「話を聞いて!」「おー。聞いてるぞー」「逃げてるよー!」「いや、だから逃げながら聞いてるって」「止まって聞いてください!」「うおぉぉお!? 撃つな撃つな! 聞くから! ちゃんと聞くから!」なんて事になってます。フェイトはケータイもってないし八神家には連絡できない。さらに白い魔王様に追われて帰れない。もしかして俺……死んだ?だがしかし、俺は一分も諦めてはいない。あわよくば相手のジュエルシードでさえ奪おうと思っている。―――分の悪い賭けは嫌いじゃない。人とは、いや男とは何と馬鹿な生物なのか。っふ。乳のゆれと揉み心地には勝てんのだよ。05/~出会い~「兄さ~ん♪」「ディフェクト~♪」「はいはい。まったく二人は甘えんぼさんだなぁ☆」なんてことは別に無かった。しかしそれなりに和気藹々としていたのだ。フェイトは『家族』という本物のつながりを切らすまいとするように、口下手ながらも積極的に俺に話しかけていた。アルフはさすがに完全に警戒を解くことは無かったが、それでも主人のそんな様子を見て時折 口元に笑みを浮かべていたものだ。しかしそれはやってきた。人間にはどうしようもない災厄。天災。地震 雷 火事―――「あ、よかった。まだいた~!」「―――その声っ、かなみか!?」「え、えと、なのはだよ?」―――なのは。一瞬にして背筋が泡立つのを感じ、フェイトとアルフの前に立つ。こ、こいつらの喧嘩はあたりに甚大な被害を与えるので手に負えんのじゃ!!「まずい! アルフ、フェイトを連れて先に転移しろ!」「大丈夫さ! アイツならこの前勝ってるらしいよ。三対一なら楽勝さ!」「兄さんだけに任せられないよ」「ちょ、おまいらエアリーダー付けろw」せっかく囮になってかっこよく逃がしてやろうと思ってんのに。俺の分のジュエルシードあげるからいいでしょ? これでちゃんと原作に沿ってるでしょ!?いやいや、っべ、べべ別にこれを気になのはさんと仲良くしようなんて考えてないんだからね!?「いいから行け。あいつはまだ本気じゃないだけだ。ヤツがマジになったらこの辺りいったいは消し飛ぶぞ。全員やられたいのか?」「で、でも……」「あんた……」俺の本気の眼差しに何かを見たのか。少しだけ押しが弱くなった。そう、あいつ等はやるのだ。あの、究極のトリガーハッピー、なのはさんとレイハさんは。なのはさんはとりあえず撃っときゃいいでしょ? といわんばかりの中毒者。話を聞いてと油断させた所にスフィアを叩き込む。鬼だ。そしてレイハさん。自分が死のうとしている時でさえも すたぁらいとぶれいかぁ を撃たせようとする、ある意味 撃つ事自体に快感を覚えてしまっている一番たちの悪いジャンキーだ。なのはさんは“そんなことしないよ~”と言っておられるが。うそつけてめぇ軽くやるくせに。お前は未来になると街中でSLB撃ったりすんだよ。いくら非殺傷設定だって言ってもさすがに一般人や建物なんかはやばいよ? ん? 管理局も大変なモン飼うよね。隠蔽が大変だろうに。て、ことで。「だから、行け。大丈夫、俺もすぐに逃げるさ」「でも兄さ―――っ!」「……わかった」「っアルフ!?」「いこうフェイト。信じてやろうよ」「―――っ……わか、た。すぐ、連絡するから……、念話のチャンネル全部オープンにしといて……ね? 絶対、だよ?」「はいよ」そこで俺はアルフと一度目を合わせた。お互いうなずきあう。フェイトは完全になのはを睨んでおり、今にも噛み付きそう。ちょ、なのはカワイソスww おれのせいw(―――アルフ)念話。皆ガンガン普通に使っているが俺にとっては高度な魔法だ。送信はいいのだが受信がどうにもうまくいかないのだ。(ああ、大丈、夫。しか、……なんだ、か、…ずい、ぶん・つかみにくいね。 そっ、には……聞こえて、るかい?)(悪い。受信がどうにもね。はやく行ってくれ。そろそろ無視されすぎてあいつが切れそうだ)(一、人で勝て……の、かい?)(相手に勝つか負けるかが問題じゃないだよ。俺が戦っているのは何時も自分自身。俺が負けを認めるまで俺は負けない)(……。 かっこい、じゃない…い。―――無事に帰ってきたら胸でも何でも好きにするといいさ。あれ? なんか急に調子がよくなったね)そう言ってアルフはクスクス笑うと、すぅと俺の頬を一撫でしてフェイトと共に転移して行った。―――そして、「―――もう、いいのかな?かな?」「いや全然よくないですっ!」誰だテメエ!俺は踵を返し一気に逃げ出した。だって……超こえぇ。そして冒頭に戻るわけさ。。。。。。「で、話って何?」「え、えと…。こほん…。 はじめまして、だよね? 高町なのはです」「うん」「……? 名前、教えてくれないの?」「おしえてほしいのかぁ?」「うん!」やべ、なのはさん可愛い。超可愛い。はやてちゃん、フェイト、なのはさん。このスリートップやべ。妹にしたいランキング作ったら同率一位とるくらいヤベ。「じゃぁとりあえず……ケータイ貸してくんない?」「あ、ごめん、お風呂から直接来ちゃったから持ってない」「……な、に……お風呂から、だと…? ―――バトルだバトル! バトルしようぜぇ!!」「な、さっきまで逃げてたのになんで!?」だって……バリアジャケットの下、裸なんでしょ? なのはは空戦が得意。俺は今のところどっちかと言うと陸戦が得意。 空 なのは 俺 地みたいな構図になる。間違いなく。これは頂くしかあるまい? アルフの前哨戦じゃぁ!! ここで溜めるだけ溜め込んで全部アルフでかましたらぁ!!「さぁ! そうと決まったらケンカだ! 俺が売った! てめぇが買った……? テメェが勝ったら俺のジュエルシード全部くれてやる! 質問も好きにしろ! ―――だが、俺が勝ったらテメェのジュエルシード全部没収だぁ! ついでにケータイとって来い! ―――久々にいくぜぇ! セットアップ……っシェルブリットォォオオオ!!!」『了解。ファーストフォーム・展開・します』奥歯と拳に力を込めてなのはの眼前に突き出した。びくりと反応するなのはがいちいち可愛いんだがどうしてくれようか。「ひゃっ! ちょ、ちょっとま」ファーストフォーム。俺は唯でさえ総魔力量は多くない。そのために選んだ。まともな規模の攻撃は三回しか出来ないが燃費はかなりいい。俺はなのはのチラリズムを期待してこれから戦う。魔力消費が少なければ少ないだけ戦いを長引かせる事が出来る!稀少技能《精神感応性物質変換能力『アルター』》は使わない。と言うよりも使えないといったほうが正しいか。これから先、どんな戦いに巻き込まれるかも分からないのだ。こんな所でシェルブリットをスリープモードに移行させるわけにはいかない。未だにどの位でスリープしちゃうのかが分からないんだよね。ぎり、と更に拳に入るだけの力をいれる。シェルブリット構築の時はいつもそうだが結構いたいのだよ。シェルが俺の体内に張っている根。大きさとしてはそれこそミクロ、ナノ単位だろうが、それが俺の身体を這い回っている侵食線(俺が勝手にそう呼んでる)からいっきに吹き出てくる。小さすぎて目視は不可能だが、そいつらは俺の魔力を糧として伸び、絡みながら体表に張り付いていく。そのときの痛み。まるで横綱にでも乗られているのではと錯覚してしまうような圧迫感に対して、俺はいつも笑みをうかべる事にしている。なぜかって? カズマさんがそうしてたからだよ! ホントは泣き叫びてェよ!だけどなぁ、俺はこんなモンには―――、「負けはしねぇ……っ! 意地があんだよぉ、男の子にはなぁあ!! ―――構、築っ! シェルブリットォ!!」右腕全体を包む様に現れた黄金の手甲。それにあわせ背中からちょっと浮くようにして生えた三枚の突起物。見方によっては羽根にでも見えるだろう。「いっくぜぇ初っ端一発目! っ衝撃のぉ―――」『――Acceleration――』背後の羽根が一枚砕け、推進剤になる。もともと なのはとの距離は離れておらず、せいぜい3m。俺はめいっぱい足に力を入れてその場に踏ん張り、力を溜め込み、一気に地面を崩壊させるほどに蹴りつけた。「―――ファーストブリットォオ!!」『――fist explosion――』爆音が響いた。林の木々がゆれ、鳥が飛んでいくのが見える。……手ごたえ、無し!つかすっげぇ硬かったんすけど。右手が超ジンジンしてますがな。いてえいてえ。やっぱ普通にやっても障壁は抜けないか。くそ、簡易式でいいからバリア・ブレイカーでもあったら違ったんだろうけどなぁ。もうもうと煙が立つなか、キョロキョロと辺りを見回した。……いない?足元はなにかミサイルにでも攻撃されたように穴が穿たれている。もちろんその中にはいない。あるぇ? どこさいっただ、なのさん。殴って、飛んでった? 飛んでった……飛んでった!―――てことは。「空中か!」「シューット!」気付いた時にはすでになのは は三つのスフィアを形成しこちらに放ってきていた。あれは多分術式『ディバインシューター』桜色の光弾は進路を思うままに変更しながらもこちらを狙い打つように多角攻撃を仕掛けてくる。っは、冗談じゃねっての。「シェル!」『――protection――』一応は障壁を張るがおそらく耐えられない。俺の障壁は紙だからな! HAHAHA☆どんっ、と腹に響く音は一発目を耐えた証で、二回目のそれが聞こえたときは俺のプロテクションが粉になった。予想通り!つか二発しかもたないってどうよ、俺の障壁さん……。もうちょっとがんばってもよさそうなもんだけどなぁ。俺は障壁を越えてきた、若干威力の弱まった一発のスフィアを右手で叩き潰し一気にその場から離脱。今のなのはの様な、ばりばりミッドチルダスタイルの魔道師と戦う時は一箇所に留まり続けるのは得策ではない。わざわざ相手に的にしてくださいといってるような物だ。だから俺は林の中に逃げ―――駆け込む。うん。これは卑怯ではなく戦略。戦いには頭も必要なのだ!「あ! また逃げたっ!?」「違う! 後ろに向かって全速前進してるだけだ!」「うぅ~、木が邪魔で見えない!」今、なのははフライヤーフィンで空に浮いている。それならばこの様な場所で戦うのはこちらが有利だ。相手は射撃専門といっていいほどに近距離魔法を修めていない。そうなると手詰まりになるはず。動きが止まるはず。要するに……観賞し放題なのだよ、明智君。「―――っく、どこ…? ずるいよ…」こそこそと身を隠しなのはの真下にたどり着いた。この辺のスキルはホント人並みはずれてるぜ俺って。スネーク、俺だ。やっぱ接近戦ならCQCだよな……。く、くく。なんという光景なんだ。なんだよ、なのはさん。想像とぜんぜん違うぜ。……ぱんちゅ履いてんじゃんかよ。なんで? 風呂場からそのまま来たって言ってたよね?まさかアレも―――、『バリアジャケット・です』「……あ~、そういやそうだったかも。変身シーンで一回全裸になってたもんな」『変身・シーン・ですか?』「あ、いやこっちの話」そっかぁ。なのははパンツまで構成できるのかぁ。普通そうなのかぁ。ん、おれ? バリアジャケットなんて着てませんが何か?シェルね、こいつね、バリアジャケットまともに構成できないんだ。出来ても襤褸布みたいなヤツ。何処のホームレスかと。マジで縁切りたいんですけど、このデバイス。……ん? なのは何かやってんな。魔法陣が展開してる。多少構成がいじってあるが、あれは……ええと、何だっけか、ほら、ここまで出てきてんだけど……そう、そうそう、アレだ、アレは確か、「―――探知魔術? ッまさか遭ってから十分もしてないのに俺の魔力パターン盗まれたぁ!?」『みたい・ですね』「ひゃー、理解しちゃいたけど、天才ってホントに居るもんだねぇ。反則だろアレ」「えへへ~。みーつけた!」「っちぃ!」まずいぞー。林に居る意味が速攻で無くなった。パンツが見えてようがなんだろうが関係ぇねえとばかりにレイジングハートを向けてくるなのはさん、素敵です。やっばい。絶対なんか撃ってくる気だ。―――パキィィィイイン!独特の耳障りな音。分かるのはなのはの周囲に新しい魔法陣が展開されたってこと。それはこちらに向いているレイジングハートにも。「―――ディバイィィイイン……」や、やば…っ! これは、「跳ぶぞシェル! フィスト―――」俺の跳躍方法。それは拳から指向性のある爆発を生む『フィストエクスプロージョン』の反動で跳ぶ。それだけだ。ちゃんと慣性には従うし、飛行ではなく跳躍なのだからもちろん落ちもする。何が言いたいかというと、―――跳んでもやられちゃうかも。だがしかし今はとにかく間に合えと願わざるを得ない状況なのですよおッ!!「―――いっけぇー!」『――buster――』「―――とべぇえ!!」『――explosion――』攻撃力に変換された魔力の奔流が迫ってくる。桜色の奔流。近くに流れている小川などこそぎ取ってしまうような威力を誇るであろうそれはほぼ真上から。迫ってくるそれに対し、俺は拳を地面に叩きつけ斜め後方に飛んだのだが、バチィ!―――いってぇ!かわしきれなかった。 射線から外しきれなかった右足にもろにもらってしまう。非殺傷設定なので血などは出ていないが。これね。マジ痛い。いくら非殺傷でも、ん~、何ていったらいいかな、超高速で粘土ぶつけられた感じ? 俺バリアジャケット着てないんだよ? ……死んじゃうってマジで!ごうごうという風の音。宙に舞っている俺には なのはさんの眼光は恐怖以外の何物でもありません。「出て来た!『――Divine――』―――シューット!」狙っていたかのようになのはから放たれる五発のスフィア。実際にこの状況を読んでいたのか、それとも唯の超反応か。どれもが誘導弾のように別々の動きをしながら迫り来る。足場の無い空中、軽々プロテクションを破る威力。どっちにしろやることは決まっていて一つだけ。「―――俺には避けきれねぇ! だったらどうする! 叩き潰すンッだっラァァアア!!」まずは魔力強化しただけの左手でスフィアの一つ目を破壊。ん? 痛いに決まってんじゃん。泣くよ? 泣くよマジで?んな事考えてる暇はねぇとばかりに迫ってくる二つ目を『―――fist explosion―――』。ナイスだシェル!その爆発は三つ目と四つ目を巻き込み、「そんなっ!? ―――くっ!」拳での迎撃は予想外だったか? 決めきれると思ったか? あまい。俺はこの戦い方をこっちの『世界』に来てからずっと繰り返してるんだよ!要するに俺にはどちらにしろ相手に突っ込むしかない。っは、と息を吐きながら宙で猫のように体勢を変えた。「っ撃滅のぉ―――」『――Acceleration――』ばうんっ!と背中に爆破でも起きたかのような加速。なのはとの距離を一気に迫る。「っお願い!」『――protection――』「―――セカンドブリットォ!」ばきぃとプロテクションに阻まれる拳。だが加速はまだ続いている!「おおおっぁああ!!」「まだっ! がんばってレイジングハート!」バチバチと拳と障壁が干渉を起こす。間近に迫っているなのはの目にはまだ焦りはない。一度目の攻撃で俺がプロテクションに阻まれた事実があるから尚更に。「だがなぁ! アメェんだよぉお!! ……ッカートリッジ、ロードォ!!」バシャッ!肘の先から突き出ている角のようなもの。俺のベルカ式カートリッジシステム。稀少能力《アルター》のように自分の魔力には出来ないが一発につき一回だけデバイスに爆発的な魔力を送り込む。それは薬莢をひとつ吐き出し、熱とも取れる純魔力を拳に送り込んだ。「一発、持って行きやがれ……! 抹殺のぉ―――!」『――Acceleration-Multilayer――』二枚目の羽は消えきっていない。しかしさらに三枚目が砕け、加速の奔流を生み出した。加速に加速を重ねる。俺のアクセルフィンはそんなことが出来ちゃうんだよぉ!!ば、き……!いける! 破れる!「―――ラストブリットォオオオオ!!! 吹き飛びやがれぇぇぇええ!!!」『――Boost explosion――』「―――今! 戻ってきて…アクセルっ!!」拳から生まれた爆音のせいでなのはが何を言っているのか分からなかったが、「きゃぁああ!!!」勝った。間違いなくヒット。「っしゃぁあ! やったぞぶりゃぁあっ!?」完全になのはの障壁を叩き壊し、俺の拳はなのはの胸部に的中した。正直、錐揉み回転してぶっ飛んで行くなのはを見たときはやりすぎかとも思ったのだが。―――俺の後頭部で起こった爆発にそんなことは考えられなかった。こ、これ、ディバインシューター……?あ、あのヤロウ! 全部叩き潰したと思ったのに、こんなことやってやがったのか!? いってぇ……。確かにいてぇが、この程度じゃ俺はやられんぞ! 毎日毎日 自分のスフィアが目の前で爆発してたんだ。正直意識はMOH☆ROHとしてるが、この程度じゃ、やられん!!俺はどうにかこうにか着地し、なのはが飛んでいった方向に目を向けた。「ふ、ふごふご……いて、マジいてぇ……お~い、どこいったぁ?」し~ん……。な、なんか反応無しだな。まさか死ンじゃいないよね? やばいかな。ちょっと大人気なかったかな。いや、いやいや。相手は魔王なんだ。顔面を殴らなかっただけ良いだろ……?そのとき、―――がさがさっ…びっくぅん!!??「うおえぁ!?」「ひゃっ、びっくりした~」「ひぃ! でた!?」「そんなお化けみたいに言わないでよ~!」なのはさん、バリアジャケットはボロってるけど、結構なんでもないみたいにピンピンしてらっしゃいます。え? ―――やめてよね。サイが僕に勝てるわけ無いじゃないか。なんて状況かと思ってたんだけどな。普通だねアンタ。こりゃマジでセカンドフォーム使わないとダメかも……。「えと、まだやるの? それだったら俺、相当本気出さなきゃいけなくなるんだけど……?」「へぅ、さっきのって全力じゃなかったの?」「いくら何でも子供に全力は出したくないなぁ……なんて」「それじゃ……私の、負けだね」へ?ちょ、あんた、はったりかもしれないでしょ! 素直すぎるよ なのはさん!! もっと生き汚くなれよ!レイハ! その辺ちゃんと教えてやってんのか!? 俺はシェルにすごく汚い戦い方を習ったもんだぞ!!「いや、それはわかんないけどさ、まぁ」自重しろ俺w別に戦いたくないから。もうお腹いっぱいですから。ぼろぼろのバリアジャケット着てるなのはさんだけでもう十分ですから。「あ、はは……でも私、もう」「あ、ちょ……!?」どさりとなのはが倒れ伏した。その際にバリアジャケットも崩壊し―――ふぉぉぉぉおおおおお!!!!キター! な感じなんだけど……どうすっぺ。「とりあえずレイジングハート。ジュエルシード出せや」『……』ぶぅん、とレイハから五つのジュエルシードが出てくる。ちゃんと負けを認めてくれたんだね。くくく、全て俺のもんじゃい。「……さすがにそりゃ鬼畜すぎか。一個で勘弁してやんべ」『……Thank you』「んにゃ、ほぼ無理やりとっつけたような約束だし。それに全部持っていったらお前らの復讐が怖い」『……ニヤリ』「!?」レイハさん……。結局俺はその後、全裸のなのはを観賞しながら旅館へと送り届けた。その際、途中で起きた なのはに有難うといわれちゃったのがなんとも心に響いた。あんた……ええ子や。そして別れ際。「あ、あの…名前を教えて?」「石田門左衛門忠則です」「い、石田さん、なの?」「いえ。石田門左さんです」「……嘘でしょ?」「ユーノに聞いたら分かるよ」「っユーノ君を知ってるの!?」同級生でしたから! 卒業してから一回も連絡来ませんから! まぁ当たり前だろうけどね。こんなことになってちゃ仕方ない。ま、まだ友達だよね、ユーノ?「ん、まぁね。悪用しないし俺の分はそのうち返すからってユーノにいっといて」「あ、うん……。絶対だよ? ユーノ君すごく困ってたし」「おお。けどフェイトのほうは分かんないよ? 俺の管轄外だから」「フェイト……? あの子のこと? そういえばユーノ君初めてあの子見たときすごく驚いてたみたいだった……。 あ、そっかぁ! あなたディフェクト君でしょ? だからユーノ君驚いてたんだ。ふふふ。そっくりだもんね。兄妹なの?」「さぁ? 俺も今日初めて会ったばかりだからなんとも……」「あ……、ごめん。なんか、聞いちゃいけない事だったかな……?」うんうん。気遣いが出来るなのはさん。素敵だね。可愛いよ。すごく。戦闘中に話しを囮に砲撃してくるなんて思えないね。「いやいや別に。それよりアイツと仲良くしてやってよ。なの×フェイは俺の中のジャスティスだしさ」「……? う、うん。そうだね、仲良くなりたいな」「俺はもうでしゃばらないから。疲れるし」「ディフェクト君はフェイトちゃんがなんでジュエルシード集めてるか知ってるの?」「シラネw」嘘ですけど。言わないでいいよね? なのはさん下手したらプレシアのトコ突っ込んでいっちゃいそうだし。「そっかぁ……、うん、残念だけど仕方ないね。 あ、そういえば電話貸してって言ってたね。すぐ持ってくるから待ってて!」「そうだった。よろしくおねがいしまう~」なのはさんはパタパタと旅館の中にはいっていきました。あ、服は着てるよ。現在。七時四十三分。へへへ。俺オワタ。つかマジ泣いてなきゃいいんだが……。ごめんよはやてちゃん!!「おまたせー。はい」「ありがと。愛してるぜ☆」「ふぇ……? ……え、えぇ?」混乱しているなのはを余所に はやてちゃんのケータイへ…。ツ、ツ、ツ、ツ―――――ぷr―――『もしもしっ!!』はや!?「あ、も、もしもし~。俺、俺~。オレだってオレー、いやだから俺だよ!」『なにしてるん!? 今どこ!?』スルーですか。そうですか。「えと、いま海鳴温泉ってトコなんだけど……」『……』「お、怒ってる……?」『……えぇから、はよ、帰ってきぃな!』「―――はいすみません!! 今すぐ帰ります!!」―――ブツッ!……こっわ。 はやてちゃんこっわ。あ~、心配してたんだろうなぁ。マジでごめんね。「だ、大丈夫だった……?」「えへへ……家から本気で追い出されるかもしれんっ!」「は、はやく帰らなきゃダメだよ!」「そうする。んじゃユーノによろしくね」「うん。今のぼせちゃってて目回してるけど起きたらちゃんと言っておくね!」「おぅ! こりゃマジ急がんと! ―――シェル! セカンドフォーム!」『了解。起動・します』―――もう魔法使ってでも飛んで帰るぜはやてちゃん!「わ、わ! 見つかっちゃうよ、はやく!」「りょーかいっと。んじゃな かなみ!」「なのはだよ!」。。。。。とりあえずフェイトとアルフに連絡し、ジュエルシード一個あげる、と約束した。近々プレシアのところに行くらしく、じゃあ明日また会おうぜ☆ということになった。ンだけど―――、真っ暗な邸宅。豪邸八神家には明かり一つ点いていない。こええ。なんてこええんだ。―――がちゃり……。玄関は、開いていた。「た、ただいまー」しん、と物音一つしない。さらに暗くて何も見えない。しかし、何かの気配が―――、「はやて、ちゃん?」「……随分、遅かったな…」「えと……ごめん。生き別れの妹に出会ったもんで」「……わたし、今、冗談は受け付けんよ」「いえ、その、それがあながち冗談ではなくてですね……」……………刺さるぜ。この沈黙は、俺を殺す事が出来る……。「……ホンマに、ゆーてるん?」「は、はい。明日も会うことになってるので紹介いたしましょう」「―――じゃ、じゃあ、この家……出てくん?」「いえ、そのような予定はないのですが……ご、ご迷惑なら……っ!」ど、どうなる?でてくならまた公園に住み着くことになるぜ。いやだ。はやてちゃんのご飯が食べれなくなるのはすごく嫌だ!!―――クスクス。聞こえた。確かに聞こえた。暗くて何も見えない。だがしかし、俺には確かに聞こえたんだ。―――闇が、哂っておる。「……ふ、んふふ~。どうしよぅかな~」「お、お願いします……」「ん~、ゆーこと聞いてくれたらわたしの気も変わるかもなぁ……?」「俺に、出来る事なら……」「ほな―――」バクバクと心臓が高鳴る。どんな無理難題が出てくるんだ。そういえばはやてちゃんは俺によく女装させたがる。確かに似合うのは認めるのだが、そのまま買い物とかの羞恥プレイの類は勘弁してもらいたい。いやしかし、それでこの八神家に居てもいいとなるのなら俺は例え全裸でもデパートへ駆け込むかもしれん。「ほな……?」「はやてって、呼ぶこと」「そ、そんな事でいいの……?」「うん。それとな、あんまり子ども扱いせんように」「お、おっけい、です……」大人の扱いをしろといっているのか? 寝るときやお風呂なんかも別々って事か? 実は一緒に入るの嫌だったのか?「そ、それとな……?」「……おぅ、どんとこい」「それと……、初めて会ったときの挨拶、もう一回……して?」えと、ハイタッチじゃ、ないよな?要するに、キスしろと……? キスが好きなのか?「それって、要するにキ―――」「―――ちゃうちゃう! 挨拶や! ほら、明日 妹さんに会うときに一発ブチかましたろ思てっ!?」な、なるほど。そうか。フェイトにキスするのの練習か……。俺は別にエロゲーの主人公じゃないので鈍感じゃないぞ。気付いてるさ。はやてが俺に抱いてる気持ちなんてな。く、くくく。いち居候がクラスチェンジで一気に、――― 一気にペットクラスまでランクアップだぜー!!そうだよねー。ペットくらいだったらいくらちゅっちゅしても全然問題ないもんねー。「オッケーオッケー! ンなもん何発でもブチかましてやんよー!」「ほ、ほんま……?」「おぉ。挨拶だもんな! そのくらい普通だよな!」「じゃ、じゃあ! おはようと、おやすみと、いってきますと、ただいまのキ―――あ、挨拶は?」「全っ然OK!!」むしろ願ったり叶ったりじゃ!俺もはやてにはキスしたいしな。相手がいくら挨拶としか思ってなくてもこっちは濃厚なのをイっちゃうぜ☆「は、はいじゃあ……おかえり、なさい」「ん、りょ~かいっ」俺は手探りではやてのあごをくい、と持ち上げ―――「……あぅっ」「ただいま、はやて……」ゆっくりと、唇を重ねた。唯のキスには興味ありません。この中に舌を進入させてもいい人は俺のところに来なさい。―――ぬるっ…☆「――っ!? ふむっ……ちゅ、ん……へ、へろが、んっ……」「……んふふ~」「……んぁ、ちゅ……あかん、よぅ、こんな……っんむぅ! っん、……ふむぅ」・・・。・・・・・・。「ぷはっ、……どうだった?」それから優に十分は唇を重ね合わせていた。それどころか俺は はやての口内に舌を進入させしっかり味わってきたんだ☆はやても俺も口の周りは涎でベトベト。しかし互いに拭おうともしなかった。むしろ舐めとってもいい!!はやては ぽけっとした様子で、「こ、こんな……こんなキ―――挨拶も、あるん……?」「あ、いや、子ども扱いするなって言ったからさ、大人のやつを……。えと、嫌だった?」「ん、ん~ん。なんか……めっちゃすごかった。……気持ち、よかった……」「……フェイトには挨拶、できそう?」「こ、これはあかんよっ。子供用でいいなら……」「うん、よろしくしてやってね」「ま、まかされたー……」俺は明日、伝説の はや×フェイを見れるかもしれん。つか、俺、やべえだろ……。