1998年・1月-----仙台・第二帝都城---「雪か…寒い訳だ。」白い息を吐きながら、帝都城の渡り廊下を歩く男ーーー帝国斯衛軍大佐・斉御司兼嗣『五摂家』の一つの現当主で、齢50を超えて尚、未だに戦場を駆ける『武士』の一人「日本の未来は…一体何処に向かうのだ…」米国に政権を一時的とは言え、握られ日本が迷走し、将軍家の存在が『お飾り』とまでされ、今の日本には『幸せな民』は一握りしか居ない現実に嘆く日々ーーー 苦々しく表情を浮かべる斉御司大佐の顔は歯を食いしばりなからも空を見上げる…「アラ…そなたは…?」「あ…貴女様は…殿下!?」声をかけられ、振り向くと、幼いながらも将軍になった『煌武院 悠陽殿下』と、護衛の『月詠 真耶中尉』が歩み寄って来た 「斉御司兼嗣殿ではありませんか…」「ハッ…殿下に名前を覚えて頂き、至極有り難き幸せで御座います。」クスクスと笑いながら冗談を言う斉御司大佐その後、跪いて頭を下げる。「何をしてたか…聴いて宜しいでしょうか…?」「ハッ…日本の現状と行く末に頭を悩ませながら、空から降る雪を見ながら考えてました。」「……スミマセン、私に力が無いばかりに…」「で、殿下、頭を上げて下さいっ!!」説明すると悠陽殿下が頭を下げながら謝罪するそれを見て、頭を上げるように説得する真耶中尉。「……未だに将軍家の威厳は昔のようにありません…しかし、私には皆さんの力も有って、将軍として力を振るえるのです。」「勿体無き御言葉…」悠陽殿下の御言葉を聴き、感動する真耶中尉。 「しかし…あと一手…あと一手何か『決め手』があれば…!!」斉御司大佐も、苦痛な表情をしながらも、悩んでいた…。そして--再び雪降る夜空を見上げると---- 「「「-----なっ!!?」」」突然の目の前に光輝く柱の出現に驚愕する三人。輝きが徐々に消えていくと、気を失った一人の青年が姿を現れた。 「コレは一体…!?」余りの出来事に、驚愕を隠せないでいる斉御司大佐。すると----「タケル…様…?」「えっ…?」「殿下…?」悠陽殿下の一言に反応する二人だった…。