マリ「ワンコ君から迎えを頼まれた」
シンエヴァンゲリオンのネタバレを含みます。
妄想かつ初ssです。
以前の世界の記憶はシンジ、マリ、レイ、アスカ、カオル、ミサト、+アルファで話を進めていきたいと思います。
8月の熱い夏の夜だった。
ケンスケとトウジに誘われて、野郎だけの飲み会の後に電車で寝過ごして終電、終点の絶望的な状況になっている。
腹が立つことにケータイの電源が切れてしまい、土地勘のないその土地で電話ボックスを求めてさ迷っていた。
幸い近くに公園があり、電話ボックスがあった。
ほっと一息つく間に同じ境遇のサラリーマンと思しき男に先を越されてボックスに入られてしまい、
ベンチでしばらく待つ羽目になった。
ベンチに座りながら、過去を思い出す。
シンジ「こんなにも幸せでいいのかな。」
僕の頭の中にはエヴァのあった世界の記憶と、この世界で過ごした記憶のふたつが同居している。
こちらの世界の記憶も実感はあるのだが、エヴァのあった世界で生きていた実感よりは薄く、あちら側と変わらない姿をした知人との会話にはなれるのに1年ほどかかった。一部の人を除いて性格は変わりがないのが、不幸中の幸いか。
と50秒ほど物思いにふけっていたら目の前のボックスから男が軽く会釈をしながら出て行った。
シンジ「えーとマリさんの番号は...と」
telllllll
マリ「ワンコ君からだ。さてはラブコールかにゃなんて」
ピッ
マリ「もっしもーし。」
相変わらずの明るい声色が受話器の向こうから聞こえる。
シンジ「ごめんマリさん。お迎えお願いします。盛り上がりすぎちゃって○○線の終点近くの公園です。」
マリ「とぉーい一緒に飲んでたんじゃないの?お財布は?」
シンジ「途中で起こしてくれたんだけど、あと一駅って油断してねちゃってた。今日はキャッシュレス使えるところだったから・・・今ケータイ電源切れちゃってて、ごめん」
マリ「しょうがないにゃ。待っててマリタクシーがお迎えに仕るで候。」
シンジ「ありがとう。ごめんね」
マリ「ワンコ君も頼るようになってくれて何よりだ。んじゃ」
ピッ
ここから1時間のところに迎えに行くのに私はワクワクしていた。ついにあのセリフを本人の前で言ってやるのだ。付き合って2年になるのだがいついってやろうかと心待ちにしていた
マリ「あそこの夜景はきれいかな。行くよマリア号なんつって。」
と一言。私はエンジンをかけ、今は一人見知らぬ街で蒸し暑い思いをしているワンコ君を迎えに鼻歌を歌いながら。
私の鼻歌メドレーがつきかけた頃ようやく愛しのワンコ君のいる公園についた。
さてと…
マリ「愛しのワンコ君、君がどこにいても私が迎えに行くよ。きみのかえってくるところになる。結婚してください。碇シンジ君っ!!」
ガバッ
と開口一番そんな男前な告白をしながら彼女が抱き着いてきた
シンジ「ちょっとマリさん」
1時の公園ではあったがきょろきょろと周りを見て多少焦りながら答えを返した。
逃げちゃだめだ。逃げちゃだめだとふるい立たせて。
シンジ「正直泣きそうだよ。でもレイやアスカが言ってくれたようにちゃんと伝えなきゃ」
少し涙目になりながらもストレートに言葉にしてくれた彼女の誠意にこたえようと
シンジ「こちらこそよろしく、僕のマリア様」
マリ「やったにゃ!!んじゃ夜景ツアーにごあんなーい。」
僕の彼女は胸の大きくて気立てが良くて僕の前では30という年を一切気にせずワンコ君とか語尾ににゃとかつけてくる聖女(マリア)さまです。
終わり。
次回はラストシーンの直前で何があったかをという内容で書きたいなと思います。
お付き合いありがとうございました。