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No.31710の一覧
[0] 【短編ネタ】なのはとシュテル[この小説はPCから投稿されています](2012/02/25 12:47)
[1] フェイトとレヴィ[この小説はPCから投稿されています](2012/03/06 22:47)
[2] はやてとディアーチェ[この小説はPCから投稿されています](2012/03/11 09:35)
[3] 三人娘とマテリアルズ[この小説はPCから投稿されています](2012/03/20 10:28)
[4] なのはとシュテル2[この小説はPCから投稿されています](2012/10/20 16:34)
[5] フェイトとレヴィ2[この小説はPCから投稿されています](2012/12/15 09:01)
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[31710] 三人娘とマテリアルズ
Name: この小説はPCから投稿されています◆955184bb ID:c440fc23 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/03/20 10:28
 時刻は午後十時を回り、勤務シフトは夜勤へと切り替わっていた。場所はミッド湾岸部にある機動六課部隊長室。その一角に二つのソファとテーブルが置かれている。休憩用や談笑用、或いは来客用の場所なのだが、そこにやや疲れた顔で笑いながらなのは達がソファに座っていた。
 今日はかなり色々とあったため、精神的にも肉体的にも疲れたのだ。状況を考えればこうしているのもはばかられるのだが、周囲が三人の事を考えて休養として今の時間を送れるよう気にせず過ごして欲しいと告げた事もあり、今だけはそれらの事を忘れようとしていた。

 その前にあるテーブルの上にはティーカップと紙箱が置いてあり、中には美味しそうなシュークリームが入っている。それはなのはの実家が営む喫茶翠屋の物だ。元々はそれなりの数があったのだろうそれは既にある程度数を減らしていて、残るは三つとなっていた。
 それが置いてあるテーブルを挟んだ先に来客用の同じようなソファがある。そこに彼女達と同じ顔の少女達が三人座っていた。まぁ、疲れているなのは達に対して彼女達はそうでもなかったが。

「でもシュテルちゃん達が来てくれて本当に助かったよ。ヴィヴィオをさらわれずに済んだし、シャマル先生達も大きな怪我せずに済んだもん」

「うん、それにエリオ達もレヴィ達にありがとうって言ってたよ。まさか六課にもあれだけの数を向かわせてくるとは思わなかったから」

「いや、にしてもまさかディアがシュテルちゃん達まで連れてきてくれるやなんてなぁ。駄目元でお願いしといて正解やった。これが出来なかったらと考えると……」

 六課部隊長として指揮を執るはやては公開意見陳述会当日のこの日、自分達機動六課がジェイルの標的にされる可能性をこれまでの事から考慮し、万が一のために援軍を要請したかった。だが、人材不足に悩む陸にそんな事を頼めるはずもなく、そもそも地上本部の警備のために動いているので不可能だ。
 かといって本来管轄外である海や空に要請する事も頼る事も出来ず、八方ふさがりとなったはやては苦肉の策で海鳴で暮らすディアへ手助けを願い出たのだ。表向きは民間人である彼女ならば六課を訪れていたとしても何ら問題なかったために。

 実は八神家がミッドへ引っ越しをする際、ディアーチェは一人海鳴に残ると決めた。その理由は一つ。家族である初代リインフォースが旅立った地だからだ。そこを誰かが守ってやらねばならないが、守護騎士の役目がはやてを守る事である以上それではない自分がそれを引き受けてやるか。そう思ってディアーチェは海鳴へ残ったのだ。
 それをどこかではやて達も察したのだろう。表向きはもう傍にいる事が疲れると言って背を向けたディアーチェへ、はやて達は一言感謝を述べてミッドへと向かったのだから。それ以来ディアーチェはハラオウン家に居候している。レヴィのお目付け役として活躍していてリンディやエイミィ達の信頼も厚い。

 そうしてはやての要請にディアーチェは応え、レヴィとシュテルを引き連れてミッドへとやってきたのだ。

「たまたま都合が合っただけです。まぁ、ディアーチェが来て欲しいと言うので珍しいと思ったのも原因ですが……」

「僕もそう。だけどさ、あの女の子はともかくロボットは数が多いだけで弱かったなぁ。天破雷神槌で一瞬で蹴散らせたのには笑ったよ」

「ふん、良く言うわ。最初は接近し過ぎて魔法が使えんと慌てておったくせに。それとはやて、お前達と同じでこやつらも我のしもべ同然だという事を忘れたか? だからこそ、ジェイルなどと言う下郎に見せてやろうと思って来てやったのだ。真にこの世を統べるべき王とその臣下の力をな」

 その言葉に平然とした表情のシュテル。どこか納得がいかないのか不満そうなレヴィ。そしてにやりと不敵に笑うディアーチェ。それぞれの表情と反応になのは達は微笑みを浮かべた。相変わらずだなと思ったのだろう。
 久しぶりに会う姉妹のような相手は少しも変わる事無く過ごしていると感じられたために。そんな三人が自分達不在の六課を守ってくれた。そう考えなのは達は心の底から感謝していた。

 今日、機動六課はなのは達隊長陣を始めとした主戦力を地上本部の警備へ割いていたのだが、その隙を突く形で六課隊舎をジェイル・スカリエッティ有する戦闘機人二体と召喚魔導師、そして多数のガジェットと呼ばれる無人機が襲撃したのだ。当時隊舎に残されていた防衛戦力は守護騎士であるシャマルとザフィーラのみ。それ故相手側は最初こそ有利な状況で二人を攻撃していたのだ。
 しかし、そこへシュテル達三人が背後を取る形で登場。予想だにしない援軍に驚く相手側を圧倒し始めたのだ。奇襲をした側から奇襲される側へと変わった事。それに戦闘経験が少ない戦闘機人達は調子を狂わせた。そうなった後は守護騎士として経験値の多いシャマル達の敵ではなかった。

 隊舎前の戦いをディアーチェとシュテルがシャマル達と引き受け、一人転送魔法で内部に潜入していた召喚魔導師がヴィヴィオを連れ去ろうとしていたところを素早くレヴィが強襲。共に確保には至らぬものの時間稼ぎに徹した事でエリオ達二人が合流。その総力を挙げて撃退し、一人の死傷者も出す事無く襲撃を乗り切ったのだ。

「それにしても狙ったようなタイミングやったらしいな。シャマル達が言ってたけど、ディア達が天使に見えたそうやし」

「本来であればもっと早く来るはずだったのだが、飛行魔法を無許可で使う訳にもいかぬとシュテルに言われたのでな。無駄に時間を食ったのだ」

「少し違いますよ。私は無許可で使ってもいいが怒られるのははやてになるだけですと言ったのです。まぁ結果として、それでディアーチェが歩いて行こうと決めたのが功を奏した形になりましたが」

「ふふっ、でもシュテル達は相変わらずだね。いきなりルシフェリオンとエクスカリバーを使ったって聞いたよ?」

「僕の雷刃滅殺極光斬もだよっ! あれで外にいたロボットは全滅して、残った二人もかなりびっくりしたんだからさ!」

「さ、三人同時の最大攻撃かぁ。それは確かにびっくりするかも」

 なのははそう言いつつその光景を想像した。自身の背後から迫る三つの魔法。しかも、それら一つ一つが必殺レベル。絶句を通り越して意識を失うかもしれないと思い、なのはは小さく身震いした。そんななのはに気付きフェイト達が揃って視線を向ける。

「どうかしたのなのは?」

「え、その……」

「どうせ私達が現れた時の光景でも想像していたのでしょう。分かり易いですね、貴方は」

 シュテルが呆れたようにそう言うとなのはが苦笑して頬を掻いた。それがシュテルの指摘通りと周囲へ告げている。そんな二人にフェイトとはやては笑みを浮かべ、レヴィは笑い、ディアーチェはシュテルと呆れた表情を浮かべるのみ。
 それでも室内にあるのは和やかな雰囲気だ。まだ事件が終わった訳ではないが、大きく終幕に向かっているのは事実。そう、ジェイルの目的はまだ解明されていないが、それにヴィヴィオが必要である事は明白となったのだから。

 同じ失敗はもうしない。六課隊舎もダメージを負ったがシュテル達のおかげで軽微で済んだのだ。今はまだ万全の状態ではないものの、スバル・ナカジマを始めとした前線メンバーも誰一人欠ける事なくいる。姉のギンガ・ナカジマは連れ去られてしまい、リインフォースツヴァイは受けたダメージのため治療中だが、それでも誰も闘志は消してはいないのだから。

 そう思いなのはは小さく頷いた。と、その視線が時計へ目をやる。時刻は午後十一時になりかかっていて、そろそろシュテル達が帰ってこない事を桃子達が心配している頃だろう。そう考えてなのはは目の前の三人へ少し寂しげに口を開いた。

「シュテルちゃん達、そろそろ帰らないとまずくない?」

「おや、もうそんな時間でしたか。ですが母さん達の事なら心配いりません。私は既にメールにて貴方に泊めてもらうと連絡済みです」

「我らもだ。まったく、何故我が連絡役なのだ。我はあの者の子ではないと言うに……」

「いいじゃん。お母さんはもうディアっちの事も娘みたいなものだって言ってるんだから」

「え、えっと、連絡してあるのは分かった。でもディアーチェはいいとしてレヴィ達はどうするの? 私となのはは同部屋なんだけど……」

「フェイトちゃん、それは言わんでも分かるやろ? 今日はなのはちゃんとヴィヴィオがシュテルちゃんと一緒や。フェイトちゃんはレヴィちゃん連れてキャロ達と一緒に寝ればええ。な、ディア」

「…………何故我へ聞くかは理解し難いがそうするしかなかろう。ま、我はその前に勝手に無茶をしたツヴァイの奴めへ説教をせねばならぬしな」

 そう言ってディアーチェはやや照れくさそうに顔を背けた。それをレヴィがからかいシュテルが煽る。はやてはそんな光景を微笑みながら見つめ、フェイトは苦笑しながら止めに入り、なのははその様子に無意識で笑みを零す。
 初めて出会った時は戦うしかなかった自分達。それが今は共に笑い合いながら過ごせるようになっている。友人になれて本当に良かったと、そこまで考えてなのははふと気付いた。それはいつでもそうだった事に。

 幼かったあの日、すずかへいじわるをしていたアリサを止めに入った時から、自分は必ず誰かを助ける事で友人や仲間を作ってきたと。ユーノやフェイトだけではない。ヴィータ達やはやてもそうだ。最初こそ争いの中で出会ったものの、最後には共に笑い合えるようになっているのだから。

(そっか……悪いのはぶつかる事じゃない。悪いのは相手の事を分かろうとしないで戦う事だ。何で戦うのか。どうして争いをするのか。それを分かろうとしないと駄目なんだ)

 それをした結果、自分は今のように多くの友人を得た。なら、もしかすると今回もそうなるかもしれない。犯罪を犯す事はいけない事だ。だが、だからといって相手を一方的に悪いと決めつける事は出来ない。フェイトもヴィータ達も止むない事情があり、今ではそれらの自分達のした事を償うために頑張っている。
 今回の相手にもそういう事情があり、そうなってくれる可能性はある。そう思ってなのはは決意した。この事件で戦うであろう相手の事を分かるように努めようと。そして自分の気持ちをぶつけてみようとも。

「どうかしたのかなのは。やけに顔がイキイキしておるぞ」

「ちょっとね。今度の事件へ対して私なりに決意を新たにしたってとこかな?」

「エースオブエースの本気発動ですね。まぁ全力全開は結構ですがあまり無理をしないでください。いつぞやのように周囲をひやっとさせる事になりかねませんし」

 意気込むなのはへ放たれるシュテルの容赦ない一言。それがあの撃墜未遂事件を指していると理解し、なのはだけでなくフェイトやはやても苦笑した。ある時の任務帰り突然起こった謎の襲撃事件。その奇襲攻撃にそれまでの疲労からなのはが動きを鈍らせたのだ。シュテルが同行していたため彼女がそれに対処し事なきを得たが、もし彼女がいなければ救援は間に合わずなのはの体を襲撃者の刃が貫いていたのだから。

 と、そこでシュテルがある事を考えてぽつりと呟いた。彼女もその時の事を思い返していたのだろう。そこで見た襲撃者の姿がある物に近い印象を受けたのだ。

「そういえばあの時のロボット……どことなく今回見た物に似ていますね」

「えっ?! なのはそうなの?」

 レヴィの興味津々といった視線になのはは記憶を呼び起こして黙り込んだ。やがてその姿を思い出し、真剣な表情でその目をフェイトへと向ける。

「…………フェイトちゃん、もしかして」

「可能性はあるよ。あれがガジェットのプロトタイプとしたら話も合う」

「ここにきて新しい仮説か。となると、それがスカリエッティのアジトにある可能性も出て来たな」

 瞬時に表情を管理局員へ変えるなのは達を見て、どこか悲しげな笑みを浮かべるシュテル達。いや、レヴィは悲しそうな表情をしている。久しぶりに会ったなのは達。それがどんどん自分達との距離を開けていると感じ取っていたのだ。
 出会った時は双子のようで、それが変わり始めたのはいつだろうか。気が付けば背丈も体つきも、そして今や住む場所さえも変わってしまった。この差は縮まる事無く進み、最後には違いではなく別れとなって自分達へ突きつけられる。そう三人は悟っていた。

 その時、果たして自分達はそれを受け入れる事が出来るのだろうか。そして、自分達は一体いつまで存在し続けるのだろうか。元々闇の書の闇から生まれた三人。その寿命などは未だに分かっていないのだ。なのは達には話していないが、彼女達はいつ消えるともしれぬ存在と言えるのだから。

 シュテル達の様子に気付かず、局員として話をするなのは達。そんな彼女達へレヴィが遂に我慢できなくなったのだろう。大きな声を張り上げたのだ。

―――いいかげんにしてよっ! フェイトもなのはもはやても局員なのは分かってるけど、今は僕らと話してくれなきゃ怒るぞ!

 その瞬間静まり返る部隊長室。だが、シュテルとディアーチェはどこか呆れながら頭を押さえている。それがなのは達の視界に入り驚きを緩和させていき、最終的に笑いを込み上げさせる事となる。それは憤るレヴィを宥めるシュテルとディアーチェの会話が原因。

―――レヴィ、少し落ち着きなさい。でなければ私が怒ります。二度と母さんの作るスイーツは食べられないと思いなさい。

―――確かに今のは煩かったな。それなら我も怒るとしよう。うぬのゲームデータを全て消去してくれる。

 その内容にレヴィが即座にごめんなさいと頭を下げたところでなのは達が吹き出した。変わらない力関係と変わっているやり取りの内容。それが見れた事もあって、なのは達は嬉しさと面白さから笑う。するとそれに感化されたのかシュテルとディアーチェも小さく笑った。
 一人周囲の状況から自分が笑われていると感じ憮然としていたレヴィだったが、やがて彼女もつられるように笑い出し室内を六つの笑い声が包んだ。そうしてしばらく笑った後、六人は息を落ち着けて手元にあったティーカップへと手を伸ばす。

「む……」

「冷めてる、ね」

「みんなお代わりいるよね? 待っててね。すぐ準備するから」

 口に感じる冷たさに顔をしかめるディアーチェ。フェイトはやや苦い顔でそう言ってもう一度カップを口につけると中身を飲み干す。その間に飲み干したのだろうレヴィが嬉々として茶葉の入ったティーポットへ熱い湯を注いでいた。そしてそれをシュテルへ手渡しながら不敵に笑う。

「さあシュテるん。喫茶翠屋の関係者として見事に紅茶を淹れてみよ!」

「そこまで大げさなものですか? 誰でも簡単に出来る事かと思いますが……」

「にゃはは、そういうレヴィちゃんは上手に出来るのかな?」

 楽しげに問いかけるなのはにレヴィは返す言葉がないのか、あたふたとしながら関係のない事を話し出して誤魔化しを図る。その間にシュテルが空いたカップへ紅茶を注ぎ出した。それにフェイトとはやてが礼を述べ、ディアーチェは大義であると告げた。
 なのはがレヴィとじゃれ合う中、シュテルは六つのカップへ均等に紅茶を注いでいく。少し淹れては別のカップへと移動させながらを繰り返し、最後の一滴まで注ぎ終えてシュテルは小さく頷いた。丁度それを見てなのはがレヴィへ残っていたシュークリームを手渡す。

「はい、レヴィちゃん。紅茶も入ったし、これでも食べて機嫌直して」

「いいの!? えへへ、やったぁ」

「これで残りは二つだね。誰が食べる?」

「この時間の甘い物は太るしなぁ。よし、ディア食べてええよ」

「そう言われて素直に受け取ると思うな! 明らかに処理させるつもりではないかっ!」

 はやての言い方に即座に返すディアーチェ。その見事な返しに彼女がどれだけ八神家に染まったかが見える。そんなやり取りにフェイトとレヴィが笑う中、シュテルは一人シュークリームを手に取り、なのはへある提案をした。

「どうでしょう。ここは二人で分けませんか? 上下半分ずつで。上ならばそこまで量もありませんし」

「分かった。ありがとうシュテルちゃん」

 シュテルがシュークリームを上下で綺麗に割り、上の蓋のような部分にクリームをやや多めに乗せてなのはへ渡す。それを笑顔で受け取りなのはは口へ運んだ。それに続くようにシュテルも手にしたシュークリームを口へ入れ、二人は揃ってその味にだろうか笑みを浮かべる。
 その光景を見ていたレヴィは黙って手にしたシュークリームへと視線を落とした。先程までは一人で食べようと思っていた彼女だが、二人の笑顔に思う事があったのだろう。それをシュテルのように上下に割って同じように上部分へクリームを心持ち多めに乗せたのだ。そしてそれをなのは達を微笑ましく見ているフェイトへと差し出した。

「はい、フェイトの分」

「えっ? ……いいの?」

「うん。だってさ、二人で食べた方が美味しいはずだから」

「そっか。そうだね」

 共に笑顔を見せ合うフェイトとレヴィ。そうなれば残された者達がどうなるかも言うまでもない。ならばとはやてが残ったシュークリームを取ろうと手を伸ばす。が、それより先んじてディアーチェが無言でシュークリームを取り出し上下へ割ると、その上部分へクリームを乗せた。その量は全体量の半分ぐらいだろうか。
 だが、シュテルやレヴィと違いディアーチェがはやてへ手渡したのは上ではなく下部分。それに微かな疑問を感じるはやてへディアーチェは当然の如くこう言い放った。

「はやてよ、貴様は我のしもべも同然と言ったであろう。ならば我は常に上でなければならぬ。それぐらい言わずとも理解せよ」

「ははっ、王よ申し訳ございません。では、今日寝る際は隣ではなくわたしの上にお乗りください」

「…………そこは隣でよいわ、馬鹿者」

「そか。いやぁ良かったわ。あー言ったものの、上に乗られたら苦しやろからどないしよう思うたんよ」

 楽しそうに笑うはやてと照れているのかそれに少し不機嫌そうな顔を見せるディアーチェ。それを見つめて笑みを浮かべるなのは達。こうしてこの時間は過ぎていく。翌日、シュテル達三人は海鳴へと戻っていった。シュテル達が協力を申し出たのだが、なのは達は今はその時ではないからとそれを断ったのだ。

 そう、時が来た時は頼りにさせてもらうからと、そう言われたために三人も大人しく引き下がる事にした。どこかでそれはもう来ない気がするとも思いつつも、三人はミッドを後にする。その心にそれぞれ大切な相手の無事を祈りながら。時に新暦七十五年。もう数か月で彼女達が出会って十年になろうとしていた時の事だった……




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三人娘とマテリアルズでした。ユーリをとの感想がありましたが、自分はゲームを一作目しかやった事がありませんのでご容赦を。蛇足感はあるかもしれませんが、これで本当に終わりとさせて頂きます。

某所でマテリアルが出てくるssが少ないと見て「短編でも喜んでくれる人がいれば……」と思って書き始めたのが始まりのこれも、予想以上に楽しんでくれた方が多くて驚いています。いつかマテリアル達を交えたほのぼの物でも書いてみたいです。もしその時を迎える事が出来た暁には、またどうかよろしくお願いします。


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