「ハァ…なんでまたこんな事になるのかな…」溜め息を吐きながら、更衣室で斯衛軍の強化装備(黒)を装備するタケル 「…まあ、先生から色々話も聞けたし…良しとするか…」香月博士から色々な話を教えて貰ったまずは『鑑純夏』の処遇 現在鑑純夏を監視をしながら保護していた香月博士この世界の白銀武もそうだったが、今日白銀武の姿が消えたと聞いた時は焦ったらしいが、先程『ループした白銀武』に再会して納得したらしい(どうやら『この世界の白銀武』と『ループした白銀武』が同化したのが原因らしい)鑑純夏については、ループする以前から『人間として生きた状態で00ユニット』として起動出来るかを研究してたらしい ループしてからも研究を続け、合計20年以上の歳月の結果、『可能』になった 現在、強化装備にも似た装備を00ユニットの適合者が着用する事で『00ユニット』として起動出来るように着々と進んでるらしい それを教えてくれた時に香月博士が--『鑑純夏を幸せにしたいんでしょ?アンタには『二度目の世界』でオルタネイティヴ4の完遂やオリジナルハイヴを攻略してもらったからね…その『ご褒美』よ』香月博士なりの『優しさ』それを受けたタケルは香月博士の手を握り、涙を流しながら感謝した 「ホンット…先生には適わないな…」思い出して、思わず再び泣きそうになったが、堪えるタケル 心の底から香月博士に感謝していた 次に光州作戦に参加したA-01連隊の事現在、連隊の数はやはり減っている状態だが、少なくとも『二個中隊』は健在してるらしい まずは、タケルも知っている『ヴァルキリーズ』現在は8名と少ないが、伊隅大尉を隊長として健在らしい次に『オーディン隊』メンバーこそ4名少ないが、実は連隊の中で一番強い中隊だったらしいが、厳しい特殊任務や戦闘で減り続け、結果『二度目の世界』では『明星作戦』のG弾で全員死亡したらしいメンバーの補強も考えたが、単に人数を揃えるだけでは駄目なため、徐々に減っていく状態だったらしい だがーー95年、『霞』を貰う際、他の『第三計画』のメンバーを追加したらしい 香月博士の言う事によると---『アンタ、『紅の姉妹』スカーレット・ツインって聞いた事ある?実はね、『二度目の世界』で凄腕の衛士の噂が流れててね~…実は霞と同じ『第三計画』の奴らでね…リーディングしながら邪魔な『敵』を始末する『死神』みたいな事させられてたの…それで、過去にループした私は、霞の他にこの『紅の姉妹』スカーレット・ツインも引き抜いたのよ…勿論あの手この手使ってね…あっ、この子達は光州作戦には参加してないわ今頃基地で訓練しながらお留守番してるわよ---って白銀…アンタ何震えているのよ?』『あの手この手』と言っていた時の香月博士の表情を見て思わず恐怖して、部屋の隅っこでガクガクブルブルと震えていたタケル余りにも素敵な『笑顔』で黒いオーラを放っていたのだ… タケルじゃなくても、泣きながら逃げる事は間違いない「…あん時の先生の笑顔…怖がったなぁ…」ブルブルと震えながら更衣室から出るタケル「さて…と…頑張りますか…」カツカツと足音を響かせながらシミュレーターデッキの中に入り、シミュレーター訓練の準備をする 「先生、準備完了です何時でも良いですよ」『そう、わかったわ月詠中尉も準備完了してるし…始めるわよ』「ハイ!!」『了解』タケルと真耶中尉の返答を聞いてからシミュレーター訓練を開始する 「…ステージは…市街地か…機体は…斯衛軍だけあって瑞鶴か…」辺りにはビルなどの建物が沢山ある市街地に設定されたステージ 機体も乗った事の無い瑞鶴での搭乗に少しぎこちなさを感じるタケル (仕方ないか…吹雪や不知火に慣れすぎてるせいもあるな…)この辺は『慣れるしかない』と気持ちを切り替えるタケル そして---離れた場所の真耶中尉は--- 「天才衛士…か…その実力…見せて貰うぞ…白銀!!」鋭い眼をしながら、冷静にタケルの動きを待つ真耶中尉 すると----「むっ…来たな…」前方にタケルの機体を発見長刀を装備し、待ち構える真耶中尉「奇妙な動きだな…連続噴射跳躍だと…!?」姿を現したタケルは、目の前のビルを連続噴射跳躍でビルの屋上に登り、屋上を左右に移動するように噴射跳躍を繰り返す 「何を誘ってる…?」まるで『撃って来い』と挑発するように噴射跳躍を繰り返しながら接近するタケル 「…良いだろう…お望み通りに蜂の巣にしてやる」武器を長刀から突撃砲に変え、挑発するタケルを狙撃する 「来たっ!!」『待ってました』とばかりに、屋上からの移動を止めて、地上に降りて匍匐飛行で接近するタケル 「フン、それがどうしたっ!!」地上に降りたタケルを狙撃する真耶中尉しかし----この時、真耶中尉を始めとして、モニターで眺めてる斉御司大佐と悠陽殿下は驚愕する!! 『『なっ!!?』』「なん…だと…!?」狙撃した弾丸を横へ回避し、ビルを蹴り上げて、『倒立反転』しながら突撃砲で反撃するタケルそのあと、着地と同時にしゃがみながら左右に水平噴射跳躍で移動しながら接近して来る!!「クッ…なんだこの動きは…!?」タケルの突撃砲の弾を回避しながら長刀に再び切り替える真耶中尉タケルの機動に戸惑いながらも斬り込む!! 「喰らうかっ!!」再び噴射跳躍で攻撃を回避するタケル再び倒立反転しながら背後から攻撃をする時に 「させるかっ!!」倒立反撃している最中に斬撃を入れる真耶中尉普通ならば、これで『勝負あり』だが--- 「おっと危ない」「なーーーーーっ!?」反転途中からの回避噴射跳躍で方向転換し、斬撃した長刀の峰部分に手を当てて回避する 回避した後突撃砲で狙撃し、真耶中尉との間合いを少し離し、タケルも長刀に切り替えると同時に再び噴射跳躍でビルを利用した三角飛びをして、真耶中尉に斬り込む!! 「グゥ…!?なんだ…この動きは…!?」全てがデタラメ---自分が見た事も体験した事も無い事を、白銀武は平然としてやっている 本当に同じ機体かと思う程、動きが違う 正に『翼』を得た状態になり、タケルの瑞鶴はアクロバットを繰り返しながら、真耶中尉の瑞鶴を追い込む 「----惑わされるな、真耶」しかし真耶中尉も黙ってはいない静かに動きを見ながら…ただ、ジッと長刀を構える… 確かに凄い機動だ…それは認めよう。だが、攻撃する術は同じ狙撃さえ、気をつければ、接近戦は我に勝機有り我が間合いに飛び込めば、一閃の下に斬り裂くのみ「やべっ…」タケルも真耶中尉の行動に気づき、警戒する今、真耶中尉の居る場所は、交差点のかなり広い場所で周りに目立った障害物は無いそれは、タケルの『変態機動(後に夕呼が命名)』が制限され、尚且つ狙撃に関しても、回避し易い場所 皮肉にも、『狙われ易い』広場が『回避し易い』場所に姿を変える本来ならば、建物の影から狙撃という手もあったが、今回は『XM3の有効性』も見せる意味もある為、却下大体にして、タケルの性格上その戦闘方法は無い 仕留めるならば、接近戦がアクロバットをしながらの狙撃かのどちらかしかし、タケルの取った手段は---- 「ウオォォォッ!!」「ほう…接近戦か…良い覚悟だ…」長刀を装備しながらの接近戦を選んだタケル真耶中尉もタケルの攻撃に備えて『居合い』の構えをしながら集中する 「ハァァァッ!!」「フンッ!!」タケルが攻撃をする直前---真耶中尉の一閃がタケルの瑞鶴の胴を斬り裂かんと放たれていた「やべぇっ!!」咄嗟に回避行動に切り替えるタケル真耶中尉の一閃の『下』を潜り抜けるように機体を倒して回避するが、その際、タケルの長刀が弾かれて、飛ばされる 「負けるかよっ!!」「何っ!?」タケルは長刀を弾かれると同時に、収納していた短刀を取り出して、斬撃を放っていた右腕を斬り込む!!「チィッ!!」「うわっ!?」しかし、右腕を切り落とされる寸前で、強引に蹴りを放ち、タケルを弾いた長刀の方へと蹴り飛ばす 「やるな…今のは危なかったぞ…」「いたた…あ~あ…背中の担架が壊れたか…」先程の蹴りでタケル機体の担架が破壊されるそれと同時に突撃砲も一緒に失う タケルに残された武器は、先程弾かれた長刀が運良くそばに有った為回収短刀は残り一本先程の短刀は蹴られた際に落としてしまった (さて…どうする…)攻撃する手段は接近戦のみしか許されてない (接近戦か……………待てよ?)この時、タケルにある『奇策』が浮かんできた 「よぉし…この手で行こうか…」フッフッフッ…と少し黒くなるタケル不気味な笑みを浮かべてレバーを倒し、突撃する 「玉砕覚悟か…?」最早勝負は見えたと判断する真耶中尉は再び居合いの構えをとる 「ウオォォォッ!!」再び長刀を構えながら突撃するタケル 「…喰らえ!!」そして、再び放たれる居合いの一閃---!!「ターーックル!!!」「はっ…?うわあぁぁぁっ!!?」突然の奇襲攻撃真耶中尉の居合いの一閃を長刀でガードし、その隙を突いて、柔道で言う『双手刈り』をして真耶機を背中から転倒させる!! 「フッフッフッ…長刀を離しましたね…?」「しっ、しまった!?」「転倒の際に『受け身』をとりますからね~♪もう…怖い居合い斬りは出来ませんよ…?」ズルズルと引きずりながら後退して長刀から離れるタケルしかも、オープンチャンネルで通信しながら恐怖心を煽るそして--- 「チィィタァァァ……ボム!!!」「キャアァァァッ!!!!」何を思ったか、真耶機にプロレス技の『パワーボム』を炸裂させるその際、真耶機の担架と頭部を破損させる タケルの案---それは、『元の世界』でやりこんでいたゲーム…『銅拳3』を思い出した事そして、使い手のひとつである『チーターマスクマン』を思い出し、プロレス技で奇襲攻撃しようと考えたのだ この世界の者ならば…まさか戦術機でプロレス技をしようと思う奴は…彩峰慧以外には居ないだろう…正に『常識』を打ち破った行動に真耶中尉は虚を突かれ、奇襲攻撃は成功する!! 「さぁ~て…トドメだっ!!」「やめろ、貴様…うわあぁぁぁっ!!!」真耶機の背中に回り込んで、腰を抱えるように持ち----「フィニッシュッ!!!」「ガハッ!!!」見事な『バックドロップ』を決めるタケル頭部は愚か、胸部もかなり潰れる判定を貰い戦闘不能になる真耶機 「…えーと…?」「………うーん…これは…」「アッハッハッハッハッ♪さ…流石は白銀…ね…」あまりの出来事に困惑する悠陽殿下なんともビミョーな決着で表現が出来ないで困っている斉御司大佐お腹を抱えながら爆笑する香月博士後に真耶中尉が『貴様………私に無様な敗北を…許せんっ!!』とブチ切られ、お仕置きにタケルをマウンドポジションにとり、愛のベア攻撃にフルボッコされるのだった…