第十一話 スカウト
ネルガル本社会議室
「ようするに、私に何をやれと・・・?」
そう口を開いたのはネルガル警備部に所属するゴート・ホーリー。とてつもなくいかつい顔をした男である。
そしてその言葉に重役である一人の老人が答える
「聞いたことぐらいあるだろう?”スキャバレリ・プロジェクト”。そのプロジェクトで飛ばす戦艦に従軍経験の有る君を、という意見が出ているんだよ」
「・・・それは、軍務ですか?」
「いいや、クルーは民間人の中から選出する・・・
だから一人でも従軍経験の有るものを、と思ってね」
その言葉を聴き、結局自分に拒否権はないのだと思うゴート
いかつい顔にさらに皺を増やし、顔をいかつくするゴートにプロスペクターが
「まあまあ、今度の職場は女子も多いですよ~。それに加えお給料が月割り、春夏冬にボーナス付きで・・・」
と言いながらポンポン愛用の電卓を押していく
「この位で如何でしょう?」
電卓はとんでもない桁を表していた。ほんとに月給かと聞きたくなるぐらいの桁
それを見たゴートが
「・・・すいません・・・
・・・それ、税別ですか?」
会議室が静まり返った
ウリバタケの店
「むふふふ・・・
此処をこうしてこうすれば・・・」
怪しげな機械を弄くりながら言う男はウリバタケ・セイヤ
「アンタ~止めときなよ。捕まっても知らないよ?」
そう言ったのはウリバタケの妻ウリバタケ・オリエ。近くには彼らの子どもが控えている
「うっせえなぁ~。少し黙ってろよ。もうすぐリリーちゃんが最強になって完成するんだからよ~」
そう言って作業を続けてると突然開くシャッター
「お邪魔しますよ」
そう言って入ってきたのはプロスペクターとゴートであった
自分を捕まえに来たと勘違いして当然びびるウリバタケ。
「!?ちっ、違うんだ!これは・・・」
そして、ウリバタケが言い切る前に動き出すリリーちゃん
「ワタシ・リリー・ヨロシクネ。ワタシ・リリー・ヨロシクネ」
と言いながらミサイルを発射!瞬く間に逃げ出すウリバタケ一家。突然の出来事に驚きつつも逃げ出すプロスとゴート。ミサイルは店のすぐ外で花火として爆発していた
そして
「俺をメカニックぅ!!?」
プロすらに捕まると思ったウリバタケは逃げようとしていたがゴートに捕まり話を聞いていた
「ええ、はい。実は今日はあなたを私たちがスカウトに来たわけでして・・・
でひきうけてくれますか?」
「違法改造屋だが腕が良いからな」
プロストゴートの言葉を聴き上機嫌になるウリバタケ
「ぃよーし!すぐ行こう!今すぐ行こ~ぅ!!」
「それでは契約の方を・・・」
そういうプロスにウリバタケが二人を近づけ彼らの耳の傍で
「いーのいーの。そんなのい~の。パーっと行っちまおう。パーっと
あいつと別れられるんだったらたとえ地獄でも・・・」
そう言いウリバタケは後ろを向く。その視線の先には心配そうにしているオリエの姿が・・・
どっかの社長室
「はい、どーぞ」
そう言って社長に辞表を渡す社長秘書のハルカ・ミナト
彼女の手に有る辞表を受け取り社長は
「やっぱり嫌なのかな~?社長秘書って職業は・・・」
「ん~~・・・やっぱり、充実感かな~」
そう答えるが実際はただ単にセクハラが嫌だったミナト
収録室
「さあ、戦いましょう!!」
「「「お~~~~!!」」」
「カット!」
「お疲れ様で~す、お疲れ様~」
収録室に居た声優の一人、メグミ・レイナードは今売れっ子の声優である
「メグミちゃん」
呼ばれて振り向くメグミ。呼んだのはディレクターのようだ。手を振っている
「お客さん・・・ネルガルの人だって」
そう言葉を続け、親指で指差す。指を指す先にはプロスとゴート。メグミが気づくと頭を下げ一礼するプロス。それにつられて同様に頭を下げるメグミであった
人間開発センター
「・・・」
黙りながら黙々とオペレートをする女の子・・・いや、少女。名はホシノ・ルリ
此処ではルリのオペレート能力向上を図っていた
何か話し声がするので目を開くルリ。その視線の先では彼女の養父母、ホシノ夫妻とプロスペクター達の姿が・・・そしてその手にはアタッシェケース一杯に詰まった金塊・・・それを見て嬉々爛々とするホシノ夫妻
その様子を窓越しから見たルリは自分が売られるのだろうと思うのであった
ネルガル重工本社・第二工廠
「すまねえ、お前の専用機はまだできねえよ・・・」
「そうか・・・それならエステを持っていくか・・・エステの方は俺の分が在るだろう?」
会話する二人の男、イイダとアキラだ
「ああ、ちゃんとお前が乗れるように一応IFSの反応を限界まで上げて有るがそれでもきついならあっちでどうにかしてくれぃ!
・・・まあ、戦艦に乗る奴等の方が、俺よりいい技術者とは思えんがな・・・」
そう言って笑うイイダ。そしてそんなイイダにアキラは
「一応念のため、俺の機体を作っておいてくれ。アカツキの許可は取って在るから・・・」
そして踵を返すアキラ。そんなアキラにイイダは
「オウ!任せておけや」
と、言葉をアキラに投げかける
アキラが廊下を歩いていると
「ハヤカワさん!!」
と言ってアキラに走りながら喋り掛ける女性。
「何のようだ?ユナ・・・」
「はあ、はあ、はあ・・・スキャバレリ、はあ、はあ、プロジェクトに参加するってホントですか?はあ、はあ・・・」
そうアキラに問う彼女の名は、イイダ・ユナ・・・イイダの一人娘である。しかしその割にはユナはイイダに全くと言って良いほどに似ていない。髪の毛は肩ぐらいまで伸びた黒髪、体のラインは綺麗で出るとこはきっちり出ている。歳は二十歳前後といったところか、美人といっても何の遜色も無いほどに整った顔立ちをしている・・・ちなみに彼女が此処に居るのは父親であるイイダに弁当を持って来た訳ではない。テストパイロットとして此処で働いて居たのである。後、アキラとシミュレーションで戦い、負けてしまったことでアキラの事を師と仰いでいる。最も其れだけではないが・・・
「?そうだが、それがどうかしたか?」
そう聞くアキラ。ユナは呼吸を整えて言おうとするが、アキラにお客が来てしまった
「ハヤカワさん。此処に居ましたか・・・
いやいや、探しましたよ・・・」
そう言いながらユナとアキラに一礼するプロス
「何のようだ?プロス」
「御用はこちらの契約のことです。ヒスイさんやラピスさんの契約を先に済ましておきたかったんですが保護者であるあなたの立会いの元、行わなければなりませんので・・・」
そういいながら契約書を一枚取り出すプロス。そんなプロスにアキラが
「分かった、それじゃあラピス達のとこに行くか・・・」
そう言ってまた廊下を歩きだすアキラとプロス。それを見てユナは
「は~、あ~あ、言いそびれちゃった・・・」
そう言ってシミュレーション室へと歩き出すユナだった
あとがき
しんどい・・・
またまたオリキャラ出ちゃったよ。しかも設定超テキトー・・・
また、すぐ更新できたらいいな、台風来て警報が出て欲しいと思うのは学生の性でしょうか?