おまけ
対第10使徒
ニアサードインパクト
トウジ「(あのバケモンとシンジが戦っとる。あいつは世界を守ってくれた。せやけどワシらは助からんみたいやな)」
破損したシェルター、空へ浮かぶ無数の瓦礫、使徒を倒したはずなのに、世界が守られたはずなのに…
確信した。揺れる大地と紅く染まる空を感じて…ここまでだと。
トウジ「なんやワシえらい冷静やな…」
その呟きに反応して彼の側にいる少女が応える。
ヒカリ「諦めっていうのかな?それとも絶望なのかな?」
洞木ヒカリ…彼を想う少女であり、先程彼に守られた存在だ。
トウジ「せやな…それもある。複雑な気持ちやけど腹は括れとる。」
トウジ達と同じシェルターに居合わせた者は学校の生徒やその関係者
さらには近隣の住民などが含まれていた。
冷静な二人をよそに泣き叫ぶ者、嘆く者、必死で大丈夫と言い聞かせるものなど様々だ
彼ら以外は正気を保っていられないようだ。
普段偉そうに説教している大人は狂ったように錯乱し
仲の良いクラスメートは放心している。
トウジ「(どうしてワシはこんなに冷静でおられるんやろな…サクラの事も不安やのに…)」
トウジ「サクラ、大丈夫やろうか…?」
ヒカリ「きっと大丈夫、私たちの碇君達よ?私たちが信じなきゃ誰が信じてあげるって言うの?」
トウジ「センセかぁ…イインチョ、ワシ…シンジの親友でホンマ良かったと思うわ。」
ヒカリ「私も、アスカや碇君の親友で良かったと思う」
ヒカリ「二人が今生きているのかどうかわからない、けど分かる。二人は生きていてこの世界の希望になるんじゃないかって」
トウジ「せやろな、辛い思いもするやろけどワシらの分まで強く生きて、幸せを掴める」
トウジ「何かワシは誇りに思える。あんな強い男の友達だったことにな。」
ヒカリ「碇君…きっと恨まれるんだろうね。たくさんの人から…世界中の人から…」
トウジ「そんな奴おったらワシがどつき回…せたらええんやけどなぁ…」
ヒカリ「そんなのって…あんまりだよね…世界を守ったのに…恨まれるなんて…」グスッ、ポロポロ
トウジ「大切な人を失って許せる人なんてそうそうおらへん、ワシかてこの前シンジに八つ当たりしてしもうた…思い出しただけで自分を殴りたなる…。」
トウジ「けどな、分かってくれる人は必ずおる筈や。」
トウジ「ミサトさんや式波、綾波、あとはよう知らんけどネルフの職員さん、分かってくれる人が側にいてくれるはずや!」
ヒカリ「うん…うん!そうね!私達が信じてあげなきゃいけないもんね!」ニコ
ヒカリ「けど、私達が側で碇君やアスカの力になれないのは悔しいね。」
トウジ「そうやな、悔しいけどもうええ、悩んでもあかんのや。あいつら信じるのがワシらの役目や、もう満足やわ。それとな…最後に言っておかな後悔する事があるんや…。」
ヒカリ「?」