第六話 大切な子
ネルガル非公式研究所
パラララララ・・・
ダン、ダン、ダン
研究所の廊下で多対一の銃撃戦が開かれていた。それでも”多”の方の人数も僅か数分で二十名ぐらいの警備員が既に二人しか居ないが・・・
タン、タン・・・カチ、カチ
「ちぃ、弾ぎ・・・」
弾が切れ、拳銃の撃鉄だけが虚しく響く
ガァン
一発の銃声、それとほぼ同時に吹き飛ぶ同僚の顔。警備員の男は弾を装填するのも忘れ、その光景を見て恐怖した
「ヒイイイィィィィィ!!!」
まだ弾を込めていない。黒尽くめの男の足音がはっきりと聞こえる。近づいてくる。
「なんで、如何して俺が・・・?い、嫌・・だ・・・死にたくない・・死にたくない・・・死にたくない!!」
「・・・如何してお前が俺に殺されるか、教えてやろうか?」
そうアキラに言われると同時に発砲音。視界が暗転し、意識が無くなる警備員。心臓を撃ち抜かれたのだった
「お前が俺に殺される理由。それは、お前がここに居て、俺と出逢ったからだ・・・」
そう言いながら銃に弾を装填するアキラ。そして硝煙と血の臭いのする廊下を進む
地下二階
シュン
自動ドアが開く。室内に居た研究員が反応し近寄る
「君は誰だ!?此処は一般者立ち入り禁止だぞ!ったく、警備員は一体何を・・・」
「警備員は全員処分した・・・後はお前ら研究員だけだ」
そう言い、近づいた研究員のナイフで心臓を一突き。研究員はすぐに絶命した
「け、警報装置だ!早く、警報装置を!!」
言われて警報装置を鳴らすほかの研究員。だが、警報装置は作動しなかった・・・
「無駄だ。既にメインコンピュータは外部とのネットワークを遮断している。それに加え、警報装置の機能の完全停止。緊急脱出経路と出口のシャッターによって物理的に脱出を不可能にさせて貰った」
「な、ならば、貴様を殺して連絡員を待つだけだ!
我々はいつも定期的に連絡を送っているのだ!連絡が来なければ我々の雇い主も異変に気・・・」
研究員の男が銃を翳しながら言う。が、言い切る前に、アキラは銃を抜いた。そして生き残った七人の内、何かと五月蝿い研究員の男以外の六人の頭をちょうど六発で打ち抜いた
「ああ、うわあああぁぁぁ!!た、助け、助けて・・・」
身の危険を感じたのか、いきなり命乞いし出す研究員
そして、
「遠慮させてもらう。俺はお前らの様な研究者が嫌いなんでね・・・」
そう言って研究員の首の骨を折った
「ここには居ないか・・・次の部屋へ行くか」
別の部屋
「何だね、君は!」
注射器を片手に怒鳴る研究員
「まったく・・・部屋に入る度にいちいち怒鳴られるのはかなり癪だよ。ん・・・?あれは・・・」
手術台の上に寝かされている女の子を見て顔の表情を変えるアキラ。そして、
「おい、お前。その子に何をしようとした?」
そう言って研究者を睨みつける。
しかし、その研究者は度胸があるのか、図太いのか、それとも大物なのか、怯まずに言う
「ん?ああ、これのことか?今からこの新型ナノマシンをどこまで耐えれるかの実験をしようかと・・・」
「そうか・・・」
そう呟くと研究者を気絶しない程度に殴りつけた
そして、
「痛いか?」
そう研究者に聞いた。当然研究者は
「な・・何を言っている!痛いに決まってるだろうが・・・!」
「ああ、そうだろうな。痛いだろうな。その痛みの何倍も、この子は味わってきたはずだが・・・なんとも思わなかったのか?」
「は?何を言っている?そんなの関係ないだろう?これは、私の所有物だろうが。
何故君にそんなこ・・・とを・・・」
研究者の口調が変わる。アキラが急に殺気を放ったのだ。脅える研究者。その様を見て笑うアキラ
「どうした?恐いのか?この俺が、恐いんだろう?
ところで、この新型のナノマシン、人体に影響は無いのか?」
研究者に尋ねるアキラ
そして研究者は
「え?あ。は、はい!勿論です」
「ほう?そうか?なら、貴様で確かめてみようか・・・」
「な、ち、違うんだ!それは、それは・・・」
「人体に影響は無いんだろ?なら何も恐がること無いじゃないか・・・もしかすると、注射が恐いのか?くくくくく・・・」
研究者を馬鹿にして笑いながら無針注射器を逃げようともがく研究者に打つ
「ぎいやあぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!」
絶叫を上げ、ごろごろ転がり苦しむ研究員。そして止まったかと思うと何回か痙攣した後、絶命した
「どれだけ、未知のナノマシンを打たれるのが恐ろしいか・・・少しでも分かったか?」
そう言った後、女の子に近づくアキラ。
女の子の特徴は、銀色の髪に真っ白な肌。恐らくは、マシンチャイルドだ。しかし、よく見ると結構体は大きい。きっとホシノ・ルリよりも年上であろう
アキラはその子の前まで来ると、突然マントに手を突っ込んだ。そこからにゅ~と、バスタオルを取り出す。そのバスタオルを掛けてやろうとすると、女の子が不意に目を覚ました
「また実験?」
目覚めて早々に、そう言い出す女の子。瞳はやはり金色をしていた
「・・・」
フワリ
アキラは何も言わずにバスタオルを掛けてやる。
「何の実験をするの?」
「・・・」
彼女の問いに答えないアキラ。ただじっと彼女を見ている
「如何して何も言わないの?」
「君が実験のことを言うから・・・」
そう答えるアキラ。その返答に女の子は
「如何して?如何して実験の事を行ったら黙るの?」
「君には、もう関係の無い言葉だから・・・」
優しく女の子に言うアキラ
「もう実験しなくていいの?
もう痛い想いしないでいいの?」
「ああ、君はもう自由だ」
そうアキラが言うと女の子は泣き出した。今までの思いを、吐き出すように・・・
また別の部屋
アキラが入るとそこにはもう研究者は居なかった。どうやらさっきの部屋で終わりのようだ
部屋の中を歩くアキラ。いろいろな機器があるのでまっすぐ進めない。そして一番奥に着いた
「ラピス・・・」
ラピスと呼ばれた女の子はカプセルの中でぷかぷかと浮きながらねていた。見た目は小さいが、彼女は確かに未来でラピスと呼ばれた子であった
彼はとうとう、前の世界で唯一戦友と呼べる自分の半身であった子を見つけた
あとがき
明日テストがあります。寝たいけど寝られない。
不眠の戦士MADです
オリジナルのマシンチャイルドが出てきました。
しかもルリより年上・・・
設定を無視しまくってますがそこは如何か、勘弁して下さい。一応考えあっての出演なんで
さて、とてもしんどいですが、頑張りますので見てやってください
では、またお会いしましょう