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No.30479の一覧
[0] 【第十四話投稿】Muvluv AL -Duties of Another World Heroes-[なっちょす](2014/09/10 01:21)
[1] プロローグ[なっちょす](2012/07/16 02:08)
[2] 第一話[なっちょす](2012/07/16 02:10)
[3] 第二話[なっちょす](2012/07/16 02:10)
[4] 第三話[なっちょす](2012/07/16 02:20)
[5] 第四話[なっちょす](2012/07/16 02:21)
[6] 第五話[なっちょす](2012/07/16 02:20)
[7] 第六話[なっちょす](2012/07/16 02:13)
[8] 第七話[なっちょす](2012/07/16 02:20)
[9] 第八話[なっちょす](2012/07/16 02:16)
[10] 第九話[なっちょす](2012/07/16 02:15)
[11] 第十話[なっちょす](2012/07/16 02:20)
[12] 第十一話[なっちょす](2012/07/16 02:17)
[13] 第十二話[なっちょす](2012/07/16 02:18)
[14] 第十三話[なっちょす](2012/10/28 23:15)
[16] 第十四話[なっちょす](2014/09/10 01:21)
[17] キャラ設定[なっちょす](2012/10/28 23:18)
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[30479] 第六話
Name: なっちょす◆19e4962c ID:3f492d62 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/07/16 02:13

――同基地・B19フロア――


「―時に、宏一。
 なんで簡易ECS搭載の話を教えてくれなかったんだ?」


タケルがやや不満そうに聞く


「ん?
 あぁ、それは説明会の直前に博士と決めたからだよ。
 伝えてなかったのはうちのミスだね」


「…まぁいいか。
 しかし、なんでまたそんな急に?」


「一つはさっき説明したとおり。いつ博士を狙ったテロ活動が行われるかわからないからね。
 二つ目はECSに理由は不明だけれども起動中はBETAを引きつける効果があるんだ。
 それを応用すれば様々な戦術が組み立てられるだろ?」


宏一がやや得意げに説明する


「へぇ~
…けどよ、そのBETAを引きつける効果は説明してなかったよな?」


「それはまた後日伝えるつもり。
いきなり全部説明してもわからんでしょ」


「そんなもんかね?」


「そんなもんよ?」


タケルは「ふ~ん」と返事を返す
そんなこんなしているうちに、二人は夕呼のオフィスの前に着く


「ちわ~っす」


「おいおい、ノックもなしかよ(汗」


ノック無しに入るタケル
宏一はその行動にやや呆れた様だった


「あら、早かったわね?
 もうちょっとしごかれてると思ってたわ」


((やはり確信犯か))


「まぁいいわ。
 で、反応はどうだった?」


夕呼は二人に聞く


「XM3についてはかなりの質問が飛びましたね。
 “早く使ってみたい”…そんな感じでした」


「なるほど…
 如月のほうは?」

「興味深々に聞いていた割には全く質問がなかったですね。
 ただ、みなさん唖然としているというか、ついていけてないというか何というか… 
 しかし、簡易ECSの搭載についてはびっくりなされていましたよ?」


(そんな空気にしたのはお前のせいだろお前の…)


宏一は意外にも反応が薄かったことにビックリしていたが、タケルは心の中で突っ込みを入れていた


「へぇ~そう…」


夕呼は「あっそ」といった具合に返事をする


「そういえば、如月。
 あなたシミュレーターはどうする気?
 流石にシミュレーターを“マスタースレイブ”システム化するのは無理よ?」


「そのことなんですけど…
 一応普通の操縦システムでも操縦は可能ですが、そのXM3ってのは使ってみないとわからないのですよねぇ」


宏一も同じことを疑問に思っていた


そもそも飛鳶の操縦システムは前述(第五話)の通り、一般の物とは異なっていた

―マスタースレイブシステム―
その名の差す通り、操縦者(マスター)と同じ動作を行う(スレイブ)システムであり、その為制御ユニットそのものの形状や内容が違っていた(しかし、そのシステムのおかげで宏一は武とは別次元の変態機動を行うことができる)為、従来のシミュレーターでは代用ができないのだった

「わかったわ。
 後でOSデータを渡すから白銀と社を連れて一緒に慣らし運転してきなさい。
 そのデータログからアンタ用のプログラムに変えるわ」


「ありがとうございます。博士。
 しかしその“社”というのは誰ですか?」


(社、やしろ、Yashiro… どっかで聞いたな)


宏一はどこか聞いた名に疑問を抱いていた


「あら、白銀?
 アンタ説明してなかったの?」


「え!?
 してよかったんですか?」


「当り前でしょ?
 そのぐらい自分で判断しなさい」


「…スミマセン(何か府におちん)」


夕呼に理不尽に怒られたタケルだったが、宏一に説明する


「霞―あぁ、下の名前のことな―はXM3をプログラミングしてくれた子で、とっても頭がいいんだ。 しかも超可愛いんだよ!!
 何というかあの小動物っぽさというか何というか…」


タケルは霞についての可愛さをその後3分ほど語り続ける


「―ってわけよ。
 わかった?」

「…あぁ。
 お前が重度のロリコンだということと、その社って子が頭良いということがな…」


「な゛っ!!
 俺はロリコンではない! お前も会えば分かる!!」

ゲンナリした宏一が冷えた視線でタケルに返事する


「まぁロリコン重症者…
 「なんじゃそりゃ!?」
 は放っておいて…
 博士、その社本人は今どこにいますか?挨拶をしておきたいのですが…」


後ろで抗議するタケルを放っておいたまま、宏一は夕呼に聞いた


「待ってなさい、今呼ぶから…」


夕呼がデスク上のスイッチを押し、小声で何か喋る
しばらくすると隣の部屋とのドアが開き霞が入ってきた


「如月、この娘がその“社 霞”…
 …よ?」

 
夕呼が霞を紹介しようとするが、宏一の異変に気が付き言葉を止める


「…どうした、宏一?」


タケルも異変に気が付き、宏一の顔を覗き込む
宏一は眼を丸くし、まるで幽霊を見たかのような顔になっていた


「…サ、サーニャ?」


(((…?)))


宏一の口から、前の世界で短い間ではあったが自分に懐いてくれた一人の少女の名が漏れた


「…いや、そんな訳…ない…な」


そう自分に言い聞かせつつ腰を落とし、手を指し延ばしながら霞に話しかける


「ごめんね、初対面でいきなり変なところ見せて…
 はじめまして、社。
 ウチの名前は如月 宏一。
 ウチの事は、好きなように呼んで」


「…はじめまして如月大尉、私が社霞です」


霞が指し延ばされた手に自分の手も伸ばす
その時手に何かを感じ霞がその手を離すと、そこには一つの紙包があった


「…これは?」


霞は宏一の顔をのぞきながら聞く


「まぁ開けてみ」


そう聞くと霞は紙包の紙を丁寧にはがす
その中にはきつね色のブロックが入っていた


「…ウチ特製のパワーバー(メープル味)。
 前の部隊では結構人気だったんだぞ?食べてみ?」


霞は夕呼の顔を見る
夕呼が「いいわよ」と顔で合図すると、霞は少しずつ食べ始めた
その姿はさながら小動物の様であった


「お味はいかがかな?」


宏一が聞く


「…とてもおいしいです」


霞は少し笑顔で答えた


「そっか☆」


その返事を聞いた宏一は、霞の頭を撫でながら立ち上がる
そこにタケルが背後から近づき「だろ?」と耳元でつぶやくと、宏一は「だな」と答えた


「如月ぃ~
 随分といいもの持ってるじゃない?」


「ん? 博士も要ります?
 まだありますし…」


「なら一つもらおうかしら」


「何味がいいですか?」


「あ、じゃあ俺にも一つ…」


夕呼はフルーツ味、武はチョコ味を宏一から受け取り、それを口にする


「…美味しいわね」


「これはうまい」


「どうもどうも~」


意外に好評だったようだ


「これも“アンタの世界”の物なの?」


「えぇ、まぁ。
 “元の世界”で一時流行したものを“前の世界”で見よう見まねで再現してみたんです。
 栄養バランスもしっかりしてるので、非常食としては結構使えますよ?」


「ここでも生産できるのか?」


「勿論」


「よっしゃぁ!
 なら後で京塚のおばちゃんに頼もう!」


なぜかタケルのテンションは上がっていた


「…そういえば博士。
 ウチの部屋は?」


「あ、そうそう! すっかり忘れてたわ。
 …あんたの部屋は下士官用の個室よ。
 詳しい場所は白銀に聞きなさい」


「了解」


「じゃあ本題ね…」


夕呼が霞が入れたコーヒーを受け取りつつ、デスクに寄りかかる
タケルや宏一も霞からコーヒーを受け取った


「白銀には説明済みだけど、宏一にも来月帝都で行われる非公式の帝国軍との会談に出てもらうわ」


「そらまた急な話で…
 で、何をウチは話せばいいですか?」


「“飛鳶”の技術についてよ」


「…」


「この技術を帝国との交渉の取引に使うわ」


「…内容は?
 一応ウチにも知る権利はあると思いますが?」


宏一の表情が変わる


「簡単にいえば“帝国・斯衛との信頼関係を作る為”ってことかしら」


「つまり…?」


「あんたは知らないだろうけど、国連軍ってのはいわば“とある国”の操り人形みたいなものなの。
 そして、その“とある国”に対して良い印象を持たない帝国軍および斯衛軍は、当然我々にも良い印象を抱いていない。
 しかし、私の研究には帝国の協力無くして実現する為には、あまりにも時間が足りないの…
 だからよ」


「なるほど…」


宏一の表情が晴れてゆく


「じゃあ、どの辺まで喋りましょうか?」


「任せるわ。
 場合によっては喋らなくてもいいから」


「了解」


「じゃあ先生、会談内容は
 1、『撃震・改』の紹介と改修内容
 2、『XM3』の紹介と基礎データの配布
 3、宏一による『飛鳶』の機能紹介 …ただし、これについては状況に応じて内容を変化
 で、良いですね?」


タケルが会談内容の確認をとった


「ええ、そうね。 それで行きましょう」


「「了解」」


「話はこれでおしまいよ。 解散」


夕呼の言葉でその場は解散となり、タケル・宏一・霞の三人はオフィスを一緒に出た


「あぁ~腹減ったなぁ~」


「確かに減ったな…(そういえば、ウチこっちに来てから何も食ってないなぁ)」


「霞はどうだ?」


「…お腹すきました」


「よし!ならPXでも行くか?」


「おぉ!そうしますか」


「…はい」


タケルが先導となり、一行はPXに向かう


「あらタケル~それに霞ちゃん!
 今日は遅かったねぇ~、若いのにお勤めご苦労さん。
 特別に大盛りにしてあげ…ってそちらは?」


京塚のおばちゃんは宏一のほうを見る


「今日からこの基地に配属になった、如月 宏一です。
 以後よろしく」


「あぁ~そうだったのかい。
 私は京塚ってんだ。よろしくね」


二人は小窓を挟んで互いに握手する


「しっかしアンタも若いねぇ~
 年はいくつ?」


「今年の九月で17になります」


「あれま~
 ならタケルと一緒だねぇ。 
 よし、アンタも特別に大盛りだよ!!」


「ありがとうございます。
 しかし、いいのですか?」


「いいの、いいの!!
 若いもんは食わなきゃだめだよ!」


「ハハハ…(汗」


タケルと霞は合成鯖味噌定食を、宏一は合成鳥竜田定食を頼んだ


「…っこれうめぇ!!
 ホントに合成食材使ってんのかよ!?」


「だろ!? 京塚のおばちゃんの作る飯は世界一うめぇ」


「それ同感!」


……


食後、しばらくしてから三人は地下の機密シミュレータールームにて宏一のXM3慣熟およびデータ蓄積の操縦を手伝っていた
宏一は最初こそは不慣れな操縦であったが、すぐに適応し今や飛鳶操縦時とそれほど変わらないくらいのレベルになっていた


「…おいおい、幾らなんでも早くねぇか?」


「そうか?
 ウチこういったゲームみたいのはすぐ慣れるほうだぞ?」


「そういった問題じゃなくてな…」


「…あ、そうなんですか」


「…まぁいいや。
 霞、データとれた?」


「…はい。取れました」


「社。 ありがとね」


宏一は眠そうにしていた霞の頭を撫でる


「それじゃあ一段落したところだし、今日はお開きにしますか」


「だな」


時計の短針は、既に10時を過ぎていた
一行は帰る支度をすると、夕呼のオフィス前でタケル・霞と宏一は別れた

宏一が与えられた下士官用の個室に入ると、デスクの上に大尉の階級章が付いた軍服一式と身体検査の際に没収された緊急時用装備一式(L.A.M.付き大型拳銃・予備弾倉数本、それらを納めていたホルスター、大型ナイフ)、夕呼に渡した音楽プレーヤーにタブレット、スマホ、新品のノートPCが置かれていた
大型拳銃や予備弾倉をホルスターに納め直したのち、それを畳まれたC型軍装の上に置くとベットにバフンと横になる


(今度はタイムスリップか…)


今日一日だけで起きた出来事を思い返す

(ほんの半日くらい前は在米帝国軍人としてソルトハイブ内で一個師団相手に一騎当千していたかと思えば、その数時間後には“水没したはず”だった帝国で自分より三倍の戦力の特殊部隊とAH戦を繰り広げて、今では国連軍人…)

大きなため息をつく
やがて眠気が襲ってきた

(“人生いろいろある”とはいうものの、いろいろありすぎだろ… 流石に…)

(けど… 今度は守ってみせる…)

腕を虚空に向けて伸ばし、何かをつかむ

(絶対に…)

伸ばした腕が落ちると同時に、宏一は数日ぶりにベットで眠りに落ちていた

第六話END
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

こんにちは
なッちょすです
第六話です

では補足設定
・宏一が霞に手渡したパワーバーは、カロリーメ○ト(ブロック)をまねて作ったもの
→味は チョコ・フルーツ・メープル の三種。 後の二種は宏一の気に召さなかった
・L.A.M.付き大型拳銃とは、皆さんご存じ「SOCOM Mk-23」のこと
→シアトルの銃器店のおっちゃんとたまたま趣味が合い、餞別として貰った

こんなもんですかね
Mk-23については自分の趣味全開ですw
Mk-23とL.A.M.の組み合わせは、もはや変態レベルですw(厨二全開中
偉い人にはそれがわからんのです!


…では、何かあったら感想掲示板まで~

次回予告
訓練の一環として、タケル・宏一両者からの過酷な訓練にさらされるヴァルキリーズ
彼女達は何度も倒れるも、決して挫けない
彼女等は一体何を掴み得る事ができるのだろうか…?
次回『ハートマニズム』
彼のレクティルからは逃れられない… 【Cv.社 霞】



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