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No.17211の一覧
[0] 魔法少女リリカルなのはWarMaster(なのは×洋ミニチュアゲーム、オリキャラ介入)[カラス](2010/09/27 00:57)
[1] 第一話[カラス](2010/03/14 05:00)
[2] 第二話[カラス](2010/03/11 14:25)
[3] 第三話[カラス](2010/03/11 22:10)
[4] 第四話[カラス](2010/03/12 04:07)
[5] 第五話[カラス](2010/03/13 03:57)
[6] 第六話[カラス](2010/03/14 00:27)
[7] 第七話[カラス](2010/03/15 05:55)
[8] 第八話[カラス](2010/03/15 06:01)
[9] 第九話[カラス](2010/04/01 19:01)
[10] 第十話[カラス](2010/04/19 03:02)
[11] 第十一話[カラス](2010/05/26 00:24)
[12] 第十二話[カラス](2010/08/17 02:19)
[13] 第十三話[カラス](2010/09/27 00:56)
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[17211] 第二話
Name: カラス◆3e236f0a ID:966563b6 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/03/11 14:25
少女の夢は、誰かの書いた小説のような光景から始まっていた。
二脚で直立して歩行する機械、見たこともない形状の飛行機なのかヘリなのか分からないものから飛び出る無数の兵士達。
見たことのない兵士達が降り立つは彼女が見知った海鳴市。
その海鳴市を舞台に緑色の光を放つ異人の少年と不思議な軍隊の激しい戦闘が勃発。
特に森林公園へ通じる道路での戦闘は凄まじく、二脚歩行機械の追撃を飛行して避け、空から光る鎖をその機械へ巻きつけて破壊する。
それはファンタジーとSFの真っ向からのぶつかり合いにも見え、映画かなにかを見すぎたのではないかと思い始めていた。

そう思い始めた、その時だ。

「許されざる者が、何故あなた達がこんなところに………!」

ヒロイックに円形の障壁と緑色に輝く鎖だけで戦っていた少年が、屈強な男達に足止めされている。
夢の中ながら少女はその後のショッキングな光景を避けようと、目を瞑れないかと試みているが、そう効果は無い。
このままでは少年が死んでしまう。
そう精神的に未熟ななのはでさえ分かりえるほどの状態だった。
せめて、そうでないように少女は祈る。
しかしそれは適わず、少年は数多の銃と大砲によって少女の目の前から跡形も無く消滅してしまった。
幼年期に後ろめたい過去がある少女はその少年がどうなったか、ありありと想像する事は困難ではない。
おそらく、少年は―――。

「きゃああああああ?!」

少女はぱっと目を見開き、厭な汗にまみれながら身を起こした。
動悸がおかしく、息も荒い少女は自分がさっきまで夢の中に居た事を改めて認識した。
あれは夢だ、少年は死んでもいないし空を飛ぶはずもない。そう自分に言い聞かせている。

「へ、変な夢を見たぁ。」

汗まみれの少女の目覚めは最悪に等しく、一つ救いが在るとするならば起きた時間はケータイにセットしておいた時間と同じぐらいだった事。
それだけの対価に変な悪夢を見させられるなどと言う話はたまったものではなかった。
幸いにして少女は小学三年生という低年齢の割には耐えることは得意だったので、その不快感を飲み込んで背伸びをする。
そうすればまだ悪夢の後の不快感が和らぐような気がしたのだろう。
大好きな両親や兄弟にひどく疲れた顔を見せられないと考えている少女は制服へ着替えて洗面台へ向かい、身嗜みを整える事にした。

彼女、高町なのはは私立聖祥大学付属小学校に通う、ごく普通の小学3年生。
私立大学の付属小学校に通う時点でごく普通と言えば少し怪しい部分もあるが、ごく普通のお嬢様と言った所だろう。
そんな彼女は家族の中で少し孤独を感じる所があった。
何故なら、少女は自分と言う存在をどこまで本当の自分なのかすら分からなくなってきたのだ。
良い子にしていればみんなに迷惑をかけない。だけど自分を抑えきれる事はできるのか。
そんな彼女を理解してくれる人など存在するのだろうかと、まだ自覚は無いのだが、うすうす感じている節がある。

彼女は身嗜みを終えると、いつものように「いい子」を演じ、いつもの生活へ身を投じていくのだった。



なのはがいつもの生活を送っている時、ある少年は屈強な古強者と推測できる中年とごく一般的な朝食を摂っていた。
食卓に並ぶはベーコンエッグに市販のトースト。朝の飲み物としてコーヒーがカップに並々と注がれている。
たんぱく質と炭水化物が殆どを占める朝食を、時間を気にせず少年と中年は摂っていた。
少年は外見から推測すると中学生か小学生高学年ほどの年齢だろうか。
少年の髪は短く、蒼眼のその鋭いまなざしはその同年齢では見られないような輝きを帯びている。
彼の名はルーカス。

通常、少年ほどの外見であればいそいそと朝食を腹に詰め、学校へ真っ先に行くはず。
だが少年はそのようなそぶりも見せず、朝食を摂りながら目の前の中年の男と物騒な会話を始めていた。
それほど学校へ行く事を考えないのか、それとも行かない理由があるのか、それは未だ推測できない。

「ハンスさん、あんたが休んでる間に奴らの介入が行われてた。
今回出現したのは9歳ぐらいの子供が鎖を操っていたと部下からの報告です。
このまま奴らの腕がこの海鳴市に伸びているとしたら、どうすればいい?」

ハンスと呼ばれた男は白髪だらけでありながら、40代前半の風貌に2mへと届かんとばかりの屈強な肉体を持っていた。
彼は白いシャツと黒いスラックスに身を包み、まるで企業の重役や、一軍の官僚と言うべき貫禄を持っている。
この男もまた日本人ではないことは確かであり、彼らが親子ではないと言う事実は名前の言語からそう確信できる。
しかし彼らには共通項が一つあった。
彼らが纏う服の胸元には、どちらにも双頭鷲の小さなバッチが取り付けられ同じ組織の所属であることを強烈にアピールしている。

「簡単な事だ。奴らを利用するか、我々が奴らを倒すまでの事。主ルーカスよ、お前の決断に私は従おう。」

主と呼ばれた少年は頷き、コーヒーを啜る。
彼に流れる黒色の液体は彼の喉を軽く焼き、濃厚な苦味が彼の脳みそを完全に覚醒させた。
そして、そのギラつきを抑えられない眼差しは更に鋭くなり、少年が本調子であることを簡単に表していた。

「聞くまでも無いでしょう。我々は我々の領域を侵した者を排除する、それが何であっても、我々の軍勢によって。」
「さて、主の今日のご予定は。」
「俺は朝食後にコデックスを用いて鍛錬を行いますよ、無論ハンスさんにも協力していただきます。」
「了解致す。」

ハンスの返事を聞くや否や、ルーカスは自分の朝食を摂り終えて食器を洗い始める。
ルーカスは自分の配下であるはずのハンスに敬意を持って接していた。
とは言え変な敬語使いであることは否定できない。
何故ならルーカスは若く、対人関係と言う物がまだ未熟であるからだ。

ルーカスもハンスもこの世界の住人ではない、だからこそ彼らは通勤や通学と言った常識に追われる事もなかった。
無論ルーカスは教育課程を修了しており収入源も確保しているからこそ、このように朝から時間を忘れて鍛錬へいそしむ事もできるのだが。

食器を洗い終えると、ルーカスは緑色のハードカバーに包まれた分厚い書物を取り出した。これがコデックスと呼ばれるものらしい。
ルーカスはコデックスと呼ばれた分厚い書物を開き、魔力的な集中を以て"本の内部"へ没頭する。

「我は力を求む者、卿は力を統べし者。契約に基き我の元にその力の一片を教えたまえ。」
[Build Up Our Army.]

そうルーカスは自らが設定したパスワードを詠唱し、コデックスがそれに応える。コデックスとは一種のストレージデバイスと呼べるものだろう。
その書物の表紙には双頭の鷲のマークと、「帝国の守護者達」と言うタイトルが光り、魔力が通っている事が容易に確認できた。


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