰りはどうやって帰ればいいんだ……。





















 ???side


「――ゼットンはやはり破られたか」

だが所詮あのゼットンは奴の力を測るために生み出したものだ。失ったところで何も問題無い。

爆散したゼットンから黒紫の霧の塊が出現しそれを回収した。

それよりもだ、奴らは今の戦いで相当疲弊している。ここで奴らを亡き者にした方が――

「――分かっている。貴様の言うとおりここで奴らに手を出さん」

手を出そうと考えた瞬間、奴らに手を出すなと念話が届いた。相変わらずのようにこちらを見ているようだ。

――忌々しい奴だ。そう思いつつ空間を割って異次元へのゲートを開いた。

まあしかし必ずや相見える時が訪れる。その時こそ貴様らを滅ぼしてくれるわ。

「その時を待っているぞ。フハハハハハハ……ハーッハッハッハッハ!」


 Side out
























「ここは……?」

目を開けて写ったところはは見知らぬ天井だった。

「あれ? ――あぁそうだった」

忘れていた。左腕無くなったんだったな。道理で左腕の感覚が無かったわけだ。

左腕以外の部分は痛みという感覚があるのだがその痛みがあることで少し安心した。

痛いという事は正常に感覚があるということ生きているという証なのだから。

「……フェイト?」

ベッドの横で寝ているフェイトが居た。

それでここが病室なんだと理解した。つうことは無事に戻れたというわけだな。

心配掛けただろうな。ああでもやだなぁ――起きた後が怖い。








「……」

「……」

「……」

「……えっとそのう……」

「……」

蛇に睨まれた蛙とはまさにこの事を言うのだろうか。

しばらくして起きたフェイトは無言のプレッシャーを放ちながら俺を見ている。

そして俺はベッドの上で正座をしている。強制的にさせられているのではなく自主的に行っている。

反省の意を示す為に行っているのだが本当なら怪我しているところが痛くて正座なんてできない状態なのだが

やらずにはいられなかったのだ。

そんなところに先程はやてが入ってきたがこちらを一目見てすぐに出て行ってしまった。

勘がいい奴。友達甲斐が無い奴。と思った。



かれこれ一時間以上経った気がしたが実際のところは十分も経っておらず

そろそろ怪我と足が痺れてきて限界だと思ったところでフェイトがようやく口を開いた。

「……すぐに戻るって言ったよね」

「……はい」

「……なのに帰って来なくて」

「……はい」

「……ヴィータと連絡がついたと思ったらこんなことになって」

「……すみません」

このような問答が何度も行われた。正直胃が痛すぎる。

俺は下を向きながら答えているのだがとてもじゃないが面と向かって問答するのはきつすぎる。

多分それをやったら寿命が縮まると思う。

そうしているとふとフェイトからの問いが止まった。

恐る恐るフェイトの課を見てみると――フェイトは涙を流していた。

これってやっぱり俺が原因だよな。最悪じゃねえか俺って……。

「……本当に心配したんだから」

「……本当にごめん」

この問いだけは面と向かって誠意を込めて謝った。

泣かせてしまった。そのことを自覚すると今の怪我している状態よりも胸がとても痛かった。

その後はフェイトが泣き止むまで待っていた。



「左腕……無くなっちゃったね」

「心配するな。どうにかなる」

医者によると細胞が完全に焼け溶けていて再生することは非常に困難というより不可能だと言われた。

まあでもドクターに頼んで義手を作ってもらうつもりだからこれに関しては別に悲観になることはない。

「もう二度とこんな無茶をしないで」

「悪いけどその約束は守れないな」

フェイトに睨まれた。と同時にまた泣きそうな顔になった。

「今回は腕どころか俺達が亡くなっていたかもしれないんだ」

今回は偶々上手くいったがもしかしたらやられていた、というかそちらの方が確率は高かったんだ。

でもこうして生き残れたのは死ぬつもりは無かったからだ。

よくある自分を犠牲にして仲間を助けるなんていうのがあるが

俺はそんな真似をするつもりは無い。

例え腕や足を失おうとしても生きて戻ってくる。それが俺の覚悟だから。

「何があっても必ず戻ってくる。どんなにボロボロになっていようとも帰ってくるよ。それは約束する」

俺にはやるべきことがあり、そして俺の為に涙を流してくれる目の前の子の為にも俺は約束した。



「あたしもなのはも平気だ。これも仁のおかげだ」

フェイトに支えられながらなのはとヴィータの病室にやって来た。

ヴィータによると俺が気を失った後、何時の間にか海鳴に戻っていたらしい。

ただ海鳴に戻る直前にヴィータが言うには

「空が割れた……か」

口で表すとそんなものを一瞬見たと言う。それってつまり俺等を海鳴に送ったのは奴の仕業になるのだが……。

「仁、何を考えているの?」

「いや別に。それよりも軽症で済んでよかったな、なのは」

「……」

「なのは?」

なのはの様子がおかしい。いやこの雰囲気を俺は見たことがある。以前、月村家の時と同じ感じがする。

そう俺が思っている時、なのはの口から予想外の言葉が出てきた。

「……助けてほしいなんて頼んでないよ」

「!?」

「なのは! お前何て事言うんだ。仁が来なければあたしらあのままやられていたんだぞ」

「……そんなの関係ないよ」

「おま――えっ!?」

ヴィータがなのはに怒鳴ろうとしたその前に――フェイトがなのはの頬を叩いた。そのことに俺等全員驚いた。

「フェイト……ちゃん……?」

「なのは謝って! 仁は自分の腕を犠牲にしてなのはたちを守ったんだよ!」

「仁君、仁君って……皆して……」

「……なのは?」

「出て行って! 皆出て行ってよ!!」




「なのはの奴一体どうしちまったんだよ……」

激昂したなのはにまた驚きながら俺達はただ言われたように部屋を出て行った。

「……」

「なあ、なのはのこと、俺に任せてくれないか」



深夜、病院が寝静まった頃、俺はなのはの病室に潜入していた。

一応言っておくが夜這いじゃないからな。――いやある意味そうなのか?

いやだからと言ってエロス的な意味ではないことは断言する。

「……本当はこんな真似したくはないんだけど」

見せてもらおう。お前が一体何を考えているのかをな――。




















次の日、今度は俺一人でなのはのところへと訪れた。

「どうしたの?」

「……なぁ、なのは」

「なに?」

「お前、俺のことが嫌いだろ?」

「ど、どうして?」

「だってお前さ――――俺を見る時の顔が睨んでるように見えるんだけど」

「え!?」

自覚は無しか。まあ今の自分の気持ちがよく分かっていないんだろうな。

「今だって俺を見る時の顔は普通に睨んでるぞ。俺が部屋に入った時からずっとな。

でもさ、そんなに俺のことが気に食わないならさ――俺と戦ってみるか?」
















「やあ、見舞いに来たよ。お土産持参でね」

ドクターとチンクがやってきた。用件は俺の見舞いと俺が注文した義手の件だ。

「時間が無かったからね。戦闘機人の技術のみで作ったものだ。

だがそれでも君の注文どおりの品にはなっているから安心したまえ」

見た目はどう見ても人間の腕そのものである。流石ドクターとてもよく出来ている。

義手を接続するためにドクターが作業をしていてくれている間にチンクと話す事にした。

「随分と無茶をしたものだな」

「まあこうでもしないとやられていたからな。むしろこの程度で済んでやかったと言ったところだ。

ところでチンク、以前俺が送った服は着てこなかったのか?」

「だ、だれがあんなものを着るか! お前が送ってきたものの所為でしばらくクアットロにからかわれたんだぞ。

それに今後目覚める妹達に見られたら姉としての立場が……」

以前俺が送ったものとはチンクに似合いそうなゴシックでロリータな服である。

「あとはメイド服か巫女服しかないぞ」

「この変態が!」

失礼な。それにお前の生みの親のドクターだって変態だぞ。

「さて接続するよ」

「ッ!? イッッデェェェェ!!」

義手が接続した瞬間、叫ぶほどの途轍もない痛みを受けた。

「おっと、言い忘れていたよ。神経接続する際はかなり痛むんだった」

「そ……そういうことは忘れるんじゃねえよ。マジで驚いただろうが!」

「いやぁ実を言うとだね、ドゥーエに言われたのさ。今までの仕返しに黙って接続してもらえないかとね」

あ、あいつ……後でぜってぇ泣かしたる。そしてそのことを簡単にチクるドクターはドSだな。

「まだ完全には調整が済んでいないからあまり無茶なことはしないでくれたまえ」

「……その約束はもしかしたら出来ないかもしれないな」

「それはよほど激しい戦いになるとでも言うのかい?」

「なのはと戦うだけならそんな事にはならないな。ただ……」

「何か危惧する事でもあるとでも?」

「さて、それはやってみないと分からない。俺にもよく分かっていないからね。

まあ一応念の為に予備の義手を用意しておいて」

「とりあえずはそれと同じもので我慢しておいてくれたまえ。

後に時間を掛けてさらに高性能な義手を製作するからね」

KOS-MOSや月村の自動人形などの技術があるからね。

とドクターは嬉しそうに言った。マッドだなぁ。呪縛から解放してもこれは変わらずだな。

「しかし義手にするのは君の勝手だが、再生治療は受けないのかね?

KOS-MOSから入手したナノマシン技術とSW財団の医療技術を使えば

元通りに直す事ができるのは知っているだろう」

「まあね。けどこれでいい。義手の方が生身より便利そうだし

――それにまた同じ過ちを繰り返さないための戒めとしてこのままにしておきたい」



その後ドクターとはリインフォースⅡ製作の打ち合わせ。今の俺のこの状態では直接製作に携われないので

代わりにアリシアとプレシアに手伝ってもらうことにする。

チンクとは今後目覚める妹達について話し合った。今のところはチンクが一番下なので

早く妹達とご対面したいようだ。そういったことや他のことを話し合って二人は帰っていった。
























そして当日。とある無人の管理外世界を舞台に俺となのはが対峙している。

審判や観客も居ない。それもその筈、この戦いは誰にも教えていないのだから。

なのはは既にバリアジャケットを身に纏い、俺はそのままの格好、変身していない状態だった。

「……どういうつもりなの? 何で変身しないの?」

「お前相手にブレイブアークを使うこともない」

義手の動作確認をしながら答える。

「今のお前じゃ何度やったって俺には勝てないよ」

構えながら告げた。

「だからとっとと掛かって来い」

「――ッ! レイジングハート!」

『Accel Shooter』

桜色の魔力弾が高速で四方八方から俺に襲い掛かってくる。

だがそれら全て左手で一回振り払っただけで打ち落とした。

「えっ!?」

「次はこちらの番だ」

動揺するなのはを余所に今度は俺がなのはに仕掛ける。

『Round Shield』

俺が襲い掛かってくるのに対してシールドを展開する。やはりそうするよな。

いつものパターンだよな――だからその邪魔な防御を切り崩してやる。

激突貫ラッシング・クロー

義手である左手の爪が伸び、それを用いてシールドを容易く切り裂いた。

「そんなッ!?」

「無駄だ。もうお前の防御は通用しない」

驚いている隙に回し蹴りを放ち吹っ飛ぶなのは。

だがバリアジャケットがあるので大してダメージは受けていないだろう。

なのはのシールドを切り裂いたのは以前から考案していた対なのは戦法。それがエクシア戦法。

実体剣にエネルギーをコーティングすることで防御壁を切り裂く事ができる。

レヴァンティンなどの実体剣で使用する事が可能。

だが逆にフェイトのプラズマザンバーなどの非実体剣では使用することはできない。

本来エクシア戦法はその戦法に合わせてGN-001で使用するはずだったのだが

既にゼットン戦で両方使用したのだがゼットンのバリアの強度が高すぎて通用しなかった。

けどなのはの防御はゼットンのに比べれば全然大した事がない。

今回は俺の左手の爪にエネルギーをコーティングしてシールドを切り裂いた。

この義手はガメラの技を使用しても耐えられるようにドクターに注文していた。

とは言っても爆熱拳を使えば壊れるだろうが。

また今使った爪の技を使用することを想定してドゥーエの固有武器の予備パーツを使っている。





「ディバインバスターー」

なのはの砲撃を軽々と避け、そのままなのはの方へ飛ぶ。

『Protection Powered』

「だから無駄だって言っているだろ」

フィールドだろうがバリアだろうがお前の防御は通用しないんだよ。

再びラッシング・クローで防御を切り裂き力を込めた右ストレートを放ち

なのはを後方へと吹き飛ばした。

「くぅぅッ……エクセリオンドライブ!」

エクセリオンモード。ようやくなのはが本気になったようだ。そして砲撃の構えを取る。

「エクセリオン――」

「遅い」

エクセリオンバスターを放とうとするが俺から見ればそれは隙だらけで

攻撃してくださいと言わんばかりだったので攻撃を仕掛けた。

玄武掌ハード・スラップ

「あぁぁぁッ!」

強烈な一撃をなのはの腹に叩き込んだ。それをまともに受けてなのはは吹っ飛んでいった。

「技を撃つのは構わないが相手はそれを待ってはくれないぞ」





まだ戦闘開始から数分も経っていないのにも関わらずなのははもう立っているのがやっとの状態だった。

バリアジャケットはボロボロでレイジングハートを魔導師の杖としてではなく立つ為の松葉杖として使っている。

対する俺は未だに無傷、一度も攻撃を受けていなかった。

そして俺はそんななのはに無慈悲にも追い討ちを掛ける。

左手にエネルギーを集中させ手の平にバレーボールサイズの火球を作り出した。

烈火球プラズマショット

その火球をなのは目掛けて放った。

先に述べた状態のなのはではその火球を避ける事ができずにそのまま直撃し爆発が起こった。



「……それでお終いか」

倒れ伏しているなのはに俺は言葉を掛ける。

「お前、俺を倒すつもりでここに来たんだろ。

それなのに俺に一度も攻撃を当てる事すらできずに終わるのか?」

なのははピクリとも動かない。気を失っているわけではないだろうがこれじゃあ駄目だな。

……やはりこうするしかないか。

「……そう言えばお前さあ、いつまでもいい子ちゃんぶっているんだ?」

今の言葉にピクリとかすかに動くのを確認。そのまま俺は話し続ける。

「いい加減無理するのを辞めて本性を見せたらどうだ」

俺の言葉に反応して動き始める。だがまだ立つことはできない。

「俺に言いたいことがあるんだろう。それを言わずに終わるつもりなのか。

お前の本当の気持ちを俺にぶつけてみろ!」

その言葉を合図に変化が起きた。

――ゾク。

今一瞬背筋が凍えそうな殺気を感じた。

その殺気を感じた先はなのはが倒れているところから

というよりこれは間違いなくなのはが放っているものだ。

そしてなのはが起き上がった。だがその姿は先程のなのはとは違っていた。

「あれが……なのは」

なのはの周りに肉眼でも視認できるほどの高密度な魔力を纏っているのが分かる。

その魔力の色は通常の桜色ではなく赤い色だった。

そして今までのなのはとは別人ではないかと思うほどの威圧感を放ち

さらにレイジングハートも色が赤黒く変化していた。

こちらを睨みつける顔と伴いその姿はまさに赤い悪魔のように見えた。





















 技紹介


・玄武戦技

元ネタ:平成ガメラ三部作

【オリハルコンの勾玉】の力でガメラの攻撃技を習得した。

変身しなくても使用することが可能。

しかしその場合、威力はオリジナルに比べて減少する。

威力アップは今後の修行次第である。



玄武掌ハード・スラップ

格闘戦で多用される拳打。



激突貫ラッシング・クロー

鋭利な爪で相手を引き裂く攻撃。



烈火球プラズマショット

体内に貯蔵してある光エネルギーと酸素をブレイブアークで

融合・圧縮することで強力な電離作用が発生、凝縮されたエネルギーが火球となって

噴射されるという、超放電(超光熱)現象である。万物を瞬時に燃焼させる威力を持ち、連射も可能。




爆熱拳バニシング・フィスト

別名、バニシング・ソード。

仁の利き腕である左腕でゼットンのトリリオンメテオを受け止め、

それを操って"炎の拳"を造り出す。ゼットンの背部に突き刺し爆発させた。

ガメラ3でガメラがイリス戦の土壇場で見せた大逆転の一発技。



上記以外にもまだ技が存在するがまだ未完成である。




・エクシア戦法

元ネタ:ガンダムエクシア(機動戦士ガンダム00)

ガンダムエクシアのGNソードやダブルオーガンダムのGNソードⅡなどの実体剣による

GNフィールドに対抗する方法。それを仁が改良して作り出した。

なのはの防御に対抗するために考案した戦法である。

実体剣にエネルギーをコーティングして防御壁を切り裂く。

実体剣であれば何でもありだが非実体剣では使用する事は出来ない。

但しあまりにも強力な防御壁では通用しない場合がある。






 アイテム紹介


・仁専用試作型戦闘用義手

ゼットン戦で左腕を失った仁がドクターに頼んで作ってもらった戦闘用義手。

製作時間が少なかった為ドクターの専門である戦闘機人の技術で作られている。

ガメラの技を使用できるように強固に作られており

その中で爪の技があることからナンバーズ2番のドゥーエが装備している

爪状の固有武器ピアッシングネイルの予備パーツを使用している。

この爪の長さは伸縮自在に変化できるがピアッシングネイルのような大きさまでには変化できない。





















 あとがき?


どうもお久しぶりです。ただ今戻りました。

ゼットンどうにか撃破しましたが今度は暴走なのはが相手。

まだ完治していない仁ですが頑張ってもらいたいところです。

次回でA's to StSの序盤が終了の予定です。







[7126] A's to StSの09 仁対なのは 決着 そして……
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/09/21 22:21





「本当はこんな真似したくはないんだけど」

見せてもらう。お前が一体何を考えているのかをな――。

「ルナポーション」

なのはの夢へと入り、俺はなのはが一体何を考えているのかその一端を垣間見た。





















ウルトラでカオスなリリカル戦記


A's to StSの09 仁対なのは 決着 そして……





















確かに俺はなのはに何らかの力が宿っているんじゃないかと予想していた。

例えば月村家でのアンデルセンとの戦いで見せた神速もどき。

もどきとはいえ、あの神速を、あのなのはが、数年足らずで使う事が出来るなんていくらなんでもおかしい。

先のゼットン戦でゼットンのファイナルビームを受けてほぼ無傷だったことだ。

直前で防御したとはいえ攻撃を受ける寸前で発動した防御であの攻撃を防ぐのは

例えザフィーラでも防御に定評のあるザフィーラだってそれは無理だ。

だからなのはの身に何かあるのではないかと思いそれを確かめるために

喧嘩を売ってみたわけだが……まさかこれほどまでとは予想外だぞ。

魔力光の色が変化した上にその魔力を纏うなんて流石にパワーアップしすぎだろうが。

「ッ!?」

なのはが一歩前に足を踏み出したその瞬間、なのはが消えた。

と同時に俺は頭をガードするかのように左手を上げた。すると重い衝撃が掛かった。

「ぐぅっ!」

その攻撃を受けた方を見ると魔力刃のストライクフレームを展開した

レイジングハートで斬りかかっていたなのはがいた。

ガードした左手はエネルギーをコーティングしていたので斬られずにすんだのだが――

とにかく俺はこの場は反撃せずに後方へと下がり今の動きは何だったのか考える。

「今のは――まさか神速?」

今のなのはの動き、まったく視認できなかった。

もしも直感が働かなければ頭に直撃を受けて最悪死んでいたかもな

――この左手のように。

さっきのなのはの攻撃を受け止めた左手が動かなくなった。

見た感じは外傷は無いが、となるとさっきの攻撃は内部破壊の技になるのか。

先程の神速の流れから予測するとさっきの攻撃は――

「御神流、確か――とおしだったか」

ということはなのはの近接攻撃は全て避けないとやばいということになるだが

あの速さはまさしく目にも止まらぬ速さだった。

そのスピードから繰り出される攻撃を全て回避するのはかなり難易度が高い――が無理ではない。

なのはが再び消えた、と同時に俺はテレポーテーションで転移した。

なのはが神速で攻めてくるのに対し、俺はテレポーテーションでそれを回避する。

それをまた神速で追ってくるなのは、そしてさらにテレポーテーションで逃げる俺。

それを何度か繰り返した。

傍から見れば何が起きているか分からないだろうがこれはただの鬼ごっこだ。

捕まったら負け。逃げ切れれば勝ち。あの厄介な御神の技を笛部方法は今のところは無い。

だから今は逃げるしかない。しかしなのはは追って来る。いつまでもどこまでも

疲れを知らないのか全くペースを乱さず追って来る。

それをいくらか繰り返した後、俺はなのはから大分離れた場所まで転移した。

今まで繰り返した行動パターンからするとなのはの神速は一定の距離までしか使えないことが分かった。

だからここまで遠く離れていれば神速の範囲まで近づいてこなければ使ってこないだろう。

……というか何度も連続転移したのがきつくなって休みたくなったのが主な理由だが。

「とりあえず今のうちに回復を……と、今度は砲撃か」

近接攻撃が駄目ならと今度は遠距離攻撃と考えたのか

なのはは砲撃の構えを取り、そしてディバインバスターを放った。

俺はそれを避けようとすると――その砲撃は放たれた直後に拡散した。

「ディバインバスターの拡散型だとっ!?」

それに気づいた時には目の前が桜色で埋め尽くすほどの砲撃が迫ってきて

俺はそれらをなんとか避け続けるがしかし数が多すぎる。

避けようにもぎりぎりの隙間を通って避けるが完全には避けきれずにいた。

直撃はしていないが掠った反動で上手く態勢を整う事ができず

そして俺は避けきれず砲撃を直撃した。

「ガァッ!」

一度当たったら最後、動きが止まってしまった俺はそのまま砲撃を受け続けてしまい地上に落下した。

けど嵐は止まらず砲撃は止むことなく放たれてクレーターができるほどにいつまでも続いていく。

「ゲハッ!」

なのははただひたすら砲撃を撃ち続けて、俺はただ一方的に砲撃を受け続けている。

この状況、ティアナだったらオーバーキルで間違いなくガクブル通り越してだろうな。

つうかこんな事を考えるほど余裕があるのは何故だ? 既に数十を超える数のディバインバスターを

受けているのに俺はまだノックアウトしていない。というか威力が弱いのか。

見た目はディバインバスターだが威力はディバインシューターにも劣るんじゃないか。

これはどういうことなのかと思い、俺は砲撃の隙間から上空で撃ち続けているなのはの様子を伺ってみると




あの馬鹿……何やってんだが……。


泣く位なら撃つんじゃねえよ……。止めてくれよ。



唐突に今初めて気が付いたことだがどうやら俺は涙を流す女に弱かったらしい。

今のなのはの顔を見て胸がキュンとなってしまった。

はは、もっと早くその顔を見ていたらもしかしたらあいつではなくてなのはに惚れていたかも……。


って、そんなことを考えている場合じゃないなよく見たら最悪な状況じゃないか。

――俺ではなくなのはが。

「うああぁぁぁぁ!!」

よく見るとレイジングハートを基点になのはの体に変化が生じてる。

何かよく分からないものがなのはの体に付着していて形態変化が起きてる。

このまま砲撃を続けていたら人の姿じゃなくなってしまうんじゃないか。

さてこの砲撃を止めるにはどうする。と考えてもこの状況だと方法はこれしか無いか……。

「……このままで勝つとか言ったけど、あいつだってチート変身したんだからこれでおあいこだよな」

未だ止まらない砲撃の嵐の中、俺はそんなことを思いながらブレイブアークを取り出し、変身した。









今より小さかった頃、小学校を入る前のなのはは父親が仕事で大怪我をし、家族総出で父親の看病し、

その頃まだ開店したばかりの喫茶店が忙しく、なのははただ一人で家に過ごしていた。

家族に迷惑掛けないよう、良い子でいようと一人で居た。

けどまだ幼く親に家族に甘えたい子供の時期にそれは辛い事だったろう。

それはやがてなのはにとって無意識のうちにトラウマへと変わってしまった。

そのトラウマを刺激したのがヤプールの悪夢。




本来ならばフェイトと最初に友達になるのはなのはだった。

そこを俺が横入りし先に友達になった。ただそれだけのことだけど当事者からすれば

それはとても悲しく思い、悔しく思ったことだったのだろう。

その些細なきっかけから始まりいつしか俺を憎むようになったわけだ。

しかしなぜ俺をあそこまで憎むまでになったかは分からない。それは直接本人に聞くしかないか。










テレポーテーションで転移しなのはの背後に。

するとなのはがこちらに気がつき砲撃を向けようとすると同時に

俺もなのはに向けて腕を交差させて光線を放った。

「ストップフラッシュ」

砲撃が放たれたが俺の横へと通り過ぎていった。

そしてなのはは砲撃を撃つ構えをしたまま動きが止まった。どうやらぎりぎり間に合ったみたいだ。

けど動きを止めるのは成功したがそれもあまり長くは持たないだろうからさっさと済ませよう。

俺は独特の構えから繰り出した光をなのはに向けて放った。

「フルムーンレクト」

光がなのはとレイジングハートを包んでいく。すると変化していた部分が元通りに戻っていった。

「……わ、私は…………」

「よっ、目が覚めたか。にしても随分と派手にやったな」

気がついたなのはに声を掛けてから下を見ると地上は大小いくつものクレーターができていた。

それらは全てなのはがやったもの。威力が低いといってもあれだけ数撃てばこうなるか。

或いは俺以外の物体に対しては通常の威力になっていたのだろうか……。まあどうでもいいか。

「それで、こんだけやったんだ。少しは気は晴れた?」

「別に……」

俯きながら素っ気無く答えた。やれやれ、まるで悪い事をして怒られた子供のような、

或いはいじけた子供みたいだな。

「……ところで聞いていいか。 何でお前俺のことを憎く思ったんだ?」

「……」

俺の率直の問いに黙るなのはだが、しばらくし口を開けた。

「最初は仁君を憎いなんてそんな事思わなかった。

けど私があの夢を、悪夢を見てからそれから同じ夢を見るようになった。

独りになる夢を、誰からも必要とされない夢を

だから私は誰かに必要としてくれるように私はひたすら頑張った。努力した。

苦手な運動を克服しようとお父さんたちに剣を教えてと頼んだ。

魔法も皆に負けないように訓練した。

だけど何かあれば仁君、仁君って……。そして仁君は問題を解決しちゃう。

それがなんだか怖かった。仁君に全部持っていかれちゃう。

そう思ったら……そんなの嫌だったから……。

そして気がついたら私は仁君を見ただけで……」

「……ようするに自分の思うようにいかなくなって俺に当たってたわけだ」

「ッ!」

「はっ、結局のところこれって子供の喧嘩だな。そうだろ」

『闘争の本質』と誰かがそう言っていた気がする。「それを倒さなければ己になれない」と。

「俺と戦いたかったんだろう? でなければ前に進めないと思ったんだろう?

無用者になるのが怖かったか! 一人になるのが怖かったか! 置いていかれるのが怖かったか!

ふざけるな! 自分の悩みを家族や友達の誰にも告げようとはせず、

ただ自分の中に問題を抱え込み続け、挙句の果てにそれが爆発したその様が今のお前だ。

お前はガキだ。子供らしくない思考をしても、どれだけ大人のように振舞ってもお前はただのガキにすぎない」

誰にも頼らず自分だけで解決しようだなんてそんなものは思い上がりにすぎない。

「お前は誰かに必要とされたいと思いながら誰も必要ないと思ったんだろ」

「わ、私は……私は……!」

「…………つうかぶっちゃけ俺はお前のそんな悩みなんかどうでもいいんだよ」

「…………へっ?」

「お前の様子がおかしいのは、俺はてっきり誰かに乗っ取られているとか

洗脳されているのだと考えていたんだが、外れだった」

最もまだそうとは限らないが……。

「だから心配して損しているんだ。この責任取ってくれるだろうな?」

「なな、何で!?」

「黙れガキ! お前がうじうじとつまらないことで悩むから他の皆も心配していたんだぞ!

この意味分かるか! 分からねえだろ! 一人でうじうじと悩んでいたお前には!!

無用者だとか、いらない子だとかと思っている奴を心配する馬鹿がどこにいる!

皆、お前の事を想っているから心配しているんだぞ」

「……あっ」

「ったく、ようやく気が付いたか。そんなことも理解できないからガキなんだ」

「う~、ガキガキって仁君だって私と同い年じゃない!」

「そういう風に言うところがまたガキだな。それともわざとそう言っているのか?」

「違うもん! う~、……ねえ仁君、私今無性に頭にきているんだけどどうすればいいかな?」

「ん? そういう時はだな……ガキの喧嘩らしくただ思いっきり暴れたらいいんだよ」

「思いっきり……」

「だからさ、掛かって来い。さっきの続きだ、ケリをつけてやるよ。

お前の想いを、全力を、全てを受け止めてやるよ。けどな……勝つのは俺だ!」

そう高らかに宣言し、掛かって来いと構えた。

「ッ!? ……私が勝つよ!」

「やってみろガキンチョが。格の違いというものを教えてやるよ」

「……だったら受けてみてよ。私の想いを! 全力を! 全てを!!」

なのはがレイジングハートを掲げ魔力が集まっていく。

集束魔法。なのはの場合は貫通効果があるから防御壁を展開しても意味が無いんだよな。

「これが私の、全力全開! スターライトォォブレイカァーー!」

桜色の砲撃が放たれる。だが俺は先程のなのはに宣言した通りに避けずに、

防御壁を展開せずに、ただ身を固くしてその砲撃を受けた。












「はぁ……はぁ……はぁ……」

「はぁ……はぁ……はぁ…………耐えたぜ」

スターライトブレイカーを受けそのままノックアウトせずに俺は耐え切った。

けど体はかなりボロボロになった。正直しんどくて嫌なのだが、

だがまだやれる。つうか余裕です。勝ちます!

「今度は……こっちの番だ!」

右手で左手を支えながら左手を掲げ、エネルギーを集束し始める。そうなのはと同じように。

なのははそれを見て驚いている。それはそうだろう、何せ今自分がやったことを俺がしているのだからな。

「えっ、これって集束魔法!?」

魔法じゃあないけどな。けどこれはまだ爆熱拳同様に未完成の技なんだけど、

今回はお前の流儀に従って俺も全力全開でやってやる!

――ついでに言えば全力全開の集束砲を受ける側の気持ちを味わいやがれ!

「いくぞ! これが俺の最強の一撃! コスモ! ミラクル! ブレイカーー!!」

最強の金色の光線を放った。

「マキシマム……シュート!」

「あ、あああぁぁぁぁぁぁ!!」

防御することも避けることもできずになのはは金色の光線に飲み込まれた。

「俺の勝ちだ……なのは」










「言っただろ、お前は俺に勝てないって」

「でも仁君、変身してたじゃない! それはどう言い訳するつもり?」

「あれ? お前、泣いてないか?」

「な、泣いてないもん! って話を逸らさないで!」

「……悔しくて泣きたくなったら泣けばいいんだよ。なぜならお前はガキなんだから」

「だ、だから……違うもん……な、泣いてなんか……ない」

泣いていないと反論するがどう聞いても泣き声にしか聞こえなかった。

ちなみに俺はその顔を見ず空を見上げていた。空は雲一つなく真っ青な晴天である。












「……仁君ってすごく口が悪かったんだね」

「知らなかったのか? だからお前はガキなんだよ」

「……もうガキでいいよ。……はあ、今まで何か悩んでいたけどどうでもよくなっちゃった」

「俺を殺したいほど憎んでいたくせにどうでもいいだと?」

「そ、そこまで思ってないよ!」

「……まあなんつうか、人間誰にだって気に入らない事が当然あるもんだから、

お前のその感情は別におかしくはない。たまたまお前にとって憎悪の対象が俺だっただけだ。

ただなあ……正直お前に憎まれていたのは結構ショックだったなあ」

「そ、そのう……ごめんなさい」

「いや許さねえ!」

「え、えーー!」

「ということでお前は皆に心配掛けたお詫びに何か罰を与える。

ついでに言うとさっきの喧嘩、お前負けたし」

「さ、さっきのは仁君が変身したからだよ! 変身しなかったら負けなかったもん!」

「そう? だったら……何度でも相手してやるからいつでもかかって来い。相手になってやるよ」

「…………絶対! いつか必ず仁君に勝つよ!」

「はっ、ここはいつかじゃなく次は勝つと言うところだろうが。

そんなんじゃ俺に勝つのはまだまだ先だな」

「ううう~、にゃー!」

「へっ? ドッム!」

桜色の魔力弾が顔面に直撃して俺はぶっ倒れた。クリーンヒットしたのか体が動けん。

けど口は動かせるので

「ちょっ、おまっ! いきなし至近距離で攻撃するなよ!」

「相手が仁君なら話は別なの」

「差別発言!? っておい、大丈夫か?」

話をしている途中でなのはが突然バタリと倒れた。

「……今のでもう魔力がホントに空っぽなの。動けない」

「……アホだな」

二人共倒れたということは、もしかして――

「どうやって帰ればいいんだよ」

誰にもここに来ていることを教えていないから誰も来ないんじゃないか……。





















なのはとの戦い後、KOS-MOSが迎えに来てくれて無事に帰ってこれたが

俺等はお互い退院したばかりなのに病院へと戻ってきた。

何だかんだで俺等ボロボロになるまでやり合ったわけで入院することとなった。

高町兄と父によくも娘を妹を傷物にと殺意が

ガクブルだったがその後に感謝された。なのはの心の闇を払ってと。

けどそのなのはの問題は根本はまだ解決した訳ではないから

なのははちゃんと高町家と向き合って直してもらいたいところだ。

それは高町家にも言えることなのだが。

それと高町父がなのはに剣を教えるのを承諾したのは罪滅ぼしのつもりだったらしい。

今まで一人にさせてしまったことに対する償いだとか

なのはから何かお願いをしたのはフェレット・ユーノくらいで

なのはの数少ないお願いを叶えてやりたかったからと言っていた。

まあこれからはちゃんとお互い向き合ってもらいたいところだ。

これは家族の問題だから俺は干渉するつもりは無い。とっとと解決しろと願うばかりだ。

それよりもだ――


病院の廊下で落ち込んでいるフェイト、はやて、ヴィータにアリサとすずかが。

どうやらなのはが思い悩んでいたのを気が付く事ができなくて

いや気が付いていたけどそれに力になれなくて落ち込んでいるらしい。

どうしてお前らはそうアレなんだ。優しいというかお節介というか――馬鹿ばっかなんだろうか。

その光景を見かねた俺はある書物を持ってきて皆に読み聞かせた。



『……傷つき迷える者たちへ……敗北とは傷つき倒れることではありません。

そうした時に自分を見失ったときのことを言うのです。

強く心を持ちなさい。あせらずにもう一度じっくりと自分の使命と力量を考えなおしてみなさい。

自分にできることはいくつもない。一人一人がもてる最善の力を尽くす時、

たとえ状況が絶望の淵でも―――必ずや勝利への光明が見えるでしょう!』


これは先生が纏めた本であるアバンの書に書かれていることで

わざわざ先生本人を呼ぶのも面倒だったので俺の音読で済ませたが

皆は少なからず影響を受けたらしく後に行動に移すがそれはまたの機会に話そう。

それから――

「先の戦いでレイジングハートもボロボロになったから俺が預かっておく。

まあ修理のついでにパワーアップもしておこう」

フェイトのバルディッシュ同様に完成したメテオールを搭載しようと思う。

あとついでだから他にも何かやってみようかな。

――最もそれらは口実で、本当の目的は違うけどね。なあレイジングハート、お前は一体何者なんだ?

レイジングハートはなのはがユーノから譲り受けたものだがその出自は不明。

フェイトの場合は今は亡きリニスによって作られたデバイスだが

レイジングハートは分かっていない。ユーノに聞いてみてもスクライアの長老から

ジュエルシードの発掘の際に持たされたもので自分もよく知らないと言っていた。

なのはの魔力光の変化、神速を可能にした能力、形態変化などはレイジングハートが原因だと思うのだが、

さて、調べて何が出てくる事やら……。

















「ところで仁」

「な、何……」

プレッシャーが、フェイトから以前味わったプレッシャーを感じる……。

アレは原因はアレか、 また無茶な事をして怪我した事か?

でもアレは無茶は結局するとか言っていたはず……。とするとなのはをボッコボコにしたことか?

確かに友達を病院送りにしたんだからそりゃあ怒られるよな……し、しかしこれには理由が……

「アリシアとデートしたんだってね……」

「――」

不味い不味い不味い! 何が不味いって――フェイトに纏うそれが金色の魔力ではなくて

ビリビリと光ってる電気なんだけど。めっちゃ帯電してるんだけど。ちょっ、えっ、はあ!?

「どういうことなのか――OHANASHIしようか……」

「な、なのは……」

傍にいるなのはに救いの手を求めるが――

「にゃはは、ちゃんとフェイトちゃんとOHANASHIしてきてね」

満面の笑みだった。この時あの時あまり苛めなければこんな結果にはならなかったかなあと思った。

他に誰か居ないかと見渡すが――この世界に救世主はいなかった。いるのは死神と悪魔だけだった……。

フェイトに別の場所で話そうと言われ俺は強制的に連れて行かれた。

――きっと今流すに相応しいBGMはドナドナに違いない……。
















「大丈夫か?」

「ダイジョウブダヨ」

カミナリ怖いカミナリ怖いカミナリ怖いカミナリ怖い…………。

「オイ、しっかりしろ」

「ザック! アレ? 俺は一体何を?」

「何馬鹿なことを言っているんだ。早く仕度しろ」

あぁそうだった。これから大事な会議があるんだった。

なのにどういうわけかここに来る前の記憶が無いんだけど――

ユーゼスコスチュームを着てと、行きますか。






その会議の場にはゼロ、アバン先生、KOS-MOS、プレシア、ドクター。

バニングス社の社長デビット・バニングス、月村重工代表の月村忍。

ミッドチルダ地上本部代表のレジアス中将、聖王教会代表の騎士カリム。

さらにSW財団代表代理としてジョセフ・ジョースター。

魔術協会からキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ

という豪華なメンバーが集結していた。

今回の会に欠席しているのは錬金戦団と外界宿アウトロー

ヘルシング機関ぐらいか。




「さて諸君、ついに準備が整った。

来るべき時に備えて我らは力を団結せねばならない。

そう奴らに対抗するための組織を――ゴッツォ財団を、ここに設立することを宣言する!」
















 ???side


「首尾はどうだったかね?」

「蒐集は問題無い。――ここに戻る途中、何やら奴らは仲間を集めて

組織を作り出そうとしているみたいだったが」

「成程、これからの戦いに備えて一個人では敵わないと判断し組織を作ったのだろ。我々と同じようにね」

「……言っておくが我は貴様など露ほどにも期待してはいないぞ」

「言葉を慎みたまえ。ここでは私が指揮官だ。少なくとも今君は私に従わなくてはならないのだ」

「フン、貴様など事が済めば超獣へと改造してくれるわ。

それよりもだ、我ら"ダークスフィア"に

新たなにメンバーを加入すると言っていたが一体誰になると言うのだ?」

「そのことだが、本来ならばジェイル・スカリエッティをここに招くつまりだったのが。

先に彼らに勧誘されてしまった。が、彼とは別で呼び寄せたい人物がいるのだよ」

「誰だそいつは?」

「彼は我々と同じく――タイムダイバー。

つまりこの統合世界の外からやって来た、いや或いは招かれた人物だ」

「ほう」

「現在は地球のある組織に在籍している。

その組織の名はACカンパニー。正式名称は――"萌えっ娘カンパニー"だ」




















「初めまして、皆さん。ユニゾンデバイスのリインフォースⅡと申しますです!

これからお世話になるです! 宜しくお願いしますです!

私が来たからには大船に乗ったつもりでいて下さいです!

なんと私とユニゾンすれば最強の戦士になること間違いなしです!

そう例えるなら孫悟空とべジータがフュージョンしたゴジータどころか

ポタラでベジットになるくらい強烈なパワーを引き出せるくらいなのです!

あっ、でもポタラと言いましたがユニゾンした後そのまま一生その姿になるわけでは無いですから

その点は安心して下さいです! ただ私とユニゾンできるのは一部の例外を除いて

ベルカ式の使い手じゃないと駄目なのです! 最強の戦士になるにはそれくらいの条件は付き物なのです!

そうしないとチート乙なんて叩かれてしまうのです!

それに誰構わずユニゾンするほどリインは軽いユニゾンデバイスではないです!

ところで私のマイスターは……あっ、始めましてマイスターはやて。

貴方の妖精、八神家のマスコットことユニゾンデバイス、リインフォースⅡです!

気楽にリインと呼んでくださいです! 私もはやてちゃんのことははやてちゃんとお呼びするです!

あっ、はやてちゃんの隣にいる貴方は私の基となった初代リインフォースですね。

貴方のおかげで私は生まれる事ができたです! 

あの早速ですが貴方の事をお姉さまとお呼びしてもよろしいですか?

流石は私のお姉さま。とても素敵なバディです!

私も大きくなったらお姉さまのようにボン! キュッ! ボン! になるのです!

エターナルロリータのヴィータちゃんとは違うのです!

とっとと、急に襲い掛かって何ですか? えっ、貴方がヴィータちゃん?

わおぉ……噂通り、すごく……ロリです……。

えっ、お前に言われたくない? 確かにリインは今はヴィータちゃん以上の

スーパーロリータ、略してスパロリですが

リインはヴィータちゃんたちとは違って成長することができるのです!

つまり十年後にはヴィータちゃんたちはそのままの姿でも私はお姉さまのようにボン! キュッ! ボン!

に成長しているのです! このように生み出してくれた仁さんの技術は次元世界一ィィィ! なのです!

分かりましたかヴィータちゃん? ヴィータちゃんと私との間には越えられない壁があるということなのです!

えっへんなのです!」

「ううぅ、うわあああぁぁぁん!! あたしだって好きでこんな姿になったわけじゃないやーーー!」

「じ、仁。これは一体……」

「これがリインの力か……素晴らしい! ヴィータを一瞬にして無力化するとは

やはり俺は間違っていなかった!」

「んなわけあるかぁぁ!!」

「グッフゥ!」

「はやてちゃん……何て見事な右ストレート」

「……お姉さまか…………いい!」

「騒がしくなりそうだな……良いか悪いかは別として」

「そうだな……」

「あたしが欲しかったのはこんな、こんな妹じゃなかったんだーーー!!」

こうして八神家に新たな家族が加わりその日からかなり騒がしくなったそうな。




















 人物紹介


・ジョセフ・ジョースター

登場作品:ジョジョの奇妙な冒険

第二部の主人公であり第三部の空条承太郎の祖父。

波紋使いにしてスタンド使い。

スタンド名は隠者の紫ハーミット・パープル

仁の助言からDIOとの決戦後、再び波紋の訓練を始めて外見が第三部の頃と変わっていない

(むしろ若く見えるかもしれない)。







 技紹介


・ルナポーション

登場作品:ウルトラマンコスモス

夢世界侵入能力。人の夢の中に入る事ができる。




・ストップフラッシュ

登場作品:ウルトラマンA

腕を胸の前で交差させて放つ活動停止光線。





・フルムーンレクト

登場作品:ウルトラマンコスモス

右掌を前に突き出して放つ、攻撃技ではなく、相手の感情を静めておとなしくさせる興奮抑制光線。

実体を持たない相手や、心を持たない相手には効果がない。




・コスモミラクルブレイカー

元ネタ:コスモミラクル光線(ウルトラマン物語)

仁版スターライトブレイカー。

周囲のエネルギーをブレイブアークに集束して放つ最強の光線。








 設定紹介


・ゴッツォ財団

各国に存在する異能組織を調停するという目的で設立された特殊財団。

主に国内での異能によるトラブルを解決することを任としている。

他にも活動内容は地球と管理局を調停することであるが

最大の目的は邪神に対抗するための戦力を整えるために結成した組織である。

またその活動資金確保のために一部を民間企業として独立させ資金を得ている。

主に太陽光エネルギー技術開発などに力を入れている。

バニングス社、月村重工、SPW財団などとは協力関係。

代表理事にユーゼス・ゴッツォ(迫水仁)、ゼロ(ルルーシュ・ランペルージ)。

後にミッドチルダ地上本部の支援組織となる。





・ダークスフィア

元ネタ:???

仁たちと敵対する謎の組織。現在確認されているメンバーは

ヤプール事件で倒されたヤプール、管理局所属の一等空佐が確認されている。

ヤプールの台詞から組織のメンバーはルルーシュやアバン同様に

統合世界の外の世界から来た者達にによって構成されているらしい。







 あとがき?


こうして仁となのはは友達と書いてライバルと呼ぶ間柄になったのだった。ちゃんちゃん。

なのはのダークサイドを書いていて邪神側に入る事も考えましたが

この話のジャンルにダークシリアスは無いので断念しました。

あんだけ引っ張っておいてあれで終わりかと思うかもしれませんが見逃してもらえると有難いです。

もしくはもう少しここをこうすればよかったんじゃないかというご意見がありましたら有難く頂きます。


そしてようやく誕生したリインについてですが……

うん、これでよかったんだ。これでよかったに違いない。

元気があっていいじゃないか。……いやでもよかったのかなあ……。

ちなみにリインは本当に成長すればリインフォースのようにボン! キュッ! ボン! になります。

また成長した後も変身魔法の応用で今の姿に戻ることもできます。

でも性格は今と変わらないかも。少しは落ち着いているかもしれないですが。

最もリインがボン! キュッ! ボン! になるまで物語の時間が進むとは限らないという……。

ともあれ妹的存在が欲しかったヴィータはドンマイ。多分、そのうち、きっと可愛く見えるよ……。


とりあえずこれにてA's to StSの序盤は終了。

次回はショートストーリー的なものを上げてそれから中盤開始かと思います。






[7126] A's to StSの09.5 ほんの少しの休息を
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/11/22 19:50



地球のケニアにあるトゥルカナ湖。

この場所で俺達は大規模な発掘作業をしていた。

最もこれは財団にとって最重要機密の事柄なので結界を張って人払いをし、

外から感知されないように注意しながら作業を進めていた。

そしてこの地で数日経ってからようやく今回の目的の物を探し当てた。

「これが……そうなのか?」

「間違いありません。99.8%の確率でこの建造物が目的の物です」

俺達が探し当てた物は、湖中から金色のプレート型をした物体だった。

「これが……ゾハル」

後はこれを回収して封印処置を施せばこの長期任務も終わりだ。

「スタッフ、絶対にこれの存在を他の組織に知らされるなよ!」

特に管理局は勿論の事、教会や魔術協会の一角であるアトラス院などとかだ。

「お疲れ様です、仁」

「KOS-MOSもお疲れ様。でもホント君が居なかったらこれの存在に気づく事は無かった」

ヤプール事件で負傷していたKOS-MOSが大気圏突破できたのはこのゾハルから

エネルギーを受信していたからだった。その事を調べ上げた俺達はこの地球にゾハルがあるのだと知って、

直ぐにゾハル発掘任務が始まった。ゾハルを他の組織に渡すわけにはいかないから。

ゾハルは宇宙が誕生する前から存在していたとされる最大最高のロストロギアであろう代物だ。

それを利用されるわけにはいかない。もし誤った使い方をした場合は最低でも惑星一つ消滅してしまう

事態になってしまうからだ。万が一地球でそんな事になったら、

俺はその瞬間死に、二度と転生することはできなくなってしまう。

俺は地球とは運命共同体の関係なのだ。俺は通常死んでも転生し、新たな生を受けることができるのだが、

だが地球が死を迎えた時は、俺も死んでしまい、二度と転生することが無くなる。

だから俺は最優先でゾハルの確保を始めたのだ。とりあえず他の組織に気づかれずに確保できたのは幸いだった。

この後のゾハルは処置は先程言ったとおり封印することになっている。

あれは人が制御できるものではない。最低でもあと数千年先の未来の技術じゃなくては

あれをどうこうできないだろう。ドクターが解析できなくて実に残念がってたが、

こればかりは流石に我慢してもらった。まあこうして確保し、封印処置もできたことから

ようやく休む事ができるわけだ。というわけで…………。



















ウルトラでカオスなリリカル戦記


A's to StSの09.5 ほんの少しの休息を























 高町家


「美由希、ちょっとお父さんとお母さん出かけてくるから留守番よろしくな」

「はいはい、いってらっしゃい。――まったく相変わらず仲がよろしいことで

恭ちゃんも忍さんのところに出かけてるし……」

「お姉ちゃーん、ちょっと出かけてくるね」

「なのはも用事?」

「仁君との模擬戦なの。今日こそコテンパンに倒してくる!」

「ほどほどにね。……私一人なっちゃった。あっ、そうだ!

――――もしもし、エイミィ。私だけど今空いてる? えっ!? デート!? いいいっ一体誰と?!

今度教える? そ、そう。えっ? いいよいいよ気にしなくていいから、また今度ね……はぁ」



「――――私も……誰かと一緒にいたいよぉぉぉ!!」


*結局一人寂しく留守番するのであった。



















 ドクターの勧誘・裏話


「私が君達の下へ行くとでも思うのかね」

「そうだろうな。ならば条件を出そう」

「何かね、その条件とは?」

「――KOS-MOSを弄っていいよ」

「なん……だと……」

「仁、それはどういうつもりですか!?」

「その話乗った!」

「ドクター!?」


*その後、仁はKOS-MOSにドクターはウーノに怒られたたのだった。



















 二代目翠屋店主?


「いらっしゃいませ。お二人様ですね。どうぞこちらへ」


「本日のおすすめはこちらになりますが」


「シュークリームもよろしければどうですか?」


「ありがとうございました」


「――ねぇ、ルルーシュ君。うちに婿入りしない?」

「は?」

「二代目翠屋の店主は貴方しかいないわ!」


「やっぱり私はいらない子なんだ……」

「泣くなよ、なのは」

「な、泣かないもん!」


*ルルーシュならホントにいいパティシエになれると思う。

















 リインフォースⅡ誕生秘話


「どうせだったら、色々な因子を取り入れようぜ」

「ほう、どんなものを入れようというのかね?」

「それはずばり――ネタだ! 主に、と言うかむしろ俺の持ってるネタをほぼ全てを詰め込む」

「ふむ、たとえば以前君が話してくれたGUNDAMやCODE GEASSなどのことかね」

「ゲームだったらDQやFFを入れてその魔法が使えるようにするとか」

「ふふふ、面白くなってきたね」

「カカカ……まだまだネタが出てきそうだ。これだから創作するというのは楽しいのだ」

「ふふふふふ……」

「カカカカカ……」

「……貴方達、ちゃんとしたのを作らないとはやてが泣くわよ」


*結局二人共暴走して生まれたリインであった。















 姉妹?


「おい、ルルーシュ。ピザはまだか?」

「C.C.、少し待っていろ、もうじ……っ!?」

「ふっふっふ、驚きましたか、ルルーシュさん?」

「今のはリインだったのか……」

「C.C.お姉さま、リインは上手くできましたか?」

「上出来だ。では次に主夫のこき使い方を教えよう」

「はいです! 立派に主夫をこき使ってみせるです!」

「コラ待て! リインに変なことを教えるんじゃない!」


*C.C.の性格が何時の間にか成長していました。

















 サブキャラ


「うん? どうしたんだい、ユーノとクロノ」

「やあアルフか。まぁ少し考え事をね」

「そのわりには真剣に悩んでいたようだけど、一体何を悩んでいたんだい?」

「実は……最近の僕らの出番が少ないんじゃないかって話し合っていたんだ」

「はあ? あたしだって出番少ないよ」

「アルフはまだいいよ。フェイトと一緒にパワーアップイベントがあったんだから。

僕なんかルルーシュのせいで無限書庫イベントがはぶられたんだから」

「僕だってグレアム提督からデュランダルを受け取らなかったぞ」



「貴方達はまだいいじゃない!」

「だ、誰だ!?」

「き、君は…………マリー!」

「私なんてアバンさんが登場したせいでレイジングハートたちにカートリッジシステムを搭載する

イベントを取られた上に、仁君とドクターにリインフォースⅡの製作まで取られちゃったんだから!

そのせいで私っていまだに名前しか出てきていないのよ!」

「えっと……そ、その……」

「「「すみませんでした」」」

「別に謝らなくてもいいのよ。……ただね、私は一度だけでもいいの……出番が欲しいよおお!!」


*マリーの出番はあるさ。多分……。

















 迫水仁・デバイス開発・魔改造計画書・極秘ファイル(閲覧禁止)



以下は新型デバイス開発計画書の一部抜粋である。

なお、仁が手掛けたデバイスの基礎言語は日本語に変換されている。



・蜃気楼

ルルーシュ専用ストレージデバイス。詳細は別のファイルに記載。



・壱式突艦槍

零式に次ぐ突艦槍。零式とは違い、インテリジェンス機能とカートリッジシステムを搭載したアームドデバイス。

現在の使い手は無し。




・弐式突艦槍

量産型突艦槍。レジアスからの依頼で製作中。

訓練生などに支給されることから使いやすさを重視した作りとなっている。




・参式突艦槍

ゼスト用の新たな突艦槍。現在製作中。




・====(二重線を引かれていて文字が読めない)







以下のデバイス魔改造計画の一部を抜粋



・レイジングハート・エクセリオン

なのは用のデバイス。マニューバモードを搭載予定。

マニューバモードではAT機能が使用可能になる。

詳細不明なブラックボックス部分を発見。現在調査中。

またレイジングハート用のオプションパーツの製作を検討中。




・バルディシュ・アサルト

既に魔改造済み。

マニューバモード搭載。

ハルバートフォームという防御壁切断用フォームを追加。

*アニメ本編の真ソニックフォームは仁の意向で却下。



・リインフォースⅡ

(文字化けしており解読不能)




・守護騎士達のデバイス

性能の底上げ。理論上で構築したシステムを搭載。詳細は不明。







以下のデバイスはとある問題で不採用となったデバイス魔改造のボツ案である。



・レイジングハート・ゼオライマー

冥王専用のデバイス。レイジングハートのカートリッジシステムを廃止して次元連結システムを

搭載した最凶最悪のデバイス。あらゆる次元からエネルギーを供給するので

自身の魔力を殆ど消費せずに魔法を使う事ができ、また強力な自己修復やバリアが可能。

最大の攻撃であるメイオウはあらゆる物質を塵一つ残さず消滅させる。



不採用理由

次元連結システムの設計、開発ができず断念。このシステムを生み出した

木原マサキはやはり天才ヘンタイだったんだなと思った。





・グラーフアイゼン ゴルディオンハンマーモード

グラーフアイゼンの新モード。あらゆる物質を光にしてしまう破壊力を持つ金色のハンマー。



不採用理由


使用時の反動の問題。その反動を抑えるオプションパーツの開発を考えると他のデバイスを強化する方が

実用的であると判断。また不採用した最大の理由はGストーンが作れないから。




 断念した技術


・核融合炉

ガンダムの核エンジンを開発しようかと考えるが、ミノフスキー粒子が存在しないことに

開発中に気がつき途中で中止。




・GNドライブ

精製不可。たとえ製造法を知ったとしても製造には100年以上掛かるので断念する。

擬似太陽炉ならば可能かもしれないが、人体に悪影響があるのでこれも断念。




 財団戦力増加計画・魔導兵器開発計画

魔法技術と科学技術を組み合わせた技術による兵器開発計画。

財団の所有する戦力は個々の能力は極めて優秀であるがその人員は少なく、

管理局などの組織に比べて圧倒的に戦力不足という問題がある。

その問題を解決するために新戦力として非魔導師、非能力者用の武装の製作計画を立案。



・非魔導師用装備計画

アバンが製作した魔弾銃の技術を応用して呪文(魔法)ではなく魔力を込めた弾丸による魔力銃を製作。

現在はアサルトライフルを開発。今後ハンドガンタイプやロケットランチャータイプなどを開発予定。



・KMF量産計画

ジュエルシード事件でルルーシュが使用した傀儡兵をより実戦用に開発した新型傀儡兵・KMF。

その第一号のサザーランドを開発。

後に地上本部と公式に協力関係になった際には陸士部隊に配備する予定。


他、何らかの計画を進めている。





[7126] A's to StSの10 義妹(予定)ができました
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/11/22 20:14




雨が降る中で墓の前で佇んでいる少女がいた。

その墓石にはミッドの言語で「ティーダ・ランスター」と書かれていた。

「ティアナ」

少女の名前を口にする。

「――仁さんですか?」

無表情のまま返事をするティアナ。

「単刀直入に言うが、このまま一人で生きるか、それとも俺のところに来るかを選んでくれ」

淡々と俺はティアナに告げた。今のティアナの心情を無視したまま。

「―――-強くなりたいです」

小さい声で、しかしその声をどうにか聞き取れた。

「私は強くなりたい。仁さん、私を鍛えてください」











ウルトラでカオスなリリカル戦記


A's to StSの10 義妹(予定)ができました














「ふぁあ~」

何か昔の夢を見ていたような気がするがその夢の内容が何だったのか思い出せない。

まあ思い出せないなら大した事は無いのだろうと思いながら若干寝ぼけたまま部屋を出て

リビングへと向かう。今の俺はミッドにある家で生活している。

というより必要に応じて地球とミッドを行ったり来たりしている。

財団の仕事や地上本部との会議で何気に忙しいのだ。

まあそれだけでミッドにわざわざ家を用意したわけではない。

ミッドで寝泊りするだけならレジアスに寮を用意してもらえればいいだけの話なのだが

そうしないのはミッドでは俺だけではなくもう一人いるわけで、

丁度朝食の準備をしている同居人もとい家族であるティアナの存在がいるからだ。

「おはようティアナ。そして――さあ、今日こそ「おはよう、義兄さん」と呼ぶんだ!」

「お断りします、仁さん」

即答された。

「ううう、ティアナはいつになったら俺のことを義兄さんと呼んでくれるんだろうか……」

毎日めげずにお願いしているのだがティアナは全て断っている。

それに俺に対する接し方もどんどん冷たくなっているし……。

ティアナ・ランスター。オレンジ色の髪の毛で後のツンデレとなる少女だ。

俺の友人で射撃の師でもあったティーダ・ランスターの妹。

ティーダの死後、兄以外の親族がいなかったティアナを引き取ったのだ。

ちなみに身元引受人はアバン先生だ。

当時は兄の死というショックで落ち込んでいたが、今は元気に過ごしている。

あとはKOS-MOSもたまにここに来る事がある。彼女は俺の秘書的存在である。

最近俺への扱いが冷たいような気がしてならないが。

それからルルーシュは数年前から別々で暮らしている。

というかミッドではナカジマ家にいるようだが、そこまで仲が良くなったのが不思議だ。

一体何でだろうか? 妹的存在が二人いるからなのか、別の要因なのか、今度聞いてみるかな。

ティアナの話に戻るが前々から俺のことを義兄と呼ばせようとしているのだが、中々呼んでくれない。

だが今回は違うぞ。見せてやろうではないか。兄の威厳と言うものをな!

「ティアナ、出かけるぞ」

「出かけるってどこにですか?」

「今日は美味しいケーキ屋に連れてってやろう」

「是非!」

先程のクールな表情から一変して嬉しそうな顔で返事が返ってきた。

見事に釣れた。ここまでは計画通り。あとは……。

「ですがこれからも仁さんのことは仁さんと呼びますので」

……スバルとかと違ってガードが固すぎると思うんだティアナよ……。















「ここが地球ですか?」

「そう。第97管理外世界だ。俺の故郷でもある」

「見た感じではミッドとあまり変わらないようですね」

「日常生活での技術レベルはそこまで大きな差は無いかな」

宙にモニターが現れたり、次元航行艦は無いけどな。表向きは。

「まあでもこの世界では魔法文化は無いからその辺では差は出てくるだろうが」

ティアナに地球について説明しながら目的地のケーキ屋を目指す。

その目的地のケーキ屋とは当然海鳴市のあのお店である。

「こんにちは。桃子さん」

「あら、いらっしゃい仁君。うん? どうしたのその娘は? あっ、もしかして……」

桃子さんが何か考える素振りを見せて。

「仁君とフェイトちゃんの娘?」

「なわけがないでしょうがっ! 大体、年が合わなくなるでしょうが」

年齢的にもしそうなったら色々と大変である。てか常識的に考えて犯罪者である。

「それもそうよね。あっ、ごめんね。立ち話させちゃって」

そう言って席に案内された。

「ご注文は?」

「本日のケーキセットを」

「はぁい。仁君は?」

「カレーライス」

ケーキ屋でカレーかよ。な目でティアナと今日たまたま店の手伝いをしていたルルーシュに見られた。











「本当に美味しいですね」

翠屋のケーキにご満悦のティアナだった。

その前の席で俺はカレーを食べている。カレーも美味かった。

「ところで仁さん、話しがあるんですが」

ティアナが真剣な目で俺を見つめる。

「うん? 何だ」

俺はティアナが言いたいことに何となく思い当たりがあったので多分それじゃないかと

思いながら聞く。

「いつになったら私をちゃんと鍛えてくれるんですか?」

やっぱりそうだった。

「鍛えてるじゃないか精神鍛錬を」

ティアナは俺のところで鍛錬を受けるつもりで一緒に暮らしていて現在は精神鍛錬をさせている。

というか実際はそれしかさせていないのだ。

「いい加減次の段階に進んで魔法の練習をさせてください」

「まだ早い。ティアナはもう少し待つということを学ぶことだな。

だがそうだな、俺のことを義兄さんと呼んでくれるなら……」

「…………もう少し、頑張ります」

「ねえ、そんなに俺のことを義兄さんと呼ぶのいやなの!?」

かなりショックなんだけど。一体俺が何をしたと言うのだろうか。

それからもティアナがしつこく訓練させてくれという話をしてきて困っていたら

高町兄がやって来て俺のことを見つめて、というか睨んでいた。

はて? 何かあったのかと考えている間に俺たちのテーブルに近づいてきて、

「どうしたんです? 高町あ……」

「迫水仁! DIO様の仇ィィィィイイ!!」

有無言わさずに突然斬りかかってきた。ティアナを庇いながらその場から離れた。

何やら訳が分からんがどうやら俺が狙いっぽいし、ここは……。

「逃げるが勝ち!」

店の中で暴れるわけにはいかないと判断してすぐさま店を出て逃亡した。

別にティアナの話から逃げるためじゃないからな。

そんなことよりもどうして高町兄がDIOの名を知ってるんだ?











翠屋から公園へと逃げ込んだ……のだが

「怨敵迫水仁、覚悟ォォ!!」

直ぐに追いつかれ、やるしかないと構え……消えっ!?

「ッ!」

高町兄が消えたと思った直後に攻撃を受けた。

神速! 直感で防御しても徹を、避けようとしても貫で攻撃を受ける。

なのはとは比べ物にならない。こ、これが噂に聞くKYOUYAというものか!?

ブレイブアークを取り出す暇も無い。このままじゃ嬲り殺しにされる。

早く何とかしないと本気でやられる。何か手は……。

「アヌビス神は絶っ~~~……対に負けんのだッ!」

イっちゃってる高町兄を向かい撃つために俺は義手であり奥の手である左手を高町兄に向けた。

「ロケットパンチ!」

その名の通り義手である左手はロケットパンチとなって発射した。

ドクター製義手の隠しギミックその1。

「甘い!」

しかし高町兄の超人的な反応によって俺のロケットパンチは切り払われた。

「まだだ、ヘルズフラッシュ!」

続けてロケットパンチを発射し左手が無い腕からエネルギー砲を放った。

ドクター製義手の隠しギミックその2。しかし……。

「この至近距離で避けた!?」

流石に完全には避け切れなかったのか、ダメージを負っていた。だが対して問題なさそうに見える。

「直撃を受けていたらノックアウトだったろうが……

だがその技は覚えた。今度こそお終いだぁぁぁぁああ!!」

俺の背後に回った高町兄が斬りかかって来るのに対し俺は残っている

左腕を小太刀に突き刺されるように向けた。

「自ら腕を差し出しただと!?」

「パージ!」

小太刀が刺さった義手を切り離した。そして……。

「爆発!」

「何だとぉ!?」

切り離した義手はそのまま爆発を起こした。

小太刀を持ったままだった高町兄は爆発に巻き込まれそのまま倒れ込んだ。










「な、何とかなったか……」

まさか『こんな事もあろうかと思って』な義手のギミックを全て使う事になるとは……

いやそれよりも高町兄が持っていた小太刀。いや元は剣か。こいつがここに現れるとは……。

「久しぶりだな……アヌビス神。まさかまだ存在していたなんてな」

てっきりナイル川の底で錆び付いて消えたのかと思ったのになんて奴だろうか。

『おのれぃ、迫水仁めぇぇ……』

「その執念は見事だが……っ!? な、何だ!」

アヌビス神を回収しようとした時、何かが空から落ちてきた。

「――す、すずか?」

その落ちてきたものの正体はすずかだった。

「すずか、どうしたんだ一体?」

「――――ミツケタよ、仁君……」

-―――とても嫌な予感がしました。突然現れたすずかは様子がおかしい。

そしてこの場合は碌な事が起きないと勘と経験が告げている。

だって今まさに俺が回収しようとしていたアヌビス神をすずかが触れようとしているのだ。

「すずか、その剣に触れるな!」

「もう、持っちゃったよ」

すずかがアヌビス神を持ってしまった。まずい今度はすずかがアヌビス神に洗脳される。

つまりまた攻撃されると思い攻撃に備えて構える。けれども。

「す、すずか……」

「ん、どうしたの仁君?」

「……いや、何か変化は無いか?」

「ん? 何のこと?」

おかしい。アヌビス神に触れれば高町兄のように精神を乗っ取られるはずなのに。

すずかは俺を襲うような素振りを見せない。何も無いなんてことが……。

「……ソレヨリモね、私ね……トテモ苦しいの。体中熱くて……胸が苦しいの。

デモ、これを治す方法は知っているの。仁君、手伝ってくれないカナ?

手伝ってくれるよね? 友達だもんね。私の――だもんね」

嫌な汗が流れてくる。やばさ加減はさっきの高町兄の方がまだマシなんじゃないか?

と思うくらいだ。これはどういうことだ?

高町兄よりも俺はこのすずかをとても恐れている。怖い、やばい。汗は止まらない。

アヌビス神とは違う何かを……これってまさか……。

「ダカラ仁君。お願いダカラ――血を吸わせてネっ」

その瞬間、すずかは俺の目の前に近づいていた。

「ッ!?」

簡単に接近を許したことに驚きつつも、すぐにその場から後ろへと下がった。

今の動き、さっきの高町兄の神速と同じくらいのスピードだったぞ。

そしてだ、血を吸いたいと言っていたが、それってつまりは…………発情期かーーーー!!

すずかのこの状態はつまりそういうことか。つうか何で俺が対象なんだよ。他に候補はいないのかよ!

え~と……

ユーノとクロノは管理局にいるから滅多に会えない、会わないからこれは除外。

地元だと高町兄がいるが、姉である忍さんの彼氏だからこれも除外。

つうかあそこで伸びているにも関わらず無視している。やっぱ眼中に無いのか?

あと残っているのはルルーシュと俺だが、ルルーシュはここに居ない。そして俺はすずかの目の前に居る。

つまり今回偶々俺だったわけなのか? なんて間が悪すぎるんだよ俺って奴は!

てかアヌビス神の乗っ取りが通じないのはそういう理由なのか!?

吸血種(発情期)+アヌビス神(過去のジョジョ三部+先ほどのKYOUYAの経験)=

御神の剣士じゃない癖に神速並みの速さな上にパワーは明らかに高町兄より上で

技量はアヌビス神で補っているというスーパーチートの完成ですね。

って何じゃそりゃーーーー!!

こんなのをまともに相手できるか。ただでさえKYOUYAに襲われて、左手が無くなったというのに……。

そ、そうだ。すずかのような相手にこそ打ってつけの技があるじゃないか。

前のなのは戦で使用したフルムーンレクトが。あれを使えばすずかの元に戻せるはず。

だったらここは変身だ。もう俺が力を失っているなんて設定はばらしたんだからもう躊躇う必要は無い。

と言うかここでやらなきゃヤられてしまう。

ならばと懐に手をやりブレイブアークを取り出した。

「ブレイブーー!」

そして声高々に上げて変身。

……

…………

………………

……………………アレ?

「どうしたノ? ナニかしようとしたんじゃないのカナ?」

「な、なぜだ? なぜ……変身ができない……」

変化が無かった。おかしいと思いブレイブアークを見てみると――――ただのスプーンだった。

って何でスプーンが……はっ! ここに来る前に翠屋でカレーを食った時か!

あの時、突然高町兄に襲われてそのまま持ってきてしまったというのか……。

じゃあ本物はどこにいった……。

「もしかしてぇ……仁君が探しているのってコレのことカナァ?」

すずかが手に持つ物を見ると、それはまさしく俺の探し物であるブレイブアークがそこにあった。

「そ、そのう、それを返してくれないでしょうか?」

俺のお願いにすずかは。

「うん、それ無理♪」

満面の笑みで断られた。それだけでなく、すずかはあろうことかブレイブアークを

遠くへと投げ飛ばしてしまった。

「ちょっ!? う、うそーー!」

「これでオカシな真似は出来ないよネ」

ま ず い !!

以前だったら念波によって手元に転移させることができたが、

今のブレイブアークにはブレイブが宿っていないから俺の念波によって転移させることができない。

何時の間にかすずかに馬乗りされている今の俺はすずかにとって餌でしかない。

「……仁君。私、前から思ってたんだ。仁君の血って絶対に美味しそうだなって……。

ダカラね、血を吸うなら仁君のにしようって決めてたんだ。

それでね、ここ最近に発情期が来て、部屋に閉じこもって我慢してたんだけど。

今朝、仁君の匂いがしたからもしかしたらと思ったら……。だから我慢できなくなっちゃった」

すっごいエロっぽいすずかなのだが。とてもじゃないが欲情できません。

むしろ身体とか色々縮こまっています。抵抗しようにも『魅了』の力は無力化できても

その細腕からは在り得ないほどの腕力を振り解くことができない。

「それじゃ頂きます。あっ、ちゃんと優しく噛むから安心して。

……もしかしたら痛いかもしれないけど……でも段々気持ちよくなるからね」

「落ち着け! お願いだから止めて!」

「あっ、それから仁君は私の家で暮らそう。そうすれば毎日仁君の血を吸えるもの。

これからは我慢せずに好きな時に仁君の血を飲んであ・げ・る」

「話を聞けぇぇ!」

そんな恍惚な目で見るな! あと俺はMじゃないから痛いのは御免だ!

それとそれは暮らすじゃなくて飼うの間違いじゃないのか!?

そんな目に遭うのは御免だから。そんな俺の必死の抵抗は介さずにすずかは俺の首筋に顔を。

「な、南無三!」

もう駄目だと諦めようとしたその瞬間、俺の目の前に金色の光線が横を通りすぎていった。

その光線に見事に受けたすずかは吹っ飛んでいった。

「この金色の魔力光は……ま、まさかフェイト!?」

金色のオーラを纏い、ビリビリっと帯電したその姿はまさしく

スーパーサイヤ人2状態なフェイトがそこにいた。やばっ、めっちゃカッコイイ。

「酷いなぁ、フェイトちゃん。私じゃなかったら怪我していたよ」

起き上がったすずかはあの攻撃でまったくの無傷だった。

どうやらあの攻撃をアヌビス神で受け流したみたいだ。何故それが分かったかと言うと

アヌビス神から悲鳴のような声が聞こえてくるからだ。

「フェイトちゃんどいて、仁君の血……吸えない!」

「仁に手を出すなら、いくらすずかでも許さない!」

「それはこっちの台詞だよフェイトちゃん。私の邪魔をするなら……

まずはフェイトちゃんから吸ってあげるよ!」





その後のフェイトとすずかの戦いはまさに人智を超えた戦いであった。

時たまに、流れ弾がくるが気絶中の高町兄を盾代わりにして観戦。

最高クラスの魔力を持った閃光の魔導師と最高クラスの身体能力を持った吸血種。

バルディッシュ・アサルトとアヌビス神の対決。こんな状況じゃなかったら胸が熱くなる

バトルだろうが、変身できない今はそんな気分になれないがその戦いを見守った。

すずかはフェイトが繰り出す攻撃を瞬時に見切り、

同じ攻撃ならばまったく労せずに突破しフェイトに近づいて攻めるすずか。

近接攻撃しか出来ないすずかに対し、空中から攻撃を仕掛けるフェイト。

しかし驚異的な身体能力で上空に飛んでいるフェイトのところまでジャンプで近づく。

それをプラズマランサーで迎撃するがアヌビス神で切り払われてしまう。

その時、剣から『電気が! 電気がぁ!』と

聞こえてくるがすずかは気にせず目にも止まらぬスピードで切り払い続ける。

しかも中盤から切り払っただけでなく同時に衝撃波も飛ばしてくるというレベルアップを為していた。

これもアヌビス神、または夜の一族の力なのだろうか。

ところでフェイトのプラズマザンバーとすずかのその太刀筋を見て思い出した。

「ああ、これってFF7ACか」

自身よりも大きな大剣を振り回す金髪フェイトと一太刀で大地を、木々を容易に切り裂くすずかの

戦いぶりからそれを想像してしまった。






「私は絶対に負けないんだァァァァ!!」

「プラズマザンバーーブレイカーーーー!」

次の一撃で決めるつもりなのかお互い力を高めて仕掛けた。

まあ結果的には両者ノックアウト。よって引き分けとなった。

後処理は後からやってきた忍さんたちに任せた。何故ここで忍さんが現れたかと言うと

どうやらあのアヌビス神を手に入れたのは忍さんらしく骨董品のオークションで小太刀として

出されていてそれを高町兄にプレゼントするために手に入れたらしい。

そしてそれを渡したらどこかに行ってしまって、さらに部屋に閉じ込めていたすずか飛び出したので

後を追ってみたら今に至るという。その今回の原因であるボロボロになったアヌビス神は俺が回収して

一応解決した。でも何か忘れているような……。

「――――あっ!!?」










「――――遅いです」

「だから悪かったって。機嫌直してくれよ~」

片付けの後、大急ぎで翠屋に置いていったティアナを迎えに行ったのだった。

余談であるが、ティアナの機嫌を直すのにシュークリームを買って帰った。

またフェイトとすずかの戦いで戦場となった公園がどうなったかは言うまでもない。

後に月村家が新しくしたとかしないとかそんな話を耳にしたが。

それからすずかについてはあの騒ぎの事は覚えてないと言っていた。


















 設定紹介


・アヌビス神

登場作品:ジョジョの奇妙な冒険

DIOの配下である自我を備えた三日月刀のスタンド。

刀を鞘から抜いた者、又は刀身に触れた者を「新しい本体」として洗脳する能力を持ち、

自分の宿る刀を扱わせる。しかし今回の覚醒すずかに対しては洗脳できず逆に支配されてしまった。

これはずずかの精神力がアヌビス神を上回ったからだと推測される。

また、相手との間に障害物があっても物体(生物)を透過して

斬りつける事ができる能力を持ち、またこれを使用するかどうかは任意で切り替えが可能。

更に一度受けた攻撃の性質を憶えて完璧に見切る事が出来る。闘えば闘うほど相手の動きを記憶し、

避けることが出来ない速度と攻撃に強化されていく成長性の高いスタンド。

洗脳された人物は、誰であろうと剣の達人になる。宿主が変わってもアヌビス神が覚えた

技量やパワー、スピードは引き継がれ、さらに洗脳した者がスタンド使いであれば、

その能力も引き出し使いこなすことも可能。

エジプトで、刀の大部分をスタープラチナに折られた上に、ナイル川の川底に沈んだが、

何者かによって回収されて折られた状態から小太刀として復元される。

後に様々な人々の手に渡って、骨董品オークションで忍が入手した。














 あとがき?


ビバ! 黒髪!! ジーク! ヤンデレ!!(挨拶)

ティアナの回かと思えば、発情期の暴走すずかの回でした。

黒髪・ヤンデレ・刀・吸血美少女ってどんだけ廃スペックなんだと書いた後で思いました。

でも今回のすずかって別にヤンデレってわけでもないか……。ヤンデレってムズカシイナー。

今回は正直な話、スプーンネタとアヌビス神登場がしたかっただけです。はい。

次回はちょっと重要な話をやる予定なんですが、次回の更新がまた遅くなると思います。

多分1月まで掛かるかもしれません。実は本作以外の話を構想していまして、

まだ完結していないのに別の話を考えるなって事なんですけどね

(もしかしたらその別の方を先に出すかも)。ちなみにそれが原因で遅くなるわけではないので。

本作の構想は一応できているのですが書くこととなると中々書けないのが悩ましいです。

いい加減色々とキャラを出したいですしね。

話が長くなりましたがまた次回お会いしましょう。





[7126] A's to StSの11 修行の前にサバイバルは、基本だろjk
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2010/01/01 23:30


「仁さん。入りますよ?」

自室で先生と最近のことについて話し終わり、気が乗らない雑務をしていたところに

ティアナがやっってきた。気分転換にと思い、ティアナを部屋に入れた。

「それで、何の用だ?」

椅子に座らせて用件を聞く。最もティアナの用件はどうせいつもの事だろうと

予測していた俺は既にティアナに返す言葉を決めていた。

「何度も仁さんに話している事ですが……私は強くなりたいんです」

「いいよ」

「ですから私に本格的な訓練を――えっ?」

「いいよ、訓練をつけよう。と言ったんだ」

俺がティアナのそのお願いを断ったか覚えてない。始めの頃は一日に最低三回はお願いしてきたのは

覚えている。数日で数えるのを辞めたけど。そして今回、ティアナのお願いを初めてOKと返事した。

「その代わり、条件がある」

「――義兄とは呼びませんよ」

……そういえばいつもティアナのお願いのあとにそんなことを条件に出してたな。

今度からむやみにそういうこと言うのはよそうかな……。

でもいつかは……。















ウルトラでカオスなリリカル戦記


A's to StSの11 修行の前にサバイバルは、基本だろjk
















「一ヶ月。一ヶ月の仮修行でお前を教えるに値するか判断する」

そのように俺はティアナに言った。

本来の予定ではティアナの精神が成長してから修行をつけようと考えていた。

けれど何時まで経っても成長してくれないのでこの方法を取ることにした。

「それでここはどこなんですか?」

「とある管理外世界だ。ちなみに無人の世界。で、はいこれ」

「これは?」

「サバイバル道具。マニュアルも入れてあるからそれ読んで使え」

「はぁ。それで、えーっと……」

「この世界で一ヶ月、生き延びて」

「は? はあああああ!!?」

「その間、にわか仕込みの魔法でも使うの禁止だから」

「ちょっ、ちょっと、待ってくださいよ!」

狼狽しているティアナをよそに俺はあることを思い出してティアナに。

「ティアナ、ちょっと両腕出して」

「?」

はぁ、と思いながら俺に差し出したティアナの両手首に、俺はある処置を施した。

「これでよし」

「何をしたんですか?」

「呪いをかけた」

「はあ!?」

「まあ今は関係ないので気にしない。別に命に関わることではないから」

直接的にはだけど……。

「じゃあ一ヵ月後に来るから、ちゃんと生き残れよ」

「そ、それってどういう意味ですか!?」

ほとんど説明ぜず、ティアナが叫んでいるのを無視して俺はテレポーテーションで帰った。















「随分とひどい真似をするねぇ。あの子、生き残れるかね?」

ただ今の俺は、ドクターのラボにて新型の義手の設計・開発中。

そこで先程のティアナのことについて話していた。

「実戦に勝る訓練は無い。と誰かが言っていたがまさにその通りだよ。

それにあの程度の試練に耐えられないなら、ティアナはただの一般人として生きていくしか無い。

この先のことを考えればな」

「ふむ。けどまあ君は何だかんだで甘いよねぇ」

ドクターにそんなことを言われながら俺はモニターの方に視線をやった。

『おなかすいた……』

モニターにはお腹を空かせているティアナが映っていた。

リアルタイムでティアナの無人島生活を監視している。

「……一応念の為だ。誤って死んでしまわないように見ているだけだからな」

それにあの場所には危険な動植物は存在しないから命の危険にさらされることは無いだろう。

『きゃあああーー!!?』

と思っていたら必死で逃げるティアナが映っていた。四十メートル以上の大きさの怪獣から逃げる姿を。

古代怪獣ゴモラ。今ティアナを追いかけているのはあのウルトラマンが苦戦し、

一度逃がしてしまったほどの強豪怪獣だ。

「でもあのゴモラは本物ではなくて、マケット怪獣だけどな」

マケット怪獣。メテオールの一種で、分子ミストで形成された怪獣。オリジナルと同等の能力を持ち、

実体があるので踏まれたり、尻尾に吹っ飛ばされたりしたら

今のティアナなら間違いなく死ねる。ただし一分間しかその姿を維持できないので

まあ制限時間の一分間逃げ切ればいいわけだ。それに本気で襲っているわけではないから

命の心配は無い。これも危機感を味わうという修行だ。

「やはり非道くないかね?」

何言っている。俺なんか先生から修行をつけさせてもらった時なんか、モンハンの世界に行って

ソロで金レイアと銀レウスを二十匹ずつ狩って来て。なんて買い物を頼むような

軽いノリで行かされたんだぞ。しかも装備一切無しでだ。クロノでさえ装備ありだったのに。

どれだけリトライしたことやら。それに今回は俺やクロノと違って一人だけではないんだから。

と思っている間に、ティアナが地面につまづいた。そのせいで今まさにゴモラに踏まれようとした瞬間、

その場にいたティアナが突如現れた少女に抱き抱えられてその場から脱出した。

「間一髪だったね。少しは心配したんじゃないかね?

意地悪そうな顔で見るドクターがうざかった。正直殴りてえ。あと今の助けが無かった場合は

助けたかもしれないのは内緒である。

それにしても久しぶり……でもないか。海鳴から引っ越した後の暮らしではよく会っていたしな。

今回ティアナにこのようなことをさせたのは、ティアナが来る前から来ていた

ティアナを助けた彼女のことを思い出して一緒にやらせるかと思って実行してみのだ。

別段深い意味は無く、ただ一度にまとめてやった方がいいかなと思っただけなのだが。

「……というかドクター、何をやってるんだ?」

「何って、君の新しい義手を作っているんだよ」

「それは知っている。けどな、その物騒なモノは何だ?」

義手じゃねえし。それは明らかに義手じゃないだろうが。

「最高の義手だと思わないかね?」

「やめろやーーーー!!」

結局、義手? ごとドクターをぶん殴った。

だって義手を作っているはずなのに腕だけじゃなかったんだぜ。胴体とか足とか付いていて

それを俺に付ける、もとい寄生させようとしていたんだから壊すだろうが。












「助けてくれてありがとう」

「いえ」

「私、ティアナ・ランスターといいます。あなたは?」

「……櫻井螢」

ティアナをゴモラから助けた黒髪ロングの少女、櫻井螢はティアナにそう名乗った。






「彼女が以前話した娘かね?」

「そう。彼女が櫻井螢だ」

ティアナより先に無人島生活を送っていた螢。

櫻井螢。後に「怒りの日」という名の運命に立ち向かう炎の剣士。

櫻井螢と出会ったのは、俺が海鳴に来る前の話になる。

その頃はまだ宝石翁の元でパシリをやらされていて、各地を転々と向かって色々とやっていた。

その中で数度だけ日本に行ったことがあった。そして俺はあの地に行っていたのだ。

諏訪原市。

後に「怒りの日」が起きるであろうあの地に。

俺があの地に向かったのは、宝石翁からその地に魔術結社が向かったという情報からその調査を命じられ、

行くこととなった。そこで俺はエセ神父とFカップシスター、後のBカップ先輩こと氷室玲愛に出会ったのだ。

そして黒円卓第五位の前任ベアトリスとトバルカインの人間時を初めて見た。

その二人とは生きているうちに出会うことは無かった。

その後はまた色々一悶着あったが、神父たちとの話し合い。この辺の話は長くなるのでまた別の機会で語る。

で、話し合い後。ベアトリスの後任となる櫻井は、神父ではなく俺のところへと来ることになったのだが、

俺はこの後は海鳴に向かう予定で、そこで魔法少女バトルの展開になるので

螢を連れて行こうとは考えなかった。彼女にはまだ戦える力が無い。

けど海鳴に行くのはまだ時間があったのでその間に力をつけたのなら連れて行こうかなと思い、

訓練を始めさせた。結果は……。まあ、そのぅ、物覚えが悪いというかなんというか……。

結局のところ先生の元へ預けてもらって、俺は一人海鳴へと向かったのだ。






















「聖餐杯は破壊不可能」

「くっ……」

さっきから繰り出している攻撃、必殺技のスペシウムバスター、ナイトビームブレード……。

俺の持てるあらゆる攻撃を奴にぶつけている。だが奴にそれらの攻撃は全く通用していない。

確か神父の体ってラインハルトの肉体だったよな。

あれにダメージを与えるには数十万だったか数百万の魂分の攻撃じゃなきゃ効かないんだったっけ。

そもそも、俺は正直のところ、Diesについてあまり覚えていない。

覚えているのはヴィルヘルムは戦闘狂だとか、ルサルカは嫁(?)だとか、

櫻井は女子高生に憧れている(?)とか、ラインハルトの能力がアーカードだとか

メルクリウスはニートだとか、そのくらいしか記憶に残っていなかった。

まあ……期待はずれな出来だったから……。

だが今回この地に来て新たに分かったことは、設定だけ登場したあのベアトリスが

金髪の可愛い娘だなんて衝撃的であったことだ。見た時はすでに亡くなっていたけど……。

それでどんな性格なのかは知らないが、生きているうちに会いたかったなぁと深くそう思っ――。

「がぁぁ!」

馬鹿な事を考える余裕が無いのにも関わらずそんなことをしてしまい、

その隙にヴァレリアのただの掌底だけで俺の体は吹き飛んだ。

けどまだ致命傷には至っていないのが幸いだった。

実際のところ、奴はただ固いだけ。防御力に比べれば攻撃力は大したことはない。

技術面でも決して高いわけでもない。いつか対峙したヴィルヘルムに比べれば脅威ではない。

そのはずなのに……。何なんだこの気持ちの悪いプレッシャーは。

この威圧感の正体はラインハルトの残滓なのか。それとも……。

「私などにやられるようでは、ハイドリヒ興を打倒するなど夢のまた夢ですよ」

それは分かっている。けど今ここでヴァレリアに勝てる気がしない。だが何とかしないと……。

こちらの攻撃はまったく効かない。奴の攻撃はそこまで威力は高くない。だが持久戦になれば……。

「それにしても、どうも不思議ですね……力を持っているのでただの人間ではないことは

分かりますが、本当にそれだけなのですか?」

一体何のことだ?

「貴方の魂は他の人とは違うように感じます。何かが隠れているような……

いえ、言葉が適切ではないですね。何と仰ればよろしいか……」

よく分からないが、ヴァレリアが思考に入っている今のうちに……。

「まあいいでしょう。すでにここがスワスチカになっている以上、貴方の魂……私がいただきましょう」

逃げの算段を立てようと思うその時、長身の神父に立ち塞がれた。

そして俺の命を奪おうとする手が伸びて……。








「大丈夫でしたか、仁君」

「……先、生?」

ヴァレリアにやられると思ったその瞬間、誰かに抱き抱えられたような感触を受け、

誰だと思いその人物を見ると、先生。アバン先生だった。

「どちら様でしょうか?」

「初めまして。わたくし、アバン=デ=ジニュアール3世と申します。彼の保護者のような者です」

メガネで笑顔な二人だが、この二入は対照的だと感じた。聖と邪。

「先生、そうしてここに?」

「師父に聞きましたのでリリルーラであなたに合流しました」

宝石翁が? それはマジで助かった。先生が来なければ死んでいたぜ。よしこのまま先生と一緒に……。

「仁君は下がっていなさい。彼の相手は私がします」

先生がヴァレリアと!? いくら先生でも奴が相手では……。

「では、行きますよ」

瞬間、先生が消えた。

「!?」

「海波斬!」

気づけば先生はヴァレリアの背後に回り、疾風の一撃を放っていた。

だが、ヴァレリアはまったくの無傷だった。

「ならば、大地斬!」

岩石を真っ二つにする会心の一撃を放つ。

「無駄ですよ。その程度では」

そのまま受けるヴァレリア。やはり無傷だった。やはり奴を傷を付けるのは無理なのか?

「ふう、本当に固いですね。まるで『凍れる時の呪法』に掛かった体みたいですね」

先生の例えに納得だ。共通点が多いしな。絶対の強者が最強の肉体をそのまま維持させて他者に預け、

その肉体がそのまま強力な武具となる。そんな神父の攻撃を避けながら、

ベギラマ、イオラ、メラゾーマと呪文を繰り出す先生。

しかし、やはり効いていない。これがもし形成(笑)が相手ならば効いたかもしれないが。

これではアバンストラッシュでも奴には通用しないだろう。

あるいはメガンテなら奴に通用するかもしれないが、だが決定打になるかどうかは分からない。

というか使う気はないと思うが。

そう思考している間にも両者の戦いは神父の攻撃は先生は避け、先生の攻撃は直撃してもは効果無しと、

まったく決着がつかない戦いを繰り広げ何度も激突し、お互い距離を置いた。

これでは埒があかないと踏んで一旦間を置いたのだろう。だが恐らくこのまま続けば先生の方が不利に

なると思う。生身の先生に対して、ヴァレリアは不死のような存在。体力的にこのままやり合えば

先生がやられるだろう。けど先生の方に秘策があるなら話が別だが、先生には数えきれないほどの戦法を

持っているからもしかしたらヴァレリアを打倒する手を持っていてもおかしくはない。

と思っていたが、なんと先生は剣を納めた。無刀陣、というわけではないらしく先生はヴァレリアに

話しかけた。

「一つ、お聞きしたいので――」

「――でしょうか?」

ってあれ? 声がよく聞こえない。というか意識が薄れていくような……。

「貴方は――を助けたかったから、ただ――――」

意識が途切れていく中で最後に聞いた言葉は、先生がヴァレリアに確信を持って断言したことだった。


















「……」

目を開けると自室のよく見ている天井だった。

どうやら先程見ていたのはあの時の夢だったみたいようだ。

あの時はヘマこいてヴァレリアと戦うことになって死ぬかと思ったな。

ホントに先生が助けに来なかったらと思うと……。

後から考えてみれば、あの時期に何があったのか忘れていた、あるいは知らなかったとはいえ

あの地にたった一人で行くなんてバカな真似をしたと思う。

だが何でか分からないが、早くそこに行かなければいけないと思った。

「……嫌な事考えて気分ワル……。えーっと、今日は何日だ……」

カレンダーで今日の日付を確認するとちょうど一ヶ月目だった。










「生きている人、いますか?」

二人を呼ぶためにスピーカーを用いて辺り一帯に聞こえるように声を出した。すると。

「不謹慎なこと、言わないでくれますか」

「久しぶりですね……あぁ、もう一ヶ月経ったんだ」

ボロボロな姿でこっちに来た。ふむ、一ヶ月前に比べて逞しく見えるようになっているな。

「さて、約束通り訓練をつけるよ」

「ようやく訓練をつけてもらえる」

「俺から二人に教えるのは――ウルトラ体術! 宇宙空手! このどちらか、

あるいは両方を伝授してやろう!」

「えっ、私は魔法を……」

「私は剣術を……」

「さあいくぞ。付いて来い!」

「ちょっ、ちょっと!」





















ジェデッカ(仁)の財団業務日誌


今回の件で螢とティアナを会わせてみた。特に意味はない。

つうか俺も自分の修行をしたいというのに、この書類の山が消えてくれない。

教えてくれブレイブ。俺はあと何枚の書類に判子を押せばいい?

ルルーシュは何も答えてくれない……。とはいえあいつも近々のイベントに向けての準備があるから

忙しいのだが……だがここ最近はこの山のせいで殆ど部屋から出られないし。

ああ、そう言えばフェイトからエリオと買い物に出かける約束したけど

それもいつになることやら…………うん? この予算額、何かおかしくないか?

メンドクセー…………。





















 キャラ紹介


・櫻井螢

登場作品:Dies irae ~Acta est Fabula~

聖槍十三騎士団唯一の日本人にして最年少の少女。黒円卓第五位。聖遺物は『緋々色金』。

先代黒円卓第五位、ベアトリス・ヴァルトルート・フォン・キルヒアイゼンの跡を引き継いだ。

本来ならば黒円卓第三位、ヴァレリア・トリファに師事されるはずだったが先生に預けられる。

仁が聖槍十三騎士団に対抗するためにこちら側に引き込んだ。全ては「怒りの日」に備えて……。






・ヴァレリア・トリファ

登場作品:Dies irae ~Acta est Fabula~

聖槍十三騎士団黒円卓第三位。首領代行。もう一人の黄金。

幹部不在の現騎士団において最高指揮権を持つ司令官。

騎士団が起こそうとしている儀式を司る聖職者。聖戦に従軍する司祭のような存在のため、

慈愛の使徒などではなく狂信の徒である。表面上は穏やかな笑みを浮かべた神父に見えるが、

その裏では冷酷非道な策を練って団員達を指揮、煽動する。

聖遺物は聖槍十三騎士団黒円卓第一位。首領ラインハルト・ハイドリヒの肉体。







 設定


・マケット怪獣

登場作品:ウルトラマンメビウス

メテオールの一種で怪獣を一分間具現化させる。

マケット怪獣の元ネタは『ウルトラセブン』のカプセル怪獣に相当する。

またマケット怪獣として登場した怪獣にはミクラスとウインダムのカプセル怪獣が選ばれている。

TVシリーズのメビウスでは一度に一体しか使用できなかったが

最終回後の話であるOVでは同時に二体以上使用する事ができるようになった。

今回ティアナが一ヶ月過ごした無人世界(の無人島)は大型の分子ミスト生成機があって

プロトマケット怪獣の試験場でもあった。この島では定期的にマケット怪獣を実体化させてデータを

取得している。そんな事情を知らないティアナは必死で逃げ続けて一ヶ月生き延びたのであった。





・聖遺物(AhnenErbe)

登場作品:Dies irae ~Acta est Fabula~

聖槍十三騎士団が使用するマジックウェポン。

一般的に言われる聖遺物とは異なり、人の想念を吸い続けたことで意思を持った器物の総称であり、

必ずしも"聖なる"遺物とは限らない。"餌"として吸ったものが信仰心であろうと怨念であろうと、

力のあるアイテムならば聖遺物にカテゴライズされる。

これらは全て、アーネンエルベ局が大戦中に世界中から掻き集めた物である。





・聖槍十三騎士団(L∴D∴O)

登場作品:Dies irae ~Acta est Fabula~

ナチスドイツ親衛隊のブラックボックス的な、オカルト、超人研究、ホロコーストなどに関係する

裏の部隊を統括する組織の名。L∴D∴Oとは聖槍十三騎士団(Longinus Dreizehn Orden)から

三つの頭文字を取ったもの。また、ロンギヌス・サーティーンとも呼ばれている。

元はエリート将校による"ごっこ"のようなものだったが、ゲーム本編で登場するのは更にその裏、

正真正銘の超人であり魔人の軍団。高度な科学と魔術儀式の実践によって人外の力を得た、

"最後の大隊"と呼ばれるナチス残党、その中でも最強最悪の、国家すら滅ぼし得る十三人。
















 あとがき


新キャラの登場です。仁の訓練を受けることによって二人がどのくらい強くなるかは今後のお楽しみに。

あと残念(?)なお知らせを。

Diesですが本格的に話に絡むのはまだまだ先ですのでお待ちください。

ちなみに作者の好きなDiesのヒロインは、


2007年版は、玲愛>>ルサルカ>>越えられない壁>>マリィ>香澄>螢

新装版は、螢>>>>越えられない壁>>>>他

そして完全版は、ザミエル≧ベアトリス>螢>ルサルカ>>越えられない壁>>玲愛>マリィ>香澄


異論は認めます。




追記。

ティアナと螢って何気に共通点があるなと思いました。ツンデレ、ブラコンなど。

でもティアナはバカではないか。

今後この二人をタッグ組ませようかなと考えましたがスバルは? と思い保留。






[7126] A's to StSの12 みんな好きだよね「正義」って言葉
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2010/01/10 19:32


「はああ!」

正面から来る螢の木刀による斬撃をバックステップで避ける。

「はあっ!」

その直後、横からティアナの徒手空拳による攻撃が迫ってきた。

突き、掌底、回し蹴り、と連続で繰り出してくるそれらの攻撃を左手だけで捌く。

ティアナの攻撃に合わせて螢も攻撃を仕掛けるが。

「はっ!」

「なっ!?」

足払いで螢を転がした。ティアナには今度はこちらから徒手空拳で攻め始める。

「くっ」

俺の攻撃をどうにか捌くのがやっとの状態でこちらに反撃できずにいた。

「まだ!」

転がっていた螢が、態勢を整えて後ろから渾身の一撃を放ってきた螢。

その攻撃を当たる直前にしゃがんだことで回避した。それだけでなく。

「イィッ!?」

螢の一撃は止まること無くそのままの勢いで振り切り、木刀の先端が見事ティアナの頭にヒットし、

さらにその勢いで地面に顔が激突しダウン。

「ご、ごめん、ティア――」

「隙あり」

「っ!?」

螢の後ろに回り込んだ俺はそのまま回し蹴りを放ち、数メートル吹っ飛んで壁に激突。

そしてそのままダウンした。二人がダウンしたことで今日の組み手は終了となった。










「はぁ、はぁ……」

「また、今日も一回も攻撃を当てられなかった……」

うんうん。その悔しい気持ちは今後強くなるための成長に繋がる。

負けず嫌いな二人ならもっと強くなるだろう。

「そうそう簡単に当たるつもりはない。

これでも俺は二人と比べて戦いの年季が違うんだからな。こればかりは仕方がない」

と言うが、二人はあの地獄の一ヶ月の乗り切っている。

ゴモラの追いかけっこから逃げ延び、レッドキングの岩投げ攻撃を避け、

グドンとツインテールの怪獣同士の戦いに巻き込まれつつも生き延びたのだ。

それが実を結び、今では常人を遥かに超えるスタミナと気合と根性を得ている。

スタミナなら、そこらのストライカー級の魔道師なんかよりも上だ。

「さてと、もうこんな時間か。じゃあ今日はここまで」

「あ、ありがとうございました……」

ティアナと螢は疲れたまま訓練室から出て行った。

俺もこの後、汗を流すかと思ったその時、通信が入った。

誰からだろうと思いながら確認すると、珍しくカリムからだった。

「久しぶりだな。カリム」

『えぇ、久しぶりね』

「今日はどうしたんだ一体?」

『実ははやてたちにある任務を依頼しました』

「……それってレリックのことか?」

『はい、その通りです。クロノ提督のアースラと共に回収に向かうでしょう』

「分かった。わざわざ知らせてくれてありがとう」

『それから貴方にひとつお願いしたいことが……』

カリムからの依頼と必要事項を聞いてカリムとの通信を終えた。

最初のレリック事件が起きた。となるといよいよあいつらの出番になるかもしれないわけだ。

けどセッテ、オットー、ディードがまだ目覚めていないから全員参加は出来ないが。

まあ今回は全員揃わなくても問題無いからいいだろうけど。

とりあえずドクターに連絡を入れるか。










『どうかね、新型の義手の方は?』

「前のよりもいい感じになってる」

『そうかい。それは僥倖。それで隠しギミックの方は試してみたかね?』

「それはまだ。その前に新型デバイスのテストをしていたからな」

とは言え、新型義手に取り付けたあのギミックを使うタイミングなんて早々無いだろうけど。

まあこんなこともあろうかと思って。みたいなそんなギミックなんだが。

「それよりナンバーズの方はどうなっている?」

『全員問題なしさ。最も君の新型義手の方に夢中になってしまっていてね、

まだ装備が未完成なんだけどね』

いや、義手は後回しでいいと俺は言ったんだから、俺のせいにしないで欲しい。

「まぁ別に装備は問題無いだろ。今回の任務は戦闘では無いんだから。ISの使用が可能なだけで充分だ」

『じゃあ予定通りに』

「ああ、ナンバーズとルルーシュによろしくと伝えといてくれ」

用件を済ませてドクターとの通信が終わった。





















ウルトラでカオスなリリカル戦記


A's to StSの12 みんな好きだよね「正義」って言葉





















「クロノ! ヴェロッサ!」

「仁!」

「久しぶりだね。仁」

なのはたちが回収したレリックを本局の研究施設に運ぶクロノ。

その警護員として俺とヴェロッサが派遣された。カリムの頼みとはこれのことだったのだ。

ヴェロッサとは、カリムとの交流で何度か会って、そのまま意気投合した。

どちらもメンドくさがりだからだろうか。

またクロノは、本局に所属している人間の中で俺が財団に所属していることを知っている唯一の人間だ。

少し前に事情を説明した。現在管理局員でその事を知っている主要人物は

クロノ、リンディ、レジアス、カリム、ヴェロッサぐらいだったかな。

まあクロノがその事情を知っているからこそ警護員の依頼を引き受けたわけだが。

本局に着くまでは三人で雑談をしていた。

主にクロノとエイミィの結婚について俺とヴェロッサで弄りまくった。

「ところで仁。君から見てどうだい? 君の友人たちであるエースたちを」

「ん、なのはたちのことか? 別に俺言う事はない。三人ともまだまだ未熟未熟ゥゥーな奴らだよ」

「やれやれ、厳しいね君は。しかし三人ともまるで申し合わせたように技能と能力がバラけているよね」

ヴェロッサは三人の能力を解説し始める。

「レアスキルと固有戦力を持って、支援特化型で指揮能力を持ち、さらに八神家のあの秘蔵っ子と

ユニゾンした場合は高い魔力と数々の魔法を武器に持つ、八神はやて特別捜査官」

ちなみに武装隊では一尉らしい。レアスキル保有者は出世するのが速いらしいが、

まだ成人にもなっていない奴にそんな階級と権限与えていいものなのかねぇ……。

と、はやてと同い年で地球では大規模な財団の代表である俺が思ってみる。

……人の事をとやかく言うのはなるべくよそう。

「法務と事件捜査担当。多様な魔法と剣技に、"閃光"の異名の高速戦闘。

三人の中ではもっとも高いであろう戦闘力で単身でも動けるフェイト・テスタロッサ執務官」

ブレイブの命でとんでもなく強くなったからな。

あと執務官資格は結局三度目の正直で受かった。二度目に受けた時期って確か……その……、次!

「部隊メンバーを鍛え育て上げることができて、こと戦闘となれば単身でも集団戦闘、

魔法戦に格闘戦、さらに砲撃戦、高速戦など、ありとあらゆる戦況を臨機応変に対応して打破してみせる。

勝利の鍵。高町なのは二等空尉」

別名"管理局の白い悪魔"――――とはまだ呼ばれていない。だがいつか呼ばれるんじゃないかと思う。

元々持つ砲撃・防御能力に加えてさらに御神の剣を一応習得したからな。

遠近対応可能な魔道戦士になってしまった。まあそれでも俺の相手ではないけどな。

「三人揃えば、世界の一つや二つ軽々と救ってみせてくれそうだけどなってさ」

「まあ現実はそんな簡単なものじゃないけどな」

あの三人は確かに強くなったけど、それだけでは到底この世界を救うだなんてのは無理だろう。

その後、本局に到着。無事にレリックが運ばれた。クロノがリンディが会いたがっていると言ったが、

やることがあるのでと、俺はそれを断り、二人より先に帰ろうとすると。

「待ってくれ。仁に伝えようとしていたことがあった」

「何?」

真剣なヴェロッサと何を話すのか分かっているのかクロノも真剣な表情になっていた。

――――あまりいい話ではなさそうだ。

「はやてたちの元にまた現れたらしいよ。先の事件でモンスターたちがね」

先の事件。と言うとあのモンスター事件のことか。

新暦69年頃。各次元世界でモンスターの異常発生が確認された。

ことはそれだけでなく、今まで確認されていなかった新種のモンスターも現れたのだ。

その発生地はミッドチルダも例外ではなく、各地域の住民が危機に瀕していた。

このモンスターの異常発生の原因を調査すべく時空管理局本局、ミッド地上本部を始めとする

各世界の地上本部は対策チームを設立。この異常事態の原因を究明する事となった。

それからしばらくはモンスター退治の任務が続いていた。

そしてその後の調査で、モンスター異常発生の原因である施設を突き詰めることに成功する。

突き詰めたのは、ティアナの兄であるティーダだった。

そこにはモンスターを生成する機械があり、それを破壊するという通信が入った直後、

施設はまるごと爆発し、施設に潜入していたティーダや他のメンバーはその爆発に巻き込まれ死亡した。

施設が破壊できたことでモンスター事件は一旦幕を引いた。

と思われたが、しかしこの事件以後もモンスターの出現を確認されている。

それにまだ実行犯が見つかっていない。モンスターを生成していたという機械を確認したということは

その機械を作った人物がいるということだ。その人物は未だ見つかっていない。

あと他に気になったのが、突如出現したというモンスターだ。

確認されているモンスターの種類なのだが、そのどれもが俺がよく知っているモンスターだった。

例を挙げると、ベヒーモス、ボム、ランドウォーム、レッドドラゴン、ギガース。

これらのモンスターに共通しているのは、RPGに登場するような顔ぶれだと言うことだ。

しかもこいつらどれもFFシリーズに登場している。

今回の事件に出現したこれらのモンスターは、今まで確認されていなかったモンスターたちで、

それがなぜ急にミッドや他の次元世界に現れたのか、これが意味するものはなんなのか。

「それでそのモンスターだが、今回の任務でそのモンスターを引き連れた黒衣の男を確認した」

黒衣の男? 一体誰だよ。

「その人物の映像ってある?」

「もちろん。ちゃんと用意したよ」

ヴェロッサは直ぐに用意してもらい、その映像を見せてもらった。

「…………こいつはっ!?」

確認した映像には、なのはたちと交戦し、レリックを諦めたのか逃走した場面だったが

そいつの素顔はとんでもない奴だった。















なのはたちのレリック回収任務からしばらく経って、地球ではゴールデンウイークの時期となった。

今日は久々に休暇でミッドに来ていた。

――な訳ではなく。仕事である。現在地はミッド北部の臨海第8空港近くまで来ている。

『本当に起きると思うか?』

「起きなければいい。けど……間違いなく起きる」

現在まで正史通りにジュエルシード事件、闇の書事件。その後のなのは撃墜事件が起きている。

そして今回もまた起きる。レリックの暴走か、はたまた別の要因で起きるかは分からないが。

きっとここで、空港火災事故が起きるに違いない。

『一応待機はしているが、何も無いことを祈るよ』

「祈ってそれが叶うなら俺は祈り続けるよ。じゃああとは頼むぞ、ルルーシュ」

『あぁ』

ルルーシュとの通信を切って、空港内に入った。

そういえばなのはたちも来ているんだよな。なるべく遭わないように気をつけなければ……。

なのは……いや、フェイトに今遭遇するのは、ちとメンドイ。

何故俺とフェイトが今会うのがまずいのかと言うと……!?

「きゃあああ!?」

「うわあああ!」

爆発音と同時に人たちの悲鳴が鳴り響く。そしてすぐさま、空港内が赤く燃え始めた。それだけでなく。

「何だ? この気配は……」

空港内に先程まで感じなかった気配が無数に現れた。

「近いな…………行くか!」







「きゃあああ!」

向かった先には螺旋状の階段のような場所に出た。そこにはまだ逃げ遅れた女の子が……

って、あれはギンガ! しかもそのそばにはベヒーモスがギンガを獲物として捉えている。

すぐさま俺は左手首にはめているブレスレットを前にかざした。

「ガルーダ133。起動」

ブレイブアークとは別の俺の新しいデバイス。以前試作して開発したデバイスは、

GNソードに酷似したデバイスだった。その試作デバイスのデータで開発したこのガルーダ133は

GNソードⅡに酷似したデバイスだ。剣撃用のブレイドモードで起動し、

今まさにギンガが襲われるところをギンガとベヒーモスの間に入り、

ベヒーモスの爪をガルーダで受け止めた。

「大丈夫か? ギンガ」

「じ、仁さん!?」

「少し待ってろ。まずはこいつを片付けてからだ」

力を入れ直し、ベヒーモスの態勢を崩すように捌いた。

「はぁぁ!」

「グガアアア!」

狙いが上手くいき、態勢が崩れたその隙に渾身の一撃を放った。

ベヒーモスは中心の方へ吹っ飛んで、そのまま落下していった。

「きゃああああ!」

「やばっ!」

ベヒーモスとの戦いの衝撃でギンガがいる床が崩れた。ギンガが落ちる前に抱きよせ、飛んだ。

「ふう。久しぶりだな、ギンガ」

「あ、ありがとうございます」

「とりあえずは、ここは危険だから離れるぞ。救護隊に送るよ」

「あっ、待ってください、スバルが!」

「スバルなら大丈夫だ」

なのはがそっちに行っているはずだ。うん? 待てよ。だとするとここには……。

「ジーーーンーーー!!」

「フェ、フェイト!?」

上からフェイトが落ちて――飛んで来る。って、止まる気ないのかよ!

「会いたかったよーー!」

「ぎゃあああ!」

「きゃあああああ!」

「あっ」

フェイトの高速体当たりの衝撃で思わず手を離してしまい、ギンガが落下していった。




















ゴールデンウイークの連休にフェイトちゃんと一緒にミッドの温泉地にやって来たのだけど、

まさかこんなことになるなんて……。突然の出来事に空港の中と外がパニックに陥っているけど

近くで研修中だったはやてちゃんが臨時でここの指揮をとり、救助活動を行っている。

私とフェイトちゃんもこの事態に緊急参加していた。

その後すぐに管制から地上本部から援軍が来たと情報が入った。

けど詳しいことは聞けなかったけど、その援軍は魔道師じゃないと言っていた。

黒い服を着た人たちと、見慣れぬオレンジ色の機械兵器が救助活動をしていると。

一体何者なんだろう……。

他にも空港が爆発したと同時にモンスター事件やレリック回収任務で現れたモンスターたちが現れた。

それらを撃退しつつ、救助活動をしているけど、もしあのモンスターがここに来た理由が

レリックなのだとしたら……。

「うわああああ!」

「!?」

どこからか悲鳴が聞こえた。その聞こえた場所へ全力で飛ぶと、そこには泣いている女の子。

そのすぐ横には今まさに女の子の方へと倒れようとしている女神像。

「くっ!」

魔法を放とうとするが、今からじゃ間に合わない!

「逃げてっ!」

そんな声をあげるしかできない自分に嫌気が刺した。

変わらない。これではあの時と何もかわらないよ。

そして像は彼女の方へと倒れ落ちた。

その一瞬、目を逸らすが、もう一度そちらの方へと視線を向ける。

あれ? 像に下敷きになってしまったであろう女の子の姿が見当たらない……。と思ったその瞬間、

目の前の暗闇から突風が放たれた。その突風の勢いが強く、目を閉じてしまう。

そして突風が止んだと同時に目を開くと、

そこには、黒い仮面と黒衣を着た人があの女の子を抱き抱えていた。

レリック回収任務に会った人とは違う。ううん。私はあの姿を見たことがある。あの人は……。

「……久しぶりだな。高町なのは」

「貴方は、確か……ゼロ!」

思い出した。闇の書事件の時に現れた人。事件の最中に居なくなったけどあの人だ。

「ほう、私のことを覚えてくれていたのか。

エースオブエースの君に覚えられてもらえるとは光栄だな」

「……どうして貴方がここに?」

「私に質問する前に、君にはやるべきことがあるだろう」

「えっ?」

ゼロは私のそばに一瞬で近づき、抱き抱えている女の子を私に預けた。

「君は彼女を救助しに来たのだろう。ならば彼女は頼むぞ。私には他にやるべき事があるのでね」

「まっ、待って!」

呼びかける声を待たずに、ゼロは闇と同化するかのように闇へと消えてしまった。

そして私が抱き抱えている少女、スバル・ナカジマはゼロが消えた場所をいつまでも見つめていた。














『私は――ゼロ』

救助活動が終わった頃、突如空港の近くの海から戦艦らしきものが浮上した。

同時に宙に大きなモニターが現れた。そこに映し出されているのは黒い仮面を付けた黒衣を纏った男。

先程出会ったゼロだ。

『ミッドチルダ住む人々よ。安心するがいい。空港内の救助者は魔道師たちと我々が無事に救出した』

「我々?」

すると今度はライトアップで、ゼロを中心に黒い服を着た人たちが並んでいる。

その周りには無数のオレンジ色に塗装された球体型の機械兵器が宙に浮かんでいた。

『人々よ! 我らを恐れ、求めよ! 我らの名は――黒の騎士団!』

「黒の騎士団!?」

騎士というのはベルカの騎士のこと? 聖王教会の騎士団のこと? それとはまったくの別の?

『この映像を見ているミッドチルダの諸君。そして他の世界の者達よ。刮目せよ! ――私は悲しい」

「えっ?」

『紛争と闘争。破滅的な力を持つロストロギア。振りかざされる強者の悪意。

「世界は変わらず、慌ただしくも、危険に満ちている」

旧暦の時代から言われている通りのまま、世界はなにひとつ変わっていない!

だからこそ私は立ち上がった!』

管制からの情報で管理世界のほぼ全域にこの映像を流している。

こんなことをしてゼロは一体何をしようとしているの?

私は、この現状に抗い、戦い続ける管理局に対して敬意を評している。だがしかし!

本局の者たちは他の世界に目を向けるばかり! 目の前の悲劇に目を向けず、地上の平和を軽視している。

ゆえに私は! ここに黒の騎士団は、ミッドチルダ地上本部との同盟条約を結ぶことをここに宣言する!』

「えっ!?」

私を含め、周囲の魔道師たちが驚きを隠せなかった。彼らと地上本部が?

『この瞬間より、我々黒の騎士団はミッドチルダ地上本部直属の独立部隊となる。

これはミッドチルダ、そして他の次元世界の正義と平和を守るためのものである!』

例え彼らの目的がそうであっても正体不明の集団を引き込むなんて……。

まさかレジアス中将はすでに了承しているの?

『我々黒の騎士団は武器を持たない全ての者の味方である!

我々の敵はあくまで一つ! 世界の平和を乱そうとする者たちだ!

私は戦う! 間違った力を行使する全ての者たちと!』

「正義の味方……」

ゼロと黒の騎士団は、言ってみればそういうものなのだと私は思った。

『私は戦いを否定しない。しかし強い者が弱い者を一方的に虐げるのは断じて許さない!

撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ!』

「撃っていいのは、撃たれる覚悟……」

その言葉を聞いてとても心に印象が残った……。

『我々は平和を乱そうとする者が現れた時、立ち上がるだろう!

たとえそれがどれだけ大きな力を持っていたとしても!』

気がつけば私たちは飲み込まれていた。ゼロの演説に……。皆一心で彼の話を聞いていた。

『力有る者よ。我を恐れよ! 力無き者よ。我を求めよ!

我々黒の騎士団は、君たちをを向かい入れよう。人種も主義も宗教も世界も問わない。

我らの同胞となる資格はただ一つ! 正義を行うことだ!』

握り拳を作り、ポーズを取るゼロ。

『もう一度言う。我々黒の騎士団は――正義を行う!』











空港のそばの海に待機していた黒の騎士団用戦艦・イカルガが浮上し、

その甲板から演説しているゼロ。その間に俺はまだ炎上している空港内にいた。

フェイトの不意打ちで手を離してしまったギンガはちゃんと地面に落ちる前に助けた。

んで、そんな目に遭わせてしまったことに反省しているフェイトにギンガを救護隊に送り届けさせた。

後でまた会うことを無理やり約束させられて……。会う前に言い訳を考えなければ……。

その間に俺はこの火災を引き起こした犯人を探していた。

「そこで止まれ」

そしてようやくそいつを見つけた。

俺の呼ぶ声で足を止めた黒衣の男。フードでその素顔が隠れて見ることができない。

俺は問答無用でガルーダ133をライフルモードで起動し、その男を撃った。

その魔力の弾丸は男の顔を隠しているフードを掠め、

黒衣のフードを剥がし、隠れていた素顔が顕になった。

その正体は――。

「――――セフィロス」

銀髪の長身の男。ある世界で最強のソルジャー、英雄などと呼ばれていた男だった。



















 ジュデッカの財団業務日誌


また今日も忙しい日を送っている。こう雑務を繰り返しやっているとあの頃を思い出す。

ミッドで起きたあの事件後は、それはとても慌しい毎日であった。

管理局と比べて遥かに人材不足なうちの組織は、毎日残業三昧だった。

まだ慣れないデスクワークだったが仮にも財団の代表という立場からなんとか勤めを果たした。

ルルーシュを筆頭にKOS-MOSやウーノの力が無ければ

最悪財団の解散という事態になっていたかもしれない。

設立したばかりだというのにそんな事になったら洒落にならない。

とあの頃は大変だった。今では家に帰ればティアナの手料理が用意されていて

随分と楽になったなあと思った。ただ単に仕事に慣れただけかもしれないが……。




















 設定


・黒の騎士団

元ネタ:コードギアス

財団の私設武装組織。ゼロが総帥として指揮している。

メンバーには戦闘機人であるナンバーズが入団している。

名目上では時空管理局同様に各次元世界の平和の目的として活動。

レジアスとミッド地上本部の特殊部隊として活動することとなった。







 デバイス・アイテム・兵器紹介


・ガルーダ133

元ネタ:機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン

メテオール搭載型のストレージデバイス。以前の試作デバイスGN-001の実戦データを元に製作された。

仁本来の武器であるブレイブアークは、変身すれば強力無比な力を誇るが、

その代わり燃費がかなり悪く、長時間の戦闘には使用できない欠点がある事から

長時間の戦闘が運用可能な別のデバイスを開発した。

変身せずとも仁の戦闘技能を十分に発揮できるようにいくつものモードがある。

これまでの戦いから得た剣技を使用するためのブレイドモード。

ティーダやヴァイスによって身に付けた銃技を使用するためのライフルモード。

またライフルモードでは特殊な効果を持つメテオール弾を発射するメテオールモードがある。

さらにガントレットモードというガメラの技、玄武戦法の使用を想定した形態。

待機状態はブレスレットとして左手首に付けている。

名前の由来のガルーダは、ゴジラVSメカゴジラに登場したGフォースの兵器ガルーダ。

133の数字は、ウルトラマンの防衛チーム科学特捜隊で登場したマルス133から。





・イカルガ

元ネタ:コードギアス 反逆のルルーシュR2

黒の騎士団の旗艦である次元間航行用艦。

主砲として艦首スペシウム砲を装備しており、砲撃の収束・拡散の切り替えも可能。

擬似輻射障壁装置を搭載しており、ある程度ならば物理攻撃をはじくことが可能。

外壁には多数のブースター付きハーケンが並んでおり、近接武装も充実している。

可翔艦ながら海中を潜行航行する機能もある。

同時期に開発された財団用の旗艦・アヴァロンよりも戦闘能力が高い。




















 あとがき


ゼロと黒の騎士団の次元世界デビュー。

ナンバーズは黒の騎士団の団員と同じ制服を着用しています。

それにしてもモンスター事件って他に思いつかなかったからって安直な名前にしてしまったなぁ……。





[7126] 番外編 2009年クリスマスネタ 光の贈り物
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2009/12/23 22:51


僕は名前はエリオ・モンディアル。かつて少年兵として戦場にいました。

元々はモンディアル家で家族仲良く暮らしていました。あの日までは……。

ある日突然、僕たちの家にやって来た大人たちは僕を

僕がモンディアル家の本当の子供ではなく、エリオの偽物、つまり僕はエリオ・モンディアルの

クローンだという事実を突きつけられ、そのショックを受けたまま

クローンの研究のために本当の両親だと思っていた家族から引き離されてしまった。

それから僕は人体実験の日々という地獄が待っていました。

そんな実験の繰り返しをする毎日だったが、ある事件が起きました。

世界各地でモンスターが突如大量に出現したのです。

その事態に研究員たちはこの研究所が教われないかと危惧し、それに対処するために

魔法の素質を持つまだ幼すぎる僕に戦場に出しました。ただモンスターを倒すだけなら良かった。

だけど相手がモンスターから人に変わってからはその後の記憶は覚えていません。

ただ、何故僕は戦っているのだろう? どうして僕はこんなところにいるんだろう?

自分というものが分からなくなっていた。考えることを放棄しようとしたそんな時、

僕はあの二人に出会ったんです。心優しき金色の閃光と勇気の光。

僕を暗い闇の中から救い出してくれた二人の光に…………。















ウルトラでカオスなリリカル戦記


番外編 2009年クリスマスネタ 光の贈り物



















「クリスマスって何ですか?」

「知らないのか、エリオ?」

十二月になって、そろそろクリスマスの時期になったなぁ。と声に出したら

エリオは初めて聞くその言葉に疑問に思ったらしい。ミッドではクリスマスなんて風習は無いのか。

そう言えば昔のフェイトたちも知らなかったと言っていたな。

「とすると、サンタも知らないのか」

「サンタ、ですか?」

「今年一年中良い子にしていた子供にプレゼントを届けてくれる白ひげのお爺さんのことだ」

「良い子……ですか……」

軽くサンタについて説明してあげた。最初は面白そうに聞いていたエリオだったが、

途中でさっきまで楽しそうに聞いていた顔に変化が起きた。

「どうしたんだ?」

「いえ、何でも無いです」

何でもないと言うエリオだけど、でもその態度はどう見ても何でもなくないぞ。

だが俺はここでは深く言及せずに話を続けた。











「エリオにプレゼント?」

仕事から戻ってきたフェイトに今日のことを話した。

「ああ、だから今度一緒にプレゼント選びを……」

「それってデートってことだよね?」

「あくまでプレゼント選ぶだけだぞ」

って聞いちゃいないし。デートと勝手に解釈して舞い上がってるし。

そんな嬉しそうにされたら……こっちも満更じゃなくなるだろうが……。

「……それからエリオの奴、あの頃のことを気にしていたみたいだったぞ」

俺の言葉にフェイトが真剣な表情に切り替わった。

「そう、なんだ。でもそれは仕方ないかも。私にもエリオの気持ちが理解できるから」

初めて俺やなのはと出会った時のことを言っているのだろうか?

「でも私はだからこそエリオに幸せになってもらいたい。勿論エリオだけでなく他の子供達もね」

「だからこそお前は戦うんだろ。エリオたちの未来を守るために」

「そうだよ。前にも言ったでしょ、仁。私も自分の力を誰かを助けるために使いたいって」

偽り無く、強い意志を込めてフェイトは言った。そんなフェイトが強く、眩しく見えた。

「まったく根っからのお人好しだよな、お前は。でもそうするとホント良かったよな」

「何が?」

「いやだって、お前が執務官試験を二度も落ちた時はどうなるかと思っ……」

「…………」

うおっ!? 俺の今の言葉にフェイトが暗くなってしまった。……やっぱりまだ気にしていたのか。

まずいな、何か話題を変えないと……。

「そう言えば、エリオもだいぶこっちの生活に慣れてきたよな?」

話題を変えるというかエリオの話に戻した。

「……そうだね。初めの頃は塞ぎ込んでて大変だったけど今は良くなったよ。

あとは本当の家族のようになれたらいいのにね」

「そうだな」

その時にはまだ見ぬキャロもここに加わっているんだろうな。

「そうなったら私はフェイト・T・迫水になるのかな?」

そんなことを言いながら顔を赤らめながらこちらを見てくるフェイト。

「……さて、エリオに贈るプレゼントでも考えるとするか」

また逃げた。とそんな声が聞こえた気がする。そう、気のせいに違いない。

それにまたって何だよ?

「でも、本当にサンタがいたら素敵だよね」

「まあ魔法なんてものがあるんだからどこかの世界には本当にサンタが存在しているかもしれないな」











それから当日になった。

「サンタがプレゼントを届けてくれるぞ」

「本当に来るでしょうか……」

「来るよ。だからほら、とっとと寝な。早く寝ないとサンタがプレゼントを届けてくれないぞ」

「は、はい。お休みなさい、仁さん、フェイトさん」

お休みの挨拶をして部屋に入っていった。

それからしばらく時間が経ったので、そろそろ行動に移ろうと思う。

これからエリオの部屋に入って今俺が持っているプレゼントを置きに行くのだが、

何気にエリオは音や人の気配に敏感だからな。念には念を入れて慎重に行こうと思う。

よってここからはスネイクのスニーキングミッションばりな行動を取る。

「こちらスネイク。これよりミッションを開始する」

『す、スネイク? なんのこと仁?』

「仁? そう呼ばれていたこともあった。だが今の俺はスネイクだ。サポートを頼む」

『え、えーと……』

「ここは了解、スネイク。と言うところだ」

『ご、ごめん仁。じゃない、スネイク』

「本当ならやり直したいところだが、時間が勿体無い。このまま任務を続行する」

『了解。気をつけてね、スネイク』

俺は忍び足でエリオの眠る部屋までたどり着いた。

『……ところで、スネイク』

「なんだ? 今」

『何でダンボールの中に入っているの?』

それがどうかしたのか? こういったミッションには必要なアイテムじゃないか。

「知らないのか? ダンボール優れたステルスアイテムだということを」

『え?』

「これさえあれば敵に気づかれず近づくことができる」

『……えっと、仁がそういうならそうなんだろうな』

フェイトにそう言われた瞬間、何だか無性に悲しい気持ちになったのは何でだろうか?

そう思いながら部屋の中へと潜入した。







潜入は無事に成功した。エリオはこちらに気付かず眠っているようだ。ならとっとと任務を遂行しようと

エリオの眠っているベッドまで近づいた。

「あれ?」

『どうしたの、スネイク?』

予想外のアクシデントだ。エリオが狸寝入りしたわけでも、起きたわけではない。

何と、エリオの枕元に大きな箱が置いてあった。

俺が今持っているようなプレゼント用にリボンが結ばれた箱が。

『仁が贈ったプレゼントじゃないの?』

「だから俺はまだプレゼントをあげていないぞ」

俺がエリオに贈るつもりだったプレゼントは未だ俺の手に持っている。

そのプレゼントとは別にエリオの枕元にプレゼントの箱が置かれてあるのだ。

「――まさか本当にサンタが?」

マジかよ。そんなまさか。だけど、有り得ないなんてことは有り得ないだったっけ?

まさにそんな心境だ。いやまあ頭ごなしにサンタの存在を否定するつもりは無い。

さっきも言ったが魔法がある世界だし。他にも吸血鬼やモンスター、精霊なんて存在がいる世界なんだから

サンタの一人や二人いてもいいだろうとは思う。

ただなんで今になって出てきたんだろうと疑問に思った。

ただエリオが寝顔がとても嬉しそうに笑っていたのを見て、何かどうでも良くなった。








「仁さん! 僕、サンタを見ましたよ! 二本のツノと髭を生やした赤いマントの大きなサンタに!」

翌朝、嬉しそうにはしゃぎながら俺とフェイトにサンタ? から貰ったプレゼントを抱えながら

寄ってくるエリオ。しかもサンタを見たと言う。だけどエリオが口にするそのサンタは。

「二本のツノと髭に赤いマントだと……」

それはサンタじゃないだろ。それはどちらかと言うと……そういうことなのか?

「――――まさか、な」

もしそうなのだとしたら、このサプライズは粋な計らいというやつだろうか。

そう思いながら空を見上げると、晴天の空に一瞬、星が輝いたように見えた。

















 おまけ


「見てくださいヴィータちゃん! この大きなプレゼントを! やっぱりサンタさんはいるんですよ!

ヴィータちゃんはサンタさんからなにを貰いましたか?

あれ? ヴィータちゃん、ひょっとしてサンタさんからプレゼント貰えなかったんですか?

そうなんですか、可哀想にです。ヴィータちゃんも小っちゃな子供なのにです。

やっぱり見た目だけの子供ではサンタさんはプレゼントをあげないんでしょうね。

でも見た目は子供でも大人なヴィータちゃんはサンタさんからのプレゼントなんていらないですよね。

例え、今でもはやてちゃんと一緒に寝ている甘えん坊さんなヴィータちゃんでも流石にリインのような

お子様みたいにサンタさんのことなんか信じていないですよね。昨日寝るまでソワソワしていたのなんて

サンタさんのプレゼントを期待していたわけではないですよね?

あれ? ヴィータちゃん、なに泣いているんですか?」

「うわぁぁぁぁ!! リインのバカや「リインは女の子ですから野郎じゃないです」うわぁぁぁぁぁ!!」

「ヴィータ!」



あとから聞いた話だと実はヴィータにもプレゼントが届いていたのだが、

リインが朝早く起きてヴィータのプレゼントを隠したらしい。

恐ろしい成長ぶりだなリイン。そんな妹的存在であるリインと何時までも仲良くな、ヴィータ。


「あんな妹なんて嫌だぁぁぁ!!」

「あんな妹が何ですか? ヴィータちゃん?」

「!?」


















 あとがき?

クリスマスに近づいてきたなあと思っていたら、ピーンと思い浮かんで書いてみました。

短時間でしか書けなかったので短めですが、ご勘弁を。

本編の方は近々更新予定です。早ければ今月中に、遅ければ以前言ったように一月に更新します。

あと、また懲りずに新作を書いている愚者です。

本作の続きと同時期に投稿してみようと思います。新作のネタが何かはレス返しのところでヒントが。





[7126] 設定集(追加しました)
Name: haduki◆759dd1ea ID:45e72e58
Date: 2010/01/10 19:15



・アレフガルド式

登場作品:ドラゴンクエスト

ドラゴンクエストに登場する魔法(呪文)を管理局ではそう呼ぶ。

由来は精霊ルビスが創り出した地下世界アレフガルドから。

本作でアレフガルド式を扱う事ができるのはアバンのみである。





・イスカリオテ機関(法王庁特務局第13課)

登場作品:HELLSING

教会の武装組織の一つ。

ヴァチカンの法王庁特務局第13課、通称「特務機関イスカリオテ」。

原作でヴァチカンには十二使徒の名を冠した12の課が置かれていることになっており、

イスカリオテはその活動内容から秘匿されている表向き存在しない13番目の課である。

カトリックの地上における神罰代行者として悪魔、化物、異教、異端の殲滅を存在目的とする。





・ウルティメイトカオスウォーズ(UCW)

登場作品:オリジナル

かつて銀河の果てで次元世界も巻き込んだ起きた大きな戦い。

邪神が自身の眷属であるギドラ族(キングギドラやカイザーギドラなど)、ラヴォスなどの

軍勢によって世界を混沌へ誘おうとしていた。

それを阻止する為に並行世界からやって来たウルトラマンたち。

地球側もモスラやガメラなどといった地球の守護者達が加勢する。

他にもブレイブやユーゼス、ギリアムなども現れ、かつてない戦いとなった。

結果的には相打ちという形になったがウルトラマン達はこの世界から居なくなり

地球の守護者たるモスラやガメラもやられてしまった。

その戦いで多くの次元世界が崩壊した。





・ウルトラゾーン

登場作品:ウルトラマンなど

宇宙に存在する無重力地帯。詳細は不明。

そのウルトラゾーンにはウルトラマンたちによって倒された怪獣たちが

彷徨っているという怪獣墓場が存在する。

宇宙を航行している間に何時の間に進入していたり、ワームホールから進入しなければ入れないなど

ウルトラゾーンの発見や進入の方法はよく分かっていない。

またウルトラゾーンが別の宇宙に繋がっている特異な場所だと新たに発見された。




・ACカンパニー

登場作品:モエかん

正式名称は萌えっ娘カンパニー。通称"モエかん"。

アナルコキャピタリズム(無政府資本主義)という形式の、国家のごとき企業連合体である。

社長室には【N Girl】、LABには【NIN】と強力な実戦部隊をもっているが、

取締役会は【朱キ日】以後【Pixies】という最強のエキスパート部隊を失ってしまう。

そのため代わりとなる社長室、LABにも対抗できる部隊の創設が急務となった。

まず商品管理部監察課粛清係を取締役会の意向で動く機関に自立させた。

これが後の【商品管理部監査室 粛清部隊 Alice in Chains】

その三者陣営の部隊には【ナーサリークライム】の能力を持っている。





・エリクサー

登場作品:風の聖痕

錬金術の粋を集めた奇跡の霊薬。別名『生命の水』。製法はおろか、

実在さえ確認されていない伝説級の秘薬。死者さえも蘇えらせるとされる。





・オリハルコンの勾玉

元ネタ:平成ガメラ

太平洋のある座標の海底から発見した勾玉。

材質はオリハルコン。別の呼び名で"ヒヒイロカネ"。

"未知の金属"や"神の金属"と呼ばれている世界最硬を誇る金属である。

この勾玉はウルティメイトカオスウォーズで消滅したガメラの遺産で

仁曰く、"真のブレイブアーク"を完成させるのに必要な欠片の一つらしい。





・ギアス

登場作品:コードギアス

「王の力」と呼ばれる特殊能力。

コードと呼ばれるギアスの対となる力を持つ者の手によって発現する。

その本質は個々の能力者が持つ素質や願望そのものであり、それらがコードを持つ者によって

特殊能力として発現したもの。そのため能力の詳細は人によってそれぞれ異なる。

能力発動の際は能力者の片目に、「赤い鳥のような紋様」が浮かび上がる。命令型の場合、

かけた本人が能力を失った状態でも効果は続く。命令系などのギアスの有効期間は極めて長い。

同じギアス能力者でも使用は可能だが、コード所有者には不可能。能力を使用し続けるに従って

その力は増大していき、能力者がその力に負けてしまった場合は増大したギアスを

制御しきれなくなっていく。しかしギアスを一定以上に増幅させた者はギアスを失うかわりに、

不老不死のコードを持つ者からコードを奪い取ることが可能となる。





・クロスゲート・パラダイム・システム

登場作品:スーパーヒーロー作戦など

ユーゼス・ゴッツォが開発した時を超える装置、または時空因果律変動装置。

ユーゼスが野望を果たすために作り上げたもので、限定された空間の因果律を

自在にコントロールすることで、その中で己の思うままの世界を構築する装置である

(限定空間内の神に等しい存在になれる)。その応用で未来予知が可能である。

余談だがスーパーヒーロー作戦に登場したゾフィーはユーゼス以上の因果律操作をしている。






・黒の騎士団

元ネタ:コードギアス

財団の私設武装組織。ゼロが総帥として指揮している。

メンバーには戦闘機人であるナンバーズが入団している。

名目上では時空管理局同様に各次元世界の平和の目的として活動。

レジアスとミッド地上本部の特殊部隊として活動することとなった。






・ゲートホルダー

登場作品:クロノ・トリガー

ゲートで空間移動をするための媒介

(ゲーム本編とは違い時空間移動できない、もしくは時空間移動用のゲートが発生していない)。

クロス・ゲート・パラダイムシステムの技術の応用で製作した。

また仁の自宅にゲートを設置したのもクロス・ゲートパラダイムシステムの応用だ。

自宅のどこに設置するかと考え、タンスの中と決めたのは仁だ。

(ゲーム本編で魔物の村の民家のタンスにゲートが設置されていたことから)

その為にわざわざタンスを買ったのも仁だ。





・ゴッツォ財団

各国に存在する異能組織を調停するという目的で設立された特殊財団。

主に国内での異能によるトラブルを解決することを任としている。

他にも活動内容は地球と管理局を調停することであるが

最大の目的は邪神に対抗するための戦力を整えるために結成した組織である。

またその活動資金確保のために一部を民間企業として独立させ資金を得ている。

主に太陽光エネルギー技術開発などに力を入れている。

バニングス社、月村重工、SPW財団などとは協力関係。

代表理事にユーゼス・ゴッツォ(迫水仁)、ゼロ(ルルーシュ・ランペルージ)。

後にミッドチルダ地上本部の支援組織となる。





・サバ占い

元ネタ:封神演戯(藤崎竜)

仁の尊敬する太公望(藤崎竜)の占い、イワシ占いに倣って自作した占い。

水晶玉のようにサバを媒介にして占いをする。新鮮なサバだと的中率が高くなるらしい。

実際の的中率は…………。





・システムXN

登場作品:ヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポスなど

ギリアムの『かつての半身』であった禁断の機動兵器、XNガイストのコアである空間・次元転移装置。

この世界に来た時にはその装置は無く。ギリアムの頭に残されているそのシステムの知識を用いた技術で

仁は大きな負担を掛けずに高度なテレポーテーションを使う事ができた。





幽波紋スタンド

登場作品:ジョジョの奇妙な冒険

スタンドとは、超能力を目に見える形で表現したものである。

超能力そのものに姿を持たせて絵に描くことができるようにしたものがスタンドである。

またスタンドは生命エネルギーが作り出すパワーある像である。

スタンドを自らの意志で使役することの出来る人間を、「スタンド使い」や

「スタンド能力者」と呼ぶ。またスタンドに主軸をおいて「本体」と呼ぶこともある。

スタンドはそれぞれの能力者一人に一つずつ備わり、スタンド使いは精神力を駆使して

それを思い通りに動かすことができる(ただし例外は存在する)。

スタンドには色々なルールがあるが主にスタンドはスタンド使いにしか見えないとされるが

この世界では透視能力や魔眼使いならば視認することが可能である。

またそれらの能力に準ずる能力を持つアイテムを持つ事でも可能。

他にもスタンドはスタンドでしか触れることができないが

スタンドの精神エネルギーに似た力(魔力や宝具など)でスタンドに触れたり

攻撃することは可能とされている。





・スピードワゴン財団

登場作品:ジョジョの奇妙な冒険

ジョジョ第1部に登場するロバート・E・O・スピードワゴンが

アメリカに渡り石油王となり巨万の富を得て設立した財団。

主に医療などに力を入れている。その中に超常現象を扱う部門があるが、

これはジョースター家との付き合いと「石仮面」の研究のためによるもので、

「過酷な運命を背負う彼等の手助けをしてほしい」というスピードワゴンの遺言に基づいたもの。

石仮面や柱の男の脅威が去った後も、第3部以降、原因不明の病気で苦しむ者の治療・介護の傍ら、

新たなスタンド使いの情報をジョースター家に提供し、強力なバックアップをしている。

スタンド以外の世界各地の超常現象の調査もしている。





・聖遺物(AhnenErbe)

登場作品:Dies irae ~Acta est Fabula~

聖槍十三騎士団が使用するマジックウェポン。

一般的に言われる聖遺物とは異なり、人の想念を吸い続けたことで意思を持った器物の総称であり、

必ずしも"聖なる"遺物とは限らない。"餌"として吸ったものが信仰心であろうと怨念であろうと、

力のあるアイテムならば聖遺物にカテゴライズされる。

これらは全て、アーネンエルベ局が大戦中に世界中から掻き集めた物である。






・世界樹の葉

登場作品:ドラゴンクエスト

世界樹から取れる死者を生き返らせることができる葉っぱ。





・聖槍十三騎士団(L∴D∴O)

登場作品:Dies irae ~Acta est Fabula~

ナチスドイツ親衛隊のブラックボックス的な、オカルト、超人研究、ホロコーストなどに関係する

裏の部隊を統括する組織の名。L∴D∴Oとは聖槍十三騎士団(Longinus Dreizehn Orden)から

三つの頭文字を取ったもの。また、ロンギヌス・サーティーンとも呼ばれている。

元はエリート将校による"ごっこ"のようなものだったが、ゲーム本編で登場するのは更にその裏、

正真正銘の超人であり魔人の軍団。高度な科学と魔術儀式の実践によって人外の力を得た、

"最後の大隊"と呼ばれるナチス残党、その中でも最強最悪の、国家すら滅ぼし得る十三人。





・『絶対遵守』のギアス

登場作品:コードギアス 反逆のルルーシュ

ルルーシュのギアスは「絶対遵守の力」。発動の際には両目に紋様が浮かび上がる。

特殊な光情報により、いかなる命令にも従わせることができる。成功すればたとえ相手の身に

どんなリスクがあろうと命令に沿った行動を強制できるが、

一方で使用条件や性質に基づく幾つかの制限もある。

原作でギアスの使いすぎで暴走し、常に発動状態になっていたが、

特殊なコンタクトレンズでギアスを遮断し、使用の際はこれを外すことなる。





・ゾハル

登場作品:ゼノギアス、ゼノサーガ

地球に生命が誕生した頃の地層から発掘され、宇宙創生とほぼ同時期より存在しているとされている。

異常磁気物質(MAM)と呼ばれ様々な実験が行われ、

生命誕生の源や宇宙誕生の源ではないかという説もあった。

可能性事象をエネルギーへと変移できることから半永久機関として使われ、

事象変移機関という名も付けられた。ゾハルは暴走起こすと惑星消滅を起こすなど危険な物でもある。

生体電脳カドモニを組み込むことによって実用化可能になるが仁達にはカドモ二を開発することが

できないので実質ゾハルを制御することは不可能なので発掘後は封印処置を行った。





・ダークスフィア

元ネタ:???

仁たちと敵対する謎の組織。現在確認されているメンバーは

ヤプール事件で倒されたはずのヤプール。管理局所属の一等空佐が確認されている。

ヤプールの台詞から組織のメンバーはルルーシュやアバン同様に

統合世界の外の世界から来た者達にによって構成されているらしい。





・第二外条約

登場作品:オリジナル

仁たちが住んでいる地球を含めた世界と管理局が結んだ不可侵条約。

別名、キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ。相変わらず宝石翁は何かに名前を付けるときは

第二魔法や宝石剣と同様にこれになるという。

お互いの世界は独自に進んだ魔道の技術で管理局は未来に進むことに対し、

この世界の魔術は過去に向かうもので両者は正反対に進んだ技術である。

そして管理局はお互いの技術を合わせて広めるべきだという考えに対し、

魔術協会の方は魔術は隠匿すべき神秘の力であるべきだと反論した。

その議論からやがて互いの世界で戦争が起きようとしたところを

両者の代表が互いの世界に干渉すべきでないと結論を出し条約を結んだ。

【第二外条約】の第二とは宝石翁の第二魔法から取ったものである。

この時の代表は地球側は宝石翁と当時の青崎当主と、

管理局側は伝説の三提督であった。

これにより管理局は地球を管理外世界と認定することで

魔道の技術が存在しないと管理局内でもそう認識させ干渉させないようにした。

なのでよほどの事態が起きなければ干渉することはない。

(原作で言えばPT事件、闇の書事件など)

これは提督クラスの権限を持つごく一部の人間しか知らされていない。

地球側も管理局から干渉が無ければ宝石翁といった一部の例外を除けば干渉できない、

また管理局を知っているのは魔術協会や教会などの組織の上層部のごく一部の存在だけである。

例外として宝石剣の欠片を持っている者はどちらの陣営にも関与することができる。

そのせいで色々と面倒事に巻き込まれるオリ主である。

またそれを与えた宝石翁はたま~に管理局にちょっかいを出して

トラブルを起こしているとかいないとか……。





・月村重工

月村忍が設立した会社。忍の持つ技術と財団からの技術支援によって成り立った。

数年でバニングス社と並ぶほど発展する。





・統合世界

ある頭脳集団によって創り出そうとしていた世界が邪神によって歪められた世界。

邪神の目的はこの世界を基点に混沌の世界を創り出そうとしたらしいが詳細は不明。

この世界が邪神によって歪められた世界となっている事を察知し

邪神から解放する為に並行世界からウルトラマン達がやって来て戦った。

それが後のウルティメイトカオスウォーズ。

UCW後、この世界にウルトラマンは干渉できなくなる(キング、ゾフィーはある程度なら干渉できる)

ウルトラマン達はこの世界を隔離世界と呼んでいる。






・時の最果て

登場作品:クロノトリガー

あらゆる時空、次元の世界の果てとされる場所。

仁によって見つけられ、仁でなければ来れない場所である。

通常ではここに辿り着くのは不可能とされ、

宝石翁や管理局でもこの場所に辿り着く事ができない。

全回復する水場やあのバケツがあったり、戦の神がいるなど

色々と謎の多い場所である。






・特異点

特異点とは時間軸の真上に立つ存在である。人間であったり、モノであったり様々であるが、

基本的に時間からの干渉を受け難く、その反作用で時間外からの干渉を受けやすい。

とまあよく分からない能力だが確実に言えるのは

9:1の割合で良いことよりも悪い出来事に多く遭遇していまい

何処かへ行けばほぼ確実にトラブルに巻き込まれるというレアスキルである。

別名「迫水ゾーン」。





・特異点(真)

光族が元々持っていた何らかの能力とラヴォスの呪いによって得た能力。

この能力であらゆる因子を呼び寄せ仁の周りでトラブルが起きていたが

それと同時にこの世界とは違う別の世界の者を呼び寄せる事が出来る。

ルルーシュやKOS-MOSがこの世界にやって来たのもそれが原因である。

また地球が消滅するまで行き続ける不老不死の呪いがあり

肉体が滅んでも転生して新たな生を受ける宿命となる。

ブレイブ達と会って完全に覚醒した事で世界の修正力、抑止力などの干渉や

因果律を操る攻撃を受け付けない反全能能力を得るが

その代償にクロスゲート・パラダイム・システムといった因果律を操るような真似はできない。

しかしクロスゲート・パラダイム・システムといった人工的、後天的な能力では無く

先天能力の場合では使用可能だという。





・特殊戦技教導隊

元ネタ:スパロボOGシリーズ

戦技教導隊の前身に当たる部隊。

本局、地上本部問わず、優れた魔導師や騎士たちによって構成されたエリート部隊である。

メンバーにはアバン=デ=ジニュアール3世やゼスト・グランガイツに

ファーン・コラードなどが在籍していた。

後にアバンが除隊してからしばらくして解体されて今の特殊戦技教導隊が新たに発足された。





・ナーサリークライム(NURSERY CRYME)

登場作品:モエかん

この名を持つ者は世界を滅ぼせる力を持っているといわれている。

人間の形をしているが、人間ではない存在。陰陽五行に則り、全部で五人。

お互いが五行の絶対律で影響しあっている。

その力は不老不死。陰陽五行の絶対律による相生・相剋関係。属性を反映した各種能力の具現化。

現在確認されているのは極東日没、神崎貴広(一応ネタバレ回避のため残りは伏せます)。





・バニングス社

アリサの父、デビットの会社。財団からの技術支援で技術向上し発展することになる。




・光族

元ネタ:ウルトラマンガイア

地球で最初に生まれた意識生命体。

後に呪いで一族全員が特異点の能力を得る。

その一族の中で強大な力と特殊な能力を持つ王族が存在していて

その王族の中には特異点の能力を改竄した者達がいるらしい。

ちなみにブレイブは王族ではない。







・非殺傷設定

管理局の魔法はこのシステムによって任意で物理的なダメージが無い純粋魔力攻撃設定が可能となった。

この場合、魔法がダメージを与えるのは攻撃対象の魔力値に対してであり、

基本的には身体的な損傷を伴わない。

ただ、酷く外傷を負うという事を避けられるだけで、実際にはそれなりの衝撃や痛みがある。

質量兵器を廃止し、管理局が設立した時にこのシステムが生み出し普及される事になった

(このシステムの登場が大きく影響されて質量兵器はより危険視、必要無しと判断された)。

それ以前の古代ベルカ、先史時代は質量兵器と非殺傷設定が無い魔法が飛び交う争いが行われていた。







・プラズマスパーク

元ネタ:ウルトラマン、ガメラ

正式名称、光エネルギー変換炉。光の国にある人工太陽プラズマスパークとは別物。

ウルトラマンヒカリが作り出したエネルギー機関であり、

仁が全身で吸収した炎、電気などや魔力、霊力などといったあらゆるエネルギーを

光エネルギーに変換・貯蔵しておく。(闇のエネルギーは吸収不可)

もちろん光エネルギーをそのまま吸収する事もできる。

【魔力変換資質・光】と【光吸収】に【無限容量】は この機関の分かれた力のものである。





・マケット怪獣

登場作品:ウルトラマンメビウス

メテオールの一種で怪獣を一分間具現化させる。

マケット怪獣の元ネタは『ウルトラセブン』のカプセル怪獣に相当する。

またマケット怪獣として登場した怪獣にはミクラスとウインダムのカプセル怪獣が選ばれている。

TVシリーズのメビウスでは一度に一体しか使用できなかったが

最終回後の話であるOVでは同時に二体以上使用する事ができるようになった。






・魔弾銃の弾(改)

元ネタ:DRAGON QUEST -ダイの大冒険-

アバンが作った弾に魔法を込めて打ち出す銃の弾。

攻撃魔法だけでなく回復・補助系魔法等も充填し離れた相手に効果を打ち込むことができる。

原作では弾を銃から打ち出す以外に誘爆させて強制的に効果を発揮した。

(敵の指先の炎にギラを込めた弾だった為)

それをヒントに弾を破壊する事で呪文が発動するように改良したものを用意してもらった。






・ユーゼス作製チートボディ

ユーゼスとウルトラマンヒカリの持つ技術を結集して作製した仁専用の身体。

ラオデキヤなどのジュデッカ・ゴッツォやハザル・ゴッツォなどの人造サイコドライバーなどの

ハイブリッド・ヒューマン技術とイングラム・プリスケンのデータを基に作製された人造人間達の

バルシェム技術にウルトラマン(光の巨人の一族)の身体データを組み合わせた肉体。

人間の姿でウルトラマンと同等の能力を使える事をコンセプトにしているので

ウルトラマンの姿には変身しないが力を行使する時はブレイブアークで銀髪と金色の瞳に変化し

あらゆるウルトラマンの能力が使用できる。しかしまだ完全ではなく特にノアの力は使用出来ない。

身体がまだ成長していないのとブレイブアークが未完成である為である。

特異点の力の影響で因果律を操る事やアカシック・レコードにアクセスする事はできないが

念動力、精神感応能力、透視能力、予知能力をそれぞれある程度は使用できるらしい

(クロスゲート・パラダイム・システムにウルトラマンの力が備わっている為)。

ちなみに髪の色が青色には変化しないし青い髪の人が背後に立つ事も無い。






・笑えよ、○○

仁が発明した尋問用のアイテム。

一見唯の箱に見えるが目標をロックオンすると中から

マジックハンドが出てきて相手をくすぐり地獄へと誘う。

相手がどれだけくすぐりに耐性があろうとこのマジックハンドの指使い(テク)の前には無意味と言える。

最大モードだと感覚が麻痺したり脳内麻薬が分泌したりと色々とヤバイ状態に陥ってしまう。

まさに最終地獄である。

名前のネタはDBのセルがべジータに言った台詞から。





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