朝、なのはが父・士郎にユーノを飼うことを許可して貰い(士郎と恭也は昨日の激戦で疲れ果てて寝惚けていたが。)垣根にユーノの面倒を見てもらう事を頼みなのはは学校に行った。なのはが学校に行った後、部屋には垣根とユーノだけになった。
ユーノはいろいろ気になる(謎の塊のような物である)垣根と話をしてみるいい機会だと思い話してみたいと思った。しかし一体全体何を話せばいいのか分からないでいると、
「なのはの使っている技術・・・魔法とかと言ったか。[あれ]は一体何なんだ?」
垣根の方から話しかけてきた。ユーノはチャンスだと思いとりあえず質問に答えて自分の有りすぎて困る質問にも答えてもらおうと考え、質問に答える。
「魔法というのはね簡単に言うと、空気中に漂う魔力素って言う物を体内にあるリンカーコアっていう所に集めてそれを変換して起こす事象のことを魔法と呼ぶんだ。」
「その変換するのは自分の頭脳でやるのか?」
「簡単な魔法なら出来ない事は無いけど、やるメリットもあんまり無いから普通は、デバイスっていう魔法の杖を使うけどね。それが難しい計算などサポートしてくれるんだ。」
「なるほど。あの魔法のステッキみたいなやつは、マジで魔法のステッキだったのか。」
なるほど、と頷いてる垣根に対してユーノはチャンスとばかりに質問をする。
「垣根さ「ていとくんで良いぜ。」」
「垣「ていとくん。」」
「・・・ていとくん、質問良いですか?」
「なんだ?」
「いろいろ聞きたい事はあるんですけど、ていとくんあの[翼]は一体何なんですか?」
そう、これこそがユーノの最も知りたかったこと。[翼]自体は魔法の存在する世界では全く珍しくないが、ここは魔法がほとんど認知されていない管理外世界の地球である。それにあの[翼]は間近にいたユーノでさえ魔力を感じられなかった。自惚れてはいるつもりは全く無いが、自分は攻撃魔法が使えない代わりに、探知などのサポート系の魔法は得意な方だ。その自分が魔力の魔の字も感じられ無いのならばアレは魔法ではないと見た方が妥当だと思う。しかし、それでは封印しなければ、無限に再生し魔法以外の攻撃を一切受け付けないあのジュエルシードの暴走体を倒せた理由が分からない。(しかも本人は魔法に対する知識が全く無いようようだ。)
「禁則事項、じゃダメか?」
「ええ、流石にダメですね。あの[翼]が何なのか全く分からない以上ジュエルシードに迂闊に干渉すれば、暴走を起こすかもしれません。」
垣根が真面目な雰囲気になり(冷蔵庫だから表情は分からないが)溜息を吐き(冷蔵庫だから以下略)
「しょうがねぇな・・・少しだけ教えてやる。なのはには内緒だぞ。あの力は超能力って言うんだよ。」
「・・・超能力?」
「そう超能力だ。超能力って言うのは、魔法とは違うまた別の法則のことだよ。超能力は一人一個で俺の場合は未元物質という物質を生産するただのつまらない能力だ。」
「生産する能力、それだけですか?」
「そう、それだけだ。」
そう自嘲する様に投げやりに話す垣根を見ながらユーノは思う。魔法とは違う法則、超能力。信じがたいが信じるしかないだろう。それに嘘はついてないみたいだけどまだ隠していることがあると、しかしこれ以上聞いてもおそらく「禁則事項です。」と話してはくれないだろう。ユーノは垣根に礼を言って話を切り上げ、そういえば、なのはに離れていても念話で話ができる事を伝えるのを忘れていたため、慌てて学校にいるなのはに念話で通信した。
余談だが授業中にいきなり念話が来たせいで、びっくりして声を出してしまいみんなから何事とばかりに注目を集めたのはまた別の話。