初めまして、黒と言います。
正直書くのは初めてなので拙い点もあると思われますので、どうか温かい目で見守ってください。
「よっ、スケコマシ」
「それが久しぶりの再会で言う言葉かい?」
扉を蹴りで破壊し、一人の青年が笑顔で部屋に入ってくる。
若干ボサボサの髪に、かなりの童顔。その青年を、椅子に座った青年――アカツキ・ナガレが引き攣った笑みを浮かべて出迎える。
「ん? 何だよ、久しぶりに親友が帰ってきたってのに、もうちょっと明るく出迎えてくれてもいいんじゃないか?」
「……相変わらずだね、君は」
「変わらないってのは良い事だぞ。……ところで、エリナは?」
「今こっちに来てるよ。君が帰ってきたって聞いたら血相変えてたよ」
苦笑を混ぜて話すアカツキに、青年は「ふ~ん」と答えると、ソファにふんぞり返った。
「……で、俺を呼んだって事は、完成したのか?」
「ああ。ND-001『ナデシコ』。今現在ある戦艦の中でも、間違いなく最強の戦艦さ」
「ほぉ~。かなり自身がおありの様で。ところで、俺の頼んだアレは?」
「そっちも準備OKさ。エステバリス追加装甲装備型試験機『ブラックサレナ』。しかし、本当にこんなものに乗って体が持つのかい?」
アカツキの問いにニヤリと笑みを浮かべ、
「俺は最強だよ、アカツキ」
自信満々に答えた。アカツキはその言葉に溜息を吐くと、小さく笑みを浮かべる。
「ああ、そうだったね」
「そうさ。……おっ、来たな」
突然、バタバタと大きな足音が聞こえてきた。青年とアカツキが振り向くと、青年が破壊したドアから一人の女性が入ってきた。
「アキトくん!!」
「よっ、エリナ。また綺麗になった?」
アキトと呼ばれた青年の言葉に、エリナと呼ばれた女性は顔を真っ赤にする。
ちなみに、アキトは下心があって言った訳ではなく、純粋にそう思ったから口にしていた。……恐ろしい。
「か、からかわないでよ! それより、帰って来るなら連絡くれれば出迎えたのに」
「仕事の邪魔するのもどうかと思ってさ」
「……僕に対する態度とえらい違いじゃないかい?」
アキトはアカツキの言葉に首を傾げる。アカツキは本日二回目の溜息を吐く。
「……まあ、いいや。そろそろ本題に入りたいし」
「ああ、そうだな」
「――――テンカワ・アキト。君を、ナデシコのパイロットに任命する」
「――――了解。ネルガル会長アカツキ・ナガレ」
これが、全ての始まり。
地球と、謎の侵略者『木星蜥蜴』を巻き込んだ、一大事件の、始まりだった。