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No.35320の一覧
[0] NARUTO ~もう一人の守護忍十二士~[岡目印子](2014/08/17 02:10)
[1] 第一話[岡目印子](2014/08/16 20:59)
[2] 第二話[岡目印子](2014/08/17 02:00)
[3] 第三話[岡目印子](2014/08/21 00:26)
[4] 第四話[岡目印子](2014/11/07 15:25)
[5] 第五話[岡目印子](2014/12/17 23:20)
[6] 第六話[岡目印子](2014/12/18 01:31)
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[35320] 第五話
Name: 岡目印子◆2d25a1f8 ID:84b94c4b 前を表示する / 次を表示する
Date: 2014/12/17 23:20
「くっ――!?」

 カカシは突如襲いかかってきた風の刃を避けて後ろへ下がった。
 暴風により霧が飛ばされ、橋に光が差し込み始める。

「……死んだか、再不斬」

 黒い長髪の中性的な人物は、血溜まりに浸かる再不斬を起こした。写輪眼でその姿を凝視すると、木ノ葉ではよく見る“眼”――白眼が目に入った。

「まだ……だ。こんなところで、俺は――ッ!!」

 再不斬の顔に巻かれた包帯から血が溢れだし、その場に倒れた。心臓に雷切を食らったのだから、不死身でも無い限り死ぬのは時間の問題だろう。
 それよりも目の前に現れた白眼――日向の忍を見て、カカシは嫌な汗をかき始めていた。

(日向の抜け忍と言えば……“アイツ”しかいない――)

 “日向センリ”――ビンゴブックに載っているS級犯罪者が目の前にいる。センリの様子を見る限り、再不斬とは顔見知りもしくは仲間に違いない。

「白は生きている。再不斬、一緒に旅が出来て楽しかったよ」

「セン、リ……お前、は――」

 再不斬は何かを言い残して、息を引き取った。センリは目を瞑りながら立ち上がると、こちらに鋭い目を向けた。
 カカシは与えられた短い時間の中でどうするべきかを考えていた。
 再不斬との戦いでチャクラをかなり消耗しているため、長期的な戦いは望めないだろう。だからといって、日向センリは一撃で終わるような相手では無い。この時点でカカシはほぼ詰み状態にあると言っても過言ではない。
 カカシの他に戦力として挙がるのは負傷が少ないナルトとサクラの二人だが、力量的に論外だ。出てきたところで瞬殺されるのが目に見えている――

(選択肢は一つしか無いみたいだな――)

 どの道ここでカカシが死ねば全滅だろう。それならば、任務遂行のためにここでセンリを足止め――いや、仕留めるしか手段は無い――

「カカシ先生ェ! そいつ誰だってばよ!」

 後ろからナルトの叫び声が聞こえて、頭を抱えそうになる。ここは察して逃げて欲しかったのだが、彼にそれが出来るはずも無かった。

「ナルト、サクラ! タズナさんとサスケを連れて逃げろ! 理由は考えるな……走れ!」

「……ナルト! 行くわよ!!」

「でもカカシ先生が――」

「いいから! 早く!!」

 状況を察したサクラが先導して、サスケをおぶりながらその場から離れ始めた。ナルトとタズナさんもそれに並んでいった。一応これで四人の安全は確保されたが、問題は山積みである。

「再不斬を討つとは、流石は写真眼のカカシと言ったところか」

「二連続S級犯罪者……それも日向センリを相手というのは……骨が折れるな」

 カカシはできるだけ時間を稼いで四人の生存率を高めようとしていた。センリは特に攻撃を仕掛けてくる様子も無く、落ち着いている。

「“ターゲット”のことは気にしなくていい。もう、狙う必要も無くなったから」

 まるでカカシの心の中を見透かすかのように、センリは言及してきた。タズナを狙わない理由はどうでもいいとして、あの四人の安全がほぼ確保できたことに取りあえず安堵した。

「ということは、俺が狙いか?」

「特に恨みは無いが、再不斬の冥土の土産になってもらう。それだけだ――」

 センリは構えを取ると同時に、一気に距離を詰めてきた――
 素早い柔拳を交わしながら、カカシはセンリの攻略方法を考えていた。柔拳は普通の体術と比べて、指先を身体に接触させることができないのが難点である。指先が振れれば、点穴が閉じられて次第に身体にチャクラが流れなくなってしまうのだ。カカシは写輪眼を持っているため動きに付いていっているが、このまま近距離で戦闘を続けるのは明らかに不利である。
 カカシは隙を見てセンリから距離を離し、素早く印を結んだ――

「水遁・水龍弾の術――」

「八卦掌大回転」

 水龍をセンリが弾いている間に、カカシは影分身を四方に回した。
 回転が終わると同時に四つの分身がセンリに襲いかかったが、鋭い柔拳によって瞬く間に消されていた。

(くっ……! 隙が無い――)

 流石はうちはイタチと同格の天才と謳われているだけのことはあるだろう。
 センリは柔拳に殺傷能力を付ける応用をしており、風遁に長けている情報がある。それに加えてほぼ全方位を見渡すことが出来る白眼を持っている。遠近ともに非常に優れているため、攻撃する隙が無いのだ。
 こちらの動きが止まったとみたセンリが、印を結ぶ――

「風遁・大突破!」

 大きく息を吸ったセンリの口から、暴風が飛び出す――
 術は中忍級だが、センリのそれはかなりの威力であると即座に判断した。

「土遁・多重土流壁!!」

 何重もの土遁の壁で暴風を防ぐが、回りから入り込んできた風に吹き飛ばされそうになる。
 一瞬視界を奪われ、次に目を開けたときにはセンリが目の前に来ていた。
 指先から伸びたチャクラの刃が迫っていたが、無理矢理体勢を崩してそれを避ける。すぐに体勢を取り戻そうとしたが、センリの脚が腹部に刺さり、大きく飛ばされた。

「痛ッ――!」

 空中で体勢を整えて着地をすると、頬から血が流れた。
 刃が掠っただけで内部にも激痛が走るということは、あれも柔拳の一種なのだろう。身体に刺さることがあろうものならば、絶命を免れるのは難しい――

(“アレ”を使うしかないか――)

 リスクは伴うが、出し惜しみをしている場合ではないだろう。チャンスを掴むためにカカシは水遁の印を結んだ後、火遁の印を結ぶ――

「火遁・豪火級の術!」

 センリがいる橋一面ごと焼き尽くす程の炎を吹くと、狙い通りにセンリは橋下の海へ回避した。
 カカシは雷切の印を結び、右手にそれを溜め込み、センリがいる海へ飛び降りた――

「これで終わりだ――日向センリ!」

 迫るカカシに対してセンリは回転をしようとする。

「――ッ!!」

 背後から突然現れたカカシの水分身がセンリの腕を掴もうとする。しかし、センリは即座にそれを間一髪で避けることに成功した。
 カカシはそのまま真っ直ぐ心臓目掛けて右手を突きだすが、センリは難無く回転をして雷切の軌道を逸らす――

「詰めが甘かったな、写輪眼のカカシ――」

 センリは無表情のまま、勢いが止まったカカシに襲いかかった。
 雷切が不発に終わったカカシにチャクラの刃が突き刺さる――











「詰めが……甘かったな、日向センリ――」

「なっ――!?」

 刃が突き刺されたカカシの体内から雷撃が放たれた。
 そう、カカシは雷切を発動した際に“雷遁・影分身の術”を使用していたのだ。雷撃がセンリに感電し、動きが止まる。雷遁・影分身によってチャクラが半分消費されているため、これで最後にしなければならない。
 水中から姿を現したカカシの写真眼の模様が変わり、センリの心臓にその視線が定まる――

「万華鏡写輪眼――神威!!」

 瞳術が発動し、センリの胸部が歪み始める――

「くっ……!!」

(……時間はかかるが、局所的なら行ける!!)

 チャクラの消耗が激しいため、なかなかセンリの心臓を異空間へ飛ばすことができない。次第に歪みが強くなり、センリが苦痛の声を漏らし始める――

「うおおおおぉぉ!!」

 カカシは渾身のチャクラを振り絞り、神威を続けた。意識が飛びそうになるのを堪えてセンリを唯々睨み続けた。
 あと少しで日向センリの心臓が――






「――――――」






「な、に……!?」

 センリが何かを呟くと、歪んでいた空間が元に戻っていた。カカシは目の前で起きたことが理解できずに、佇むことしかできなかった。

(俺は瞳術を解いていない……それなのに、何故――)

 いつのまにか雷遁の拘束が解かれているセンリがこちらを見ていた。一瞬、目がまるで鏡のように見えたが、すぐに元の白眼に戻っていた。

「写輪眼、輪廻眼、そして白眼……この三大瞳術の中で最も長けているのは、白眼だ――」

 センリがゆっくりとこちらに歩いてくるが、カカシはチャクラを消耗しきっているため動くことができなかった。

「白眼が最も、長けている……だと!?」

 白眼といえば広範囲・遠距離・透視性を兼ね揃えた瞳術であるのは知っているが、万華鏡写輪眼を凌駕するということなど聞いたことがなかった。しかし、それを実際に目の前で行われたのだから、納得せざるを得ないだろう。いや、もしかしたら何かしらのトリックがあるのかもしれない――

「ここで死ぬお前に話す必要は無い」

 センリはカカシの前に立ち、チャクラの刃を首元に突きつけた――

「再不斬とあの世で仲良くしてやってくれ、写輪眼のカカシ――」

 刃を振り上げたのを見て、カカシは目を瞑ってその運命を受け入れることにした。

(リン、オビト、先生――)

 あの三人と過ごした時間が走馬灯のように流れ始める。結局、何もできないまま果たすこともできないまま――

『やめろおおおぉぉぉ!!』

 刹那、センリの姿が目の前から消えていた。
 橋の上から気絶していた少年の声が聞こえたからなのだろうか。そんなことを考えている内に、カカシは海上に倒れこんだ。

(助かった、のか――)

 事の真相が分からないまま、カカシはそのまま気を失った――


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