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No.30479の一覧
[0] 【第十四話投稿】Muvluv AL -Duties of Another World Heroes-[なっちょす](2014/09/10 01:21)
[1] プロローグ[なっちょす](2012/07/16 02:08)
[2] 第一話[なっちょす](2012/07/16 02:10)
[3] 第二話[なっちょす](2012/07/16 02:10)
[4] 第三話[なっちょす](2012/07/16 02:20)
[5] 第四話[なっちょす](2012/07/16 02:21)
[6] 第五話[なっちょす](2012/07/16 02:20)
[7] 第六話[なっちょす](2012/07/16 02:13)
[8] 第七話[なっちょす](2012/07/16 02:20)
[9] 第八話[なっちょす](2012/07/16 02:16)
[10] 第九話[なっちょす](2012/07/16 02:15)
[11] 第十話[なっちょす](2012/07/16 02:20)
[12] 第十一話[なっちょす](2012/07/16 02:17)
[13] 第十二話[なっちょす](2012/07/16 02:18)
[14] 第十三話[なっちょす](2012/10/28 23:15)
[16] 第十四話[なっちょす](2014/09/10 01:21)
[17] キャラ設定[なっちょす](2012/10/28 23:18)
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[30479] 第一話
Name: なっちょす◆19e4962c ID:3f492d62 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/07/16 02:10

―2000年2月―
――国連軍・横浜基地――

まだ建設材料の独特の臭いが取れない地下区画の通路を、三つの人影が歩いていた


「―ねー?タケルちゃん… 私の話、ちゃんと聞いてる?」


三人の中心にいる青年-白銀 武の顔を、その左側にいた少女-鑑 純夏が特徴的なアホ毛を?マークにしながら覗きこむ


「へーへー、ちゃんと聞いてますよ。
 要するに、たった一日で“難しぃぃい”CP育成教科課程Cをクリアしたって話だろ」


タケルが頭をボリボリと掻きながら返事をする


「そうそう!ピアティフさんがね―…」


隣で嬉しそうにはしゃぐ幼馴染をよそに、タケルは少女とは反対側にいる成人女性―ピアティフにボソボソと話しかけた


「ピアティフさん… 純夏の話、ホントなんすでか?」


「えぇ、鑑さんの話は本当の話です。
 まだ軍属ではありませんが、なるとしたら― 私が言うのも変ですが ―良いCPになると思いますよ?」


笑顔で答えが返ってきた


「純夏が…ねぇ…?」


「あ~!! 今、私の事バカにしたな~!?
 タケルちゃんのクセに、生意気だ~!!」


プンスカと怒り出す純夏
しかし、タケルはそれを至極当然の様に受け流し、別の話題を振った



エレベーターで更に地下に来た3人は、ある機密区画でエレベータを降り、ある部屋の前で止まった
ピアティフが戸をノックした後、「失礼します」との言葉と共にIDカードを使って入室する

開けられた扉の向こうに広がるのは、いかにも新築といった雰囲気の部屋
しかしその雰囲気とは真逆に、床には多数の書類や書籍が所狭しと置かれていた
そんな様子の部屋であったが、良く見ればまだ完成していないのか、所々の外装が外され中のケーブルがあらわになっている

床に置かれている物が一層と積み上がっているところに、一人成人女性がカタカタと音を立てながらPCを操作していた
その女性-香月 夕呼は彼らの入室に気が付き、口を開く


「白銀、鑑、ピアティフ…来たわね。
 早速だけど、ピアティフ。 鑑が基礎訓練課程を終えたんだって?」


再度PCに視線を戻す


「はい。副指令。
 鑑さんは本日の午前の検査試験を合格、それに伴ってCP基礎訓練課程を終えました」


隣で「えへへ…」と頭を掻く純夏


「そう。
 なら、来月あたりから白銀相手に実際のCP訓練でもやってもらおうかしら?」


「ほほほほ、ホントですかぁ!?」


アホ毛をピンと伸ばし、驚く純夏


「ま、あくまでも“予定”だけどねぇ~」


「ぃやったぁぁぁ☆」


夕呼は素っ気なく答えると同時に、タケルに質問の矛先を向けた


「で、白銀?
 アンタの方はどうなの?」


「え~と、XM3については概ね前回のバグ取りで完成です。
 まぁ後は先生のPCに送ったログの確認をしてもらうのと、機体の本格的な関節強化だけですねぇ」


「そう。 まぁ関節強化云々の方については任せるわ。
 霞を使ってもかまわないから」


「りょ~かいです」


入れたコーヒーを夕呼に渡していた幼い少女‐社 霞が、そのウサ耳の様な物を上下に動かし反応する
その顔は少し嬉しそうであった





「―では、失礼します」


その後10分程各々の報告と雑談を終え3人が退室しようとすると、夕呼がタケルに残るように言う
タケルを残し、二人が退室する

それを確認した夕呼はPCから目を離し、椅子に凭れかかりながら1枚の書類をタケルに渡した


「―白銀、例の会談だけど、来月に決まったわ。それがその詳細」


「来月ですか…」


夕呼から告げられた日程にタケルは少し苦笑いする


「何よ? 行きたくないの?」


「い、いやそう言う訳じゃないですよ!そもそも最初から行くつもりでしたし…
 唸ったのはその事についてではなくて、向こう側の食いつきが良いことにビックリしたんですよ。
 つい先週まであんなに文句言ってたのに、いきなり“OK”だなんて…」


タケルはふと気が付いたように夕呼に聞く


「…先生、何かしました?」


「別に~? ただちょっと“忠告”はしたわね」


「…一つお聞ききしてもよろしいでしょうか?」


「いいわよ?」


「ぶっちゃけ、どんな忠告ですか?」


「さぁね? まぁあんたの様な“お子さま”の頭には少し早い“忠告”かしら~」


夕呼の腹黒いにやけ顔を見て、タケルは思わず苦笑しながら二~三歩後ろに下がる


(先生、相変わらず鬼や)


そう心の中で呟いた


「そうそう、白銀。
 この前改装した『撃震・改』のテスト結果。どうだったの?」


『撃震・改(F-4EJ改)』…
横浜基地をはじめとする、日本全国に未だに多く配備されている一世代型戦術機『撃震』を、機体の老朽化に伴い横浜基地オリジナルとして主にOS・駆動・関節系の性能向上させたモデルである
後にこの改装を施した『撃震・改』とXM3のコンビは、衛士の腕次第では二世代型戦術機をも圧倒できると言われるようになり、日本にある『撃震』全機がこの改装を施す事になるが、勿論二人はそんな事をまだ知らない


「機動性は勿論の事、俊敏性や頑丈性も元の撃震より格段に向上してますね。
 あれならXM3との相性は良いはずです」


今までに撃震・吹雪・不知火・凄乃皇といった様々な機体に乗ってきたタケルは、素直な意見を伝える


「そ、よかったじゃない。
 まぁ、御礼は開発部の人に言うのね」


「勿論です」


タケルはコーヒーを啜りながら、苦労していた開発部姿を思い出す

撃震の改装について、二人はあくまでも改装案を作っただけだった(→その時はXM3の開発で忙しかった)
それ故、細かい点については開発部に任せていたため、彼らは一日中…それこそ徹夜で試行錯誤を繰り返し完成させたのだった

そもそも、撃震の改装はタケルからの熱望でもあった
それは―A-01を除いた―横浜基地の主力戦術機が撃震であった為である
武は『前の世界』にて体験した“トライアル襲撃事件”や“横浜基地襲撃事件”で被害が出たのは、XM3の性能に撃震が付いていけなかったからであると考えていたのだ(実際はただの訓練不足)
それ故の今回の改装であった

タケルが突然何かを思い出したように夕呼に質問を問いかけた


「あ! 孝之と慎二の様子は…」


「あぁ、あの二人ね?
 病院からの連絡じゃ、相当な問題児っぷりらしいわよ? まぁ来週辺りに復隊してもらうわ 」


「ハハハ…そうですか。いやぁ、良かった」


夕呼の返事に白銀は思わず安堵を漏らす


「フーン?…何が良かったの?
 もしかして、あの二人に聞かれたとか~?」


「…ナ、ナニヲイッテルンデスカー? ただ俺は二人の状態が気になってですねぇ…」


夕呼からの図星な指摘に思わずカタコト言葉になるタケル


「ふぅ~ん?
 けどまぁ、それにしてもあの二人のギャグセンには本当、ビックリしたわ~
 数千のBETAやG弾の投下に対しては生き残るのに、まさか二機共揃ってG弾の爆風で飛んできた瓦礫に同時にクリティカルヒットするとわねぇ」


夕呼は二人が病院送りになった理由を思い出し、思わずケラケラと笑いだす


(笑いどころじゃねぇ! かなり危険な状態だったんだし…)


タケルは夕呼に突っ込みを心の中で入れつつ、同時に二人に同情した
そして真顔で夕呼に話しかける


「それについてもなのですが…
 …先生には本当に世話になりっぱなしですね」


急に真顔でそんな事を言われた夕呼は、上半身をのけ反らす
無論その表情はやや引きつっていた


「な、何よ? 急に改まっちゃって。気持ち悪いわね」


最後の台詞に(精神的な)ダメージを受けつつ、タケルは話を続ける


「いや…
 ただあの四人の件にせよ、中将の件にせよ…そして純夏の件にせよ
 …本当に先生には頭が上がらないなぁって」


「え?なに?
 まだあんた、そんな事気にしてんの?
 前から言ってる通り、私はただ、頭に響いてくる『別世界』の私からの忠告に従っただけよ?」


「そうは言っても…ですね…」


「それとも何? まさかアンタの為にやったとでも?
 …んな訳あるわけないじゃな~いw 自惚れるのも恋愛原子核の体質だけにしときなさい」


「そ、それもどうかと思いますがねぇ(汗」


コーヒーを飲みほしたタケルは霞に礼を述べつつ、夕呼に用事を確認
用事が無いと知ると自身の身体訓練の為にそさくさと退室した


「はぁ… あいつ変なところで妙に勘が良いんだから。困ったもんよ、全く」


夕呼は霞と二人っきりになったと同時にそんな事を考えつつ椅子に深く座り込む


「それにしても『最初と二度目の世界』の私… 必死だったわねぇ…」


夕呼は独り言を言いつつ、10年前のことを思い返していた



――10年前――

米国のとある実験射爆場にて、米軍はある爆弾の人為的起爆に成功した
五次元効果爆弾、通称“G弾”…
この実験の成功は、米国は自国案の次期オルタネイティヴ計画の成功に一歩近づいた事を意味していた
その場に居合わせた者達の歓声が管制室に響く中、その射爆場から大体地球の裏側に位置する日本の大学にて、当時学生だった夕呼は突然のひどい頭痛に悩まされていた


「全く… な、何なのよこの頭痛は… 頭が…割れそう…」


朝起きてから断続的に襲ってくる激しい頭痛に、夕呼は再度襲われていた
只の激しい頭痛なら何度も体験していたため慣れっこだったが、今回のはソレの非ではなかった
深くえぐり取られ、尚且つ刺されるような痛み
そして同時に浮かぶ意味不明なキーワード…

夕呼はそれらを何とか規則化しようとするも、全く意味がなかった

やがて視界がぼやけ始める
これには流石の夕呼も死を悟った

滝のように襲いかかる痛みに耐えつつ保健室へと歩みを向ける
しかし、あと数歩のところで気を失い床に倒れ込んでしまった



―――夕呼side―


「…ん、んんん?」


気が付いた私は起き上がり、そしてあたりを見渡した
普通なら視界に広がるのは保健室の無機質な内装とベットのはずだけれども、今、実際に私の視界に広がるのは果てしない暗闇だけだった

ここは地獄なの?

私にしては珍しくそんな事を考える
まぁ、足も地に付いていない…いわゆる浮遊状態ってやつだから、しょうがないわね

そんな事を考えていると、突然スッと目の前に人が二人現れた
一瞬ギョッとしたけど、直ぐに冷静さを取り戻して現れた二人の観察を行う

…風貌は共に二十代後半
髪の色は二人とも私と同じ紫
服装はどちらも軍服に白衣を羽織っている
顔は…非常によく似てるわね
でも片方の顔は、なんだかやつれて見えるわ
…二人を見ていると、何だか年を取った私みたいな気がする


「初めまして…とでも言うべきかしら?『この世界』の私?」



片方の人物が突然口を開いた


「『この世界の私』? 何よ、それ?」


思わず思考を口にしてしまう


「まぁそうなるわよね。 今、何となく白銀の気持ちが分かったわ」


もう一方が喋る

…白銀?…誰よ、ソイツ


「まぁいいわ。 あまり時間がないから、要点を話すわね。
 私は『オルタネイティヴ5』が決行された世界の未来の私…
 そしてコッチが5が決行されず、結果的にだけどオリジナルハイブの攻略に成功した世界の未来の私よ」


最初に口を開いた方がそれぞれの自己紹介をし始めた
『~の世界』って言うあたり、この前思いついた私の説は正しいという事なのかしら?
でもまだ確証が無いし、第一これが現実であるかすら…

…今なんて言ったの?
『オリジナルハイブの攻略に成功した』?
そんな事が可能なの?
人類は今、劣勢なのよ?


「色々と聞きたい事はあるでしょうけど、今はそれどころじゃないの。
 だからよく聞いていなさい」


「まず、私たちが“来た”理由からの説明…」


突如、二人の“私”は一人ずつ自分達が来た理由を説明し始めた

始まりはやつれている方の“私”の世界だったらしい…

『BETA』が存在しない世界…
そんな夢のような並行世界から、その男“白銀 武”はやってきたという
特段に変わったところは無かったが、「只、興味が湧いた」為に自分の手元…207訓練部隊に白銀を編入させる
白銀は軍人としては全く駄目な男で、いつも他のメンバーの足を引っ張っていたらしい
だが、それは『只の歩兵』としてだけであり、『衛士』としては最高の部類の素質を発揮する
白銀という存在のおかげで、“私”は自身の理論を基にした計画『オルタネイティヴ4』の成功に希望が持てたという
しかし、結局理論の核心には至らず、計画は頓挫。『オルタネイティヴ5』へと移行が決定してしまう
時に2001年12月25日…
皮肉な“クリスマスプレゼント”となってしまった

数年後、作戦が決行を目前に“私”は「選ばれた10万人の内の1人」として地球を離れてしまったという
その為その後彼や世界がどうなったかは知らないらしいのだが、結局は人類が負けただろうと言いきった


次がもう一方の“私”の世界

左の私の世界で死んだと考えられる白銀は、“私”の世界にループしてきたという
白銀は自身の“未来の記憶”と能力を使って『オルタネイティヴ4』を成功させ、人類を勝利させようと決心していた
しかし神様って物はそんな生半可に優しいものではないらしい…
歴史を変えたことによる『歴史の修正』の力が働き、クーデターの発生やまりもが死ぬといった事態を招く
そんな現実から目をそらした白銀は『元の世界』に逃げ帰ってしまった
だけどもそこでも『因果導体』となった自身の影響により、恩師の死、親友の記憶喪失、幼馴染の負傷といった惨劇に見舞われたという
一旦は自殺をも考えたらしい…
しかし、その世界の“私”に説得され再度、「みんなを守り、世界を救う」と決意し戻ってきた
戻ってきた白銀は00ユニットの正体、仲間・上官の死といったことに見舞われた
それでも白銀は挫けず、戦いつづけた…
…皆を真の意味で守るために
そんな中、人類はBETAの概念に重大な間違いを起こしていたことを知る

BETAは人類の戦術に適応し、対応する…

人類に残されている時間が無い事を知った私達は、BETAが人類の戦術に適応する前に頭脳である『あ号目標』を破壊する作戦を立案
国連・各国軍を巻き込んでオリジナルハイブの攻略に向かい、結果的に膨大な犠牲を出しつつ作戦を成功させたらしい
しかし、作戦の成功と引き換えに作戦に参加した主要メンバー8名の内6名を失う
その6名とは白銀が最も守りたかった者だったという…
白銀は作戦後、仲間の遺志を継ぐ為にその世界で戦い続ける事を決めるが、因果導体から解放され、存在出来る要因が無くなってしまった彼は元の世界に戻ったという


「…けど、重要な話はここからよ。」


「―白銀を助けてあげて」


「え!?」


一体何を言っているのかわからなかった
だって白銀は元の世界に戻ったんじゃないの?


「いいえ、戻っていない。
 正確には戻っていない可能性が高いわ」


「…どういう事?」


「それは…」


―白銀は因果導体から解放され、元の世界に戻るはずであった
しかし、その際に恐らく白銀本人が強く望んだのだろう
『こんな終わり方はダメだ! もう一度皆を救いたい』
と…
その結果、再度白銀は因果導体となり、白銀の関係者であった自分達が因果情報として私の所に来れたらしい


「白銀は尚も世界を救い出すために戦おうとしているわ。
 でも、アイツ一人ではそんな事は到底不可能…」


「「だから、白銀を助けるのよ!!」」


…我ながら思うけど、それが人に頼む時の態度なのかしらねぇ


「まぁ…」


「「…?」」


「―いいじゃない、やってやるわよ!」


「「…!!」」


「そんな面白そうな事、こっちからお願いしたいくらいよ?」


「…ありがとう。
 餞別に私達の記憶を託すわ…それじゃあ頼んだわよ?」


「当り前よ! 任せなさい!!」


彼女達の影が薄くなってゆく


「あぁ、それと… まりもに宜しく」


そして完全に彼女達は消えた
と同時に、私の頭の中に彼女等の記憶が流れ込んできた

かなりの情報量故の頭痛だったけど、何とか耐える事が出来た
記憶を受け取った私はそれを確認する前に、意識を集中させ目を覚ますイメージをする

やがて全てが無になった



気が付けばそこは大学の衛生室だった
まりもが、半ベソをかいている


「夕呼!気が付いたのね! 大丈夫なの!?」


「大丈夫よ。
 …全く、まりもは心配性ねぇ。 そんな暇があるなら、人のことより自分の男運の事を心配しなさいよ」


「…っ!
 な、何よ!もう! 人が心配して…」


何か言ってるけど、今は気にしてられない
早速彼女達の記憶を思い出してみる

…何よこれ

キーワードしかわからないじゃない(イラッ
本当に助けてほしいのかしら
大体ねぇ(ry


………

――現在――


…あの頃は必死だったなぁ
けど、同時に楽しくもあった
思えば、私がこんなに集中したのは、あの時のせいからかもしれない
…そう、全てはあの時からだった…

………

―ヴゥゥゥゥン!ヴゥゥゥゥン!ヴゥゥゥゥン!―

私の鼓膜を警報音が揺るがす
一気に意識が現実に引き戻され、覚醒していく

寝てた!? まぁいいわ、それより何事よ?

悪態を付きつつも、鳴りだした内線を取る


「香月よ! 何事!?」


「演習場北部10km地点に正体不明の重力異常場が発生しました」


ピアティフからの報告

…重力異常場ですって!?


「規模は!?」


無意識に聞いた
その間も私は頭の中で幾つかの仮定を立てていたが、結果一つになった

重力異常場が発生するもの…“G弾”
G弾は今のところ米軍しか持ってない
…という事は米軍の仕業!?


「不明です! 波長からは何も…」


波長が不明…
少なくともG弾では無い可能性が高くなったわね
…冷静に考えればわかる事じゃない!

となると一体何が原因なの?
…ック、考えようにもここじゃ情報が足りないわ!


「今のところそれだけが唯一の救いね。すぐに行く!!」


「了解しました」


内線を切ると同時に、白銀が駆け込んできた


「先生っ! この騒ぎは一体…
 「わからないわ!ともかく、出撃準備しておきなさい!」
 了解!」


白銀が踵を返してハンガーに向かっていく
私も白衣を身に纏い、社を連れてその足を管制室に向けた…

―――夕呼side end―

第一話END

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



後書き

補足設定
・タケルちゃん三週目
・タケルちゃんがループしてきたのは明星作戦時(後日詳しく説明)

乱筆ですみません
様々なご指摘、感想をお待ちしています

次回予告
この世界に遂にアイツがやってくる!!
ヤツは白銀達の神話となれるのか!?
次回『俺、参上!!』 【Cv.香月 夕呼】



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