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No.43002の一覧
[0] 鈴原サクラ「生きとったら28歳かぁ…」[ブイ](2018/02/25 21:15)
[1] プロローグ[ブイ](2018/02/25 21:32)
[2] 知の恐怖と無知の恐怖[ブイ](2018/02/25 21:32)
[3] 気付きと困惑[ブイ](2018/02/25 21:32)
[4] 追想[ブイ](2018/02/25 21:32)
[5] 憎悪は関心か[ブイ](2018/02/26 19:59)
[6] たった一人の冴えたやり方[ブイ](2018/02/27 15:36)
[7] 勘弁してほしいわ[ブイ](2018/02/27 15:37)
[8] おまけその1 トウジは何思う? Part1[ブイ](2018/02/28 22:28)
[9] おまけその1 トウジは何思う? Part2[ブイ](2018/03/01 22:47)
[10] おまけその2 もう一人の親友[ブイ](2018/03/01 22:47)
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[43002] おまけその2 もう一人の親友
Name: ブイ◆ce863cfe ID:99fddfa6 前を表示する
Date: 2018/03/01 22:47

壊れたシェルターの中にはもう一人碇シンジの親友がいた。


クラスの中でもトップクラスの変わり者で
カメラマニアの少年、相田ケンスケだ。


目の前に浮かぶエヴァンゲリオン初号機と紅の空
以前の彼であれば鼻息荒く興奮してカメラを向けていただろう。


しかし彼はその風景から目を離すことができなかった。
それは絶望でも哀しみでもない、ただただ惹かれていたのだ。


カメラで撮影しても意味のない状況でもあるが
彼の頭の中にはそんなことはどうでもいい
その目に焼き付けたかった。


ケンスケ「(撮影があんなに好きだったのに、私利私欲の為に撮影してたのに…。自分がしていたのは何だったんだ?オモチャを振り回すだけだったってこと?)」


俺は悲劇のヒーローの誕生の瞬間を目にしているのだ

あの中には親友の碇シンジがいる
世界を守ろうとしたものの世界を滅ぼしてしまった存在
ああ、なんと儚い、なんと尊いのだろう。


ケンスケ「(事実は小説より奇なりと言うもんだな…)」

ケンスケ「これで終わりなのかな?どう思う?トウジ…?あれ?」



鈴原トウジの姿が見当たらない、よく探すと委員長と一緒に居る。


ケンスケ「(ようやくくっ付いたか、やれやれ遅いっての)」



彼らは彼らの時間を過ごしたいのだろう
茶々をいれるつもりもないし憤りもない。
むしろ嬉しい。


気が逸れたが
また先程の思考に戻る
彼の頭には親友の心配しかないのだ。


ケンスケ「(碇の活躍で世界は守られるのか?それとも地球は滅ぶのか?)」


シンジの活躍で世界が助かると思いたいのだが
いかんせんこの状況だ、世界が滅びてしまうという思考にもなる。



ケンスケ「(まあどうでもいいか、碇の笑顔を見れて悩みをたくさん聞いてやれてよかったよ)」


親友の写真を平気で売り飛ばしたりする彼だが
性根は腐ってないようだ。
自分の心配ではなく親友の心配しかしていない。


だが皮肉なことに彼の思いは碇シンジには届かない
彼は親友や多くの人を殺してしまった事を深く後悔するのだから…


ケンスケ「(もう俺が助からなくてい、あいつの救済さえあれば何もいらないね。せめてもの、生きてもっとあいつとバカやりたかったなぁ)」



当然同シェルターからは誰一人として生存者は見つからなかった。


終劇


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