第十話 「「エリナ」」
ネルガル重工本社・第二工廠
工廠内にはプロトタイプ・エステバリスが一台立てられていた。そしてそれを見上げる技術班班長である、スキンヘッドのいかつい顔をした男、イイダ・マコトとアキラが居た
「で、どういった機体を作って欲しいんだ?」
アキラの方を向き、物珍しそうなものを見る様な視線でアキラに聞くイイダ。そんなイイダにアキラは
「そうだな、汎用性に富んだ機体がいいな。後、ブースターパックを付けて機動力を底上げして貰いたい」
「ああ?機動力ぅ?そんな事したら運動性能がガタ落ちするぞ?それに今の技術じゃあ方向転換するたびに信じられないほどのGが掛かって戦闘中に死んじまう・・・それでもいいのか?」
確かにそうなのだ。現にアキラはブラックサレナに乗ってた頃、耐Gスーツに身を包んでたのだ。幾らブラックサレナほどの機動性が無いと言ってもきつい物はきつい。
「大丈夫だ。俺なら乗れる。何なら確かめてみるか?俺がどこまでのGに耐えれるか・・・」
ネルガル重工本社秘書室
今此処に四人の人間がいる。エリナとヒスイとラピスとショウだ。此処ではラピスとヒスイが一般常識の勉強をしている。ちなみにエリナは教える者として、ショウは護衛として此処にいる
「いーい!目上の人の名前を呼ぶときは”さん”を付けるの!
それじゃあ私のことを呼んでみて!」
「「・・・エリナ?」」
「ちが~う!!目上の人には”さん”を付けるって言ってるでしょ!?だから私の事は”ウォンさん”わかった?もう一度私のことを呼んでみて」
「「・・・エリナ」」
「ちが~う!!」
そんなエリナたち・・・いや、どちらかというとヒスイを見て、顔を赤くしながら苦笑するショウだった。
ネルガル重工本社・第二工廠
アキラの耐Gテストの結果が出たのでまたプロト・エステの在るとこに戻ってきたアキラたち。そのテスト結果を見てイイダは
「・・・」
「どうだ、まだ足りないか?」
「・・・化け物かおめぇは・・・」
「褒め言葉として貰っておくよ」
実際に結果はアキラが化け物染みた者としての結果しか出なかった
それもその筈、ブラックサレナは耐Gスーツを着ても凡人なら気絶するような代物だったのだ。そんな機体に乗って急制動や急な方向転換などをしていたアキラだからテストでそういう結果が出たのだ
「で、俺の言うような機体は作ってくれるのか?」
「ああ、わーった。作ればいいんだろ?作ればさあ・・・」
「頼む」
「任せろ・・・つっても何時できるか分かんねぇぞ?いいのか?それでも・・・」
「ああ、俺には戦うための力が欲しいからな・・・」
「・・・そっか。
ぃよし!それじゃあ俺はデータ作成でもするからお前さんはさっさとIFSデータを取っといてくれ!」
そう言ってイイダは自分のパソコンがある部屋へと向かう。そしてアキラはIFSデータを取るためにシミュレーション室に向かう
ネルガル重工本社秘書室
「「エリナ」」
「だからちが~~~う!!!!」
「くくく・・・」
「アッハハハハハハハ!!」
「ククク・・・失礼・・・クックク・・・」
いつの間にかアカツキとプロスがこの部屋に来て、エリナたちのコントを聞いて笑っていた。ショウも既に声に出して笑っている
「「エリナ」」
「ちっが~~う!!!”ウォンさん”!!
ほら、言ってみて!!」
「「エリナ」」
「ちがうのよ~~!!」
「くくくくく・・・」
「クックックック・・・」
「アハハハハ・・・
こいつは傑作だ!」
「会長!!!!!?」
「「エリナ」」
「ち~~が~~う~~!!!!」
ネルガル本社に、顔を赤くしたエリナの叫びが木霊した
あとがき
今のとこ連日更新!
駄目な暇人間MADです
新たなオリキャラ出演。そろそろオリキャラのネタが切れてきました。
さて、次回からナデシコクルーのスカウトに入る予定です。既に頭の中が真っ白になってます。それでも頑張って続けますので読んでもらえれば幸いです。
では、できるだけ早く更新しますのでまた会いましょう。