<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

エヴァSS投稿掲示板


[広告]


感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[37816] 銀が行く 銀魂×エヴァンゲリオン
Name: パルパル◆b438a453 ID:d842fd53
Date: 2013/06/11 18:00
こんにちは カニ魂です。
これは銀魂×エヴァのクロスオーバーとなります。
様々なSSを見て感化されて書いたので「あれ?これあのSSと似てね?」とか「エヴァってそんな設定だっけ?」っていう場面があるかと思いますがご了承くださいm(__)m
今回はこの掲示板のみに投稿する作品となります。
下手ですが頑張りたいと思いますのでよろしくお願いします。
ではどうぞ




侍の国
そう呼ばれたのは今は昔。
宇宙より来襲した宇宙人(天人)によって突如価値観が変わってしまった町、江戸。
宇宙人、高層ビル、バイクに電車などなど何でもあり
の世界で、変わらない“魂”を持った最後の侍がいた。

「ウップ...あ~気持ちわりぃ~...」
男の名は坂田銀時。
金さえ払えば何でもやる何でも屋、万事屋 銀ちゃんのオーナーである。
いい加減で無鉄砲な性格だが己の魂のルールを突き通す生き方をする義理人情?の男である。
「流石にハメ外しすぎたなこりゃ...おかげで久々のフィーバーマネー全部オヤジにくれちまったよ...」
「その分酒飲ませてやっただろ」
銀時はいつも通うパチンコ店で大当たりしてその打ち上げをしたところだった。
だがその金は打ち上げで使いきってしまい、銀時の財布はパンパンボディからいつも通りのスリムボディに戻ってしまった。
「あ、そういや明日家賃の納期じゃねーか。ヤベーな~確かババア来るんだよな~」
「そうだよ?だからサッサと出てくれよ旦那。このまま酔いつぶれちゃ困るんだよ」
銀時はたまには取り立てにくるスナックのママ、お登勢に家賃(6ヵ月分)を返そうとしたが打ち上げでその分の金を消費したので返せない。
「...ま、いっか。新八にでも任せりゃ」
「人任せはよくねーぞ。ホラ早く起きて」
そしてこの態度。
家賃が返せないだけでなく、その対応を志村新八という自分の従業員にやらせるのだからこれを侍とは中々言えない。
「じゃ、また明日~」
「いや人の話聞いてた!?お願い起きて!?地の分ずっと俺のこと無視するから言いづらってちょ、寝ないでそんないい顔して眠りにつかないでェェェェェェェ!!?」
そして銀時はカウンターに突っ伏した状態で眠りにつく。
それが最後のかぶき町光景だと知らずに。





銀時が眠りについたころ
「どうすんだよコレ...表に投げとくか?いやでもこの人だから何かやらかされると後が...」
カウンターに突っ伏した状態で寝る銀時に居酒屋の亭主は困り果てていた。
「誰か引き取りにでも...」
と、そこで店の扉が開いた。
「ん?なんだい、今日はもうお終いだよ」
亭主が見ると一人の男が入ってきていた。
男は銀時の傍まで寄ると銀時を指差す。
「ん?ああ引き取りに来てくれたのかい。そりゃ助かる、とっとと持ってってくれ」
亭主が言うと男は銀時を背負い、店を出た。
「いや~良かった。たくあの人にはあーいう奴がいねえとダメだな」
やっと厄の原因が去ると亭主は身体を伸ばして愚痴を言う。
と、ここで気付く。
「そういやあんな奴って万屋にいたっけか?」






この日を境に

坂田銀時はかぶき町から姿を消した。



[37816] ビッチってバカにはするけど実際にいたら結構そそる
Name: パルパル◆b438a453 ID:d842fd53
Date: 2013/06/10 23:58
どうも、カニ魂です。
前回はどうしてもあの場面で切りたかったので短くなりましたが今回は頑張ります。
あとこの前書きですが要らなかったら感想で言ってくれれば書きません。
書かれなかったら?1行でも20行でも書いてやります。
それではどうぞ







「グ~グ~っあ~...」
銀時は目が覚めてあくびをかく。
「結構寝たな~...てかあんな飲んで全然頭痛くねーや」
ボリボリと頭をかいて亭主を呼ぶ。
「オヤジィ、ツマミくれや。お代はツケで」
だがいくら待っても返事が来ない。
仕方なく顔を上げて亭主をもう一度呼ぶ。
「おいおい、酔いつぶれたからってそりゃ無いんじゃないの?居酒屋としてどうな」
そう言いかけて止まった。
何せ銀時のいる所は




真っ黒な、何処にも光なんて見えない闇が広がっていた。
「......」
銀時がしばらく固まった後取った行動は
「...おやすみ」
二度寝だった。
「いやちょっと待ってください」
と、ここで銀時に声がかかる。
「いやあの、状況分かってます?そりゃいきなりこんなとこいたらビックリするでしょうけど」
声は女性で銀時に対して色々言っているが当の本人は
「グ~グ~グ~...」
「いやだから待ってくださいって。何で寝ちゃうんですか?止めましたよね?」
「チッるせーな~...新八~変な目覚ましかけんじゃねーよ」
「目覚ましじゃないです。誰ですか新八って...」
「んだよ、また仙人か?今度は仙人の母ちゃんか?」
「違います!仙人って何ですか!私は」
「じゃあ結野アナ?」
「違います!!何ですかその名前!?どんな下品な名前して」
「てめ結野アナバカにしてんじゃねーぞコラァァァァァァァァァァァァ!!!?」
「いや急に怒るってちょっ、何で足振りかぶってもも痛ァァァァァァァァァァい!!!?」




「すみませんでした」
ただ今の状況
裸の女性が銀時に土下座。
「いいか、天パはダメだ。糖尿病もダメだ。だが結野アナはもっとダメだ。これだけは絶対バカにしちゃいけねー」
(だけはって結局全部ダメじゃないですか...)
そんな事を胸に押し込んでももパーンの痛みに耐えながら話を聞く。
「大体何その格好?真っ暗だからって素っ裸になってもいいって訳?ビッチなの?天下ビッチ武闘会でも出るの?」
「出ません。何ですか天下ビッチって...」
「試合前からビッチまくりの奴が出れる訳ねーだろ。神聖な大会を汚しやがって」
「ビッチに神聖なんてあるわけないでしょ!」
「お前はもう一度予選からだ。じゃあまずは審査員の俺に身体検査を」
「結局あなたが見たいだけじゃないですか!」
ぜぇぜぇと息を切らしてツッコミをする。
「でもよー目が覚めたらこんな所いれば誰だってテンパるだろ」
「むしろ貴方のペースにテンパりましたよ...」
「あ、そうだ」
銀時は自分が着てた羽織を女性に被せる。
「え?」
この行為に驚いて銀時を見上げる。
「とりあえず着とけや。女なんだし。あ、大会目指すなら別に」
「目指しません」
顔を赤くして女性は羽織を着る。
「でも、少しは優しいところもあるんですね」
そう小さく微笑むが
「あ!?ジャンプ今日じゃねーか!?ヤッベちょ、出して!!俺をここから出してくれェェェェェェェェ!!!?」
真っ暗な虚空にシャウトする。
「...ハァ」
女性は呆れた様にため息をつく。
(格好いいのか悪いのか、分からない人ね...)
この男がどういう人間か、ほとんど分からない。
(変人だと思えば何処か義理深そうで、かといって改めて見れば何処かダメで...)
色々考察していって最終的に辿り着いたこと。それは
(でも、とっても自分に正直に生きている)
何処か一本筋が通った生き方、というよりまるで魂のままに進む生き様。
(何故この人が"こんなところ"に来たのか分からないけど)
ある人物を浮かべて願う。
(なって欲しいわねこんな生き方に...あの子にも、あの人にも)

「と、そういや自己紹介がまだだったな」
銀時が向き直り、教える。
「俺は坂田銀時、万屋のオーナーだ。アンタは?」
「私?私は...」








「碇ユイと言います」



[37816] 不思議な場 来たらやるよね かめはめ波 えっやらない? じゃあごめん
Name: パルパル◆b438a453 ID:d842fd53
Date: 2013/06/21 00:38

遅くな今更ですが注意書きです。

※キャラ崩壊注意




「......」

どうも、碇ユイです。
前回は裸ではしたない格好ですみません。作者いわく"サービスシーン"ということで許してくれたらと...何言ってるのかしら私?
で、私が見ている視線の先には...




「かーめーはーめー波ー!」

有名な武道家の技を練習する人がいます。
この方は坂田銀時、侍という人みたいです。
江戸から来たと言っていたのでまさかタイムスリップをしてきたのかと思いましたが真実は異世界人という予想を斜めに通り越した答えが出てきました。
自分の知っている歴史をどれだけ掻き出しても開国させたのがペリーでも黒船でもなく、天人という宇宙人だなんて聞いたことがありません。
だからありえないはずだが可能性としては異世界人だという可能性が高い。
私は侍という人物を見たことがないので厳格なイメージを持っていたが当のお侍さんは厳格とはかけ離れた存在、言わばダメそうな大人...。
常にふざけていて侍だということを忘れるくらいだ。
そんなちゃらんぽらんだからきっとまた馬鹿やってるんだろうなと思って見たら...

「...ダメだな。何か力が篭ってない。もっとこう全身使ってじっくり溜める感じで...」

いたって真面目でした。ふざけてとかではなく真剣に打てる練習してます。正直痛いです。

「よしっこんな風に...か~め~は~め~波ァァァァァァッ!」

これは止めたほうがいいんでしょうか?それともそっとしておいたほうがいいんでしょうか?

「うん、何か力感じた。今日は何だかイケそうな気がする」

何か感じたそうです。あるわけないのに...
あと正直終わる気配がしません。何か掴んだお陰でやる気出たみたいです。
しかも今日はって...前もやってたんですか?

「おーし、行くぞ...かぁぁぁ、めぇぇぇ、はぁぁぁ(チラッ)...」

あ、気付いた。

「......」

銀時さんは無言で着ていた服を細く丸めて縄のようにして自分の首に巻いて...ってちょっ!?

「な、何やってるんですか!?危ないですよ!?」
「うるせーッ!見んじゃねーよ!これ以上俺に生き恥晒さないでくれよ!」
「晒さないでって勝手にやってたのはそっち、ってちょっと待ってどうして後ろ向かせるの何で服を振りかぶるのやめて止めて降り下ろさないで背中イタァァァァイッ!!!?」




「ねぇ、どうしてそんな躊躇なくバンバン叩くの?私これでも女性なのよ?妻なのよ?子持ちなのよ?どれだけSにまみれてればそうなるの?」
「早く帰りてーな~」
「あ、スルーなんだ。私の文句三行で終わりなんだ」

あまり引っ張ってもしょうがないので話を進める。

「昨日も言った通り、ここはエヴァというロボットの中なの。中と言っても操縦席とかではないわ。ここはエヴァの心の中。だから出口なんて無いの」

そう、ここからは出られない。出れたら私は2人を置いてこんなところにいない。

「んだよ、やってみなきゃわかんねーだろ」
「そうね、やってみなきゃわからないものね。だから練習してたんだものね」
「何だよ、根にもってんのか?」
「むしろ持たなかったら真性のマゾヒストじゃない」
「そうだな、こっちでもドMがいたら苦労するし」
「心底貴方の世界に生まれなくて良かったわ...」
「しかしロボットに心ねぇ...それも兵器に...」

私がホッとしていると銀時さんは怪訝そうに言う。

「正確には人造人間に近いわ。それを人が制御出来るように押さえ付けてるだけ。電気を使って身体を借りてるようなものよ」
「そんなもんに頼るなんてなぁ...俺ぁよく分からねーが気分の良い話じゃねーな」
「そうでしか人類は生き残る術はない...とだけ言っておきましょうか」
「?」

一瞬うつむいたユイに銀時は疑問を浮かべる。

「それに貴方のところにもいるんでしょう?心を持つロボットが」
「ああタマか?ありゃあ元が特殊だから人間の頃の魂をそのまま受け継いだだけだ」
「そう...」

それがどれだけ凄く、そしてとんでもないことか、この人は知っているんでしょうか?
...いや、知るわけがないですよね。貴方は、いや貴方達にとって、それは当然であり唯一の物なんでしょうしね...。だからそのロボットも心を、魂を保てたんでしょう。
本当、こういう時だけは羨ましいですよ。
もし私たちが貴方達の世界に生まれたら、もっと早く貴方達に出会えていたら...
もしかしたら、こんなことにならずに家族3人で幸せを感じれたのかもしれないと。
でも...

「もう、それは叶わない」
「?おい」

銀時が声をかけると
ゥウーーーーーーーーーッ!!!!

「何だ!?」
「...始まるのね」

辺りは未だ真っ暗だというのに、あちこちから警報のような音が響く。

「おい!どうなってる!始まるって何だ!」

ユイの肩を掴んで銀時は問い詰める。

「遂に来たのよ...」
「何がだよ!ハッキリ言え!!」

焦る銀時にユイはゆっくり告げる。





「人類の...敵が」



[37816] 天パ、襲来
Name: パルパル◆5f88b2a8 ID:b626a39f
Date: 2014/06/23 22:06
結構書いたと思って投稿すると短く感じるマジック
お久です


NERV 初号機格納庫

碇シンジ、それが僕の名前だ。
不幸話になっちゃうけど僕はこれまでの人生を幸せなほうだと思ったことは一度もない。
僕は両親に育てられたという記憶がない。
母は亡くなり、父はここNERVで仕事をしていて物心ついた時には先生に預けられていた。
その父からある日、手紙が届いた。
手紙はIDのコピーで隅には父の名前で『来い』とだけ書いてあった。
見たときは色々あって捨てようとしたけど先生の説得で来ることにした。
そして同じくNERVでミサトさんに連れられ、暗闇の部屋に来ると照明がつけられる。

「これが人の造り出した汎用人型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオンの初号機」

そこには紫を機体色と額の一本の角が特徴的な巨大なロボットがあった。
これが、エヴァンゲリオン...

「これも父の仕事ですか...」
「そうだ」

声のするほうを見てみると、そこには髭を生やしサングラスをかけた僕の父、碇ゲンドウがいた。

「久しぶりだな」
「父さん...」



「人類の...敵だぁ?」

ユイの言葉に銀時は疑問を浮かべる。

「そうよ。人類の敵が、『使徒』が攻めてくる」
「何だそりゃ、宇宙生物でも出たのか?」
「ここは貴方の知る世界では無いわ、天人もいなければ宇宙生物も...たぶんいないわ」

するとユイは銀時に背を向け虚空へ歩き出す。

「おいどこ行くんだ?」
「迎えよ、あの子の」
「あの子?」
「シンジに、私の子に」

そう言いながらある程度歩くと、立ち止まり手をかざす。
すると二人の視界は暗闇から色ある世界へと変わる。
銀時はこの光景に驚きはしないものの察することまではできなかった。

「何これ、万華鏡写輪眼?つーかお前どこいった?」
「今見えるのはエヴァから見える意識の外、つまり外の世界よ」
「あれ、お前ここから出られねーんじゃなかったっけ?」
「今見えるのはエヴァから見る景色、私はそうやって外を見ることが出来る」
「出たわけじゃねーのかよ...ん?」

銀時は後頭部から脊髄の辺りに違和感を感じ手で押さえる。

「ねぇ何か首の後ろがすげえ風通し良くなったんだけど。スースーするんだけど」
「えっ...あぁそこはエヴァがエントリープラグっていうパイロットを搭乗させるものを挿すスペースがあるの。もうすぐパイロットが搭乗するわ」
「え、そんなとこまで俺らに伝わるの?戦うんだよね?腕とか斬られたらどうすんの?」
「まぁ...我慢と慣れで」
「切れェェェェェェ!!今すぐ全ての繋がりを切ってくれェェェェェェ!!」
「大丈夫よ私も感じるから」
「そういう問題じゃねーんだよ!見ず知らずの奴に自分の身体好き勝手やられる感じがァアン!?」

銀時が抗議している間にパイロットを乗せたエントリープラグは初号機に挿入される。

「は、入ってくる!?太くて長いのがが入ってくるゥ!?」
「やめてくださいその言い方!」

そして全て差し終えると二人に男の子の声が聞こえる。

「おぉ、何かスッキリした気がする。あなたと合体した感がある」
「なんか卑猥に聞こえる...」

すると頭の中で銀時やユイとも違う別の誰かの声が聞こえてくる。
ニゲチャダメダ ニゲチャダメナンダ
「え、何これ?ぶつぶつ聞こえてくるんだけど?」
「パイロット、シンジの声よ。エヴァはパイロットとシンクロすることで動くからその副作用と思えばいいわ」

ユイが丁寧に説明するが銀時はぶつぶつと聞こえる声に気に入らないようで表情をしかめる。

ニゲチャダメダニゲチャダメダニゲチャダメダニゲチャダメダ
「ねぇこれホントにお前の息子?病んでないこれ大丈夫?」
「し、思春期なのだからそりゃあ考え事くらいするわ」
ニゲチャダメダニゲチャダメダニゲチャダメダニゲチャダメダニゲチャダメダニゲチャダメダニゲチャダメダニゲチャダメダ
「いや俺のとこにもガキ居たからさすがにわかるわ。思春期以前の問題だよ。もはや暗示だよこれ?最高にローってやつだぞ?」
「いいの!シンちゃんは優しい子なの!ちょっと人より臆病なだけで根は...貴方子供が居たの?」
「従業員だよ、家ねえから住み込みなだけ。つか過保護か」

銀時の意外な一面に驚くユイに銀時は正しく訂正を入れる。

「そ、そうなのね。それにしても素直な子なのね」
「まぁある意味素直ではあるな。頭の中が飯と酢昆布とゲロで出来てる奴だけど」
「それこそ思春期以前の問題だと思うわ」
「おいおい、そこは『だろうがァァァァ!!』って言うとこだろ?テンション上げて、もう一回!」
「いい加減貴方の世界と此方の世界の人達を一緒にしないでください!?もうキャラ壊さないでお願いだから!?」
(あ、壊れた)

等と二人で話しているとエヴァの頭上の天井がどんどん開いていく。

「ん、何だあれ?」
「あ、いくわよ」
「えっ?」

バシュッ!

音が鳴ると同時にエヴァの機体が猛スピードで上昇していく。

「くぅぅ...!」

パイロットのシンジはのしかかるGに何とか耐えようとする。
基本的にエヴァの中は安全でこういった重力にも対策は施されている。
感覚を機械でリンクすることである程度はこの重圧を感じるものの、100%ではないので軽減されるのである。
ではエヴァと直接リンクしている銀時はというと...

「ア゛ア゛ァァァァァァァァァァァァァァァァァ頭凹む頭凹むゥゥゥゥゥゥゥ!!?」

感覚を共有しているのでジェットコースターとは比べものにならない強力なGがかかり、心の準備をする暇さえ無かった銀時は絶叫する。
そして地上へ出るとリフトは急停止する。

「いいわね、シンジくん」
「はい」
「よくねェェェェェェェェェェェェェェェェ!?」

銀時は先程までのGから解放されるとギャアギャアと騒ぐ。

「お前やるなら前もって言えよ!そんな直前にやられて準備なんて出来るわけねーだろ!つーか運び方雑じゃね!?ガンダムみたいにブーストとか無いの!?」
「聞こえないわよ?」

ユイが一応訂正をいれるが銀時はわかってらぁ!と目の前の使徒に向き直ると女性の声が聞こえる。

「シンジくん、今は歩くことだけを考えて」
「歩く...」

その発言に銀時はえっ?と耳を疑う。

「何言ってんのコイツ?あれ敵なんだろ?目の前にいるのに悠長に歩く暇が...」
「シンジがエヴァに乗るのはこれが初なのよ?」
「はぁ!?即実戦とかアムロになれって言ってるようなもんだろ!」

そうこうしているうちにシンジがエヴァを一歩動かす。

「歩いた...!」

だが喜ぶのも束の間、二歩目で躓いて転んでしまう。
その瞬間銀時にも痛みが伝わり思わず鼻を押さえる。

「いっつモロに鼻ぶつけた!?ちょっ潰れてない?俺鼻血出してない?」
「えっ?ええ出してないけど」

銀時は鼻を気にするがユイはそれほど痛みは感じていないので疑問に思う。

(そこまで感覚を共有しているの?ここにいる以上銀時さんと私のリンクに違いは無いはずなのに...)

そしてシンジは痛みを堪えながら前を向く。
すると使徒が目の前にいてこちらを見ていることにシンジは半ば放心状態になる。

「シンジくん!早く起き上がるのよ!」

だが指揮官の声もシンジには届かず使徒は初号機を持ち上げその腕を強力な握力で折りにかかる。

「ちょっ痛い痛い痛い、痛いって一回離そう?離して離れろ離せやコラァァァァ!?」

だが初号機を操縦しているのはシンジなので銀時の叫びは無駄になる。

「ぐっなんつー力だよ...!おいどうするんだ!」
「い、いいのよ...これで...」
「ああ!?」
ボキンッ!!
「っ!?」

使徒はついに初号機の腕を折るとその頭を掴み上げ、肘の辺りから長いエネルギー体が伸びる。

「まずい!?」
「シンジくん避けて!」

だがそれに反応することが出来ず、そのエネルギー体を初号機の頭へ何度もぶつける。

「くそったれ...おいクソガキ!さっさと避けろ!このままだと」

だがそんな声もシンジに聞こえる訳が無く遂にエネルギー体は初号機の頭を撃ち抜く。

「がぁぁっ!?」

その痛みはダイレクトに銀時にも伝わり額を押さえる。
その光景にユイはハッとなる。

(エヴァとのシンクロ率が私より高い!?いや、むしろ私からシンクロ率を無意識に奪っている!?)

初号機はビルに叩きつけられると大量の血を吹き出してそのまま動かなくなる。

「作戦中止、パイロット保護を最優先!プラグを強制射出して!」
「駄目です!完全に制御不能です!」
「何ですって!?」

「いつつ、俺は中村さんじゃねーぞコノヤロー...」
(不味い、このままだと!)

すると先程まで沈黙していた初号機が再び動き出す。

「まさか...」
「暴走...」

一同がその光景に呆然とする中、司令官の碇ゲンドウと福司令の冬月はこれといって動じず勝利を確信する。

「勝ったな」
「ああ」

そしてゲンドウは内心でほくそ笑みする。
(全てシナリオ通りだ...)

一方、ユイは一人初号機の視界の端に映るNERV本部の方を見る。

(ごめんなさいゲンドウさん...)

作戦本部にいるであろう自らの夫、碇ゲンドウへ謝罪を送る。

(貴方の描いたシナリオは...)

「ずいぶん好き勝手やってくれたじゃねーか、この食い倒れ人形が...」

エヴァの口の辺りが大きく割れて人の口の形と成す。
最早エヴァは銀時と完全に動きを同化していた。

「たった今、崩れ去ろうとしてるわ」

そして、吠える。

「大阪に送り返してやろぉかァァァ!?」
アオォォォォォォンッ!!



[37816] 事後、それは説明会
Name: パルパル◆b438a453 ID:ff16a65b
Date: 2016/05/26 22:35
お久です、以上


「はッはッはッはッはッはッはッはッ...」

暗い道路を一人の少年、碇シンジが走っていた。
その様子はまるで何かから逃げているように不恰好に走っている。

「はッはッはッ...」

シンジは走りながら後ろを振り返る。
その視界には自分が通った道路しか見えない。
良かった、と少し安心して前に向き直る。

「!?」

だが、目の前の道路からコードのようなものが繋がれている巨人が現れる。

「うわあっ!?」

シンジは思わず仰け反り、転んでしまう。
そして、ゆっくりと巨人はその顔をシンジへと近づける。
その目の辺りからは血のようなものが流れていた。

「わああああああああああああああ!!」






「あああああっ...は!?」

気がつくと先ほどの巨人は消えて、代わりに白い天井が見える。

「知らない天井だ...」

身体を起こし、辺りを見渡す。
どうやらここは病院のようだ、きっとあの後自分はここに運び込まれたのだろう。
それにしても...

「夢...?」

汗を拭いながら、先ほどの光景を思い出す。
出来ればもう二度と見たくはないと思うシンジであった。






「今回の被害総額で国がひとつ傾くぞ、碇君」

暗い部屋の中で、複数のモノリスのようなものがあった。

「オモチャに金をつぎ込むのもいいが肝心なことを忘れてもらっては困る」

彼らの名は、『ZEELE(ゼーレ)』。
遠い昔から世界を裏で操る秘密結社で、ネルフにとっての上部組織である。
彼らは今回の使徒襲来に関しての会議を開いていた。

「君の仕事はそれだけではないだろう?」
「左様」

ここでNo.1と書かれたモノリスが言い出す。
どうやらこの議会の議長であるようだ。

「人類補完計画、我々にとってこの計画こそが唯一の希望なのだ」

議長が話す相手は、ネルフの総司令を勤める碇ゲンドウである。

「―――承知しております」

眼鏡をくいっとあげるゲンドウはそう答えるだけだった。

「いずれにせよ、使徒再来によるスケジュールの遅延は認められない。予算については一考しよう」

ここで会議は終了し、モノリスが消える。
残ったのは議長のモノリスとゲンドウだけだった。

「碇、もう後戻りは出来んぞ」







名前、決めてくれた?
男だったらシンジ、女だったらレイと名付ける
シンジ、レイ...フフッ



シンジ...


シンジ...


綾波...


シンジ...


レイ...


レイ...


碇...


レイ... 




―――違う。

綾波...



レ イ

「ぎゃあァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!?」

血相を変えてガバッと起き上がる銀時。
シンジとは違い、昨日も見た暗黒の景色が広がっていた。

「ったく、朝からとんでもねーもん見させやがって。心臓に悪い...」

頭を押さえながらチラッと見ると、ユイがへぇ...とでも言いたげな顔でこちらを見ていた。

「おい、何だその顔は?」
「いえ、意外な面が見られたから」
「何言ってんのお前?もしかして俺が怖い夢見てビビったとでも言いたいの?」
「え、違うんですか?」
「違いますー!これはあれですー!過去のトラウマみたいなの思い出して俺は許されちゃいけない奴なんだ、みたいな!辛い過去を持つ主人公の苦しみ的なアレですー!」
「ホラー映画を見た過去とか?」
「それ完璧ビビりじゃねえか!夜に見てお化けが夢に出てくる的なやつじゃん!主人公がそんな苦しみ抱えるわけねーだろ!」
「主人公はシンジじゃない」
「二次創作では俺なんです!」

銀時はひたすら夢でビビっていないと否定するが、ユイは別のことを考えていた。

(意識が覚醒した瞬間が同時だった...同じ光景を見ていたのね。でもこの光景は...)

とりあえずその考えは後で考えるとして、結局またコントのようなことをやってしまい、ユイはしようと思った話をする。

「どう?エヴァを動かしてみた気分は?」
「あ?」

昨日、銀時はエヴァンゲリオンと一心同体になり動かすことに成功した。
本来、あの暴走はユイがエヴァとなり使徒と戦う筈だった。
だが実際は、銀時がその主導権を奪い戦うという結果になった。
元々の計画としては、暴走させて使徒に勝つというものだったから結果としては問題ないだろう。
だが、恐らくゼーレの者たちや夫のゲンドウ、そして冬月も違和感を感じただろう。

エヴァの戦い方がおかしい、と。






「ATフィールドを失った使徒の崩壊、予想以上の状況ね」

大型の飛行機に乗せられリツコ、ミサト、マヤの三人が今回の使徒の襲来場所に来ていた。

「まさに血の池地獄...セカンドインパクトみたいで、嫌な感じですね」

窓から見える使徒襲来の爪痕を見て、マヤは不安そうな顔を浮かべていた。

「『エヴァは使徒に勝てる』、この事実だけでも、人類に僅かな希望が残るわ」

ミサトが十字架のネックレスを手に眺めている。

(それにしてもあの動きはなんだったのかしら...)

一方、リツコは使徒襲来の際のエヴァの行動を思い出していた。






エヴァと動きを同調させた銀時はユイに武器になるものはないか聞く。

「おい、何かねーのか!刀かなんかは!」
「肩にプログレッシブナイフがあるわ」
「化け物相手に刃物一本ってなめてんのかァァ!!?」

そう言って肩からプログレッシブナイフを取り出すと走り出し、使徒に向かって跳ぶ。

「オラァァァァァァァァァァァァァァッ!!?」

その勢いでプログレッシブナイフを振り使徒を斬りつけると、その箇所から血が吹き出る。

「もういっぱァァァァァァァつッ!!」

更に斬りつけんとナイフを使徒へ突き出す。

パキィィィィンッ!

「あぁっ!?」

だが突然目の前にバリアのようなものが出現し、ナイフが突き刺さらない。

「ATフィールド!?やはり使徒も持ってたんだわ!」
「フィールドをはっている限り使徒に接触できない!」

ミサトとリツコが何とか解決策を出そうとするなか、銀時はユイに答えを求めた。

「ユイ!こいつはどうすりゃいい!?」
「私たちでATフィールドを出して侵食することで突破できるわ」
「んなもんどうやって出すんだよ!やったことねーぞ!かめはめ波と一緒か!?」
「なら私が侵食するわ、貴方は力任せに引き裂いて」

エヴァが自らの手を再生させるとそれをATフィールドへ突っ込み、引き裂こうとする。

「凄い...」
「ふんごォォォォォォォォォォォォォォォォォォ...!!」

すると遂にATフィールドが破れ、エヴァが通れるほどのスペースが出来る。

「どうも、突撃となりの晩御飯ですけど...!」

ピカッ!

使徒はエヴァに向けて光線を放つが、エヴァからATフィールドをはられて光線は弾かれてしまった。
そこで使徒はもう一度頭に掴みかかろうとする。

「芸がねえんだよ肩パッドォォッ!!」

今度はエヴァが使徒の腕を掴み返す。
そこにプログレッシブナイフを突き刺すと、刺したまま肩の辺りまで切り裂いていく。

「駄目よ、使徒はコアを狙わないと倒せないの」
「あの赤いビー玉のことか!?ならこのまま---!」

だが使徒の目が光ると、その身体をエヴァに絡み付かせる。

「コイツ、まさかっ!?」
「自爆!?」

カッッッ!!!

ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!

閃光が辺りを包むと大音量が響き渡り、爆発による風と熱が一帯を吹き飛ばす。
爆発の中心には十字に昇る炎が見える。

「...エヴァは?」

光が段々と晴れて、鮮明に見えてくる。
そしてネルフのモニターが捉えた映像が、その映像を見ていた者たちの言葉を失わせた。

そこには、炎と赤い雨が降り注ぐ崩壊した街を悠然と歩くエヴァンゲリオンの姿があった。







(暴走、と呼ぶには理性的な戦い方。まるで別のパイロットが動かしているようだった。まさか、何かイレギュラーなことが起きてるんじゃ...)

試行錯誤をしていると、パソコンがメッセージを受け取った音を出す。

「その希望を担うパイロットが気づいたみたいよ」








「で、俺はこれからどうすりゃいーんだ?」

一方、銀時は胡座をかき鼻の穴をほじりながらユイに話しかけた。

「どうって?」

ユイは閉じていた瞼をゆっくりと開けて銀時に振り返る。

「だから、俺はこれからも紫の彗星を操らなきゃならねーのか?」
「それ赤いやつじゃ...ってああツノ生えてるものね」

銀時に向き直りとりあえずは、と今後のことを教える。

「特に何もしなくていいですよ、元々私が戦う筈だったのでしたので」
「はっ?あんたが?」

怪訝な顔を浮かべる銀時。

「ええ、暴走したときは私がエヴァの人格のようなものになってエヴァが動くの」
「人格のようなものって...お前が操る訳じゃねーの?」
「ええ、別に私が主導権を握る訳ではないわ。あくまで私は取り込まれた存在だから。影響を及ぼすことは出来ても私自身となるわけではないわ」

へー、と銀時は納得しようとしたところでん?と疑問が浮かぶ。

「じゃあ俺の時はどうなんだ?」

あの時エヴァは銀時とシンクロしていた。
影響を及ぼすだけでなく、その身体さえも自在に動かしていた。
それを聞かれてユイはあっけからんと答えた。

「さあ?」
「さあ?ってお前...」
「正直わからないことだらけなのよ?私だってエヴァの全てを知っている訳ではないし、まず貴方のようなイレギュラーが起こすことなんて知らないわ」

ユイが説明すると銀時はハァとため息をつく。

「結局またあの化け物とやるしかないって訳か」
「え?いえ貴方は---」
「目の前で女一人戦わせてた、なんて知られたらかぶき町歩きにくくなるだろ?」

ポンっと銀時がユイの頭に手を乗せる。

「んっ」
「あの連中が何考えてるかはよくわかんねーけど、あんたは子の為に身体張ってんだ。ならお助けくらいはしねーとな」

フッと笑いかける銀時にユイも笑みを浮かべる。

(本当に、変なところで優しくなるんですから...)

だが、それと同時に不安もある。

(もしあの人の計画をこの人が知ったら...もし、それを私も望んでしまっていると知ったら...)

使徒、セカンドインパクト、ネルフ、ゼーレ、人類補完計画、エヴァンゲリオン
---そして、チルドレン。
私たちの子、 碇シンジ

(全てを知ってしまったら、彼はどうするのだろう)

自分たちの行く末はわからない。
自分たちは天国へ向かっているのか、それとも地獄へ落ちようとしているのか。
だが、叶うことなら---

「もう一度、家族と一緒に...」

そんな、銀時にさえ聞こえない小さな声でユイは呟いた。


感想掲示板 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.055238962173462