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No.18953の一覧
[0]  マブラヴ+SRW α アフター (チラシの裏から移転)[まくがいば~](2014/03/30 23:28)
[1]  マブラヴ+SRW α アフター  プロローグ[まくがいば~](2014/03/30 02:06)
[2]  マブラヴ+SRW α アフター  第一話[まくがいば~](2014/09/14 03:31)
[3]  マブラヴ+SRW α アフター  第二話[まくがいば~](2014/03/30 02:04)
[4]  マブラヴ+SRW α アフター   第三話[まくがいば~](2014/03/31 20:49)
[5]  マブラヴ+SRW α アフター   第四話[まくがいば~](2014/03/30 02:03)
[6]  マブラヴ+SRW α アフター  第五話[まくがいば~](2014/03/30 02:03)
[7]  マブラヴ+SRW α アフター  第六話[まくがいば~](2014/03/30 02:03)
[8]  マブラヴ+SRW α アフター  第七話[まくがいば~](2014/03/30 02:02)
[9]  マブラヴ+SRW α アフター  第八話[まくがいば~](2014/03/30 02:02)
[10]  マブラヴ+SRW α アフター  第九話[まくがいば~](2014/03/30 02:01)
[11]  マブラヴ+SRW α アフター  第十話[まくがいば~](2014/03/30 02:01)
[12]  マブラヴ+SRW α アフター  第十一話[まくがいば~](2014/03/30 02:00)
[13]  マブラヴ+SRW α アフター  第十二話[まくがいば~](2014/03/30 02:00)
[14]  マブラヴ+SRW α アフター  第十三話[まくがいば~](2014/03/30 01:59)
[15]  マブラヴ+SRW α アフター  第十四話[まくがいば~](2014/04/12 00:53)
[16]  マブラヴ+SRW α アフター  第十五話[まくがいば~](2014/04/24 01:00)
[17]  マブラヴ+SRW α アフター  第十六話[まくがいば~](2014/06/16 21:14)
[18]  マブラヴ+SRW α アフター  第十七話[まくがいば~](2014/08/24 21:53)
[19]  マブラヴ+SRW α アフター  第十八話[まくがいば~](2014/08/24 21:56)
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[18953]  マブラヴ+SRW α アフター  第一話
Name: まくがいば~◆498b3cf7 ID:361a872e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2014/09/14 03:31
 2001年 10月22日
 
 日本帝国 帝都城

「悠陽様、悠陽様!」
 朝食を終え、元枢府に政務に向かう前のわずかな憩いの時。
 自室で合成の紅茶を飲んでいる煌武院 悠陽のもとに慌しい少女の声が響いた。
「なんですか、鑑? 落ち着きなさい」
 その少女の慌てっぷりにわずかに苦笑しながら、悠陽は嗜めるように言う。この少女を手元に置いて二年以上たつが、城内の雰囲気に染まらない彼女の言動は、いつも悠陽を楽しませてくれる。
「こ、光神(こうじん)様が、な、なんか言ってます!!」
 少女、鑑 純夏は意味不明な身振り手振りを交えて、悠陽に言う。白い、神職の神子の装束を纏った彼女だが、その神秘性を台無しにするパニックぶりだ。
「光神様が?」
 悠陽も驚き、席を立つ。光神に近づき、何かしらの意思を感じられる彼女を、神子に据え、手元に置いておいたのはこの時の為だったのだが、やはり驚嘆は隠せない。
「こ、こんな強いお、おとこば、じゃなくてお言葉は、初めてです! 武ちゃんもそう言っています!!」
 もう一人の神子にして、悠陽付きの武官である白銀 武もそう言っているのなら、間違いはないだろう。
「誰かある!」
 凛とした声が響く。別室に控えていた侍従が、悠陽の言葉を聞き、すぐに悠陽の御前に現れ、畏まる。
「香月博士に連絡を! 私は鑑と共に横浜へ向かいます! 鑑、良いな!」
 国の威光を背負う少女の言葉に、誰も意を唱えるものはいない。
「畏まりました、悠陽様」
 純夏も役職を思い出したのか、面を正し、伏礼でそれに応える。
「悠陽様、準備は整っております」
 そして現れたのは、少し意匠をアレンジした、黒の斯衛軍の制服を着た少年、白銀 武。若干十七歳でありながら悠陽の御付武官筆頭を任ぜられ、悠陽の信任も純夏同様篤い。
「わかりました」
 厳かに応じた悠陽だが、その場を離れようとしない武を見て、咳払い一つ。
「わかりました、と言ったのですよ白銀」
「はい」
 再び咳払い。だが、武はその意味を察しているのかいないのか、一向に退室しない。多分、いつのも悪ふざけだろう。悠陽は、頬を赤らめながら、言い放つ。
「着替えるから、席を外せ、と言っているのです!」
 恭しく控えていた武だが、ひっかかったとばかりの良い笑顔を見せてきた。この笑顔に何度やられたことか、と悠陽はさらに頬を染める。
「いや、ソレガシこれでも悠陽様付き筆頭武官、悠陽様の身の安全の為、例え火の中閨の中、どこへなりとも・・・・・・」
 他の者が口にしたら、不敬罪で銃殺刑確定のセクハラ発言をする武。だが、その悪ノリtも、地の底から響くような純夏の声で中断される。これもいつもの事だ。
「た~け~る~ちゃ~ん~~!」
 メラメラと憤怒のオーラを立ち上らせ、武の背後に立つ純夏。それで武の軽口もピタっと止まる。
「馬鹿な事言ってないで、とっとと行くよ!」
 耳をつまんでつねって引っ張る純夏に、悲鳴を上げながら連行されていく武。今日は、『衝撃みるきぃ殴打』が出なかった分、ましな方だろう。
 今のような二人のやり取りも、悠陽の心を和ませてくれている。苦笑と共に着替えを始める悠陽。
 予言にあった言葉が指していたのは、今日なのだろうか?

 
 旧横浜

 全ての政務をキャンセルし、横浜、『光神の地』に悠陽が着いたのは午前十時少し前だった。
 武と純夏が乗る黒い瑞鶴改、月詠真耶率いる第一独立警備小隊の武御雷三機、それに悠陽自ら搭乗する武御雷一機のみという、平時では信じられない警護内容で、全ての反対諫言を振り切ってこの場に向かったのだ。今頃、城内省では上へ下への大騒ぎだろう。
 零式衛士強化装備に身を包んだ悠陽が、降着姿勢をとった武御雷から降りてくる。それに続いて、武操る瑞鶴改からは、桃色基調の強化装備に身を包んだ純夏が降りてくる。他の者は降りずに、この場の警戒に当たっている。
 草木生い茂る旧横浜、『光神の地』。そこにあるのは直径三キロ、最深部深度一キロのすり鉢状の巨大クレーター。
 その最深部に、白く鈍く光る光源がある。それこそが、『光神』と名づけられた物。三年前、この地に光臨し、一瞬で横浜ハイヴを消失させた、奇跡の光の源。
 『光神の地』、三年前、そこにあったのは地球人類の敵、BETAの巣とも言える横浜ハイヴ。
「どうです、鑑?」
 クレーターの縁ギリギリまで進み、そのクレーターに手を翳す純夏。『光神の地』の結界に、入れるのは、純夏と武の二人のみ、他の人間が、このクレーター内にわずかでも立ち入ると、瞬時に昏倒してしまうのだ。機械探査を行おうにも、このクレーターに入るとすぐに機械は機能不全を起こす。純夏と武が、『神子』として、帝国に篤く庇護されているのは、これが大きな理由だ。
「すごいです、一年前とは大違い、です・・・・・・」
 目を閉じ、手を翳し集中する純夏。前に反応があったのは、一年前、ソビエト連邦が米国と共同で行ったエヴァンスクハイヴ攻略作戦の時だった。
 米国がG弾をハイヴを投下した直後、光神はわずかだが反応を見せた。純夏はそれを『なんか少し不機嫌になっている』と読み取り、光神研究者の香月夕呼を苦笑させたものだ。
「あ、こ、言葉が、しっかりした言葉が聞こえます! え、何、何ですか?」
 光神は純夏の呼びかけに応えてくれたことはない。ただ、一方的に意思を示すだけだ。
「鑑、光神様はなんと?」
 興奮を隠せず、悠陽が訊ねる。それが本当なら、純夏が最初に、そして唯一聞いたという光神の言葉の続きかもしれないのだ。
「え、えっと、くる、『来る』っ言ってます。それと・・・・・・ 『はじまる』、さどがしま? あ、『佐渡島』
って!」
 来る、始まる、佐渡島。地名が出てきたことに悠陽は少し驚いた。それに佐渡島と言えば、日本最大の脅威とも言える甲二十一号目標、佐渡島ハイヴがあるとことだ。なにか関連があるのだろうか?
 膝の丈ほどまで伸びた、ススキのような植物が、一斉に風に揺れた。空を仰ぐと驚くほど近くに大型ヘリが迫っていた。消音装置があってもここまで気づかないとは、悠陽は思った以上に興奮していたらしい。
 ヘリは、護衛戦術機が駐機する横に着陸、ローターが止まる前から後部ハッチが開き、白衣に国連軍の服を身に着けた女性が、こちらも特別誂えの国連軍制服を着た小柄な少女を引き連れ、降りてきた。少女の頭についたウサギの耳のようなアクセサリーがかわいらしい。
 独自の変異を遂げた草が、この辺り一体を被っていた。これも光神の影響だろうと調べたのは、いまこちらに向かっている女性。国連軍新潟基地副司令他、様々な肩書きをもつ女傑、香月夕呼博士だった。趣味、として光神の研究も行っている。
「殿下がそのような格好でお出でとは・・・・・・ 白銀に目で犯されますわよ」
 軽く頭を下げ、苦笑まじりにそう挨拶する夕呼。新潟からにしては随分早い到着だ。彼女も面には出さないが慌ててこちらに駆けつけたのだろう。
『は、博士、何言っているんですか!?』
 集音マイクで夕呼の声を拾った武が、外部スピーカーで慌てて文句を言う。ただでさえ、悠陽に馴れ馴れしいと不評を買い捲っている状態なのだ。横に控える月詠真耶中尉の武御雷のもつ突撃砲の銃口が自分に向いているのも、背中に冷汗を滴らせる原因になっている。
「もう、慣れました」
 身体のラインを際立たせるどころじゃない強化装備、待機服を羽織ってくればと後悔するが、今はそれどころじゃないと自分に言い聞かせる。あの武が自分の後ろ姿に視線を注いでいると思うと身を捩りたくなるほどの恥ずかしさを感じるが、それも我慢しよう。
『殿下~~~!!』
 悠陽の切り替えしを聞き、さらに悲鳴をあげる武。三機の武御雷の銃口が白銀機を狙う状態になっていた。
「うるさいわよ、白銀! で、鑑は何と?」
 自分で武を窮地に追い込んでおきながら、あっさり切り捨て夕呼は悠陽の横に立つ。 夕呼の横にいた少女、社 霞は、まず武の乗る瑞鶴改にペコリと頭を下げると、無言で純夏の横に立つ。
「光神様が、言葉を発している、と言っています。鑑と白銀が助け出されたあの日、以来のことです」
 悠陽の説明に、わずかに驚きの表情を面に出す夕呼。
「来る、始まる、佐渡島、今のところそれだけですが・・・・・・」
 悠陽に告げられた三つの単語の意味を、考え始める夕呼。何が『来る』のか、何が『始まる』のかについては想像の域を出ないが、『佐渡島』という単語は興味深い。
 そこから考えると、佐渡島に何かが来る、そして何かが始まる、そう考えられる。
 夕呼の視線が、純夏の横に佇む霞に向く。霞はそれを受けて小さく頷いた。霞は、自身の持つリーディングの能力で、純夏の言葉が、純夏自身から出ているのではないことを確認する役目を担わされていた。頷く、ということは純夏が告げた言葉は紛れもなく光神が発した、ということだ。
益々興味深い。
「あ、あと、『許さない』って聞こえます! え、え~と、なに、げったー? えっと、『げったーは許さない』って、ずっと言ってます」
 純夏がまた感じ取った言葉を、告げてくる。
「げったー?」
 眉根を寄せる夕呼。聴いたことのない言葉だ。英語に当てはめると『GETTER』とでも表記すればいいのか。この出自不明の光神の名前が『GETTER』なのだろうか?
「たしかゲッターといえば、チタンの蒸着膜などに使われる物質のことですね」
 悠陽が博学のところを見せるが、そのゲッターとは違う物だろうと、夕呼は思う。
「たぶん、何がしかの名詞だと思います、そのゲッターという言葉。推測ですが」
  夕呼の言葉に、悠陽も賛意を示すように軽く頷く。だが、そのゲッターが何を意味するのか。二人は無言で純夏の言葉を待つ。
「ず~っと、許さない許さないって言って、あ、な、何? は、はやと? べんけい? しんじ、だいさく? 多分人の名前だと思うんですけど、あ、なんか唸り声みたくなっちゃいました!!」
 意味を持った単語は、それから聞こえなくなり、純夏曰く、『唸っている』ような状態が続いたので、悠陽の許可を得て純夏は手をクレーターから下ろす。さすがに疲れたのか、すこしふらつきながら戻ってくる。
「最後のハヤト、ベンケイ、シンジ、ダイサクっていうのは何なのかしらね?」
 純夏の考えを聞く夕呼。首をひねりながら純夏は、自分が感じたことを口にする。
「えっと、多分、人の名前だと思います。それと、なんかその言葉の時だけ、嬉しいとか、懐かしいとか、そんな感じがしました」
「嬉しい、ですか?」
 悠陽の言葉に頷く純夏。ここで日本人のような名前が出てきたことが夕呼には意外だった。その名前を持つ人物は実在するのだろうか? そして、その名前をもつ人物は、光神となんの繋がりがあるのだろうか。考えても答えは出ない。
「ホント、わけわからない神様ね・・・・・・」
 夕呼が溜息をついた時だった。
 白衣に入れていた通信機が音を立てる。
「何?」
『ふ、副司令、大変です! さ、佐渡島、佐渡島ハイヴが・・・・・・』
 声の主は、ヘリに残した彼女の副官兼秘書の、イリーナ=ピアティフ中尉からだった。冷静沈着な彼女がここまで慌てるのは珍しい。それに、佐渡島とは・・・・・・
「佐渡島がどうしたの?」
 夕呼の問いかけに、ピアティフ中尉は一旦息を呑んでから、ゆっくりと告げた。
『佐渡島ハイヴが、何者かに破壊されました!』
 その言葉はこの場にいた四人全てに聞こえた。皆が同じ思いで顔を見合わせる。
「佐渡島に、何かが来る、そして始まる・・・・・・」
 自身の中に湧き上がる高揚感を抑えきれないのか、悠陽の声は震えていた。
「そして、それは、許さない。たぶん、対象はBETAのこと、でしょうね」
 続けた夕呼も平静を装っていたが、やはり気持ちが高ぶっている。知りたい、今、何が起きているのか、その全てを。
 純夏は霞と手をつないでいた。力強く。そして武が乗る瑞鶴改を見つめる。武も多分、自分達を見つめている。
 純夏が思い出すのは三年前、囚われていたハイヴの深層部で武と引き離されそうになったあの瞬間の出来事。これは悠陽と夕呼、霞の三人にしか告げていないこと。
 純夏と武は、その時、巨人を見たのだ。光り輝く、だけど禍々しい鬼のようなフォルムを持った巨人を。その巨人に助けられた瞬間から、意識は跳んでしまったが、最後に聞いたのだ。巨人の言葉を。
『待っていろ。救いはくる』
 と。それは力強い、男性の言葉だった。その言葉を悠陽に告げ、彼女がそれを信じたから、自分と武は彼女のもとにいる。
 純夏は思う。
 救いは始まったのだろうか? そして、人類は、救われるのだろうか?

【後書き】
 とりあえず、ここまで投稿。細かい設定の違いは、暖かい目で見て
くださると嬉しいです。
 大まかな設定変更については、なんだコイツって感じで見てくださると
ありがたいです。


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