「フェイトちゃん・・・」
「大丈夫だよ、なのは。私だけじゃ無い、ユーノだってクロノもアルフだって来てるんだから大丈夫。」
そうフェイトが言うと、外にクロノとユーノが立っており襲撃者達の方と向かい合っていた。どうやら彼女たち以外にも襲撃者が居たらしく、アルフとの戦闘音が聞こえる。そしてリーダー格と思しきシグナムと呼ばれたポニーテールの女性は厳しい顔をしている。なのは一人でも厳しかったというのに、ここに来てかなりの増援。戦況が大分厳しいのは明らかだった。
「シグナム、どうする?」
「・・・引くぞ。一人も欠けるな、シャマルサポートしろ。」
どうやら、引くことにしたらしい。自分たちが作った結界を解除し逃げようとするが、だがしかしここに居るのは皆かなりの使い手ばかり。早々逃げられるものでは無い。
「逃がすか!!結界を展開s」
ユーノが、逃さん!!とばかりに結界を張り逃げられないようにしようとするが、
突然ユーノ胸から手が生えてきた。
突然の出来事に固まるなのは達。その隙を見逃すヴォルケンリッターでは無い。皆が固まっている間に、逃走し始めた。追うべきなのだろうが、苦痛に顔を歪めるユーノをこのままにしておくわけにもいかず、このまま逃げられてしまうかと思ったが、
「舐めるなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ユーノ、魔力が体から抜けてゆく脱力感に耐えながら無理矢理結界を展開させた。ユーノは力尽きたのかそのままゆっくりと倒れる。倒れた時手も引っ込んだ。
「良くやった、ユーノ!君の頑張りは、」
クロノが珍しくユーノを賞賛し、逃げる者たちを追いかけようとした時、
雷が降り注ぎ、ユーノが作った結界を粉々にしてしまった。
無茶して作った結界があっという間に壊され、皆呆然としている間にもう奴らに追い付く事は不可能と判断したクロノはなのはに話しかける。
「とりあえず、アースラで話を聞こう。」
「つまり、話す間もなくいきなり襲い掛かって来たと。」
「うん、レイジングハートが改造されてなかったら危なかったかも。
」
現在なのははアースラでクロノ達に自分が襲われた経緯を話してるが、なのは自身にもなぜ襲われたのか分かっていない。ユーノは医務室で深く眠っている。
「彼女達は、恐らく[闇の書]と呼ばれるロストロギアのプログラムだ。」
「闇の書?」
クロノがなのは達になのはを襲った者たちの素性を憶測だが話す。なのはは[闇の書]と言う聞いたことのない単語に首を傾げる。
「闇の書と言うのは、第一級ロストロギアでとても危険な物だ。特徴として、生物のリンカーコアから魔力を蒐集する事が出来るという事かな。魔力を蒐集する事によって闇の書が完成されていくという事なんだ。」
ユーノが寝込んでるのも蒐集されたからさ、とクロノは付け足す。しかし完成とは一体どいう事なのだろうか?
「簡単だよ、闇の書は不完全なんだ。だから、人を襲って魔力を蒐集する事で完成しようとするんだよ。そして、完成してしまうと融合事故が起きて闇の書の持ち主もろとも吹き飛ぶという厄介な性質を持っているんだ。」
さらに自爆した後転生し、また他の人間に憑りつくのだから始末が悪い。つまり完成する前に何とかしないといけないという事らしい。
「所で、なのは。垣根は何処にいった?」
クロノがかなり重たい雰囲気でなのはに聞いてくる。隠す事でも無いのでなのはは最近家に垣根が帰っていない事を伝える。
「・・・そうか。なのは、最近地球に来ていた管理局員が殺害される事件があったんだ。」
なのはから垣根が最近家に帰っていない事を聞いたクロノは厳しい顔になり最近起きた事件について語ってくる。
「それでだ、その局員の死体に奇妙な点があったんだ。体は見事に真っ二つだったんだけど・・・バリアジャケットは[無傷]だったんだ・・・」
クロノが何を言いたいのか理解したなのははクロノに対して反論をする。
「そんな訳無い!!!ていとくんが、そんな事をする訳無い!!なんでそんな事を言うの!?」
クロノは頭を抱えながら話を続ける。
「・・・僕だって疑いたくなんて無いよ。だけどバリアジャケットを貫通でも破壊でも無く[通過]する攻撃が出来る奴なんて垣根ぐらいしか知らないんだ!!!だから垣根とあって疑いを晴らしたかったんだけど・・・」
どうやら、管理局の上層部にはバリアジャケットを通過する垣根の存在が知れ渡ってしまっているらしい。ユーノはその疑いを晴らしたかったらしいが肝心の垣根が不在。お陰で随分とやりづらくなってしまったらしい。
「ていとくん・・・今、何をしてるの?」
なのはが、ぽつりと悲しげに呟いた。
「喰らえぃ、はやて!!これが幻の十六連鎖だ!!!」
「ぬぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!また負けたっぁぁぁぁ!!!」
現在垣根ははやての家で二人でぷよぷよをしていた。と言っても実力に差があり過ぎて最早苛めのクラスだ。
「いやぁ、いい勝負だったなぁ!!またやろうぜ、はやて。」
「ギギギ・・・強すぎや・・・と言うか、ぷよの動きが人間業じゃないわ・・・」
垣根の操作の速度が速すぎて最早残像が見えるのだ。挑むはやてもはやてだが、小学生相手に大人げない垣根も垣根である。
「それにしても、みんな遅くね?みんなでこっそりカラオケにでも行ってるんかね?」
「ええなぁ・・・カラオケ。私も行って見たいなぁ。行った事無いんよ。」
「え!?なんで?」
「一人カラオケって何か寂しくないん?」
「俺が悪かった。」
そんな事を話していると、皆帰って来たようだ。はやてははち切れんばかりの笑顔になり車椅子で玄関まで迎えに行く。垣根は微笑み?(冷蔵庫だから以下略)ながら玄関まで付いてゆくのだった。