第十二話 ナデシコ発進
サセボドック
「どーです!このナデシコは!」
そう言ってプロスが戦艦ナデシコを見上げる。それにつられて見上げるアキラとラピスとヒスイとショウ
「変な形だな・・・」
「先っぽの棒、折れそう・・・」
「航空力学を無視してるね、アキラ」
「・・・本当に飛ぶんでしょうか?プロスさん?」
それぞれ好き勝手言う彼らにプロスは苦笑しながら説め・・・解説する
「確かにハヤカワさんの言うとおり変な形ですが、意味あってのこの形ですから・・・まずラピスさんの仰った先っぽの棒のことですが、名前はディストーションブレードと言います。後、折れることはありませんよ。そしてヒスイさんの仰った航空力学の事ですが、それはディストーションブレードから発生されるディストーションフィールドのおかげで従来の流星型にする必要がなくなったのです。詳しいことは後でメインオペレーターの方に聞いといてください。後ショウさん、飛ばない様な戦艦を作るほどにネルガルが暇じゃないのは知ってますよね~。冗談は程ほどにしといて下さい」
そう言ってラピスとヒスイに解説して、ショウの疑問に怒りの言葉で答えるプロス。そんなプロスにショウは少し怖じ気付いた
「プロス、アリガト」
「ありがとうございます、プロスさん」
上はラピス、下はヒスイの感謝の言葉。ちなみにヒスイは敬語は覚えたが年上の人にしか使わない。後、アキラとエリナは別である
「いえいえ、結構ですよお礼なんて。クルーの方にはそれぐらい知る必要が有りますからね。それでは先ずブリッジへ行きましょうか。ヒスイさん、ラピスさん、もうメインオペレーターの方は来ていますから仲良くしてくださいね?」
そのプロスの言葉を聴いて頷く二人
何故年長のヒスイがメインではなくサブかと言うと彼女はマシンチャイルドとして生まれはしたがオペレート能力が凡人のそれと変わらなかったのである。だからヒスイの居た研究所でも彼女は比較的きついものばかりさせられていたと言うことである
ユキタニ食堂
アキトとサイゾウが向かい合って椅子に座っている
「・・・アキト」
サイゾウが重い口を開くアキトは何となく分かった。分かりたくは無かったが・・・
「お前、この店止めてくれないか・・・」
そら来た、と心で思いながら軽く舌打ちするアキト。ミアンも立ちながらサイゾウの話を聞いていた
「・・・そんなにいけないんすかね。この、IFSって・・・」
「別にお前を責める訳じゃないが、弱虫パイロットが居る店なんて風に噂されたくないんでな・・・悪いな
なぁ、アキトよ。俺の知り合いにな、男のコックを探している奴が居るんだ。何でも女手しか今のとこ無いらしくてな。ホントは俺が誘われたんだがこの店を畳む訳には行かなくてな。断ったんだが。お前がそこで働かないか?」
その話を聞いて驚くアキト。なんせたった今リストラされて、また職場が出来るかもしれないと言うのだ。
「・・・いいんですか?俺が其処で働いても・・・」
「言っただろう。男手が必要されてるって、な。で、働くのか?働かないのか?」
「働きます!働かせてください!」
「よし分かった!それじゃぁ俺は今から連絡するからお前は荷造りでもしとけ!」
そう言って何処かに電話するサイゾウ
相手はどうやら、友達のような人らしい。口調がいつも以上に明るいサイゾウ
「おう!そうだ、うちの奴を俺の代わりに使ってくれ!いいだろぉ?
おう!そりゃぁ~勿論だ!鍛えればそれなりに使える奴だ。ああ、ああ、いいんだな!?ああ、分かったそれじゃ・・・」
そして別れを告げ、電話を切るサイゾウ
そして何分かたちアキトが荷物を一杯に背負って出てきた
「アキト、迎えが来るってよ」
「迎えですか?」
「アア、迎えだ。頑張れよ、向こうのコックも相当の腕前らしいからな」
そう言って笑うサイゾウ。其処にミアンがやって来た。その手にはペンダントが握られていた
「アキト君、ごめんなさい。私はあなたに何もしてやれなかった・・・
アキト君だって不安だった筈なのにアイのことを協力してもらったのに・・・」
そう言うミアンの顔はすまなさそうに言った。そして手に持っていたペンダントをアキトに手渡し
「これ、アイが、あの子が身に着けていた物なの。死んだ夫があの子に上げた最初で最後のプレゼントなの・・・これを、あなたが持っていて頂戴。私も、何時までも幻影のアイじゃなくて、本物のアイを見たいから・・・」
ペンダントを受け取ったアキトはただ静かにミアンの話を聞いていた
ナデシコブリッジ前
ピッ
プロスのコミュニケに通信が入った
「はい、はい、分かりました。はい、はい、すいません」
そう言ってコミュニケを切るプロス
「ハヤカワさん、すみません。私の知り合いの方が紹介してくれた方が今此処に来たらしくて・・・私は彼のお迎えに行きますので、後はよろしく頼みます」
そう言ってプロスはブリッジに入らず元来た道を戻った
プロスはブリッジへ行くと言っていたが結局他のとこも回ったのだ
「ラピスたちは先にブリッジに行っといてくれ。俺は格納庫に行ってくる
ショウ、ラピスとヒスイを頼むぞ」
そう言い残し、プロス同様元来た道を戻るアキラ
それを見送り、ショウを先頭に彼らはブリッジに入った
ナデシコブリッジ
「艦長はまだなの~~~~!!!」
この船に副提督として乗ることになった連合宇宙軍少将ムネタケ・サダアキ
「艦長ってどんな人なんでしょうね~、ミナトさんは気になりませんか?かっこいい人だったらいいですね~」
そう言ってムネタケを無視するのは通信士の仕事に付いたメグミ。そしてそんなメグミに操舵士のミナトが
「あんまり期待しないほうがいいわよ~。なんたってブリッジに女の人ばっかだもん。どーせ、そこらのボンボンのお坊ちゃんかセクハラ上司よ」
「えええ~~!?もしそうだったら嫌ですね~」
「ルリちゃんも、何かされたらお姉さんたちに言うのよ?」
そのミナトの言葉を聴いてルリがやや呆れながら
「はあ、そうですか。多分その心配は無いと思いますが・・・」
そのルリの言葉に反応したのはメグミだった
「え、如何してそう思うの?艦長に会ったことがあるの?ルリちゃん」
ルリが、メグミに答えようとしたときブリッジのドアが開いた
入って来たのは三人の人間。ショウとヒスイとラピスだ
ルリは入ってきたヒスイとラピスを見て驚く。自分と同じ目、自分と同類の人間を初めて見たルリ
「あら、あなたが艦長?随分若いわね~」
「いえ、違いますよ。自分は警備部に所属するものです」
ミナトの言葉を聴き否定するショウ
「な~んだ、ブリッジ勤務じゃないんですか。ちょっと残念」
メグミが残念そうにすると顔を赤くするショウ。そんなショウの様子を見たミナトがショウをからかいだす。そんな三人に付いて行けず、ボーっとそれを眺めるヒスイとラピス、そしてそんな二人を見ているルリ。そして、若者の話に入れずボーっと艦長を待つゴート、茶を啜るフクベ、そして騒ぐムネタケと、三人それぞれの行動をとるおっさん組みであった
何分かしてまたブリッジのドアが開く入って来たのは
「初めまして~!私が艦長の、ミスマル・ユリカで~~~す!!っぶい!!」
そう言って指をVの形にするユリカ。その後ろには影の薄い幸薄い青年が居た
「「「「「ぶいぃぃぃ~~~???」」」」」
「ばか」
ルリが言うと突然の振動。そして艦内にけたたましく警報が鳴り響く
格納庫
「ゲキガンガーの人形!?ったく、一体幾つなんだよ・・・」
アキトがエステバリスの中に居た。どうやらプロスの言う知り合いの紹介者とはアキトの事の様だ。ぶつぶつ言いながらシートに足を掛ける。そのエステバリスはさっきまで暑苦しい男ヤマダ・ジロウ(魂の名前はダイゴウジ・ガイ)が乗って暴れていたものである。ちなみにゲキガンガーの人形の持ち主であるヤマダは骨折の為たった今医務室へと連れて行かれた。その時にヤマダはアキトを指名し、人形を取るように言ったのだった。渋々それに従うアキト
アキトがゲキガンガーの人形を手に取ると突然の震動、そして五月蝿く鳴る警報。
「奴らが来た・・・」
そう言って動き出すピンクのエステ。今アキトの脳裏には炎の中をこちら側に進んでくるバッタの大群が写っていた
彼は知らないうちに、首から下げていたミアンに貰ったアイのペンダントを触っていた
あとがき
やっぱり文章が下手糞なMADです
次回はやっと機動兵器の戦闘です。でも上手く表現できないと思います。
今回のアキトのナデシコへの来かたがすんげ~意味分かりませんがアキトをクビにして、追い出したとき、ミアンをどうすればいいか思いつかなかったのでこんなことに・・・そのせいでサイゾウとプロスが知り合いに・・・やばいです、適当すぎました。
・・・でも続きますよ?ですからまた会いましょう