「どうだい、マリー。何か分かったかい?」
「あっ!クロノ君。いや~、全然分からないね~。というかこの物質何?初めて見たんだけど。」
調査をしているマリーに、クロノは何か分かった事は無いか質問に来たようだ。しかしあまり調査の結果は芳しくないよう様だ。
「しかし、これ一体何?こんなに、非常識な物質どこから持って来たのこれ?」
「まぁ、持ち主が非常識だからなぁ・・・」
本人が居ないところで、酷い言われ様である。しかしマリーでも分からないとなると、管理局が本腰を入れて徹底的に調べるか又は垣根本人に聞くしかない。
「そういえば、クロノ君がホームランされた映像を見たんだけど。」
「あまり、思い出させないでくれ・・・」
転移で出現した瞬間に垣根に一撃で、ホームランされ人間水切りをした挙句無様に失神した事は、クロノ・ハラオウン一生の不覚。故にその話題をあまり掘り返してほしくないのだ。
「いろいろ実験して見たけど、あの物質にバリアジャケットを通過するような特性は付いて無かったよ。」
「何・・・だと・・・?」
マリーが言うにはいろいろ実験して見たが、バリアジャケットを通過するどころか貫通すら出来なかったらしい。クロノが疑問に思っていると、
「おそらくだけど、その垣根とか言う人しか知らない使い方とかあるんじゃないかな?」
どうやら、マリーの考えでは垣根しか知らない使い方があると言いたいらしい。しかし、当の本人が行方不明なのだ。
「まぁ、そろそろレイジングハートのメンテナンスをしなきゃならなしい忙しくなりそうだから良いかな?」
「あぁ、ありがとう。マリー。またなにか分かったら教えてくれ。」
そう言いながら部屋を出て行くクロノ。出て行く時クロノが思った事は、一体垣根とは何者なのだろうと言う単純な疑問だった。
クロノはなんだかんだで垣根と付き合いがあるが、自分は垣根の事を全くと言っていいほど知らない。自分の知っている事と言えば精々、なのはの家に住んでいてメルヘンな翼を使い冷蔵庫なことくらいだ。いい加減そろそろ垣根の事をもう少し知っておく必要があるかもしれない。次にあったら、さっさと垣根にかかっている疑いを晴らしてOHANASHIをしなくちゃならないなと思った。
「やれやれ、久しぶりに帰って来た気がするな。」
現在垣根ははやてに一旦家に帰る事を伝え(もの凄く渋っていたが、すぐに戻ってくるからと何とか納得させた。)高町家の前に居た。
「なのはは元気かな~。そろそろレイジングハートのメンテナンスもしなきゃならないしな。」
そう呟きながら家に入ろうとした垣根だが、
「かぁ~きぃ~ねぇ~!!!!」
あぶなーい!上から襲ってくるッ!上から襲ってきたのは高町恭弥!!鋭い一撃をなんとか回避すると垣根。回避した瞬間を狙って疾風の如く遅いかかってきたのは高町家の大黒柱、高町士郎だっ!!
「殺ったぁ!!」
しかし、垣根は翼を展開しそれを何とか躱そうとする。そして、当たってしまったがなんとか直撃は避けられた。翼を展開しても避けられない攻撃をしてくるこの親子は本当に人間なのだろうか?
「行き成り何すんだぁ!!!俺じゃ無かったら大怪我してぞ!!」
「うるさい!!一体どこに行ってたんだ、貴様は!!なのはに心配させやがって!!絶対に許さん!!」
士郎の方も見てみると恭弥と同じように、殺気があふれ出ていた。このままでは殺されると判断した垣根は臨戦態勢を取り翼を展開させる。
「このシスコンと親バカが!!上等だよ!!やれるもんなんなら殺ってみやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
達人と超能力者が再び激突した。その(くだらない)戦いは桃子が止めるまで続いたという。
「それで、戻って来たと言う訳か・・・」
「あぁ・・・あいつら人間じゃねぇよ・・・」
久々に帰ってみたら自分以上に非常識な二人に襲われるわ、なのはは居ないわで踏んだり蹴ったりだった。結構本気で戦っていたのだが、だんだんあの二人、人間の常識を無視し始めてきているような気がする。
「しかし、恐ろしい者たちもいるものだな。我らでも敗北した貴様に対して魔法も無しでここまで肉薄するとは・・・」
「そいつら本当に人間か?」
シグナムとヴィータが高町親子を人外扱いしている様な気がするが、あながち間違ってないので訂正はしない垣根。
「凄い人たちもいるもんやねぇ・・・世界は広いもんやなぁ・・・。私、ストレート。」
「そうだな、世界はメルヘンでいっぱいなんだぜ、はやて。それと俺ロイヤルストレートフラッシュ。」
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!また敗北やぁ!!なんで勝てんのや!!」
何度も垣根に挑むが一度も勝てないはやて。運用素の強いポーカーならばと思い、やってみたら結果は惨敗。これで記念すべき100連敗だ。
「ドンマイ・・・」
「私をそんな目で見ないでぇぇぇぇ!!!」
「垣根!!てめぇ、少しは手加減しろよ!!!はやてが可哀そすぎるだろう。」
ヴィータが垣根に対して文句を言うが、垣根だって手加減してる。さっきのポーカーだって手札を全とっかえしたら、ああなってしまったのだ。
「まぁ、なんだ・・・はやて、お前は確実に神に愛されてるよ。ただし貧乏神にな。」
「ちくしょー!!!ていとくんなんて、腐ったプリン食べて腹壊してしまえ!!!」
「残念、俺に飯は食えない!!」
ぬぐわぁー!!!と髪を掻き毟るはやてを守護騎士達が止めようとして居るのを眺めながら、垣根はのんびりとするのであった。
「平和だなぁ・・・」
「お前も和んでないで、主を止めろー!!!」