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No.2262の一覧
[0] ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/20 14:03)
[1] Re:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/19 14:12)
[2] Re[2]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/19 18:22)
[3] Re[3]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/20 00:21)
[4] Re[4]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/23 12:22)
[5] Re[5]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/21 22:23)
[6] Re[6]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/29 00:41)
[7] Re[7]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/02 16:11)
[8] Re[8]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/02 18:35)
[9] Re[9]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/03 23:45)
[10] Re[10]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/03 23:36)
[11] Re[11]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/03 23:50)
[12] でーた戦闘力(いいかげん)[ひから](2005/12/11 14:44)
[13] でーた登場人物(いいかげん)[ひから](2005/12/04 16:02)
[14] Re[12]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/12 16:11)
[15] Re[13]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/12 16:12)
[16] Re[14]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/20 22:31)
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[2262] Re[12]:ダーク・ランス(いいかげん)
Name: ひから 前を表示する / 次を表示する
Date: 2005/12/12 16:11
「何であんたがついてくる事になるのよ。」
「まだ怪我が痛むだろうし一人じゃ何かと心細いだろ?
 お前が心配だから、ついていってやってるんだ。ありがたく思え。」
「余計なお世話よ。」

全く、このヘルマン兵は~。
何が心配よ。私を監視してるのばればれじゃない。

かなみは、苛立っていた。

「なによ。私が拷問しても吐かないだろうからって、
 何するか見届け、上官に報告しようってはら?」
「…どうとろうが構わんがな。」

「卑怯よ。昨日、開放してくれるっていったじゃない。」
「したじゃないか。」
「してないじゃない。」
「俺様がどこ行こうとそれは俺様の勝手だ。
 それに開放するってのはエッチしたらが条件だったはずだ。
 昨日はお前の怪我のせいで何もできなかったじゃねぇか」
「ぐっ」
「なんだ、エッチもさせない。
 高い回復アイテム二つも使わせる。
 今だって重いだろうと荷物もってやってんのに感謝もしない。
 お前は何様だ?」
「そ、それは……きゃあ」

そういうとダークはかなみのお尻をモミモミする。
慌てて手をはじき、距離をとるかなみ。

「な、なにすんのよ!」
「ぐふふ、今のは、お前の態度が悪かった分だ。
 回復アイテム分、荷物もってやってる分と、近いうち、体で返してもらうから
 覚悟しろよ。」

かなみの悲鳴に気をよくしたのか、がははは、と馬鹿笑いする。

な、何よ何よ何よ~!
このヘルマン兵。むかつくむかつくむかつく~。

かなみは、じだんだを踏んで悔しがる。

リーザスの、いやリア直属の忍者『見当かなみ』は任務により
聖盾をランスの元に届け、助けを請わなくてはならない。

それだけでもひどい憂鬱なのに、その前に
この目の前の男から『聖盾』を取り返し、
何処へ行くかわからぬようにして上手くまかねばならない。
いや、そこまで面倒なことをする必要はない。
殺してしまえばそれで済む…だが、

体の完治していないかなみにとってはそれは酷く難しい。
何か、何か方法はないだろうか…

「ああ、かなみ、ここでしばし待て。」

リーザス城、城下町を出たところで、
思案に暮れるかなみを止めるダーク。

「なんで、あたしが、あんたの都合に合わせなくちゃならないのよ。」
「がはは、まぁ気にするな。」

リーザスの『聖盾』を男が持っているため
かなみはその言葉に従うよりほかない。

なにが『重いだろうから持ってやる』よ。
あたしが逃げられないように奪っただけでしょ。
それにしても癇に障る笑い声だわ。
こんなとこまであの馬鹿に似てるじゃない。

宿を出る前に、兜を脱いでる男の顔を見、
かなみは、ランスと瓜二つの顔にひどく驚かされた。

もちろんよく見ると違いはある。男のほうが若干年取って見えるし。
目つきの悪さはおなじだが、
自分の知るランスと違いその眼光に輝きがない。

髪もランスが茶髪に対し、男は黒とも形容しがたい
光を完全に遮断するかのような闇色。

だが、他人と言うには、似すぎていないだろうか?


ひょっとしたら兄弟か何かかしら。まさかね。
性格の悪い人間は、みんなあんな顔になるんだわ。
きっと、そうよ。

適当に、結論付けたかなみ。
目の前の男は草原に横たわり、リーザス城を眺めていた。

「ちょっと、ここで何する気?わたし急いでんだけど。」
「がはは、まぁ気にするな。」
「気にするわよ!急いでるって行ったでしょ。」

「まぁ、お前も座れ、今日は天気いいし。気分がよくなるぞ。」
「なるわけないでしょ!リア様が捕らえられているのよ!」

日向ぼっこなんてしてるひまないわよ!と怒鳴るが
取り合わず、自分の隣の草をぽんぽんと叩く。

「どうした。座れよ。なんならここでエッチしてやってもいいぞ。」
「結構よ。だいたいあんたねぇ…。」
「まぁまぁ、」
「ちょっと、何処触ってんのよぉ。」
「まぁまぁ」
「ひっ、やめなさ…」
「傷に響かないようやさしくやってやるぜ。」
「ふ、ふざけないで……。」

かなみの抵抗むなしく、ダークの楽しい時間が、
かなみの不幸な時間が始まろうかと言うとき、
幸か不幸か邪魔が入った。

「わー、楽しそう。ね、混ぜて混ぜて、混ぜて~。」

耳をぴくぴく、しっぽをふりふりさせた下着の女の子が割ってはいる。
そう、ご存知『きゃんきゃん』だ。

きゃんきゃん?
ずいぶん街に近いところに出たわね。

そんなことを思いながら
ダークの力が緩んだのを、これ幸いと、振りほどき、距離をとるかなみ。

ダークはあたまをぼりぼりとかき、面白くなさそうに言った。

「ちっいいところを。ずいぶん、はやかったじゃねぇか。
 本当に俺様の『きゃんきゃん』か?」
「うん、『やもりん』ちゃんが早く行ってやれって~。『印』みる?」
「いや、いい。それを知ってるってだけで十分本人だ。
 ふん、時間がないのは確かだからな。ところでどうだあっちのほうは…。」
「う~ん、『やもりん』ちゃんと『セクシーナイト』ちゃんが探してるとこ…」
「ちっまだみつからねぇのか。
 だが、まぁ『やもりん』がいれば大丈夫だろ。俺様はとっとと行くか。」

ダークが立ち上がり、支度をしているところを、
不思議そうにかなみが尋ねた。

「ねぇ、あんた。街で暴れてる魔物見た時思ったけど、
 ヘルマン兵って魔物を従えてるのね、どうやってるの?」
「ん?ぶったおすと仲間にしてほしそうな目でこちらをみてくるんだ。
 あとは、声をかけるだけだ。」

さも当然、と言うダークにかなみは食って掛かる。

「ふざけないでちゃんと答えてよ。そんなので仲間になるわけないじゃない!!」
「そうか?俺様はなったが…。なぁ、おい、そうだよな。」

ダークが、『きゃんきゃん』に話を振ると、『きゃんきゃん』は
うれしそうに答える。

「うんそうだよ~。遊んでほしくて付きまとってたら
 本気でぶん殴られたの~その時にぃ運命のようなもの感じたの~。」
「ほらな。」
「そ、そんな。」

「仲間にしてほしいなぁって思ってみてたらぁ。服脱がされて~
 強姦されちゃったの~。それで、下僕になれって脅されたの~。」
「『きゃんきゃん』その辺は俺様の心象が悪くなるから言わなくていいぞ。」
「あ、あんた最低ね。」

「でもでもでも~ちゃんと遊んでくれるし~
 毎日楽しくて充実してるから今とっても幸せなの~。
 ダーク様大好き~。」
「うんうん。幸せの形は人それぞれ。」
「ぜ、絶対間違ってるわ。」

かなみは、幸せそうな『きゃんきゃん』に
ついていてない、と頭を振り…はっと気づく。

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。ってことは、あの『やもりん』
 も倒して仲間にしたの?」
「そうだぞ。」

当然のように言うダークにかなみは驚く。

かなみは目の前のヘルマン兵を、大して強くない。
男から盾を取り返すことも、
体さえ万全ならば、できると思っていた。

だが、あの『やもりん』を倒したというのであれば
考えを改めざるを得ない。

自分は、あの『やもりん』に
重い盾を持っていたためとはいえ、完全なる敗北を喫したのだから。


「どうだ。尊敬していいぞ。」

がははは、と馬鹿笑いするダークを見て。
かなみは『隙を見ての実力行使』という選択儀をはずした。

隙があるけど、それはわざと、そう見せているという可能性を捨てきれない。
任務を確実に果たすためにも、慎重にならなくては…。


結果から見れば、この会話が、ダークの命を救った事になる。
共に行動する忍びに命を狙われ、生き延びることは、
どんな達人であれ、困難なのだから。


・・・・・
「ちょっとあんた!ヘルマン兵じゃなかったの?」
「あ?俺様は一言もそんなこと言った覚えないが…。」
「だってヘルマン兵の鎧着てたじゃない。」
「それはヘルマン軍がいる時だけだ、俺様の鎧は城に置いてきてしまったから
 ヘルマン軍がいないリーザス領ではリーザス兵の鎧を着ているわけだ。
 無用な戦を避けるための常識だぞ。」
「なっ。」
「ある時はヘルマン兵、またある時はリーザス兵!しかしてその実態は…!!」
「きゃははは、どっちつかずーのこうもりぃ♪」
「『きゃんきゃん』お仕置きだ。」
「きゃん!きゃん!」


「…ちょっと待って。」
「なんだ?急に立ち止まったりして。」
「あんたへルマン兵でもないくせに。
 開放する代わりにエッチさせろなんて行ったの?」
「そうだな。」
「ダーク様はエッチするためなら勘違いでも
 なんでも利用するんだよねぇ。」
「…あきれた」
「変なことを言うな。お仕置きだ。」
「きゃん!きゃん!」


「ねぇ、今日は何処でとまるのぉ?」
「あん?夜通し歩くんだよ。かなみが重要な任務負って
 急いでるんだからな。」
「ぶぅぶぅ」
「うるさい。お前すこしはかなみの身になってみろ。」
「……ありがと。」
「がはは、気にすんな。」
(そうでもしねぇと、俺様が不安なんだよ!)
「ぶぅぶぅ」
「うるせーきゃんきゃんお仕置きだー」
「きゃん!きゃん!」


「怪我はもういいのか?」
「ええ、なんとか。支障はないわ。」
「よかったよかった。」
「ダーク様!めずらしく本当に心配してたんだよぉ。」
「そ、そうなの?」
「うん☆」
「くぉら、『きゃんきゃん』余計なことを言うなよ。お仕置きだー」
「きゃん!きゃん!」


「どうした?ため息ついて」
「リア様が心配で…。酷いことされてないといいんだけど。」
「殺すことはしないだろうよ。後はお前が
 準備を整え、首尾よく救ってやればいいんだ。」
「…そう、そうなのよね。」
「ああ、そうだそういうわけでお仕置だーきゃんきゃん!」
「きゃんきゃん!っってちょっと私今回なにもいってないぃぃぃ!」


ヘルマン兵という『誤解』が解けたというのが大きいのだろう。
道程ぎすぎすせず穏やかに道を歩めた。

のーてんきな『きゃんきゃん』がいたおかげか
かなみにも笑顔が戻ってきたようだ。

歩きながら、状況を忘れたわけではないだろうが、
時折笑いあう。
不謹慎かもしれないが、不安で張り詰めているよりはずっといい。
三人は、わずかな時間を楽しく過ごした。


だがランスのいるアイスの街が近づくにつれて、かなみは
徐々に無口になり俯く。

(おうおぅ、緊張ってのもあるだろうが…会いたくなさそうな顔してやがる。
 そんな嫌われてんのかね、昔の俺様は。)

ダークがかなみの顔を盗み見ていると。
唐突にかなみが顔を上げ、ダークと目線が合う。

偶然ではないようでかなみは目線を逸らそうともしない。
かすみの目はまさに真剣そのもの。
まじまじと、ダークの光なき闇の瞳を見る。

「な、なんだよ。」

思わずダークが一歩引いてしまった。

「あの、今までいろいろ誤解したり、迷惑かけたりしてごめんなさい。」
「なんだなんだ、改まって………。」

何をするかと思ったらダークに頭を下げてきた。
話はそこで終わらない、ぐっと何かを決意したように
かなみは本題を切り出す。

「あの、それで……。その、自分でも本当におこがましいと思うんだけど。
 …お願いします!リーザスを救うのを手伝ってください。」

ダークはちょっと困ってしまう。

(むぅ、そりゃ、ジル政権はいやだから協力してやってもいいが。
 このままで上手くいくことを、わざわざ乱す必要もないしなぁ。)

「どうか……!」
「…無理だな。俺様は忙しい。」
「そう、ですか。」

実力は未知数だが
あの『やもりん』のような強い魔物を何匹も従えていると思われる
ダークが味方になってくれれば、どれだけ心強かっただろうか。

ダークの返事に、力なくうな垂れるかなみ。

「しかし、そのまま突っぱねるのも少し気分が悪いな。」
「…………えっ?」

「そうだな、……俺様の職業って何だと思う?」
「その、冒険者とか…?」

「違うな。俺様は占い師だ。」
「う、占い~?…ですか。」
「きゃはは☆うっそだぁ~……きゃん!きゃん!」
「ええい!だまれ」

笑い飛ばす『きゃんきゃん』を組み伏せ、
お仕置きをしながらランスは答える。

「そうだ。忍者のお前なら情報に長けているだろう、
 アーシー・ジュリエッタという占い師を知っているか?」
「ア、アーシー、き、聞いたことはあります。うそか本当か100%当たる占いをするとか。」

「そうだ。そいつに占いの仕方を教えてやったのが俺様だ」
「ほ、本当ですか?」
「あは、あははははは、うっそだ~☆!大体アーシーは
 私たちと同じ魔物でバークスハムの………きゃん!きゃん!」

なぜか、かなり詳しい知識をひれかしかけた、きゃんきゃん。
ダークはお尻ぺんぺんで黙らせる。

「俺様には未来が見える。
 俺様はとってもとっても忙しい身の上だ。
 本来なら、一億Gよこさないと占ってやらないんだが
 今回は、特別にリーザスの行く末を占ってやろう。」
「お、お願いします。是非。」

かなみは真剣だ。今はわらにもすがりたいのだろう。

そう、ダークはは未来を変えない程度に未来を占いと言う形で教えてやり、
かなみに少しでも安心させてやろうと言う、やさしい腹積もりなのだ。

俺様って奴は、なんていいやつなんだ。
と一人悦に入ってうんうん、うなずいている。

「あ、あの~。」
「むっ、ああ、早速占おうか。では、横になれ。」
「えっ、」
「ねっころがれといっている。」

戸惑うかなみ。そう、共に、時間をすごし。
今やかなみはダークと言う人物を正確に把握していた。

素直に横になるとエッチなことをされるであろう事は
ゆうに想像できたのだろう。躊躇する。

「早くしろ。」
「は、はいはい。」

機嫌を損ねまいとあわてて草わらに横になるかなみ。

「目を瞑れ。」
「ええっ。それはちょっと。」
「…貴様、俺様がエッチなことを考えていると思っているな。」
「いえ、そんな。」
「もういい、そんな奴には占ってやらん。」
「す、すみません。これでいいですか?」

いやな予感を抱えながら、言われたとおり目を瞑るかなみ。
何度も言うが、今は藁にもすがりたい状況なのである。

「ふむ、ふむふむ…みえるぞ。まずは過去。お前の任務とは。
 その盾をとある人物に渡すことだな」
「は、はい。そうです。」

「その人物は、既に同様の『剣』と『鎧』を扱ったことがある」
「!ど、どうしてそれを…。」

「動くな!ふむ、その男はハンサムで強くて、かっこいい。」
「いえ、あんまり……。あいたぁ!…何するんですか。」

「ん?何を言っているんだ俺様は叩いてないぞ。くぉら!
 目を開くな!!」

占いが始まり、
うう~む、う~む、と唸り出すダーク。
なんていおうか、また何処まで言おうか考えているだけなのだが、
かなみを不安にさせるには十分だった。

「どうしたんですか。その、やっぱりリーザスは…。」
「ん、いや、……少し肌を触らせてもらうぞ。」
「な、なぜですか。」
「そのほうが、よく未来がみえるのだ!」
「うひゃあ!…な、なんで太ももなのよ。」
「そのほうが、よく未来がみえるのだ!」
「うっ…うう」

間違いなく、占いには関係ないだろうと思ったが、
そのことを告げて気分を害されても困る為かなみは
たえることにした。

少なくとも、男が言った事は当たっている。
気づかぬうちに、魔法で記憶を読まれたと言う可能性もあるが
それでも、この男に占ってもらうだけの価値はあるように思われた。

「みえてきた、みえてきたぞ~。」
「あ、あの。できるだけ早めにお願いします。」
「む、今のでみえなくなってしまったではないか、やり直しだ。」
「ひーん。」

体をまさぐられる事、数分。
この後かなみは、驚きの連発だった。

「ふむ、アイスと言う街で冒険者をやっている好青年、
 そして、ピンクの髪をした、俺様の奴…ごほっごほっ
 娘がみえる。お前が会おうとしているのは男のほうか……。」
(あ、あたってる。好青年は外れてるけど…)

「む、この青年は、既に剣を所持していないな。」
「え、どうしてですか。」
「さぁてな。その男の都合もあるだろう。」

「ふむ、……求めるは、混沌の力『カオス』か」
「ど、どうして…」
「カオス、危険な力だ。しかし、その男なら使いこなせるだろう、」
「……」

すでにかなみは、ダークの占いを信じるようになっていた。
人間、追い詰められているときは、多少胡散臭くとも信じてしまうものだ。

世の中において怪しい宗教が賑わっているのも、そのせいだろう。

「そうだな、いろいろと不安要素もあるだろうが
 おれからお前が会う男は、…此度の戦争で英雄となろう。」

「そ、それじゃあまさか。」
「うむ、リーザスは、その男の手により、開放されるであろう。」

・・・・・・

「あ、ありがとうございます。そ、その
  半信半疑だったんですけど、
 今では本当に予言が当たりそうな気がしてきました。」

「そうかそうか、そいつはなによりだ。では報酬をもらおうか。」
「え、報酬?ってまさか、」
「そういうことだ。まさか、ここまでして嫌とは言わないよな。」
「う、うう、わかったわよ。でもこんなところでは嫌よ。」
「う~む、しかたねぇな。」

(本当は、どことなくいじめてちゃんオーラ放ってるから
 強引にいきたいんだが、これから昔の俺様にいろいろひどい事される
 事を考えるとなぁ…
 今回に限りやさしくしてやるか。)

こうして、アイスの街のホテルで二人は結ばれましたとさ。

ちなみに、このときのエッチと、この時代のランスに無理やりされるエッチの
違いに、へたくそ、と思わず言葉が出、
この時代のランスに心の傷を負わせることに成功したと言う。


時は流れ、

リーザス解放戦争で見事勝利し、リーザス中が沸いた日
かなみは空を見上げて、こうつぶやいたと言う。

「ダーク、あなたの言ったとおりになったわ。
 貴方が本当にここまで未来を読めていたのかはわからない。
 けれどあなたの言葉があったから、くじけず頑張れたのだと
 そう思う。本当にありがとう。」


かなみはこのとき夢にも思わなかったろう。
『ダーク』が魔物軍と盗賊を率い
リーザスを攻め滅ぼしに来るなどとは…

LP3年、歴史が大きく変わろうとしていた。


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