タケル達は車で純夏や白銀影行夫妻を基地まで入構し、基地内で別れる。その際、基地内の廊下をタケル・真耶・沙耶の三人で歩いていると、なにやら騒がしかった。 「随分と騒がしいな…」「…というより、騒ぎの原因は…私達のようだな?」「ハハハ…どうせ『一夫多妻制』の件でしょう…ハァ…」騒ぎの原因---擦れ違うたんびに、視線を此方に向け、ガヤガヤと騒ぐ事に気付く。タケルは『一夫多妻制』の件だと予想し、納得する真耶・沙耶だが… 「しかし、おかしいな…」「どうしました、沙耶さん?」「一夫多妻制の件ならば、女性は…わかるとして、男性までがタケルに好意的な視線を送るのはおかしい。寧ろ、タケルに殺意の視線を送るのが当然では?」「そういえば…」ふと違和感に気付く沙耶その内容に『そういえば…』と納得する 「あら、夫婦揃って今来たの?」「おはようございます、タケルさん、真耶大尉・沙耶大尉。」「先生に駿…?珍しい組み合わせっすね。」すると前方に香月博士と駿がタケル達と出会う。「別に特別な事じゃないわよ新婚アツアツの白銀『夫妻』を探してた時に、五十嵐少尉に話しかけてただけよ。」なるほどと納得するタケル達。そして、二人にこの騒ぎの事を聞く。「この騒ぎは一体何なんですか?『一夫多妻制』の件とは思ってましたけど…?」「勿論それもあるわ。けど他にも理由があるのよ」「大半がタケルさんにありますからね~♪」「オレ?何なんだ駿、その理由って?」タケル達の反応を見て、呆れるように溜め息をする香月博士 「アンタ…あれだけ暴れまわって活躍した癖に…この騒ぎの大半の理由はね、『本土侵攻戦』の時にアンタが京都防衛線で活躍したのが原因なのよ。」「今、基地内では有名ですよ?タケルさんの事『白銀の守護者』って呼び名で呼ばれてるんですよ~?」「し、白銀の守護者ぁぁ?先生ぇ…また変な噂流して…」「今回は私じゃないわよ?勿論殿下でも紅蓮大将達でも無いわこの噂を流したのは、京都防衛線に参加してた衛士達が流したのよ。」騒ぎの理由がタケルに有り、『白銀の守護者』と呼ばれてた事に驚くタケル。最初はまた香月博士の仕業かと思ったが、真実は現場の衛士達にあった。 「しょうがないですよ~。光線級のレーザー照射を全て回避しながら、大空を飛ぶ、白銀色の不知火・改そして要塞級を単騎で挑み、京都防衛戦だけで合計60体以上撃破し、大型種(要塞・要撃・重光線・突撃級)だけでも合計3000体にも届いた凄腕衛士が、タケルさんだと知られたんですから。」「それで、尊敬の意味を込めて『白銀の守護者』って呼び名が付いた訳よ。」「たはぁ~……なんか凄く恥ずかしい気がしてきた。」騒ぎの原因を知り、だんだん恥ずかしい気持ちになってきたタケル男性までがタケルに好意的な視線で見てた理由をわかり、納得する。 「みんなタケルさんに『憧れ』たり、『尊敬』してるんですよ…そんな事で、最近はタケルさんとエレメントを組んでる事で、ちょっとした自慢出来てるんです♪」「そして、『英雄、色を好む』って言葉が有るように、『一夫多妻制』の件も加わり、話題になってるって訳よ。」「……それはアンタのせいでしょうが…」香月博士の一言で、恥ずかしさが一気に消えて、テンションが落ちるタケル。そして、香月博士と駿と共に廊下を進み、大きな会議室に入る「伊隅、『碓氷』、待たせたわね。」会議室に入ると、椿達第17大隊・斑鳩達第16大隊と国連軍オルタネイティヴ第4計画特殊部隊のA-01が居た。 その中には、紅蓮大将・巌谷中佐も参加していた「ホラ、白銀達も席に着きなさいブリーフィングを始めるわよ。」「あ、ハイ」席に着き、タケル達の前方には、香月博士・紅蓮大将・巌谷中佐が立っていたそして香月博士がタケル達に語ってくる 「今日はこの会議室に集まったのは他でも無いわ。今回のBETAによる本土侵攻戦で日本は2つのハイヴを建設されてしまったわ。そして、多くの同朋達を失い、戦う術も半分も奪われる結果になった…けど、私達は黙って指をくわえて待ってる訳には行かない…そして、先日私は国連軍司令部に『横浜ハイヴ攻略作戦』を提案したわ。そして国連軍司令部は即時承認し、大東亜連合・そして帝国軍との大規模反攻作戦を打診したわそして、帝国軍の方は政威大将軍・煌武院悠陽殿下の承認を貰い、帝国軍及び斯衛軍の参加が決まったわ。」香月博士の説明を受けて、会議室にいる全衛士達に衝撃が襲う!! 「大東亜連合の返答はまだだけど、恐らくは参加する筈よ。其処で今回の作戦『明星作戦』は此処に居る全ての部隊がハイヴ内突入部隊に決定したわそして、他の帝国軍や大東亜連合、そして国連軍が外で制圧を目的で戦うわ。そして、横浜ハイヴを落とし、攻略に成功したら、そのまま本州奪還を目的とした、大反攻作戦に移るわ。その際、防衛に成功した、京都・四国を利用して一気に叩くわ!!」大規模な作戦に開いた口が塞がらないタケル達。その時、第16大隊の一人が質問する。 『スミマセン、質問…良いでしょうか?』「良いわよ、何?」『作戦の内容はわかりました…けど、ハイヴ突入する際…本当に我々の部隊や第17大隊も参加するのでしょうか…?我々の第16大隊や椿様達居る第17大隊は、五摂家の方々が居ます。特に、我々の部隊の伊織様や隼人様は斑鳩家と崇宰家の現当主第17大隊には、斉御司家と九條家の次期当主の椿様や政弘様、そして隼人様の弟君の孝志様まで居ます…特に、崇宰家に関しては、隼人様や孝志様のお二人が万が一にも失ってしまっては、五摂家の一角である、崇宰家が事実上無くなってしまいます……幾らなんでも、これは拙いのでは…?』会議室に居る全衛士達が、今の意見に同意する。すると、香月博士の口から驚きの言葉が出た。「そうね、けどその問題に関しては、殿下や五摂家の現当主達が集まって話し合った結果、全員賛同した結果なのだから、今回の話は第16大隊の大隊長と副隊長の伊織様や隼人様は全て知ってる事なのよ。」『そ、そんな…!?』「それにね、その問題を解決するには、『全員生還』すれば良い事なのよ。だから、精鋭中の精鋭の部隊を集めて話したのよ今回の『本土侵攻戦』の戦いを見て、選ばれた部隊ウチの国連軍は別としても、少なくとも、第16大隊と第17大隊は、斯衛軍の『最強の一角』の部隊だと、私は確信して言うわ。」香月博士の言葉に沈黙するしか無い衛士達そして、香月博士が一旦下がると、紅蓮大将が代わりに説明する。 「とはいえ、今の戦力では作戦に成功する事は出来ない。それ故に、今作戦『明星作戦』は来年の夏頃を予定してる。そして、今作戦には、ワシ・紅蓮醍三郎と、帝国陸軍中佐の巌谷榮二中佐も参加する事が決まった。」『『『なっ!!!』』』「ワシはハイヴ突入部隊に入り、五摂家の方々を護衛する事になっておる。そして巌谷中佐は、外での制圧部隊に入り、指揮を執る事になった。」『紅蓮大将が参加するだって…!?』『すげぇ…』武人・紅蓮大将の参加を聞いて、一気に士気が上がる「それに…ホレ、今噂の『白銀の守護者』で有名な白銀中尉も居る。これならば、五摂家の方々の護衛には不満はあるまい?」「おっ、オッサン…」紅蓮大将の言葉に一斉にタケルに注目する衛士達。内心『勘弁してくれよ~…』と呟く。 「まあ、そういう事で、今日より、この部屋に居る斯衛軍・国連軍の合同訓練を取り組む。決戦の日まで、各々の腕を精進せよっ!!」そして、最後に巌谷中佐が今日のスケジュールを伝え、解散の号令を言い放つ。 「大変な事になったな…」「ああ、責任重大な任務だ。」「やるしかない…か…」タケル・政弘・孝志の三人が揃って、シミュレータールームに向かう… そして、強化装備に着替え、シミュレーターに搭乗し、訓練を開始すると---香月博士の顔がニヤニヤと笑っていた…