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[41233] 碇シンジのセカンドライフ 第零話
Name: バロム◆ebb31d45 ID:0155dbb1
Date: 2015/05/22 21:02
決意と旅立ち

全てが死に絶えた赤い海…それは地獄そのものだった。そこに一人の少年がいた。

彼の名は『碇シンジ』。

一握りの大人達の下らない計画のために幼い頃からじっくりじわじわと心を完膚無きまでに叩き壊され、生け贄にされた結果、全てが滅んだ。彼は自殺を図るために赤い海に入った時、あらゆる人間の思考を知った。彼は激昂した。手当たり次第、見当たり次第に暴れ狂った。泣き叫んだ。泣いて、泣いて、泣き止んだ。復讐のために武術・戦闘術・暗殺などを独学で徹底的に学んだ。しかし、冷静さを取り戻すと、復讐自体がバカみたいになってきた。それに、何でわざわざ過去に戻ってまであいつらの面を見なければならないのか。それなら一年中昆布眺めてた方がマシだ。それに、フルスペック所謂、アダムの力で神様気取りの状態で戦っても因果率で使徒がパワーアップするのがオチだ。ならどうすればいいか?考えた結果「第二の人生を楽しもう♪」この少年、今までの反動なのか、一通り暴れたせいかは知らんが、かつての内罰思考は完全に消え失せ、はっちゃけた性格に変貌したようだ。それでも両親・知人に対する憎悪と嫌悪感が消えたわけではない。しかし、既に眼中にもない。償いの対象でもない。完全にエンガチョしたのだ。

「レイ…幸せに生きてね…」

綾波レイ

碇ユイのクローン、リリスの分身、計画のためだけに創られた無を望む感情のない少女。

「俺の罪はこんな世界にしたことではない…君を拒絶してしまったことだ。」

アルミサエル戦での自爆後に明らかになった正体…何人目だろうと変わり無
いのに…怖くて拒絶してしまった。

確かにあんな光景をまざまざと見せつけられて簡単に受け入れろと言われても難しい。しかし、命を拒絶したことに変わらなかった。だからシンジは持てる力を全て使い、魂を綺麗に洗い流し、何の脅威もない平和な世界へと転生させた。

これで彼女に対する罪は償った。後は旅立つだけだ。


「さてと、行きますか。テレポート!」

瞬間移動とともにシンジは赤い世界から消えた。 旅の途中ふと疑問に思ったことがあった。

「そういえば…どうしてマナはあの海にいなかったんだ…?」

霧島マナ…初めて自分を好きだと言ってくれた少女…戦自のスパイだった少女…駅で別れた少女…全てが滅んだとき、彼女も無に還ったはずだった。しかし、いくら探してもマナの魂はどこにもいなかった。こればかりはシンジでもわからなかった。そんなことを考えている間に目的地に辿り着いた。

ああ…地球は蒼かった…

自然と涙が出ました…

すでにこの世界の神レイラ様(結構美人な姉ちゃん)に住み込み許可は貰っているため、因果率に作用されずに安心して力を使える。
最近では、許可なく勝手に並行世界に介入しては力を乱発する輩が多く、怪人や怪獣が強くなって困っているらしい。僕はレイラ様からこの世界について教えてもらった。

曰く、プリキュアと呼ばれる中学生がメインの女の子が戦っているらしい。

ちょっと複雑な気持ちだ…

曰く、近い未来に彼女達では手に負えない怪人がやってきて、このままでは全滅するらしい。

ほんで、僕に住み込み許可の条件として、彼女達を助けて欲しいというわけ。

勿論、僕は引き受けた。

レイラ様は僕をえらく気に入ったのか、新しい力を授けてくれた。仮面ライダーの力と、どっから持ち出したのかは知らんが、かつての相棒だった初号機を滅茶苦茶強力にしてくれた。ちなみにLCLはなくしてくれた。ありがたい。

余談だが、髭・妄想女・シナリオ電柱・ジジイ共は神界史上最も惨たらしい無限地獄を延々と味わっているらしい。いい気味である。そんなこんなで僕はレイラ様に重ね重ねお礼を述べて地球に降り立った。頑張ります。


「何の心配もいらないわ。あなたには最高の出会いが待っているから………」 続



[41233] 碇シンジのセカンドライフ 第1話
Name: バロム◆ebb31d45 ID:0155dbb1
Date: 2015/05/22 21:42
「ふぃ〜やっと到着♪」


ここは、大貝町の河川敷。そこにシンジはいた。


草木が生い茂り、花が美しく色とりどりに咲いている。

空は青く、川はとても綺麗で魚が泳いでいる。辺りを見回すと、家族連れで仲良くお弁当を食べている。また、別のほうでは子供達が屈託のない笑顔で楽しく遊んでいる。その奥ではカップルが中睦まじく談笑している。

それはまさに絵に描いたような幸せだった。シンジは確信した。

これこそが人との共存の素晴らしさだと。細かいことや難しいことなんてどうでもいい、ただ語り合い、わかり合い、愛し合えば良かったのだ。

そんな世界をくだらねえ理由で滅茶苦茶にしたジジイ共が…妻に会いたいだけで狂喜に走り、尊厳や人権を平然と踏み躙った父親だった男が…勝手な未来を妄想し、面倒ごとは旦那と子供に押し付けて自分はのうのうと10年間も寝てただけの元凶たる母親だった女が…許せない。許せるわけがなかった。だが、何よりもそんな当たり前に気付かなかった自分が許せなかった。

もう彼は死を望まない。生きて、生き続ける。この新しい地で…すると、


「……シン……ジ…?」

「!?」


誰かが僕を呼んだ。おかしい。この世界には知人が存在しないはず。その場所を選んだはずなのに…声のした方を振り返ると、そこには、ピンク色の髪の少女がいた。

〜マナSIDE〜
彼と最後に別れたのは第3新東京市のホームだった。もう二度と会うこともない。それでもお互い笑顔で握手をして別れた。その後は電車の中で泣いた。すると、目の前にまばゆい光があたしを包んだ。そこで意識を失った。目を覚ますとあたしは赤ちゃんになっていた。

何故に!?Why!?誰か教えて!?まさか!あの光!?いや!絶対そうだ!かなりパニックになっていたためか、お母さんがあやしてくれた。

「あらあら、マナ。よーしよーし(^-^)」


何たる偶然!現世のあたしは名前が同じなのだ。新しいお母さん、お父さんかな?はたまたおじいちゃん?ありがとう。ちなみに名字は相田だった。相田…そういえば、クラスに軍事オタクのカメラメガネがいた。まさか、妹なんてことは…なかった。ちょっとホッとした。それから、あたしの第二の人生が始まった。愛情たっぷりに育ち、その愛を色々な人にわけてあげたいと思い、中学では生徒会長になりました。親友には、幸せの王子って呆れられてますけど…それでもあたしは幸せです。

でも、あたしは男子の交際を受け入れることはありませんでした。だって、あたしには……シンジしか考えられないから…未練がましいかもしれないけど…あたしにはシンジしか見れない…だから、一生結婚できなくてもいい。

シンジ…大好きだよ…来世ではずっと一緒だよ……


土曜日、あたしはお散歩に出かけていた。六花はママとショッピング。


ありすは習い事、まこぴーはお仕事でシャルル達アイちゃんと遊んでいるため、あたし一人。

河川敷で少し休んでいた。たくさんの人が笑顔で幸せそうに色々なことをしている。すると、一人の男の子が眼に移った。


「え……?あの制服……あの髪……まさか……」

人違いかもしれない。だが、自分の直感に賭けてみようと、彼に声をかけた。


「……シ…ンジ…?」


あたしの声で振り返った彼を見た。

「……あ…ああ…」


間違いない。碇シンジその人だった。ずっと思い続けていた人。もう二度と会えないと思っていた。だが彼はここにいる。夢ではなかろうか?いや、夢じゃない。現実だ。シンジは一瞬だけ、動揺していた様だった。

「…あの…君は…?」


そっか!今のあたしは相田マナだった。でも…


「あたし、霧島マナは、相田マナとして転生し、今現在、碇シンジの目の前で喋っております!」

かつて転校したときに言った台詞を言った。





〜シンジSIDE〜




「う…そ…本当に…ホントに…マナなの…?」

「うん!ただいま、シンジ」

「あ…ああ…マ…ナ…マナー!!!」


僕は泣きながらマナに抱きついた。嬉しかった。もう二度と会えないと思っていた。転生だろうが何だろうが、今はどうでもいい。ここにマナがいる。放さない。放しはしない。僕はマナをきつく抱きしめた。

「シンジ…シンジ!!」


シンジに抱きつかれ、最初は恥ずかしさが少しあったが、そんなのは気にしない。今放したらまたいなくなりそうだったから…シンジは泣いていた。再開の嬉しさもあるようだが、何よりもシンジの心が悲鳴を上げて泣いているように思えた。

あたしと別れてから、きっと大変な目に合ったのだろう。だが今は再開を喜ぼう。二人で抱き合ったまま涙が乾くまで泣き続けた。

「シンジ…大丈夫?」

「…うん…ゴメンマナ…」

「ううん…会えないと思っていた人に会うことができたんなら、誰だって泣いちゃうよ…」

それから、マナは自分の身に起きたことを話した。


(…その光が何なのかはわからないけど…それなら、赤い世界にマナがいなかったのにも納得出来る)


ここで余談だが、シンジは友人(トウジ、ケンスケ、ヒカリ)との人間関係は悪くはなかった。

しかし、髭の魔の手にかかり、バルディエル戦後に消されていた。心を壊すためだけに…レイラ様が言うには彼ら3人はインパクト発動前に別世界に転生したため、赤い海にはいなかった。普通転生は前世の記憶がリセットされているが、マナの場合、生きた状態での転生という極めて珍しい例なのだ。

「ねえ…シンジ…」

マナが真剣な表情を自分に向けた。

「わかってる…今度は僕の番だね…正直これから話すことは君の常識全部がひっくり返ることだから…」


「大丈夫!あたしは何があってもシンジを避けたり、責めたりしない。だから…信じて…」

マナは優しく微笑んだ。シンジは今までに起きたこと全て話した。

「…………そして、この新しい大地で生きていこうと誓った……」マナは泣いていた。泣きながら僕の手を握った。


「うっ…ううっ…ゴメンね…シンジ…ひっく…辛かったんだね…ぐすっ…悔しかったよね…痛かったよね…シンジ…辛かったら、いつでも甘えて…いっぱい弱音吐いてもいいよ…泣いていいから…」


「マナ…ありがとう…でも、大丈夫だから…流す涙は出し切ったから…マナももう泣かないで…」

シンジはマナの手を優しく握り返した。


「マナ…ずっと、君に言いたいことがあった。」

「………」

「僕は……キミが……マナのことが……好きだ!!一人の女性として、あなたを愛し続けます!一生をかけてあなたを守ります!」

「!!…嬉しい…ありがとう…シンジ…あたしも、あなたが、碇シンジのことが大好きです!」

「マナ…ありがとう…生きててくれて…ありがとう…こんな僕を愛してくれて…」


二人はもう一度抱きしめあった。今度は優しく、宝物を大事にするように…
そして…


「マナ…」

「シンジ…」



二つの唇が重なった。



[41233] 碇シンジのセカンドライフ 第2話
Name: バロム◆ebb31d45 ID:0155dbb1
Date: 2015/05/22 21:58

「えへへ〜シ〜ンジ〜(≧ω≦)」

「は…はひ…( ̄ロ ̄;)」

「だ〜いすき(≧ω≦)」

さて、前回マナと再会したシンジはめでたく両想いとなり、周りが見ても、書いてる作者でもこっ恥ずくなるムードで街中を歩いていた。

腕にあたっているのよ…胸が…あかん…ちなみに行き先は洋服店。

マナ曰く「シンジはかっこいいんだから、いつまでも制服だけじゃダメ!」との事。

実はシンジ、修行がしやすいという理由だけで300着は所持していたのだ。ちなみにシンジの所持金だが、NERVを始めとする、ゼーレ・国連その他諸々まで計千兆円をふんだくったのである。

曰く「勝ち逃げされた腹いせ」。余談だが、プリキュア世界の国の借金がこの少年によって秘密裏に全額返済されたことを付け加えておこう。

恐るべし(汗)

シンジの新しいファッションは赤を強調した衣装。喩えるならポケスペのレッド。

マナはメロメロ状態になっていた。

あっという間に1日が過ぎ、明日マナはシンジに自分の友達を紹介し、一緒に遊びに連れていってくれるらしい。

帰り際、二人は二度目のキスをした。


「じゃあ、また明日!」

「うん。またね」


シンジは久しぶりに明日が来るのを楽しみにしていた。

ちなみにシンジの自宅は、レイラ様が指定してくれたごく一般の家である。

翌日

大貝駅前。

そこでシンジはマナ達を待っていた。


「シンジ〜!(^O^)/」

マナの子供っぽい仕草に自然とはにかんでしまう。まあ、14はまだ子供だが…そこへ3人の女の子がいた。


「あなたがシンジ君ね。私は菱川六花。マナとは幼なじみなの。よろしくね」

「私は四葉ありすです。大貝町へようこそ。よろしくお願いしますわ。」

「私は剣崎真琴。アイドルをやっているの。よろしく。」

「碇シンジです。よろしくお願いします。」

簡単な自己紹介を済ませ、5人は電車に乗った。行き先は東京の遊園地。

「でね、マナったら、ずっとシンジ君のことを延々と話し続けるの」

「でも、あなたに直接会って話す内にマナが惚れる理由もわかるわ。」

「ええ。シンジ君からは、何故か不思議な…居てくれるだけで心が安らげる気がします。」

「初めてだよ…そんな風に言われたの」

シンジは少し照れていた。

「こ〜ら〜!シンジはあたしのダーリンなの!とらないでよね(>_<)」

『はいはい…』

マナに呆れ果てる六花達。

それでも3人はシンジの内面を見て、交際を認めたようだ。1時間位で目的地に到着した。

結構広い敷地にかなりのアトラクションが多い遊園地のため、人がいっぱいいる。

「さあ、いっぱい遊びまくるぞ」

「もう、マナったら」

「でも、このメンバーで遊園地は初めてですわ」

「ええ。楽しみましょう。」

(初めてだ…遊園地は…)

シンジも喜んでいる。そりゃそうだ。

今まで自由なんてなかったから…いざ、楽しもうと思った矢先、

ドガァアアアン!!!


『!!?』

どでかい音が鳴り響くと同時に自分達以外の人々の様子がおかしい。

片や大声でワンワン泣いている。片やどす黒いオーラ全開でネガティブ思考に陥っている。

「大丈夫ですか!?」

「しっかりしてください!」

「これは…一体?」

「!?みんな、あれ!」


真琴が何かに気付いた。

そこには、3体の見るからに悪党な輩がいた。

「これはこれは、新しいプリキュアの皆さん。」


(プリキュア!?…まさか、マナが!?)

「あなた達は誰なの!?」

「これは失敬、申し遅れました。私はジョーカー。以後、お見知りおきを…」

「俺様はムカーディア」

「あたしはノーザ。お前達を始末する。」


するとそこへ、

「マナちゃん!」

声のした方を向くと、9人の少女達が走ってきた。

「みゆきちゃん!みんな!」

「大丈夫!?」

「っ!?ジョーカー!?何であんたがおんねん!?」

「ムカーディアとノーザもいる!?」

「あんた達!また世界をバッドエンドに!?」

「あなた方の悪事!許すわけにわいきません!」

「おやおや、スマイルプリキュアの皆さん、お久しぶりですね〜ですが…」

「止めろと言われて止めるバカはいない。」

「さあ、プリキュア共!覚悟しろ!」

「ここはみんなが笑顔で遊ぶ場所なんだよ!」

「それを、悲しませて…」

「絶望させて、楽しむなんて…」

「許せない!」

「全く、貴様らは吠えることだけは一流だ…」


「ホントに…鬱陶しい!!」

「では、私達が直々に……おや?何故あなたはこの空間で平然としていられるのですか?」

ジョーカーがシンジに気付き、疑問をぶつける。みゆき達もシンジを見て驚く。



「ホントだ…何で動けるの?」

「不幸のメロディも聞いてない…どうして!?」

「シンジ…」

ここにいる全員がシンジに疑問を持った。マナを除いては…

「まあ、いいでしょう。死にたくなければさっさと逃げたほうが身のためですよ。」

「確かにジョーカーの言う通り…ここは私達に任せて逃げてください。」

「逃げる…?女の子を置いて?そんな薄情なこと…」


シンジは食い下がった。確かに彼女達はレイラから以来されていたプリキュアかもしれない。だが、彼女達は14歳。それに小学生の子もいる。そして、何よりもマナを、愛する人を置いて自分だけ逃げる?出来るわけがない。だが…

「シンジ…あたし達は大丈夫…終わったら、デートの続きしよう。だから、信じて…ね。」

マナの言葉にシンジは渋々同意し、近くの物陰に隠れた。マナ「みんな!いくよ!」

『ええ!』

『Let's play!プリキュア!モジュレーション』

『プリキュア!スマイルチャージ!』

『プリキュア!ラブリンク!』
『L・O・V・E』

「爪弾くは荒らぶる調べ、キュアメロディ!」

「爪弾くはたおやかな調べ、キュアリズム!」

「爪弾くは魂の調べ、キュアビート!」

「爪弾くは女神の調べ、キュアミューズ!」ハッピー「キラキラ輝く未来の光!キュアハッピー!」

「太陽サンサン!熱血パワー!キュアサニー!」

「ピカピカピカリン!じゃんけんぽん!キュアピース!」

「勇気りんりん!直球勝負!キュアマーチ!」

「しんしんと降り積もる清き心…キュアビューティ!」

「みなぎる愛!キュアハート!」

「英知の光!キュアダイヤモンド!」

「ひだまりぽかぽか!キュアロゼッタ!」

「勇気の刃!キュアソード!」

『届け!4人の組曲、スイート!プリキュア!』

『5つの光が導く未来!輝け!スマイル!プリキュア!』

『響け!愛の鼓動!ドキドキ!プリキュア!』「変身した…あれが…プリキュア…」

シンジは驚いていた。


「あ…じゃんけん負けた…」

ちゃっかり、ピカリンジャンケンをやっていた。負けたのでちょっと凹んだ。



〜プリキュアSIDE〜


『はあああああーー!』

『たあああああーー!』

『やあああああーー!』


スイートチームはムカーディアと、スマイルチームはジョーカーと、ドキドキチームはノーザと激突していた。パンチ、キックのラッシュ。シンジはしっかりと彼女達の戦いを観察していた。


「成る程…変身すれば身体能力が向上するのか…そして、主に集団戦を得意としている…その証拠にチームワークがいい…一寸の狂いもなくユニゾンしている…見事だ…だけど…」

シンジはあることに気付いた。

「おかしい…一見マナ達が有利だ…でも、何か腑に落ちない…」


ハート達が優勢なのは良いことだ。経験を積み、成長している証拠。だが、相手は手加減しているように見えた…敵に闘争心を感じられないからだ…

ニヤリ…一瞬ジョーカーが不気味に微笑んだ。その瞬間をシンジは見逃さなかった。


(今の笑み…何かある…何だ?…まさか…!?)

「駄目だみんな!罠だ!」


シンジが彼らの策略に気付いたときには既に遅く、プリキュア達はそれぞれの最強必殺技を放った。


『プリキュア!スイートセクション!アンサンブル!クレッシェンド!』
『プリキュア!ロイヤルレインボー!バースト!』
『プリキュア!ラブリーフォースアロー!』








『掛かった!』

彼らの勝ち誇った声と同時に複数体の怪物達が次から次へと現れ、3人の盾となって消滅した。

「まさか…あなた達、これを狙って…」

「そう。馬鹿なお前達は正攻法を必ず使う。」

「それこそがお前達の弱点だからだ。」

「だから、私達は確実にあなた達を倒せる様にわざとやられたふりをしていたのです。」

サニー「なんやて!?」
マーチ「そんなの筋が通ってない!」
「正々堂々と戦いなさい!」

「何とでも言え。策を練らずに戦いを挑んだお前達の負けだ。」

「悔しいですが、言う通りです。数で有利と思う過信が命取りになる。それを忘れるなんて」

「さて、ここからは私達の反撃開始です。既にあなた達は一番強力な技を使ったため、弱体化。楽勝です。恨むのなら、私達を相手にしたご自分の浅はかさを恨んでください。」


ジョーカーがハート達に死刑宣告を下し、等身大から巨大サイズまでの怪物達が襲いかかってきた。その数100。今までどんな困難にも立ち向かい、乗り越えてきた彼女達だったが、今回ばかりはどうしようもなかった。半ば諦めかけた。

「嫌だよ…死にたくない…せっかく…シンジとまた会えたのに…ずっと一緒だって誓ったのに…」

「ハート…」

各々が互いの手を握りあった。

「ヒャーッハッハッハ〜!!それでは皆さんさようなら♪」

「クックツク…ハ〜ッハッハ〜!!」

「アハハハハ!!消えろ!プリキュア!!」

3人の下品な笑い声が響き渡る。

しかし、彼らもプリキュア達も忘れていた。通常ならここでバッドエンドだが、それを許さぬ者がいることを。

そして、その者が隠れていたはずの場所にはもう既に存在しないことを。

『ギシャアアアアア!!!』

先攻した巨大デザトリアンと巨大ハイパーアカンベエが光線をプリキュア達に発射した…はずだった。

正確には発射したのだが、その直後に矢の様な物体が光線を打ち消しながら、2体に貫通。消滅した。一瞬の出来事に誰もが呆然としていた。

「だっ、誰だ!?」


いち早く現実に戻ったジョーカーが矢の飛んできた場所を見つける。怪物達もプリキュア達もその方向を見つめていた。

そこには、4本の尖った黄色のインターフェース、上下白・中央赤の折り畳まれたマントに白と青の仏像を思わせる流麗なラインのプラグスーツを着用した…碇シンジが腕組みをしながら、立っていた。


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