「イグニス36(まりも)からイグニス39・40・43・44(正樹・まりか・美琴・壬姫)これより我々は要撃級・戦車級を殲滅する。要塞級は無視して構わん、他の部隊に任せろっ!!」「「「「了解ッ!!」」」」まりもが率いる第三小隊が要撃級・戦車級を重点的に攻撃を開始する。タマ・まりかは要撃級を、正樹と美琴は戦車級に殲滅対象に選び、まりもは指揮をとりながら、前線でBETAを殲滅する。まりもの圧倒的な強さにBETA達は屍を増やし、その後方で支援する正樹や美琴達ですら、その強さに息を飲む。蒼き戦術機――天狼が欧州の大地を駆け抜け、巣食う外敵・BETAの命を刈り取る。「ハアァァァッ!!」特殊短刀を装備し、地表面滑走で一瞬要撃級の懐に入ると同時に切り裂き、離脱する。群れで攻めてくる戦車級には『リヴァイヴ・ボックス』に搭載されてるキャニスター弾と突撃砲を使い、殲滅する。すると、そのまりもの横に紅き戦術機が並ぶ「素晴らしい腕前ですな、ミス・マリモ。まさに『フェンリル』の名に相応しい戦いぶりだ。」「お褒めの言葉、感謝します。『音速の男爵』に評価して貰えるなんて思ってませんでした。」「何を言う。貴女の実力は我々『七英雄』をも凌ぐとも劣らないモノだ。」ララーシュタイン大尉自らがまりもの実力を認める。その表情はまるで子供のように笑顔で答える。「ローテ1から第二中隊機へ。―――今度は我々の出番である。極東の英雄達に我々地獄の番人達の実力を見せつけてやれ。」「「「了解ッ!!」」」ララーシュタイン大尉率いる第二中隊・ロート中隊が号令と共に荒れ狂う。「オラオラァァァッ!!下級生物共がぁぁっ!!この地球上にお前等が住み着いて良い場所なんて、一ヵ所もねぇんだよっ!!」「フン、どうした?今日は一段と鈍く見えるぞ。」ブラウアー少尉とブリギッテ中尉が道を作る為に突撃砲が火を吹く。ブリギッテ中尉は地表面滑走を上手く使い、BETAの攻撃を回避しながら、接近戦闘や射撃を使い分けながら次々と撃破していく。「オラァッ!!タケル直伝のアクロバットの味はどうだ?」XM3を大隊一使いこなすブラウアー少尉も、タケルや冥夜程ではないが、覚えたてのアクロバットを披露する。倒立反転で回避しつつ、空中で地上にいるBETAめがけて四門同時掃射。着地と同時に背部のガンマウントを移動し、後方のBETAに射撃しながら、前方・右側のBETAを滑空砲で掃射する。「ヘルガ、道を作るわっ。ルナはヘルガのサポートお願いっ!!」「了解ッ!!」「任されましたわ。」イルフリーデの通信に賛同し、突撃するヘルガローゼそのすぐ後ろには援護としてルナテレジアが着いていき、更に後ろでは高速機動&長距離射撃をするイルフリーデが援護射撃をする。「うおぉぉぉぉぉっ!!」ハルバートで次々と切り裂くヘルガローゼ高速機動での突撃を繰り出しながらも、BETAの攻撃を紙一重に回避し、同時に斬撃を入れて撃破する。「邪魔ですわ、おどきなさいっ!!」普段のほほんとした雰囲気と違い、迫力のある台詞を吐きながらBETAを排除するルナテレジア彼女が操る突撃砲が要撃級の命を刈り取り、前方で戦うヘルガローゼの道を作る。「このっ!!このっ!!二人の邪魔するんじゃないわよっ!!」遥か後方から援護射撃をするイルフリーデヘルガローゼやルナテレジアの周囲のBETAを中隊支援砲で撃破する。―――――――――――――――――――――――――――――――――「………凄いです。イルフィさん、あんな高機動を操りながら遠距離射撃を決めるなんて…。」「そういえば、イルフリーデさんって、最初は突撃前衛を候補してたって話を聞いた事ある。」イルフリーデの実力を知り、驚愕と共にただ、その姿を焼き付ける壬姫とまりか。狙撃には自信がある壬姫様々なポジションや役割を十全にこなせるまりかしかし、イルフリーデの実力を見て、『砲撃支援』というポジションに対し、敗北感を感じる。確かに『狙撃力』でいえば壬姫だろう。恐らくその才能で言えば世界クラス。様々なポジションをこなせる『器用さ』でいうなれば、確かにまりかだろう。恐らく、あの『涼宮茜』すら超える程の才能だろう。しかし――実戦での『戦力』としていうなれば、二人はイルフリーデには現段階では負けている。別に一番でなくても良い――別に様々なポジションに着けなくても良い――必要なのは、戦場で生き抜く力。そして、仲間を守り、支える事が出来る力。それを―――イルフリーデは持っていた。そしてイルフリーデは高機動&長距離射撃だけではない。敵が何処に移動するか、何処に現れるかまるで『未来予知』と勘違いしてしまう程の『感覚』―――つまり、勘の良さである。そのお陰でイルフリーデは部隊一の命中率を誇る衛士となり、皮肉にもそのせいで突撃前衛になれなかったのである。例え、機動特性のチートであるタケルが真似をしても、同じ結果にはなる事は無い。もし、イルフリーデを超える砲撃支援を探すならば――強襲掃討でありながら、殆どのポジションをこなせてしまうチートママ・白銀楓しかいないだろう…。銃撃戦限定ならば、楓無双状態だからである。「……負けられないね。」「ウン……そうだね。」イルフリーデを見て闘志を燃やす壬姫とまりか気持ちを切り替えてBETA掃討に集中する。―――――――――――――――――――――――――――――――――「いけぇぇっ!!」美琴が群がる戦車級相手に支援突撃砲のような武器を使用する。使用する武器は新開発した『試型00式拡散型電磁砲』例の如く、香月博士の発明品だ。通常ならば、弾薬庫を背負って使用するが、今回は超小型化に成功。背負う大きさもサンダーボルトが肩部に装着している弾薬庫一個分とほぼ同じ大きさだ。弾数は百発程度限定だか、散弾故に一発の殺傷範囲は折り紙付きだ。今回はリロードする弾薬庫も予備の冷却装置も無いため、使いきったらパージして棄てる以外選択肢は無い。一応弾薬庫も切り離しは出来るが、ガンマウントが二つ着いている為、これだけは残さないと駄目だか。しかし――その成果は予想以上。電気を纏いし拡散されていく弾丸は、小型種は勿論、要撃級、そしてあの強固な外殻を纏う突撃級ですら、肉片を撒き散らし、肉塊と化す。「………凄いや…。」「……相変わらず、なんでもアリだな、あの人は…。」使用した美琴は勿論、美琴の護衛に回っていた正樹ですら圧倒する威力。ただ一発。しかしその一発で大勢のBETAを殲滅する。「……オイ。オイオイオイオイッ!!そ、そりゃ…一体なんなんだよっ!?」「一発でBETAが大量に倒すとは…。」「ミコトッ!!その武器なんなのっ!?」拡散型電磁砲の一撃を見て驚愕するブラウアー・ブリギッテ・イルフリーデの三人勿論、他のメンバーもその威力に絶句していた。「これは『試型00式拡散型電磁砲』って言って…香月博士が考案した新兵器なんだ。」「「「電磁投射砲ッ!!?」」」「ウン。けど、これはまだ試作品だから、今回戦闘があった場合、テストを含めて使ってくれって頼まれたんだ。」拡散型電磁砲の話を聞き、絶句する一同。―――遥か極東の地では我々の想像を超える開発をされているのか?XM3といい、拡散型電磁砲といい、とんでもない開発を見せつけられて戸惑いだすツェルベルス大隊のメンバー達。そして―――これこそが香月博士の狙いの一つだったりする。(………これで良いんだよね?)少し不安そうな表情をみせる美琴実は今回欧州に渡る際、香月博士から『任務』を受けていた。―――――――――――――――――――――――――――――――――『戦闘があった場合、拡散型電磁砲を必ず使いなさい。勿論、欧州の衛士達の目の前でド派手に見せつけて良いわよ。』『良いんですか?普通こういうのって機密なんじゃないんですか?』『普通はね。けど、コイツの威力を見せつけてやれば、間違い無く欧州の連中は尻尾を振って食い付いてくるわ。…そうすれば、XM3と一緒に色んな交渉材料にもなるし、上手く使えば『こちら側の味方』に引き込む事だって出来るわ。』『うわぁ~…。やっぱり香月先生は何処にいても香月先生ですねぇ~…。』『…アンタ、相変わらず良い度胸よね…。』美琴の態度を見て、ちょっとカチンと来る香月博士しかし、『鎧衣だしねぇ……。』と無駄と考え、気持ちを切り替える。……まあ、美琴の言う事も当然の事なので言い返せれないのも、あったりする。―――――――――――――――――――――――――――――――――「ヨシ、これならイケる。イグニス43(美琴)からイグニス39(正樹)へ。これから拡散型電磁砲で暴れるから、護衛よろしく。あと、当たらないように気をつけてねぇ~☆」「イグニス39了解。なるべく当たらないように後方から援護するよ。……だから、フレンドリーファイヤだけはやめてくれよ?」「そういえば、前にタケルにフレンドリーファイヤした事あったっけ?」「ええっ!?白銀大尉をっ!?………本当に、切実にお願いします。」ビクビクと戦術機ごと震えながらお願いする正樹恩師・タケルすらフレンドリーファイヤさせる実力(?)と知り、本気で怯える正樹だが………当の美琴はいつものように笑顔で笑っているもんだから、恐怖度は二割増し状態になる。「ツェルベルス1からジェネラル1・イグニス1へイグニス43を護衛しつつ、BETA共を殲滅する。今、この場を無事に切り抜ける最良の方法は、彼女の持つ兵器を上手く使い、殲滅する事。そして反対側で戦うそちらと挟撃するように戦えば一気に好転する。…宜しいかな?」「イグニス1了解。一気に片付けましょう。」「こちらも構わん。」アイヒベルガー少佐が美琴を護衛しつつ、雷電達と挟撃する事を提案する。椿も作戦に賛同し、雷電も笑みを見せながら了承の返答を答える。「ガッハッハッ!!紅蓮・神野よ、これより我々は婿殿達と挟撃を開始する。まだ我等が若者達に負けない事を証明しようではないかっ!!」「「おうよっ!!」」雷電の号令と共に高々と声を上げる紅蓮・神野その嵐のような暴力でBETAを肉塊と化す。「どけどけぇぇぇぇぇぇいっ!!」「我等の道を途絶すではないっ!!」雷電の前で守護する二人の鬼神己の相棒たる獲物で敵を切り裂く。紅蓮の振るう大太刀が神野が払う薙刀がBETAという屍の道を作り、主たる雷電がこれを通る。「いくぞ、紅蓮・神野よっ!!若者達の未来の為にも、老兵たる我等の命を燃やそうぞっ!!」鈍重たる戦斧を振るい、邪魔する敵を殲滅する雷電だった……。―――――――――――――――――――――――――――――――――『凄い……これが極東の力なのか…?』タケル達の奮戦を海から見守る艦長。予想以上の成果を上げている為、呆然とした表情が浮かび上がっていた。『……これは…?』『どうした?』『……どうやら現在、戦術機甲部隊達から3000離れた位置から謎の振動をキャッチ致しました。』『謎の振動だと?』 CPからの情報に不安を覚える艦長『現在低速で進行を続け、約20分後にはツェルベルス大隊と帝国斯衛軍と接触が予想されます。』『……そうか。ツェルベルス大隊及び、帝国斯衛軍に通達。謎の振動が進行中、警戒するように伝えておけっ!!』『了解!!CPからツェルベルス及び帝国斯衛軍――――――』艦長命令に従い、通信を入れるCPその後ろで艦長が不安が高鳴るように心臓の心拍数が速くなる。『これは一体なんだというのだ……?』見守る事しが出来ない艦長今は戦場で戦う衛士達の命運を祈るだけだった…。