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No.532の一覧
[0] 陰陽師 高島[ぱほほ~ん](2006/06/10 17:48)
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[532] 陰陽師 高島
Name: ぱほほ~ん
Date: 2006/06/10 17:48
都、そこは政治・経済の中心地。
最も人が多くゆえに歪みが多い。
古来より都には未知魍魎が出没する。
時は平安、都を守護する集団、陰陽師。
歪みとたたかうために自ら歪みに手を染める者達。
彼らは毎晩のように、都を守るため死と背中を合わせる。

しかし、近頃の京の夜は静かであった。
それが前兆であったのかもしれない。
2人が言葉を交わしたのはこれから長い年月に渡る壮絶な戦いのはじめのほんの小さな前兆だった。

「高島・・・お前は自分の力が恐ろしいと感じたことはないか?」

「俺は自分の力が怖い・・・」

「普通の人であれば、向かい合っただけで失神するような鬼と渡り合えるのだぞ。」

「俺はあいつらと違って体も小さいし鋭い爪も牙もない。刃物をも通さぬような皮膚もな。だが、俺は奴等を葬ることができる。」

「人など容易いものだろう・・・」

「わかっている、そんなつもりは微塵もない。だが、鬼にとってみれば俺たちのほうが化け物に見えるのかも知れんな。」

「近頃俺は鬼との戦いに高揚している事に気づいた。鬼と、強い化け物と戦うことに言いようのない快感を覚えてしまう。」

「だが、俺は少々強くなりすぎたようだ。この今日の都で、俺を満足させるような鬼はもういない。俺は唐へ渡ろうと思う。」

「その前に、最後に戦っておきたいやつがいる。お前だ、高島。」

「昔からお前とは親友であり、好敵手だった。もう会うこともないかも知れん。最後に決着をつけよう。」


そして、友との永遠の別れを迎えた。
降り注ぐ雨が体を冷やす。
もう何も感じることができない。
自分は今、悪夢でも見ているのかもしれない。

「高島・・・」

声が聞こえた。
まだ聴覚は生きているようだ。

「西郷・・・」

よく知った顔・・・
昔、一色も合わせて三人で遊んだ・・・
俺たちと違って優等生で、村一番の使い手で・・・
俺と一色はあいつに追いつこうと必死だった・・・
そう、あいつと一緒だったからがんばれた・・・
共に・・・肩を並べて・・・高みを・・・
もう・・・

「一色は鬼に憑かれていたようだ。お前ら気に病む必要はない。一色のほかにも何人か憑かれていた。そいつらは姿すら変わってしまっていた。もう・・・人の形はしていなかった。」

「その鬼は、まだどこかで生きているだろう。」

「あいつと・・・一色と、来世でまた会えるだろうか・・・」

「輪廻転生か・・・まあ、会えるだろうな。俺たちは縁がありそうだ。親友なんだろ?」

また・・・たたかおうぜ・・・

つぎは・・・まけないぜ・・・


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