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No.37816の一覧
[0] 銀が行く 銀魂×エヴァンゲリオン[パルパル](2013/06/11 18:00)
[1] ビッチってバカにはするけど実際にいたら結構そそる[パルパル](2013/06/10 23:58)
[2] 不思議な場 来たらやるよね かめはめ波 えっやらない? じゃあごめん[パルパル](2013/06/21 00:38)
[3] 天パ、襲来[パルパル](2014/06/23 22:06)
[4] 事後、それは説明会[パルパル](2016/05/26 22:35)
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[37816] 事後、それは説明会
Name: パルパル◆b438a453 ID:ff16a65b 前を表示する
Date: 2016/05/26 22:35
お久です、以上


「はッはッはッはッはッはッはッはッ...」

暗い道路を一人の少年、碇シンジが走っていた。
その様子はまるで何かから逃げているように不恰好に走っている。

「はッはッはッ...」

シンジは走りながら後ろを振り返る。
その視界には自分が通った道路しか見えない。
良かった、と少し安心して前に向き直る。

「!?」

だが、目の前の道路からコードのようなものが繋がれている巨人が現れる。

「うわあっ!?」

シンジは思わず仰け反り、転んでしまう。
そして、ゆっくりと巨人はその顔をシンジへと近づける。
その目の辺りからは血のようなものが流れていた。

「わああああああああああああああ!!」






「あああああっ...は!?」

気がつくと先ほどの巨人は消えて、代わりに白い天井が見える。

「知らない天井だ...」

身体を起こし、辺りを見渡す。
どうやらここは病院のようだ、きっとあの後自分はここに運び込まれたのだろう。
それにしても...

「夢...?」

汗を拭いながら、先ほどの光景を思い出す。
出来ればもう二度と見たくはないと思うシンジであった。






「今回の被害総額で国がひとつ傾くぞ、碇君」

暗い部屋の中で、複数のモノリスのようなものがあった。

「オモチャに金をつぎ込むのもいいが肝心なことを忘れてもらっては困る」

彼らの名は、『ZEELE(ゼーレ)』。
遠い昔から世界を裏で操る秘密結社で、ネルフにとっての上部組織である。
彼らは今回の使徒襲来に関しての会議を開いていた。

「君の仕事はそれだけではないだろう?」
「左様」

ここでNo.1と書かれたモノリスが言い出す。
どうやらこの議会の議長であるようだ。

「人類補完計画、我々にとってこの計画こそが唯一の希望なのだ」

議長が話す相手は、ネルフの総司令を勤める碇ゲンドウである。

「―――承知しております」

眼鏡をくいっとあげるゲンドウはそう答えるだけだった。

「いずれにせよ、使徒再来によるスケジュールの遅延は認められない。予算については一考しよう」

ここで会議は終了し、モノリスが消える。
残ったのは議長のモノリスとゲンドウだけだった。

「碇、もう後戻りは出来んぞ」







名前、決めてくれた?
男だったらシンジ、女だったらレイと名付ける
シンジ、レイ...フフッ



シンジ...


シンジ...


綾波...


シンジ...


レイ...


レイ...


碇...


レイ... 




―――違う。

綾波...



レ イ

「ぎゃあァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!?」

血相を変えてガバッと起き上がる銀時。
シンジとは違い、昨日も見た暗黒の景色が広がっていた。

「ったく、朝からとんでもねーもん見させやがって。心臓に悪い...」

頭を押さえながらチラッと見ると、ユイがへぇ...とでも言いたげな顔でこちらを見ていた。

「おい、何だその顔は?」
「いえ、意外な面が見られたから」
「何言ってんのお前?もしかして俺が怖い夢見てビビったとでも言いたいの?」
「え、違うんですか?」
「違いますー!これはあれですー!過去のトラウマみたいなの思い出して俺は許されちゃいけない奴なんだ、みたいな!辛い過去を持つ主人公の苦しみ的なアレですー!」
「ホラー映画を見た過去とか?」
「それ完璧ビビりじゃねえか!夜に見てお化けが夢に出てくる的なやつじゃん!主人公がそんな苦しみ抱えるわけねーだろ!」
「主人公はシンジじゃない」
「二次創作では俺なんです!」

銀時はひたすら夢でビビっていないと否定するが、ユイは別のことを考えていた。

(意識が覚醒した瞬間が同時だった...同じ光景を見ていたのね。でもこの光景は...)

とりあえずその考えは後で考えるとして、結局またコントのようなことをやってしまい、ユイはしようと思った話をする。

「どう?エヴァを動かしてみた気分は?」
「あ?」

昨日、銀時はエヴァンゲリオンと一心同体になり動かすことに成功した。
本来、あの暴走はユイがエヴァとなり使徒と戦う筈だった。
だが実際は、銀時がその主導権を奪い戦うという結果になった。
元々の計画としては、暴走させて使徒に勝つというものだったから結果としては問題ないだろう。
だが、恐らくゼーレの者たちや夫のゲンドウ、そして冬月も違和感を感じただろう。

エヴァの戦い方がおかしい、と。






「ATフィールドを失った使徒の崩壊、予想以上の状況ね」

大型の飛行機に乗せられリツコ、ミサト、マヤの三人が今回の使徒の襲来場所に来ていた。

「まさに血の池地獄...セカンドインパクトみたいで、嫌な感じですね」

窓から見える使徒襲来の爪痕を見て、マヤは不安そうな顔を浮かべていた。

「『エヴァは使徒に勝てる』、この事実だけでも、人類に僅かな希望が残るわ」

ミサトが十字架のネックレスを手に眺めている。

(それにしてもあの動きはなんだったのかしら...)

一方、リツコは使徒襲来の際のエヴァの行動を思い出していた。






エヴァと動きを同調させた銀時はユイに武器になるものはないか聞く。

「おい、何かねーのか!刀かなんかは!」
「肩にプログレッシブナイフがあるわ」
「化け物相手に刃物一本ってなめてんのかァァ!!?」

そう言って肩からプログレッシブナイフを取り出すと走り出し、使徒に向かって跳ぶ。

「オラァァァァァァァァァァァァァァッ!!?」

その勢いでプログレッシブナイフを振り使徒を斬りつけると、その箇所から血が吹き出る。

「もういっぱァァァァァァァつッ!!」

更に斬りつけんとナイフを使徒へ突き出す。

パキィィィィンッ!

「あぁっ!?」

だが突然目の前にバリアのようなものが出現し、ナイフが突き刺さらない。

「ATフィールド!?やはり使徒も持ってたんだわ!」
「フィールドをはっている限り使徒に接触できない!」

ミサトとリツコが何とか解決策を出そうとするなか、銀時はユイに答えを求めた。

「ユイ!こいつはどうすりゃいい!?」
「私たちでATフィールドを出して侵食することで突破できるわ」
「んなもんどうやって出すんだよ!やったことねーぞ!かめはめ波と一緒か!?」
「なら私が侵食するわ、貴方は力任せに引き裂いて」

エヴァが自らの手を再生させるとそれをATフィールドへ突っ込み、引き裂こうとする。

「凄い...」
「ふんごォォォォォォォォォォォォォォォォォォ...!!」

すると遂にATフィールドが破れ、エヴァが通れるほどのスペースが出来る。

「どうも、突撃となりの晩御飯ですけど...!」

ピカッ!

使徒はエヴァに向けて光線を放つが、エヴァからATフィールドをはられて光線は弾かれてしまった。
そこで使徒はもう一度頭に掴みかかろうとする。

「芸がねえんだよ肩パッドォォッ!!」

今度はエヴァが使徒の腕を掴み返す。
そこにプログレッシブナイフを突き刺すと、刺したまま肩の辺りまで切り裂いていく。

「駄目よ、使徒はコアを狙わないと倒せないの」
「あの赤いビー玉のことか!?ならこのまま---!」

だが使徒の目が光ると、その身体をエヴァに絡み付かせる。

「コイツ、まさかっ!?」
「自爆!?」

カッッッ!!!

ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!

閃光が辺りを包むと大音量が響き渡り、爆発による風と熱が一帯を吹き飛ばす。
爆発の中心には十字に昇る炎が見える。

「...エヴァは?」

光が段々と晴れて、鮮明に見えてくる。
そしてネルフのモニターが捉えた映像が、その映像を見ていた者たちの言葉を失わせた。

そこには、炎と赤い雨が降り注ぐ崩壊した街を悠然と歩くエヴァンゲリオンの姿があった。







(暴走、と呼ぶには理性的な戦い方。まるで別のパイロットが動かしているようだった。まさか、何かイレギュラーなことが起きてるんじゃ...)

試行錯誤をしていると、パソコンがメッセージを受け取った音を出す。

「その希望を担うパイロットが気づいたみたいよ」








「で、俺はこれからどうすりゃいーんだ?」

一方、銀時は胡座をかき鼻の穴をほじりながらユイに話しかけた。

「どうって?」

ユイは閉じていた瞼をゆっくりと開けて銀時に振り返る。

「だから、俺はこれからも紫の彗星を操らなきゃならねーのか?」
「それ赤いやつじゃ...ってああツノ生えてるものね」

銀時に向き直りとりあえずは、と今後のことを教える。

「特に何もしなくていいですよ、元々私が戦う筈だったのでしたので」
「はっ?あんたが?」

怪訝な顔を浮かべる銀時。

「ええ、暴走したときは私がエヴァの人格のようなものになってエヴァが動くの」
「人格のようなものって...お前が操る訳じゃねーの?」
「ええ、別に私が主導権を握る訳ではないわ。あくまで私は取り込まれた存在だから。影響を及ぼすことは出来ても私自身となるわけではないわ」

へー、と銀時は納得しようとしたところでん?と疑問が浮かぶ。

「じゃあ俺の時はどうなんだ?」

あの時エヴァは銀時とシンクロしていた。
影響を及ぼすだけでなく、その身体さえも自在に動かしていた。
それを聞かれてユイはあっけからんと答えた。

「さあ?」
「さあ?ってお前...」
「正直わからないことだらけなのよ?私だってエヴァの全てを知っている訳ではないし、まず貴方のようなイレギュラーが起こすことなんて知らないわ」

ユイが説明すると銀時はハァとため息をつく。

「結局またあの化け物とやるしかないって訳か」
「え?いえ貴方は---」
「目の前で女一人戦わせてた、なんて知られたらかぶき町歩きにくくなるだろ?」

ポンっと銀時がユイの頭に手を乗せる。

「んっ」
「あの連中が何考えてるかはよくわかんねーけど、あんたは子の為に身体張ってんだ。ならお助けくらいはしねーとな」

フッと笑いかける銀時にユイも笑みを浮かべる。

(本当に、変なところで優しくなるんですから...)

だが、それと同時に不安もある。

(もしあの人の計画をこの人が知ったら...もし、それを私も望んでしまっていると知ったら...)

使徒、セカンドインパクト、ネルフ、ゼーレ、人類補完計画、エヴァンゲリオン
---そして、チルドレン。
私たちの子、 碇シンジ

(全てを知ってしまったら、彼はどうするのだろう)

自分たちの行く末はわからない。
自分たちは天国へ向かっているのか、それとも地獄へ落ちようとしているのか。
だが、叶うことなら---

「もう一度、家族と一緒に...」

そんな、銀時にさえ聞こえない小さな声でユイは呟いた。


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