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No.32319の一覧
[0] 木ノ葉学園の日常[Φ卑弥呼Φ](2012/03/22 17:55)
[1] 卍さんの周り[Φ卑弥呼Φ](2012/03/21 04:07)
[2] 渡る世間は馬鹿ばかり[Φ卑弥呼Φ](2012/03/21 05:53)
[3] サクラといの[Φ卑弥呼Φ](2012/03/21 15:11)
[4] 幼なじみ[Φ卑弥呼Φ](2012/03/21 23:54)
[5] ストイックな転校生[Φ卑弥呼Φ](2012/03/22 17:52)
[6] 強い女は美しい?[Φ卑弥呼Φ](2012/03/22 23:48)
[7] クシロの春 前編[Φ卑弥呼Φ](2012/03/23 02:19)
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[32319] クシロの春 前編
Name: Φ卑弥呼Φ◆b7c18566 ID:08ee7ffa 前を表示する
Date: 2012/03/23 02:19
※第三者視点です


4月上旬

木ノ葉学園からかなり離れた所にある手の付けられない悪ガキが集まる不良校に彼女は通っていた

名前は卍クシロ

中学一年の頃、父親の転勤で此処にやって来た

この不良校の成績は意外にも良好で、偏差値こそ高いが、規律の厳しさに耐えきれず、グレた生徒が多数現れた事から学校の汚名が広まった

所詮はガリ勉がグレて不良に化したに過ぎない

不良でも授業はちゃんと受けているその姿は尚更だ

群れる事事態に抵抗は無いクシロだが、地方の違いからかノリが合わず、結局は一人でいる

入学式から一週間、クシロはいつにも増して機嫌が悪かった

理由は朝学校に来るや否や、無差別に上級生に殴られたからだ

はっきり言ってクシロは地元では右に出る者はいないと言われる程喧嘩が強い

小・中学の頃は、やりすぎてしまう時もあったが、いつしか加減を覚えた

中学までは多少の暴力行為は多目に見られていたが、義務教育ではない高校となれば話は別

クシロは兎に角暴力が理由で退学になる事は避けたかった

両親に高い教育費、通学費を出して貰っている以上、下らない事で困らせたくないという気持ちが強いからだ

下駄箱で靴を履き替え、教室へ向かう

右を見れば喧嘩、左を見れば力の無い生徒を恐喝する不良

クシロはその光景を目にしても、眉一つ動かさず平然に通り過ぎて行く

見慣れているのだ

教師がいなかったらやりたい放題にしている生徒に半ば呆れながらフッ…と息を漏らす

教室に入ってもそれは同じ

女子生徒に睨まれても平然を装う

本気を出せば十秒足らずでかたずけられるのだが

「アイツさぁ、卍クシロってぇの?キモッ!さっきも無視したし!」

「きっとビビってんだよ。あたし等ガン飛ばしすぎ?」

キャハハと下品な笑い声がクシロの耳を突いて堪らなく不快になる

しかしその苛々は理性によって抑え込まれる

毎日が葛藤の日々なのだ

そして放課後

「卍、ちょっとトイレついて来てよ」

これといって接点のない生徒にトイレに誘われたクシロ

その生徒は女子生徒集団の一人だ

「…ごめん、用事あるから」

クシロは即座に断る

明らかに喧嘩のにおいがするからだ

「そんな事言うなよ。ちょっとでいいんだって」

「無理やって言うとるやん」

「ちょっとだって言ってんだろ」

中々応えないクシロに苛立ったように女が声を張る

絶対帰してくれなさそうな異様な空気に耐えかねたクシロは渋々女に連れられトイレへ向かう

-大丈夫、何かあれば口で済ませばいい-

日本で一番押しの強い言葉はクシロが住んでいた地域の播州弁だとされる

関東の者が播州に敵う訳がないと踏んだのだろう

トイレに着くと大人数の女子生徒がクシロを歓迎していた

その表情に友好的な感じはない

「お前さぁ、いっつもスカしててムカつくんだよ」

一人がモップに掌を乗せながら言う

何かあればそれで叩くつもりなのだろう

「一発…いや、百発殴らせてよ。キャハハ」

クシロが嫌いな下品な笑い声が響き渡る

クシロは苛立ちを隠せなかった

「お前等さぁ、所詮一人じゃ何も出来ん癖にいちびるなよ。そういうん馴れ合いって言うねん。ハッキリ言って相当ウザいで?」

クシロの殺気立った目に怯む女子生徒達

図星だからだ

「な、何だよコイツ!!知ったような事言ってんじゃねぇぞ!!」

一人の女子生徒がクシロを殴る

クシロはあえてわざと殴られる

時が過ぎ去るのを待った

手を抑えつけられモップを頭にこすりつけられる

下劣な笑い声

醜く歪んだ顔

その時、クシロの何かが飛んだ

ビキッ

「え?何?今の音」

その音はあまりに鈍く

惨劇の始まりを伝えていた

「き…っ」

クシロは叫ぶ暇も与えなかった

只、目が合った奴に暴力を振るっていた

「ハァ…ハァ…ッ」

気がつくと全員が横たわっていた

「…やってもぉた…心に決めたのに…っ」

とっさに顔を覆うがその手は地塗られていた


翌日、クシロは自主退学した

親には何も話さなかった

話せなかった

もし話せばどんな顔をするかは目に見えていたからだ

クシロの行動に腑に落ちない両親はクシロに新しく転入する高校を紹介した

名は木ノ葉学園

文武両道の部活強豪校で学園の評判も絶大

クシロは両親の提案に反対するが、渋々通う事となった

転入初日

セーラー服に身を包み学園へ向かう

自転車通学という移動距離感は、電車酔いしやすいクシロの為の、両親の計らいかもしれない

学園に着くと、一人の教師がクシロを出迎えてくれた

「お前がうちに転入する事になった卍クシロだな。俺はお前の担任のはたけカカシってモンだ。よろしくなクシロ」

「イキなり呼び捨て…?」

「あぁ、うちの教師は大概生徒を下の名前で呼んでるよ。ま!すぐ慣れるから」

ニコリと笑うカカシに吊られて笑うクシロ(苦笑だが)

そのまま教室に向かう

クシロは綺麗な校舎に立っている自分が場違いな気がしてならない

「そんなに珍しいか?此処が」

校舎をキョロキョロ見渡すクシロにカカシが問う

「うん。かなり」

「ま、あの高校にいたんじゃ無理もないな」

カカシの言葉に反応するクシロ

「知っとるん…?」

おずおずと聞く

「転入してくる生徒の情報を知らない訳ないでしょ。ま、君はその高校で随分真面目だったらしいね」

その言葉にクシロは俯く

「別に…真面目ちゃうよ」

ポツリと呟く

「ま!お前が悪い子だったかどうかは知らないけど、ここはそんなの気にしないから」

カカシは続ける

「うちの生徒は皆良い奴だよ。ちょっとぶっ飛んでるけど、皆何に対しても一生懸命だから、毎日楽しくなるよ」

カカシの言葉にクシロの表情が和らぐ

「ここが、お前の教室」

そう言ってカカシが歩みを止めたのは、一年B組の教室だった

他のクラスに比べて騒がしい

ガララッ

「お前等ー、席に着けー」

カカシの一声で、生徒は素直に席に着く

「あーっ!カカシ先生ーっ!!その女の子ってば一体誰ー!?」

金髪のギザギザ頭が特徴的な少年がクシロを指差す

「こらナルト、指差すな。転入生だよ」

クシロの肩にポンと手を置くカカシ

「ほら、自己紹介して」

クシロの肩を軽く叩くカカシ

「卍クシロ。よろしく」

緊張のあまりかなり素っ気ない自己紹介になってしまった

「何だよ、感じ悪ぃー」

犬を連れた態度の悪い男子がクシロを批判する

「あぁー?」

無意識に男子を睨み付けるクシロ

その目線に生徒が凍りつく

「キバ!失礼な事言うな。それにクシロ、何でも喧嘩腰になるな」

「…」

何だかんだで休み時間

転入早々最悪の印象を与えてしまったクシロは完全に諦めモードに入っていた

自然と机にうつ伏せになるクシロ

前の高校の休み時間もこうやってやり過ごしてきた

「ねぇねぇ、クシローっ」

呼び捨てにされ、勢い良く起き上がる

見上げると金髪のポニーテールが魅力的な今どき女子生徒がいた

「お友達になろうよーっ」

無邪気な笑みを浮かべ手を差し伸べてくる

「あたしー、いのってぇのー」

「…クシロ」

「やだなー、知ってるって!」

クシロはいのの手を握る

「私、春野サクラ!よろしくね」

赤いリボンのカチューシャと桜色の髪が可愛らしい女の子、サクラ

「あたしはテンテンっ!!よろしくー」

快活でお団子頭が特徴的なテンテン

「わ、私…日向ヒナタ…よ、よろしくね…?」

恥ずかしそうに指をつつく長髪が印象的なヒナタ

「よろしく…」

クシロは戸惑いながらこの四人と友達になった


end





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