はじめまして、悶絶と申します。
アニメ化またするらしいですね。

<<諸注意>>
*ハンター2次創作です。
*オリジナル要素てんこ盛りです。
*石を投げればオリキャラにあたるかもしれない状態。
*一般人（少なくとも本人はそう思ってるし今後とも認識は変わらないであろう）男オリキャラ主人公です。
*長編じゃなくてシリーズで書けたらいいなと思ってます。

以上で諸注意を終わりますが、ひとつでも引っかかる項目があるならブラウザバック推奨かもしれません。
いや、それでも俺は読むんだぜ！という菩薩のような広い心をお持ちのあなた、大変感謝いたします。
叱咤激励感想注意修正要請ご要望、心してお待ちしております。


***

あー、えーと、まあ、何、その、なんだ･･･。
あれか、トリップ的な何かな訳か。

いやいやいや訳判らんし。どういうことだよ、マジ。







１、いつのまにかトリップしてた現実なんてクソクラエダー







休日。
ものすごく暇という名の性欲を持て余した俺が某レンタル屋でその手のＤＶＤを借りて無表情を装いつつ出てきたら、いきなりトラックが突っ込んできた。
が、そのトラックは俺の目の前５０センチで停止。あまりの衝撃にへたり込んだ俺の股間が大洪水状態だったが、なんとか平静を保って立ち上がり事なきを得た。
トラックの運転手があわてて飛びだしてきたが、俺は股間が大変なことになっていたのでとりあえずそのまま逃走。
運転手が「あ、あのぉおおおお病院んんんん！！！」とか叫んだが気にしない。
とりあえず俺は今この不快感をどうにかしたい。主に股間の。

靴の中が水溜りに突っ込んだみたいな状態で現在まさしく逃走中。今日のズボンめっちゃ撥水性悪いんだけどマジ。
サンダルだったらこんな不快な思いしなかったのになー、なんて思ってたら目の前を黒猫が通り過ぎた。
ああー、にゃんこかわゆすなー。なんておもって立ち止まったら俺の目の前をものすごい速度で上から物が落ちてきた。
遅れて頭上から悲鳴。俺は、にゃんこかわゆすなー、の顔のままそっと視線を足元にやった。
そこには、白のちょっと汚れたプラスチック植木鉢の無残な姿が。デデーンと。
ドバッと冷や汗が穴という穴から噴出し、またしても股間がアレなカンジになりかけたが、何とか平静を保ってそのまま歩みを進め事なきを得た。

とりあえず家にたどり着いて脱衣所に駆け込んでシャワーを浴びた。
なんだ今日は、厄日か。ああ、でも、奇跡的に助かってるじゃない、それも２回も。うん、あれだ、助かってるんだ、もう大丈夫。
もう帰宅したし。もう家ン中だし。ていうか今日はもうぜってー家から出ない。何がなんでもない。うん。
自分に言い聞かせながら、ちょっと涙が出た。

シャワーですっきりしたし、さてＤＶＤをみよう！と文字通りいきり立った俺は腰にバスタオル巻いただけ（いやだって、服着ても、なぁ？）という格好のまま、脱衣所のドアを開けリビングへ行きそそくさとテレビをつけた。

『――･･･示しており、ハンター協会は今後も彼の活躍に期待する、と述べ』
「は？」

ハンター、なんだって？
ハンターキョウカイとか聞こえた気がするんですけど、え？なに？あのハンター協会？
え、あれ？あのマンガドラマ化とかしたっけか？いやいや、またアニメ化するとか言ってたけど。
ていうかさすがにドラマ化はないよな、ミュージカルはしてたきがするが･･･じゃなくて、いや、じゃあさっきのはなんだ、俺の聞き間違いか？あ、もしかして特別番組とかかな！アニメ放送記念的な！在りうるな！うん！あ、つか番組の名前みりゃ一発じゃねーか。
俺はＤＶＤをダイニングテーブルの上にそっと置いてから、ソファの上の新聞をバサッとひろげた。

「･･･は？」

なんだこの記号の羅列は。印字ミスか、印字ミスなのかチクショウ某新聞屋めクレームでもつけてどう見てもハンター文字ですありがとうございました。








というわけで冒頭に戻るのである。







さて、トリップ（仮）をしたらしい俺だけれども、どうも小説やらマンガとかでよくある状況とは違うらしい。
というのも、俺は別に知らない町だの森だの川だの海だの島だの荒野だのに放り出されたわけではないからだ。
俺の自宅マンションはちゃんとあるし、俺の住所だってあそこだし、実家と両親は健在だったし、会社も会社の同僚も、友達親戚近所のおばちゃんに至るまで全部まるっと、そっくりそのままここに居る。
ただ彼らは俺と違って、もともとこの世界の住人であるという記憶があり･･･いや、記憶しかないというべきか。
いわゆるパラレルワールド的なものなのではないかと俺は、推測しているわけなんだけれども。
というのも、なんでか俺はハンター文字が読めるようになっていた。なんだこれトリップ特典ですか。
視覚的に文字認識をシャットアウトしそうになるんだけど。現実なんかクソクラエダー。

正直元の世界に帰りたいと思うのだが、この世界でも真っ当な会社勤めである俺には、そんな質面倒くさそうな謎を解く暇など皆無に等しかった。そんな暇などあれば今月の営業ノルマを一刻も早く達成するべきだ。

ていうか俺今月まだ半分もノルマ達成してないんですけどおおおおお！！！すでに今月あと一週間しかないんですけどおおおおお！！
！やべえええ！！！切られる！俺切られる！超ピンチなんですけどおおおお！！！助けてー！課長助けてー！！
今月の俺のノルマ下方修正してえええええ！！！お願いいいい！！！








＋＋＋












結局俺は今月、ノルマを達成できなかった。下方修正してもらったのに。泣きたい。
ものすごく縋って泣いて土下座して媚売ったら首切られなかったけどね！秘書さんにすごく同情の目でみられたけどね！泣きたい。
でも人事異動って形で左遷されるっぽい。泣きたい。
その話を母親にしたらため息の後「バカねぇ、会社辞めてこっち戻ってきたら良かったンに」なんていわれた。その優しさプライスレス。

で、今日その異動通知を渡されたんだけども。

「･･･えー」

Ａ４プリンタ用紙には"ハンター系列仕事斡旋部広域課特務営業サービス"なんて書いてあった。
なんだこれ、なんだこれ、いや確かにウチいわゆる民間の派遣会社だけどもさ。そこそこでかい会社だけどもさ。
なにこれ、どゆこと？
え、なに？ハンターって夢を追っかける仕事じゃなかったの？お仕事斡旋とかあるの？あったとしても民間でやるの？協会で紹介するんじゃねえのかよ！！
つーか派遣のお仕事斡旋って基本顧客からの仕事依頼を登録してあるスタッフ（この場合ハンターがスタッフに当てはまる）の条件とすり合わせて連絡取るんだけどさ、電話で。基本電話で。
･･･電話、するのか、ハンターに。

やああああああああだああああああああああああ！！！！

あのマンガの主人公組とかならまだアレかもしれないけど、基本的にハンターって変なのばっかりじゃん！！変人変態集団じゃん！
そんな相手と電話すんの！？電話しなきゃダメなの！？

やあああああああああだあああああああああああああ！！！！

しかもあれだろ！ハンターに依頼希望の顧客とかぜってーカタギじゃねーじゃねーかああああああ！！！場合によっちゃそっちとも連絡とらにゃいけないし、打ち合わせとか必要な場合とかあるし、人が足りなきゃ俺が直接ハンター自身を顧客の前まで連れて行くってこともありうるし！！ありうるし！！！

やああああああああああだああああああああああああああ！！！！

なにこれ！どういうことなの！！何なのこの仕打ち！！いや確かに下方修正したのにもかかわらずノルマ超えられなかった俺が原因なんだけどね！？でもさ！でもだっていきなりハンター世界に来ちゃったりとかして、周りの環境は一切変わってなかったけど、結構動揺しちゃったりして、それなのに相談できる相手が誰一人いなくって、精神的負担がいろいろあったりもしたんだよ！！
それなのにこの仕打ちだよ！！なんぞこれマジ！！

･･･あれ、なんだろう、目から汗がでてきちゃったや！わあい！











「･･･と、いうわけでして本日付けで"ハンター系列仕事斡旋部広域課特務営業サービス"に配属されました、鈴木コウタです。以前は"テクノ系列仕事斡旋部東地区課営業サービス"にて斡旋を担当しておりましたが、新人と思って接していただけるとありがたいです」

まばらな拍手が起こる中、俺は蒼白な顔で笑っていたと、後に先輩から聞いた。