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No.2262の一覧
[0] ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/20 14:03)
[1] Re:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/19 14:12)
[2] Re[2]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/19 18:22)
[3] Re[3]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/20 00:21)
[4] Re[4]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/23 12:22)
[5] Re[5]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/21 22:23)
[6] Re[6]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/29 00:41)
[7] Re[7]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/02 16:11)
[8] Re[8]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/02 18:35)
[9] Re[9]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/03 23:45)
[10] Re[10]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/03 23:36)
[11] Re[11]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/03 23:50)
[12] でーた戦闘力(いいかげん)[ひから](2005/12/11 14:44)
[13] でーた登場人物(いいかげん)[ひから](2005/12/04 16:02)
[14] Re[12]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/12 16:11)
[15] Re[13]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/12 16:12)
[16] Re[14]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/20 22:31)
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[2262] Re[2]:ダーク・ランス(いいかげん)
Name: ひから 前を表示する / 次を表示する
Date: 2005/11/19 18:22
シャー、カーテンの開く音とともに、
部屋に明かりがさしこみ、その眩しさに、ランスは目覚める。
けだるそうに身を起こし、視線をめぐらすと、『やもりん』が窓のカーテンを開けた
ということに気づく。

「おい、閉めろ閉めろ。久々の長旅でつかれてんだ。」

リーザス城の西に当たるノースの街。
そこにある宿の一室にランス一行は泊まっていた。
ランスは、ここでもう一泊し、疲れを癒し、リーザスへと向おうとしていた。
まだ起きる気のないランスはごろりと寝返りを打ち、日の光から逃れようとする。

「ダーク、何か忘れてないか?」
「ああ!?何をだ?」

「…外へ出ろ。約束の週に一度の稽古の日だ。
 場所が変わったからといってやめる道理は無いぞ。」
「バカかお前。ここはもう人の街だぞ。お前なんかが、姿をあらわせて見ろ。
 そっこう警備兵に囲まれるぞ。」

週に一度の稽古というのは『やもりん』が 部下になるときに
取り付けた条件の一つだ。
なお、これは特例で『きゃんきゃん』『セクシーナイト』は無条件で、
部下となっている。

「む、しかし、昨日は問題なかったが?
 コートを着てにフードを被ったままなら大丈夫なのではないか?」
「…ほう、確認するが稽古とは俺様との素手での模擬戦でいいんだよな。」

「ああ、そうだが?」
「そんな動きにくい状態で俺様の相手ができると?」

ぎろり、と部下である『やもりん』を見るランス。
『やもりん』は、そんな視線を軽く受け流し、ためらい無く言い放つ。

「容易い事だ。」
「……なんだと?」

ぴきりっ、ランスの額に筋が浮き出る。

「そもそも、この『稽古』とは、
 私が強くなるためにあらず、貴方に私が仕えるにふさわしいだけの
 最低限の強さを持ってもらうためのものだ。」

部屋に不穏な空気が流れる。
目が覚めた『きゃんきゃん』は長い耳を震わせ、ベットの下へ逃げ込み、
起きていた『セクシーナイト』はケンカはとめなきゃ、とは思いつつも、
怖くて近寄れないでいる。

『やもりん』の容赦ない爆弾発言は続く

「自覚はないようだからいっておく。正直、あなたは弱い。
 強くなろうという気概はあるようだが、行動がなければ
 それに付随する力は得られない。現状が全てを物語っているのではないか?」
「…ずいぶんといってくれるじゃねぇの。
 初め俺様に負けて、びーびー泣いて、忠誠を誓ったのはだれだったか?ああ?」

その言葉に過敏に反応する『やもりん』

「泣いてなどいない!
 それに私が負けたのは私が油断したためだ。」
「負けは負けだろ?」

ランスがにやけ笑いを浮かべる。
『やもりん』は痛いところをつかれ、唇を噛む。

『やもりん』はランスにまけたら部下になるという条件を飲み、敗北を喫した。
善戦していたのだが、最後の最後でランスに自分の唯一の弱点であるしっぽを握られてしまったのだ。

「くったしかにそうだ。認めよう。一度は負けた。
 だが、逆に問おう、模擬戦で私を一度でも倒せたことがあったか?」
「ぐっ」

今度はランスが言葉をつまる。

「私にあっさり敗れ、『セクシーナイト』に怪我の治療をしてもら
 っている情けない姿しか記憶にないが。」
「ぬっ、……いわせておけば。」
「確かに、剣を使わない状態では、貴方は全力を出せないだろう。
 しかし、私などより強いものはいくらでもいる。
 その程度のハンデで私に屈してしまうようなレベルで果たしてお前の目的は達せられるのか?」
「…ぐぅ、」

ランスはそれっきりだまってしまう。
『やもりん』も言葉を発さない。
暫くにらめあっていた二人だったが、ランスは、ちっ、と舌打ちすると、踵を返し
部屋から出て行ってしまった。

「うぁ~ん、怖かったよぉ。」

ベットに下に隠れていた『きゃんきゃん』が恐々這い出てくる。
事を見守ってた『セクシーナイト』は『やもりん』に問いかける。

「『やもりん』さん。なんであんなにダーク様を挑発したんですか。」
「挑発ではない。私の思いのままを、伝えただけだ。
 あいつは強くもないくせに、強くなる努力をしない。前々からそこに私は不満を持っていた。」
「ダーク様は強いですよ。あなたがもっと強いんです。」

『やもりん』は首を横に振る。

「私は確かに、同族の中では、秀でた強さを持っている。だが、やはり種族の垣根は埋められない。
 例えば、どれだけ私が鍛えようと、戦闘種族であるバルキリーにはかなわないだろう。」

いくら比較の対象とはいえ、神の血を引いているとすらいわれる、バルキリーを引き合いに出す時点で、
すでに『きゃんきゃん』や『セクシーナイト』には雲の上の話だ。
比べようと思ったことすらないだろう。ぽか~んと話を聞いている二匹おいて、
『やもりん』は続ける。

「だが、奴はどうだ?聞けばレベル限界値が無限というではないか。
 そんなものがあるのかと始め私は耳を疑った。
 修練を積めば、つむだけ、強くなれる存在でありながら、
 …それだけの可能性がありながら、なぜああも怠惰なのだ。」

そういい放ち頭を抱える。

強くなる、ということになにやらコンプレックスを持っているらしい『やもりん』
『セクシーナイト』はあまり触れるべきではないと思い、当たり障りのないことを尋ねる。

「…ええと、それで最後に行っていたダーク様の目的というのは…?」
「…いや、まったく知らん。ちょっとカマをかけてみたのだ
 だが、様子を見る限り、やはり何かでかい事をたくらんではいるようだな。」

そしてそういうところは好きだがな、と言い微笑を浮かべる。

そんな『やもりん』の様子を見て『セクシーナイト』は衝撃を受ける。
単純バカと思っていた『やもりん』が、自分と何ら変わらないと考えていた『やもりん』が
実はいろいろ考えてる?
『セクシーナイト』は『やもりん』をどこか遠くに感じ、寂しさを覚えた。

「おなかすいた~」

雰囲気の読めない、『きゃんきゃん』の一言で、話は終わる。

「…何か食べるか、とはいってもここには何もないな。」
「あっ、それなら、昨日ダーク様がこれをと…。」

100Gとかかれた袋をとりだす『セクシーナイト』

「親切だな。先ほどは少々きつく言い過ぎたか、
 私は主に森で暮らしていたため、昨日の喧騒や人ごみは少し
 堪えた。
 慣れぬ環境に少々いらだっていたようだ。
 あとで誤っておこう。ではいただくとするか。」
「はい。」
「私は人参の方がいいんだけどな~。」

旅は始まったばかり。

「む、硬いぞ。」
「飲み込むんじゃないですか?」
「人参食べたいな~」

この三匹が後に、気まぐれな悪魔と呼ばれ、
神ですら掌握できぬ存在。
ダークのしもべと恐れられる日はまだ遠い。

おまけ

金が食べ物ではないと聞き、驚愕した三匹。
三匹は仲良く腹痛を起こし、出発は三日後となった。

やはり『やもりん』もバカ(仲間)だと『セクシーナイト』はほっとしたという。


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