「おやおやおやおや、押し倒すつもりかい?」
フーケの服は、こぼれた水で濡れてしまい形の良い胸がすけている。
そしてサイトは、押し倒すようにフーケに覆いかぶさっていて、
さらに右手はあろうことか、胸をおさえつけている。
右手は添えるだけ…って違う、違う、違う。
「何時まで、触ってるんだい。おっぱいが恋しい年齢でもなかろうに」
慌てた風でもなく、笑いながら少し咎めるように叱る。
「あっ、あ…うあぁああーーーーー」
サイトは逃げ出した、ふらふらになりながらも逃げ出した。
サイトに出来ることと言えばそれだけだった。
けれどもドアを開けて、逃げ出す寸前でついにドアから出ることは出来なかった。
フーケが杖を振り、レビテーションを掛けていたのだ。
体が宙に浮き逃げ出そうとした足は空を切り、乱暴にベッドの上に放り投げられた。
フーケがもう一度杖を振ると、かちゃりと音がして鍵がしまった。
フーケには自身の体よりも心よりも守るべきものがあったのだ。
親が命がけで守った妹のような存在。ティファニア。大公の忘れ形見。
女の武器を知っているフーケは、生きるために護るためにそれを使うこともあった。
そんなフーケは、酒のまわった頭で考えた。
ミス・ヴァリエールの使い魔ったら、よく見れば可愛い顔をしてるじゃないか。
年の離れた弟みたいなものかな?憎たらしい貴族じゃないし。
フーケは快楽を知り酸いも甘いも知った女盛りの年齢である。
破壊の杖の襲撃を控えたたぎる感覚と、久しぶりに触られた肢体(セクハラを除く)
微かに男を感じさせるもまだ若い御しやすい体。貴族でもない後腐れなさそうな存在。
パチンと指を鳴らすと、部屋の明かりが消え
フーケは獲物の上にゆっくりと馬乗りになった。
サイトはくらくらしていた。
酒による酔いとベッドにこもるフーケのむせかえるような淫靡な匂いに。
さっき胸を触ってしまった時から、盛り上がってしまっている節操なしの股間に
あろうことか下着越しに腰をずりずりとすりつけられている。
しなだれかかる上半身に、生クリームのように柔らかい感触の胸が潰れてこすりつけられている。
ぐにゃりと形を変えた胸は、水で濡れた服と相まっていやらしい。
何でこんなことになんて思ってみても事態は好転せず金縛りにかかったように動けない。
サイトの首筋にフーケの形のいい鼻を押し付けられる。
すんすんと匂いをかがれ恥ずかしがるが、もう恥ずかしさは許容量をはるかに超えている。
今仮にサイトが死んだら、死因は恥死だ。死んで繰り返したとたん恥ずかしすぎて、恥死ワンモアセしてしまいそうだ。童貞なんてそんなものなのだ。
フーケはサイトの少し男くさい汗の匂いを楽しみながら、
パーカーの隙間にひやりとした腕が侵入させていく。
万歳するような形で、抵抗させないままサイトの上半身の服を脱がしていく。
ズボンに手を掛けられた時には、サイトも流石に抵抗したが、フーケは一枚も二枚も上手だった。
かぷりと鎖骨をかまれると甘いしびれに手を離してしまった。
サイトを護るのは、もはやトランクス一枚。最後のZ戦士も砂上の楼閣でしかなかった。
痛いほどに膨張した股間に、布と布一枚をこすりつけ合わせながら興奮しながらフーケが言った。
泣きそうな期待するような子犬みたいな目にぞくぞくし、なんだかいけないことをしている気分になる。
「そういえばっ、まだ名前を聞いていなかったね」
「ぅ……サイト。ヒラガ・サイトです」
もう色んな意味で限界だった。
「ふーん、サイト。サイトね。」
フーケは、少し考え込むような仕草をしていう。
「そうね、サイト。お姉ちゃんっていってごらん。マチルダお姉ちゃんって
そしたら、もっといい事してあげるからさ、ね。」
おまちさん、いくらお酒やらなんやらのせいとはいえ、ちょっと危ない発言なのでは!?
マチルダの目はとうの昔にとろけ切っていて、酒以外の何かに酔いしれているように見える。
ゆっくりと見せつけるように、下にさがっていくマチルダ。
トランクスは愛液と先走りで既にてらてらと濡れている。
唇でついばむようにトランクスのゴムを持ち上げ、脱がしていく。
隔てる布のないサイトの剛直は、そそり立つようにピンとたち青臭いにおいを放っている。
マチルダはほぅと、熱いため息をついた。
「お姉ちゃんと、いいこと、しよっか…?」
マチルダお姉ちゃんが、早く早くと急かすように促す。
外気にふれ、涼しくなった剛直に息を吹きかける。
俺ってば、ルイズ一筋のはずなのに。
ルイズが好きなはずなのに。
ごめん、ルイズ。俺…俺……ごめん。
「お姉ちゃん、マチルダおねえちゃんっ!」
サイトは何かが、男としての誇りが、信念が、思いが、崩壊したかのように叫んだ。
嬉しそうに我慢していたものを解放するかのようにマチルダは、微笑むと一気に口の中に頬張った。
そしてサイトが放出するのも同時だった。心が堕ちる音がした。
ドクドクドクと口の中にサイトの雄が広がる。
サイトの噴出を頬に当てるようにして全て収め、
ちゅるちゅると最後まで吸い出すようにし、そして見せつけるようにこくこくと飲みこんでいく。
フーケはなんだか自分にこんな倒錯した趣味があったのかと苦笑いしてしまう。
サイトは、ハァハァと激しく息を整えつつも未だ萎える気配が見えない。
ちゅっと先端に口づけて、逆手にもつようにしてまたがる。
口に咥えてて思ったが結構大きい。
興奮しすぎてべっちゃりと愛液で濡れた下着をもどかしそうに下ろしていく。
まともにほぐしてないからきついかもしれないが、もう待てそうにない。
くちゅくちゅと手に持ったサイトのを、
自分のものにすりつけて遊んびながら、せつなそうに期待するようにこちらを見ているサイト。
本当にぞくぞくするいけない弟くんだ。
「サイトはじっとしていてね、お姉ちゃんが全部、全部してあげるから」
「うん」
ゆっくりと入口に当てて、そして一気に押し込んだ。
「んぅぁあああぁあああ」
やっぱりサイトのは大きかったみたいで、対面騎乗位入れた途端に軽い絶頂を感じてしまった。
ふたつのやわらかな胸がたゆんたゆんではなく、ぐいんぐいんと暴れまわる。
腰の動きは凄く激しいのに、サイトを包み込む感触はほうけてしまうほど柔らかい。
サイトもすぐに放出した。2回目なのにすごい量で粘っこい液体はマチルダの奥の小部屋を満たすくらいだった。
はぁはぁと荒い息を吐きながらマチルダはくたりとサイトに倒れこみ、
首筋にキスをしながら流石にこれ以上は無理かなと思ったのだがまた中でむくむくと大きくなる感触がするのを感じた。
腰をゆるゆると捻りながら、柔らかな腕をのばして陰のうを揉みしだく。
きゅっきゅっと縮まっていき、中のものがぐぐっとさらに大きくなった。
「あはっ、全部すっきりするまで、搾り取ってあげる」
怪しく腰を動かす上気したマチルダの顔は、満足そうに微笑んでいた。
「……は、はぁ!? ぁ……うっ……いぃ」
くぷくぷと音がしている。もう何度放出したかわからない。
妖艶な腰の動き、胸をすりつけるな動き、口や耳や目まだ舌で蹂躙されたりもした。
サイトは圧倒されるばかり、ほとんど何もできなかった。
最後だというかのようにぴゅっと、放出するとマチルダお姉ちゃんもようやく止まった。
荒い息を整え、少し余韻を楽しんでいたかとおもうと
ずりずりとゆっくり引き抜いていく。
「…んぁ……ふぅっ……」
マチルダは中腰で立ちあがり、たぷたぷとお腹にサイトの白いものと愛液の混じって泡となっている液体をたらし
んふふと笑いながら、薄く塗りひきのばしていく。正直やめてほしい。
「沢山だしたねー。どう?…お姉ちゃんの中気持ちよかった?」
「凄すぎ…もう一滴だってでないよ」
満ち足りたように胸に頭を預けてくるフーケを撫でながら、
こんな強烈な初体験をしたやつなんて、そうはいるまいと思った。
敵だと思っていた、死闘だってしたことがある複雑な関係。
それが今じゃなんていうか、愛おしい。やっぱり初体験っていうのは男にとって特別なのかもしれない。
二人は仲のいい姉弟のように眠りこけた。
「いつまで、眠りこけてるんだい」
そういうとたたき起こされる、
それなりに朝早かったが、フーケの部屋から出て行くところなんて目撃されたらおおごとだ。
別れ際にフーケは言う。
「わかってると思うけど昨日のことは、誰にもいうんじゃないよ、
きちんと守れたら、また部屋に呼んであげるよ」
「ん、わかった。……勝手に何処かに行ったりしないでね、お姉ちゃん。」
サイトは、捨てられそうな子犬のような目をマチルダに向けた。
次の次の日は、虚無の曜日。フーケの騒動は起きなかった。
サイトはフーケの魅力にすっかりはまり、
フーケもフーケで、日増しに頼もしくなっていくサイトにはまっていくのだった。
サイトは、今までの経験とルーンの力で無茶をしない程度に功績を残し小さな領地を貰った。
フーケとティファニアと孤児たちを呼んで、子供には恵まれなかったが慎ましくも幸せな日々を送った。
領地を治め、20年程立ったころフーケは流行り病で死んでしまった。
悲しみにくれながらも、ティファニアを頼んだよという最後の言葉を胸に頑張るのだった。
すっかり年をとったサイトは、孤児院の子供たちやティファニアに看取られ
死んでしまうのだがその最後は満ち足りた笑顔だったという。
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<後書きというか一言?>
やったね、サイト。家族が増えたよ!
初めてのハッピーエンドでしょうか。