妖怪ハジの娘、紫が生まれて時は流れ……。
彼女は自身の力、『境界操作』を制御できるようになっていた。
それは、彼女にとって、幸せと不幸が共にやってきた。
満月の夜、二人の影が木の上に映る。
片方はハジ、もう片方は紫だ。その下には各地域を代表する妖怪達の面々が集まっており、これだけ居れば国を落とすことも夢ではないだろう。
長年、ハジが各地を巡り、出会ってきた妖怪達だ。大陸を越え、海を渡り、数々の出会いと共に拳で語り合ったりもした。
そんなハジは世界中と言っても過言ではないほどに妖怪達と知り合い、そして、今日。
ハジの娘である紫の記念日としてかき集めたのだ。
娘が一人前になった、と。
妖怪大集合。
ハジの故郷の妖怪である奥理、ツキ、アマツ達は勿論のこと、強力な妖怪達が押し寄せた。此方には紫の知り合いも多数いる。
他にも、別の大陸にいた妖怪達、獏や屍魔、ヴァンパイアやユニコーンと言った者達もやってきた。というよりも、ハジが連れてきた。
どれも強力な妖怪達だ。それぞれの大陸では呼ばれ方が違った物の、根本的には一緒だ。
彼らは独自の進化を遂げ、それぞれの国で違う特徴を持っていた。だが、ただそれだけのこと。
彼らは人を襲う者達。恐ろしいモノたち。それが、彼らの共通事項。
彼らは、妖怪なのだ。
大量の妖怪達を見つつ、紫は緊張する。
今まで、たくさんの訓練を積んできた。あまりの辛さに泣きたくなった事もあったし、期待が重くて逃げ出したくなることもあった。
しかし、それが許される環境ではない。それを許すハジではない。それをする自分でもない。
何より、辛い以上に嬉しかった。ハジが褒めてくれることが。皆が『自分自身』を見てくれることが。
そして、雲よりも遥かに上の存在だと思っていたハジが、自分を認めてくれたのだ。そして、自分の為にこんな手回しまでしてくれた。
この、大勢の目の前で。紫は名乗りを上げるのだ。これから、妖怪達を支える存在だと。
ハジの娘として、否、一人の妖怪、紫として。
嬉しくないはずがない。これからは、もしかしたら肩を並べられるかもしれない。
あの背だけを見ていた存在の、横に並ぶ。
それを考えるだけで、彼女は興奮した。緊張した。震えた。怯えた。待望していた。切望していた。ただ、何も分からぬほどに嬉しかった。
下に居る妖怪達の反応は様々だ。
期待の眼差しを向ける者、見定めるように見つめる者、純粋に強さに興味がある者。見守ってきた者、友人を祝う者。
紫は全ての視線を一身に受け止め、丘の上に降り立つ。
全てを見据え、透き通るような声で宣言する。
「私の名は紫。『境界を操る程度の能力』を持つ、ハジの娘。
これからは、ハジと共にあなた方の上に立たせて頂きますわ。今後とも、よろしくお願いいたします」
一瞬の静寂の後、沸き上がる声援。
反論は無い。なぜなら、それに見合うだけの力を持っているから。
ハジと比べれば、確かにまだ弱い。だが、これからもまだまだ強くなる。それはハジも認めていることだ。
ならば、反論の余地などあろうはずもない。
その後は飲めや騒げの大宴会だ。
こうして、紫の名乗りは終わった。
ハジは最初から最後まで、薄い笑いを顔に張り付けていた。
紫はその後、世話になった者達へお礼を言いに回ったり、初めて会う者などと挨拶をしたりと大忙しであった。
全て、ハジの知り合いの一部といっても、かなりの数がある。中には紫が居ない間にハジが知り合っていた者もおり、
大抵の場合は顔だけ見たことがある程度であったが、それすらなかった者もいた。
そんな相手には己の力を見せつけたり、平和的に会話をしたりと、大勢の者たちと話し、夜が明けるまで宴会は続いていた。
その間もハジは、一切紫とは行動をしなかった。
ハジのやっていることと言えば、特に力の強い者達と短い会話をしているだけであった。
うすら寒い笑顔を張りつけながら。
夜が明けた。
大陸生まれの妖怪達は、自分の足で帰る者やハジに送られる者、残って観光をしていく者など様々だ。
地元の妖怪達は各々が紫とハジに声をかけつつ帰って行った。
紫も、特に世話になった奥理一家、ツキとその仲間たち、アマツの一族達にもう一度礼をいい、宴会を終えた。
紫は多少の疲れを感じつつも、ある種の達成感を胸に秘め、これからの方針を決める。
既に紫はハジよりも拳一つ分背が大きい。
それでも通常の妖怪と比べ、身体的な成長の遅い紫は、身体能力よりも、その分能力の扱いに長けていた。といっても、最初は全然制御が出来ないどころか、
自身の能力に恐れているほどだったのだが。今では立派に妖力の扱いに長けている。
妖力とは、妖怪が扱う霊力の事だ。大陸との交流により、呼び名がいつの間にか変わっていた。これも、異文化交流の醍醐味である。
そんな感じに肉体派という訳ではないので、肉弾戦でも鍛えようかと思い、今後の訓練の方針を立てていくのだ。
肉弾戦が得意な者は割と多い。というよりも、肉体よりも能力、妖力を駆使して戦う者の方が珍しい。
技術を盗む相手に不自由はしない。技術とは、教えてもらう物ではない。盗む物だ。
彼女は一人前の称号を貰った身。ならば、教えを請うことは出来ない。出来なければ、盗むのみ。そういうことなのだ。
格闘を得意とする者はハジを筆頭とし、奥理たち山の狼全般に、ツキとその仲間たち、そして彼女の親友。
どれも実力は十分だ。ならば、実際に会い、盗むのみ。
といっても、長年の訓練で動きは覚えている。今回盗むのは『妖力での身体強化』の効率のいい運用。
ツキのように素で豪力をもつ者の動きは、紫には参考になり辛い。
逆に、素の身体能力を底上げした者の動きならば、真似しやすいのだ。
それを行っているのは、狼たちと、彼女の親友。ついでに言えば、親のハジ。ハジは元々も高いのであまり参考にはならない。
することを決めた紫は親友の下へと足を運ぶ。その胸に下心を抱きながら。だが、せっかく今日は久々に会えるのだ。
八割の友情と、二割の下心である。
ユレイの娘、ユウカは紫の名乗りを眺めていた。彼女は生まれて間もないころから紫と知り合いである。
昔はいろいろと衝突を繰り返していたな、と懐かしい記憶に浸りながらも、紫が名乗り終えたのを見て森へと帰る。
彼女は、このように妖怪が集まる場所が好きではない。親友が一人前として認められ、その記念として招かれたので来たが、
それが終わったらこの場に居る必要はない。彼女は森へ帰るのみだ。それに、彼女は確信している。
勝手に帰っても、親友の紫ならば分かっているだろうし、向こうから会いに来るだろうと。
ユレイに先に帰ることを告げ、彼女は一人森へと帰っていく。
ユレイもそんな彼女の行動に寂しさを覚えつつも了承。彼女の行動の原因は自分にあると、自覚しているから。
彼女、ユウカはプライドが高い。他人と慣れ合うことを嫌い、強者を好き、弱者には興味を持たぬ性格だ。
彼女の親であるユレイとは、逆といってもいいだろう。ユレイは他者を好き、弱者にも優しい。馴れ合いだって構わない。
ただ、勘違いされるような性格なだけで。
ユウカはユレイの背を見て育ってきた。彼女の眼には、ユレイは孤高の存在と映っていた。今ではそんなことは無いが。
強く、誰とも慣れ合わず、それでいて植物を愛し、害する者には容赦をしない。若いころユウカが見ていた物は、そういうユレイだ。
ユレイの本心ではそんなことはないのだが、娘に見られていると少しばかり張りきってしまった結果がこれ。
少しでも娘にいい所を見せようとし、いつもよりも恐れられる存在となってしまったのだった。
ユレイとユウカは、お互いのことを良く知っている。
ユレイはユウカが強い自分に憧れていた事も知っているし、他者と慣れ合うことを嫌っている事も知っている。それに、本当は優しい子だとも。
ユウカはユレイが本当は気弱なことを知っているし、力の弱い妖精とだって遊ぶようなことも知っている。
そして気弱ではあるが、大切な物を守るときは、その自分よりも巨大な力を使い、守り通すことができるとも。
ユウカの憧れた姿とは違っていたが、それでも尊敬の出来る母だった。強く、優しい、彼女の大好きな母だ。
ユウカは森で待つ。待っていれば、その内親友が来るだろう。
待っている間は花の様子を見たり、母の森や自分の花達を傷つけるような輩が居ないかを調べる。
もしも居たら、見つけ次第即刻排除だ。
そうして時間を潰していると、森に親友が入ってきた気配を感じる。
ユウカは彼女を花で迎え、自分が居る場所へと誘導する。紫も慣れた物で迷うことなく花に着いて行った。
ユウカと紫は出会う。最後に会ったのは千年以上も前だ。
お互い話したいことは山ほどあった。どんな小さなことでもいい、相手と、話をしたいのだ。なんせ彼女達は『親友』なのだから。
花を眺めたり、川辺で座ったりしながら彼女達は話をしていた。昼ごろに出会い、話し始めたが今では日が暮れている。
楽しい時間はすぐに過ぎる。それは、何年生きていても変わらぬ物だ。
紫はしばらくの間は落ち着けるとユウカに告げ、ユウカもまた会うことを約束する。
その後しばらくの間は、毎日とは言わないまでも彼女達は会っていた。
妖力を体外に放出し、運用する方法。妖力を内に秘め、体内で運用する方法。それぞれが得意とする物を教え合ったり、単純に会話をするだけで終わる日もあった。
平和な時間。お互い、笑い合っている。
紫は浮かれていた。あの大妖怪、ハジに認められたのだ。仕方がないとも言える。
ユウカも、浮かれていた。彼女に似合わないことであったが、自分の母と違い、ハジは厳しい。というよりも、ハジの基準は高く、ハードルが高い。
割と早く一人前とユレイに認められたユウカであったが、その昔の時点でも本気の殺し合いをすれば勝つのは紫だった。
だからこそ、ユウカは紫が認められたことに喜んだ。小さいころから一緒だったのだ。それを喜ばずして何が親友か。
そんなわけで、彼女達は浮かれていた。本来ならば、そんな醜態はあまり褒められたことではないだろう。一層気を引き締めなければならなかった。
だが、彼女達は浮かれてしまっていた。そして、彼女はハジの行動に気が付けないでいた。
ハジは、大妖怪達と話しをつけていた。彼女達がそれに気がつくのは、当日になってから。
ユウカと会い、話し、のんびりと過ごす。時には戦闘に関する会話もしたりする。
お互い万を超える年月を生きたといっても、それでも千年はちょっと長い。これを『たった』と言い切るハジの精神はどうなっているのだろうか。
今まではハジに連れまわされ、いろんな場所へ行き、いろんな者達と出会った。
そのせいでユウカとはなかなか会えなかったが、後悔はしていない。そのおかげで、私の存在はさらに高まったのだから。
ユウカとの会話の中、思い返す。
一人前と認められた日。あの名乗りを上げた前日、ハジから言われた。
これからは自分の考えに沿って行動を決めろ、と。決して、今まで言うことを聞くだけの存在だったという訳ではない。
ちゃんと自分で思考し、物事を考える力も付けさせられてきたが、あのハジの言葉の本当の意味は、独り立ち。
今までは私の歩む道を示してくれた。それを、自分で探しだし、進め。そう言っているのだ、ハジは。
道を示すだけでなく、その道を整えたりもしてくれたハジには、本当に、頭が上がらない。
そんな親から生まれたことを誇りに思う。昔みたいな、ハジの娘で良かったのだろうかなどという事は考えない。
私はハジの娘で、ハジは私の親だ。これは揺るぎない事実で、誇るべきことだ。そのことを自分自身で疑うなど、愚の骨頂。
そんなことを考えていたら、ユウカが私の顔を覗き込んでいた。
「紫?どうしたのよ」
「あ、いえ。なんでもないわ」
「そう?……まあどうせ、これからの事でも考えていたんでしょ」
「そんなとこね」
いけない。せっかく友人と話をしていたのに、いつの間にか考え込んでしまった。
あと、馬鹿正直にハジの事を考えていましたーなんて言うのも、なんだ、照れる。
馬鹿正直なのはハジだけでいい。私は頭脳派なのだ。見習うべきところは見習って、悪いところは真似しない。
それが昔私の出した結論だ。良い所しかない存在なんてないのだ。私だって、少し考え込む癖がある。直さないと。
「それで、紫はこれからどうするのよ。今までみたいにハジと一緒ってわけじゃないんでしょ?」
「そうねえ……。確かに、ハジと一緒に旅をすることはあまり無くなるけど。今まで通り各地を巡るわ。たまに、ハジと一緒に巡るくらいかしら」
「あらそう。お父さん大好きっ子の紫が親離れなんて出来るのかしらね?」
「なっ」
こ、こいつは何を言い出すのだ。
確かに、今までずっと一緒に居た。どこにだって着いて行ったし、どこにだって連れて行かれた。
それを悪いと感じない自分が居たことは確かだ。むしろ、一緒にいなければ不安だったのも確かだった。
だが、私は大好きっ子と言われるほどじゃない。そんなもの……過去の話、か?
いやいや。それを言うならば、こいつだってそうじゃないか。
「あら、随分な事を言ってくれますわね。貴女だって、ユレイさんの後ろをちょこちょこ着いて回っていたじゃありませんの。
今だって、ユレイさんに甘えるのが好きなんでしょう? 知っているわよ。頭撫でてもらっていたこと」
「なあっ!?」
ふん、良い気味だ。
ユウカの顔が真っ赤になっている。やはりこの子は、からかうと面白い。
普段は冷静で付け入る隙は無いほどなのだが、ひょんな事でその態度を崩す。ここら辺は、母親譲りと言ったところだろう。
どんなにからかっても何の反応もしない癖に、ユレイさんの事を出すとすぐに崩れる。
そんな反応が面白くて、いつもの冷静な姿との落差がすごくて、それがとても可愛く見えて、ついついやってしまう。
普段からそういう風に照れていれば、男の一人や二人、いや、ほとんどの男は引っ掛かっているでしょうに。
「ゆ、紫!あなた、何処でそれを……!!!」
「あら、本当だったの?知らなかったわ」
「!?」
うん。やっぱり女の私から見ても可愛い。ユレイさんからちゃんと引き継いでいるようだ。普段可愛げがない分、余計それが引き立っている。
私は、あまりそういうことは無い。女としては奥理さんみたいに素敵な旦那さんを見つけたいと思うが、私は『あの』ハジの子だ。
異性への興味というか、性欲自体があまりない。可愛げがないとも自覚しているし、いつか、私もハジのように、
私が生まれた様に、子を作るのだろう。今の実力では無理だが。
「――――っ!!! いいわ、その話は此処で終わりよ! これ以上はいけない」
「そう、そうね。それにしても、あなたの照れている顔は可愛かったわよ」
「あらそう。そういう冗談は好きじゃないわね。私に可愛げがないことくらい、分かってるんだから」
「はいはい」
自分のことになるとコレである。なんの反応も示さない。ちなみに、ユレイさんに同じことを言うと『絞められる』。ツタで。
言ったことは無いが、分かる。あの人、結構照れ屋だ。すぐにツタが襲って来て怖かったりする。本当は優しいのに、恐れられている理由がよくわかる。
「それで、結局各地を巡るって何をするのよ。私、此処から出た事ないのよね」
「そうねえ。他の大陸の妖怪達の架け橋みたいな物かしら。具体的な事は特に無いわ。ただ、見守るだけよ」
「あらそう。いつか、私も見て回ってみたいわね。今度一緒に旅でもする?」
「あら、いいかもしれないわね、それ」
「まあ……。困ったことがあったら、手を貸してあげるわ。どうせ貴女なら、上手くやるんでしょうけど」
「それもそうでしょうね。…………ありがと」
お互い、素直じゃない。
そうして、私たちの平和な日々は過ぎていった。
ある日、ユウカと二人で散歩をしていた時だ。
ハジが妖怪達を相手に演説のような事をしていた。
その場に居る妖怪達は、皆、大妖怪。
各地域のとっぷれべるな存在だ。奥理さんや、ツキさん、アマツさんの姿も見える。
ハジのよく通る声が聞こえた。
「―――――――――月を手に入れるぞ」
……え?
「集まったな……。聞いてくれ、大事な話だ。
私たちは、強くなった。数もさることながら、その質も。
先日、私の娘、紫の力も見たと思う。お前らにも引けを取らぬ力を持っている。しかも、伸び代も大きい。
そこで私は思った。新しい時代が来たのだ、と。お前らも子や後継者を持っているだろう?
そして、そのほとんどが認めることが出来る力の持ち主だ。妖怪の将来は安泰だな。
……本題だ。結論から言おう。神々を滅ぼす。その為に、まずは月を手に入れる。
……落ち着いてくれ。勝つ算段も付いている。
私が神と結んだ協定は『私が』人間を襲わないこと。娘については何も言って来ていない。くははっ……あいつらも、平和ボケしたのさ。
紫が居れば、私が居なくとも戦況を見渡せ、各地に指示を出せる者が居ることになる。
私たちの質は高まった。そして、数は圧倒している。ならば、各地で一斉攻撃を仕掛ければ、落ちる。
八坂神奈子と、その他強力な神々。一番厄介な洩矢諏訪子は私が相手をする。
今まで戦い方を見続けてきた。そして私は全てを見せていない。負けることは、まず無い。確実に殺せる。
だが、それだけでは足りない。全体の底上げが必要だ。戦いの決め手となる力、最後の一つが。
月だ。これは、神々との戦いに必要な物だ。お前らも判るだろう?……月には力がある。
それを、手に入れるのだ。我々古い妖怪から、これからの妖怪達に土産を贈るのさ。新しい時代へ、とな。
さあ、私に着いてきてくれ。月への道なら完成した。紫が生まれた日、その日から創り続け。
月には、古き天上の神々が居ると言われている。だが、私たちなら勝てる。
月を我が物とし、神々を制圧するのだ!
さあ、始めようか。妖怪達の宴を。妖怪達の時代を。終わらせよう、神の歴史を。
まずは……――――――――――――月を手に入れるぞ」
彼らは妖怪。
人よ、人の味方をする者よ。
彼らを信じてはならない。
何よりも妖しく、何よりも怪異な存在なのだから。
彼らに近づいてはならない。
人を食料とし、襲い、邪魔する者は排するのだから。
彼らを理解しようとしてはならない。
もとより彼らは、理解など出来ない存在なのだから。
彼らを信じてはならない。
それが、妖怪なのだから。
少年は一人クスクスと嗤う。
この世界は、妖怪の物だ、と。
第一章 原始編 『終わり の 始まり』