「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
プレシアが杖を振るうたびに、強力な雷が垣根を襲う。それを垣根は翼で全てを防ぐ。そして垣根が攻撃に移ろうとすれば、プレシアは、短距離の高速転移を行い距離を取る。プレシアは、垣根のバリアジャケット通過の事を知っており近寄ろうとしない。だがしかし、垣根は完璧と言ってもいい位こちらの攻撃を防いでおり、たまに直撃したかと思っても雷が不自然に曲がり結局当たらなかった。
「いい加減当たりやがれ!!!この年増がぁぁぁぁぁ!!!!」
「だれが、年増だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
年増と言われた事に怒りを感じながら、プレシアは考える。
自分の勝利条件はジュエルシードの力で、次元断層を起こせば良いだけだ。暴走は既に起きているため、後は時間を稼ぐだけである。
しかし、自分は病に侵されていて長時間の戦闘は厳しい。だが後先を考えずに戦っていれば、なんとかいけるかも知れない。そう思った時、
「かっ・・・!!!息が・・・!」
急に息が出来なくなった。いや、呼吸は出来ているのだが酸素を取り込めている気がしない。まるで、酸素が何かに変わってしまったかのように。
「な・・・に・をし」
プレシアが、苦しげにおそらくこの現象を引き起こしたであろう張本人の垣根に向かって質問する。
「知ってるか。この世界は全て素粒子によって作られている。」
「素粒子ってのは、分子や原子よりもさらに小さい物体だな。ゲージ粒子、クォーク・・・・・。
そして反粒子やクォークが集まって作られるハドロンなんてのもあるんだが、
まあ、大概はいくつかの種類に分けられるもんだ。この世界はそういう素粒子で構成されてる訳なんだよ。」
「な・・にを・・・?」
だけどな、と垣根は小さく呟き
「俺の[未元物質]に、その常識は通用しねぇ。」
動けぬプレシアに向かって、垣根は容赦無く翼を振るいその意識を刈り取った。
なのは達が白い謎の傀儡兵を全て倒し、クロノから垣根がプレシアの所に先に行った事を聞いた。
「僕は、プレシアの確保に向かう。あいつなら、たぶん大丈夫だろうが万が一と言う事もある。君は、この庭園にあるもうひとつのロストロギアを回収してくれ。」
なのはが了承すると、クロノは物凄い速度で行ってしまった。とりあえずなのはとユーノはクロノに言われた通りジュエルシードとは違うロストロギアを回収しに行く事にした。
途中に結構、傀儡兵がいたが相手にならず蹴散らしながら進んでいくと其処にはここのエンジンらしき物があった。
「この中に入っているのかな?ユーノ君。」
「おそらく、そうだろうね。今取り出すから少し待っててね。」
ユーノが変身を解いて中からロストロギアを回収しようとすると、
突然足元が爆発した。
いち早く気づいたなのはが、ユーノを抱えて回避していなければ二人とも愉快なオブジェへと変わっていただろう。後ろを振り向いてみると、
其処には、奇妙なヘリコプターがあった。見かけは、地球の兵器のAH-64アパッチに似てるだろうか。翼が六枚あることを除けば、だが。
とある世界の一機250億円の殺戮兵器、HsAFH-11通称[六枚羽]。殺人ヘリと魔法少女の絶望の戦いが、幕を上げた。