垣根は翼を展開し、全力で疾風の如く飛ぶ。プレシアから聞いた話では時の庭園の最下層にいるらしい。それに垣根がプレシアの元にまで辿り着くまでに蹴散らしたあの白い傀儡兵。あれは、[学園都市の駆動鎧]だ。あんなものこの世界にあるはずなど無いし、さっき思い出したが天井の専門は遺伝子工学であり完全に畑違いだ。それに、あの自然な動きは機械の自動操縦等では無く、絶対に人が遠隔操作で動かしている。
「・・・」
そしてどうにか返り討ちにしたが、あの駆動鎧の連携プレーは人間の常識を超えている。凄過ぎるのだ。あれは、複数の人間が操っているというよりも一人の人間が複数居て操っていると言う感じだった。そんな事を考えながら、最下層に迄辿り着き扉を抉じ開けた。
フェイトが、高速で動き回り着実にダメージを与えていく。そして[六枚羽]が機銃を撃つも、フェイトは軽く躱してゆく。避けようの無い広範囲の攻撃を放とうとすれば、
「行くよ、レイジングハート!!!」
「All right。」
「シュート!!!」
なのはからの強力な攻撃を喰らう!ついに殺戮兵器[六枚羽]の限界が来たらしく、煙を吹いている。
「行くよ、フェイトちゃん!全力全開!スターライト・」
「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル」
「ブレイカー!!!!!」
「フォトンランサー ファランクスシフト 打ち砕け! Fire!」
莫大な、魔力が[六枚羽]を貫き完全に撃破した。
垣根の入った部屋は、薄暗く駆動鎧等の遠隔操作をするための機材が沢山あった。垣根は慎重に部屋の奥へと進んで行く。奥にには一人の少女が立っていた。その少女の年は中学生位だろうか?栗色の髪の毛に武骨な軍用ゴーグル、そして何処かの中学校の制服を着ていた。その少女は、無表情で垣根の方を向き話しかけてきた。
「初めまして、とミサカは言葉を話すメルヘンな冷蔵庫に対して挨拶をします。」
垣根帝督は、この少女を知っている。直接知り合った事は無いが、彼の宿敵[一方通行]の事を調べるのならば欠かせない人物だ。だが、この[ミサカ]は一体どのミサカなのだ?
「・・・な、なぁ。お前の[検体番号]は一体幾つなんだ?」
垣根が声を震わせながら、尋ねるも相変わらずの無表情で答える。
「そこまで知っているのですか、とミサカは目の前の冷蔵庫に対して驚きを隠せないでいますが、心の広いミサカはその問いに答えてあげるとしましょう。」
そう言って、言葉を区切りこちらをじっと見つめてくる。
「ミサカの検体番号は、0000一号。 絶対能力進化計画にて被験者[一方通行]に殺害された一番最初の[妹達]です。」