<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


No.2262の一覧
[0] ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/20 14:03)
[1] Re:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/19 14:12)
[2] Re[2]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/19 18:22)
[3] Re[3]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/20 00:21)
[4] Re[4]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/23 12:22)
[5] Re[5]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/21 22:23)
[6] Re[6]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/11/29 00:41)
[7] Re[7]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/02 16:11)
[8] Re[8]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/02 18:35)
[9] Re[9]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/03 23:45)
[10] Re[10]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/03 23:36)
[11] Re[11]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/03 23:50)
[12] でーた戦闘力(いいかげん)[ひから](2005/12/11 14:44)
[13] でーた登場人物(いいかげん)[ひから](2005/12/04 16:02)
[14] Re[12]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/12 16:11)
[15] Re[13]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/12 16:12)
[16] Re[14]:ダーク・ランス(いいかげん)[ひから](2005/12/20 22:31)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[2262] Re[8]:ダーク・ランス(いいかげん)
Name: ひから 前を表示する / 次を表示する
Date: 2005/12/02 18:35
牢屋を一つ一つ確認しながら、薄暗い通路を歩くランス。
『やもりん』はそんなランスの後姿に隠れるようにしてついていく。

めらめらと燃える、要所要所に存在する松明の灯火は力強かったが、
それだけで通路全土を照らすことはやはり不可能で、遠くを見渡すのは難しい。

夜間のためだろう、通りに兵士の姿はなく、まれに現れる見回り兵も、
リーザスの鎧を着たランスを見分けることは難しいようだ。

侵入者ときづかずノコノコやってきた、見回り兵を
騒ぐ暇も与えずランスの一撃でノックアウトする。

倒れる兵士はそのままであるが、現状騒がれていないところを見ると、
まだ、ランスたちの侵入はばれてはいないようだ。


牢は、『やもりん』が捕まっていた部屋の牢もあれば、
檻のような牢屋もあった。同じ部屋でもJAPAN式の座敷牢もあった。

『やもりん』はランスが覗く牢を、共に見る。
空っぽの牢もあれば、冗談としか思えない、白骨死体の残った牢屋もあった。

悪臭の立ち込める牢屋も少なくない。牢のなかでは、誰も彼も力なくうな垂れている。
捕らえられている人達は、どれほどの罪を犯し、幽閉されているのか
知る由もないが、生気のない彼らを目の当たりにして、
『やもりん』は薄ら寒いものを感じた。

ダークが来てくれなかったら自分も腐った魚のような目をし
一日一日をこんな狭いところで過さなくてはならなかったのだろうか。
いや、生ぬるい。その程度では済まされなかっただろう、

あの醜き男に拷問され、陵辱の限りを尽くされ、たとえ、直接殺されなくとも
そう遠くないうちに狂気に犯され、狂い死にしていただろう。


牢屋を見るたびに、嫌悪が立ち込め、吐き気がする。

大国である牢屋を一つ一つしらみつぶしに探すのは効率がいいとはいえない。
あとどれくらいの、『終わった人達』を見なくてはならないのだろうか。

こういう人達を見慣れているのか、
別段かんがいもなく、作業的に確認を取っているランスを覗き見、
『やもりん』はランスを遠くの存在に感じてしまっていた。

「なんだ、何かいいたそうだな。」

ふいに、ランスが振り向き『やもりん』の顔を見ていった。
『やもりん』は、ためらっていたが、疑問をぶつけてみた。
今一番疑問に思っていること、すなわち…先程の…

「…ダーク、貴方は魔人なのか?」
「なぜ、そう思う。」

「私を「使徒」にしたからだ。」
「ほぅ、よくわかったじゃねぇか、さっきのが「使徒化の儀式」だと」

「ごまかさないでいただきたい。あなたは魔人なのだな…。どうして今まで黙っていた。」
「おいおい、勝手に俺様を魔人と決めてくれるなよ。」

「し。しかし、使徒を作り出せるのは、魔人だけだ。」

はっ、と馬鹿にした口調で返すランス。

「決め付けるな!才能限界?種族の違い?使徒を作り出せるのは魔人だけ?
 妙な枠組みを作るのはいいかげんやめろ。」
 
ランスははき捨てる。『決め付け』はランスの最も嫌うものである。
ルール、存在、枠組み、それらは全て神が創ったものだ。
己もそんな中の一部かと思うと虫唾が走る。

「俺様は俺様だ!そういったものは俺様が決める!」

そう宣言するランスの様子を見て、『やもりん』はこれ以上の詮索をあきらめる。

「…聞いてほしくないようだから、これ以上はやめておこう。
 今は素直に、私が助かったことに感謝し、
 私の『存在』がレベルアップし、遥かな高みを目指せるようになった事を喜ぶべきだな。」

自己を確かめるように体をさすり、『今の自分』を確認する。
そんな『やもりん』にランスが前方を指差し尋ねる。

「…あそこにいる二人を倒せるか。」 
「たやすいことだ。」

ランス達の遥か前方、二人の番兵が見張りをしていた。一人はいすの上でうたた寝をし、
もう一人もなにやら牢の中を覗いていてこちらに気づいていない。

『やもりん』は20メートルを超えようかという距離を三ステップで、つめ、
一人に回し蹴りを、地面、壁と蹴りて、椅子に座っているもう一方の番兵に
勢いを乗せた膝蹴りを叩き込む。手加減も何もなく放たれた二撃は、
二人を昇天させるに十分な一撃だったのだろう。二つの魂が宙に浮き、さまよう。


「…こりゃあ予想以上だな。」

なにも殺さなくとも…とは思いもしないランスだが、
魂を回収しながら、
万一、『やもりん』が敵に回ったら、現状対抗策がないことに気づき、
ランスの頬からは一筋の汗が流れた。

ま、まぁ万が一にも『やもりん』が俺様に逆らうことはないよな、
助けてやったし…。
とはいうものの、三匹の部下の中では、
一番自分に反抗していた『やもりん』
少々不安を感じるのもまた仕方ない話だ。

「それにしても、すごいな、『使徒』というものは。力が段違いだ。
 限界を感じることもないし。自己治癒力も普段の倍は早い。」

『儀式』の前までは、表面上は平静を装いながら、気力だけで
歩いていた『やもりん』だったが、今は、痛みこそ残るものの、
動くのになんら不自由を感じていない。

「ふん、『使徒だから』じゃねぇ「俺様」の使徒だからだ。」
「…ああ、そうかもしれないな。」

やってくるランスに笑顔を返し、…何を思ったか。殴りかかった。
衝撃でランスは吹き飛ぶ。

「ぐっ、…て、てめぇ何しやがる。血迷ったか。」

現ランスの得意とするのは不意打ち。
だが不意打ちをされることには慣れていないのか
ランスは『やもりん』の攻撃をかわしそこね、腹にくる衝撃にひざを突いた。


ランスは自分の懸念が、いきなりあたってしまったことに焦りを見せる。
鋭い目線でにらむランスの瞳には、敵愾心をあらわにした…
ではなく戸惑う『やもりん』の姿が映っていた。

「…あれ?……当たっちゃった」
「あたっちゃったじゃねぇ!!」

怒りをあらわにしつっこむランス。

『やもりん』は先程の『使徒化の儀式』の際、ランスの力の一端を垣間見た。
そう、何者をも支配せんとする『威圧感』と、ランスの発する力強い『気』を…。
それゆえ、今までは道化を演じていたのか、と思ったわけだが。

「この程度もかわせないとは、どうやら本当に弱いようだ。」
「ばかかてめぇ!いきなりの不意打ち、かわせるわけがねぇだろうが!」

「う~む謎だ。これだけのことができて、なぜあなた自身はこうも弱いのだ。」
「弱い弱いと連呼しやがって。俺様は弱くねぇだろうが。
 ちくしょうが!恩をあだで返しやがって!」

「…はっ!?しまった…。…本当にすまない。…機嫌を直してもらえないだろうか。」

しゅんとうな垂れる、『やもりん』
ちっと面白くなさそうに頭をかくランス。

「調子狂うな。テメェは。使徒化の後だから情緒が不安定なのもあるだろう、
 特別に本っ当に、特別に今回に限り許してやる。
 …だいたいだな、俺様が今弱いのはテメェのせいでもあるんだぞ。」
「私の?どういうことだ。」

「お前を使徒化したぶん俺様の力が減ってんだよ。
 この力がばれても困ることが起こるし、あんま使いたくない能力だったが、
 お前が、なんだか本当にへこんでいるようだったから特別にだな…。」
 
「…そうだったのか。本当に悪かった。助けてもらったこと、そして、
 私に可能性を与えてくれたこと、本当に感謝している。
 これからは私の命ある限り、貴方の剣となり盾となることを誓おう。」

ぶつぶつ、呟き、ふてくされてるランスに
ひざをつき、こうべを垂れる『やもりん』
その大げさな様子に、
幾分ランスも機嫌を直したようだ。立ち上がり宣言する。

「まぁ、わかればいいんだ。…じゃあ早速、俺様を『おんぶ』しろ。」
「お、おんぶ?」
「そうだ。俺様は今お前に殴られて動けなくなってしまった。
 お前のせいだ。だから俺様を運べ。」
「わ、わかった。」

ランスは全然全く問題なさそうだが、殴ってしまったてまえ
逆らうこともできずやもりんはランスをおんぶした。

 『やもりん』の攻撃力が下がった。
 『やもりん』の防御力が下がった。
 『やもりん』の機動力が下がった。

「やもりんライダーだ~がははは…。」
「ちょ、暴れないで…。」
「うるさい。こうなったのはお前のせいなんだぞ。(ぽかっ)」
「あいた。」
「ほ~れ前進するぞ~」
「あっ、お尻たたかなくても口でいえばわか」
「がはははははは。進め~。」

ランスのやりたい放題は続く。


「あの~私を助けにきてくれたんじゃないんですか~。」

二人の去った後。
死んだ番兵二人がいた、牢屋の中、
天井からつるされていた『セクシーナイト』は叫んだが、騒がしいランスに声は届かなかった。

哀れ、『セクシーナイト』

「も、もれちゃいます~。」

耐えろ『セクシーナイト』
頑張れ『セクシーナイト』

「ひ~ん。」

結局『セクシーナイト』をランスたちが発見したのは
兵士数人と遊んでいる『きゃんきゃん』にお仕置きを済ましてから
となる。
我慢できたかどうかは、彼女のプライバシーに当たるためここには記載しない。


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.023458003997803