スピーチ(?)が終わり、次へと進むがタケルと何故か巻き込まれた唯依の羞恥心はめちゃくちゃ高まり唯依に関しては帰りたくても『殿下や恩師や同期の仲間や先任の結婚式』故に逃げたくても逃げれなかった。「…私…帰りたい…」「……頑張って、唯依」「篁さん、ファイト…!!」唯依を支える佳織とまりかしかし内心では『次は自分の番なのかもしれない…』とビクビク怯えてたりする。 「…タケルちゃん…気持ちは分かるけど、今は耐えるしか無いよ?」「なら純夏…オレと変「却下ッ!!」…クスン…。」一番の被害者のタケルはなんとか少し回復し、顔が上がるが、もはやライフ値は0に近い。 純夏に助けを求めるが、セリフを言い切る前に却下され、いぢける。 『続きましては、独身男性達による、新郎に『パイ投げ』を致します。新郎の白銀武様、前へ移動お願い致します。』「へっ?」突然のアナウンスに唖然とするタケルすると、先程ケーキが現れた扉からカート一杯に載せられたパイが二台用意された。 そして客席からワラワラと独身男性達が立ち上がり、腕捲りをして前に集まりだす。 「何故にッ!?」「そんなの当たり前じゃない。独身男性達にとってアンタは『敵』なのよ?嫉妬心悶々とした気持ちを今晴らさなきゃ何時晴らすのよ?」「やっぱりアンタの仕業かっ!!」タケルの首襟を掴んでズルズルと引き摺って前に連れてくる香月博士『あのまんま座ってたら花嫁達も巻き込まれちゃうわよ?』と告げられると、タケルは諦めるようにドナドナと連れてかれる。「………先生、これはなんですか?」「アンタが避けたり逃げたりする予防策よ。これで縛り付ければ、絶対にパイに当たるでしょ?」「………………………………………………………鬼や…」前に貼り付け用にセットされた十字架に楽しそうにタケルをセットする香月博士ルンルン気分でセットする香月博士の背後では、殺ル気満々の独身男性達がパイを片手にまだかまだかと待ち構えてる。 「…って何故孝志さんまでっ!?」「いや、こんなイベント滅多に無いだろ?なら五摂家代表として出なきゃならないだろう?」「待てぇぇぇぃっ!!」突然の孝志参戦に驚くタケル孝志はまるで当然のように腕捲りをしてから、両手にパイ2つを持つ「けどアンタは椿さんが居るだろうにッ!!」「タケル…『独身』って意味はな…『結婚、もしくは籍に入ってない』という意味だ。だから椿と付き合ってても、結婚して籍を入れない限りは、オレも『独身男性』って事になる。」「絶対楽しんでるだろう!!」「無論だっ!!」キュピーン!!と目を光らせて胸を張って言い切る孝志『もう駄目だ…』と諦めるタケルはるーるーと涙する。 『では…独身男性の皆様、順番に投げて下さい!!』「とぉりゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」「ぶへらッ!?」最初は孝志がパイ二投流で(誤字あらず)タケルの顔面に投げつける。 続いて独身男性達がパイを思いっきり投げつける。………何故か顔面以外には股間に当たる命中率が高いのは気のせいにしておこう。 「ホラ、正樹写真を撮りまくりなさいっ!!」「大尉…スミマセン…。」カッパを着たミツコと正樹がパイを投げつける独身男性達やパイをぶつけられるタケルを激写する。勿論ミツコが爽やかな笑みを浮かべて撮ってたのは言うまでも無い。 『さて、オレで最後「私に投げさせて下さい…。」…………どうぞ。』最後に筋肉マッチョな独身男性が投げようとすると、涙を滲ませている唯依が現れ、思わずパイを渡してしまう。 「……白銀大尉…覚悟して下さい…。」「ちょっと待てッ!!お互い被害者ぢゃないかッ!?」「確かに…しかし…この責任は、大尉にもあります。」「何故ッ!?」涙をウルウルと滲ませながら構える唯依タケルは一生懸命説得するが、唯依の耳には届かなかった。 「……もう…私……お嫁にはいけないかもしれません…。」「ちょっと待て!!話し合おうぢゃないか!?」大きく振りかぶる唯依そして---「責任…とって下さいッ!!!」「んがぁぁっ!!!?」何処ぞの大リーグ選手の投手の如くジャイロ回転を描きながら投げられたパイは、見事タケルの顔面にヒットし、そのまま十字架に貼り付けられたまま壁まで吹っ飛び、激突する。『パイをぶつけただけで、壁まで吹っ飛ぶモノなの…?』と独身男性達及び、客席のみんなからツッコミを入れるが、今の悲しんでいる唯依に対して口にする者はいなかった…。それから15分後…パイまみれになったタケルは着替え、顔面についたパイのクリームを落として再び会場に現れるが、疲れ果てた様子を見て、花嫁達も少し同情する。そしてその後しばらくは落ち着きを取り戻し、客席のお客様達もホロ酔い程度に酔っていると、香月博士が良くある花婿と花嫁達の出逢い話をする。勿論悠陽の時みたいな出逢い(ループ)を語る訳にはいかない為、一部脚色している所はある。しかし…そんな出逢い話の中にもやっぱり笑い話があり、純夏の『どりるみるきぃ』で電離層を到達する話や、まりもの『狂犬』でとんでもない事になったりとか、真耶がタケルとシミュレーター訓練で勝負を決めた技がバックドロップだったり等、花嫁達にとっても恥ずかしい話になり、結果お客様達は大爆笑だったりする。 出逢い話が終わると、香月博士はチラリとタケルと視線を合わせ、ニヤリと笑う。 「…嫌な予感がする。」「私もそんな気がするわ…ハァ…もう終盤だというのに…。」香月博士の怪し過ぎる笑みにタケルとまりもは反応する。次は一体何が起きるのかと、ビクビクしていると---事態は起きた。最初は有名な交響楽団などで音楽を演奏していて、内心ホッと一安心するタケル達すると演奏が終わると---- 「続きましては、煌武院雷電様・榊是親様・巌谷榮二様・鎧衣左近様・紅蓮醍三郎様の五人によるお祝いの歌を贈りだいと思います。」「「「「ハッ?」」」」突然の事に唖然とするタケル達勿論会場のお客様達全員が唖然とする。 なんせ超々豪華メンバーだ前・政威大将軍を始めとして、内閣総理大臣・帝国斯衛軍最強の軍人・伝説のテストパイロットに帝国情報省の凄腕の諜報員こんなメンバーが先程の演奏者達の前に立ち、マイクを握ると--- 「心がゆれ動くたび~街も人も言葉も~♪」歌いやがった。いや、歌は良い。しかし、シリアスな顔をしながら五人が腕を組み合い、スキップしながらルンルンと踊る姿を見て、流石に会場内にいる全員が時間停止や石化など現実逃避をするしかなかった。 しかし、交響楽団の皆さんも顔を引きつりながらも演奏をする辺り、流石はプロだ。 「悠陽…アレは知ってたのか…?」「いえ…流石にコレは知りませんでしたわ…。ただ、お爺様達が『笑顔に送れるように』と香月博士と共に何かしら考えてたようでしたが…。」「…そうか」悠陽も知らなかったイベントだった為、驚ぎを隠せないでいた。タケル以下、他の花嫁達や、客席で座っている唯依や美琴も笑うに笑えず、呆然とするか顔を真っ赤にしながら恥ずかしがるしかなかった…。そしてこの日から五人に友情が芽生え、後にタマパパや萩閣も参加する事になる…。「----終わりましたね…。皆様方、今日はお疲れ様でした。」「ウム、今日は色々と楽しかった。唖然とする悠陽や冥夜の顔を見て面白かったぞ。」結婚式が終わり、今日の主役達が去った後、会場内のとある一室には先程はっちゃけた五人と香月博士が居た。 「今日あのような姿を見せて頂き、感謝致しますわ。」「何、殿下や戦場で奮戦する若者達の『笑顔』を作る為ならば、喜んで笑い者にもなろう。」「笑顔で笑い声を出せば、その時だけでも辛い過去を忘れるというもの。そしてそれで一人でも多く心の傷を癒やす事に貢献出来るのであれば---私は指を指され、馬鹿にされようとも構わない。」感謝の言葉を贈る香月博士に対し、プライド等を捨て、若者達の為にと今日の悪戯を決行する雷電達是親・巌谷中佐の言葉を聞き、再び五人に頭を下げて感謝する香月博士 「もう我々年寄り連中の出来る事は少ない。ならば、この先光ある若者達の未来を守る為に老骨に鞭を打つ覚悟で我々も戦うつもりだ。」そして、五人が決意を決めた眼差しで告げる 「香月博士、我々は今後貴殿の『オルタネイティヴ計画』に対し、出来る限りの支援を約束しよう。煌武院雷電の名に賭けて約束しよう。」「ありがとうございます。」「何、此方こそ感謝する。孫達の幸せそうな笑顔を見せてくれた礼だ。」笑顔になって感謝する雷電すると--- 「では、雷電様…ひとつお願いが…。」「なにかね?」「『結城直之』の行方を捜索して頂きたいのです。アイツの存在がなければ、白銀の『専用機』が完成する事は、遠い未来になってしまいますでしょう…。」雷電達に『結城直之』という人物の捜索を依頼する香月博士…その時、何故か遠い眼差しをして、天井に顔を向けるのだった…。