2000年・7月12日「うーむ…やっぱりそろそろ矯正用の眼鏡が必要になってきたかな…。」両目を閉じ、瞼の上に人差し指と親指で押さえるようにウニウニとマッサージするタケル苦手な書類整理と格闘し、目が疲れてきたようだ。「どうしました、白銀大尉?」その時、丁度息抜きに紅茶をタケルの所に運んできた唯依が聞き出す。「いやね…書類整理してたんだけど…普通の人よりにらめっこしてるもんだから、目が疲れてきてね…。そろそろ矯正用の眼鏡でも買おうかなぁ~って考えてた所。」「そうですか……。そういえば、先程ララーシュタイン大尉が街中のメガネ屋で眼鏡のレンズの調整してきたとか…。」唯依の話に興味を示し、更に話を聞いてみるタケル「へえ~…それで、場所とか聞いたりする?」「ハイ、私も訓練学校時代から使ってる矯正用のメガネの調整をしたい所でしたので、場所は聞いてます。」「そっか。もしよかったら同席して良い?」「勿論良いですよ。その際、榊さんも一緒に行く予定ですけど。」「委員長も?」「ハイ、良い眼鏡があれば買おうか考えてるようですよ?」「な ん で す と ?」 唯依の話を聞き、驚愕するタケル突然リアル顔で驚くもんだから、唯依は絶句しながら一歩後ろへ下がってしまう。「委員長が……メガネをクラスチェンジするだと……?あのでっかいまん丸メガネから一体どのような…?」「いや……別におかしい訳じゃ……。」「うんにゃ、眼鏡外した状態ならば、まだわかるが、あの眼鏡以外の眼鏡をかける委員長を………俺は想像出来ない。むしろ、俺は『委員長+丸型伊達眼鏡=榊千鶴』と判断しているぐらいなのだよ?」「………なんですか、その方程式は……?」千鶴がメガネを変える事に動揺するタケル唯依は頭を痛めながら、そんな失礼な判断をされた千鶴に深く同情する…。―――――――――――――――――――――――――――――――――「まさか白銀が眼鏡とはね…。」「俺は委員長が眼鏡を変える事に驚いた。」「失礼ねぇ…。私だって、他の眼鏡かけたいと思うわよ。」作業を早くに終え、タケル・唯依・千鶴の三人でドーバーの街中を歩く。何時ものタケルと千鶴の会話シーンを見て苦笑いをする唯依「ちなみにどんな形の眼鏡にするんだ?」「…まだ決めてないわ。けど、せっかく欧州まで来たんだもの、私だってオシャレな眼鏡を買って見たいと思うわよ。」「まっ、そ~だな。」「あっ、どうやらあのお店みたいですよ。」たわいの無い話をしながら歩いていると、唯依が眼鏡屋を発見する。「………何やら高級店っぽい店だな…。」「しかし、ララーシュタイン大尉の話だと、良心的な値段と信頼出来る品揃えと聞きますが…?」「入ってみればわかるわ。」眼鏡屋に到着する三人だが、店の外見は高級感タップリな店だった為、思わずゴクリと息を飲む。扉を開くとカランカランとベルが鳴ると、ララーシュタインとは違う、いかにも執事っぽい老人が現れる。『いらっしゃいませ。今日はどのような品をお求めでしょうか?』「矯正用の眼鏡をひとつ。あと……ついでにオシャレ用の眼鏡も作ろうかな?」『ありがとうございます。それと、そちらの御方達は?』「私は矯正用の眼鏡の調整を…。」「私は……良いのがあれば、作りたいと思って…。」『そうでしたか。それではお二方には、こちらの席へお座り下さい。そちらのお客様は、ごゆっくり品定めをしてください。もし、お気にいった物があれば、お呼び下さい。』「ハイ、ありがとうございます。」タケルと唯依は席に座り、視力検索等を行う。千鶴は、店内の眼鏡を試着し、鏡に写る自分の姿を見て品定めをする。そして一通りの検査等を終えると、タケルと唯依は千鶴の下へ向かう。「委員長、良いのあったか?」「うーん…。品は良いのばっかりなんだけど…。自分に似合う物となると…。」どうやら自分が気に入る眼鏡が見つからず、苦笑いして答える千鶴「委員長、眼鏡云々は置いといて………コンタクトはどうだ?」「コ、コンタクト!?私がっ!?」タケルの意見に驚き、戸惑う千鶴タケルが持つ『記憶のひとつ』にコンタクトをして美少女に変身した千鶴を思い出し、ちゃっかり勧めてみる。「そうですね。榊さんなら、コンタクトを使う事も手かと。」「篁さんっ!?」『そうですね…お客様なら、より一層美しくなるかと。』「なあっ!?」唯依・老紳士な店長の感想を聞き、顔を真っ赤にして、頭から蒸気がモクモクと出てくる。すると、店長が千鶴に近寄り、小さな声で囁く。(こちらの『彼氏』もコンタクト使用したお客様のお顔を見たいと思ってますよ。)(かかか……彼氏ッ!?)(私としても、当店の眼鏡をお買い上げて貰いたい物ですが、お客様の笑顔の為ならば、出来る限り全力を尽くさせて貰います。)(けけ…結構ですっ!?)意外と積極的に千鶴を応援する店長流石に慌て拒否する千鶴だが、店長の眼鏡が怪しくキランッ☆と光った事には気付かなかった。―――――――――――――――――――――――――――――――――「ハア…疲れたわ…。」「いいぢゃん。みんなに見せびらかしてやれよ。」「恥ずかしいわよっ!!」眼鏡屋を出て一息つく三人結局店長のあれよこれよと誘導され、コンタクトを作る事になった千鶴一応眼鏡の方も、現在使ってる眼鏡より一回り小さい眼鏡を購入する事になった。タケルは、矯正用の眼鏡の方は安くて四角の黒縁眼鏡を購入理由は『仕事で使うんだから、別に格好つけなくても良い』…だそうだ。オシャレ用は、小型の丸い眼鏡を購入こちらは少し高い物を選び、購入した。「いつ頃出来上がる予定ですか?」「俺も委員長も5日程で出来るってさ。」「滞在期間ギリギリ間に合う感じね。」購入した眼鏡やコンタクトも、滞在期間ギリギリに間に合うと聞き、ホッとする二人「とりあえず目的は達成したけど……少し街でも見回るか?」「そうですね。せっかくの欧州に来たんですから、色々回るのも良いかと。」まだ時間も早い為、もう少し街中を歩く事にしたタケル達途中、カフェがあったので息抜きに寄り、珈琲や紅茶等を頼む。「そういえば…二人共随分と仲が良いけど…いつから仲良くなったんだ?」「こうして接したりするのは、今年の総戦技演習後ですが、一応それ以前からはお互いに顔見知りでした。」「初めて会ったのは、正月の誘拐未遂事件の時よ。その時は2・3会話した程度だったけど、総戦技演習後に話をしてる内に意気投合してね…。」千鶴と唯依が親友関係になった話になり、盛り上がる話を聞くと、親友関係になったきっかけは『タケルへの気苦労話』だったらしい…。「白銀大尉は先任として、恩師としても素晴らしい方だと思いますが……最初の頃は『胡散臭い人物』にも見えましたし、馴れ馴れしくて、私は最初の印象は悪い方でした。」「最初の印象って……確か…大陸から巌谷中佐が帰ってきた時に、篁がせっかくそれに合わせて取ったの休日に俺が訪問した時の事か?」「ハイ。あの時は無事に帰ってきた叔父様を歓迎しようと思って楽しみにしてたら、いきなり当時中尉だった白銀大尉も来たんですから、あの時は不機嫌にもなりました。」「……けど、アレは巌谷中佐が強引に拉致った結果だぞ?」「それは…後々知りましたけど、やっぱり養子とはいえ、親子水入らずの時間を楽しもうとした時でしたので…その時は白銀大尉の事を『お邪魔虫』に見えました。」「ゴメンゴメン。」当時の不満な気持ちを告白する唯依タケルは悪くは無いのだが、結果として当時の唯依にとって『お邪魔虫』だったと告白される。「軍人らしかぬ態度や馴れ馴れしい態度には悪印象に見えました。訓練兵入隊時には『この人で大丈夫なのか?』と疑問視までしてました。」「うわっ!!痛々しい感想が今暴露っ!?」唯依の当時の印象を暴露され、ゴリゴリとHPが減っていくタケルその話を聞いていた千鶴も『自業自得よ』と厳しい発言を告げる。「まあ、時間が経つにつれ、印象は良い方向へ行って、現在に至りますけど……。そんな話をしてたら、榊さんと会話が弾み、いつの間にか今の関係になってました。」「……その話を聞いた時は、我が事のような気持ちになって、同情までしたわよ…。」「……とてもとてもスミマセンでした。」今まで唯依に迷惑をかけた事に対し、謝罪するタケル………ぶっちゃけ、その原因の殆どが香月博士や巌谷中佐に有るから、タケルも一応犠牲者なのだ。唯依や千鶴もそれをわかっている為、それ以上は言わないでいた。「おや?シロガネ大尉達ではないか?」「ララーシュタイン大尉ではないですか。」すると紙の買い物袋を持ったララーシュタイン大尉がタケル達の下へやってきた。「買い物の帰りですか?」「いやいや、そんな大層な物ではないよ。偶々ブラウアー少尉とポーカーの勝負をしてね、運悪く負けてしまい、こうして罰ゲームを受けてる訳だよ。」「上官にパシリって……中々とんでもない罰ゲームっすね…。」軽い賭け事で負けてしまい、買い物をしていた事を打ち上げるララーシュタイン大尉ちなみに買い物袋の中身はパンやワインといった食料品だった。「しかし……流石はシロガネ大尉だね。早速美女二人とデートとは…流石はハーレムを築くだけある。」「「な゛ぁ゛っ!?」」「違います、単に眼鏡を作りに行っただけですよっ!!」「成る程。しかし結果として見れば同じ事。女性二人を連れまわして街中を歩けば立派なデートだと私は思うのだが…。」「ぐふっ!?」ララーシュタイン大尉に遊ばれるタケル『デート』という言葉を聞いて真っ赤になる唯依と千鶴ミョーに意識を向けてしまう。「まあ、ハーレム築くのは別に構わないが、ちゃんと女性をエスコートするのだよ、シロガネ大尉紳士たる男子は淑女たる女性を守らねばならんのだからね。」「………そのつもりなんですけど……ウチの女性陣は男性陣より強いんですよね…。」「そんな事昔から決まってる事だよ。とはいえ、それでも守ってみせるのが、男としての『生き様』だと思うがね。」ララーシュタイン大尉に釘を刺されるタケルタケル自身わかってはいるのだが、中々難しいと思いつつ、苦笑いする。「君達もシロガネ大尉をゲットするならば攻めるべきだよ。この手の者は、アピールぐらいでは振り向く所か気付きもしないのだからね。」「それは………痛々しいぐらい承知です…。」 「そうか………。なら…他にかける言葉は有るまい…。頑張りたまえ…。」ララーシュタイン大尉の忠告を痛々しい迄に理解している千鶴と唯依そんな姿を見てか、ララーシュタインの目尻からキランと光る一筋の水滴が滲み出ていた。ララーシュタイン大尉と別れ、しばらくしてからカフェを出るタケル達気になる店に入り、色々と見学をする内に時間が経ち、夕方頃になる。「もうこんな時間か…。飯でも食ってから帰るか?」「そうですね。」「ご馳走様、白銀。」帰る前に外食する事になり、適度な店を探す事になったタケル達十分程探すと、雰囲気の良いイタリアンの店を見つける『いらっしゃ~い♪お客様は三名様ですか~?』「は、はい…(なんなんだ…このテンションの高い子は…?)」店に入るとかなりテンションの高いウェイトレスが出迎え、そのまま席まで案内される先程とは違うウェイトレスにメニューを渡され、見てみると……。「………………」「………白銀……メニュー読める?」「………………辛うじて。二人は?」「来る前に勉強しましたので、なんとか…。」「私も一応読めるけど…。逆に白銀が読めるのはびっくりしたわ。」「うっせ。一応大尉だから、来る2ヶ月前から勉強してたんだよ。………けど、聞いたり喋ったりする方は大丈夫なんだけど…読む方はまだ苦手でな…。」当然ながらメニューにはイタリア語が書かれてる為、少し沈黙する三人優等生組の千鶴・唯依は少し戸惑うが、読めるのだが………タケルの方は少し汗を流しながらも、なんとか解読が出来た。「じゃあ問題。この品はなんて読むの?」「………………………………………ええ……っと………『海鮮パスタと卵と山の幸のスープ』…であってるよな…?」「…当たりよ。本当に勉強したのね…少し驚いたわ。」なんとか正解出来、心底ホッとするタケル正解して驚く千鶴と唯依を見て、少し傷つく。とりあえずメニューを決め、三人共注文を頼む食事か来るまで少し雑談をする。「白銀ってさ、頭は良い方だとは思ってたけど、こういった勉強に関しては苦手よね?」「そうなんだよ……。まあ、苦手って言っても、赤点取る程悪いって訳じゃあ無いから、まだ良いんだけどな。」千鶴がタケルの話題を出すと、素直に答えるタケルその答えに『ああ…やっぱっり?』と納得する二人。「けど、以前香月博士が申してましたけど、『白銀は教えこめば吸収するように賢くなっていく』って…。」「…いやね…なんつーか…あの人とは付き合いが長い……というか腐れ縁だからな…。それに覚えないと、自分の身が危険な時も有ったし…大変ナンデスヨ?」「…………大変だったのね…。」唯依が以前香月博士から聞いた言葉を教えると、その大変さを態度に現したのか、その姿を見て二人から同情の眼差しを向けられる。「けど、やっぱり先生の下で働くって事は、その時の戦場や裏の動きが絡んでくる事だから、ひとつ間違えるだけで、大きく悪化するからな。そういう意味でも『命懸け』で賢くならなければならないんだ。」「命懸け……ですか。」タケルの話を聞き、驚愕しながら聞く唯依千鶴に関しては、『前の世界』でタケルが特殊任務とかを受けていた事を知っている為、さほど驚きはしなかった。その後、雑談で話が盛り上がると、注文した料理が運ばれてくるが………。「……………」「……予想以上に多い量ね…。」「………うむ」タケルと千鶴の注文した料理の一品にべらぼうに量が多い料理が現れ、沈黙する。「……まあ、取り敢えず食べるぞ。」「ええ…」「そうですね…。」挑みかかるように料理に挑むタケルしかし…その量に苦戦する事になる。(どうしたもんだが……。)味は旨いのだが、いかんせん量が多い。そこでタケルはある事を思いつく。「委員長」「なにか「ほら、一口あ~ん」~~~ッ!?」突然タケルが千鶴に『あ~ん攻撃』を仕掛けると、再び顔が真っ赤になり、頭から蒸気がモクモク出てくる。―――――――――――――――――――――――――――――――――同時刻・日本のとある場所では―――「むっ、何故かわからんが…千鶴に微笑ましい事が起きたような……?フム……やはりそろそろ孫の名前を考えた方が良いかも知れないな……。」日本で政務をこなしていた是親突如直感が来たのか、娘・千鶴に良い事が起きた事を察知する。流石は日本が誇る親バカ。遥か彼方の大陸にいる娘のイベントに反応する。しかも机の引き出しから万年筆とノートを取り出し、孫の名前を書いては呟きながらニコニコと笑みを浮かべる。無論、開いたページには、沢山の孫の名前がびっしりと埋まっていたりする。―――――――――――――――――――――――――――――――――「な、なにを突然に…?」「いやな、昨日俺が霞に『あ~ん』をされた時の気持ちを委員長にもわかって貰おうと思ってな……。」「だからって…「いやぁ~…昨日は痛かったなぁ……トイレに連れ込まれてボコボコに…」…わかったわよ、わかったからそれ以上は止めて頂戴。」フォークに絡めたパスタをずいっと千鶴の口元へと運ぶタケル 恥ずかしさ一杯で拒む千鶴だが、昨日の件を弱味とされ、諦めて食べる事になった。勿論、唯依も顔を赤くし、ドキドキしながら見守る。そして――――「あむっ…。」可愛らしく食べる千鶴モグモグと食べながら『………美味しい。』と小さな声で呟く。―――――――――――――――――――――――――――――――――一方……再び日本では――――― ドゴォォォォン!!!『チェリィィィッ!!』『またあの子にチェリーがっ!!』横浜基地のとある場所で、再びチェリー(男)が閃光と共に空へと飛んでいく。勿論、その原因は……。「なんだろう……?やけにタケルちゃんに『ふぁんとむ』を喰らわせたい気持ちなんだけど…。」我等がチャンピオン・純夏の『どりるみるきぃふぁんとむ』が炸裂する。乙女の直感なのか野生の勘なのかはわからないが、タケルの『あ~ん』を千鶴が食べた瞬間、純夏の近くを歩いていたチェリーに『ふぁんとむ』を発動する。ちなみにチェリー(男)はこれで二度目の『ふぁんとむ』である。―――――――――――――――――――――――――――――――――「どうだった、委員長?」「…………………………………スッゴク恥ずかしいわ…。」初めて『あ~ん』を体験する千鶴タケルの気持ちが初めてわかったが、それ以上に唯依を含めた周りのお客や店員にも見られてしまい、小さくなってしまう。「さて、唯依姫…あ~んしようか…。」「はっ?」そして突如強襲されてしまい、唖然とする唯依周りの客や千鶴も硬直してしまう。―――――――――――――――――――――――――――――――――「はっ!?今、唯依ちゃんになにかしらのイベントが起きたような…?」「どうしました、巌谷中佐?」帝都城で巌谷中佐が悠陽に開発状況を報告している最中に、例の如く感じ取った巌谷中佐が反応する。「いや……欧州に居る唯依ちゃんに良い事が起きたような…。」「きっと、タケル様がらみですわ。」「やはり……。これは、帰ってきた時に祝言を挙げた方が…。」「まあ♪唯依さんが義妹になるんですか?私も応援致しますわ♪」「唯依ちゃん………頑張れっ☆」悠陽も唯依を嫁側に引き込もうと協力する姿勢を見せ、巌谷中佐も『遂に唯依ちゃんの孫を抱ける日が近づいたな…』と感激していた…。―――――――――――――――――――――――――――――――――「し、白銀大尉…これは一体…?」「いやね、一人だけ安全地帯に居る唯依姫をこっちに引き込もうと…。」「引き込まないで下さいっ!!」唯依を巻き込もうとするタケルに怒鳴る唯依しかし、何故か千鶴がニコニコと笑顔で唯依の背後に回って両肩を掴む(逃走防止に)「さ、榊さん…一体…?」「私達…親友よね?なら、篁さんもあ~ん♪」「ええっ!?」……つまり、『私達親友なんだから、一緒に恥ずかしくなりましょう。ニゲルノハダメヨ?』と答えてる千鶴自分だけ恥ずかしい想いをする事に納得しないのか、親友を巻き込もうとする。唯依、仲間がいない為涙を流す。そして、諦めてパクっとタケルのあ~んを受け入れると――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ダンダンダンッ!!「ウフフ……何故かしら?理由はわからないけど、心の底から殺意が沸き上がってくる…。」「し……慎二ィィィィッ!!!?」「次の獲物は……鳴海中尉か………?」「いやいや、ちょっと待てクリスカ!?俺は別に何も悪い事はしてないぞっ!?」「チッ…実弾じゃないのが残念だけど…………………ゴム弾だから、幾ら当てても大丈夫よね…?」「殺す気っ!?あと、ゴム弾でも当たり所悪かったら逝くからっ!?」「ウフフ…さぁ……私を楽しませて……☆」「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」殺意のオーラを纏うクリスカ携帯していた拳銃で慎二を射つ(外れてはいるが、クリスカの恐怖で気絶する。)近づいて来た孝之をターゲットにして、パッキュンパッキュン乱射する。――――勿論、助ける人は誰も居ませんが?巻き込まれますからね♪―――――――――――――――――――――――――――――――――「………恥ずかしかったわ…。」「…………………………」「少しは気持ちわかったか?」レストランから出て基地へと歩むタケル達千鶴と唯依は顔を下に向けながら赤くする。 「まあ、二人共済まんな。けど、たまにはこういうのも良いだろ?」「…私達に恥ずかしがる事かしら?」「違う違う、『息を抜く』って意味だよ。」タケルの言葉に反応し、不思議そうな顔をする二人「いや、二人ってさ『似た者同士』だから、良い所も悪い所も共通してるんだ。悪い所は、一度失敗すると、他の人達以上に落ち込み、自分を責めて、悪循環にズルズルと入り込む癖がある。委員長は、自暴自棄になったり、他人に強く当たったりするだろ?篁は失敗した跡に自分を責めるような反省癖がある。長所の『真面目さ』が時に悪い方向に向かって、ズルズルと深みに嵌まっていく感じになるんだ。」タケルに言われ、表情を暗くする二人わかってはいるのだが、中々直らない癖な為、長年悩んでいた。「だからさ、常に…とは言わないから、息を抜く事をしよう。悩んでたら、仲間や親しい人に相談する事。失敗したならば、次に繋げれるようにする事。少しずつで良いから息を抜いて皆を頼ってくれ。」タケルの言葉に『そうね…』と賛同する千鶴唯依も賛同し、首を縦に振る。そして基地へ着くと――――――「おかえり。随分と楽しいデートだったらしいわね…?」何故か暗黒のオーラをゴゴゴ…と放出する嫁達&慧・美琴・壬姫が待ち構えていた。「いや、眼鏡を作って買い物して飯食っただけだけど…。」「知ってる…レストランでは、タケルが榊や篁中尉に『あ~ん』までしたそうだな。」「何故それをっ!!」素直に、そして簡単に説明するタケルだが、予想外にも、冥夜の口から驚きの言葉が出た。「何故皆さんがその事を……?」『「それは我々がストーカーしたからだよ。」』「ララーシュタイン大尉に……………眼鏡屋の店長!?」なんとも奇妙なポーズを取りながら登場するララーシュタイン大尉と眼鏡屋の店長……ドイツの紳士はこんな奴等がデフォなのか?「な……何故店長が…?」「実はね、彼はかつて私の同僚なのだよ。」「「「え、ええぇぇぇっ!?」」」予想外の展開に驚くタケル達三人ララーシュタイン大尉は自慢のヒゲをピョンピョンいぢりながら説明する。「数年前迄は現役の大尉だったのだが、戦闘で酷い重傷を負い、引退したのだよ。だが、丁度親が経営していた眼鏡屋を継ぐ事になって、現在は眼鏡屋の店長に落ち着いたのだよ。」「偶々お客様の応援致そうとストーキングをしていると、ララーシュタイン様に遭遇しまして…その際に一緒に陰ながら応援してました。」「ちなみに君達が頼んだパスタやサラダは、私か心を込めて増量しておいた。」「アンタの仕業かっ!!」予想外の展開にオドオドするタケル達三人「あの時はレディ達がシロガネ大尉に『あ~ん』をするかと増量したのだが……まさかシロガネ大尉の方からするとは………。」『流石です、お客様。』「流石ですじゃねぇぇぇぇぇっ!!」店長の言葉に反応して吠えるタケルだが…… 「まっ、それはさておき。」「どうやらタケルさんは今日も『OHANASHI』をしたいみたいですしぃ~。」「今日も…れっつ…ごー…。」「突撃っ!!」冥夜・慧・壬姫・美琴が例の如くタケルを拘束し、トイレへとダッシュする。――――――――しかし、今日はそれだけでは終わらなかった。「さて…榊…そして篁。私達と一緒に『OHANASHI』しようじゃないか。」「まりも大尉っ!?それに真耶大尉までっ!?」千鶴・唯依にはまりも・真耶ががっちりと拘束し、まるで某宇宙人のように連れて行かれる。「羨ま…けしからん奴だ。人前であーんをするとは…。」「(私だって…された事がないんだからねっ!!)」幾ら嫁とはいえ、羨ましい事には変わりはない。うっかり本音を出しそうになった真耶と小さな声で本音を呟く。「天誅っ!!」「『ぐはっ!!』」「貴様等が邪魔しなければ…いい雰囲気だったものの…。」千鶴を影で護衛していた静が、怒りの天誅とばかりに背後から短刀一閃でヤッちまう。………まあ…こういう奴に限って死なないので、皆さんスルーの方向に移行。素晴らしいチームプレーである。そして、十数分間、誰かの悲鳴がドーバー基地中に響いたそうな……。