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No.37328の一覧
[0] もしもオレとお前が逆だったら[さしみ](2013/04/19 19:00)
[1] もしもオレとお前が逆だったら 2話[さしみ](2013/04/22 19:32)
[2] もしもオレとお前が逆だったら 3話[さしみ](2013/04/21 10:57)
[3] もしもオレとお前が逆だったら 4話[さしみ](2013/04/22 19:11)
[4] もしもオレとお前が逆だったら 5話[さしみ](2013/04/21 20:02)
[5] もしもオレとお前が逆だったら 6話[さしみ](2013/04/21 19:59)
[6] もしもオレとお前が逆だったら 7話[さしみ](2013/05/01 00:17)
[7] もしもオレとお前が逆だったら 8話[さしみ](2013/04/28 17:05)
[8] もしもオレとお前が逆だったら 9話[さしみ](2013/04/29 22:21)
[10] もしもオレとお前が逆だったら 10話[さしみ](2013/05/01 00:32)
[11] もしもオレとお前が逆だったら 11話[さしみ](2013/05/06 16:54)
[12] もしもオレとお前が逆だったら 12話[さしみ](2013/05/06 21:25)
[13] もしもオレとお前が逆だったら 13話[さしみ](2013/05/12 20:44)
[14] もしもオレとお前が逆だったら 14話[さしみ](2013/05/18 18:44)
[15] もしもオレとお前が逆だったら 15話[さしみ](2013/05/18 20:31)
[16] もしもオレとお前が逆だったら 16話[さしみ](2013/05/19 11:58)
[17] もしもオレとお前が逆だったら 17話[さしみ](2013/05/20 01:01)
[18] もしもオレとお前が逆だったら 18話[さしみ](2013/05/31 18:44)
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[37328] もしもオレとお前が逆だったら 2話
Name: さしみ◆cba47cda ID:a451a433 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/04/22 19:32

いつかは、何時かは。ずっと信じてきた。
いつかは、オレをちゃんと見てくれる人が現れる事を。
友達が欲しかった。家族が欲しかった。
生まれつき両親の居ないナルトは家族の愛情を知らない。
親子が店で幸せそうに話しながら買い物をしているのを見ると、幸せそうだという事しか想像出来ない。
オレも家族が欲しい、でもそれは叶わない。だったらせめて、友達が欲しい。

アカデミーに入ったのは、強い忍となり、沢山友達を作るため。
自分を理解してくれる人を、出来れば同じように苦しんでいる人と分かち合いたい。
だが、アカデミーでの成績は下から数えてトップ、ドべとなってしまった。
手裏剣や体術は人よりも出来るつもりだ。強くなるため、修行を重ねたから。

でも、忍術が上手くいかない。
チャクラを練ろうとすると、または印を結んで術を発動させようとすると…
何かドス黒いチャクラが溢れ出してきて、術の発動が上手くいかない。
チャクラコントロールが上手く出来ないのだ。
アカデミーの卒業試験として出題された分身の術も、練習を積み重ねやっと出来るようになった。
サクラちゃんもサスケも、シカマルやいのも、分身の術はすぐにコツを掴んで発動していた。
オレだけだ、こんなに苦労しているのは。
ナルトはずっと考えていた。オレには忍術の才能が無い、つまり忍者の才能が無いのではないか。


――――今にしてみれば、あのドス黒いチャクラが化け狐の物だったなら説明がつく。


忍術の成績が悪かったナルトは、代わりに皆に注目される様な事をするようになった。
語尾に「だってばよ」を付けるヘンな口調やオレンジを主体とした妙ちくりんな格好。
そして、数々のイタズラ。
全て、皆に注目してもらう為にやっていたものだ。あんなのは本当はやりたくなかった。

だが、無駄だったわけじゃない。
授業中に馬鹿な事をすれば、一時的にみんな笑ってくれる。
イタズラをすればイルカ先生が怒ってくれる。
幼少期を嘲笑や悪態の中で過ごしてきたナルトにとって、自分を怒ってくれる、それだけで嬉しかった。
怒ってくれるという事は、自分の事を見てくれているという事だ。
昨日も、歴代火影の顔岩にラクガキした時、とんでもない剣幕で怒ってくれた。



――こらぁナルトォ!!!!!授業中に何やってんだ!!――

そして、一楽へ連れて行ってくれた。


――ダメダメ!これは学校を卒業して、一人前と認められた証だからな。お前は、明日!――



イルカ先生だけは、オレをしっかり見てくれる――――――



――お前が、イルカの両親を殺し里を壊滅させた九尾の妖狐なんだよ!!




筈だった。



イルカだってお前が憎いんだ、か。
当然だろう、両親を殺された相手を憎いと思わない訳が無い。
憎んでいる事を悟られたく無いから、だからミズキ先生に必死な顔で叫んでいたんだ。

結局は、イルカ先生も皆と同じだった。唯、隠していただけだったんだ。
裏切られた気分だった。最も信頼していた人が結局は他と同じだったなんて。
もう木の葉の里に自分を見てくれる人はいないだろう。
全て無駄だったのか。



もうオレには……誰もいない。






気がつくと、夕日も完全に沈み、辺りを月光だけが薄明るく照らしていた。
どのくらい走ったのか、もう覚えていない。
考え事をしていたので此処が何処かも分からない。
それでいい。今は木の葉には戻りたくない。

そのまま移動していると、突然目の前の空間が歪み、何か人影が現れた。
暗くてはっきりとは見えないが、どうやらお面の様な物で顔を覆っている。
無表情で、ナルトは面の人物に尋ねた。

「……オレに何か用かよ」

「うずまきナルト。お前を迎えに来た」


よく通る男の声だ…迎えに来た?まさか、木の葉の追っ手か。だったら…


「そう身構えるな。オレは木の葉の追い忍ではない…オレはお前に何もしない」

「木の葉の忍じゃないのなら…誰なんだ?」


何が目的なんだ、この面の男は。オレを何処に連れて行くつもりなんだ。


「悪いが、さっきの一件は見せて貰った。皮肉なものだ…本来なら九尾をその身に閉じ込

めて封印している里の英雄、木の葉の里の救世主であるお前が、里の者達から憎悪の対象

になっているとはな」


オレが、里の英雄…?どういうことなんだ。
英雄ならなんでオレはみんなから酷い目に合わせられなければならないんだ。



「…オレが、英雄だって?冗談は止してくれってばよ」



「冗談などではない。お前は里の英雄だ…

九尾をその身に宿し、暴走する事を防いでいる。立派な事だ。

お前が九尾を封印している事によって、12年前の惨劇を繰り返さずに済んでいるのだか

らな。

本当ならば、お前は里の者から感謝され、称えられなければならない筈だ…だが、実際は

どうだ?

お前は一度でも誰かから感謝された事があったか?九尾を抑えてくれてありがとうと。

お前は…誰にも理解されていないだけの、英雄なのだよ」


「誰にも…理解されないだけの、英雄…?」

「そうだ。もっとも、その事を理解しているのは恐らく、三代目火影だけだろうがな…

何故お前が里の者達から認めて貰う事が出来ないのか?それは一見難しい様に思えるかも

しれないが、至って簡単だ」


面の男は続けた。



「それはな、ナルト…。今の木の葉の里がクズばかりだからだ」



―――そうだ。この人の言う通りだ。


「オレもかつては木の葉の忍だった。オレも今のお前と同じなのだよ…里の者から理解さ

れず、迫害された…

誰もオレを認めようとはしない。かつて仲間だと思っていた奴等から裏切られ、オレは里

を抜けた。

今のお前と、何も変わらん」

「アンタも、オレと、…同じ?」


救われた様な気分だった。オレと同じ憎しみを持った人が、他にも居る事に。
この人も、木の葉に絶望している。今のオレと、全く同じだ…


仮面の男がオレに手を差し出して来た。


「オレについて来い、ナルト。お前も復讐したいのだろう?自分を散々苦しめ続けた

あの忌々しい木の葉の里に・・・。オレと一緒に来れば、お前を強くしてやろう。

全てを滅ぼせる[力]を、お前に与えてやる。そして・・・

オレと共に木の葉へ復讐するのだ―――――――――――――」


やっと、出会えた。同じ苦しみを持つ本当の[仲間]に。


オレは目の前の面の男にしがみついて大声で泣いていた。


「うっく、グスッ…うぁ、うぁぁぁぁあああああああああ!!!!」

やっとだ。やっと、オレと同じ思いの人に出会う事が出来た。同じ憎しみを背負うこの人なら、本当の意味でオレの事を理解してくれる。
そんな気がした。

「兄ちゃん…」

何故かは分からないが、いつしかそう呼んでいた。家族は居ないが、兄がいたらこんな感じなのかな…と思った。
面の男は少し驚いた様にすると、言った。


「クククッ…兄ちゃん、か…いいだろう、うずまきナルト!お前は今日からこのオレ、

うちはマダラの弟として、オレが育ててやろう!」

兄ちゃんはそう言うとオレの頭を撫でながら、初めに使った空間を歪ませる術を発動した。


「行くぞ…お前にオレの仲間を紹介してやろう」






見ていろ。オレは強くなる。誰にも絶対負けないくらいに強くなる。


そして、オレは・・・







(・・・木の葉を、潰す)








あとがき


オ○トさんにはナルトの兄になって貰いました。
原作で十尾復活の際、八尾のタコ足一本分のチャクラで足りていたみたいなので、このSSではナルトの九尾は抜かれる事は無いです。


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