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No.32189の一覧
[0] SHIELD OF ATHENA ( H×H オリ主 幻影旅団 )[木戸 藍楽](2012/03/24 12:51)
[1] #2 ノリ・メ・タンゲレ[木戸 藍楽](2012/03/30 22:22)
[2] #3 『さん』?[木戸 藍楽](2012/03/30 22:41)
[3] #4 盗賊らしく壁ぶっ壊して強奪! とかは?[木戸 藍楽](2012/12/21 13:14)
[4] #5 やられた……[木戸 藍楽](2012/04/20 21:38)
[5] #6 今の無しで![木戸 藍楽](2012/05/06 15:36)
[6] #7 そこはだめぇ~[木戸 藍楽](2012/05/06 17:29)
[7] #8 ははは、こやつめ。[木戸 藍楽](2012/08/20 01:14)
[8] #9 広背筋が圧倒的に足りないッ!![木戸 藍楽](2013/01/24 13:52)
[9] #10 馴れ馴れしいですね[木戸 藍楽](2012/08/31 22:04)
[10] #11 貴方の居場所はここにあるんです[木戸 藍楽](2012/09/03 11:18)
[11] #12 そりゃ物騒だ[木戸 藍楽](2012/09/18 21:47)
[12] #13 初めまして、新しい四番さん[木戸 藍楽](2012/11/24 12:28)
[13] #14 お前、嫌いだっ[木戸 藍楽](2012/12/20 09:30)
[14] #15 じゃんけんでもするか?[木戸 藍楽](2013/01/26 18:26)
[15] #16 これが、ヨルの戦い方……[木戸 藍楽](2013/02/18 14:15)
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[32189] SHIELD OF ATHENA ( H×H オリ主 幻影旅団 )
Name: 木戸 藍楽◆cdf6ff43 ID:2f6d4925 次を表示する
Date: 2012/03/24 12:51
 どうしてこうなった……



 人間、誰しも後悔の念に苛まれる時がくる。
 宿題を家に忘れたとか、石投げたら偶々窓を割っちまった時なんかがそれだ。
 『あ~、俺なんて馬鹿なことしちまったんだろぉ』から始まって『あん時こうしてれば』『ああしてなければ今頃は』って、後はもう泥沼。
 悔しがっても後の祭りで、未練タラタラでも関係無しに状況は進行する。いくら心残りがあったって、時間は遡りなんてしないのだ。

 俺は、今まさに『それ』だった。
 心の中に後悔が渦巻いていて、それがどうしようもできない。頭でわかっちゃいるんだが、割り切れない。だからどうしようもない。

 溜息を一つ。
 ゆっくりと馴れた手付きでタバコを咥える。火は吐けない。吸えないからだ。
 落ち着かない時は何かを口に入れてやればいい。だけど赤ん坊みたいに指なんて吸ったらみっともないから、俺は黙ってタバコを咥える。


「あれ? 吸わないの? 別に俺は気にしないから遠慮しなくてもいいよ?」


 金髪緑眼の青年がにこやかな表情で言ってきた。
 なんつーか、爽やかな声だった。好青年っていうのがしっくりとくる。


「いや、いいよ。タバコはあんま美味くねぇし、副流煙も鬱陶しいからな。他人にそんなもん浴びせるのも忍びねぇし」
「はぇ? ならなんで持ってるのさ。よくわかんない奴だなぁ」
「んだよ。別にいいだろ。誰の迷惑になるわけでもねぇんだからさ」


 タバコを人差し指と中指で挟んで口から抜く。スパーッと。当然煙は吐き出せないけど、気分だけでもいいもんだ。


「う~ん、そんなもんなのかなぁ」
「そんなもんだろ」
「う~ん……ま、そうだとしても今からすんごい迷惑かけることになるんだけどねアハハハ」
「……」


 ……ああ。そだね。そうなるんでしょうね。アハハハッ。
 あ、これ全然笑えねーわ。
 思わず顔が引き攣っちまった。

 さて、これから起こすことを前にして、青年は表情ひとつ変らない。
 あーイヤだイヤだ。クソ、なんだって俺がこんな奴と行動しなきゃなんねーんだよ。アホらし。ほんと、後悔の嵐だ。
 なるほど、『昔の自分を殴ってやりたい』っていう言葉をよく耳にするけど、今ならその気持ちがすっげーわかる。
 『あの時ああしてなければ』、なぁ……。


「で、アレどうする? そっちに譲ろうか」
「いや、いい。譲るもクソもねーよ。任せる。つーか、なんでそんなこえー発想が出来るかが謎だわ」
「ふーん、なら俺がやっちゃうね」


 軽い調子でそう言うと、同じようなトーンで「ゲームスタート」と呟いた。
 ちょっと買い物にいってくる、みたいな口調で言いやがって。
 と、ほぼ同時に黒服の男が背後からヌッと現れる。


「……いってらっしゃい」


 試しに声をかけてみる。
 すると男は俺の方に振り向き、コクコクと頷いてみせた。
うぅ……何気なく言ってみたけど、やめときゃよかったぜ。うげぇ。


「趣味悪いぜ」
「えー、なんだよ酷いなぁ。便利だし、結構面白いんだよ? コレ」


 つったってなぁ? 実際エグイぜ。
 んだよ、不服そうな顔してんじゃねぇよ。

 呆れ顔の俺を他所に、青年は手に持った停滞電話をピコピコと弄り始めた。
 タタタタ、という軽快な音。しかしそれは携帯から出るものではない。少し耳を澄ませばわかる。
 その方へ目を向ければ、先程の男がマシンガンを手にその中身を撒き散らしていた。勿論そのままの意味じゃなくって、撃っちゃてるってことだ。なにやら喚き散らしているようだが、気にしたら負けだと思う。
 思いっきり殺しまくってるじゃないすか。やだー。


「あ、壊れちゃった」
「何度も言うようで悪いけど、やっぱりマクスウェルさんの念能力趣味悪いっすわー」


 マジちょーえげつねぇっすわー。マジでー。


「あ、そうそう。そのマクスウェルって言うの偽名。それ、前に仕事で一緒になった人の名前なんだよね」
「は?」
「ごめんね、言い忘れてたみたい。俺の本当の名前シャルナークっていうんだ。よろしく」
「おいおい」


 それじゃなんだ? 今まで俺って騙されてたって事なの? え、うわ。やだ、恥ずかしっ!
 お前、だったらあれじゃん。


「アドレス帳の登録し直さないといけないじゃん。そういうことはもっと早く言ってくれよ。あーもー、面倒くせーな」
「あ、そういう問題なんだ。なんかヨルベってさ、まともぶってるクセに結構ヘンなとこあるよね」
「失礼な」


 この野郎め。俺は、俺の名前を読んだこの青年対して、遺憾の意を表そう。
 次いで、ヘラヘラと笑うシャルナークに溜息吐いた。

 振り向けばそこには壮麗な建物がある。白を基調としてあって、デザインはシンプルだ。支柱はイオニア式だとかそういうやつだと思う。造りは縦に長く、上空から見れば長方形に見えるだろう。
 いいじゃないか、俺好みだ。装飾過多なものがあまり好きじゃない俺にとって、このシンプルさは絶妙。
 これは、いい。これじゃ気が舞い上がっちまう。
 上を見れば羽ばたく鳥の像があって、そこから目線を下げていくと……血溜まりに伏す黒服の男達が見えた。
 台無しだ。

 さて、なんで俺はこんな場所にいるのか。
 文句はいくら並べても言い足りないないだろうから、もはや言うまい。後悔先に立たず。
 とりあえず、俺がどうしてこのシャルナーク君と一緒にいるのか、その理由について思い返してみよう。







 自分で言うのもなんだけど、俺はかなり自堕落な生活を送っていると思う。
 ひと働きして、一定の金を手に入れたら借家に篭り、金が無くなればまた職を探す。
 一日が過ぎるのをただぼんやりと過ごす毎日。毎日ダラダラエブリデイ。
 こんな生活だから贅沢はできないし、なんの面白みもない。けど、これでも十分幸せは実感できるんだから、別にいいんだ。そう感じられる限りは、俺はこの暮らしを続けていくのだろうと思う。
 あくまで身の丈に合った範囲で生きていければいいのだ。この暮らしに満足できない人は頑張ればいいじゃない。俺はこれで十分。野心もクソもない。

 携帯電話を弄ってみればメールを受信していることに気がついた。二世代ほど前の型になる愛機のディスプレイを見る
 『ちょっと面白い仕事があるんだけど、一緒にやってみない? どうせ暇なんでしょ?』と、そんな失礼な内容が書かれていた。
 送信者は前に仕事を同じくしたマクスウェルという青年だった。
 俺は少し悩む。たしか、金の残高はまだあったはずだ。いや、しかし折角仕事を紹介してもらえるのだから、受けてもいいかもしれない。その分、また休めばいいし。
 あの青年が紹介する仕事だから特殊な事をするに違いないが、かといって贅沢はいえない。そもそも、俺にまともな職なんてできないだろう。選り好みできない。これでいいのだ。

 俺には、ある力がある。
 それは『念』と呼ばれる知る人ぞ知る力。世間で『超能力者』や『超人』と呼ばれる者達が使う能力のことである。
 俺がこんなマイペースに生きていけるのは、ひとえにこの『念』の力のお陰に他ならない。
 成るほどたしかに、俺が雇用者なら『念』を使える人を優遇するに違いない。

 この『念』ってものはプロのハンターが習得するものだそうだ。本来、ハンターでない俺が扱えるような代物じゃない。しかし、何事にも例外ってものがある。俺はたまたまその例外ってやつの一部分に触れるきっかけがあったのだ。
 正直、あまりいい思い出ではなかったが、まぁこの際よしとしよう。

 閑話休題。
 マクスウェルと知り合ったのはこの『念』能力を使う仕事でのことだった。
 俺には人見知りの気があって、仕事仲間とそう仲良くなる事はなかったのだけど、彼の社交性が高かったのが幸いした。
 マクスウェル喋るのが非常に上手く、事柄を言葉に纏める能力が高い奴だった。そんなもんだから、俺もすっかり彼のペースに乗せられて、言いくるめられてしまって、そのうち行動を共にする時間が増えていく。
 話を繰り返すうちに彼がハンターライセンスの所持者だってことを知ったり、ライセンスさえ持っていれば仕事に困ることはないと教えてもらったり、でもルーキーが受かるのは三年に一人のペースだと知らされてげんなりしたりした。
 そして、仕事が終わる頃にはメールアドレスを交換するぐらいの仲になっていた。

 人の繋がりは大事にしたほうがいい。
 人と人のパイプってのは、狭い個々人同士のものから組織間。そして例え国と国の間であっても大きく機能するもんなんだから。
 思いたったが吉日。俺は了承のメールをマクスウェルに送信した。





 集合場所は都心部から離れた場所にある廃ビルの中だった。そこで依頼人とも会うことになるらしい。
 少し、落ち着かない。ワクワクって感じじゃない。こう……ゾクゾクって感じだ。
 なんつーか、嫌な予感がするっつーか。独特の感覚。俺は肌で危機を察知するとかそういう芸当はできないけど、今の感覚はそれに近しいものだと思う。
 碌な事にならないって気配だ。
 別に、こういう場所で商談や契約をすること自体は珍しくない。依頼人には公にしたくない事や、表立ったところに出たくない事があるだろうからだ。
 なら、この焦燥感はなんだ? どこからくる。
 クソ、何ビビッてんだ。なさけねぇ。
 俺は急くように歩を進めた。

 廃ビルの中は吹き抜けになっていた。
 それはもとからそういう設計になっていたんじゃなくて、二階や三階、天井まで全部ブチ抜けた状態だった。よほど老朽化が進んでたのか? それでもここまで盛大にぶっ壊れるってことねぇだろうに。
 気配を探ってみると瓦礫の影に誰かが隠れているのがわかった。2,3……4……。何人いるかまでは把握できねぇ。『絶』の達人がいるな。
 生体エネルギーであるオーラを精孔を閉じる事で絶ち、気配を消す『念』の『四大行』の内の一つ、『絶』。
 俺の力量じゃいくら探りを入れてもここにいる全員を把握しきることは出来ないだろう。悔しいけど。


「やぁ、ヨルベ。ようこそ」
「よぉマクスウェル。出会い頭に急にあれなんだけどさ、これは一体どういうことだ? これじゃまるで」
「待ち伏せ、じゃないよ。まぁ、それでも似たようなものに思うかもしれないけどさ」


 物影から人の良さそうな青年が現れた。
 もしかしたらと思ったが、マジでいやがった。
 以前は、いい人そうだなぁ、とかいう印象を受けたもんだけど、今となっては性の悪い奴にしかみえない。


「説明、してくれよ」
「アハハ、そんなピリピリしないでよ。勿論、説明はする。でもちょっと待ってて貰いたいんだ」
「あ?」
「どう? 団長。四番の欠番にコイツを推薦したいんだけど」


 マクスウェルは俺から目線を変えて、オールバックの青年に向き直る。
 団長? 四番の欠番? 推薦? 何言ってんだ。一体どういう意味をもってる。
 説明は後でだ? 納得できるか、んなもん。
 あ、でも変に突っ掛ったりはしない。たぶん、ここで妙な行動をしたら俺はただで帰る事はできなくなるだろう。


「ふむ、そうだな。そこそこ腕は立ちそうだが、はたしてクモにとって有益になるのか」


 青年が静かに言う。
 重く、響く声だった。


「名前は?」
「ヨルベ。ヨルベ・イージス」


 口は勝手に動いていた。
 そこに疑問を持つまでも無く。


「具現化系、だったよね」


 何勝手にばらしてんだテメー。


「まぁ、それは試せばわかることか。それじゃあヨルベ、お前はどうして旅団に入ろうと思ったんだ?」
「……りょだん? いや、俺はそこにいるそいつに呼ばれたから来ただけで」


 オールバックの青年が眉を顰めた。呆れたと言わんばかりの顔。


「なんだシャル、お前本当に何も説明してなかったのか」
「だってヨルベって本当の事言ったら来なさそうだったからさ」
「それじゃあ俺が是と言っても入団するかわからないだろ」


 いったい、何言って……。


「イマイチ、状況が掴めないんだけど」
「いやさ、俺達幻影旅団っていうんだけど」


 げんえい、りょだん? ……幻影旅団!?
 頭の中でピースが組みあがっていく。それを理解したくないのにも関わらず。自動でキーワードが連なって、繋がる。


 欠番。
             推薦。
  クモ    幻影旅団。


 マクスウェル……ッ! コイツ!


「テメー! 嵌めやがったなっ!」


 叫んだ。腹の底から叫んだ。
 コイツ、ありえねぇ。
 幻影旅団。目的の為なら手段を選ばず、欲しいものは必ず手に入れる。熟練のハンターでも迂闊に手を出せない、A級首の盗賊集団。
 そんな奴等のところに……!。


「嵌めたって……。だからそんな理由じゃないってば」
「いやシャル、普通はそう思うだろう。今からでも遅くは無い、早く説明してやれ」
「しょうがないなぁ」


 しょうがないなぁ、じゃねーよ。
 いや、マジでどうすんだよ。


「いや、説明は……いい。なんとなく事情はわかった」


 理解は、した。してしまった。
 マクスウェルは、何をトチ狂ってしまったのか、俺を幻影旅団に入団させようという心積もりらしい。
 何故? なんで? いや、マジで意味がわからん。
 四番の欠番。おそらくメンバー不足か何か起こって、それを補填しようとしているのだろう。何かがは知る由も無いが、俺はマクスウェルのお眼鏡にかなう何かを持っていたようだ。


「成る程、それは手間が省けてよかった。それで、ヨルベ。お前の答えは決まったのか?」
「選択権なんてあるのかよ」
「ふ、質問に質問を返すとは頂けないな。まぁいいだろう。答えはYESだ。別に、その自由を奪うほど俺の心は狭くないつもりだ」
「断ったら消すとかそんな事考えてるんじゃないのか」
「重ねて言うが、そんな気は今のところない。まぁ、断言は出来ないな」


 くえない奴だ。
 どうする? 鎌掛けといてなんだが、おそらくコイツは本当に嘘を吐いてない。前も、後ろも。
 たぶん、応か否かを言う自由は許されている。そして、否と言っても直ぐに襲われることも無い。かといってそれが保障されているわけではなく、「断言は出来ない」と言ったとおり、気が変わりさえすれば俺はあっさり消されてしまうだろう。
 目がありありと語っている。コイツの瞳には俺の生も死も等しく無価値に映っているのだ。
 そういう意味で『好きにしろ』と言っている。


「それじゃあ、嫌々でも受けるしかないだろうが」
「深読みのし過ぎじゃないのか?」
「浅い配慮しか出来ない奴が欲しいのか?」
「ふむ、確かに……言われればそうか」


 いや、そんなあっさり納得しちゃうのか。


「えっと、それじゃあヨルベはクモに入団ってことでいいのかな?」


 と、マクスウェル。


「ああ、本人の了承があったからな。そもそも本来はこんな問答をすること自体がおかしなことだったんだが。これで、ようやく入団テストが出来る」
「え? テスト? テストするの? 何それ、聞いてない」
「言っただろ」
「何時?」
「試すと言ったじゃないか」


 え、いや。確かにそんな事言われたような気がしないでもないけど。
 なんだよ。アンタもアンタで説明不足もいいとこじゃないか。


「普通、入団希望者には現団員と戦ってもらうことになっているんだが、今は丁度4番が欠番していてな。その為お前には別の用件をこなして貰う。ここから北に行ったところにアン・ドーン美術館がある。そこに『祝福の涙』と呼ばれる宝石が展示されているから、それを盗んでこい」
「条件は?」
「そうだな、強いて言えば傷を付けないように、ぐらいか。手段は選ばなくていいし、他に注文はつけない」
「大丈夫、大丈夫。俺もついていくからさ」


 そうかそうか。俺の中でお前の信頼度はもう大暴落してるけどな。

 内容は、だいたい分かった。
 なら、もうここにいる必要は無い。こんな四方を殺気に囲まれた場所に、必要以上いる意味なんて無い。御免だ。
 カツカツ、と足を勧める。
 出口が近づいていくにつれて、安心感と開放感が俺に訪れた。
 もう、出口だ。影か射す。吹き抜けの所はもう過ぎていて、扉のある場所まで来ていたからだ。
 そこで、最後に聞いておくことがあったことに気づいた。


「俺が逃げちまって、このままどっかに雲隠れしちまったらどうする? その可能性のが高いだろ」
「それについては心配していない。おそらく、お前はそんな事はしないだろう。お前の奥には燻った熱が見える。期待してるぞ」


 ……わかったような事を言う。







「お~い、ヨルベ。何してるのさ先行っちゃうよ」


 軽い調子で話しかけて来たマクスウェル改めシャルナーク、元凶を軽くねめつける。が、おそらく無駄だろうから早めにやめておいた。
 『あの時、シャルナークの誘いに乗っていなかったら』。
 後悔は止まらない。嫌になる。なのに、不思議と俺は宝石を盗む算段を頭の中で組み立てていた。
 ああ、嫌だ嫌だ。

 目の前に広がる煌びやかな金銀財宝。汚れの無い白い壁面にその輝きがよく映える。……ように見える。
 どうやら、回想をしている間に展示室に着いたようだ。
 そこの中央に、赤い、巨大な石を発見した。その存在感で、なんとなくわかる。あれが、『祝福の涙』。
 あれをとって終わりか。
 なんつーか、拍子抜けだ。これでいいのか? だって、実質なんもしてねぇし。
 ま、楽できるんなら別に言うこともないけど。
 ……あ、いや。


「やっぱり、違う。そうそう上手くいくわけもない」
「そう。簡単にいかれては困ります。僕の立つ瀬が無い」


 ショーケースの影から男の声が聞こえた。












*
 息抜きに。
 ハンター×ハンターの総集編をコンビニで見かけ、テンションが上がってしまいその勢いのまま書いてみました。
 なお、遅れましたがこの作品には原作崩壊要素や、作者の妄想と捏造によるご都合主義等が含まれます。
 非常に申し訳なーい。


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