この物語に於ける注意点。
原作再構築、オリジナル技。一部のキャラには年齢操作・性転換などもあり、名前が変更されている場合もあります。
第四次忍界大戦に於いて、ナルト勢が敗北し、殺される前に一からやり直したいと今までの人生を後悔したサクラが、前いた世界とは違った「条件」を持つ世界に転生する話です。チート・ハーレムなどはありません。
同期達の変更点などを。一応名前は原作のまま(一部のキャラの名前は作中では違ってきます)。
カカシ班
はたけカカシ→九尾襲撃事件で大活躍し、英雄としての名は前の世界以上に広まっている。
うずまきナルト→里の人々に厭われてはおらず、四代目火影の子として敬われている。
春野サクラ→転生者。この世界と前の世界の違いに戸惑いながら生きている。す
うちはサスケ→ナルトサクラとの出会いが早まり、彼らとの仲も比較的親密。
紅班
夕日紅→物語での変化はあるが、それ以外の変更点はない。
犬塚キバ→シノ・ヒナタの変更により、二人への接し方などが変更。その他は紅に同じく。
油女シノ→大有り。
日向ヒナタ→大有り。
アスマ班
猿飛アスマ→チョウジ・いのの変更により、二人への接し方などが変更。それ以外は紅に同じく。
秋道チョウジ→大有り。
山中いの→大有り。
奈良シカマル→チョウジ・いのの変更により、二人への接し方などが変更。それ以外は紅に同じく。
ガイ班
マイト・ガイ→生徒たちの変更により、彼らへの接し方などが変更。それ以外は紅に同じく。
ロック・リー→一目ぼれする相手がサクラから他人に変更している(原作同期ではない)。
日向ネジ→実力はそのまま、しかし精神が弱体化。
テンテン→前よりも更に姉御肌に。
バキ班
バキ→テマリ・カンクロウの変更により、二人への接し方などが変更。それ以外は紅に同じく。
テマリ→大有り。
カンクロウ→大有り。
我愛羅→テマリとカンクロウの設定が大幅に改変しても接し方は変わらず。つまり、紅に同じく。
同期達の変更点はこれだけに留まらず、原作では起きなかった事件が起きていたり、白再不斬・大蛇丸にカブトと音忍ズ・暁など敵キャラや、五大国の様々な忍などの設定が変更されている為、上のこれらを見ただけでだめだな、と思った方は閲覧を控えてください。
以上のことを全て受け入れることができ、尚且つこれから何が起こったとしても驚かないという方のみどうぞ。
序章・暁闇――――――春野サクラ
戦争だった。
戦争だった、から、多分たくさんの人が死ぬってのは、わかってた。
わかってる、つもりだった。
でも、私ほんとは、わかってなかったんだ。わかってるつもりで、わかってなかったんだ。
私の大切な人たち、みんな生き残れるって。きっとこの戦争に勝てるって。そう思い込んでた。ずっと、ずっと。
でも、その結果は?
ヒナタの長い黒髪は縮れ、顔には大きな火傷のあとがつき、ほぼヒナタだと認識できなくなっていた。シノのサングラスは割れ、始めてみるその目は大きく見開かれ、蟲たちがその傍に、まるでゴミのように落ちている。キバと赤丸と言えば、血の色でどっちがどっちだかわかんないくらいだ。
いのの体がぐったり崩れ落ちている。おそらく一番綺麗な死体だ。彼女の精神は術で飛んでいって以来、もう帰ってこなかったのだ。そんないのを守ろうとしていたシカマルとチョウジは、胸元を貫かれ、重なり合うようにして死んでいる。
ネジさんの額からは呪印が消え、白眼は黒くかわっていた。呪印は日向の秘密を守ったのだろう。テンテンさんは自らの武器の上に倒れ、体中を貫かれて巻物を血でぬらしていた。八門を開いたガイ先生とリーさんは白目を剥き、肌の色は真っ赤に充血している。
カンクロウさんの傀儡が地面に横たわり、カンクロウさん自身は顔を血で真っ赤にしていた。テマリさんの手足はあらぬ方向に曲がってしまっており、そのすぐ近くでは、サイの血と墨が交わりあって悲惨なことになっている。
カカシ先生は写輪眼を奪い取られ、木遁に体を貫かれて死んでいた。サスケくんの両目も抉り出され、ナルトとビーさんはそれぞれの尾獣を抜かれてしまっている。サスケくんの増援としてやってきていた彼らもまた、悲惨なことになっていた。
香燐と呼ばれる少女と、私だけがまだ生き残っていた。でも私たちとも致命傷を受けていて、死ぬのは時間の問題だっただろう。彼女が腕を差し出して、囁いた。「噛んで」と。噛み痕は花みたいでむしろ綺麗だったけど、私は断った。私が生きていたってなんの戦力に成り得るというんだろう。ナルトやサスケくんやカカシ先生よりもずっと弱い私が。かわりに彼女を治療しようとした、その瞬間、彼女が目の前から飛んでいった。
視線を移す。うちはオビト。とどめを刺しにやってきたのだ。彼の手にしたクナイは血に濡れ、暁闇のなかきらめいて見えた。
そのクナイが、ぐさりと、ぐさりと、
ぐさりと、
――ああ
ぐさり、と、
――やり直せたら、いいのに
ぐさ、り、と、
――ぐさりと。
グサリと、うちはオビトは春野サクラの喉を突き刺し、そして、その残された微かな命の息吹を、奪っていった。