「大丈夫だよ、千鶴さん。辺りに怪しい奴らは居ないよ…。」「分かったわ、鎧衣」美琴を先頭にして第二帝都城に向かう千鶴並外れた美琴のサバイバル能力が大活躍し、現在追っ手から逃げ延びていた。 現在、美琴と合流してから一時間隠密行動な為、通常の徒歩より時間がかかり、先程の場所から三キロしか進んでなかった第二帝都城までの距離は、あと五キロ二時間ほどでつけれる距離だったしかし向こうとて、そう簡単には行かせてくれない。彼等とてプロだ、自分達が隠れながら第二帝都城に向かってる事は既にバレてるだろう。そうなると、第二帝都城付近での隠密は難しい事になる。状況は未だに宜しくはないだが、今の千鶴には先程までの不安感は無いその最大の理由は---鎧衣美琴、彼女がいるからだ。自分と苦楽を過ごした『鎧衣美琴』ではないが、知っている美琴と同じぐらいのサバイバル能力を発揮し、自分を安全なルートを進ませてくれる事に安心感を覚える。 油断はしてはいけない---その事は百も承知だが、美琴という人物が居るだけで、これほどの安心感を持たせてくれる事に驚いていた。 「ん…あれは…」「どうしたの、鎧衣?」すると、美琴があるモノを見つけるそして---千鶴はその光景を見て、身震いする。「御剣に彩峰…鑑も居る…?」懐かしい人物逢いたいと願った仲間達の姿が其処にあった 特に彩峰は自分と一緒に自決までした相手共に噛み合い、反発しあい、最後にはお互いを理解しあい、『本当の仲間』として分かり合った仲本当の自分の気持ちをぶつける事が出来たのは、白銀と---彩峰だった。 「知らない人が2人ほどいるけど…誰かしら…?」「あれは純夏さんの仲間で同期の人達だよ背の高い方がクリスカ・ビャーチェノワさんで、背の小さい方がイーニァ・シェスチナさんだよ。2人共純夏さんと一緒にA-01に所属してるんだ。」「A-01に…!?私、あの2人知らないわよ?」「香月先生が2人をソビエトからスカウトしたんだって…まあ、強引に引っ張ったんだと思うけどね…」「なる程…」美琴の言葉を聞いて納得する千鶴お互いに苦笑いをしながら『あの人らしい…』と気持ちを同じにする。すると、冥夜達が千鶴達のそばに来た時、美琴が小さな石を冥夜達の足元目掛けて投げる。 「ん…石…?」「誰だ……あれは鎧衣に……榊!?」「えっ、榊さんっ!?」千鶴達の存在を知る冥夜達建物の間に隠れている事から『ただ事ではない』と直感する冥夜とクリスカ純夏達に『自然な動きで榊達の下に向かうぞ』と呟き、純夏達も頷く。そして、周囲を警戒しつつ千鶴達の下にたどり着いた冥夜達 「どうしたのだ、鎧衣?このような所に隠れて…?」「実は…」美琴は詳しい説明を冥夜達に説明する勿論千鶴がループして来た事も話すと驚きの表情を見せる冥夜達だが、今は千鶴の身の危険を知り、決意を決める。 「成る程…話は分かった。榊を助ける事に異論は無いぞ。」「そうだよ、榊さんは私達の仲間だもんっ!!私が追っ手達をぶっ飛ばしてやるんだからっ!!」冥夜と純夏の言葉を聞き、感涙しそうになる千鶴そして慧を見ると--- 「私も手を貸す……………一応」「彩峰…………アンタねぇ…」相変わらずの返答に先程までの感涙が無くなってしまう「けど……大切な仲間だから…絶対に守り抜く」「あ、彩峰…」突然の言葉に戸惑う千鶴当の本人の慧も顔を赤くしながらも、素直な気持ちで千鶴を助ける事を決める。 「私やイーニァも力を貸すスミカが大切なモノは私達にとっても大切なモノだ。」「うん、わたしもチヅルをたすけてあげる♪」「あ、ありがとう…二人共…」初めて会うクリスカとイーニァの助力に感謝する千鶴「では榊、私達はどうすればいいのだ?」「これから第二帝都城に向かうわあそこに逃げ込めば、追っ手達は手を出せない筈よ。」「成る程。……『静殿』、済みませぬが、力を貸して下さい。」「「「えっ?」」」突然の冥夜の発言に驚く千鶴達すると千鶴の後方にスゥ…と姿を見せる1人の女性が現れた。「承知致しました、冥夜様」「ムゥ…からかうのは止めて下さい、静殿私に『様』など無用です。貴女は私の『兄弟子』なのですから…。」「フフッ…冗談よ冥夜…」ちょっと拗ねた顔をする冥夜を見て、クスリと笑みを零す静そして冥夜以外の全員が静の登場に驚く。 「嘘…全然気配を感じなかった…」「御剣…この人…は…?」突然自分の後ろから現れた事に驚く千鶴美琴でさえ、静の気配を感じる事が出来なかった為、尚更驚愕する。「この方は紅蓮静中佐と言ってな、あの紅蓮大将の愛娘にして、『無現鬼道流』の正統後継者でもある方なのだ。今日は月詠が忙しい為、代わりに静殿が私の護衛についてくれてるのだ。」「帝国斯衛軍第1戦術機甲師団の紅蓮静と申します因みにループに関する話は私は知ってますので、御安心を」「えっ?どういう事でしょうか?」「詳しい話は後程致します。今はここから離れて、自分の身を守る事を優先致しましょう。」「あ、ハイ。」静の冷静な対応に戸惑う千鶴凛とした姿で冷静に動く静を見て、千鶴達を一瞬魅了してしまう。特に美琴は『あんな女性になりたいなぁ~…』と胸を押さえながら、羨ましそうに静を見ていた。静の自己紹介を終えると、先頭に美琴を、最後尾に静を配置し、千鶴を守るようにして先に進む。そして、ある程度前に進むと、静が千鶴に質問をする「…千鶴殿、護衛の者達は…?」「恐らくは…やられたと思います。護衛の者達に危険を知らせる発信機を押しましたが、護衛の者達が出て来る気配はありませんでした。」「そうでしたか…しかし、何故このような事に…?」詳しい説明をする千鶴香月博士に会う為、月詠家別邸に訪ねたが、香月博士は既に帰った後、元よりタケルは居ない事を知っていた為、落胆しながら帰ってる途中に異変を感じたのだった。 その事危機に陥った千鶴だが、美琴に助けて貰い、その際に『ループ』の事を教えて貰う。 「……成る程しかし、護衛を殺してまでと考えると、元々千鶴殿を誘拐する事を計画していたと考えられます。むしろ、家に居たままならば、危なかったのかも知れません。」「そうでしたか…」静の言葉を聞いて納得する千鶴意外にも冷静な千鶴を見て驚く静 「…少し驚きました。随分と冷静なのですね…?」「小さい頃に経験してますので。それに私は仮にも『総理の娘』なんです。それぐらいの覚悟は持ってないと、外になんか出れませんよ。」「成る程…流石は是親殿の娘だ…気が強い。」千鶴の言葉を聞いて、納得する静父親譲りの気の強さと『総理の娘』としての身の覚悟を持つ千鶴に好感を持つ「----冥夜…少し離れます。」「ウム、頼みます静殿」突然ピタリと止まる静冥夜に少し離れる事を告げると、冥夜もその意味を悟り、返事を返す。冥夜の返事を聞いてコクリと頷き、静は単独で行動を起こす「静さんっ!?何処に…ってアレ……アレレぇぇ…?」「……もうシズカのすがたがない…。」純夏とイーニァが追うが、建物の角を曲がると、既に静の姿が無かった事に戸惑う。 「心配するでない、純夏・イーニァ静殿は恐らくすぐ近くまで近づいている追っ手を倒しておるのであろう。」「1人じゃ危険よっ!?」「そ、そうだよっ!!」冥夜の言葉を聞いて驚き、心配する千鶴や純夏しかし、冥夜は笑みを持って、答える。「先程申した事を忘れたのか?あの人は『紅蓮大将の娘』だぞ?例え追っ手が10人だろうが100人だろうが、その程度の人数ならば敵ではない。もし、それこそ静殿を殺めるなら、紅蓮大将や神野大将クラスの者ではなければ不可能だ。」「……………………ほぇ?」「同時にあの人は『諜報員』としても優秀でな、諜報活動は勿論、場合によっては『暗殺者』としても長けてるのだ。文武両道・そして己の手を血で染め続ける『覚悟』をお持ちの方なのだ。それ故に姉上や榊の御父君の護衛に付かれる程信頼も厚いのだ。」静の凄さを聞いて絶句する純夏達思わずポカーンと口を開けて唖然とする程だった。 「更に申すのであれば、静殿は家事なども得意でな…文句なんぞ見当たらない程凄腕で、料理・洗濯・掃除・裁縫・教育…『良妻賢母』という言葉はこの人の為にあるようなモノだ。」「………………………………………………………何…そのチートっぷり…?」「………だから申したであろう…あの人は『紅蓮大将の娘』だと…」「そういう意味か……納得した…。」静のあまりにもチートっぷりのステータスに呆れと同時に納得してしまう純夏達… 一方、別れた静は--- 「……御免」『---ッ!?』気配を消しながら千鶴を捜索する追っ手二人しかし、突然背後から聞き覚えの無い声が聞こえると同時に意識が途絶する。 静が背後から刀で一閃し、二人の追っ手の首を跳ね飛ばす。 「…これで四人目…一度冥夜の下に戻るとしますか。」刀を降り、血を払う静そのまま納刀して、ポケットから真那から預かっていた小型の通信機を取り出す。『どうしました、静殿』「真那、緊急事態よ。」第二帝都城に居る真那と連絡を繋げ、現状を知らせる。 「…という事よ。今から冥夜に合流して護衛を続行するから、真那は救出部隊を準備して。」『わかりました。…くれぐれも私達が着くまで冥夜様を御守り下さい。』「わかったわ」通信を切ると小さな溜め息を漏らす静「…相変わらず冥夜の事しか頭に無いんだから…。親バカ成らぬ『姉バカ』ね…。」襲われている千鶴より、主である冥夜を心配する真那の台詞を聞き、呆れ気味の溜め息を漏らす静『まっ…それが真那だから仕方無いっか…』と苦笑いをしながら、冥夜達の下に向かう。時は同じ頃、千鶴達は---「ハァアァァッ!!」『グハッ!!』突然の奇襲攻撃に驚く追っ手達しかしその『驚く』という隙を作ってしまった事で、冥夜の一閃を喰らい、力果てる。『このアマァ…グァッ!?』『ど、何処から狙撃が…!?』仲間を1人やられ、頭に血が登った1人が拳銃を抜こうとすると---音も無く胸元から血吹雪が舞う。それを見た1人は内心戸惑いながらも周囲を見渡すと---「メイヤにはきずつけさせないよ!!」狙撃された向かい側の建物の三階から、サイレンサーを付けたイーニァの狙撃が冥夜を救う。 狙撃に気づいた追っ手の1人が逃走する。仲間を置いてきぼりにするが、そんなのはこの世界では当たり前の事。『なんだと…!?一体コレはどういう事だ…!?』突然の襲撃まさか自分達が狙われる『獲物』として逃げ回るとは思わなかった。今回の任務は、内閣総理大臣榊是親の娘・榊千鶴の誘拐今回は様々な情報を元に計画された作戦現在榊親子の関係が悪化してる事もあって、誘拐する事を決めた依頼主護衛が薄くなっている今ならば、難易度としても軽い方だ。 だが、油断は禁物『失敗』は許されない為、送る刺客は誰もが腕の立つ者を集めた。榊千鶴の護衛達は最初の内に始末しておいた。都合の良い事に榊千鶴は家から外出し、知人の家を訪ねていた。 本来ならば、榊家を襲撃し、護衛達を始末した後、榊千鶴を誘拐する予定だったが、予想外にも榊千鶴の方から外出したのだ。 こちらにとっては好都合であり、不都合でもあった。都合の良い意味では、護衛達を始末しやすかったからだ。建物の間にいる奴など最たる獲物注意深く近寄り、殺すだけだ。 後は奥の建物の影にでも棄てておけば、発見は遅れるしかし都合の悪い面では、車で移動してなかった事車で移動してれば、襲撃して誘拐すればいい事だからだ。一応バスには乗っていたが、多くの民間人が居た為、手出しが出来なかった。 万が一榊千鶴を傷つけ、『死亡』させてしまっては元も子もない。そして徒歩の際は『人がある程度居る場所』を歩いていた為、堂々と誘拐する事はなかなか出来ない状況だった。出来れば目撃者が無い事には越した事は無い後始末が厄介だからだ。知人の家を出て帰宅するのを発見し、誘拐を実行する事にした自分達作戦通り護衛達を始末する事までは順調良くいった。しかし---予想外にもターゲットである榊千鶴が自分達の存在を知ったようだ。現に護衛達のポケットからは緊急用の発信機が鳴っていた だが、予想外にも榊千鶴は気づかないように冷静に歩いていた走って逃げれば、自分の立場が危ういいずれ追いつかれ誘拐される自分を想定し、人の居る場所を選び、歩いていた。 その点に関しては、榊千鶴を評価してもいい。 走って逃げ回っても、隠れる場所等無いしかし榊千鶴は家とは方角の違う方を警戒しながら歩いて行く。 その時我々は悟る。榊千鶴は第二帝都城に逃げ込むつもりだと…『大したモノだ』と評価を上げる。ならば少々強引だが、人目に付く事を前提に誘拐する事を決定するしかし、それを覆すかの如く、突如榊千鶴の姿が消える。 慌てて探す我々だが、榊千鶴の姿は無い油断していた…まさかあのような小娘が隠密行動が出来るとは思わなかった。 しばらくすると、仲間の1人から連絡が入る。どうやら軍人を護衛に付け、隠密行動を取っていた事がわかった。情報によると、その内の1人が隠密行動に長け、近寄る事が出来ない程の能力の持ち主との事それを知り、仲間の一部が帝都城付近に配置する事を決定する。そして、悪夢とも言っても過言では無い出来事が起こる。榊千鶴が居るであろう付近に待ち伏せする自分だったが、どうやら向こうの護衛達は、我々の想像を超える者達だった。 待ち伏せする自分を含めた四名は、突然の奇襲攻撃を受ける。自分達が背に向けていた建物からの奇襲日本刀を持った少女が突如仲間の1人を切り裂く。 仲間を斬られ、逆上する1人が胸元にしまっていた銃を抜こうとすると---彼の胸元から血吹雪が舞う。 それを見た自分は即座に逃走する息を切らしながらも全力で逃げ込む。 いつの間にか『狙う側』から『狙われる側』に変わった自分達激しい緊張感と恐怖に怯える自分を抑え込み、周囲を確認しながら建物の中に隠れる。 「無駄だ、其処に隠れてるのは解っているぞ。」チラリと除くと、銀色の髪の少女が自分に銃口を向けて構えていた。冷たい視線---まるで深海の底のような暗い瞳あのような少女がとても見せるような瞳とは、信じられなかった。そんな時---私の脳裏に異常が起きた。 『殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺ス殺スコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスころすころすころすころすころすころすころすころすころす殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す』---殺意に満ちたコトバが頭の中を満たすいや--満たすなんて生易しい。脳が爆発しそうなぐらい大量な『自分の死』のイメージが流れてくる。そして最後に--- 『----死ネ』「----死ね」脳の中のイメージと同時に少女の口から同じコトバが吐かれる。「ヒッ、ヒィッ!?」思わず恐怖により、身体が反応し、結果少女の凶弾を回避する。いや--『回避』とは正確ではない。確かに『回避』はしたが、それは『その場での死』であって、実際は彼女の凶弾は自分の右肩に当たる。 もし回避する事が出来なかったら---あの凶弾は…自分の額を撃ち抜いたであろう… 「スミカの大切なモノは私の大切なモノそれを奪うというならば---死んで償え。」全速力で彼女とは反対側を走って逃げる。今までに無い恐怖に我を忘れて逃げる自分 しかし--- 「今だッ!!」「なっ…うわぁあぁっ!?」突如何かに足を引っ掛けてしまい、転倒する私すると、先程の少女とは違う背丈の小さい碧色の髪の少女が飛び出し、私の持つ拳銃を蹴飛ばす。 「し、しまった!?」カラカラと地面を擦りながら自分の手から離れていく銃碧髪の少女が私の銃を回収すると同時に、新たに違う少女が現れる。 「フン…ッ!!」「ガァッ!!?」長身の黒髪の少女先程の銀髪の少女と同い年ぐらいの少女が突然飛び出し、私の頭部をボールを蹴るように蹴り飛ばす。「慧さん、その人の背中に乗っかりながら腕をキメてッ!!」「了解…!!」そして私の左腕を関節技をかけながら、背中の上に乗っかる黒髪の少女そして、碧髪の少女が私の両足を幅の狭いガムテープでグルグル巻きにして拘束する。足を拘束すると、次に両手を背中側に回して拘束する。 「あとは…これでヨシッ!!」「…殺そうとした私が言うのもアレだが…それは流石に酷いのでは?」「ん~?これぐらいしないとね~☆只でさえ千鶴さんを誘拐しようとしたんだから、これぐらい『お仕置き』しないとね~☆」良い笑顔に笑う碧髪の少女携帯していた私のナイフで服を切り裂き、裸にして歩道にある街灯に拘束する。先程の銀髪の少女も頬を赤らめていたが、それ以上に私が恥ずかしい。「フッ……まだまだですね…コレを忘れてる。」すると黒髪の少女が黒マジックを取り出し、キュポンと蓋を取る。 そして私の額にキュッキュッと落書きすると… 「『肉』…コレを忘れたらダメ…。あとついでに…此処にも…」「け、慧さんっ!?」「む、むぅ…」へその下辺りに『小さい』と落書きする黒髪の少女わざわざ何が小さいのか分かりやすいように、『小さい』の文字の下に『下を向いた矢印』が書かれてしまう…嗚呼…いっそ死にたい気持ちだ…何故私は先程の凶弾をかわしたのだろう…? するとターゲットの榊千鶴と赤い髪の少女が小走りしながらやってくる。「みんな、大丈夫!?」「楽勝ですよ…。」「大丈夫だよ、純夏さん。」少女達の無事を確認して安堵する榊千鶴達すると二人して私を見ると… 「なななななな…何よ、コレッ!?」「お仕置き…」「はう…はうはうはうはう…」裸の私を見て、恥ずかしがる榊千鶴と赤髪の少女すると赤髪の少女が拳を構え、ユラユラと揺れると---- 「いゃあぁぁぁっ!!!!!えっちぃぃぃっ!!!!!」彼女の『左』が私の顔面に炸裂し、黄金の光に包まれながら、天高く飛ぶ感覚に襲われる。 嗚呼…もしかすると、彼処に見えるのは地球なのか…?素晴らしいまでに蒼く美しい地球(故郷)に感動しながら、私の意識が途絶えるのだった…。「…………何、今の一撃…?」「…………幻の…左…?」「うわぁぁ…流石は『どりるみるきぃふぁんとむ』だねぇ…あの人…地球に帰ってこれるかな…?」初めて見る『どりるみるきぃふぁんとむ』に戸惑う千鶴と慧久しぶりに『ふぁんとむ』を見て感動す美琴だが… 「……ヨシヨシ…落ち着いて、スミカ…」(タケルちゃん以外の…初めて見たよぉ…)追っ手の『ブツ』をモロに見てしまい、顔を真っ赤にして恥ずかしがる純夏を抱きながら慰めるクリスカ… その後、静と合流した冥夜・イーニァと合流し、再び第二帝都城まで向かうのだった…。