夜も更け、皆が寝静まった頃、2匹の梟がサイトの下へと降り立った。
音を電気信号に乗せて発進することも出来ないこの世界では、
鳥等は割とポピュラーな通信手段でもあった。
元現代っ子なサイトには、時間もかかるうえに使い勝手の悪すぎる代物でもあったが。
手紙には、件のアルビオンの騒動について書かれていた。
「随分対応が早いない。このえげつないやり方はジョゼフのおっさんか。
ウェールズを危険視した…いや、手紙の時にウェールズを使ってやりすぎたようだな」
手紙はウェールズとマチルダからで、騒動について異なった視点で書かれている。
ジョゼフがシナリオを修正してきたとなると、これまで以上に慎重に事を運ぶ必要がある。
だが、ウェールズに目を向けているということは、自分にまでたどりつくには時間がかかりそうだ。
「これで反撃の目はない終わりと油断してくれるかな?
まぁ興味をなくして任せるといったところか」
ジェームズが傀儡子の展開はそれほど多いわけじゃないが経験済だ。
しかしここに来て未体験のシナリオを準備してくるとは、流石はジョゼフと笑う。
備え付けの手紙にさらさらと指示を書くと、梟につけて飛ばした。
羽音力強く梟は夜空へ飛び立っていった。
「お兄ちゃん、まだ寝ないの?」
目をごしごしと擦りながら、エルザが起きてきた。
本来夜行性なので夜は強いエルザだが、満腹になって眠くなり皆と一緒に寝ていた。
目が覚めずとろりとした姿はコケティッシュで、くまのぬいぐるみでも買ってあげたくなる容姿だ。
「んー、いい匂い」
美しい絹のような金髪を撫でると、気持ちよさそうにすんすんと鼻を鳴らした。
抱きついて胸に顔を押し付けられると、子供特有の体温の高い熱っぽさを感じる。
静寂の中ぱちぱちと、火のはじける音が森に吸い込まれていく。
「エルザは寝てても良いんだぞ?
一人は野営をしなくてはいけないからね。いい子はもう寝る時間だぞ」
「エルザはいい子じゃないから、夜更かししても平気だもん」
ぷいとそっぽを向くと、サイトを抱きしめる力を強くした。
こんなに甘えたさんだったっけな?まだ慣れていないからかもしれない。
まだ夜の守は寒く、手が冷えたのか服の中に手を突っ込んできた。
「えへへ、お兄ちゃんあったかぁい」
ご機嫌なエルザに少し長めのローブに捲きつける。
「冷たいよ、エルザ。まったく…しょうがないな。
どう?ルイズとは上手くやっていけそう?」
シエスタは魔法を使えないが、ルイズは杖をもっている。
キュルケは、まだ深くこちらに関わっているわけじゃない
とりあえずはルイズに慣れてもらうより他はない。
「うん、お姉ちゃんったら、お兄ちゃんのことばっかしだったよ。
たぶん、魔法使いとか人間とかじゃなくて、
お兄ちゃんにとってどうなのか?ってことが重要なんだと思う。
だから、怖くない。吸血鬼だって別にいいっていってた」
サイトは頷いた。
「ルイズ、シエスタ、あとここにはいないけど、マチルダとアンリエッタ
この4人は安全だから、心許してもいいと思うよ」
今度はエルザが頷いた。
エルザは少し真剣な顔になっている。
「お兄ちゃんが、何で私を助けてくれたのかは分からないけれど感謝しているの。
私にもなにか手伝えることがあったら遠慮なくいってほしい。
じゃないと、怖いんだ。いつか、捨てられちゃうような気がして。
私が吸血鬼だなんてばれたら大変でしょ?
それなのに、殆ど無償で囲ってくれるなんて…信じられないもの」
不安そうにサイトを見つめる。
「夜みたいなことしたら、お兄ちゃんも夢中になってくれるかなっておもったけど、
なんだか気持ちいいしお腹もいっぱいになるし私ばっかり得してる!
それにお兄ちゃんの周り、綺麗な人多いし……本当はいらないんじゃないの?
面倒なだけだもの。だから……本当に…本当に」
遠くで虫のざわめきが聞こえる。
「怖いの……」
サイトはぎゅっとエルザを抱きしめた。
「エルザは幸せになっても良いんだ。
エルザを見捨てたり、いなくなったりしないよ。嘘じゃない、約束したんだ」
そう聞くとエルザは安心したように、サイトの胸の中で眠りこけてしまった。
翌朝、サイト達は「竜の羽衣」を見つめていた。
シエスタの故郷、タルブ村の近くに建てられた寺院にきていた。
曾祖父が建てたという寺院は、丸木が組み合わされた門の形、
板と漆喰で作られた壁、白い紙と縄で作られた紐飾り。
それらは、どこか日本を感じさせるような建物だった。
濃緑の塗装が施された「竜の羽衣」は固定化のお陰か錆もなくそのままの姿を見せていた。
「しかし、竜の羽衣というが、纏うような薄いものではなく乗り物のようだね。
カヌーに玩具の羽を付けたように見えるけれど、これがどうして飛ぶのか驚きが隠せないね」
ギーシュがうんうんとうなずいている。
「サイトくん、本当にこれはカヌーじゃないのかい?
見ると金属でできているようだが、重さもドラゴンほどありそうだよ。
魔法も無しに飛ぶだなんて、君の言葉じゃなければ到底信じられないよ」
「それにしても、大きいわぁ。生き物じゃないわよね?」
キュルケも興味津々で機体に触っている。
「これが、サイトの国の乗り物なの?」
ルイズは珍しそうにくるくると竜の羽衣の周りを回って見ている。
「ああ、ゼロ戦っていうんだ、空も飛ぶし戦争に使われる代物だ」
エルザは羽の木陰で休んでいる。
「ひいおじいちゃんは、これに乗って村にやってきたそうです。
旦那様が、これを知っていたことに驚きました。とても宝とはいえない代物ですが…」
「シエスタ、これの他に何か残されたものはあるか?」
「えっと……あとはたいしたものは…、お墓と遺品が少しですけど」
「それを見せてくれ」
シエスタの曾祖父の墓は、他の墓石とは一線をおいた趣をしていた。
「ひいおじいちゃんが、死ぬ前に自分で作った墓石だそうです。
異国の文字で書いてあるので、誰も読むことが出来なくて。
なんて書いてあるんでしょうね?」
ミミズが踊ったような文字は、ついてきた誰もが読むことが出来なかった。
「海軍少尉佐々木武雄、異界ニ眠ル」
すらすらと読みあげるサイトに、シエスタを始め周りは驚いた。
サイトはそのまま、目をつむり黙祷している。
「凄いな君の所の文字は、暗号といわれても納得できるよ。
僕にはさっぱり何を書いているのか分からなかったよ」
「読めるけど、かなり昔の文字なんだよ。
俺のいた場所では文字だけでも、1000以上の形とその倍以上の意味があるからね」
それを聞いたルイズ達は絶句する。
ハルケギニアでは、文字としては50に達しないくらいで
その組み合わせを単語として使っているのだ。
「さらに言うと地域や国ごとに言語や文字すら違うからね。
その中でも俺のいた場所は、複雑で趣があり世界で一番響きが綺麗な言語といわれていたよ」
ルイズは一度でいいから、サイトの住んでいた世界に行ってみたいと思うのだった。
再び一行はゼロ戦まで戻ってきていた。
サイトがガンダールヴで状態を確かめると、ガソリンさえあれば問題なく飛ばすことができそうだ。
固定化が掛かっているくせに細かな部品が摩耗しやすく
武器にあう精密な弾薬を作ることもできず、ハルケギニアにはないガソリンを大量に必要とする。
回数制限のある強力な武器だが、他にも得体の知れない武器のためデメリットも多くなる。
平時であり、かつ地位を得ていると、こういう所から足を引っ張ろうとする貴族も出てくるのでやっかいだ。
「予定よりも、二週間も早く帰ってきてしまったから、皆に驚かれてしまいました」
シエスタはいそいそと手に持った品物を、サイトに手渡した。
それは、古ぼけたゴーグルだけだった、それ以外は何も残していなかったのだ。
「ひいおじいちゃんの形見は、これだけだそうです。日記も何も残さなかったみたいで。
ただ父が言っていたのですけど、遺言を遺したようです」
「遺言?」
「そうです。なんでもあの墓石の銘を読めるものが現れたら、
その者に「竜の羽衣」を渡すようにって……
大きいので管理も面倒だし、今じゃ村のお荷物だそうです」
使い道が分からなければ、ただの奇妙なオブジェにしか見えないだろう。
六十年以上も前の戦闘兵器、物言わぬ機械、天かける翼……
「ありがたく使わせてもらうよ、シエスタ」
その日、サイトたちはシエスタの生家に泊ることになった。
貴族の客をお泊めするというので、村長まで挨拶に来るしまつだった。
サイトはシエスタの家族に紹介された。
父母に兄弟姉妹たち。シエスタは、八人兄弟の長女だった。
わたしが奉公先でお世話になっている人よ、とシエスタが紹介すると
父母は、頭を低くして平伏し歓迎するのだった。
シエスタは、久しぶりに家族にあったがもじもじと顔を赤くし、
サイトの近くで甲斐甲斐しく世話をしようとしている。
しかし、動きがぎこちなく家族に話しかけられるたびにびくりと震えるのだった。
「シエスタや、どこか調子が悪いのかい?」
母親がシエスタの身を案じて声をかける。
シエスタはふるふると首を振った、マチルダ特性の桃の木で作った張型で、
サイトと同じサイズで作られたものが、中に入っているのだ。
裾の長いスカートにはいていないので、圧力をかけないと落ちてしまうのだ。
力を入れると余計にサイトの大きさを意識してしまいおかしくなりそうだ。
サイトは父親にタルブ産のワインを進められ優雅に飲んでいる。
時折こちらに意味ありげに目線を投げられ、その度にどきりとする。
兄弟姉妹たちはそんなシエスタの様子になんだかドキドキしつつも
久しぶりの姉に王都や学院の様子をせがむのだった。
(わたしがこんな目にあっているのに、みんな楽しそう…)
シエスタはその様子に絶望に似た何かを感じた。
母親は少し様子を最初はいぶかしんだが、恐らく娘は恋をしているのだろうと
見当違いの勘違いをして微笑ましく見ていた、まさかこんな行為を家族の前でしているとは思わなかったのだ。
(わたしこんな目にあっているのに、家族の前なのに…)
今もし張型が落ちたら、どうなってしまうのだろう…
(誰も助けてくれなくて、みんな笑顔でわたしもばれないように笑顔でいて
みんなに歓迎されてて、わたし…気持ちよくて、どうしよう……)
足を伝って愛液が垂れそうなのをもじもじと器用にスカートの内生地で拭う。
足を動かすたびに、中が擦れて頭がかーっと熱くなる。
自然と動きもしゃなりと色っぽく誘っているようにくねくねした動きになっている。
口を開けば我慢できず、喘いではしたなくおねだりする言葉が出てしまいそうだ。
「少し酔ってしまったようだよ、そういえばシエスタ。
シエスタの好きな草原を見せてくれるっていってたじゃないか、
熱を冷ましに散歩にでもいかないか?」
シエスタの限界を見極めていうと、シエスタはこくりと頷き後に続く。
シエスタの家族は、微笑ましく見送るのだった。
「あっ…旦那様もっと、ゆっくり…ぁっ」
サイトとシエスタは仲良く手をつないで歩いている。
サイトの歩く速度は少し早く、その度にごりごりと奥までえぐられる。
夕方、サイト達はシエスタが「見せたい」といっていた草原にいた。
夕日が悲しみも絶望もしまいこむように山の間に沈んでいく。
草色の木綿のシャツ、茶色のスカートの裾をゆっくりとした動きでたくしあげる。
白い健康そうな太ももが徐々に見え始める。
恥ずかしそうに裾で顔を隠すと、秘所が丸見えになってしまっている。
そこは赤く濡れ柔らかい陰毛もしっとりと濡れ綺麗に光っていた、そして張型がしっかりと咥えこまれている。
まじまじとサイトに見つめられると、こぽりと愛液がこぼれた。
「旦那様、シエスタはもう我慢できません。
どうか、どうかお情けをくださいまし」
サイトはシエスタに近づいて、張方を動かすと甘いしびれを感じる。
「シエスタって、別にこれでも満足なんじゃないの?」
「ああ、旦那様ぁ、違うんです。本物、本物がほしいんです。
本当なんです、ずっと我慢していて、さっきだって家族の前で……
お願いします、お願いします、悪いメイドにお仕置きしてください」
必死で懇願する、張型じゃ気持ちよくても幸せになれない。
どこからともなく蔦が伸びてきて、シエスタの両手を拘束して宙に浮かばせる。
片足は膝から限界まで上に延ばされ挿入しやすそうな格好だ。
「やっ、何これ、ぁ、あぁあ」
何かを考える前にシエスタに待ち望んでいたサイトが挿入された。
「あはぁ、来たぁ……これ、いい、ぁぁん、旦那さまぁ…ぁ…あぁあ」
サイトの動きに合わせるように蔦が上下に動く、
更に絡まる様にシエスタをまさぐっている。
「しゅごい、これぇ、やぁああ、あん、ぁ、ぁん」
サイトが突くたびに跳ねるようにシエスタが強制的に跳躍している。
蔦が液体を出しながら、後ろの穴の周りを蹂躙し始めた。
慣れない刺激にひくひくとひくついている。
「違う、そこ、やだ、壊れちゃうの。それらめぇええええ」
ぎゅうぎゅうとイキっぱなしの膣がサイトを締め上げる。
蔦は関係ないとでも言うように張型に捲きつくとほぐされた後ろの穴に挿入した。
「ひぁああああ、やっ、きついよぉ、お腹の奥が変になるぅうう」
前から後ろからサイトに犯されてるような感覚を受ける
容赦なく蔦がシエスタを破壊・蹂躙していく。
いくらほぐされたといえども、初めてのお尻は裂けて処女血が出ている。
腸内が焼けるように疼き、お腹の奥でサイトと張型が重なるたびに、
脳がぱちぱちと焼けるような快感と幸福感が流し込まれる。
「あは、シエスタ。この草原がもっともっとお気に入りになるね。
こんなに喜んじゃって、準備した甲斐があったってもんだよ」
サイトがさも楽しそうにそういうと、
シエスタは涙を流し、穴という穴から液体を流しながら、
幸せそうに頬笑みながらかくかくと頷くのだった。
「あぁ、シエスタは、旦那様のお陰でとても幸せものですぅ、うぅう…
ぁは、ぁああん、もうやだぁ、イキたくない。気持ちいぃ、幸せになっちゃう…あぁぁあああああ」
草原を赤々と照らしていた夕日は完全に沈んでいた。