「お父さん、お願いがあるの。」
なのはの父、高町士郎は耳を疑った。
お願いがある、普通ならば別になにもおかしくない言葉だろう。
だが自分の娘なのはは昔、とある出来事によって常にいい子であろうとするようになってしまい家族などにあまり甘えてこなくなってしまった。
故にお願いなど、ここ数年された記憶などなかった。
「ん?何だい?言ってごらん」
数年ぶりに、された「お願い」 ここは多少無茶をしてでも叶えてあげたかった。
「欲しいものがあるの」
よし!!それを聞いて士郎は心の中でガッツポーズをした。
ふざけた値段がするような物でなければ買ってあげられるだろう。
「何を買って欲しいんだい?」
しかしいったい何が欲しいのだろう?
お人形さんかな? いや、かわいらしいワンピースかもしれない。
しかし、なのはは首を横に振り、
「ううん。ちがうの。ちょっと違うの。外で拾ってきたんだけど・・・」
拾ってきた? という事は犬か猫か何かか?
とりあえず見てみることにしよう。
「わかったの。入ってきていいよー。」
結論から言うと、それは犬でも猫でもそもそも生物ですらなかった。
真っ白な長方形のボディに、ドアが二つ。後ろから見えるコンセントが実にキュートだ。
どうみても冷蔵庫です。ありがとうございました!!
しかも冷蔵庫が後ろから誰も押していないのに滑るように移動しているのが輪にかけてシュールである。
そのありえない光景に呆然としていると、どこから声を出しているのか、さっぱりわからないが自分に話しかけてきた。
「自己紹介は・・・ 必要か。 俺の名前は垣根帝督。 見ての通り冷蔵庫をやってる。よろしくな。」
自己紹介の意味が全く分から無いし冷蔵庫がなぜしゃべるのかも全く分からないが、なんとなくだが一つだけ分かった事がある。
こいつに常識は通用しなそうだ、という事だけである。
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| [_!! | 俺の名前は垣根帝督よろしくな
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