“そこ”は人の知りえるはずのない場所であった。
否、場所ではなく空間と言うべきか・・・。“そこ”は奇妙な空間だった、上下・左右・前後は暗闇でありながらその空間に立つ青年はハッキリとしていた。
まともな神経をした人ならばまず混乱しているだろう。
だが、“そこ”にいる青年“横島忠夫”は自分の周りを確認すると、
「はぁ~~、んでぇ“また”何んか用か?“アシュタロス”・・・」
と言ったのだっだ。
すると、突如横島の数メートル前に今までいなかった“何か”が姿を現す。
「正確に言えば“きみ”がだろう?」
“魔神アシュタロス”が静かに答えた・・・。
「ふんっ、どうせ見るならキレ~なネ~チャンが出る“夢”の方が百倍ましだっつ~の。」
「お望みとあらば、美女に姿を変えるが?」
「はっ、やめとけ、やめとけ俺はそんなモン望んじゃいね~っての。」
「しっかし、あれだな~“無意識”て~のが気にくわんっ。」
「きみは、不器用だからな・・・。」
「で・・・“どこ”にあると思う?」
「おそらく“・・・・・・”だろう。」
「やはりか・・・。」
「ほぅ、予測していたか・・・。」
「だいたいはな・・・。」
「では、せいぜい頑張るのだな。」
「へっ、言われなくとも。」
そして意識は浮上する・・・。