アキトサンと別れてから街をぶらついていると、轟音が鳴り、次の瞬間には少しはなれたところにあったビルが崩れた。
「あれ、どうみてもテツジンですよね」
街を、過剰装飾された巨大兵器が蹂躙していく。
おそらく、この街で、ボソンジャンプの研究が続けられていたのだろう。
これだから、大関スケコマシの言うことは当てにならない。
「まぁ、どうしようもないんですけど」
周りの流れに逆らわず避難を開始する。
おそらく、リョーコさん達のものと思われるエステバリス隊が到着し、戦闘が開始されると、ただでさえ、迷惑極まりない破壊攻撃に拍車がかかる。
テツジンがグラビティブラストの発射体制に入ると、それをさせまいと赤いエステバリスが特攻を仕掛けてきた。
流石リョーコさん。でも、せめて周りの被害を考えてください。ほら、テツジンこっちに倒れてきてるし。
「うわ、これ明らかに死亡確定コースですよ」
倒れた鉄人の胴体……グラビティブラストは、避難する住民のほうに向いている。つまり私のほうに。
よく、見慣れたものだけに私にはわかる。臨界に入った。でっ、二秒後に発射。
「2、1、0」
私はたぶん死ぬだろう。ほら、もう何も感じない。