「邪魔者は、消えた事だし全てを終わりにするわ。アリシアが居なくなってしまってからの暗鬱な時間も、そして人形を娘扱いして気を紛らわすのも・・・」
現在アースラでは、垣根が大部分を防いだとは言え防ぎきれなかった攻撃を受けてしまい負傷した局員の治療を急いでいた。
「わりぃな、全部は防ぎきれなかった・・・」
「いや、十分だ。これならばまだ立て直しは効く。君の功績が無かったらほとんどの局員は、やられていただろう。しかしそれより問題は・・・」
クロノが、横に目を向けるとそこには気絶から目の覚めたフェイトが居た。フェイトはプレシアが何を言っているのか分からない、いや分かりたくないといった目で、モニターを眺めている。
「聞いてるのフェイト・・・あなたの事よ?こんな量のジュエルシードでは、アルハザードに辿りつけるか分からないけれど・・・この男同様、役立たずでちっとも使えないお人形と居るよりはよっぽどマシね。」
その言葉を聞いた天井がプレシアに、凄い剣幕で怒鳴る。
「誰が、お前の娘の出来損ない同様に使えないだ!!!それに約束が違う!!!ジュエルシードは、必要な分以外、わたs「うるさい。」ぶぎゃ!!!」
プレシアから軽い魔力弾を喰らい、あっさりと気絶する天井。それを興味無さげなプレシアは再びこちらを向き話し始める。
「私がこの世界に絶望したのは、4年前だったわ・・・あの子が死んでから、私は必死に何とかしようと頑張って来たのだけどね・・・やっぱり欠陥品じゃだめね・・・あぁ[アリシア]。私のただ一人の愛する子。その中は寒いでしょう?すぐに出してあげるからねぇ。」
フラスコの中に入っている少女に、優しく微笑み話しかけるプレシア。フェイトは、あんな微笑みを[フェイト]にしてもらった記憶は無い。ここで、エイミィが暗い表情で語り始める。
「・・・プレシアにはね、娘がいたの。その娘はプレシアの実験中に事故に巻き込まれて死んでしまったの。その娘の名前は・・・」
そこで一旦話を区切り意を決したかの様に言葉を紡ぐ。
「アリシアというの。」
フラスコの中の少女に話しかけていたプレシアが再びこちらを向く。
「そうよ。あなたはアリシアのクローンなのよ・・・あなたにはアリシアの記憶もあるし、遺伝子も一緒なの・・・でも似ているのは見かけだけ・・・だから、捨てるの。要らないものは捨てるのが常識でしょう?」
フェイトは、信じられないといった目でモニターを見ている。なのはは、これ以上見てられないと「やめて!!!」叫ぶ。しかしそんな事に構わず、プレシアは続ける。
「最後に良いことを、教えてあげるわ、フェイト。」
その言葉に、崩壊寸前のフェイトの目に僅かだが希望が灯り
「あなたを造り出してから、ずっとね。あなたの事が、大嫌いだったのよ!!!」
絶望へと叩き落された。崩れ落ちるフェイトを支えるなのはとクロノ。エイミィが叫ぶ。
「大変!!!庭園内に魔力反応が多数!!!」
「なんだって!!!」
そう言って、モニターを観てみると傀儡兵と呼ばれる自動迎撃装置の動く鎧達が出現していた。
「くそっ!!動ける奴は、僕に続け!!!プレシアは次元震を起こすつもりだ!時か「なぁ、クロノ俺も付いていくけど良いよな?断っても無理やりついていくけどな。」足だけは引っ張るなよ・・・」
垣根帝督を連れ、クロノと武装局員たちは再び時の庭園に侵入する。
なのははフェイトを医務室まで連れて行きベットに寝かせる。
「御免ね・・・フェイトちゃん。私あまり頭良くないから、あなたに掛ける言葉が見つからないの・・・」
そこでなのはは一旦話を区切り、
「だから、あなたのお母さんを止めてくる。それだけが私にできる事だと思うから・・・行ってくるね、フェイトちゃん。アルフ、フェイトちゃんを任せたよ。」
「ああ、ここはあたしに任せとけ!!!だから、あんたは安心して行ってきな。」
自分の言葉が届いたのか分からないが、自分がフェイトにできる事は一つを残してすべてやった。後は最後にできる事を果たしに時の庭園に向かうなのはだった。